JP2005160401A - ノンフライ麺の乾燥方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 乾燥用容器の内壁や底面に貼り付かないように収容しながら乾燥を行うことで、高品質の麺線を安定して製造することができるノンフライ麺の乾燥方法を提供する。
【解決手段】 前工程で処理された麺線Nを乾燥用容器8に収容して乾燥を行うノンフライ麺の乾燥方法である。この方法では、乾燥用容器に麺線を収容した直後に、乾燥用容器の内壁及び底面に前記麺線が常に接触しないように麺線に浮力を与えている。即ち、乾燥用容器の底部8aに多数の通気孔20a〜20dを設けている。そして、乾燥用容器に対して下方から乾燥空気を吹き付け、前記通気孔を通った乾燥空気が乾燥用容器の内壁及び底面に沿って流れるようにする。
【選択図】 図4

Description

本発明は、前工程から送られてきた麺線を乾燥用容器に収容して乾燥を行うノンフライ麺の乾燥方法及び装置に関する。
ノンフライ麺の製造においては、通常、熱風乾燥方法によって蒸し麺線の乾燥処理を行っている。
熱風乾燥方法は、70〜90℃程度の熱風を麺線に接触させ、麺線の水分を8〜12%程度に乾燥する方法であり、乾燥用容器に麺線を収容し、この乾燥用容器を乾燥室内で所定時間移動させることで前記麺線の乾燥を行うようにしている(例えば、特許文献1)。
特開2001−321105号公報
ところで、前工程から送られてきた直後の麺線は、麺線表面にα化した澱粉質(成分)に起因する接着力が存在しているので、乾燥用容器の内壁や底面に貼り付きやすい。
そのため、熱風乾燥の終了時には、乾燥用容器に衝撃を加えることで麺線が乾燥用容器に貼り付いているのを解除し、乾燥用容器から麺線を容易に取り出させるようにして次工程に麺線を送り出している。しかし、乾燥用容器に衝撃を加えると、収容している麺線の欠け等の損傷が発生しやすく、麺線の品質安定性の面で問題がある。
本発明はこのような不都合を解消するためになされたものであり、乾燥用容器の内壁や底面に貼り付かないように収容しながら乾燥を行うことで、高品質の麺線を安定して製造することができるノンフライ麺の乾燥方法及び装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明に係る請求項1記載のノンフライ麺の乾燥方法は、前工程で処理された麺線を、乾燥用容器に収容して乾燥を行うノンフライ麺の乾燥方法において、前記乾燥用容器に前記麺線を収容した直後に、前記乾燥用容器の内壁及び底面に前記麺線が常に接触しないように前記麺線に浮力を与える方法である。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載のノンフライ麺の乾燥方法において、前記乾燥用容器の少なくとも底部に多数の通気孔を設けるとともに、前記乾燥用容器に対して下方から乾燥空気を吹き付け、前記通気孔を通った前記乾燥空気により前記乾燥用容器内の前記麺線に前記浮力を与えるようにした。
また、請求項3記載の発明は、請求項2記載のノンフライ麺の乾燥方法において、前記麺線が接触する前記乾燥用容器の内壁及び底面に沿って前記乾燥空気の流れが発生するように、前記通気孔の数、位置及び大きさを設定した。
一方、請求項4記載のノンフライ麺の乾燥装置は、前工程で処理された麺線を乾燥用容器に収容し、前記乾燥用容器を乾燥室内で搬送することにより前記麺線の乾燥を行うノンフライ麺の乾燥装置において、前記麺線を収容した直後に前記乾燥室内に送り込まれた前記乾燥用容器の搬送方向上流位置に、前記乾燥用容器に収容されている前記麺線に浮力を与える浮力付与手段を備えた装置である。
また、請求項5記載の発明は、ノンフライ麺の乾燥装置において、前記乾燥用容器の少なくとも底部に多数の通気孔を設けるとともに、前記浮力付与手段として、前記乾燥用容器の下方に向けて配置されており、前記通気孔を通った前記乾燥空気により前記乾燥用容器内の前記麺線を押し上げて浮力を与える乾燥空気吹き付け部を設けた。
さらに、請求項6記載の発明は、請求項4又は5記載のノンフライ麺の乾燥装置において、前記浮力付与手段は、前記乾燥用容器内に収容した前記麺線に間欠的に浮力を与えるようにした。
本発明に係るノンフライ麺の乾燥方法によると、乾燥用容器に前記麺線を収容した直後に、乾燥用容器の内壁及び底面に前記麺線が常に接触しないように麺線に浮力を与えながら乾燥を行うことで、高品質の麺線を安定して製造することができる。
また、本発明に係るノンフライ麺の乾燥装置によると、上記効果を奏することができるとともに、麺線を収容した直後に乾燥室内に送り込まれた乾燥用容器の搬送方向上流位置にて麺線に浮力を与える浮力付与手段を設けたことから、自動的に乾燥用容器への麺線の貼り付けが防止され、乾燥工程の最後に乾燥用容器に衝撃を与えて麺線を取り出する作業等が不要となるので、麺線の乾燥工程の生産性を向上させることができる。
以下、本発明に係るノンフライ麺の乾燥装置の1実施形態ついて、図面を参照しながら説明する。
図1はノンフライ麺の乾燥装置(以下、単に乾燥装置2と称する)を示す側面概略図であり、図2は図1のII−II矢視断面図、図3は図1のIII−III矢視断面図、図4及び図5は、本実施形態で使用する乾燥用容器(単に容器と称する)8を具体的に示す図である。
この乾燥装置2は、図1、2に示すように、外観直方体形状とした乾燥室4の側面外側に沿って一対の搬送チェーン6が水平に配置されており、これら搬送チェーン5に、5個の容器8を幅方向に列状に支持しているハンガー10が、所定の間隔をあけて連結されている。搬送チェーン6は、図示しない駆動装置によって図1の左側から右側に向けて移動し、ハンガー10を介して搬送チェーン6に連結している各容器8は、図1の左側から右側に向けて搬送される。
乾燥装置2に入る直前の容器8には、例えば蒸し工程等の前工程で処理された麺線Nがシュート11を介して収容され、この麺線Nを収容した容器8が乾燥室4内を搬送されていく。ここで、図1で示すHaが、麺線Nを収容した直後に容器6が通過する乾燥室4の搬送方向上流位置とする。
乾燥室4の内部には、乾燥室4の側面に所定間隔をあけて配置した乾燥空気供給装置12から乾燥空気が供給され、図2の破線で示すような上部空間及び下部空間に循環する乾燥空気の流れが発生するようになっている。
ここで、乾燥室4の搬送方向上流位置Haには、麺線Nを収容した容器6に向けて下方から乾燥空気を吹き付ける乾燥空気吹き付け部14が、容器6の搬送方向に所定間隔をあけて3台設置されている。
これら乾燥空気吹き付け部14は、風量が増大した乾燥空気を供給する強風発生部16と、強風発生部16から供給された乾燥空気を乾燥室4の幅方向に導く導風部18とを備えており、導風部18には、ハンガー10に支持されて搬送方向上流位置Haに移動してきた各容器6の下面に向けて、強風発生部16で発生した乾燥空気が吹き出す吹き出し口18a〜18eが設けられている。
図4に示すように、各容器8の底部8aには、吹き出し口18aから吹き出した乾燥空気を容器内部に導く多数の通気孔20a〜20dが形成されている。すなわち、図5に示すように、底部8aの中央部に円周方向に沿って複数の通気孔20cが形成され、それら通気孔20aの中央部に通気孔20dが形成されている。また、底部8aの周縁部に円周方向に沿って複数の通気孔20aが形成されており、それら通気孔20aの内側に円周方向に沿って複数の通気孔20bが形成されている。ここで、通気孔20a〜20dは、これらを通過して容器8内に導入された乾燥空気が麺線Nをほぐし過ぎない風量及び速度となるように、孔の数、位置及び大きさが設定されている。
次に、上記構成の乾燥装置2が麺線Nを乾燥する動作について、図1から図5を参照しながら説明する。
乾燥装置2に入る直前の容器8は、シュート11から麺線Nを投入して収容した後、乾燥室4内に搬送されていく。
乾燥室4内に搬送された容器8は、乾燥室4の搬送方向上流位置Haに配置した3台の乾燥空気吹き付け部14により、下方から乾燥空気が吹き付けられる。
最も上流側に配置した乾燥空気吹き付け部14は、導風部18の吹き出し口18a〜18eから各容器6の下面に向けて乾燥空気を吹き出す。
吹き出し口18a〜18eから吹き出した乾燥空気は、各容器8の底部8aに形成した通気孔20a〜20dを通って容器8の内部に導入される。
ここで、底部8aの周縁部に形成した通気孔20a、20bから容器8の内部に導入された乾燥空気は、容器8の内壁に沿って上方に流れていく。また、底部8aの中央部に形成した通気孔20c、20dから容器の内部に導入された乾燥空気は、容器8の底面に沿って周縁部に向かうように流れた後、容器8の内壁に沿って上方に流れていく。このように、容器8の通気孔20a〜20dから導入された乾燥空気が容器8の底面及び内壁に沿って流れることから、この乾燥空気によって容器8に収容されている麺線Nに浮力が与えられる。浮力が与えられた麺線Nは、容器8の底面及び内壁との接触面積が小さくなる。
乾燥室4の上流位置を移動する麺線Nは、麺線表面にα化した澱粉質(成分)に起因する接着力が発生しているが、乾燥空気吹き付け部14から吹き出した乾燥空気により容器8内の麺線Nに浮力が与えられているので、容器8の内壁や底面に麺線Nが貼り付きにくくなる。そして、この麺線Nに浮力を与えている乾燥空気は、麺線Nの乾燥も行う。
このように、最も上流側に配置した乾燥空気吹き付け部14が、上方に搬送されてきた容器6の下面に向けて乾燥空気を吹き出して麺線Nに浮力を与えながら乾燥を行うとともに、その最も上流側に配置した乾燥空気吹き付け部14より下流側に配置した2台の乾燥空気吹き付け部14も、間欠的に(容器6が上方に搬送されてくるまで所定の時間をあけながら)麺線Nに浮力を与えながら乾燥を行う。
ここで、乾燥室4の搬送方向上流位置Haを通過した各容器8内の麺線Nは、3台の乾燥空気吹き付け部14の乾燥空気が吹き付けられることで、麺線表面の接着力が無くなっていく。
また、各容器8が搬送方向上流位置Haよりさらに下流側に搬送されていくと、容器8に収容されている麺線Nは、乾燥空気供給装置12から供給される乾燥空気が乾燥室4を循環することによって所定の水分量となるまで乾燥されていく。
そして、乾燥工程が終了して乾燥室4を通過した容器8は、次工程に送り出すために収容している麺線Nを取り出すが、麺線Nは容器8内に貼り付いていないので、衝撃等を加えずに容器8を傾けるだけで簡単に麺線Nを取り出すことができる。
したがって、本実施形態の麺線Nを乾燥する方法によると、容器8に麺線Nを収容した直後、乾燥室4の搬送方向上流位置Haを通過する容器8内の麺線Nは、乾燥空気吹き付け部14から供給される乾燥空気により浮力が与えられ、容器8の内壁及び底面への貼り付けが防止されながら乾燥されていき、乾燥工程が終了した後は容器8に麺線Nが貼り付かず、衝撃等を加えなくても容器8から麺線Nを容易に取り出すことができるので、麺線Nの品質安定性を向上することができる。
また、乾燥空気吹き付け部14から各容器8の下面に向けて乾燥空気が吹き出すと、各容器8の底部8aに形成した通気孔20a〜20dから内部に導入された乾燥空気は、容器8の内壁及び底面に沿って流れて麺線Nに浮力を与えるので、容器8の内壁及び底面への麺線Nの貼り付けを容易に防止することができる。
また、乾燥室4の搬送方向上流位置Haに3台の乾燥空気吹き付け部14を配置し、間欠的に各容器8内の麺線Nに浮力を与えるようにしたので、浮力の与え過ぎによる麺線Nの固まりの崩壊を防止することができる。
さらに、容器8に収容された直後の麺線Nは、乾燥室4の搬送方向上流位置Haに配置した乾燥空気吹き付け部14によって自動的に容器8への貼り付けが防止されており(乾燥空気で麺線表面の接着力を無くしている)、乾燥工程の最後に乾燥用容器に衝撃を与えて麺線を取り出する作業等が不要となるので、麺線Nの乾燥工程の生産性を向上させることができる。
ノンフライ麺の乾燥装置を示す側面概略図である。 図1のII−II矢視断面図である。 図1のIII−III矢視断面図である。 本発明で使用する乾燥用容器の形状を具体的に示す図である。 本発明で使用する乾燥用容器の底部の形状を示す図である。
符号の説明
2 乾燥装置
4 乾燥室
6 搬送チェーン
8 容器(乾燥用容器)
8a 容器の底部
20a〜20d 通気孔
14 乾燥空気吹き付け部
16 強風発生部
18 導風部
18a〜18e 吹き出し口
N 麺線
Ha 乾燥室の搬送方向上流位置

Claims (6)

  1. 前工程で処理された麺線を、乾燥用容器に収容して乾燥を行うノンフライ麺の乾燥方法において、
    前記乾燥用容器に前記麺線を収容した直後に、前記乾燥用容器の内壁及び底面に前記麺線が常に接触しないように前記麺線に浮力を与えることを特徴とするノンフライ麺の乾燥方法。
  2. 前記乾燥用容器の少なくとも底部に多数の通気孔を設けるとともに、前記乾燥用容器に対して下方から乾燥空気を吹き付け、前記通気孔を通った前記乾燥空気により前記乾燥用容器内の前記麺線に前記浮力を与えるようにしたことを特徴とする請求項1記載のノンフライ麺の乾燥方法。
  3. 前記麺線が接触する前記乾燥用容器の内壁及び底面に沿って前記乾燥空気の流れが発生するように、前記通気孔の数、位置及び大きさを設定したことを特徴とする請求項2記載のノンフライ麺の乾燥方法。
  4. 前工程で処理された麺線を乾燥用容器に収容し、前記乾燥用容器を乾燥室内で搬送することにより前記麺線の乾燥を行うノンフライ麺の乾燥装置において、
    前記麺線を収容した直後に前記乾燥室内に送り込まれた前記乾燥用容器の搬送方向上流位置に、前記乾燥用容器に収容されている前記麺線に浮力を与える浮力付与手段を備えたことを特徴とするノンフライ麺の乾燥装置。
  5. 前記乾燥用容器の少なくとも底部に多数の通気孔を設けるとともに、前記浮力付与手段として、前記乾燥用容器の下方に向けて配置されており、前記通気孔を通った前記乾燥空気により前記乾燥用容器内の前記麺線を押し上げて浮力を与える乾燥空気吹き付け部を設けたことを特徴とする請求項4記載のノンフライ麺の乾燥装置。
  6. 前記浮力付与手段は、前記乾燥用容器内に収容した前記麺線に間欠的に浮力を与えることを特徴とする請求項4又は5記載のノンフライ麺の乾燥装置。
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