JP6463991B2 - 吐出キャップ - Google Patents
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Description
本発明に係る吐出キャップは、内容物が収容される容器本体の口部に装着されるとともに、天壁部に内容物が吐出される吐出孔が形成された有頂筒状のキャップ本体と、前記口部を閉塞するとともに、前記容器本体内と前記吐出孔とを連通する連通孔が形成された中栓と、前記中栓と前記天壁部との間の連絡空間に配設されるとともに、前記連通孔を開放自在に閉塞し、前記天壁部側に向けて弾性変位することで前記連通孔を開放する吐出弁と、を備える吐出キャップであって、前記天壁部における前記吐出孔の開口周縁部には、前記中栓側に向けて突出し、内容物の吐出時に前記連絡空間内に残留した残留空気が、前記天壁部の下面を伝って前記吐出孔に到達するのを規制する規制壁部が形成され、前記規制壁部の、前記天壁部の下面からの下方に向けた最大の突出量が1.5mmよりも大きく、前記規制壁部の下端と、前記吐出弁の上面と、の上下方向の隙間が1.0mmよりも大きいことを特徴とする。
一方、隙間を1.0mmよりも大きくすることで、内容物の吐出時における吐出弁の天壁部側に向けた弾性変位量を確保できるので、容器本体内の内容物をスムーズに連絡空間内に流入させることができ、その後吐出孔を通して外部に吐出できる。
すなわち、吐出キャップを、ヒンジ部が上方に位置し、かつ吐出孔が下方を向いた吐出姿勢にして内容物を吐出すると、残留空気が、連絡空間のうちヒンジ部側の部分に集まる。内容物の吐出後、吐出孔が上方を向いた正立姿勢に戻すと、残留空気が、天壁部の下面を伝って、吐出孔の開口周縁部のなかでも、天壁部の平面視でヒンジ部に最も近接する部分に向けて集まり易くなる。
そこで、残留空気が集まり易いヒンジ部側に規制壁部を配置することで、ヒンジ部側に集まった残留空気が吐出孔に到達するのを抑制できる。
また、本発明に係る吐出キャップにおいて、前記規制壁部は、前記天壁部の平面視で前記ヒンジ部に最も近接する部分から離れるに従い漸次低くなっていてもよい。
図1に示すように、本実施形態の吐出容器1は、内容物が収容されるとともに内容物の減少に伴いしぼみ変形する可撓性に富む内容器11、及び内容器11が内装されるとともに弾性変形可能な外容器12を備える容器本体13と、容器本体13の口部13aに装着され、内容物を吐出する吐出孔14が形成された吐出キャップ15と、吐出キャップ15に着脱自在に装着されて吐出孔14を開閉する蓋体16と、を備えている。
上筒部17のうち、外容器12で構成された部分(以下、外上筒部という)17aの外周面には雄ねじ部が形成されている。雄ねじ部には、容器軸O方向に延在する連通溝が形成されている。外上筒部17aにおいて、前記連通溝と周方向で同じ位置には、内容器11との間に外気を吸入する吸気孔19が形成されている。外上筒部17aの内周面には、上筒部17のうち、内容器11で構成された部分(以下、内上筒部という)17bが積層されている。
中栓22は、外周部分が容器本体13の口部13aの開口端上に配置された環状の底壁部25と、底壁部25から下方に向けて突設されて容器本体13の口部13a内に嵌合されたシール筒部26と、底壁部25の外周縁から立設された外筒部27と、底壁部25の内周縁から立設された有頂筒状の内筒部28と、底壁部25において外筒部27及び内筒部28間に位置する部分から立設された中筒部29と、を備えている。
内筒部28の頂壁部には、頂壁部を容器軸O方向に貫通する連通孔32が形成されている。この連通孔32は、吐出孔14と容器本体13(内容器11)内とを連通している。
弁体55は、容器軸Oと同軸上に配置された円板状を呈し、連通孔32を閉塞可能とされている。弾性連結片56は、内容器11の内圧変動に応じて弾性変形可能に構成され、弾性連結片56の弾性変形によって弁体55が容器軸O方向に変位可能とされている。なお、弾性連結片56の数量は限定されるものではない。すなわち、本実施形態では、3つの弾性連結片56で弁体55を支持した三点弁について説明したが、1つの弾性連結片56で弁体55を支持した一点弁や、2つまたは4つ以上の弾性連結片56で弁体55を支持しても構わない。
吐出容器1から内容物を吐出するときには、蓋体16をヒンジ部63周りに回動して開位置とした後、口部13aが下方を向く注出姿勢に吐出容器1を傾ける。この状態で、容器本体13を径方向の内側に押し込んでスクイズ変形(弾性変形)させ、内容器11を外容器12とともに変形させ減容させる。
その後、再び容器本体13の外容器12をスクイズ変形させると、空気弁52は閉状態とされていることから外容器12と内容器11との間の内圧が正圧となり、この正圧によって内容器11が減容変形され、上述した作用と同様の作用により内容物が吐出される。
この構成によれば、内容物の吐出後、連絡空間S内に残留する残留空気が吐出孔14に到達するのが規制され、吐出孔14における連絡空間S側の開口部が残留空気によって塞がれるのを抑制できる。これにより、内容物の吐出後、吐出孔14内に残留する内容物を上述した引き込み作用によって連絡空間S内に効果的に引き込むことができる。その結果、内容物の吐出後、吐出孔14内での内容物の残存量を低減できるので、吐出孔14内や吐出筒41内に残留する内容物が漏れ出たり、蓋体16を閉める際に内容物が飛散したりして、蓋体16の内面や天壁部34上に付着するのを抑制できる。
○:液面が天壁部34よりも下方に位置している。
△:液面が天壁部34と同等の高さ(吐出孔14内)に位置している。
×:液面が天壁部34よりも上方(吐出筒41内)に位置している。
また、サンプルB1から分かるように、規制壁部61の内径が小さいものほど残留空気が吐出孔14に到達し難くなり、作用の効果が発揮できた。
○:通常通りの吐出が可能であった。
△:通常使用では問題無いが、容器本体13を強くスクイズすると吐出性能が低下した。
×:吐出性能が低下した。
例えば、上述した実施形態では、吐出孔14が容器軸Oに対して偏心した位置に形成された構成について説明したが、これに限らず、容器軸Oと同軸上に吐出孔14が形成されていてもよい。
この場合、吐出弁53を天壁部34側に弾性変位させて内容物を吐出するとき、吐出弁53を規制壁部61の下端縁に沿うように傾けることによって、連通孔32のうち、規制壁部61の離間部分が位置する部分における開口を広く確保できる。これにより、規制壁部61の近接部分における突出量Tを高くしても、吐出孔14に流入する内容物の流量を阻害することなく、内容物の吐出後に、吐出孔14内の内容物を連絡空間S内に吸い込ませ易くすることができる。
そこで、残留空気が溜まり易いヒンジ部63側に規制壁部61を形成することで、ヒンジ部63側に集まった残留空気が吐出孔14に向けて流動するのを抑制できる。
上述した実施形態では、吐出容器1から内容物を吐出する際、吐出孔14が下方を向くように吐出容器1を傾けて吐出姿勢にした状態で、容器本体13を径方向の内側に押し込んでスクイズ変形させるものとしたが、これに限られるものではない。例えば、スクイズ変形させることなく、内容液の自重により弁体55を開放するように構成し、単に吐出容器1を傾けて吐出姿勢にすることにより、内容物を吐出孔14から吐出させてもよい。
さらに、規制壁部61の下端縁の形状は、容器軸O方向に直交して延在する構成や、斜めカットタイプに限られない。例えば、上方または下方に向けて突のU字状やV字状に形成する等しても構わない。
13…容器本体
13a…口部
14…吐出孔
15…吐出キャップ
16…蓋体
21…キャップ本体
22…中栓
32…連通孔
53…吐出弁
61…規制壁部
S…連絡空間
Claims (3)
- 内容物が収容される容器本体の口部に装着されるとともに、天壁部に内容物が吐出される吐出孔が形成された有頂筒状のキャップ本体と、
前記口部を閉塞するとともに、前記容器本体内と前記吐出孔とを連通する連通孔が形成された中栓と、
前記中栓と前記天壁部との間の連絡空間に配設されるとともに、前記連通孔を開放自在に閉塞し、前記天壁部側に向けて弾性変位することで前記連通孔を開放する吐出弁と、を備える吐出キャップであって、
前記天壁部における前記吐出孔の開口周縁部には、前記中栓側に向けて突出し、内容物の吐出時に前記連絡空間内に残留した残留空気が、前記天壁部の下面を伝って前記吐出孔に到達するのを規制する規制壁部が形成され、
前記規制壁部の、前記天壁部の下面からの下方に向けた最大の突出量が1.5mmよりも大きく、
前記規制壁部の下端と、前記吐出弁の上面と、の上下方向の隙間が1.0mmよりも大きいことを特徴とする吐出キャップ。 - 前記キャップ本体には、前記吐出孔を開閉する蓋体がヒンジ部を介して連結され、
前記規制壁部は、前記天壁部における前記吐出孔の開口周縁部のうち、少なくとも前記天壁部の平面視で前記ヒンジ部に最も近接する部分に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の吐出キャップ。 - 前記規制壁部は、前記天壁部の平面視で前記ヒンジ部に最も近接する部分から離れるに従い漸次低くなっている請求項2に記載の吐出キャップ。
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