JP6462082B1 - 導電性エラストマー組成物、及びこれを用いた導電性シート - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた導電性と伸張性を兼ね備えた導電性エラストマー組成物、及びこれを用いた導電性シートを提供する。【解決手段】フッ素エラストマーと、平均粒子径が1〜10μmである金属フィラーと、一般式(I)で表されるイミダゾリウム系イオン(但し、式(I)中、Rはそれぞれ独立して選択される炭素数1〜10のアルキル基)と、テトラフルオロボレートイオンとを含むイオン液体と、架橋剤とを含有する、導電性エラストマー組成物とする。【化1】【選択図】図1
Description
本発明は、導電性エラストマー組成物、及びこれを用いた導電性シートに関するものである。
腕時計や、リストバンド、指輪、メガネ、衣類などに情報端末機能を持たせたウエアラブル端末の普及や、ロボット端末の普及に伴い、動的な使用態様に適応することができる伸張性を備えたケーブル等が求められている。しかしながら、従来の導電性組成物を用いたケーブル等では、動的な使用態様においては、導通が遮断されるおそれがあった。
このような問題に対して、例えば、特許文献1では、エポキシ樹脂、硬化剤、カーボンナノチューブ、イオン液体を含有するものが開示されている。しかしながら、カーボンナノチューブは抵抗値が高く、導電性や伸張時における導通の保持は、さらなる改善の余地があった。また、カーボンナノチューブは発がん性が指摘され、その取り扱いには、飛散を防止するための専用の設備が必要であり、製造コストが高かった。また、特許文献1に係る発明は、エポキシ樹脂が重合して架橋する際に、イオン液体がエポキシ樹脂と反応して架橋構造に取り込まれているため、イオン液体を含有することによる導電性の向上効果が得られ難い。
特許文献2には、フッ素樹脂(A)、フッ素ゴム(B)、イオン液体(C)、及び導電性フィラー(D)を含有する高分子アクチュエータ素子用電極膜が開示されている。
また、特許文献3には、含フッ素ポリマー、ナノカーボン材料及びイオン液体を含有し、含フッ素ポリマーは、一般式CH2=CFRf1(式中、Rf1は、炭素数1〜12の直鎖又は分岐したフルオロアルキル基である。)で示される含フッ素エチレン性単量体(M)に基づく構造単位Mを含み、構造単位Mが全構造単位に対して0.1〜100モル%であることを特徴とする導電性含フッ素ポリマー組成物が開示されている。
しかしながら、特許文献2の用途は、アクチュエータ素子用電極膜であり、配線を用途とするものとは求められる導電性等の特性が大きく異なる。また、特許文献2,3に係る発明は、いずれも導電性フィラーとしてカーボンナノチューブを使用するものであり、優れた導電性は得られ難い。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、優れた導電性と伸張性を兼ね備えた導電性エラストマー組成物、及びこれを用いた導電性シートを提供することを目的とする。
本発明の導電性エラストマー組成物は、上記課題を解決するために、フッ素エラストマーと、平均粒子径が1〜10μmである金属フィラーと、一般式(I)で表されるイミダゾリウム系イオンと、テトラフルオロボレートイオンとを含むイオン液体と、架橋剤とを含有するものとする。
上記イオン液体の含有量は、フッ素エラストマー100質量部に対して、0.1〜3質量部であるものとすることができる。
上記金属フィラーの含有量は、フッ素エラストマー100質量部に対して、40〜250質量部であるものとすることができる。
上記金属フィラーは、デンドライト形状であるものとすることができる。
上記金属フィラーは、金粉、銀粉、銅粉、ニッケル粉、銀被覆銅粉、及び銀被覆銅合金粉からなる群より選択された少なくとも1種であるものとすることができる。
上記架橋剤は、過酸化物系架橋剤であるものとすることができる。
上記フッ素エラストマーは、ビニリデンフロライド、テトラフルオロエチレン、及びヘキサフルオロプロピレンからなる群より選択された少なくとも1種を構成モノマーとして有するものとすることができる。
本発明の導電性シートは、上記導電性エラストマー組成物を加硫成型させてなるものとする。
本発明に係る導電性エラストマー組成物によれば、優れた導電性と伸張性を兼ね備え、伸張時においても導通が保持される導電性シートが得られる。
以下、本発明の実施の形態を、より具体的に説明する。
本実施形態に係る導電性エラストマー組成物は、フッ素エラストマーと、平均粒子径が1〜10μmである金属フィラーと、一般式(I)で表されるイミダゾリウム系イオンと、テトラフルオロボレートイオン(BF4 −)とを含むイオン液体と、架橋剤とを含有するものとする。
本実施形態におけるフッ素エラストマーとしては、分子中にフッ素原子を有していれば特に限定されないが、構成モノマーとして、ビニリデンフロライド、テトラフルオロエチレン(TFE)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、トリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、トリフルオロプロピレン、テトラフルオロプロピレン、ペンタフルオロプロピレン、トリフルオロブテン、テトラフルオロイソブテン、及びパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)等の含フッ素単量体を含有するものであることが好ましく、ビニリデンフロライド、テトラフルオロエチレン、及びヘキサフルオロプロピレンからなる群より選択された少なくとも1種を構成モノマーとして含有するものであることがより好ましく、ビニリデンフロライド、テトラフルオロエチレン、及びヘキサフルオロプロピレンを構成モノマーとして含有するものであることがさらに好ましい。このような、フッ素エラストマーとしては、市販されているものも使用することができ、例えば、ソルベイソレクシス社製「テクノフロンP−457」等が挙げられる。
このようなフッ素エラストマーを後述する架橋剤を用いて架橋させたゴムは、分子内に極性を有する。そのため、導電性エラストマー組成物を加硫成型してなる導電性シートに電気を流す際に、配合した金属フィラー間の電子の流れを補助することができ、優れた導電性が得られる。なお、比較的極性の近いフッ素エラストマーとイオン液体を選択することにより、フッ素エラストマーに対するイオン液体の優れた分散性が得られ易く、ブリードアウトもし難くなる。
本実施形態における架橋剤としては、特に限定されないが、過酸化物系架橋剤であることが好ましく、具体的には、パーオキシケタール、ジアルキルパーオキサイド、アルキルパーオキシエステル、ハイドロパーオキサイド、パーオキシカーボネートなどが挙げられ、より具体的には、ジクミルパーオキシド、ジtert−ブチルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジ(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、tert−ブチルクミルパーオキシド、1,1−ジ(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ジ(tert−ブチルパーオキシ)バレレート、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイドなどが挙げられ、これらはいずれか1種又は2種以上を使用できる。なお、架橋助剤を併せて配合してもよく、具体的には、ジメタクリル酸エチレングリコール、m−フェニレンジマレイミド、酸化亜鉛、トリアリルイソシアヌレートなどが挙げられ、これらはいずれか1種又は2種以上を使用できる。
架橋剤の含有量(2種以上併用する場合は合計量)としては、特に限定されないが、フッ素エラストマー100質量部に対して、0.1〜10質量部であることが好ましく、1〜10質量部であることがより好ましく、1〜5質量部であることがさらに好ましい。
架橋助剤の含有量(2種以上併用する場合は合計量)としては、特に限定されないが、フッ素エラストマー100質量部に対して、0.1〜10質量部であることが好ましく、1〜10質量部であることがより好ましく、1〜5質量部であることがさらに好ましい。
なお、エラストマーの架橋剤として、一般的には硫黄が用いられるが、硫黄は金属フィラーを腐食するおそれがあるため、本実施形態の導電性エラストマー組成物は、硫黄を実質含まないものであることが好ましい。ここで、「実質含まない」とは、その含有によって有意な作用効果が認められない範囲の含有量であることをいい、通常は、フッ素エラストマー100質量部に対して1質量部未満であり、0.1質量部未満であることが好ましい。
本実施形態における金属フィラーとしては、平均粒子径が1〜10μmであれば特に限定されないが、好ましくは1〜7μmであり、さらに好ましくは2〜6μmである。1μm以上であることにより、優れた分散性が得られ易く、10μm以下であることにより優れた導電性が得られ易い。ここで、本明細書において、平均粒子径とは、レーザー回折散乱法により得られた粒度分布における積算値50%での粒径(一次粒子径)を意味する。
上記金属フィラーとしては、特に限定されないが、金粉、銀粉、銅粉、ニッケル粉、銀被覆銅粉、又は銀被覆銅合金粉であることが好ましく、コスト削減の観点からは、銀被覆銅粉又は銀被覆銅合金粉であることがより好ましい。銀被覆銅粉は、銅粉とこの銅粉を被覆する銀含有層とを有していてもよく、銀被覆銅合金粉は、銅合金粉とこの銅合金粉を被覆する銀含有層とを有していてもよい。また、銅合金粉は、ニッケルの含有量が0.5〜20質量%であり、かつ亜鉛の含有量が1〜20質量%であってもよい。ニッケルと亜鉛とを上記した範囲内で含み、残部が銅からなり、残部の銅は不可避不純物を含んでいてもよい。
銀被覆量は、銀被覆銅粉又は銀被覆銅合金粉中の割合で1〜30質量%であることが好ましく、3〜20質量%であることがより好ましい。銀被覆量が1質量%以上であると、架橋剤による腐食を抑えることができ、銀被覆層が30質量%以下であると、優れた導電性を維持しつつ、銀粉と比較してコストを削減することができる。
上記金属フィラーの形状としては、特に限定されず、フレーク状(鱗片状)、デンドライト形状(樹枝状)、球状、繊維状、不定形(多面体)等が挙げられるが、伸張時に優れた導電性が得られ易いという観点から、デンドライト形状であることが好ましい。
ここで、デンドライト形状とは、粒子表面から突出する1以上の樹枝状突起を有する形状をいい、分岐なしの主枝のみであってもよく、主枝から枝部分が分岐して平面状或いは三次元的に成長してなる形状であってもよい。
上記金属フィラーの含有量(2種以上併用する場合は合計量)としては、特に限定されないが、フッ素エラストマー100質量部に対して、40〜250質量部であることが好ましく、60〜200質量部であることがより好ましく、80〜200質量部であることがさらに好ましい。40質量部以上であることにより、優れた導電性が得られ易く、250質量部以下であることにより、導電性エラストマー組成物の優れた伸張性が得られ易い。
本実施形態におけるイオン液体は、一般式(I)で表されるイミダゾリウム系イオンと、テトラフルオロボレートイオン(BF4 −)を含むものである。
一般式(I)で表されるイミダゾリウム系イオンは、Rの炭素数が上記範囲内であれば特に限定されないが、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムイオン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムイオンであることが好ましく、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムイオンであることがより好ましい。
上記イオン液体の含有量(2種以上併用する場合は合計量)は、特に限定されないが、フッ素エラストマー100質量部に対して、0.1〜3質量部であることが好ましく、0.5〜2.5質量部であることがより好ましく、1〜2.5質量部であることがさらに好ましい。
金属フィラーとイオン液体との含有割合(金属フィラー/イオン液体)は、特に限定されないが、質量比で、30〜400であることが好ましく、40〜300であることがより好ましく、50〜250であることがさらに好ましく、60〜200であることが特に好ましい。
本実施形態に係る導電性エラストマー組成物には、上記した各成分に加え、通常のゴム工業で使用されているプロセスオイル、亜鉛華、ステアリン酸、軟化剤、可塑剤、ワックス、老化防止剤などの配合薬品類を通常の範囲内で適宜配合することができる。
一実施形態に係る導電性エラストマー組成物の製造方法は、通常用いられるバンバリーミキサーやニーダー、ロール等の混合機を用いて、常法に従い混練して作製することができる。すなわち、例えば、第一混合段階で、フッ素エラストマーに対し、金属フィラー、及びイオン液体、並びに、架橋剤を除く他の含有成分を添加混合し、得られた混合物に、最終混合段階で架橋剤を添加混合して導電性エラストマー組成物を調製することができる。最終混合段階の温度条件は、100℃以下であることが好ましく、80℃以下であることがより好ましい。
なお、第一混合段階の前に、フッ素エラストマーを素練りする工程を設けても良い。また、金属フィラーの分散性を向上させるために、まず、第一混合段階では、フッ素エラストマーに対して金属フィラーのみ添加混合し、第二混合段階として、得られた混合物に対してイオン液体や他の含有成分を添加混合してもよい。
このようにして得られる導電性エラストマー組成物は、加硫成型することにより、電気信号等を伝達する導電性シートとすることができ、ケーブルやフレキシブルプリント配線板に好適に用いることができる。導電性シートの製造方法としては、これに限定されないが、得られた導電性エラストマー組成物を所定の鋳型に流し込み、例えば170〜180℃の温度、1〜2MPaの圧力で、5〜10分間加硫成形することにより製造することができる。
以下に本発明の実施例を示すが、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。なお、以下において配合割合等は、特にことわらない限り質量基準とする。
下記表1,2に示す配合に従い、混合機としてロールを用いて各成分を混合し、導電性エラストマー組成物を作製した。具体的には、第1混合工程として、フッ素エラストマーと金属フィラーとを混合し、第2混合工程として、得られた混合物にイオン液体を混合し、これにより得られた混合物に最終混合工程として架橋剤及び架橋助剤を20〜30℃の温度で混合し、導電性エラストマー組成物を得た。得られた導電性エラストマー組成物を、縦100mm×横100mm×厚さ1mmの鋳型に流し込み、170〜180℃の温度、1〜2MPaの圧力で、5〜10分間加硫成型し、導電性シートのサンプルを得た。
表中に記載の化合物の詳細は、次の通りである。
・フッ素エラストマー:ソルベイソレクシス社製「テクノフロンP−457」
・イオン液体A:1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート
・イオン液体B:1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート
・金属フィラー:銀被覆銅粉、デンドライト形状、平均粒子径=5μm、銀被覆率=9%
・架橋剤:パーオキサイド、日本油脂(株)製「パーヘキサ25B−40」
・架橋助剤:トリアリルイソシアヌレート、日本化成(株)製「タイクM60」
・フッ素エラストマー:ソルベイソレクシス社製「テクノフロンP−457」
・イオン液体A:1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート
・イオン液体B:1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート
・金属フィラー:銀被覆銅粉、デンドライト形状、平均粒子径=5μm、銀被覆率=9%
・架橋剤:パーオキサイド、日本油脂(株)製「パーヘキサ25B−40」
・架橋助剤:トリアリルイソシアヌレート、日本化成(株)製「タイクM60」
得られたサンプルのシート抵抗値を測定し、結果を表1,2に示した。測定方法は以下に示す通りである。
・シート抵抗値(Ω):サンプルの抵抗値を4端子法により測定した。
また、(株)島津製作所製の引張試験機「オートグラフAGS−X」を用いて、比較例1、及び実施例2〜6の伸張率とシート抵抗値との関係を評価した。具体的には、得られた導電性シートを縦100mm×横100mm×厚さ1mmに切断したサンプルの端部を引張試験機の挟持部に固定し、サンプルのシート抵抗値を測定しながら、200mm/minの引張速度でサンプルを伸張させた。測定結果は、図1にグラフとして示した。
表1に示すように、実施例1〜8と比較例1との対比から、イオン液体を含有することにより、シート抵抗値が顕著に低下することが分かり、その効果は、金属フィラーの含有量を大幅に減らした実施例7,8と、比較例1とを比較しても、確認することができる。
また、表2に示すように、比較例2と実施例9,10との対比から、金属フィラーの含有量が少ないために導電性が得られなかった比較例2に対して、イオン液体を配合することにより、導電性が得られることが認められた。
さらに、図1に示すように、比較例1では、伸張直後に、シート抵抗値が急激に上昇し、導通が得られなくなったのに対して、実施例2〜6では伸張率50%程度まで伸張してもシート抵抗値は大きく変化することなく、導通が得られることが分かる。
Claims (8)
- フッ素エラストマーと、
平均粒子径が1〜10μmである金属フィラーと、
一般式(I)で表されるイミダゾリウム系イオンと、テトラフルオロボレートイオンとを含むイオン液体と、
架橋剤と
を含有する、導電性エラストマー組成物。
- 前記イオン液体の含有量が、フッ素エラストマー100質量部に対して、0.1〜3質量部である、請求項1に記載の導電性エラストマー組成物。
- 前記金属フィラーの含有量が、フッ素エラストマー100質量部に対して、40〜250質量部である、請求項1又は2に記載の導電性エラストマー組成物。
- 前記金属フィラーが、デンドライト形状である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の導電性エラストマー組成物。
- 前記金属フィラーが、金粉、銀粉、銅粉、ニッケル粉、銀被覆銅粉、及び銀被覆銅合金粉からなる群より選択された少なくとも1種である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電性エラストマー組成物。
- 前記架橋剤が、過酸化物系架橋剤である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の導電性エラストマー組成物。
- 前記フッ素エラストマーが、ビニリデンフロライド、テトラフルオロエチレン、及びヘキサフルオロプロピレンからなる群より選択された少なくとも1種を構成モノマーとして有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の導電性エラストマー組成物。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の導電性エラストマー組成物を加硫成型させてなる、導電性シート。
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