JP6468550B2 - 食品用トレイ - Google Patents

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Description

本発明は、食品載置面に食品が載置された状態で電子レンジにより加熱可能な食品用トレイに関する。
従来、食品載置面に食品が載置された状態で電子レンジにより加熱可能な食品用トレイとして、ポリプロピレン樹脂や結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂(C−PET)、フィラー入りポリプロピレン樹脂、ポリメチルペンテンを用いた樹脂製トレイがある。
しかしながら、従来の樹脂製トレイで加熱調理した場合、食品によっては食品から流れ出した油が加熱されることにより問題が発生することがあった。例えば、発泡樹脂のトレイにあっては、長時間電子レンジで調理すると、トレイ上の食品から流れ出した油が食品と共に加熱されることにより高温となるためトレイが変形したり、トレイが部分的に溶けたりする問題があった。
また、非発泡のポリプロピレン樹脂のトレイにあっては、耐熱性があるため、食品から流れ出した油が加熱されてもトレイが溶けるということはないものの、樹脂に吸油性がないため、食品から流れ出した油がトレイ内に溜まり、そのまま食卓に提供するのは食欲を損なう虞がある。
特表平8−501042号公報 特開平11−292152号公報 特開2000−083811号公報
本発明は前記の点に鑑みなされたものであって、耐熱性、耐油性及び吸油性があり、食品と一緒に電子レンジで加熱するのに好適な食品用トレイの提供を目的とする。
請求項1の発明は、食品収容部を有する食品用トレイにおいて、内面側樹脂層と外面側樹脂層の二層の積層樹脂からなり、前記内面側樹脂層が、ポリプロピレン樹脂とゴム成分を含む樹脂組成からなって、気泡構造を有し、前記外面側樹脂層がポリプロピレン樹脂からな前記内面側樹脂層の食品載置面は、気泡構造の切断面が露出し、前記気泡構造の切断による凹凸を有することを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1において、前記内面側樹脂層は、前記外面側樹脂層との接着面にスキン層を有し、他側の食品載置面にスキン層を有しないことを特徴とする。
請求項の発明は、請求項1または2において、前記内面側樹脂層は、前記ポリプロピレン樹脂の融点が150℃以上であり、前記ゴム成分が重量平均分子量200,000以上であることを特徴とする。
請求項の発明は、請求項において、前記内面側樹脂層の樹脂組成は、前記ポリプロピレン樹脂45〜65重量部と、前記ゴム成分10〜25重量部と、添加剤成分45重量部以下とからなることを特徴とする。
請求項の発明は、請求項において、前記添加剤成分は、ポリエチレンであることを特徴とする。
請求項の発明は、請求項1からの何れか一項において、前記内面側樹脂層は、超臨界発泡成形法により形成されたものであることを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項1から6の何れか一項において、前記食品収容部の食品載置面に複数の突部が形成されていることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、食品と接することになる内面側樹脂層が、ポリプロピレン樹脂とゴム成分を含む樹脂組成からなって、気泡構造を有するため、耐熱性、耐油性及び吸油性が良好となり、食品が載置された状態で電子レンジにより加熱される用途に好適なものとなる。
また、内面側樹脂層の食品載置面は、気泡構造の切断面が露出し、前記気泡構造の切断による凹凸を有するため、吸油速度が速くなる。
請求項2の発明によれば、内面側樹脂層は、外面側樹脂層との接着面にスキン層を有するため、成形時の密着性に優れることから食品用トレイの剛性を高めて取り扱い性を良好にすることができ、また、他側の食品載置面にスキン層を有しないため、食品載置面に載置された食品から流れ出した油を速やかに食品載置面で吸収することができる。
請求項の発明によれば、内面側樹脂層の樹脂組成に含まれるポリプロピレン樹脂の融点が150℃以上であり、ゴム成分が重量平均分子量200,000以上からなるため、耐熱性及び耐油性をさらに向上させることができる。
請求項の発明によれば、内面側樹脂層の樹脂組成は、前記ポリプロピレン樹脂45〜65重量部と、前記ゴム成分10〜25重量部と、添加剤成分45重量部以下とすることにより、耐熱性、耐油性及び吸油性を良好なものにすることができる。
請求項の発明によれば、内面側樹脂層の樹脂組成に含まれる添加剤成分をポリエチレンとすることにより、吸油性をさらに高めることができる。
請求項の発明によれば、内面側樹脂層は、超臨界発泡成形法により形成されたものであるため、微細な気泡構造のものとすることができ、耐熱性を一層高めることができる。
請求項7の発明によれば、食品収容部の食品載置面に複数の凹部が形成されているため、食品載置面に載置された食品から流れ出した油との接触面積が増大し、食品から流れ出した油を速やかに食品載置面で吸収することができ、吸油効率を向上させることができる。
本発明の食品用トレイの一実施形態の斜視図及び断面図である。 図1の2−2断面図である。 図2の3A部分拡大断面図である。 超臨界発泡成形法で形成されたシートの分割及び内面側樹脂層と外面側樹脂層とのラミネートシートを示す断面図である。
図1乃至図3に示す食品用トレイ10は、魚などの食品が載置されて電子レンジで食品と一緒に加熱されるのに好適なものである。前記食品用トレイ10は、内側に窪んだ食品収容部11を有し、食品載置部11の内底面に食品載置面12A,12Bが設けられている。
前記食品用トレイ10は、内面側樹脂層21と外面側樹脂層31の二層の積層樹脂からなる。前記内面側樹脂層21は、食品から流出した油を吸収保持するための層であり、ポリプロピレン樹脂とゴム成分を含む樹脂組成からなり、気泡構造を有し、超臨界発泡成形法により形成されている。
超臨界発泡成形法は、温度及び圧力が臨界状態を超えた超臨界状態のガス(窒素や二酸化炭素)を溶融樹脂に溶解させ、急に減圧することにより微細な気泡を発生させる公知の発泡成形法である。
実施形態の前記内面側樹脂層21は、超臨界発泡成形法を用いる押出成形によって形成された、図4の(4−1)及び(4−2)に示すような気泡構造樹脂シート210を、カッター等の切断具51で厚みを二分割して得られたものが用いられる。
分割して得られた図4の(4−2)に示す内面側樹脂層21は、片面にスキン層22を有し、分割面からなる他面はスキン層がなく、気泡構造の露出面23となっている。前記スキン層22は、超臨界発泡成形時に形成される緻密な表面構造であって剛性を高めることがき、前記気泡構造樹脂シート210の両面に形成される。前記気泡構造の露出面23は、切断面(分割面)であり、面上の微細な気泡群を平面で切断したことで生じた微細な凹凸を表面に有し、スキン層よりも吸油速度が速い表面構造である。
分割して得られた前記内面側樹脂層21のスキン層22の面に前記外面側樹脂層31が積層、接着されることにより、図4の(4−3)に示すような積層体100が形成される。なお、前記積層体100の製造方法は、種々のラミネート法により行うことができ、熱可塑性合成樹脂シートを押し出し溶融するダイレクトラミネート、接着剤によるウェットラミネート、ホットメルト接着剤によるドライラミネートや熱や超音波によるヒートエンボスなどがある。なかでも前記分割して得られた内面側樹脂層21のスキン層22の面に前記外面側樹脂層31の樹脂原料を直接塗布積層し、加熱硬化させて前記外面側樹脂層31を成形するダイレクトラミネート(押出しラミネート)法が、前記二層を一体に成形できることから好ましい。前記積層体100における前記内面側樹脂層21の厚みは0.9〜1.8mm、また前記外面側樹脂層31の厚みは0.2〜1.0mmが好ましい。長尺シート状の前記積層体100から矩形を切り出し、前記内面側樹脂層21が内側凹部となるようにして公知の真空成形あるいは圧空成形することにより前記食品用トレイ10を製造することができる。
前記内面側樹脂層21の樹脂組成におけるポリプロピレン樹脂、ゴム成分について説明する。
ポリプロピレン樹脂は、融点が150℃以上のものが好ましい。すなわち、ホモポリプロピレンもしくは高融点のブロックポリプロピレンが好ましい。融点を150℃以上とすることで、前記内面側樹脂層21について電子レンジによる加熱調理に耐えられる温度を高くすることができる。
前記ゴム成分は、吸油性ゴムが好ましく、例えば、ジエン系ゴム、オレフィン系ゴムなどを挙げることができる。
具体的には、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンゴム(SEBS)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、スチレン−ブタジエン−スチレンゴム(SBS)、スチレン−エチレン−プロピレンゴム(SEP)、イソプレン−ブタジエンゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエンゴム、スチレン−イソプレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム(EPDM)などを挙げることができる。また、前記ゴム成分は、低分子量の場合、前記内面側樹脂層21を超臨界状態から減圧する方法により発泡体を成形できないため、重量平均分子量が200,000以上の高分子量のものが好ましい。特に、重量平均分子量が200,000以上のエチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム(EPDM)やスチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンゴム(SEBS)は、好ましいゴム成分である。
前記内面側樹脂層21の樹脂組成には、添加剤成分としてポリエチレンが含まれてもよい。特に低密度ポリエチレンは、溶融張力が高く発泡成形に適することと融点が低いことから好ましく、さらには気泡形成、固化するためには高溶融張力低密度ポリエチレンが好ましい。低密度ポリエチレンの融点は、110〜115℃、高密度ポリエチレンの融点は120〜140℃程度である。食品と一緒に前記加熱調理用シート10が電子レンジで加熱される際に、加熱温度がポリエチレンの融点を超えた際にポリエチレンが軟化溶融するが、前記ポリプロピレン樹脂とゴム成分とで構成されるポリマーマトリックスの中でポリエチレンが少量溶融することになるため、食品から出た油とゴム成分との親和性が高まり、ゴム成分による吸油性をさらに高めることができる。
前記樹脂組成において、前記ポリプロピレン樹脂は45〜65重量部、前記ゴム成分は10〜25重量部、前記添加剤成分は45重量部以下が好ましい。前記添加剤成分は含まない場合もある。前記ポリプロピレン樹脂の割合を多くして前記ゴム成分の割合を少なくすると吸油性が劣る一方、発泡体が成形できなくなる。それとは逆に前記ポリプロピレン樹脂の割合を少なくして前記ゴム成分の割合を多くすると耐熱性が劣る一方、発泡体も形成できない。
前記外面側樹脂層31は、前記食品用トレイ10の形状保持及び前記内面側樹脂層21に吸収された油が外部へ流出しないようにする層であり、耐熱性があって真空成形あるいは圧空成形が可能な樹脂あるいは紙等で構成するのが好ましい。樹脂では、例えばポリプロピレン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂等を挙げることができる。特に、非発泡のポリプロピレン樹脂は、融点が150℃以上であり好適な樹脂である。
実施形態の食品用トレイ10は、平面形状が略長方形からなり、長さ方向の中央位置には、前記食品収容部11を2つに仕切るリブ13が底面からから立設され、前記食品収容部11の底面に前記リブ13で仕切られた二つの食品載置面12A、12Bが形成されている。前記食品載置面12A、12Bには、それぞれ突部14A、14Bが複数形成されている。一方の突部14Aは、直線状のリブ形状からなり、他方の突部14Bは半球状からなる。前記突部14A、14Bの高さは、前記食品収容部11の上端から突出しない範囲とされ、例えば、1〜5mm程度を挙げる。なお、前記突部は、他の形状でもよく、また一種類でもよい。さらに、前記リブ13を設けず、前記食品収容部11の底面に一つの食品載置面を設けても良い。
前記食品用トレイ10は、前記食品載置面12A、12Bに魚等の食品が載置されて電子レンジにより所定のレンジ出力で加熱される。その際、食品から流れ出た油は、前記内面側樹脂層21に吸収保持されるため、前記食品載置面12、12B上に残る油が少なく、あるいは無く、見栄えを損なうおそれがなく、かつ味を損なうおそれもない。また、複数の前記突部14A、14Bの存在により、前記食品載置面12A、12Bは、食品から流れ出た油と接触する面積が増大し、食品から流れ出した油を速やかに食品載置面12A、12Bで吸収することができ、吸油効率を向上させることができる。さらに、前記内面側樹脂層21及び前記外面側樹脂層31が耐熱性を有し、かつ前記内面側樹脂層21は耐油性を有するため、食品から流れ出た油を前記内面側樹脂層21が吸収した状態で加熱されても、食品用トレイ10に変形を生じるおそれがない。
本発明の食品用トレイを構成する前記内面側樹脂層と前記外面側樹脂層とからなる積層体について、以下の各実施例品を作成し、それぞれ耐熱性、耐油性及び吸油性を確認した。
<実施例1〜5>
以下の成分を用いて表1に示す配合で超臨界発泡成形法により、厚み1.8mmのシートを形成した。その後に切断装置によってシートの厚みを0.9mmに二分割し、さらにトレイとなる深絞り凹部を配慮した所定の矩形形状に裁断することにより、片面にスキン層を有し、他面にスキン層が無い実施例1〜5の内面側樹脂層を連続成形した。スキン層が無い面は、気泡構造の凹凸が表面に露出していた。超臨界発泡成形装置は、タンデム型単軸押出機、発泡剤としてのガスは二酸化炭素、発泡条件は温度設定175〜185℃である。
・ポリプロピレン樹脂:ホモポリプロピレン、融点;162℃、品名;EA9、日本ポリプロ社製
・ポリプロピレン樹脂:ブロックポリプロピレン、融点;162℃、品名;EC9、日本ポリプロ社製
・ゴム成分:EPDMゴム、重量平均分子量;280,000、プロピレン含有量28重量部、品名;EP57P、JSR社製
・添加剤成分:低密度ポリエチレン、融点;110℃、品名;NUC8042、NUC社製
次に、上記工程で製造した内面側樹脂層のシート巻物を巻き戻しながら、PP樹脂製の厚み0.2mmの外面側樹脂層(食品用トレイ用無延伸ポリプロピレン)の押出し成形物の上に直接積層し、ローラで厚みを調整するダイレクトラミネート法によりラミネートし、実施例1〜5のシート状積層体を製造した。このシート状積層体の内面側樹脂層(発泡層)と外面側樹脂層(非発泡固体層)との目付重量を5:18とした。ラミネートの製造条件は、温度設定200〜240℃である。比較のために、押出しシート成形した後、真空圧空成形した無機フィラー入りポリプロピレン樹脂の単層体(厚み0.2mm)についても、耐熱性、耐油性及び吸油性を確認した。
Figure 0006468550
<実施例6〜10>
ゴム成分を以下のSEBSゴムに変更し、他の成分は実施例1〜5と同じものを使用し、表2に示す配合で超臨界発泡成形法により、厚み1.8mmのシートを形成した。その後に切断装置によってシートの厚みを二分割し、さらに縦80mm×横100mm×厚み0.9mmに裁断することにより、片面にスキン層を有し、他面にスキン層が無い実施例6〜10の内面側樹脂層を製造した。超臨界発泡成形装置はタンデム型単軸押出機、発泡剤としてのガスは二酸化炭素、発泡条件は温度設定174〜185℃である。
・ゴム成分:SEBSゴム、重量平均分子量;200,000、品名;クレイトンG1633、クイレトンポリマージャパン社製
次に、上記工程で製造した内面側樹脂層のシート巻物を巻き戻しながら、PP樹脂製の厚み0.2mmの外面側樹脂層(食品用トレイ用無延伸ポリプロピレン樹脂原料)の押出し成形物の上に直接積層し、ローラで厚みを調整するダイレクトラミネート法によりラミネートし、実施例6〜10のシート状積層体を製造した。このシート状積層体の内面側樹脂層(発泡層)と外面側樹脂層(非発泡固体層)との目付重量を5:18とした。ラミネートの製造条件は、温度設定200〜240℃である。得られた積層体の内面側樹脂層は、前記スキン層がない気泡構造が露出した面に食品を載置するようにする。比較のために、押出しシート成形した後、真空圧空成形した無機フィラー入りポリプロピレン樹脂の単層体(厚み0.2mm)についても、耐熱性、耐油性及び吸油性を確認した。
Figure 0006468550
耐熱性は、水100ccを各実施例品と比較例品の食品用トレイ、それぞれに収容し、電子レンジにより600W、3分の条件で加熱して水温を90℃以上にし、冷却後に実施例品と比較例品の収縮有無を確認し、収縮が無い場合に耐熱性を〇(良好)、収縮がある場合に耐熱性を×(劣る)とした。収縮有無は、実施例品及び比較例品における加熱前の寸法と加熱後の寸法により判断した。実施例品及び比較例品の何れも収縮が無かった。
耐油性は、陶器製の耐熱皿の上に各実施例品及び比較例品を配置し、さらに各実施例品及び比較例品の上に80〜100gの焼魚(鯖の塩焼き)を載置して、電子レンジで、500W、3分加熱し、その後に皿の上の状態を確認し、試験体に変形が見られない場合に耐油性を〇(良好)、変形がある場合に耐油性を×(劣る)とした。加熱後の実施例品は、油を吸収、保持しており、皿の上の試験体が無い部分には油が流出してなく、かつ試験体に変形が見られなかったため、耐油性が〇(良好)であった。一方、加熱後の比較例は、試験体に油が吸収されてなく、皿の上に油が流出していたが、試験体に変形が見られなかったため、耐油性が〇(良好)であった。
吸油性は、各実施例品及び比較例品の上面に対し、常温下で各試験体の内面側樹脂層にサラダ油を1滴垂らし、30秒後、1分半後、3分後に試験体上の油滴の有無を目視で判断した。ここでいう常温とは、JIS規格Z8703の20℃±15℃をいう。
30秒後、1分半後及び3分後における試験体上の油滴の有無は、油滴が有る場合には試験体に油が吸収されていない状態であり、一方、油滴が無い場合には試験体に油が吸収されている状態である。1分半後及び3分後に油滴が上面に見られない場合に〇、3分後でも油滴が上面に残っている場合を×とした。各実施例品では、30秒後では油滴が試験体上に残っていたが、1分半後及び3分後には油滴が残ってなかったため、〇の評価であった。一方、比較例品では、3分後でも油滴が残っており、吸収されなかったため×の評価であった。
このように、実施例1〜10の積層体は、耐熱性、耐油性及び吸油性があることから、実施例1〜10の積層体をトレイ形状に賦形した食品用トレイは、耐熱性、耐油性及び吸油性があり、食品と一緒に電子レンジで加熱するのに好適なものである。
本発明の用途は、食品用に限られず、以下のようにも表現できる。すなわち、平面を含んで形成される底部と、前記底部の全外周から延設された側壁部からなる収容部を有する樹脂製容器において、内面側樹脂層と外面側樹脂層の二層の積層樹脂からなり、前記内面側樹脂層が、ポリプロピレン樹脂とゴム成分を含む樹脂組成からなって、気泡構造を有し、前記外面側樹脂層が電子レンジによる加熱によって変形することのない樹脂からなることを特徴とする樹脂製容器である。しかも、前記内面側樹脂層は超臨界発泡法により形成されたゴム成分とポリプロピレン樹脂が分散した気泡構造物であって、接着剤を介することなく一体に積層されていることを特徴とする。さらに、前記気泡構造は、気泡の凹凸が露出した独立気泡が食品が載置される面とされることを特徴とする。
10 食品用トレイ
11 食品載置部
12A、12B 食品載置面
14A、14B 突部
21 内面側樹脂層
22 スキン層
23 スキン層を有しない気泡構造の露出面
31 外面側樹脂層

Claims (7)

  1. 食品収容部を有する食品用トレイにおいて、
    内面側樹脂層と外面側樹脂層の二層の積層樹脂からなり、
    前記内面側樹脂層が、ポリプロピレン樹脂とゴム成分を含む樹脂組成からなって、気泡構造を有し、前記外面側樹脂層がポリプロピレン樹脂からな
    前記内面側樹脂層の食品載置面は、気泡構造の切断面が露出し、前記気泡構造の切断による凹凸を有することを特徴とする食品用トレイ。
  2. 前記内面側樹脂層は、前記外面側樹脂層との接着面にスキン層を有し、他側の食品載置面にスキン層を有しないことを特徴とする請求項1に記載の食品用トレイ。
  3. 前記内面側樹脂層は、前記ポリプロピレン樹脂の融点が150℃以上であり、前記ゴム成分が重量平均分子量200,000以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の食品用トレイ。
  4. 前記内面側樹脂層の樹脂組成は、前記ポリプロピレン樹脂45〜65重量部と、前記ゴム成分10〜25重量部と、添加剤成分45重量部以下とからなることを特徴とする請求項3に記載の食品用トレイ。
  5. 前記添加剤成分は、ポリエチレンであることを特徴とする請求項4に記載の食品用トレイ。
  6. 前記内面側樹脂層は、超臨界発泡成形法により形成されたものであることを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の食品用トレイ。
  7. 前記食品収容部の食品載置面に複数の突部が形成されていることを特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載の食品用トレイ。
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