JP6820210B2 - 吐出容器 - Google Patents
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Description
このような問題は、例えば、容器本体内の内容物を使い切った状態で、ポンプを作動したときに、容器本体内の空気がステム内に流入し、その後、容器本体内に内容物を詰め替えて再度吐出する際に生じたり、あるいは、容器本体が例えばパウチ容器など、内容物の減少に伴って減容変形する場合に、容器本体の上端部内に当初存在していたヘッドスペースとポンプのシリンダ内とが内容物の減少に伴って連通し、ポンプの作動によって内容物と共にヘッドスペース内の空気がステム内に流入した際に生じたりすると考えられる。
また、ノズル筒部の後端部の内周面に、弾性部材のノズル筒部内への進入を抑止する抑止リブが形成されているので、押下ヘッドの押下に伴う弾性部材の変形時に、弾性部材がノズル筒部内にその後端開口部から進入しようとしても、この弾性部材を抑止リブに当接させることが可能になり、弾性部材がノズル筒部内に進入するのを抑制することができる。
また、弾性部材における下端部および上端部の双方が支持されているので、押下ヘッドの押下時に、弾性部材の位置及び変形態様が不安定になるのを抑制することが可能になり、弾性部材がノズル筒部内に進入するのを確実に抑制することができる。
この場合、上部弁体がステムの内周面または押下ヘッドの内面に付着しても、弾性部材の復元力によって上部弁体を確実に下方に変位させることができる。
また、前記容器本体は、内容物の減少に伴って減容変形してもよい。
この場合、容器本体が内容物の減少に伴って減容変形するので、上部弁体がステムの内周面または押下ヘッドの内面に付着したままとなるのを抑制することができるといった作用効果が顕著に奏功される。
本実施形態に係る吐出容器1は、図1に示すように、内容物が収容された容器本体2と、容器本体2の口部3に装着されたポンプ4と、ポンプ4を容器本体2の口部3に装着させる円筒状の装着キャップ5と、を備えている。
ポンプ4は、上方付勢状態で下方移動自在に支持された後述する円筒状のステム21を有するポンプ本体15と、ステム21の上端に装着され、内容物の吐出孔16Aが形成された押下ヘッド16と、を有する。
また、ポンプ本体15は、ステム21内に配設され、シリンダ22内と吐出孔16Aとの連通及びその遮断を切り替える上部弁体24と、ステム21内に配設され、上部弁体24を下方に付勢可能な弾性部材25と、シリンダ22内に配設され、シリンダ22内と容器本体2内との連通及びその遮断を切り替える下部弁体26と、ステム21を上方に向けて付勢する下部コイルバネ27と、を有する。
大径部31の外径は、ピストン23の内径よりも小径であり、大径部31の下端は、ピストン23の上下方向の中間部における内周面に連結されている。
小径部33は、大径部31よりも小径となっている。
ステム連結段部32には、上部弁体24が離反可能に着座する上部弁座部34が形成されている。上部弁座部34は、径方向内側に向かうにしたがって漸次下方に向けて延在する平面視で円環状に形成されている。なお、上部弁座部34は、後述するノズル筒部65の後端開口部より下方に位置している。
これら直筒部41及び吸込筒部42は、容器軸Oと同軸に配設されている。
直筒部41の上端部には、径方向外側に向けて突出する平面視で円環状を呈するフランジ部43が直筒部41の全周にわたって形成されている。フランジ部43は、容器本体2の口部3の上端開口縁上に配置されている。フランジ部43には、下方に向けて延在して容器本体2の口部3の内側に例えば液密にまたは気密に嵌合する円筒状のシール筒部44が形成されている。
直筒部41の下端には、径方向内側に向けて突出し、かつ平面視で円環状を呈する下部弁座部45が形成されている。ステム21及びシリンダ22の各内部のうち、下部弁座部45と上部弁座部34との間に位置する部分は、ステム21の大径部31、ピストン23及びシリンダの直筒部41の各内部にわたって延在し、内容物が収容される収容室Rとなっている。
弾性部材25は、コイルバネとされ、上部弁体24上に容器軸Oと同軸に配設されている。弾性部材25は、ステム21の小径部33内に配設されている。弾性部材25の上端部は、後述するノズル筒部65の後端開口部に前後方向で対向している。弾性部材25の下端部は、上部弁体24に支持されている。弾性部材25のばね定数は、例えば約0.05N/mmとしてもよい。弾性部材25は、例えば圧縮コイルバネとしてもよい。弾性部材25の中心径は、例えば上部弁体24の直径の50%〜90%としてもよい。
上筒部53は、下環状部52よりも小径とされており、下部コイルバネ27の内側に配設されている。
これにより、吸込筒部42を通して直筒部41に流入した内容物は、一対の連結部54間の空間を通って直筒部41内のうち下部弁体26よりも上方に位置する部分に流入する。
下部コイルバネ27は、ピストン23の径方向内縁部と下部弁体26の横壁部57の上面との間に容器軸Oと同軸に配設されており、ステム21を常時上方付勢している。
支持体67は、表裏面が上下方向および前後方向に直交する左右方向を向く板状に形成されている。支持体67は、本体筒部61の周壁部64における左右方向の中央部に配設されている。支持体67は、本体筒部61の周壁部64の内周面のうち、前方を向く後縁から前方に向けて突出している。支持体67の前端縁は、ノズル筒部65の後端開口部から後方に離れている。支持体67の下端縁は、上下方向で、ノズル筒部65の後端開口部の上縁よりも下方で、かつ下縁より上方に位置している。なお、支持体67の下端縁は、上下方向で、ノズル筒部65の後端開口部の上縁若しくは下縁と同等に位置させてもよい。
支持体67の下端縁が、弾性部材25の上端部を下方に圧縮している。これにより、弾性部材25は上部弁体24を常時下方に付勢する。弾性部材25の上端部のうち、後端部が支持体67に支持され、後端部を除く部分は支持体67と非接触となっている。
なお、弾性部材25の上端部は、上下方向で、ノズル筒部65の後端開口部の上縁と同等、若しくはそれより上方に位置させてもよい。
中間筒部73は、外筒部71よりも小径とされており、シリンダ22の直筒部41のうちフランジ部43よりも上方に突出している部分に外嵌されている。第1キャップ連結段部72は、容器本体2の口部3の上端開口縁と共にシリンダ22のフランジ部43を上下方向で挟む。
内筒部75のうち第2キャップ連結段部74よりも下方に突出する下部は、シリンダ22の直筒部41の内側に進入している。内筒部75の下端は、ピストン23の上端に当接または近接しており、ピストン23の上方への移動を規制する。
抑止リブ68は、ノズル筒部65の内周面のうち上方を向く下縁に形成されている。抑止リブ68は、ノズル筒部65の内周面の下縁における左右方向の中央部に形成されている。抑止リブ68は、表裏面が左右方向を向く板状に形成されている。抑止リブ68は、後方から前方に向かうに従い漸次、上下方向の長さが短くなっている。抑止リブ68は左右方向から見て三角形状を呈する。抑止リブ68の後端縁は、ノズル筒部65の後端開口縁における下縁に段差なく連なっている。抑止リブ68の後端縁における上下方向の長さは、ノズル筒部65の後端部の内周面における半径と同等になっている。抑止リブ68の後端縁における上端部と、ノズル筒部65の後端部の内周面のうち、下方を向く上縁と、の間の上下方向の隙間は、弾性部材25の外径より小さくなっている。抑止リブ68の後端縁と、弾性部材25の上端部と、が前後方向で対向している。抑止リブ68の後端縁における上端部は、弾性部材25の上端部より上方に位置している。抑止リブ68の後端縁の上端部は、支持体67の下端縁より上方に位置している。
収容室R内の内容物が吐出孔16Aを通じて外部に吐出されるにしたがって、収容室R内の圧力が低下するので、上部弁体24は、下降して上部弁座部34に着座し、上部弁座部34の内側を閉塞する。ここで、弾性部材25の下方付勢力(弾性復元力)によって、上部弁体24の下降が補助されるので、上部弁体24は、上部弁座部34に確実に着座する。
しかし、容器本体2内の内容物の残量が少なるのにしたがって、可撓性を有する容器本体2は、図3に示すように減容変形する。容器本体2が減容変形していくと、押下ヘッド16の押下を解除して収容室R内に内容物を充填するときに、ヘッドスペースH内の空気が内容物と共に収容室R内に流入することがある。この状態で押下ヘッド16を押下すると、収容室R内の内容物及び空気は、ステム21の小径部33、押下ヘッド16の周壁部64及びノズル筒部65の各内部を順次流通し、吐出孔16Aに達して、吐出孔16Aを通じて外部に吐出される。このとき、ノズル筒部65及びステム21の各内部には、内容物が満たされておらず、ノズル筒部65及びステム21の各内面には、内容物が膜状に付着している。
そのため、弾性部材25が配設されていない場合には、図4に示すように、上部弁体24がステム21の内周面に残存している内容物によってステム21の内周面に付着し、上部弁座部34に着座しないことがある。
また、ノズル筒部65の後端部の内周面に、弾性部材25のノズル筒部65内への進入を抑止する抑止リブ68が形成されているので、押下ヘッド16の押下に伴う弾性部材25の変形時に、弾性部材25がノズル筒部65内にその後端開口部から進入しようとしても、この弾性部材25を抑止リブ68に当接させることが可能になり、弾性部材25がノズル筒部65内に進入するのを抑制することができる。
また、弾性部材25における下端部および上端部の双方が支持されているので、押下ヘッド16の押下時に、弾性部材25の位置及び変形態様が不安定になるのを抑制することが可能になり、弾性部材25がノズル筒部65内に進入するのを確実に抑制することができる。
また、上部弁体24がボール弁となっているので、上部弁体24がステム21の内周面または押下ヘッド16の本体筒部61の内面に付着しても、弾性部材25の復元力によって上部弁体24を確実に下方に変位させることができる。
また、容器本体2が内容物の減少に伴って減容変形するので、上部弁体24がステム21の内周面または押下ヘッド16の内面に付着したままとなるのを抑制することができるといった作用効果が顕著に奏功される。
ポンプは、別体の装着キャップを用いて容器本体に装着されているが、装着キャップをポンプと一体としてもよい。
ステムは、下部コイルバネによって上方付勢されているが、コイルバネ以外の他の付勢部材によって上方付勢されてもよい。
ピストンは、ステムと一体に形成されているが、別体とされてもよい。
弾性部材は、コイルバネに限らず、例えば螺旋状に緩やかに巻回した複数本のワイヤを組み合わせたバネや蛇腹状に折り曲げた板バネなど、金属製や樹脂製などの他の構造を有する弾性部材であってもよく、弾性部材は、筒状以外の他の形状を有してもよい。
上部弁体は、ボール弁であるが、シリンダ内と吐出孔との連通及びその遮断を切り替えることができれば、ボール弁以外の他の弁によって形成されてもよい。
抑止リブは、弾性部材に対して前後方向で対向する位置であれば、前記実施形態に限らず、ノズル筒部の後端部の内周面における任意の位置に配設してもよい。また、抑止リブの形状も、前記実施形態に限らず適宜変更してもよい。また、抑止リブは、ノズル筒部の後端開口縁より前方に位置してもよい。
抑止リブの後端縁の上端部、および支持体の下端縁の上下方向の各位置は、前記実施形態に限らず適宜変更してもよい。例えば、抑止リブの後端縁の上端部を、支持体の下端縁より下方に位置させてもよい。
押下ヘッドの内面に支持体を形成せず、弾性部材の上端部を、例えば押下ヘッドの頂壁部の下面に支持させるなど適宜変更してもよい。
弾性部材は、上部弁体に単に当接しているだけで、上部弁体を常時下方に付勢していなくてもよい。また、弾性部材の上端部が全域にわたって押下ヘッドの内面に支持されてもよい。
Claims (3)
- 内容物が収容される容器本体と、
上方付勢状態で下方移動自在に支持されたステム、及び、前記ステムの上端に装着され、内容物の吐出孔が形成された押下ヘッドを有し、前記容器本体の口部に装着されたポンプと、を備え、
前記押下ヘッドが、前端に前記吐出孔が形成され、前後方向に延び、後端開口部が前記ステムの上端部内に連通するノズル筒部を有し、
前記ポンプが、
前記ステムの上下動に連係する筒状のピストンと、
内側に前記ピストンが上下摺動自在に嵌合されたシリンダと、
前記シリンダ内に配設され、前記シリンダ内と前記容器本体内との連通及びその遮断を切り替える下部弁体と、
前記ステムの上端部内に配設され、前記シリンダ内と前記吐出孔との連通及びその遮断を切り替える上部弁体と、を有し、
前記押下ヘッドの押下により、前記下部弁体が前記シリンダ内と前記容器本体内との連通を遮断した状態で、前記上部弁体が前記シリンダ内と前記吐出孔とを連通させ、
前記押下ヘッドの押下を解除したときに、前記上部弁体が前記シリンダ内と前記吐出孔との連通を遮断した状態で、前記下部弁体が前記シリンダ内と前記容器本体内とを連通させ、
前記ステムの上端部内には、上端部が前記ノズル筒部の後端開口部に前後方向で対向する弾性部材が配設され、
前記弾性部材のうち、下端部が前記上部弁体に支持され、かつ上端部が前記押下ヘッドの内面に支持され、
前記ノズル筒部の後端部の内周面には、前記弾性部材の前記ノズル筒部内への進入を抑止する抑止リブが形成され、
前記抑止リブは、前記ノズル筒部の内周面のうち上方を向く下縁に形成されるとともに、表裏面が上下方向および前後方向に直交する左右方向を向く板状に形成され、
前記抑止リブの後端縁は、前記ノズル筒部の後端開口縁における下縁に段差なく連なっていることを特徴とする吐出容器。 - 前記上部弁体が、ボール弁であることを特徴とする請求項1に記載の吐出容器。
- 前記容器本体は、内容物の減少に伴って減容変形することを特徴とする請求項1または2に記載の吐出容器。
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