JP6462804B2 - クモ用卵のう処理剤およびクモ用卵のう処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、クモを駆除するためのクモ用卵のう処理剤およびクモ用卵のう処理方法に関する。
約20年前、毒グモである外来種のセアカゴケグモが日本で多数発見され、大きな社会問題となった。生息調査の結果、セアカゴケグモはすでに日本に定着したと考えられている。毒グモに接触すると、皮膚が炎症を起こし、針で刺されたような痛みを感じることがあるうえに、局所に熱感が出現し、その範囲と程度は時間経過とともに拡大増強する。特に、乳幼児が毒グモと接触すると重症化しやすく、その対策が大きな問題となっている。また、クモは見た目の不快感に加え、建物、車両、樹木等にクモの巣を張ることへの不快感もあり、クモを駆除する要望は高い。
一般に、クモを駆除するために、通常の殺虫エアゾールや殺虫剤を噴霧することが行なわれているが、クモは樹木の枝の間や、家屋のひさしの部分など高いところや、屋内の隙間や、ベンチの下など、薬剤が到達しがたい場所に隠れて生息していることが多く、障害物があるために薬剤がなかなかクモに到達せず、駆除することが難しい。またクモは、クモの巣を張って生息しており、クモの巣によって防御されているため、薬剤がクモ自体に接触することを妨げている。
そこで、害虫防除成分とクモ造網阻止成分である高級脂肪酸エステル化合物とを含有するクモの造網阻止エアゾール剤により、クモ自体の駆除と長期間クモの巣が張られることを阻止することが提案されている(特許文献1)。また、クモは分類学的には、昆虫とは異なるため、通常の殺虫剤では効果的に駆除することが困難であるという問題に対し、クモに対する駆除効果に優れている、モンフルオロトリンやイミプロトリンを含有するクモ防除組成物が提案されている(特許文献2、3)。これらの提案は、一定の駆除効果が得られるものの、十分に満足する効果が得られてはいない。これは、クモの繁殖力に関係すると考えられている。
クモは繁殖力が高いので、成虫や子グモを駆除するのみでは、クモの増殖を完全に抑制することは困難である。そこで、卵の段階で孵化を阻止することができれば、クモの絶対数を減らすことが可能となり、駆除効果に期待がもてる。しかしながら、クモは、多数の卵をひとかたまりで産み、糸でまいて繭のような「卵のう」を作るため、クモの成虫や子グモの駆除に使用する薬剤を噴霧しても、卵のうに守られている卵を有効に殺卵することは困難であった。
特開2010−159226号公報 特開2011−132201号公報 特開平09−169609号公報
本発明は、上記のような状況を鑑みてなされたものであり、セアカゴケグモ等の毒グモを含むクモを効率的に駆除することができる、クモ用卵のう処理剤およびクモ用卵のう処理方法を提供することを課題としている。
従来公知の殺虫剤は、クモの卵のうを処理しても、卵のうにより守られている卵を殺卵するには至らず、孵化により子グモが大量発生してしまい、クモの絶対数を減らす駆除効果を得ることは困難であった。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ノニオン系界面活性剤およびアニオン系界面活性剤を含有する組成物が、卵のうに守られている卵を殺卵し、孵化を有効に阻害することにより、クモを効率的に駆除できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、具体的には次の事項を要旨とする。
1.(A)ノニオン系界面活性剤および(B)アニオン系界面活性剤を有効成分とすることを特徴とする、クモ用卵のう処理剤。
2.(A)ノニオン系界面活性剤がグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアリールエーテル、ポリオキシアルキレン硬化植物油、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレングリコールから選択される1種以上であることを特徴とする、1.に記載のクモ用卵のう処理剤。
3.(A)ノニオン系界面活性剤がグリセリン脂肪酸エステルであり、このグリセリン脂肪酸エステルが、モノグリセリン脂肪酸エステルおよびポリグリセリン脂肪酸エステルから選択される1種以上であることを特徴とする、1.に記載のクモ用卵のう処理剤。
4.(B)アニオン系界面活性剤が、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルリン酸塩、脂肪酸塩から選択される1種以上であることを特徴とする、1.〜3.のいずれかに記載のクモ用卵のう処理剤。
5.(B)アニオン系界面活性剤が、ジアルキルスルホコハク酸塩であることを特徴とする、1.〜3.のいずれかに記載のクモ用卵のう処理剤。
6.さらに、(C)殺虫成分を有効成分とする、1.〜5.のいずれかに記載のクモ用卵のう処理剤。
7.1.〜6.のいずれかに記載のクモ用卵のう処理剤を使用する、クモ用卵のう処理方法。
本発明の、(A)ノニオン系界面活性剤および(B)アニオン系界面活性剤を含有するクモ用卵のう処理剤は、クモの糸からなる卵のうを処理することにより、卵のうに守られている卵を殺卵し孵化を阻害することができる。これにより、子グモが大量発生することなく、クモの絶対数を減らす駆除効果を得ることが可能となる。
さらに、本発明のクモ用卵のう処理剤は、(C)殺虫成分を併用することにより、確実な殺卵、孵化阻害効果が得られるとともに、卵のう付近に存在するクモの成体を駆除することができる。これにより、見た目に不快なクモを駆除できるのみならず、建物、車両、樹木等に張るクモの巣の数、すなわち営巣数を抑制することができ、不快なクモ自体やクモの巣を目にすることがなくなる。
試験例2において、セアカゴケグモの卵のうに試験検体を滴下した直後の卵のうの様子の、実施例7(左側)と比較例13(右側)の観察図(写真)である。
以下、本発明のクモ用卵のう処理剤およびクモ用卵のう処理方法について詳細に説明する。
本発明のクモ用卵のう処理剤は、(A)ノニオン系界面活性剤および(B)アニオン系界面活性剤を含有するものである。
<(A)成分について>
本発明における(A)ノニオン系界面活性剤は、ノニオン系界面活性剤として公知の、エーテル型ノニオン系界面活性剤、エステルエーテル型ノニオン系界面活性剤、エステル型ノニオン系界面活性剤の何れかから選択される1種以上のノニオン系界面活性剤を意味する。本発明における(A)ノニオン系界面活性剤の具体例としては、例えば、以下の化合物群が挙げられる。
(1)エーテル型ノニオン系界面活性剤
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアリールエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアリールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルエーテルやポリオキシアルキレンアリールエーテルやポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール等のポリオキシアルキレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー等。
(2)エステルエーテル型ノニオン系界面活性剤
ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート等のポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレントリスチリルフェニルフォスフェートジエステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレントリスチリルフェニルフォスフェートジエステル、脂肪酸アルコールポリグリコールエーテル等。
(3)エステル型ノニオン系界面活性剤等
ポリオキシエチレンヒマシ油等のポリオキシアルキレン植物油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等のポリオキシアルキレン硬化植物油、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンヒマシ油等のポリオキシエチレンポリオキシプロピレン植物油、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーの脂肪酸エステル等。
これら公知のノニオン系界面活性剤の中でも、本発明の(A)成分として、グリセリン脂肪酸エステルが好適である。このグリセリン脂肪酸エステルは、モノグリセリン脂肪酸エステルおよびポリグリセリン脂肪酸エステルの総称を意味する。すなわち、本発明のグリセリン脂肪酸エステルは、モノグリセリン脂肪酸エステルおよびポリグリセリン脂肪酸エステルから選択される1種以上である。
本発明のモノグリセリン脂肪酸エステルの具体例としては、グリセリンモノ脂肪酸エステル(例えば、グリセリンモノカプロアート、グリセリンモノカプリレート、グリセリンモノカプレート、グリセリンモノラウレート、グリセリンモノミリスチレート、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノオレート、グリセリンモノリノレート、グリセリンモノベヘネート等)、グリセリンモノ・ジ脂肪酸エステル(モノエステルとジエステルの混合物、例えば、グリセリンモノ・ジカプロアート、グリセリンモノ・ジカプリレート、グリセリンモノ・ジカプレート、グリセリンモノ・ジラウレート、グリセリンモノ・ジミリスチレート、グリセリンモノ・ジパルミテート、グリセリンモノ・ジステアレート、グリセリンモノ・ジオレート、グリセリンモノ・ジリノレート、グリセリンモノ・ジベヘネート等)、グリセリンジ・トリ脂肪酸エステル(ジエステルとトリエステルの混合物、例えば、グリセリンジ・トリカプロアート、グリセリンジ・トリカプリレート、グリセリンジ・トリカプレート、グリセリンジ・トリラウレート、グリセリンジ・トリミリスチレート、グリセリンジ・トリパルミテート、グリセリンジ・トリステアレート、グリセリンジ・トリオレート、グリセリンジ・トリリノレート、グリセリンジ・トリベヘネート等)が挙げられる。
本発明のポリグリセリン脂肪酸エステルの具体例としては、ジグリセリン脂肪酸エステル(例えば、ジグリセリンモノカプロアート、ジグリセリンモノカプリレート、ジグリセリンモノカプレート、ジグリセリンモノラウレート、ジグリセリンモノミリスチレート、ジグリセリンモノパルミテート、ジグリセリンモノステアレート、ジグリセリンモノオレート、ジグリセリンモノリノレート、ジグリセリンモノベヘネート等)、ポリグリセリン脂肪酸エステル(例えば、テトラグリセリンラウレート、テトラグリセリンミリスチレート、テトラグリセリンパルミテート、テトラグリセリンステアレート、テトラグリセリンオレート、ペンタグリセリンラウレート、ペンタグリセリンミリスチレート、ペンタグリセリンパルミテート、ペンタグリセリンステアレート、ペンタグリセリンオレート、ヘキサグリセリンラウレート、ヘキサグリセリンミリスチレート、ヘキサグリセリンパルミテート、ヘキサグリセリンステアレート、ヘキサグリセリンオレート、デカグリセリンラウレート、デカグリセリンミリスチレート、デカグリセリンパルミテート、デカグリセリンステアレート、デカグリセリンオレート等)が挙げられる。
この中でも、本発明における(A)成分としては、炭素数6〜18の偶数の炭素数の脂肪酸とグリセリンから得られるグリセリン脂肪酸エステルから選択される1種以上が好ましい。さらに、炭素数8〜12の炭素数の脂肪酸とグリセリンから得られるグリセリン脂肪酸エステルから選択される1種以上が好ましい。
本発明のクモ用卵のう処理剤に配合される(A)ノニオン系界面活性剤の含有量は、使用する場所や季節等に応じて適宜決定すればよいが、クモ用卵のう処理剤全量に対して、0.001〜20重量%含有することが好ましく、0.01〜10重量%含有することがさらに好ましい。
<(B)成分について>
本発明における(B)アニオン系界面活性剤は、スルホネート型アニオン系界面活性剤、サルフェート型アニオン系界面活性剤、カルボン酸型アニオン系界面活性剤、ホスフェート型アニオン系界面活性剤の何れかから選択される1種以上の界面活性剤を意味する。本発明における(B)アニオン系界面活性剤の具体的としては、例えば、以下の化合物群が挙げられる。
(1)サルフェート型アニオン系界面活性剤
ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム等のアルキル硫酸塩(塩として、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルカノールアミン等)等。
(2)カルボン酸型アニオン系界面活性剤
ラウリル酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、ミリスチン酸カリウム等の飽和脂肪酸塩や、オレイン酸ナトリウム、エルカ酸ナトリウム等の不飽和脂肪酸ナトリウムや、パルミトイル酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム等の飽和脂肪酸ナトリウム、ラウリル酸カリウム、ラウリル酸リチウム、ステアリン酸カルシウム等のアルカリ金属やアルカリ土類金属と脂肪酸との塩等。
(3)ホスフェート型アニオン系界面活性剤
ラウリルリン酸ナトリウム、ラウリルリン酸カリウム等のアルキルリン酸塩(塩として、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルカノールアミン等)等。
本発明の(B)アニオン系界面活性剤として、スルホネート型アニオン系界面活性剤が好適に使用することができる。
(4)スルホネート型アニオン系界面活性剤
パラフィン(アルカン)スルホネート塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルベンゼンスルホネート塩、モノ/ジアルキルナフタレンスルホネート塩、ナフタレンスルホネート・ホルマリン縮合物塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホネート塩、リグニンスルホネート塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルスルホネート塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルスルホコハク酸塩等。
この中でも、特に、ジアルキルスルホコハク酸塩、例えば、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸カルシウム、ジアルキルスルホコハク酸マグネシウム等から選択される1種以上のアニオン系界面活性剤が好ましい。
本発明のクモ用卵のう処理剤に配合される(B)アニオン系界面活性剤の含有量は、使用する場所や季節等に応じて適宜決定すればよいが、クモ用卵のう処理剤全量に対して、0.001〜20重量%含有することが好ましく、0.01〜10重量%含有することがさらに好ましい。
<(C)殺虫成分について>
本発明のクモ用卵のう処理剤は、さらに、(C)殺虫成分を含有することができる。この(C)殺虫成分としては、例えば、殺虫活性を有する以下の公知化合物群を挙げることができ、これらは1種または2種以上を併用することができる。
(1)合成ピレスロイド系化合物
アクリナトリン、アレスリン、ベータ−シフルトリン、ビフェントリン、シクロプロトリン、シフルトリン、シハロトリン、シペルメトリン、エンペントリン、デルタメトリン、エスフェンバレレート、エトフェンプロックス、フェンプロパトリン、フェンバレレート、フタルスリン、フルシトリネート、フルフェンプロックス、フルメトリン、フルバリネート、ハルフェンプロックス、ペルメトリン、プラレトリン、ピレトリン、シラフルオフェン、テフルトリン、トラロメトリン、トランスフルトリン、テトラメトリン、フェノトリン、シフェノトリン、ラムダシハロトリン、ガンマシハロトリン、フラメトリン、タウフルバリネート、メトフルトリン、ジメフルトリン、プロフルトリン、モンフルオロトリン、レスメトリン等。なお、これらの化合物には、光学異性体、立体異性体等が存在する場合があるが、本発明は、これら異性体の単独又は2以上の異性体を任意の割合で含む混合物をも含むものである。
(2)有機リン系化合物
アセフェート、リン化アルミニウム、ブタチオホス、カズサホス、クロルエトキシホス、クロルフェンビンホス、クロルピリホス、クロルピリホスメチル、シアノホス、ダイアジノン、DCIP、ジクロフェンチオン、ジクロルボス、ジメトエート、ジメチルビンホス、ジスルホトン、EPN、エチオン、エトプロホス、エトリムホス、フェンチオン、フェニトロチオン、ホスチアゼート、ホルモチオン、リン化水素、イソフェンホス、イソキサチオン、マラチオン、メスルフェンホス、メチダチオン、モノクロトホス、ナレッド、オキシデプロホス、パラチオン、ホサロン、ホスメット、ピリミホスメチル、ピリダフェンチオン、キナルホス、フェントエート、プロフェノホス、プロパホス、プロチオホス、ピラクロホス、サリチオン、スルプロホス、テブピリムホス、テメホス、テトラクロルビンホス、テルブホス、チオメトン、トリクロルホン、バミドチオン、フォレート等。
(3)カーバメート系化合物
アラニカルブ、ベンダイオカルブ、ベンフラカルブ、カルバリル、カルボフラン、カルボスルファン、クロエトカルブ、エチオフェンカルブ、フェノブカルブ、フェノチオカルブ、フェノキシカルブ、フラチオカルブ、イソプロカルブ、メトルカルブ、メソミル、メチオカルブ、オキサミル、ピリミカーブ、プロポキスル、XMC、チオジカルブ、キシリルカルブ、アルジカルブ等。
(4)ネライストキシン系化合物
カルタップ、ベンスルタップ、チオシクラム、モノスルタップ、ビスルタップ等。
(5)ネオニコチノイド系化合物
イミダクロプリド、ニテンピラム、アセタミプリド、チアメトキサム、チアクロプリド、ジノテフラン、クロチアニジン等。
(6)ベンゾイル尿素系化合物
クロルフルアズロン、ビストリフルロン、ジアフェンチウロン、ジフルベンズロン、フルアズロン、フルシクロクスロン、フルフェノクスロン、ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、ノバルロン、ノバフルムロン、テフルベンズロン、トリフルムロン、トリアズロン等。
(7)フェニルピラゾール系化合物
アセトプロール、エチプロール、フィプロニル、バニリプロール、ピリプロール、ピラフルプロール等。
(8)BTトキシン系化合物
バチルス・チューリンゲンシス菌由来の生芽胞および産生結晶毒素、並びにそれらの混合物。
(9)ヒドラジン系化合物
クロマフェノジド、ハロフェノジド、メトキシフェノジド、テブフェノジド等。
(10)有機塩素系化合物
アルドリン、ディルドリン、ジエノクロル、エンドスルファン、メトキシクロル等。
本発明のクモ用卵のう処理剤は、(C)殺虫成分として合成ピレスロイド系化合物から選択される1種以上の成分を含有することが好ましい。また、合成ピレスロイド系化合物の中には、光学異性体や幾何異性体が存在する化合物もあるが、この光学異性体や幾何異性体も、本発明の(C)殺虫成分に含まれる。
本発明のクモ用卵のう処理剤に配合される(C)殺虫成分の含有量は、使用する場所や季節等に応じて適宜決定すればよいが、クモ用卵のう処理剤全量に対して、0.001〜20重量%含有することが好ましく、0.01〜10重量%含有することがさらに好ましい。
本発明のクモ用卵のう処理剤は、少なくとも、(A)ノニオン系界面活性剤および(B)アニオン系界面活性剤を含有するものであり、混合物をそのまま用いてもよいが、通常は製剤として使用する。その製剤としては、例えば、油剤、乳剤、水和剤、フロアブル剤(水中懸濁剤、水中乳濁剤等)、マイクロカプセル剤、粉剤、粒剤、錠剤、液剤、スプレー剤、エアゾール剤および炭酸ガス製剤が挙げられる。これら製剤の中でも、本発明のクモ用卵のう処理剤は、液剤として調製し、スプレー剤やエアゾール剤等の噴霧用製剤として使用することが、クモ用卵のう処理剤の性能を最大限に活用することができ好適である。
また、本発明のクモ用卵のう処理剤の製剤を調製するにあたっては、(A)ノニオン系界面活性剤および(B)アニオン系界面活性剤とともに、通常、液体担体、ガス状担体、固体担体、界面活性剤、その他製剤助剤が使用される。
油剤、乳剤、水和剤、フロアブル剤(水中懸濁剤、水中乳濁剤等)、液剤、スプレー剤等の液状製剤を調製する際に使用する液体担体としては、例えば、芳香族または脂肪族炭化水素類(キシレン、トルエン、アルキルナフタレン、フェニルキシリルエタン、ケロシン、軽油、ヘキサン、シクロヘキサン、流動パラフィン等)、ハロゲン化炭化水素類(クロロベンゼン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン等)、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、ヘキサノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール等)、エーテル類(ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、乳酸エチル、安息香酸エチル等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、ニトリル類(アセトニトリル、イソブチロニトリル等)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシド等)、ヘテロ環系溶剤(スルホラン、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−オクチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン)、酸アミド類(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−ピロリドン、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド等)、炭酸アルキリデン類(炭酸プロピレン等)、植物油(大豆油、綿実油等)、植物精油(オレンジ油、ヒソップ油、レモン油等)、および水が挙げられる。
ガス状担体としては、例えば、ブタンガス、フロンガス、(HFO、HFC等の)代替フロン、液化石油ガス(LPG)、ジメチルエーテル、および炭酸ガスが挙げられ、固体担体としては、例えば、粘土類(カオリン、珪藻土、ベントナイト、クレー、酸性白土等)、合成含水酸化珪素、タルク、セラミック、その他の無機鉱物(セリサイト、石英、硫黄、活性炭、炭酸カルシウム、水和シリカ等)、多孔質体等が挙げられる。
その他の製剤助剤としては、固着剤、分散剤、溶解助剤および安定剤等、具体的には例えばカゼイン、ゼラチン、多糖類(でんぷん、アラビアガム、セルロース誘導体、アルギン酸等)、リグニン誘導体、ベントナイト、糖類、合成水溶性高分子(ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸等)、安息香酸エステルや塩類、BHT(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、およびBHA(2−tert−ブチル−4−メトキシフェノールと3−tert−ブチル−4−メトキシフェノールとの混合物)が挙げられる。
本発明のクモ用卵のう処理剤は、液剤として調製し、スプレー剤やエアゾール剤の噴霧用製剤として使用することが好ましい。
本発明のクモ用卵のう処理剤は、液体担体を使用して製剤化し、得られた液体製剤をスプレー容器に充填することにより、スプレー剤として使用することができる。スプレー容器としては、本発明のクモ用卵のう処理剤を容易に充填でき、スプレー剤として機能するものであればよいが、汎用性やスプレー精度の高さを考慮すると、以下の2つのスプレー容器が好ましい。
(1)噴霧可能なポンプ式ノズルを装着したディスペンサー式スプレー容器:このスプレー容器は、大気圧でスプレーでき、加圧ガスなどを必要とせず、かつ容器構造も比較的単純であるので安全性が高く、携帯用に好適なスプレー容器である。構造は吸い上げ式のチューブを装着した押し出しポンプ式のノズルと、これを固定し、内容物を充填するねじ式容器からなる。
(2)トリガー式スプレー容器:このスプレー容器は、内容物を充填する容器本体の口部にピストル状のトリガー式スプレー装置が装着されたものであり、大気圧でスプレーを操作でき、スプレー容器として汎用性の高いものである。ここでいうトリガー式スプレー容器には、スプレー機能を高めるために、トリガー式スプレー容器の一部を改良したものも全て含まれる。
これらスプレー容器としては使い勝手がよいことから、トリガー式スプレー容器が好適である。
本発明のクモ用卵のう処理剤は、液体担体や噴射剤を使用して、エアゾール剤を調製し使用することができる。エアゾール剤を調製する際に使用する、液体担体と噴射剤について、以下に説明する。
液体担体としては、飽和炭化水素が好ましい。飽和炭化水素としては、パラフィン系炭化水素やナフテン系炭化水素が挙げられるが、1号灯油が好ましい。その中でもパラフィン系炭化水素が好ましく、さらに、ノルマルパラフィンとイソパラフィンの中では、ノルマルパラフィンの方が速効性を達成する上で好ましい。ノルマルパラフィンとしては、炭素数が12〜14主体のものが代表的で、例えば、中央化成(株)製のネオチオゾール、JXエネルギー(株)製のノルマルパラフィンN−12、ノルマルパラフィンN−13、ノルマルパラフィンN−14、ノルマルパラフィンMA等が挙げられる。
さらに、液体担体として次に挙げる有機溶剤を併用して配合するのが好ましい。好ましい有機溶剤としては、脂肪酸エステル系溶剤、グリコールエーテル系溶剤、ヘテロ環系溶剤、エステル系溶剤、およびアルコール系溶剤から選ばれる1種又は2種以上が挙げられ、具体的には、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、オレイン酸メチル、オレイン酸イソブチル、ラウリン酸ヘキシル、イソステアリン酸イソプロピル、イソノナン酸イソノニル、乳酸エチル、プロピレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、ブチルプロピレンジグリコール、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、スルホラン、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−オクチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、炭酸プロピレン、イソプロパノール等が挙げられるが、これらに限定されない。中でも、炭素数の総数が15〜22の範囲のミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、オレイン酸イソブチル等の高級脂肪酸エステル、N−メチル−2−ピロリドン、イソプロパノール、炭酸プロピレンが適している。
噴射剤としては、公知のものを広く使用することができ、例えば、液化石油ガス(LPG)、ジメチルエーテル、代替フロン、炭酸ガス、窒素ガス等を挙げることができる。これらの中でLPG、ジメチルエーテルを使用することが好ましい。このエアゾール剤においては、噴射剤量がクモ用卵のう処理剤全体の30〜95容量%、特に50〜90容量%とすることができる。
本発明では、製剤安定性を高めるためやその他の目的に応じて、共力剤、防錆剤、防腐剤、香料等の第3成分を適宜添加し得る。第3成分としては、この分野で慣用されているものを使用することができ、具体的には、共力剤としてはピペロニルブトキサイド、オクタクロロジプロペニルエーテル、MGK264、サイネピリン等を、防錆剤としてはカーレンNo.955、No.906、No.954、No.958、No.970(三洋化成工業株式会社)等を、防腐剤としてはサリチル酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム等をそれぞれ例示できる。
また、必要により他に、パラクロロメタキシレノール等の殺菌剤等を添加することもできる。
本発明のクモ用卵のう処理剤は、クモの卵のうに直接処理すること、特に、噴霧して使用することが好ましい。
本発明の駆除対象となるクモの例としては、カバキコマチグモ、セアカゴケグモ、ジョロウグモ、ゴミグモ、コガネグモ、ナガコガネグモ、オニグモ、クサグモ、ウヅキコモリグモ、イオウイロハシリグモ、ネコハエトリ、オオヒメグモ、シモフリイオグモ、ハエトリグモ、アシダカグモ等が挙げられる。
本発明のクモ用卵のう処理剤の施用量、施用濃度はいずれもクモの種類や卵のうの大きさ等に応じて、施用時期、施用場所、施用方法を考慮して適宜定めることができる。
本発明のクモ用卵のう処理剤を使用する空間としては、主に屋外空間、例えば、樹木の枝の間や葉、ベンチの下、石の裏、家屋のひさしの部分等のクモが卵のうを作る場所で施用することができ、さらに、屋内でも、タンスや冷蔵庫の周辺、床下、天井裏等でも施用することができる。
以下、製剤例および試験例等により、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は、これらの例に限定されるものではない。実施例において、特に明記しない限り、部は重量部を意味する。
<クモの殺卵活性および孵化阻害活性確認試験1>
本発明のクモ用卵のう処理剤が、(A)ノニオン系界面活性剤および(B)アニオン系界面活性剤を併用することにより、クモの卵のうに対して優れた卵孵化阻害活性を有することを、セアカゴケグモの卵のうを使用した試験により示す。
(1)試験検体
表1、2に示す組成の液剤(実施例1〜6、比較例1〜12)を、試験検体として使用した。なお、液剤の調製に際し、表1、2中の(A)成分、(B)成分は、以下のものを使用した。
グリセリンモノカプレート:サンソフトNo.760−C(太陽化学(株)製)
ポリオキシエチレンアルキル(C12−14)エーテル:NIKKOL BT−7(日光ケミカルズ(株)製)
ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル:ソルポールT−15(東邦化学工業(株)製)
ペンタグリセリンラウレート:サンソフトA−12E−C(太陽化学(株)製)
ジオクチルスルホコハク酸Na:エアロールCT−1L(東邦化学工業(株)製)
ラウリル硫酸Na:NIKKOL SLS(日光ケミカルズ(株)製)
ラウリルリン酸Na:NIKKOL SLP−N(日光ケミカルズ(株)製)
(2)試験方法
トリガー式スプレー容器に充填した上記試験検体(実施例1〜6、比較例1〜12)を、セアカゴケグモの卵のうに対して20cmの距離から、それぞれ1mL噴霧し、10日経過後に、それぞれの孵化数を計測した。
試験は2回行い、その平均値を「卵孵化数(頭)」として、試験検体の組成と併せ表1、2に示す。
表1、2の結果より、(A)ノニオン系界面活性剤および(B)アニオン系界面活性剤を含有する実施例1〜6の本発明のクモ用卵のう処理剤は、卵のうに守られたクモの卵に対して非常に優れた殺卵活性および孵化阻害活性を有することが明らかとなった。これに対し、本発明の(A)成分のみを含有する比較例1〜4、8〜10や、(B)成分のみを含有する比較例5〜7、11〜12は、卵のうに守られたクモの卵に対して殺卵活性および孵化阻害活性を示さず、非常に多くの子グモが孵化した。比較例8〜12の結果からも明らかなように、(A)成分または(B)成分の薬剤量を多くしても、殺卵活性および孵化阻害活性に変化はなかった。
(A)ノニオン系界面活性剤および(B)アニオン系界面活性剤を含有する本発明のクモ用卵のう処理剤は、卵のうに守られた卵に対して顕著な殺卵効果と孵化阻害効果を奏するため、子グモの発生を阻害し、クモの絶対数を減らす駆除効果が得られることが、この試験により確認された。
<クモの殺卵活性および孵化阻害活性確認試験2>
次に、(C)殺虫成分を含有する本発明のクモ用卵のう処理剤が、クモの卵のうに対して優れた殺卵活性および孵化阻害活性を有することを、セアカゴケグモの卵のうを使用した試験により示す。
(1)試験検体
表3に示す組成の液剤(実施例7、比較例13)を、試験検体として使用した。なお、液剤の調製に際し、(A)成分、(B)成分は、上記「確認試験1」と同じものを、(C)殺虫成分のビフェントリン、d−T80フタルスリン(テトラメトリン)ともに和光純薬工業(株)から入手した。
(2)試験方法
セアカゴケグモの卵のうに、上記試験検体(実施例7、比較例13)をそれぞれ60μl滴下し、10日経過後に、それぞれの孵化数を計測した。
また、セアカゴケグモの雌成体3頭に、上記試験検体をそれぞれ20μl滴下し、24時間後の致死率(%)を計測した。
それぞれの結果を、表4に示す。
表4の結果より、(A)ノニオン系界面活性剤および(B)アニオン系界面活性剤を含有する実施例7のクモ用卵のう処理剤は、卵のうに守られたクモの卵に対して殺卵活性および孵化阻害活性を有することが明らかとなった。これに対し、本発明の(A)成分および(B)成分を含有しない比較例13は、セアカゴケグモの雌成体に対して優れた殺虫活性を示すものの、卵のうに守られたクモの卵に対して殺卵活性および孵化阻害活性を示さず、159頭の子グモが孵化した。
(C)殺虫成分を含有する本発明のクモ用卵のう処理剤は、卵のうに守られた卵に対して顕著な殺卵効果と孵化阻害効果を奏し、かつ、クモの成体に対しても優れた殺虫活性を発揮するため、既にある卵のうから子グモが大量発生することなく、成体を駆除することにより新たに卵のうが作られることもないので、確実な駆除効果を得ることが可能となることが、この試験により確認された。
表3に示す組成の液剤(実施例7、比較例13)を、セアカゴケグモの卵のうに、それぞれ60μl滴下した直後の卵のうの様子を、図1に示す。図1中、左側が実施例7の液剤を、右側が比較例13の液剤を滴下した直後の卵のうの様子を示す観察図(写真)である。
実施例7の液剤は、滴下直後に卵のうに浸透するため液滴は観察されないが、比較例13の液剤は、卵のうに浸透せず、その表面に液剤が液滴として留まった状態が観察された。
この観察により、(A)ノニオン系界面活性剤および(B)アニオン系界面活性剤を含有する本発明のクモ用卵のう処理剤は、卵のうに対する浸透性が高く、この効果により、卵のうに守られたクモの卵に対して殺卵活性および孵化阻害活性を発揮するものと考えられる。
<クモの殺卵活性および孵化阻害活性確認試験3>
次に、(C)殺虫成分を含有する本発明のクモ用卵のう処理剤において、(A)ノニオン系界面活性剤や(B)アニオン系界面活性剤の種類を変更しても、クモの卵のうに対して優れた殺卵活性および孵化阻害活性を有することを、セアカゴケグモの卵のうを使用した試験により示す。
(1)試験検体
表5に示す組成の液剤(実施例8〜12、比較例14〜17)を、試験検体として使用した。なお、液剤の調製に際し、(A)〜(C)成分は、下記に示すもの以外は、上記「確認試験1」「確認試験2」と同じものを使用した。
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル:NIKKOL PBC−33(日光ケミカルズ(株)製)
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油:NIKKOL HCO−60(日光ケミカルズ(株)製)
ポリオキシエチレンソルビタンラウレート:レオドールTW−L10(花王(株)製)
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール:エマルゲンPP−290(花王(株)製)
ミリスチン酸カリウム:NIKKOL MK−140(日光ケミカルズ(株)製)
(2)試験方法
セアカゴケグモの卵のうに、上記試験検体(実施例8〜12、比較例14〜17)をそれぞれ60μl滴下し、10日経過後に、それぞれの孵化数を計測した。
試験検体の組成と、卵孵化数を併せ表5に示す。
表5の結果より、(C)殺虫成分を含有する本発明のクモ用卵のう処理剤は、(A)ノニオン系界面活性剤や(B)アニオン系界面活性剤の種類を変更しても、卵のうに守られたクモの卵に対して優れた殺卵活性および孵化阻害活性を有することが明らかとなった。これに対し、本発明の(A)成分または(B)成分のいずれかを含有しない比較例14〜17は、卵のうに守られたクモの卵に対して殺卵活性および孵化阻害活性を示さず、数多くの子グモが孵化することが確認された。
<クモの営巣数確認試験>
次に、本発明のクモ用卵のう処理剤の効果を、クモの営巣数から確認する試験を行った。
(1)試験検体
表6に示す組成の液剤(実施例13)を、トリガー式ノズル付きのスプレー容器に入れて使用した。なお、液剤の調製に際し、(A)成分、(B)成分、(C)成分とも、上記「確認試験2」と同じものを使用した。
(2)試験方法
イブキの生垣4m区間を処理区として、処理区内のクモの巣の数を計測した。目視で確認できる全てのクモに試験検体を噴射し、ノックダウンしたことを確認した後に、クモの巣を全て除去した。処理区内のイブキ全体が、しっかり濡れる程度に試験検体を噴射した。処理から経日的に、新たに営巣されたクモの巣の数を50日間にわたり計測した。
無処理区は、試験検体を使用しない以外、同様の方法においてクモの営巣数を計測した。
試験は2回行い、それぞれの営巣数の平均値を表7に示す。
表7の無処理区の結果より、試験開始14日後以降営巣数が大きく増加していることがわかる。これは、子グモの増加によるものであることを、試験中の詳細観察により確認している。すなわち、生垣のイブキに産み付けられていた卵のうから子グモが孵化したため、営巣数が大きく増加したものである。
一方、実施例13の処理区においては、子グモの発生は確認されなかった。これは、(A)ノニオン系界面活性剤および(B)アニオン系界面活性剤を含有する本発明のクモ用卵のう処理剤(実施例13)により、生垣のイブキに産み付けられていた卵のう中の卵が殺卵され、子グモが孵化しなかったことによるものと考えられる。
本発明のクモ用卵のう処理剤は、卵のうにより守られている卵を殺卵し、孵化阻害効果を発揮することにより、不快なクモ自体の生体数を抑制するとともに、クモの巣の数も顕著に抑制できることが確認された。
本発明のクモ用卵のう処理剤は、クモの糸からなる繭のような卵のうに処理することにより、卵のうに守られている卵を殺卵し孵化を阻害することができる。これにより、子グモが大量発生することなく、クモの絶対数を減らす駆除効果を得ることができるとともに、クモの巣の数も抑制することが可能となり有用である。

Claims (7)

  1. (A)ノニオン系界面活性剤および(B)アニオン系界面活性剤を有効成分とすることを特徴とする、クモ用卵のう処理剤。
  2. (A)ノニオン系界面活性剤がグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアリールエーテル、ポリオキシアルキレン硬化植物油、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレングリコールから選択される1種以上であることを特徴とする、請求項1に記載のクモ用卵のう処理剤。
  3. (A)ノニオン系界面活性剤がグリセリン脂肪酸エステルであり、このグリセリン脂肪酸エステルが、モノグリセリン脂肪酸エステルおよびポリグリセリン脂肪酸エステルから選択される1種以上であることを特徴とする、請求項1に記載のクモ用卵のう処理剤。
  4. (B)アニオン系界面活性剤が、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルリン酸塩、脂肪酸塩から選択される1種以上であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のクモ用卵のう処理剤。
  5. (B)アニオン系界面活性剤が、ジアルキルスルホコハク酸塩であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のクモ用卵のう処理剤。
  6. さらに、(C)殺虫成分を有効成分とする、請求項1〜5のいずれかに記載のクモ用卵のう処理剤。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のクモ用卵のう処理剤を使用する、クモ用卵のう処理方法。
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