JP6879702B2 - 吐出容器 - Google Patents
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Description
また、弾性部材の下端部と上部弁体との間に上下方向の間隙が設けられているため、押下ヘッドの押下当初において弾性部材の付勢力が上部弁体に作用することがなく、上部弁体が弁座部から上方に離反しにくくなることを防止し、押下ヘッドの押下によってシリンダ内から上昇した内容物によって、上部弁体を弁座部から容易に上方に離反させることができる。したがって、押下ヘッドを押し下げたときに吐出孔を通して内容物をより確実に吐出させることができる。
この発明では、弾性部材が上下移動自在であるため、押下ヘッドの押下当初において、弾性部材の付勢力が上部弁体に作用することなく、上部弁体が弁座部から離反する際に上部弁体と共に上昇する。
この発明では、上部弁体がステムの内周面または押下ヘッドの内面に付着しても、弾性部材の復元力によって上部弁体を確実に下方に変位させることができる。
この発明では、内容物を吐出させるときに、弾性部材の上端部がノズル筒部の後端開口部に引っかかることを抑制し、ポンプの動作がより安定する。
この発明では、内容物を吐出させるときに、弾性部材が傾くことを抑えつつ弾性部材を上下移動させることができ、ポンプの動作がより安定する。
本実施形態に係る吐出容器1は、図1に示すように、内容物が収容された容器本体2と、容器本体2の口部3に装着されたポンプ4と、ポンプ4を容器本体2の口部3に装着させる円筒状の装着キャップ5と、を備えている。
ポンプ4は、上方付勢状態で下方移動自在に支持された後述する円筒状のステム21を有するポンプ本体15と、ステム21の上端に装着され、内容物の吐出孔16Aが形成された押下ヘッド16と、を有する。
また、ポンプ本体15は、ステム21内に配設され、ステム21の上端開口部を開閉する上部弁体24と、ステム21内に配設され、上部弁体24を下方に付勢可能な弾性部材(本実施形態では上部コイルバネ)25と、シリンダ22内に配設され、シリンダ22の下端開口部を開閉する下部弁体26と、ステム21を上方に向けて付勢する下部コイルバネ27と、を有する。
大径部31の外径は、ピストン23の内径よりも小径であり、大径部31の下端は、ピストン23の上下方向の中間部に径方向内側から連結されている。
小径部33は、大径部31よりも小径となっている。
ステム連結段部32には、上部弁体24が離反可能に着座する上部弁座部34が設けられている。上部弁座部34は、径方向内側に向かうにしたがって漸次下方に向けて延在する平面視で円環状に形成されている。
直筒部41の上端部には、径方向外側に向けて突出する平面視で円環状のフランジ部43が直筒部41の全周にわたって形成されている。フランジ部43には、下方に向けて延在して容器本体2の口部3の内側に例えば液密にまたは気密に嵌合する円筒状のシール筒部44が形成されている。
また、直筒部41の下端には、径方向内側に向けて突設された平面視で円環状の下部弁座部45が形成されている。ステム21及びシリンダ22の各内部のうち下部弁座部45と上部弁座部34との間は、ステム21の小径部33及び大径部31、ピストン23並びにシリンダの直筒部41の各内部にわたって延在し、内容物が収容される収容室Rとなっている。
上部コイルバネ25は、上部弁体24上に容器軸Oと同軸に配設されており、上部コイルバネ25の上端縁は、押下ヘッド16の後述する本体筒部61の頂壁部62の内面から離間している。これにより、上部コイルバネ25は、上下移動自在となっている。
上筒部53は、下環状部52よりも小径とされており、下部コイルバネ27の内側に配設されている。
これにより、吸込筒部42を通して直筒部41に流入した内容物は、一対の連結部54間の空間を通って直筒部41のうち下部弁体26よりも上方に流入できる。
取付筒部64は、装着筒部63の下端よりも下方に向けて延びており、ステム21の小径部33に外嵌している。また、取付筒部64の下端は、ステム連結段部32の上面に当接または近接している。
なお、上部コイルバネ25の上端は、ノズル筒部65の後端開口部に前後方向で対向していれば、上下方向で、ノズル筒部65の後端開口部の上縁と同等の位置または下方の位置にあってもよい。
中間筒部73は、外筒部71よりも小径とされており、シリンダ22の直筒部41のうちフランジ部43よりも上方に突出している上端部を径方向外側から囲む。また、中間筒部73は、容器本体2の口部3と共にシリンダ22のフランジ部43を上下方向で挟む。
また、内筒部75のうち第2キャップ連結段部74よりも下方に突出する部分は、シリンダ22の直筒部41の内側に進入している。そして、内筒部75の下端は、ピストン23の上端に当接または近接しており、ピストン23の上方への移動を規制する。
まず、押下ヘッド16を押下して、ステム21と共に下降させる。ピストン23は、ステム21の下降に伴って、下部コイルバネ27の付勢力に抗しながらシリンダ22の直筒部41の内周面に沿って下降する。これにより、図2に示すように、収容室R内の圧力が上昇し、上部弁体24が上部弁座部34から離反して上部弁座部34が開放される。なお、吐出容器1の未使用時において、上部コイルバネ25は、上部弁体24上に容器軸Oと同軸に載置されているだけである。上部弁座部34から離反した上部弁体24は、押下ヘッド16の押し込み当初において、上部コイルバネ25と共に上昇し、上部コイルバネ25の上端が押下ヘッド16の頂壁部62に当接した後に、上部コイルバネ25の付勢力に抗しながらさらに上昇する。
収容室R内の内容物が吐出孔16Aを通じて外部に吐出されるにしたがって、収容室R内の圧力が低下するので、上部弁体24は、下降して上部弁座部34に着座し、上部弁座部34を閉塞する。ここで、上部コイルバネ25の下方付勢力(弾性復元力)によって、上部弁体24の下降が補助されるので、上部弁体24は、上部弁座部34に確実に着座する。上部コイルバネ25は、復元変形した後、上部弁体24と共に下降する。これにより、上部コイルバネ25の上端と頂壁部62の内面との間には、再び間隙が形成される。
しかし、容器本体2内の内容物を吐出していくにしたがって、可撓性を有する容器本体2は、図3に示すように、減容変形する。また、容器本体2が減容変形していくと、押下ヘッド16の押下を解除して収容室R内に内容物を充填するときに、ヘッドスペースH内の空気が内容物と共に収容室R内に流入することがある。この状態で押下ヘッド16を押下すると、収容室R内の内容物及び空気は、ステム21の小径部33、押下ヘッドの取付筒部64及びノズル筒部65の内部を順次流通し、吐出孔16Aに達して、吐出孔16Aを通じて外部に吐出される。このとき、ノズル筒部65及びステム21の各内部には、内容物が満たされておらず、ノズル筒部65及びステム21の各内面には、内容物が膜状に付着している。
そのため、上部コイルバネ25が配設されていない場合には、図4に示すように、上部弁体24がステム21の内周面に残存している内容物によってステム21の内周面に付着し、上部弁座部34に着座しないことがある。
以上のようにして、内容物を吐出する。
また、押下ヘッド16を押し下げる当初において上部コイルバネ25が上部弁体24と共に上昇し、上部弁体24が上部弁座部34から容易に上方に離反するので、押下ヘッド16を押し下げたときに吐出孔16Aを通して内容物をより確実に吐出させることができる。
例えば、容器本体は、内容物の減少に伴って減容変形するものであれば、パウチ容器に限らず、デラミ容器など、他の容器であってもよい。
ポンプは、別体の装着キャップを用いて容器本体に装着されているが、装着キャップをポンプと一体としてもよい。
ステムは、下部コイルバネによって常時上方付勢されているが、コイルバネ以外の他の付勢部材によって上方付勢されてもよい。
ピストンは、ステムと一体に形成されているが、別体とされてもよい。
上部コイルバネは、コイルバネに限らず、例えば螺旋状に緩やかに巻回した複数本のワイヤを組み合わせたバネや蛇腹状に折り曲げた板バネなど、金属製や樹脂製などの他の構造を有する弾性部材であってもよく、弾性部材は、筒状以外の他の形状を有してもよい。
上部コイルバネ、上部弁体及び押下ヘッドの内面の上下方向の配置に関して、上部コイルバネの上端部と押下ヘッドの内面との間に上下方向の間隙が設けられているが、上部コイルバネの下端部と上部弁体との間に上下方向の間隙が設けられていてもよい。ここで、上部コイルバネの下端部と上部弁体との間に上下方向の間隙が設けられている場合には、上部コイルバネの上端を押下ヘッドの頂壁部に固定してもよく、押下ヘッドと一体に形成してもよい。
上部弁体は、ボール弁であるが、シリンダ内と吐出孔との連通及びその遮断を切り替えることができれば、ボール弁以外の他の弁によって形成されてもよい。
本体筒部の頂壁部には、案内軸部が設けられているが、案内部の構造は案内軸部に限らず、案内部を設けなくてもよい。
Claims (5)
- 内容物が収容され、内容物の減少に伴って減容変形する容器本体と、
上方付勢状態で下方移動自在に支持されたステム、及び、前記ステムの上端に装着され、内容物の吐出孔が形成された押下ヘッドを有し、前記容器本体の口部に装着されたポンプと、を備え、
前記押下ヘッドが、前端に前記吐出孔が形成され、前後方向に延びるノズル筒部を有し、
前記ポンプが、
前記ステムの上下動に連係する筒状のピストンと、
内側に前記ピストンが上下摺動自在に嵌合されたシリンダと、
前記シリンダ内に配設され、前記シリンダ内と前記容器本体内との連通及びその遮断を切り替える下部弁体と、
前記ステムの上端部内に配設され、前記シリンダ内と前記吐出孔との連通及びその遮断を切り替える上部弁体と、を有し、
前記押下ヘッドの押下により、前記下部弁体が前記シリンダ内と前記容器本体内との連通を遮断した状態で、前記上部弁体が前記シリンダ内と前記吐出孔とを連通させ、
前記押下ヘッドの押下を解除したときに、前記上部弁体が前記シリンダ内と前記吐出孔との連通を遮断した状態で、前記下部弁体が前記シリンダ内と前記容器本体内とを連通させ、
前記ステムの上端部内には、上端部が前記ノズル筒部の後端開口部に前後方向で対向し、下端部が前記上部弁体上に配設された弾性部材が配設され、
前記弾性部材の下端部と前記上部弁体との間には、上下方向の間隙が設けられ、前記弾性部材と前記上部弁体とが、互いに分離していることを特徴とする吐出容器。 - 前記弾性部材の上端部と前記押下ヘッドの内面との間には、上下方向の間隙が設けられており、
前記弾性部材が、上下移動自在であることを特徴とする請求項1に記載の吐出容器。 - 前記上部弁体が、ボール弁であることを特徴とする請求項1または2に記載の吐出容器。
- 前記弾性部材の上端縁が、前記ノズル筒部の後端開口部よりも上方の位置にあることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の吐出容器。
- 前記弾性部材が、筒状をなしており、
前記押下ヘッドの頂壁部には、前記弾性部材の内側に進入する案内部が下方に向けて突設されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の吐出容器。
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