JP4832421B2 - ノンフライ麺の乾燥方法 - Google Patents
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Description
一方、この乾燥処理前の蒸し加工直後の麺線は、その表面がα化した澱粉質(成分)に起因する接着力によってバスケットの内壁や底面に貼り付いてしまう性質があるため、この熱風乾燥の終了時には、バスケットに衝撃を加えることでバスケットに貼り付いているの麺線を分離してバスケットから取り出している。しかし、バスケットに衝撃を加えると、その衝撃によって麺線の一部が欠けてしまい、その品質を大きく損なうことがある。
すなわち、このノンフライ麺の乾燥方法は、麺線を収容したバスケットの底部に多数の通気穴を形成しておき、そのバスケットに対してその下方から乾燥空気を吹き付けてバスケット内の麺線の表面とそのバスケットの内壁との間にその乾燥空気を流すことでその麺線が直接そのバスケットの内壁に接触しないように浮かせた状態で乾燥を行うようにしたものであり、これによって乾燥後のバスケットへの麺線の固着を回避するようにしたものである。
そして、このように乾燥・固化後の麺線の上面側が大きく膨らんだり、凹凸が生じてしまうと、次の不都合が生じることが分かった。
また、麺の塊を物の上面を滑らせて搬送して位置決めする際に、その位置決めを物の上面の凹凸に係合して行わせる場合には、下向きになった麺の塊の上面が物の上面の凹凸にうまく係合できないことがあって位置決めが不正確になるといった不都合がある。
そこで、本発明はこのような不都合を解消するためになされたものであり、その目的は、特に乾燥工程時に麺線上面の膨らみや凹凸の発生を防止することができる新規なノンフライ麺の乾燥方法を提供することを目的とする。
蒸し加工後の柔軟な麺線を乾燥して固化するノンフライ麺の乾燥方法であって、前記蒸し加工後の柔軟な麺線を、少なくともその底部に多数の通気孔を有するバスケット内に収容すると共に、当該バスケットの上部開口部を通風可能な平蓋で覆った後、前記バスケットに対してその下方から上方に向けて乾燥空気を吹き付け、当該乾燥空気により当該バスケット内の麺線を浮上させて当該麺線により形成される麺の塊の上面側を前記平蓋側に押し付けて平坦に加工しながら当該麺線を乾燥して固化することを特徴とするノンフライ麺の乾燥方法である。
請求項1に記載のノンフライ麺の乾燥方法において、前記麺線が次第に固化して麺の塊の形状が復元しなくなるまで乾燥空気を上方に向けて吹き付けて麺の塊を前記平蓋側に押し付けることを特徴とする特徴とするノンフライ麺の乾燥方法である。
また、請求項3の発明は、
請求項1または2に記載のノンフライ麺の乾燥方法において、前記乾燥空気として80〜200℃の熱風を用いると共に、当該乾燥空気を前記バスケットに対して20〜30m/秒の風速で吹き付けることを特徴とするノンフライ麺の乾燥方法である。
また、請求項2の乾燥方法によれば、麺の塊を平蓋側に押し付けるのは、麺の塊の形状が復元しなくなるまで固まるまでであって、その後は風速を弱めて前記の押し付けを解除するなど、任意の乾燥方法とすることで乾燥効率、経済効率などを考慮した乾燥方法とすることができる。
そして、具体的には、乾燥空気として80〜200℃の熱風を用いると共に、その乾燥空気をバスケットに対して20〜30m/秒の風速で吹き付けることで請求項1の発明の効果を確実に得ることができる。
図1は、このノンフライ麺の乾燥装置100を示す側面概略図であり、図2は図1のII−II矢視断面図である。
図示するようにこの乾燥装置100は、外観直方体形状とした乾燥室10の側面外側に沿って一対の搬送チェーン20,20が水平に配置されており、これら搬送チェーン20,20間に、ハンガー30が複数、その搬送方向に所定の間隔を隔てて架け渡されている。
そして、これら各ハンガー30,30…には、複数(本実施の形態にあっては5個)のバスケット40,40…が所定の間隔を隔てて支持されている。
そして、この乾燥装置100に入る直前のバスケット40には、例えば蒸し加工後の柔軟な麺線(または麺の塊、以下同じ)Nがシュート50を介して収容されるようになっており、この麺線Nを収容したバスケット40がこの搬送チェーン20,20によって乾燥室10内を搬送されるようになっている。
また、この乾燥室4の搬送方向上流位置Haには、麺線Nを収容したバスケット40に向けてその下方から乾燥空気を吹き付けるための乾燥空気吹付部70がそのバスケット40の搬送方向に前記位置Haの範囲に亘って連続して設置されている。
なお、このバスケット40のバスケット本体41の上縁部には、鍔部44が設けられており、この鍔部44がハンガー30に形成された収容穴31の縁部に係合することでこのバスケット40がハンガー30に取り付けられるようになっている。また、ハンガー30,バスケット本体41,平蓋43などの上記の各構成については図示のものに限定されるものではない。
先ず、図1に示すように、搬送チェーン20によって順に乾燥室10側に搬送される各バスケット40,40…は、その直前でシュート50から投入される蒸し加工直後の柔軟な状態の麺線Nをそれぞれ収容した後、平蓋43を閉じてその上部開口部を塞いでから順次その乾燥室10内に搬送されていく。
そして、この乾燥室10内に搬送された各バスケット40,40…は、その乾燥室10の搬送方向上流位置Ha側に配置された乾燥空気吹付部70を通過中に、その下方から高温の乾燥空気が勢いよく吹き付けられて乾燥室10内をその下流側に搬送される。
従って、この乾燥空気の最適な温度は150℃前後で、その風速は25m/秒前後である。
なお、この乾燥工程が終了して乾燥室10を出たバスケット40は、次工程に送り出すために平蓋43を開いて収容している麺線Nを取り出すことになるが、この麺線Nはバスケット40の内壁や底部に貼り付いたりすることはないため、衝撃等を加えずにバスケット40を傾けるだけで簡単に取り出すことができる。
さらに、前記搬送方向上流位置Haの乾燥空気吹付部70は、同位置Haの距離に亘ってノズルを多数並べることによって下から上に向けて乾燥空気を高速に吹き付けているが、個別の吹付ノズルをバスケット40の移動に同期させて移動させるこのより、移動するバスケット40の下から乾燥空気を移動しながら吹き付けるようにしても良い。
10…乾燥室
20…搬送チェーン
30…ハンガー
40…バスケット
41…バスケット本体
42…底部(金網)
43…平蓋(金網)
50…シュート
60…乾燥空気供給装置
70…乾燥空気吹付部
N…麺線(麺の塊)
Claims (3)
- 蒸し加工後の柔軟な麺線を乾燥して固化するノンフライ麺の乾燥方法であって、
前記蒸し加工後の柔軟な麺線を、少なくともその底部に多数の通気孔を有するバスケット内に収容すると共に、当該バスケットの上部開口部を通風可能な平蓋で覆った後、
前記バスケットに対してその下方から上方に向けて乾燥空気を吹き付け、当該乾燥空気により当該バスケット内の麺線を浮上させて当該麺線により形成される麺の塊の上面側を前記平蓋側に押し付けて平坦に加工しながら当該麺線を乾燥して固化することを特徴とするノンフライ麺の乾燥方法。 - 請求項1に記載のノンフライ麺の乾燥方法において、
前記麺線が次第に固化して麺の塊の形状が復元しなくなるまで乾燥空気を上方に向けて吹き付けて麺の塊を前記平蓋側に押し付けることを特徴とする特徴とするノンフライ麺の乾燥方法。 - 請求項1または2に記載のノンフライ麺の乾燥方法において、
前記乾燥空気として80〜200℃の熱風を用いると共に、当該乾燥空気を前記バスケットに対して20〜30m/秒の風速で吹き付けることを特徴とするノンフライ麺の乾燥方法。
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