JP6463950B2 - 即席フライ麺の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、即席フライ麺の製造方法に関する。
従来、フライ麺の製造方法としては、常法により製造された麺線を蒸煮等によってα化し、着味、カット、型詰、フライの各工程を経て製造される。
ここでフライ工程は、α化された麺線を120〜170℃程度に調整した油中を1〜3分間程度通過させることにより、油熱乾燥させる工程である。そして、上記フライ工程においては、麺線を収納し、油で揚げるためのフライリテーナと称される多孔性の金属製の型枠が用いられている。
当該フライリテーナは、麺線の収納する複数のカップ状容器が連続して配置され、一体となったリテーナ本体と、該リテーナ本体のそれぞれのカップ状容器の開口部に対応し、複数の蓋部が連続して配置され一体となったリテーナ蓋からなるのが一般的であり、フライする前に麺線を収納したリテーナ本体の上部に蓋部が載置され、フライオイル内に浸漬されてフライ乾燥が行われる。
フライ工程は、短時間に麺線から水分を飛ばして乾燥する重要な工程であり、フライをより迅速にすることができれば、生産効率をアップさせることができコスト削減等に大きく寄与することになる。また、フライ効率の改善は、フライ後の麺塊密度を高くすることを可能とし、製品の省スペース化、包装資材の削減が可能となるだけでなく、麺塊の高密度化により塊の強度が増し、輸送中の麺塊の破損などのリスクが低減されるなどの効果が期待される。
このような観点から、フライ効率を改善するための様々な試みが行われているが、フライリテーナの構造を改良することでフライ時間の短縮する技術がある(例えば特許文献1)。
特許文献1では、リテーナ本体の隣接するカップ状容器間の隙間部分、及びリテーナ蓋の隣接する蓋部間の隙間部分に大きく空隙を設けることでフライ時間が飛躍的に短縮される技術が記載されている。
しかしながら、特許文献1の技術では、隙間部分に空隙が大きいほどフライ効率が改善するが、高密度のフライ麺塊を製造する場合にはフライ後の麺塊の油脂含量が高くなるなどフライ効率以外の面で課題があった。
特開2014−103956号公報
本発明は、高密度のフライ麺塊を製造する際の油脂含量の増加を抑制し、麺塊密度が高い場合においてもフライ効率がよく、油脂含量が低減された即席フライ麺の製造方法を提供することを目的とする。
発明者らは、鋭意研究した結果、特許文献1に記載されているフライリテーナを使用して高密度のフライ麺塊を製造する際に、麺線をリテーナ本体のカップ状容器に投入し、リテーナ本体の底面から上方向に向けて加圧気体を噴射することにより麺線を浮き上がらせた後、素早くフライすることにより、特許文献1の技術で課題であった油脂含量が低減することを見出し、本発明に至った。
すなわち、複数のカップ状容器が連続して配置され、一体となったリテーナ本体と、前記リテーナ本体のそれぞれのカップ状容器の開口部に対応し、複数の蓋部が連続して配置され、一体となったリテーナ蓋と、からなり、前記リテーナ本体に隣接するカップ状容器間の隙間部分、及び前記リテーナ蓋の隣接する蓋部間の隙間部分に空隙が形成されている多孔性のフライリテーナを用いてフライ麺塊を製造する即席フライ麺の製造方法において、前記リテーナ本体のカップ状容器ごとに1食分の麺線を投入する型詰め工程の後から、油に浸漬し油熱乾燥を行うフライ工程の開始前までの間に前記リテーナ本体の下から上方向に向けて加圧気体を噴射し、該麺線を浮上させる加圧気体噴射工程を行うことを特徴とする即席フライ麺の製造方法である。
また、本発明において製造されるフライ麺塊の麺塊密度が0.28g/ml以上となるように型詰め工程において麺線を投入することが好ましい。
また、本発明の加圧気体噴射工程では、0.1〜0.8MPaの加圧気体を噴射すること少なくとも1回以上行うことが好ましい。
また、本発明においては、加圧気体噴射工程が終了してから前記フライ工程開始までの間が30秒以内であることが好ましい。
本発明によれば、高密度のフライ麺塊を製造する際の油脂含量の増加を抑制し、麺塊密度が高い場合においてもフライ効率がよく、油脂含量が低減された即席フライ麺の製造方法を提供することができる。
本実施形態の1例であるリテーナ本体Bの斜視図である。 本実施形態の1例であるリテーナ蓋Cの斜視図である。 本実施形態の1例であるリテーナ蓋Cの拡大図である。 本実施形態の1例であるフライリテーナAの斜視図である。
以下、本発明について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の記載に限定されるものではない。
なお、本発明において製造する即席フライ麺の種類は、特に限定されず、通常、当技術分野で知られるいかなるものであってもよい。例えば、うどん、そば、中華麺、パスタ等が挙げられる。
1.原料配合
本発明に係る即席フライ麺には、通常の即席麺の原料が使用できる。すなわち、原料粉としては、小麦粉、そば粉、及び米粉等の穀粉、並びに馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、コーンスターチ等の各種澱粉を単独で使用しても、または混合して使用してもよい。前記澱粉として、生澱粉、α化澱粉、エーテル化澱粉等の加工澱粉等を使用することもできる。また、本発明では、これら原料粉に対して即席麺の製造において一般に使用されている食塩やアルカリ剤、各種増粘剤、麺質改良剤、カロチン色素等の各種色素及び保存料等を添加することができる。これらは、原料粉と一緒に粉体で添加しても、練り水に溶かすか懸濁させて添加してもよい。
2.混捏、圧延、及び切り出し
即席麺を製造する常法に従って、前記即席麺原料を混練することによって麺生地を製造する。より具体的には、前記原料粉に練り水を加え、ついでミキサーを用いて各種材料が均一に混ざるように良く混練して麺生地を製造する。上述のようにして麺生地を製造した後に、前記麺生地を複合機で圧延して麺帯を製造し、前記麺帯を圧延して、切刃を用いて切り出す事によって生麺線を製造する。
3.α化工程
次いで得られた生麺線を、常法により蒸煮及び/又はボイルによってα化させる。蒸煮の方法としては、飽和水蒸気による加熱だけでなく、過熱水蒸気により加熱することもできる。即席フライ麺が皿うどん等の場合には、α化工程を省略してもよい。
4.着味工程
本発明においては、このようにしてα化した麺線にスプレーや浸漬等により調味液(着液)を付着させ味付けを行うこともできる。また、麺線同士の結着防止のため、乳化剤や増粘多糖類などの麺線に付着させることもできる。着味工程は必ずしも行う必要はなく、省略しても構わない。
5.カット及び型詰め工程
次いで、麺線を1食分20〜50cmにカットする。カットした麺線は、リテーナ本体のカップ状容器に1食分毎に投入される。このとき、本発明においては、カップ状容器に投入する麺線重量を多く(リテーナ本体に型詰めされる麺線の密度を高く)してもフライ乾燥することが可能である。尚、ここでは、カップ状容器に投入される麺線の密度を麺線密度と呼び、麺線密度は、カップ状容器の体積(ml)に対する、充填した麺線の重量(g)により、算出される。麺線密度を高くすることにより、フライ乾燥した麺塊も高密度(麺塊密度を高く)となるため、従来品よりも形状をコンパクト化することができ、包装資材の削減が可能となる。また、麺塊の高密度化により麺塊の強度が増し、輸送中の麺塊の破損するリスクが低減されるなどの効果が期待される。
型詰め工程における好ましい麺線密度としては、フライ乾燥前の麺線の形状、水分量によって変化ため、特に限定はしないが、型詰めにおける麺線密度を0.41g/ml以上とすることで本発明におけるフライ効率の向上の効果が得られやすい。しかしながら、麺線密度0.56g/mlよりもが高すぎる場合には、生揚げ等の発生が多くなるため、フライ効率と麺塊密度を考慮に入れて麺線密度を0.41g/ml〜0.56g/ml程度に調整すればよい。このように型詰めの麺線密度を調製することによって後述するフライ後の麺塊密度を高密度かつ適切な範囲に調整することができる。
(フライリテーナについて)
フライリテーナについては、複数のカップ状容器が連続して配置され、一体となったリテーナ本体と、リテーナ本体のそれぞれのカップ状容器の開口部に対応し、複数の蓋部が連続して配置され、一体となったリテーナ蓋と、からなり、リテーナ本体に隣接するカップ状容器間の隙間部分、及び前記リテーナ蓋の隣接する蓋部間の隙間部分に空隙が形成されていることを特徴とする多孔性のフライリテーナを用いる。具体的には、特許文献1記載のフライリテーナを使用すればよい。
図1〜4に本実施形態における1例であるフライリテーナAについて記載する。図1は、フライリテーナAを構成するリテーナ本体Bの斜視図、図2は、フライリテーナAを構成するリテーナ蓋Cの斜視図、図3は図2で点線部で示したリテーナ蓋Cの拡大図、図4は、リテーナ本体Bにリテーナ蓋Cを設置した際のフライリテーナAの斜視図である。
図1示すようにリテーナ本体Bは、麺線を充填するためのカップ状容器1が枠体3に囲まれる形で6個連結して構成されており、隣り合うカップ状容器1と枠体3で囲まれたリテーナ本体隙間部分2に開口したリテーナ本体隙間部分空隙21を有している。リテーナBでは、リテーナ本体隙間部分2とリテーナ本体隙間部分空隙21とが同一となっている。また、カップ状容器1は、上面が円形に開口しており、底面4にはフライオイルの通過のために多数の細孔が設けられ、底面4の外周より外側に開くように立ち上がる非開孔の側面5と、からなる逆円錐台形の皿型の容器である。
カップ状容器1の形状については、特にされず、包装容器に合わせて各自設定すればよく、円筒形や四角柱、逆四角錐台状などであってもよい。また、カップ状容器1のように底面4よりも開口面が広くなるように底面4に対して垂直より外側に側面5が角度(テーパー角)をもつことによってフライ後の塊が取り出しやすく、テーパー角を持つことが好ましい。
カップ状容器1は、底面4にのみ細孔が設けられているが、側面5にも細孔が設けられてもよい。細孔の形状、大きさは特に限定されないが、効率よく油を通す点と麺線をカップ状容器11内に抑える点から考えてφ2.4〜5.5mmの円形であればよい。
本発明においてリテーナ本体Bで示すようにリテーナ本体隙間部分2は、開口したリテーナ本体隙間部分空隙21を有していることが必要となる。リテーナ本体隙間部分空隙21の形状については、特に限定されないが、できるだけ大きい方が油の下から上への流れが抑制されず、本発明における効果が得られやすい。リテーナ本体隙間部分空隙21の大きさとしては、リテーナ本体隙間部分2の面積に対して50%以上あればよく、好ましくは、60%、さらに好ましくは75%以上あることが好ましい。
図2で示すようにリテーナ蓋Cは、リテーナ蓋C上にリテーナ本体Bのそれぞれのカップ状容器1の開口面に対応する蓋部6を有しており、蓋部6には、フライオイル通過のために複数の細孔が設けられている。また、図3で示すように隣り合う蓋部6とリテーナ蓋Bの外周であるリテーナ外周8とで囲まれる斜線で示したリテーナ蓋隙間部分7に開口したリテーナ蓋隙間部分空隙71を有している。
ここで「複数の蓋部が連続して配置された一体となった蓋体」とは、すなわちリテーナ蓋Cがリテーナ本体Bに載置された時に、リテーナ本体のカップ状容器1の開口部の位置に、リテーナ蓋Cの各蓋部6が位置されていることをいう。また、リテーナ蓋Cの細孔についてはリテーナ本体Bの細孔と同様の形状、大きさであればよい。
本発明においては、図2で示すようにリテーナ蓋隙間部分7にリテーナ蓋隙間部分空隙71が大きく形成されていることが必要となる。尚、この場合、リテーナ蓋隙間部分空隙71は、複数から形成されてもよいが、図2で示すように大きく1つ設けることが好ましい。
リテーナ蓋隙間部分空隙71の形状については特に限定されないが、できるだけ大きい方が油の下から上への流れが抑制されず、本発明の効果が得られやすい。リテーナ蓋隙間部分空隙71は、リテーナ蓋隙間部分7の面積に対して50%以上であればよく、好ましくは55%以上、さらに好ましくは60%以上であればよい。
図4で示すようにリテーナ蓋Cをリテーナ本体Bに設置した際、上から見た状態で同位置に配置されるか、リテーナ蓋隙間部分空隙71がリテーナ本体隙間部分空隙21の中に配置されることが好ましい。このようなリテーナを用いることにより、油の下から上への流れが抑制されず、結果、リテーナ本体1のカップ状容器1にある細孔から入り、カップ状容器内と通り、リテーナ蓋Cにある細孔から出ていく油の流れが、早くなるため、フライ効率が改善されるものと考える。
6.加圧気体噴射工程
リテーナ本体のカップ状容器に投入された麺線に対して、リテーナ本体の下から上方向に向けて加圧気体を噴射し、カップ状容器に投入された麺線を浮上させる。
加圧気体の種類は特に限定はないが、コスト面から考えて圧縮空気を使用すればよい。圧縮空気は、例えばコンプレッサーにより作製し、配管を通じて、ノズル等よりリテーナ本体の下から上方向に噴射すればよい。
この工程において効果を得るためには少なくともカップ状容器内に投入した麺線が浮き上がる程度に強く加圧気体を噴射する必要がある。このように強く加圧気体を噴射することで、カップ状容器内に沈み込んだ麺線がカップ状容器底面の細孔を封じることなく、また、浮き上がることで麺線間に空間が生まれ、油の通りがよくなるものと考える。尚、リテーナ本体の上方向から下方向に向けて加圧気体を噴射する場合には、麺線同士をほぐすことは可能であるが、麺線が噴射によって下方向に押しつぶされるため、本発明におけるフライ改善効果や油脂低減効果は得られない。
加圧気体の噴射条件としては、麺線の太さ、水分、柔らかさによって異なるが、加圧気体の圧力が0.1〜0.8MPa程度であればよい。0.1MPa未満であれば、太い麺線では、麺線が浮き上がらず、0.8MPa以上であれば圧力が強すぎて麺が吹き飛んだり、麺線が切れるなどの問題がある。好ましい加圧気体の圧力は0.2〜0.5MPaである。
また、加圧気体の噴射する際には、麺線が吹き飛ばないようにパンチング板などの蓋を設置してもよく、リテーナ蓋をリテーナ本体に設置した状態で噴射してもよい。
また、加圧気体を噴射した後、再び自重により麺線が沈み込んでしまうため、加圧気体噴射後はできるだけ素早く、フライする必要があり、加圧気体噴射工程が終了してからフライ工程開始までの間が30秒以内であることが好ましい。より好ましくは15秒以内であることが好ましい。
加圧気体の噴射は、1回でも十分効果があるが、2回以上行ってもよく、カップ容器に麺を投入してから、フライ工程開始までの時間が長い場合には、2回以上行うことにより、自重による麺線の沈み込みを防止でき、また、麺線間の空間を維持し、フライ時間を短縮することができる。
このように加圧気体噴射工程を行うことにより、フライ効率が改善するだけでなく、フライ後の麺塊の油脂含量が低減される。理由は不明であるが、加圧気体噴射工程を行うことにより、生じた空間を油が効率よく通過し、空間を有した状態でフライ固化されることによりフライ後の麺線表面に付着した油が空間を通じて効率よく落ちるために油脂含量が低下するためと考えられる。
フライ工程の前には、リテーナ本体にリテーナ蓋を設置し、麺線をフライリテーナ内に封入する。
7.フライ乾燥工程
麺線を封入したフライリテーナをフライヤーと呼ばれる150℃前後に加温した食用油を入れた金属製の槽内を移動させ麺を油中に浸漬させることにより、麺中の水分を蒸発させ麺を乾燥する。使用する食用油としてはパーム油やラードなどがあげられる。フライ乾燥工程後の水分としては1〜8重量%となるように乾燥する。
フライ乾燥工程において、得られるフライ麺塊の麺塊密度としては、0.28g/ml以上とすることが好ましい。なお、麺塊密度とは、カップ状容器の体積(ml)に対するフライ後の麺塊の重量(g)により算出する。フライ後の麺塊密度を0.28g/mlとすることにより、十分な麺塊強度が得られ、輸送に対しての破損が少なくなるだけでなく、従来品よりも形状をコンパクト化することができ、包装資材の削減が可能となる。フライ麺塊密度としては、高ければ高い方がよいが、0.38g/mlよりも高くなると高密度過ぎて生揚げ等の発生が多くなるため、フライ効率と麺塊強度を考えて好ましい麺塊密度としては、0.30〜0.36g/ml、より好ましくは、0.32〜0.35g/mlであることが好ましい。
8.冷却工程
フライ乾燥後、蓋を外し、容器から麺塊を取り出す。取り出した麺塊は所定時間冷却し、即席フライ麺を得る。
9.その他工程
冷却した即席フライ麺は、包装工程に移りスープや具材とともにカップまたは袋に包装され即席麺製品として販売される。
以上のように、リテーナ本体隙間部分とリテーナ蓋隙間部分に空隙を有するフライリテーナを用いてフライ麺塊を製造する即席フライ麺の製造方法において、カップ状容器に麺を投入してから、フライ工程を開始するまでの間に、加圧気体をリテーナ本体の下方向から上方向に噴射し、麺線を浮き上がらせる加圧気体噴射工程を行うことによって、特許文献1の技術で課題であった高密度のフライ麺塊を製造する際の油脂含量の増加を抑制し、麺塊密度が高い場合においてもフライ効率がよく、油脂含量が低減された即席フライ麺の製造方法を提供することができることがわかる。
以下に実施例を挙げて本実施形態をさらに詳細に説明する。
(実験1)
<リテーナ空隙の有無ならびにエア噴射の有無による検討>
(実施例1−1)
小麦粉900g、澱粉100gを粉体混合し、これに食塩15g、かんすい2.3g、重合リン酸塩0.4gを溶解した練水340mlを加え、常圧ミキサーで15分間混練して麺生地(ドウ)を得た。
得られた麺生地を整形、複合して麺帯化し、圧延を繰り返して最終麺厚0.75mmとした後、切刃20番角で導管を用いてウェーブ状に麺線を切り出した。
切り出された麺線を直ちに飽和蒸気により2分間にわたって蒸煮処理した後、1L当り食塩90g、グルタミン酸ナトリウム10gを溶解した着味液に5秒間浸漬した後、引き延ばして約30cmとなるように麺線をカットした。
次いでカットした麺線91gを図1で示したような上径φ100mm、底面径φ97mm、高さ24mmのカップ状容器であり、底面にφ4.4mmの細孔が底面の面積に対して約50%となるように均等に開孔したカップ状容器が4個連なったリテーナ本体のそれぞれのカップ状容器に投入し、型詰めした。容器の体積は、176mlであった。
型詰め後、リテーナ本体に飛び散り防止用のパンチング板を設置した後、コンプレッサーによる圧縮空気を噴射圧が0.2MPaとなるように調整し、リテーナ本体の下から上方向に向けてφ5mmの1穴のノズルよりカップ状容器底面全体に万遍なく当たるように2秒間動かしながら噴射した。この時、目視上型詰めした麺線が浮上していることを確認した。
その後、直ちに図2で示したようなリテーナ蓋で縦120mm、横435mmの長方形の板状のリテーナ蓋であって、φ4.4mmの細孔が蓋全体の面積に対して約50%となるように開口されおり、それぞれのリテーナ蓋隙間部に1辺が46mmの略正三角形状のリテーナ蓋開口部空隙を有しているリテーナ蓋をリテーナ本体のそれぞれのカップ状容器の開口部を塞ぐように合わせて設置した。この時、リテーナ蓋隙間部の面積に対して、リテーナ蓋空隙全体(リテーナ蓋細孔の空隙を含む)の面積は、67%であった。
圧縮空気を噴射してから15秒後に設置したフライリテーナを精製パーム油を150℃に加温したフライヤーに浸漬させフライ乾燥を行いフライ麺塊を得た。
このとき、フライ開始から完全に泡の消えるまでの時間をフライ時間とし、3回計測した平均値を試験区のフライ時間とした。また、3個の麺塊の平均値を試験区の麺塊重量とし、フライ麺塊の油脂含量についても分析を行い3個の麺塊の平均値を試験区の油脂含量を測定した。
(比較例1−1)
リテーナ蓋隙間部分に開口部空隙を有さないリテーナ蓋を用いてフライすること及びコンプレッサーエアによる圧縮空気を噴射しない以外は実施例1−1の方法に従って製造し、フライ麺塊を得た。また、フライ時間、フライ麺塊の重量、油脂含量も同様に測定した。
(比較例1−2)
コンプレッサーエアによる圧縮空気を噴射しない以外は、実施例1−1の方法に従って
製造し、フライ麺塊を得た。また、フライ時間、フライ麺塊の重量、油脂含量も同様に測定した。
実験結果を表1にまとめる。
Figure 0006463950
実施例1−1で示したリテーナ本体隙間部分とリテーナ蓋隙間部分に空隙を有するフライリテーナと加圧気体噴射工程を組み合わせて使用することにより、比較例1−1で示した両方とも使用しない場合並びに、比較例1−2で示した空隙のあるリテーナのみ使用した場合と比較してフライ時間が著しく短縮されることがわかる。また、比較例1−2で示した空隙を有するフライリテーナだけを使用した場合、比較例1−1で示した両方とも使用しない場合と比較して、フライ時間は短くなるものの、油脂含量が増加してしまうが、実施例1−1では、油脂含量が大幅に減少することがわかる。
(実験2)
<麺塊密度についての検討>
(実施例2−1)
カットした麺線を63g充填する以外は、実施例1−1の方法に従って製造し、フライ麺塊を得た。フライ時間、フライ麺塊の重量、油脂含量も同様に測定した。
(実施例2−2)
カットした麺線を77g充填する以外は、実施例1−1の方法に従って製造し、フライ麺塊を得た。フライ時間、フライ麺塊の重量、油脂含量も同様に測定した。
(実施例2−3)
カットした麺線を98g充填する以外は、実施例1−1の方法に従って製造し、フライ麺塊を得た。フライ時間、フライ麺塊の重量、油脂含量も同様に測定した。
(比較例2−1)
カットした麺線を63g充填する以外は、比較例1−1の方法に従って製造し、フライ麺塊を得た。フライ時間、フライ麺塊の重量、油脂含量も同様に測定した。
(比較例2−2)
カットした麺線を77g充填する以外は、比較例1−1の方法に従って製造し、フライ麺塊を得た。フライ時間、フライ麺塊の重量、油脂含量も同様に測定した。
(比較例2−3)
カットした麺線を98g充填する以外は、実施例1−1の方法に従って製造し、フライ麺塊を得た。フライ時間、フライ麺塊の重量、油脂含量も同様に測定した。
(比較例2−4)
カットした麺線を63g充填する以外は、比較例1−2の方法に従って製造し、フライ麺塊を得た。フライ時間、フライ麺塊の重量、油脂含量も同様に測定した。
(比較例2−5)
カットした麺線を77g充填する以外は、比較例1−2の方法に従って製造し、フライ麺塊を得た。フライ時間、フライ麺塊の重量、油脂含量も同様に測定した。
(比較例2−6)
カットした麺線を98g充填する以外は、比較例1−2の方法に従って製造し、フライ麺塊を得た。フライ時間、フライ麺塊の重量、油脂含量も同様に測定した。
実験結果を表2にまとめる。
Figure 0006463950
型詰めの麺線の充填量が63g(麺線密度0.36g/ml)の場合、実施例2−1、比較例2−1、比較例2−4ともにフライ時間、油脂含量ともに差はでなかった。麺線密度が低い場合には、リテーナの空隙や加圧気体の噴射による影響を受けないことがわかる。また、この時の実施例2−1の麺塊密度は0.24g/mlであった。
しかしながら、型詰めの麺線の充填量を77g(麺線密度0.44g/ml)と麺線密度を高くした場合、実施例2−2、比較例2−2、比較例2−5で示すように、リテーナの空隙と加圧気体噴射工程を組み合わせることでフライ時間短縮ならびに油脂含量低減効果がでることがわかる。また、この時の実施例2−2の麺塊密度は0.28g/mlであった。
さらに型詰めの麺線の充填量を91g(麺線密度0.52g/ml)とした場合には、実施例1−1、比較例1−2、比較例1−3で示すようにリテーナの空隙と加圧気体噴射工程を組み合わせることで明らかにフライ時間短縮の効果が認められ、さらに油脂含量の低下も顕著に認められることがわかる。また、この時の実施例1−1の麺塊密度は、0.33g/mlであった。
型詰めの麺線の充填量を98g(麺線密度0.56g/ml)とした場合、リテーナの空隙と加圧気体噴射工程を組み合わせた実施例2−3は、かろうじて4分以内にフライすることが可能であったが、比較例2−3、比較例2−6は4分たっても泡が出続けてフライ不可と判断した。また、この時の実施例2−3の麺塊密度は、0.36g/mlであった。
(実験3)
<加圧気体噴射工程からフライ工程までの検討>
(実施例3−1)
圧縮空気を噴射してから30秒後にフライリテーナをフライヤーに浸漬させフライ乾燥を行う以外は実施例1−1の方法に従って製造し、フライ麺塊を得た。フライ時間、フライ麺塊の重量、油脂含量も同様に測定した。
(実施例3−2)
圧縮空気を噴射してから30秒放置し、放置後すぐに再度0.2MPaに調整した圧縮空気を、リテーナ本体の下から上方向に向けてφ5mmの1穴のノズルよりカップ状容器底面全体に万遍なく当たるように2秒間動かしながら噴射し、リテーナ蓋を設置し、照射してから15秒後にフライヤーに浸漬させフライ乾燥を行う以外は実施例1−1の方法に従って製造し、フライ麺塊を得た。フライ時間、フライ麺塊の重量、油脂含量も同様に測定した。
(比較例3−1)
圧縮空気を噴射してから60秒後に設置したフライリテーナをフライヤーに浸漬させフライ乾燥を行う以外は実施例1−1の方法に従って製造し、フライ麺塊を得た。フライ時間、フライ麺塊の重量、油脂含量も同様に測定した。
実験結果を表3にまとめる。
Figure 0006463950
実施例1−1、実施例3−1ならびに比較例3−1より加圧気体噴射工程後からフライ工程開始までの間が長ければ長いほど、フライ改善効果が弱まることがわかる。しかしながら、実施例3−2で示すように再度加圧気体噴射工程を行うことにより時間が改善することがわかる。油脂含量低減効果については、試験区間の差はなく、加圧気体噴射工程を行うことによって油脂含量が低減した。

Claims (4)

  1. 複数のカップ状容器が連続して配置され、一体となったリテーナ本体と、
    前記リテーナ本体のそれぞれのカップ状容器の開口部に対応し、複数の蓋部が連続して配置され、一体となったリテーナ蓋と、からなる多孔性のフライリテーナであって、
    前記リテーナ本体の隣接するカップ状容器間の隙間部分、及び前記リテーナ蓋の隣接する蓋部間の隙間部分に空隙が形成されているフライリテーナを用いてフライ麺塊を得る即席麺の製造方法において、
    前記リテーナ本体のカップ状容器ごとにフライ後のフライ麺塊の麺塊密度が0.28〜0.38g/mlとなるように1食分の麺線を投入する型詰め工程の後から、油に浸漬し油熱乾燥を行うフライ工程の開始前までの間に前記リテーナ本体の下から上方向に向けて0.1〜0.8MPaの加圧気体を少なくとも1回以上噴射し、該麺線を浮上させる加圧気体噴射工程を含み、
    前記加圧気体噴射工程が終了してから前記フライ工程の開始までの間が30秒以内であることを特徴とする即席フライ麺の製造方法。
  2. フライ後のフライ麺塊の麺塊密度が0.30〜0.36g/mlなるように型詰め工程において麺線を投入することを特徴とする請求項1記載の即席フライ麺の製造方法。
  3. 前記加圧気体噴射工程が圧気体を少なくとも回以上、リテーナ底面から上方向に噴射する処理を行うことを特徴とする請求項1または載の即席フライ麺の製造方法。
  4. 前記加圧気体噴射工程が終了してから前記フライ工程の開始までの間が15秒以内であることを特徴とする請求項1〜3何れか一項記載の即席フライ麺の製造方法。
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