JP6461056B2 - 異材接合用アークスポット溶接法、接合補助部材、及び、異材溶接継手 - Google Patents

異材接合用アークスポット溶接法、接合補助部材、及び、異材溶接継手 Download PDF

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Description

本発明は、異材接合用アークスポット溶接法、接合補助部材、及び、異材溶接継手に関する。
自動車を代表とする輸送機器には、(a)有限資源である石油燃料消費、(b)燃焼に伴って発生する地球温暖化ガスであるCO、(c)走行コストといった各種の抑制を目的として、走行燃費の向上が常に求められている。その手段としては、電気駆動の利用など動力系技術の改善の他に、車体重量の軽量化も改善策の一つである。軽量化には現在の主要材料となっている鋼を、軽量素材であるアルミニウム合金、マグネシウム合金、炭素繊維などに置換する手段がある。しかし、全てをこれら軽量素材に置換するには、高コスト化や強度不足になる、といった課題があり、解決策として鋼と軽量素材を適材適所に組み合わせた、いわゆるマルチマテリアルと呼ばれる設計手法が注目を浴びている。
鋼と上記軽量素材を組み合わせるには、必然的にこれらを接合する箇所が出てくる。鋼同士やアルミニウム合金同士、マグネシウム合金同士では容易である溶接が、異材では極めて困難であることが知られている。この理由として、鋼とアルミニウムあるいはマグネシウムの溶融混合部には極めて脆い性質である金属間化合物(IMC)が生成し、引張や衝撃といった外部応力で溶融混合部が容易に破壊してしまうことにある。このため、抵抗スポット溶接法やアーク溶接法といった溶接法が異材接合には採用できず、他の接合法を用いるのが一般的である。鋼と炭素繊維の接合も、後者が金属ではないことから溶接を用いることができない。
従来の異材接合技術の例としては、鋼素材と軽量素材の両方に貫通穴を設けてボルトとナットで上下から拘束する手段があげられる。また、他の例としては、かしめ部材を強力な圧力をかけて片側から挿入し、かしめ効果によって拘束する手段が知られている(例えば、特許文献1参照)。
さらに、他の例としては、アルミ合金素材に鋼製の接合部材をポンチとして押し込むことで穴あけと接合部材を仮拘束し、次に鋼素材と重ね合わせ、上下両方から銅電極にて挟み込んで、圧力と高電流を瞬間的に与えて鋼素材と接合部材を抵抗溶接する手段が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、他の例としては、摩擦攪拌接合ツールを用いてアルミ合金と鋼の素材同士を直接接合する手段も開発されている。(例えば、特許文献3参照)。
特開2002−174219号公報 特開2009−285678号公報 特許第5044128号公報
しかしながら、ボルトとナットによる接合法は、鋼素材と軽量素材が閉断面構造を構成するような場合(図17A参照)、ナットを入れることができず適用できない。また、適用可能な開断面構造の継手の場合(図17B、図17C参照)でも、ナットを回し入れるのに時間を要し能率が悪いという課題がある。
また、特許文献1に記載の接合法は、比較的容易な方法ではあるが、鋼の強度が高い場合には挿入できない問題があり、且つ、接合強度は摩擦力とかしめ部材の剛性に依存するので、高い接合強度が得られないという問題がある。また、挿入に際しては表・裏両側から治具で押さえ込む必要があるため、閉断面構造には適用できないという課題もある。
さらに、特許文献2に記載の接合法も、閉断面構造には適用できず、また、抵抗溶接法は設備が非常に高価であるという課題がある。
特許文献3に記載の接合法は、アルミ合金素材を低温領域で塑性流動させながら鋼素材面に圧力をかけることで、両素材が溶融し合うことがなく、金属間化合物の生成を防止しながら金属結合力が得られるとされ、鋼と炭素繊維も接合可能という研究成果もある。しかしながら、本接合法も閉断面構造には適用できず、また高い圧力を必要とするので機械的に大型となり、高価であるという問題がある。また、接合力としてもそれほど高くならない。
したがって、既存の異材接合技術は、(i)部材や開先形状が開断面構造に限定される、(ii)接合強度が低い、(iii)設備コストが高価であるといった一つ以上の問題を持っている。このため、種々の素材を組み合わせたマルチマテリアル設計を普及させるためには、(i’)開断面構造と閉断面構造の両方に適用できる、(ii’)接合強度が十分に高く、かつ信頼性も高い、(iii’)低コストであるという全ての要素を兼ね備えた、使いやすい新技術が求められている。
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、アルミニウム合金(以下「Al合金」とも言う)もしくはマグネシウム合金(以下、「Mg合金」とも言う)と鋼の異材を、既に世に普及している安価なアーク溶接設備を用いて、強固かつ信頼性の高い品質で接合でき、かつ開断面構造にも閉断面構造にも制限無く適用できる、異材接合用アークスポット溶接法、接合補助部材、及び、異材溶接継手を提供することにある。
ここで、Al合金もしくはMg合金と鋼を溶融接合させようとすると、上述したように金属間化合物(IMC)の生成が避けられない。一方、鋼同士の溶接は最も高い接合強度と信頼性を示すことは、科学的にも実績的にも自明である。
そこで、本発明者らは、鋼同士の溶接を結合力として用い、一方、Al合金やMg合金を溶融させず、拘束力で鋼との接合を達成する手段を考案した。
従って、本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1) アルミニウム合金もしくはマグネシウム合金製の第1の板と、鋼製の第2の板と、を接合する異材接合用アークスポット溶接法であって、
前記第1の板に穴を空ける工程と、
前記第1の板と前記第2の板を重ね合わせる工程と、
挿入部と非挿入部とを持った段付きの外形形状を有し、且つ、前記挿入部及び前記非挿入部を貫通する中空部が形成される鋼製の接合補助部材を、前記第1の板に設けられた穴に挿入する工程と、
以下の(a)〜(e)のいずれかの手法によって、前記接合補助部材の中空部を溶接金属で充填すると共に、前記溶接金属を前記第2の板に裏波が出る状態まで溶け込ませ、且つ、前記接合補助部材の前記挿入部は、その外周面を溶融させずに、部分的に溶融して、前記第2の板及び前記接合補助部材を溶接する工程と、
を備える異材接合用アークスポット溶接法。
(a)鉄合金、または、Ni合金の前記溶接金属が得られる溶接ワイヤを溶極として用いるガスシールドアーク溶接法。
(b)前記溶接ワイヤを溶極として用いるノンガスアーク溶接法。
(c)前記溶接ワイヤを非溶極フィラーとして用いるガスタングステンアーク溶接法。
(d)前記溶接ワイヤを非溶極フィラーとして用いるプラズマアーク溶接法。
(e)鉄合金、または、Ni合金の前記溶接金属が得られる被覆アーク溶接棒を溶極として用いる被覆アーク溶接法。
(2) 前記第2の板には、絞り加工により膨出部が形成されており、
前記重ね合わせ工程において、前記第2の板の膨出部が、前記第1の板の穴内に配置される、(1)に記載の異材接合用アークスポット溶接法。
(3) 前記重ね合わせ工程の前に、前記第1の板と前記第2の板の少なくとも一方の重ね合せ面には、前記穴の周囲に、全周に亘って接着剤を塗布する工程を、さらに備える、(1)又は(2)に記載の異材接合用アークスポット溶接法。
(4) 前記挿入工程において、前記接合補助部材の非挿入部と、該非挿入部と対向する前記第1の板との間の少なくとも一方の対向面に、接着剤を塗布する、(1)〜(3)のいずれかに記載の異材接合用アークスポット溶接法。
(5) 前記挿入工程の際、又は、前記充填溶接工程後に、前記接合補助部材の非挿入部と、前記第1の板の表面との境界部に接着剤を塗布する、(1)〜(4)のいずれかに記載の異材接合用アークスポット溶接法。
(6) 前記接合補助部材の挿入部の高さPH1は、前記第1の板の板厚Bの10%以上100%以下である、(1)〜(5)のいずれかに記載の異材接合用アークスポット溶接法。
(7) 前記接合補助部材の挿入部の直径PD1は、前記第1の板の穴の直径Bに対し80%以上105%以下である、(1)〜(6)のいずれかに記載の異材接合用アークスポット溶接法。
(8) 前記接合補助部材の非挿入部の直径PD2は、前記第1の板の穴の直径Bに対し105%以上である、(1)〜(7)のいずれかに記載の異材接合用アークスポット溶接法。
(9) 前記接合補助部材の非挿入部の高さPH2は、前記第1の板の板厚Bの50%以上150%以下である、(1)〜(8)のいずれかに記載の異材接合用アークスポット溶接法。
(10) 前記充填溶接工程において、前記接合補助部材の表面上に余盛りが形成され、かつ前記余盛りの直径Wが、前記接合補助部材の中空部の直径Pに対し、105%以上となる、(1)〜(9)のいずれかに記載の異材接合用アークスポット溶接法。
(11) アルミニウム合金もしくはマグネシウム合金製の第1の板と、該第1の板にアークスポット溶接された、鋼製の第2の板と、を備える異材溶接継手であって、
前記第1の板は、前記第2の板との重ね合わせ面に臨む穴を有し、
前記第1の板に設けられた穴に挿入される挿入部と、非挿入部と、を持った段付きの外形形状を有し、且つ、前記挿入部及び前記非挿入部を貫通する中空部が形成される鋼製の接合補助部材をさらに備え、
前記接合補助部材の中空部は、鉄合金、または、Ni合金の溶接金属で充填されると共に、前記溶接金属を前記第2の板に裏波が出る状態まで溶け込ませ、且つ、前記接合補助部材の前記挿入部は、その外周面を溶融させずに、部分的に溶融して、前記溶接金属と、溶融された前記第2の板及び前記接合補助部材の一部とによって溶融部が形成される、異材溶接継手。
(12) 前記第1の板の穴内には、前記第2の板に形成された膨出部が配置される、(11)に記載の異材溶接継手。
(13) 前記第1の板と前記第2の板の少なくとも一方の前記重ね合せ面には、前記穴の周囲に、全周に亘って設けられた接着剤を備える、(11)又は(12)に記載の異材溶接継手。
(14) 前記接合補助部材の非挿入部と、該非挿入部と対向する前記第1の板との間の少なくとも一方の対向面に設けられた接着剤を備える、(11)(13)のいずれかに記載の異材溶接継手。
(15) 前記接合補助部材の非挿入部と、前記第1の板の表面との境界部に設けられた接着剤を備える、(11)(14)のいずれかに記載の異材溶接継手。
(16) 前記接合補助部材の挿入部の高さPH1は、前記第1の板の板厚Bの10%以上100%以下である、(11)(15)のいずれかに記載の異材溶接継手。
(17) 前記接合補助部材の挿入部の直径PD1は、前記第1の板の穴の直径Bに対し80%以上105%以下である、(11)(16)のいずれかに記載の異材溶接継手。
(18) 前記接合補助部材の非挿入部の直径PD2は、前記第1の板の穴の直径Bに対し105%以上である、(11)(17)のいずれかに記載の異材溶接継手。
(19) 前記接合補助部材の非挿入部の高さPH2は、前記第1の板の板厚Bの50%以上150%以下である、(11)(18)のいずれかに記載の異材溶接継手。
(20) 前記接合補助部材の表面上に余盛りが形成され、かつ前記余盛りの直径Wが、前記接合補助部材の中空部の直径Pに対し、105%以上となる、(11)(19)のいずれかに記載の異材溶接継手。
本発明によれば、アルミニウム合金もしくはマグネシウム合金と、鋼との異材を、安価なアーク溶接設備を用いて、強固かつ信頼性の高い品質で接合でき、かつ開断面構造にも閉断面構造にも制限無く適用できる。
本発明の一実施形態に係る異材溶接継手の斜視図である。 図1AのI−I線に沿った異材溶接継手の断面図である。 本実施形態の異材接合用アークスポット溶接法の穴開け作業を示す図である。 本実施形態の異材接合用アークスポット溶接法の重ね合わせ作業を示す図である。 本実施形態の異材接合用アークスポット溶接法の挿入作業を示す図である。 本実施形態の異材接合用アークスポット溶接法の溶接作業を示す図である。 穴開け作業の一例の第1工程を示す図である。 穴開け作業の一例の第2工程を示す図である。 穴開け作業の一例の第3工程を示す図である。 穴開け作業の一例の第4工程を示す図である。 溶接金属の溶込みを説明するための異材溶接継手の断面図である。 溶接金属の溶込みを説明するための異材溶接継手の断面図である。 上板と下板に互いに離間する板幅方向の外力が作用した状態を示す異材溶接継手の断面図である。 金属間化合物が形成された場合に、上板と下板に互いに離間する板幅方向の外力が作用した状態を示す異材溶接継手の断面図である。 上板と下板に互いに離間する板厚方向の外力が作用した状態を示す異材溶接継手の断面図である。 上板と下板との間に空隙が存在するアーク溶接前の状態を示す上板、下板、及び接合補助部材の断面図である。 アーク溶接後の状態を熱収縮力と共に示す異材溶接継手の断面図である。 接合補助部材の寸法関係を説明するための上板、下板、及び接合補助部材の断面図である。 異材接合用アークスポット溶接法の第1変形例を説明するための上板と下板の斜視図である。 異材接合用アークスポット溶接法の第1変形例を説明するための上板と下板の断面図である。 異材接合用アークスポット溶接法の第2変形例を説明するための上板と下板の斜視図である。 異材接合用アークスポット溶接法の第2変形例を説明するための上板と下板の断面図である。 異材接合用アークスポット溶接法の第3変形例を説明するための上板、下板、及び接合補助部材の斜視図である。 異材接合用アークスポット溶接法の第3変形例を説明するための上板、下板、及び接合補助部材の断面図である。 第3変形例において、横向き姿勢でアーク溶接が施されている状態を示す図である。 異材接合用アークスポット溶接法の第4変形例を説明するための異材溶接継手の斜視図である。 異材接合用アークスポット溶接法の第4変形例を説明するための異材溶接継手の断面図である。 図1の接合補助部材を示す上面図、側面図、及び下面図である。 接合補助部材の変形例を示す上面図、側面図、及び下面図である。 接合補助部材の他の変形例を示す上面図、側面図、及び下面図である。 異材接合用アークスポット溶接法、及び異材溶接継手の第5変形例を説明するための断面図である。 第5変形例の異材接合用アークスポット溶接法において、絞り加工により膨出部を形成した下板に上板を重ね合わせる工程を示す断面図である。 第5変形例の異材接合用アークスポット溶接法において、絞り加工により膨出部を形成した下板に重ね合された上板の穴に、接合補助部材を挿入する工程を示す断面図である。 第5変形例の異材接合用アークスポット溶接法において、下板の膨出部と接合補助部材の膨出部が上板の穴内に配置された状態を示す断面図である。 本実施形態の異材溶接継手が適用された閉断面構造を示す斜視図である。 本実施形態の異材溶接継手が適用された、L字板と平板による開断面構造を示す斜視図である。 本実施形態の異材溶接継手が適用された、2枚の平板による開断面構造を示す斜視図である。
以下、本発明の一実施形態に係る異材接合用アークスポット溶接法、接合補助部材、及び、異材溶接継手を図面に基づいて詳細に説明する。
本実施形態の異材接合用アークスポット溶接法は、互いに重ね合わせされる、アルミニウム合金もしくはマグネシウム合金製の上板10(第1の板)と、鋼製の下板20(第2の板)とを、鋼製の接合補助部材30を介して、後述するアークスポット溶接法によって接合することで、図1A及び図1Bに示すような異材溶接継手1を得るものである。
上板10には、板厚方向に貫通して、下板20の重ね合わせ面に臨む穴11が設けられており、この穴11に接合補助部材30が挿入される。
接合補助部材30は、上板10の穴11に挿入される挿入部31と、上板10の上面に配置されるフランジ形状の非挿入部32と、を持った段付きの外形形状を有する。また、接合補助部材30には、挿入部31及び非挿入部32を貫通する中空部33が形成される。なお、非挿入部32の外形形状は、図1Aに示すような円形に限定されず、任意の形状とすることができる。また、中空部33の形状も、円形に限定されず、任意の形状とすることができる。
さらに、接合補助部材30の中空部33には、アークスポット溶接によってフィラー材(溶接材料)が溶融した、鉄合金、または、Ni合金の溶接金属40が充填されると共に、溶接金属40と、溶融された下板20及び接合補助部材30の一部とによって溶融部Wが形成される。
以下、異材溶接継手1を構成する異材接合用アークスポット溶接法について、図2A〜図2Dを参照して説明する。
まず、図2Aに示すように、上板10に穴11を空ける穴開け作業を行う(ステップS1)。次に、図2Bに示すように、上板10と下板20を重ね合わせる重ね合わせ作業を行う(ステップS2)。さらに、図2Cに示すように、接合補助部材30の挿入部31を、上板10の上面から、上板10の穴11に挿入する(ステップS3)。そして、図2Dに示すように、以下に詳述する(a)溶極式ガスシールドアーク溶接法、(b)ノンガスアーク溶接法、(c)ガスタングステンアーク溶接法、(d)プラズマアーク溶接法、(e)被覆アーク溶接法のいずれかのアーク溶接作業を行うことで、上板10と下板20とを接合する(ステップS4)。なお、図2Dは、(a)溶極式ガスシールドアーク溶接法を用いてアーク溶接作業が行われた場合を示している。
ステップS1の穴開け作業の具体的な手法としては、a)電動ドリルやボール盤といった回転工具を用いた切削、b)ポンチを用いた打抜き、c)金型を用いたプレス型抜きがあげられる。
また、特殊な手法としては、図3A〜図3Dに示すように、接合補助部材30自体をポンチとして、上板10が配置された下台座50に対して、接合補助部材30が固定された上台座51を接近させ、打抜き加工を施すことで、ステップS1の穴開け作業とステップS3の接合補助部材30の挿入作業とが同時に行なわれる。ただし、この場合、中空部33に母材片Mが入り込んだままとなることが希にあり、アーク溶接時の邪魔になるので、母材片Mを取り除くことが必要である。
したがって、この手法の場合には、ステップS2の重ね合わせ作業とステップS3の接合補助部材30の挿入作業とは、工程順が入れ替わる。
また、ステップS4のアーク溶接作業は、接合補助部材30と下板20を接合し、かつ接合補助部材30に設けられた中空部33を充填するために必要とされる。したがって、アーク溶接には充填材となるフィラー材(溶接材料)の挿入が不可欠となる。具体的に、以下の4つのアーク溶接法により、フィラー材が溶融して溶接金属40が形成される。
(a)溶極式ガスシールドアーク溶接法は、一般的にMAG(マグ)やMIG(ミグ)と呼ばれる溶接法であり、ソリッドワイヤもしくはフラックス入りワイヤをフィラー兼アーク発生溶極として用い、CO,Ar,Heといったシールドガスで溶接部を大気から遮断して健全な溶接部を形成する手法である。
(b)ノンガスアーク溶接法は、セルフシールドアーク溶接法とも呼ばれ、特殊なフラックス入りワイヤをフィラー兼アーク発生溶極として用い、一方、シールドガスを不要として、健全な溶接部を形成する手段である。
(c)ガスタングステンアーク溶接法は、ガスシールドアーク溶接法の一種であるが非溶極式であり、一般的にTIG(ティグ)とも呼ばれる。シールドガスは、ArまたはHeの不活性ガスが用いられる。タングステン電極と母材との間にはアークが発生し、フィラーワイヤはアークに横から送給される。
一般的に、フィラーワイヤは通電されないが、通電させて溶融速度を高めるホットワイヤ方式TIGもある。この場合、フィラーワイヤにはアークは発生しない。
(d)プラズマアーク溶接法はTIGと原理は同じであるが、ガスの2重系統化と高速化によってアークを緊縮させ、アーク力を高めた溶接法である。
(e)被覆アーク溶接法は、金属の芯線にフラックスを塗布した被覆アーク溶接棒をフィラーとして用いるアーク溶接法であり、シールドガスは不要である。
フィラー材(溶接材料)の材質については、溶接金属40がFe合金となるものであれば、一般的に用いられる溶接用ワイヤが適用可能である。なお、Ni合金でも鉄との溶接には不具合を生じないので適用可能である。
具体的には、JISとして(a)Z3312,Z3313,Z3317,Z3318,Z3321,Z3323,Z3334、(b)Z3313、(c)Z3316,Z3321,Z3334,(d)Z3211,Z3221,Z3223,Z3224、AWS(American Welding Society)として、(a)A5.9,A5.14,A5.18,A5.20,A5.22,A5.28,A5.29,A5.34、(b)A5.20、(c)A5.9,A5.14,A5.18,A5.28,(d)A5.1,A5.4,A5.5,A5.11といった規格材が流通している。
これらのアーク溶接法を用いて接合補助部材30の中空部33をフィラー材で充填するが、一般的にフィラーワイヤもしくは溶接棒の狙い位置は移動させる必要がなく、適切な送給時間を経てアークを切って溶接を終了させれば良い。ただし、中空部33の面積が大きい場合は、フィラーワイヤもしくは溶接棒の狙い位置を中空部内で円を描くように移動させても良い。
溶接金属40は接合補助部材30の中空部33を充填し、さらに接合補助部材30の表面に余盛りWaを形成するのが望ましい(図1B参照)。余盛りを形成しない、すなわち、中空部33が溶接後に外観上残る状態だと、接合強度が不足となる可能性があるためである。特に、板厚方向(3次元方向)の外部応力に対しては、余盛り形成させたほうが高い強度が得られる。
一方、余盛り側と反対側の溶込みについては、図4Aに示すように、下板20を適度に溶融していることが必要である。なお、図4Bに示すように、下板20の板厚を超えて溶接金属40が形成される、いわゆる裏波が出る状態にまで溶けても問題はない。
ただし、下板20が溶けずに、溶接金属40が乗っかっているだけであると、高い強度は得られない。また、溶接金属40が深く溶け込みすぎて、溶接金属40と下板20が溶け落ちてしまわないように溶接する必要がある。
以上の作業によって、Al合金やMg合金製の上板10と鋼製の下板20は高い強度で接合される。
また、上記アークスポット溶接法において使用される鋼製の接合補助部材30は、以下の4つの役割を果たしている。
第1の効果は、Al合金やMg合金の溶融を避けるための防護壁作用である。Al合金やMg合金の接合部で最も溶融しやすい箇所は、穴11の内面や、該内面の周囲の表面である。これらの面を接合補助部材30で覆うことで、アーク溶接の熱が直接Al合金やMg合金に伝わるのを防ぎ、鋼と混合して金属間化合物(IMC)を作るのを防止する。アーク溶接の溶込み範囲が接合補助部材30と下板20のみとなれば、AlやMgの溶接金属40への希釈はゼロとなり、IMCは完全に防止される。
したがって、溶接金属40が延性と適度な強度を有していれば、図5Aに示すように、溶接金属40は、板幅方向(2次元方向)の外部応力への抵抗作用として働く。
一方、本実施形態ではIMCの発生がゼロである必要はなく、IMCの多少の形成は許容される。図5Bに示すように、穴11の内面にIMCが形成されても、溶接金属40が延性と適度な強度を有していれば、溶接金属40が板幅方向(2次元方向)への外部応力への抵抗作用として働くので、溶接金属40の周囲に形成されるIMC層の影響は小さいからである。また、IMCは脆性的であるが、構造体として引張応力が作用しても、接合部には圧縮応力と引張応力が同時に働く仕組みになっており、圧縮力に対してIMCは十分な強さを維持することから、IMC層の形成は破壊伝播にはならない。したがって、接合補助部材30の挿入部31は必ずしも、上板10の板厚と同じである必要はない。
第2の効果として、接合補助部材30は、板厚方向の外部応力、言い換えれば、引き剥がす応力が働いた際に抵抗力を与える主体的役割を果たす。上記したように、板幅方向(2次元方向)に対しては溶接金属40が抵抗体として作用するが、板厚方向(3次元方向)に対する応力に対しては、溶接金属40と上板10の界面が剥離して抜ける、いわゆる”すっぽ抜け”が起きやすい。
一方、本実施形態では、接合補助部材30は、穴11よりも広い面積を有する非挿入部32を上板10の上面に配置しているので、図6の矢印に示すような板厚方向への外力が作用した場合でも、すっぽ抜けが防止される。そのため、接合補助部材30の外形形状は、直径が異なる二段構造にする必要がある。
また、アーク溶接工程により、接合補助部材30、溶接金属40、及び下板20は、強固な金属結合により接合され、その結果、接合補助部材30の非挿入部32は板厚方向への外部応力に対して抵抗体となる。
詳細後述するが、非挿入部32は、直径が大きく、かつ厚さが大きいほど、板厚方向(3次元方向)の外部応力に対して強度を増すため、好ましい。しかしながら、非挿入部32が必要以上に大きいと、重量増要因や、上板10の表面からの出っ張り過剰により、美的外観劣化や近接する他の部材との干渉が生じる。このため、非挿入部32のサイズは、必要設計に応じて決定される。
第3の効果として、Al合金もしくはMg合金である上板19と鋼である下板20とを重ね合わせる際に、重ね合わせ面に生じる空隙(ギャップ)gの最小化である(図7A参照)。アーク溶接工程では、溶接金属40は熱収縮するため、その際、下板20と接合補助部材30の非挿入部32が共に近づく方向に力が作用する。それによって、溶接前に多少の空隙gがあっても、図7Bに示すように、溶接後には空隙gは減少し、接合部の設計精度が高まる。
第4の効果として、接合補助部材30は、位置決めを支援する役割を有する。上記3つの力学的効果を期待して、接合補助部材30を上板10の穴11に挿入するが、接合補助部材30の挿入部31は、1つ目で述べた上板10の溶融を防ぐ以外に、挿入位置を確実に決めてセットする指標となる役割がある。挿入部31が無ければ、接合補助部材30を穴11と同軸に配置する目安がなくなる。もし、接合補助部材30を穴11からずれた場所に配置し、アーク溶接すると、接合補助部材30、溶接金属40、及び下板20の一体化接合が不完全になる、あるいは、さらにAl合金やMg合金の上板10を溶融して溶接金属40がIMC化して脆性的になってしまい、継手結合力が著しく不足することになる可能性がある。
なお、鋼製の接合補助部材30の材質は、純鉄および鉄合金であれば、特に制限されるものでなく、例えば、軟鋼、炭素鋼、ステンレス鋼などがあげられる。
また、接合補助部材30の各種寸法は、図8に示すように、上板10との関係で次のように設定される。
・挿入部高さPH1
挿入部高さPH1は、上板10の板厚Bの10%以上100%以下に設計される。接合補助部材30の挿入部31は、上述した接合補助部材30の第1の効果(Al,Mgの上板10の溶接工程時の溶融量低減)および、第4の効果(位置決め支援効果)がある。挿入部高さPH1が大きいほど、アーク熱の上板10への伝熱を防ぐため、1つ目の効果が高くなって望ましい。しかし、挿入部高さPH1が、上板10の板厚Bを超えて大きくなると、上板10と下板20にギャップができてしまうので望ましくない。したがって、挿入部高さPH1の上限は、板厚Bに対し100%である。一方、10%より小さいと、第1の効果が得られなくなり、上板10の溶融による溶接金属40の脆化が著しくなる。また、第4の効果も得られなくなる。したがって、挿入部高さPH1の下限は10%である。
・挿入部直径PD1
挿入部直径PD1は、上板10の穴11の直径Bに対し80%以上105%以下に設計される。上板10の横方向(二次元方向)の移動への抵抗力は、第3の効果である接合補助部材30と下板20の溶接に伴う熱収縮力も補助的作用を発揮するが、主体的には上板10に設けられた穴11の壁面と接合補助部材30の挿入部31の物理的接触(第1の効果)により、上板10の横方向(二次元方向)の移動への大きな抵抗力となる。後者の場合、接合状態で接合補助部材30の挿入部31と上板10の穴11に隙間が無い状態が最善である。したがって、挿入部直径PD1と穴11の直径Bは同一(100%)が理想的となる。ただし、接合補助部材30の挿入部31の径が多少大きくても、上板10の穴11まわりの弾性変形分を強引に押し込むことができるので問題は無い。挿入部直径PD1の実用的な上限は穴11の直径Bに対し105%である。一方、隙間が生じていると容易に横方向の力に対してずれが生じやすくなるので、望ましくないが、隙間分移動した後は、双方接触して大きな抵抗力を発揮する。また、後述するとおり、近接して複数箇所に本実施形態の溶接法を適用すると、個々の溶接部における隙間が一様の方向性を持つことはほとんどなく、確率論的には数が増えるほど隙間の方向は分散され、ある方向の引張応力に対して、いずれかが抵抗力になり、容易にずれることはない。したがって設計精度に応じてある程度の隙間は一般的に許容される。挿入部直径PD1の下限は、穴11の直径Bに対し80%とするが、精度の観点では下限は90%がより好ましい。
・非挿入部直径PD2
非挿入部直径PD2は、上板10の穴11の直径Bに対し105%以上に設計される。接合補助部材30の非挿入部32は、上述した接合補助部材30の第2の効果で述べたように、板厚方向への外部応力、言い換えれば引き剥がす応力が働いた際への抵抗力としての主体的役割を果たす。非挿入部32は直径PD2が大きく、かつ厚さが大きいほど板厚方向(3次元方向)の外部応力に対して強度を増すため、望ましい。非挿入部直径PD2が穴11の直径Bに対し105%未満では、非挿入部32の外周部が板厚方向への外部応力に対して弾塑性変形した場合に、上板10の穴11の直径B以下の見かけ直径に容易になりやすく、さすれば上板10が抜けてしまいやすくなる。つまり、非挿入部32が高い抵抗力を示さない。したがって、非挿入部直径PD2は、穴11の直径Bの105%を下限とする。より好ましくは、非挿入部直径PD2は、穴11の直径Bの120%を下限とするとよい。一方、接合部強度の観点では上限を設ける必要は無い。
・非挿入部高さPH2
非挿入部高さPH2は、上板10の板厚Bの50%以上150%以下に設計される。上記で述べたとおり、非挿入部32は直径が大きく、かつ高さ(厚さ)PH2が大きいほど板厚方向(3次元方向)の外部応力に対して強度を増すため、望ましい。この非挿入部高さPH2は継手の上板10の板厚Bに応じて大きくすることで高い抵抗力を発揮する。非挿入部高さPH2が上板10の板厚Bの50%未満では、非挿入部32の外周部が板厚方向への外部応力に対して容易に弾塑性変形を生じ、上板10の穴11の直径B以下の見かけ直径になると、抜けやすくなる。つまり、非挿入部32が高い抵抗力を示さない。したがって、非挿入部高さPH2は上板10の板厚Bの50%を下限とする。一方、非挿入部高さPH2が上板10の板厚Bの150%を超えて大きくすると、継手強度的には問題ないが、過剰に張り出した形状となって外観が悪いだけでなく、重量も重くなる。したがって、非挿入部高さPH2は、上板10の板厚Bの150%以下にすることが必要である。
また、図1に示すように、アークによる充填溶接工程において、接合補助部材30の表面上に余盛りWaが形成される際、余盛りWaの直径Wは、接合補助部材30の中空部33の直径Pの105%以上に設定される。
上述のとおり、接合補助部材30は、板厚方向(3次元方向)の外部応力に対して抵抗力を発揮する役割があるが、中空部33を完全に埋めなければ高い抵抗力を発揮しない。中空部33が完全に埋まらず、中空部33の内側面が残った状態であると、接合補助部材30と溶接金属40との結合面積が不足し、容易に外れてしまうことがある。接合補助部材30と溶接金属40の結合面積を高めるためには、完全に充填し、余盛りWaが形成されることが望ましい。余盛りWaが形成されると、その直径Wは接合補助部材30の中空部33の直径Pを超えることになる。余盛りWaの直径Wは、接合補助部材30の中空部33の直径Pの105%以上とすると確実に余盛り形成されたことになるため、これを下限値とする。
なお、上板10及び下板20の板厚については、限定される必要は必ずしもないが、施工能率と、重ね溶接としての形状を考慮すると、上板10の板厚は、4.0mm以下であることが望ましい。一方、アーク溶接の入熱を考慮すると、板厚が過度に薄いと溶接時に溶け落ちてしまい、溶接が困難であることから、上板10、下板20共に0.5mm以上とすることが望ましい。
以上の構成により、上板10がアルミニウム合金もしくはマグネシウム合金、下板20が鋼の素材を強固に接合することができる。
ここで、異種金属同士を直接接合する場合の課題としては、IMCの形成という課題以外に、もう一つの課題が知られている。それは、異種金属同士が接すると、ガルバニ電池を形成する為に腐食を加速する原因になる。この原因(電池の陽極反応)による腐食は電食と呼ばれている。異種金属同士が接する面に水があると腐食が進むので、接合箇所として水が入りやすい場所に本実施形態が適用される場合は、電食防止を目的として、水の浸入を防ぐためのシーリング処理を施す必要がある。本接合法でもAl合金やMg合金と鋼が接する面は複数形成されるので、樹脂系の接着剤をさらなる継手強度向上の目的のみならず、シーリング材として用いることが好ましい。
例えば、図9A及び図9Bに示す第1変形例のように、上板10及び下板20の接合面で、溶接部周囲に接着剤60を全周に亘って環状に塗布してもよい。なお、接着剤60を上板10及び下板20の接合面で、溶接部周囲に全周に亘って塗布する方法としては、図10A及び図10Bに示す第2変形例のように、溶接箇所を除いた接合面の全面に塗布する場合も含まれる、これにより、上板10、下板20、及び溶接金属40の電食速度を下げることができる。
また、図11A及び図11Bに示す第3変形例のように、上板10の穴11の周囲と接合補助部材30の非挿入部32の下面との間に接着剤60を塗布してもよい。これにより、上板10、接合補助部材30、及び溶接金属40の電食速度を下げることができる。
この場合、副次的効果として、アーク溶接前に接合補助部材30を上板10に仮止めしておく作用がある。特に、図12に示すように、アーク溶接が、横向や上向姿勢になる場合、接着剤60を塗布しておくことで、接合補助部材30が重力によって落下するのを防ぐことができ、溶接を適切に施工することができる。
さらに、図13A及び図13Bに示す第4変形例のように、接合補助部材30の非挿入部32と上板10の表面との境界部に接着剤60を塗布してもよい。これにより、電食速度低下の効果が得られると共に、接着剤塗布をアーク溶接前に行えば、接合補助部材30を上板10に仮止めしておく作用が得られる。なお、図11A及び図11Bに示す第3変形例では、塗布は溶接工程前にしか実施できないが、図13A及び図13Bに示す第4変形例では、塗布は溶接工程前でも溶接工程後でも可能である。
なお、接合補助部材30において、非挿入部32の上板10との接触面は、図14Aに示すように、必ずしも平坦な面である必要はない。即ち、非挿入部32の上板10との接触面は、図14B及び図14Cに示すように、必要に応じてスリット34a、34bを設けて良い。特に、上板10との接触面側に円周状のスリット34a又は放射状のスリット34bを設けると、接着剤60の塗布がスリット34a、34bの隙間に入り込んで逃げなくなるため、安定した接着が行なわれ、シーリングの効果も確実となる。このような平坦ではない面の場合の非挿入部高さPH2の定義は、高さの最も大きな部分とする。
さらに、図15、及び図16A〜図16Cに示す第5変形例のように、下板20に膨出部21を設けてもよい。
典型的に、AlやMg合金製上板10の板厚が大きな場合がある。上板10の板厚が大きいと、溶接工程で溶接ワイヤを沢山溶融して接合補助部材30の中空部33を埋める必要があり、熱量が過大となって、充填完了するより先に下板20の鋼板が溶け落ちしてしまいやすくなる。このため、下板20について絞り加工で膨出部21を設ければ、中空部33の体積が小さくなるので溶け落ち欠陥を防ぎながら、充填することができる。
また、第5変形例では、下板20の膨出部21は、上板10と下板20とを位置合わせをするための目印となり、下板20の膨出部21と上板10の穴11を容易に合わせることができ、重ね合わせ作業の効率向上につながる。
また、本実施形態の溶接法は、接合面積が小さい点溶接と言えるので、ある程度の接合面積を有する実用部材同士の重ね合わせ部分Jを接合する場合は、本溶接法を図17A〜図17Cに示すように、複数実施すればよい。これにより、重ね合わせ部分Jにおいて強固な接合が行われる。本実施形態は、図17B及び図17Cに示すような開断面構造にも使用できるが、特に、図17Aに示すような閉断面構造において好適に使用することができる。
以上説明したように、本実施形態の異材接合用アークスポット溶接法によれば、上板10に穴11を空ける工程と、上板10と下板20を重ね合わせる工程と、挿入部31と非挿入部32とを持った段付きの外形形状を有し、且つ、挿入部31及び非挿入部32を貫通する中空部33が形成される鋼製の接合補助部材30を、上板10に設けられた穴11に挿入する工程と、以下の(a)〜(e)のいずれかの手法によって、接合補助部材30の中空部33を溶接金属40で充填すると共に、下板20及び接合補助部材30を溶接する工程と、を備える。
(a)鉄合金、または、Ni合金の溶接金属40が得られる溶接ワイヤを溶極として用いるガスシールドアーク溶接法。
(b)前記溶接ワイヤを溶極として用いるノンガスアーク溶接法。
(c)前記溶接ワイヤを非溶極フィラーとして用いるガスタングステンアーク溶接法。
(d)前記溶接ワイヤを非溶極フィラーとして用いるプラズマアーク溶接法。
(e)鉄合金、または、Ni合金の溶接金属40が得られる被覆アーク溶接棒を溶極として用いる被覆アーク溶接法。
これにより、Al合金もしくはMg合金の上板10と鋼の下板20を、安価なアーク溶接設備を用いて、強固かつ信頼性の高い品質で接合でき、かつ開断面構造にも閉断面構造にも制限無く適用できる。
また、重ね合わせ工程の前に、上板10と下板20の少なくとも一方の重ね合せ面には、穴11の周囲に、全周に亘って接着剤60を塗布する工程を、さらに備える。これにより、接着剤は、継手強度向上の他、シーリング材として作用し、上板10、下板20及び溶接金属40の電食速度を下げることができる。
また、挿入工程において、接合補助部材30の非挿入部32と、該非挿入部32と対向する上板10との間の少なくとも一方の対向面に、接着剤60を塗布する。これにより、上板10、接合補助部材30及び溶接金属40の電食速度を下げることができる。
また、挿入工程の際、又は、充填溶接工程後に、接合補助部材30の非挿入部32と、上板10の表面との境界部に接着剤60を塗布する。これにより、上板10と接合補助部材30の接合強度を向上することができる。なお、挿入工程の際に、接着剤60を塗布すれば、接合補助部材30を仮止めできる作用が得られる。
また、接合補助部材30の挿入部31の高さPH1は、上板10の板厚Bの10%以上100%以下であるので、溶接工程時の上板10への伝熱防止、及び、位置決め支援効果を得ることができる。
また、接合補助部材30の挿入部31の直径PD1は、上板10の穴11の直径Bに対し80%以上105%以下であるので、上板10の板幅方向の外部応力への抵抗力、及び、接合補助部材30の挿入性を両立することができる。
また、接合補助部材30の非挿入部32の直径PD2は、上板10の穴11の直径Bに対し105%以上であるので、非挿入部32は、板厚方向の外部応力への抵抗力として機能することができる。
また、接合補助部材30の非挿入部32の高さPH2は、前記第1の板の板厚Bの50%以上150%以下であるので、非挿入部32は、外観性及び重量増を考慮しつつ、板厚方向の外部応力への抵抗力として機能することができる。
また、接合補助部材の表面上に余盛りWaが形成され、かつ余盛りWaの直径Wが、接合補助部材30の中空部33の直径Pに対し、105%以上となるので、余盛りWaは、板厚方向の外部応力への抵抗力として機能することができる。
また、本実施形態の接合補助部材30は、鋼製で、挿入部31と非挿入部32とを持った段付きの外形形状を有し、且つ、挿入部31及び非挿入部32を貫通する中空部33が形成される。これにより、接合補助部材30は、上述した異材接合用アークスポット溶接法に好適に用いられる。
また、本実施形態の異材溶接継手1は、アルミニウム合金もしくはマグネシウム合金製の上板10と、上板10にアークスポット溶接された、鋼製の下板20と、を備え、上板10は、下板20との重ね合わせ面に臨む穴11を有し、上板10に設けられた穴11に挿入される挿入部31と、非挿入部32と、を持った段付きの外形形状を有し、且つ、挿入部31及び非挿入部32を貫通する中空部33が形成される鋼製の接合補助部材30をさらに備え、接合補助部材30の中空部33は、鉄合金、または、Ni合金の溶接金属40で充填されると共に、溶接金属40と、溶融された下板20及び接合補助部材30の一部とによって溶融部Wが形成される。
これにより、Al合金もしくはMg合金の上板10と鋼の下板20とを備えた異材溶接継手1は、安価なアーク溶接設備を用いて、強固かつ信頼性の高い品質で接合され、かつ開断面構造にも閉断面構造にも制限無く適用できる。
尚、本発明は、前述した実施形態及び実施例に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
ここで、以下の実施例A〜Eを用いて、本実施形態の有効性を確認した。
<実施例A>
実施例Aでは、上板10を板厚1.6mmのアルミニウム合金A5083、下板20を板厚1.4mmの590MPa級高張力鋼板とした組合せの重ね継手を用いた。また、この重ね継手は、直径1.2mmのJIS Z3312 YGW16の鋼製溶接ワイヤを用い、Ar80%+CO20%の混合ガスをシールドガスとしたマグ溶接法にて、一定時間定点でのアーク溶接を行って接合された。
この溶接継手1に対して、JIS Z3136「抵抗スポット及びプロジェクション 溶接継手のせん断試験に対する試験片寸法及び試験方法」、およびJIS Z3137「抵抗スポット及びプロジェクション溶接継手の十字引張試験」に従って、破壊試験を行った。ここでは、Z3136の引張強度をTSSとして表し、Z3137の引張強度をCTSとして表す。合否判定値として、TSS≧8kN、CTS≧5kNとした。
さらに、必須ではないが好ましい性能値として、溶接継手を塩水噴霧→乾燥→湿潤を繰り替えして加速腐食させるJASO−CCT(Japanese Automobile Standards Organization Cyclic Corrosion Test)を28日間実施し、その後同様に破壊試験を実施して、腐食後TSSおよび腐食後CTSを取得した。これら好ましい性能値の合格判定値は腐食無し試験の値に対し80%以上とした。
表1では、比較例をNo.A1〜A5、本実施例をNo.A6〜A14に示す。
Figure 0006461056
No.A1は、接合補助部材を用いず、上板10に穴も開けず、上板10に対して直接アーク溶接を実施したものである。また、接着剤も用いていない。鋼製溶接ワイヤとアルミ母材が溶融混合するので、形成された溶接金属は極めて脆い金属間化合物となり、低いTSS,CTSとなった。
No.A2は上板10に直径7.0mmの穴11を設けるが、接合補助部材30を用いないでアーク溶接を実施したものである。No.A1に比べると溶接金属のアルミ混合量が低下するので、金属間化合物量が少なく、脆化度合も低いが、それでもなお低いTSS,CTSであった。
No.A3は穴開けをしていない上板10の上に接合補助部材30を載せて、その上からアーク溶接したものである。接合補助部材30の材質はJIS G3106 SM490Cである(以降、実施例Aの材質は同じ)。なお、ここでは接合補助部材30には穴開けをしていない。この結果、接合補助部材30と上板10を貫通して下板20まで溶け込ますことができず、溶接することができなかった。
No.A4は直径7.0mmの穴11を穴開けした上板10の上に接合補助部材30を載せて、その上からアーク溶接したものである。なお、ここでは接合補助部材30には穴開けをしていない。この結果、接合補助部材30を貫通して下板20まで溶け込ますことは何とかできたものの、下板20の溶込み幅が非常に小さく、破壊試験をすると容易に破断した。
No.A5は穴開けをしていない上板10の上に接合補助部材30を載せて、その上からアーク溶接したものである。接合補助部材30には直径5.0mmの穴開けをしている。この結果、溶接金属はNo.A1と同様に鋼製溶接ワイヤとアルミ母材が溶融混合したものになるので、形成された溶接金属は極めて脆い金属間化合物となり、低いTSS,CTSとなった。
一方、No.A6〜A14は、直径7.0mmの穴11を穴開けした上板10の上に接合補助部材30を載せて、その上からアーク溶接したものである。接合補助部材30には直径5.0mmの穴開けを施しており、挿入部31が上板10の穴11に収まるように加工された2段階形状となっている。これらの試験体では形成される溶接金属40のアルミ流入が接合補助部材30の存在によりゼロもしくは極めて低く抑制され、高品質の溶接金属が形成される。さらに、下板20の溶込みも十分大きくなり、また接合補助部材30の非挿入部が上板10の穴11に対して広い面積を有する構造となっているため、十字引張試験ではすっぽ抜けが防げて高いCTSも得られた。さらにまた、適切な箇所に金属用常温速硬化型2液混合接着材を塗布した試験体(A7〜A9,A12〜A14)では、アルミと鋼界面の電食を防ぐ作用があり、腐食によるCTSやTSSの低下が抑制されて、高い腐食後CTS,TSSを示した。具体的にはNo.A6に対して、No.A7、No.A8、No.A9と接着剤塗布箇所を増やすにつれ、腐食後TSSおよび腐食後CTSが順に高まっていることがわかる。
<実施例B>
実施例Bでは、上板10を板厚0.8mmのマグネシウム合金ASTM AZ31B、下板20を板厚1.0mmの780MPa級高張力鋼板とした組合せの重ね継手を用いた。また、この重ね継手は、Ar100%ガスをシールドガスとして用いた交流ティグ溶接法にて、直径1.0mmのJIS Z3316 YGT50の鋼製溶接ワイヤを非通電フィラーとして挿入しながら一定時間定点でのアーク溶接を行って接合した。
この溶接継手1に対して、JIS Z3136およびJIS Z3137に従って、破壊試験を行った。ここではZ3136の引張強度をTSSとして表し、Z3137の引張強度をCTSと表す。合否判定値として、TSS≧4kN、CTS≧3kNとした。
さらに、必須ではないが好ましい性能値として、実施例Aと同様に、溶接継手1に対してJASO−CCTを28日間実施し、その後同様に破壊試験を実施して、腐食後TSSおよび腐食後CTSを取得した。これら好ましい性能値の合格判定値は腐食無し試験の値に対し80%以上とした。
表2では、比較例をNo.B1〜B5、本実施例をNo.B6〜B14に示す。
Figure 0006461056
No.B1は接合補助部材を用いず、上板10に穴も開けず、上板10に対して直接アーク溶接を実施したものである。接着剤も用いていない。鋼製溶接ワイヤとマグネシウム母材が溶融混合するので、形成された溶接金属は極めて脆い金属間化合物となり、低いTSS,CTSとなった。
No.B2は上板10に直径5.0mmの穴11を設けるが、接合補助部材を用いないでアーク溶接を実施したものである。No.B1に比べると溶接金属のマグネシウム合金混合量が低下するので、金属間化合物量が少なく、脆化度合も低いが、それでもなお低いTSS,CTSであった。
No.B3は穴開けをしていない上板10の上に接合補助部材30を載せて、その上からアーク溶接したものである。接合補助部材30の材質はJIS G3101 SS400である(以降、実施例Bの材質同じ)。なお、ここでは接合補助部材30には穴開けをしていない。この結果、接合補助部材30と上板10を貫通して下板20まで溶け込ますことは何とかできたものの、下板20の溶込み幅が非常に小さく、破壊試験をすると容易に破断した。
No.B4は直径5.0mmの穴11を穴開けした上板10の上に接合補助部材30を載せて、その上からアーク溶接したものである。なお、ここでは接合補助部材30には穴開けをしていない。この結果、接合補助部材30を貫通して下板20まで溶け込ますことは何とかできたものの、下板20の溶込み幅が非常に小さく、破壊試験をすると容易に破断した。
No.B5は穴開けをしていない上板10の上に接合補助部材30を載せて、その上からアーク溶接したものである。接合補助部材30には直径3.8mmの穴開けをしている。この結果、溶接金属はNo.B1と同様に鋼製溶接ワイヤとマグネシウム合金母材が溶融混合したものになるので、形成された溶接金属は極めて脆い金属間化合物となり、低いTSS,CTSとなった。
一方、No.B6〜B14は、直径5.0mmの穴11を穴開けした上板10の上に接合補助部材30を載せて、その上からアーク溶接したものである。接合補助部材30には直径3.8mmの穴開けを施しており、挿入部31が上板10の穴11に収まるように加工された2段階形状となっている。これらの試験体では形成される溶接金属40のマグネシウム流入が接合補助部材30の存在によりゼロもしくは極めて低く抑制され、高品質の溶接金属40が形成される。さらに、下板20の溶込みも十分大きくなり、また接合補助部材30の非挿入部32が上板10の穴11に対して広い面積を有する構造となっているため、十字引張試験ではすっぽ抜けが防げて高いCTSも得られた。さらにまた、適切な箇所に接着材を塗布した試験体(B7〜B14)では、マグネシウム合金と鋼界面の電食を防ぐ作用があり、腐食によるCTSやTSSの低下が抑制されて、高い腐食後CTS,TSSを示した。具体的にはNo.B6に対して、No.B7、No.B8、No.B9と接着剤塗布箇所を増やすにつれ、腐食後TSSおよび腐食後CTSが順に高まっていることがわかる。
<実施例C>
実施例Cでは、上板10が板厚2.6mmのアルミニウム合金A6061、下板20が板厚2.2mmの400MPa級鋼板とした組合せの重ね継手を用いた。また、重ね継手は、直径4.0mmのJIS Z3252 ECNi−C1のNi合金被覆アーク溶接棒を用いた被覆アーク溶接法にて、一定時間定点でのアーク溶接を行って接合した。
この溶接継手1に対して、JIS Z3136およびJIS Z3137に従って、破壊試験を行った。ここではZ3136の引張強度をTSSとして表し、Z3137の引張強度をCTSと表す。合否判定値として、TSS≧9kN、CTS≧6kNとした。
さらに、必須ではないが好ましい性能値として、実施例A、Bと同様に、溶接継手1に対して、JASO−CCTを28日間実施し、その後同様に破壊試験を実施して、腐食後TSSおよび腐食後CTSを取得した。これら好ましい性能値の合格判定値は腐食無し試験の値に対し80%以上とした。
表3では、比較例をNo.C1〜C5、本実施例をNo.C6〜C13に示す。
Figure 0006461056
No.C1は接合補助部材を用いず、上板10に穴も開けず、上板10に対して直接アーク溶接を実施したものである。接着剤も用いていない。Ni合金溶接棒とアルミニウム母材が溶融混合するので、形成された溶接金属は極めて脆い金属間化合物となり、低いTSS,CTSとなった。
No.C2は上板10に直径9.0mmの穴11を設けるが、接合補助部材30を用いないでアーク溶接を実施したものである。No.C1に比べると溶接金属のアルミニウム合金混合量が低下するので、金属間化合物量が少なく、脆化度合も低いが、それでもなお低いTSS,CTSであった。
No.C3は穴開けをしていない上板10の上に接合補助部材30を載せて、その上からアーク溶接したものである。接合補助部材30の材質はJIS G4051 S12Cである(以降、実施例Cの材質同じ)。なお、ここでは接合補助部材30には穴開けをしていない。この結果、接合補助部材30と上板10を貫通して下板20まで溶け込ますことができず、溶接することができなかった。
No.C4は直径9.0mmの穴11を穴開けした上板10の上に接合補助部材30を載せて、その上からアーク溶接したものである。なお、ここでは接合補助部材30には穴開けをしていない。この結果、接合補助部材30を貫通して下板20まで溶け込ますことは何とかできたものの、下板20の溶込み幅が非常に小さく、破壊試験をすると容易に破断した。
No.C5は穴開けをしていない上板10の上に接合補助部材30を載せて、その上からアーク溶接したものである。接合補助部材30には直径7.0mmの穴開けをしている。この結果、溶接金属はNo.C1と同様にNi合金溶接棒とマグネシウム合金母材が溶融混合したものになるので、形成された溶接金属は極めて脆い金属間化合物となり、低いTSS,CTSとなった。
一方、No.C6〜C12は、直径9.0mmの穴11を穴開けした上板10の上に接合補助部材30を載せて、その上からアーク溶接したものである。接合補助部材30には直径7.0mmの穴開けを施しており、挿入部31が上板10の穴11に収まるように加工された2段階形状となっている。これらの試験体では形成される溶接金属のアルミ流入が接合補助部材30の存在によりゼロもしくは極めて低く抑制され、高品質の溶接金属が形成される。さらに、下板20の溶込みも十分大きくなり、また接合補助部材30の非挿入部32が上板10の穴11に対して広い面積を有する構造となっているため、十字引張試験ではすっぽ抜けが防げて高いCTSも得られた。さらにまた、適切な箇所に接着材を塗布した試験体(No.C7〜C11)では、アルミと鋼界面の電食を防ぐ作用があり、腐食によるCTSやTSSの低下が抑制されて、高い腐食後CTS,TSSを示した。
<実施例D>
実施例Dでは、上板10が板厚1.2mmのアルミニウム合金A6N01、下板20が板厚1.2mmのSPCC鋼板とした組合せの重ね継手を用いた。また、重ね継手は、直径1.2mmのJIS Z3313 T49T14−0NS−Gの鋼製フラックス入りワイヤを用いたセルフシールドアーク溶接法にて、一定時間定点でのアーク溶接を行って接合した。
この溶接継手1に対して、JIS Z3136およびJIS Z3137に従って、破壊試験を行った。ここではZ3136の引張強度をTSSとして表し、Z3137の引張強度をCTSと表す。合否判定値として、TSS≧6kN、CTS≧4kNとした。
さらに、必須ではないが好ましい性能値として、実施例A,B,Cと同様に、溶接継手1に対して、JASO−CCTを28日間実施し、その後同様に破壊試験を実施して、腐食後TSSおよび腐食後CTSを取得した。これら好ましい性能値の合格判定値は腐食無し試験の値に対し80%以上とした。
表4では、比較例をNo.D1〜D2、本実施例をNo.D3〜D4に示す。
Figure 0006461056
No.D1は接合補助部材を用いず、上板10に穴も開けず、上板10に対して直接アーク溶接を実施したものである。接着剤も用いていない。鋼製溶接ワイヤとアルミニウム母材が溶融混合するので、形成された溶接金属は極めて脆い金属間化合物となり、低いTSS,CTSとなった。
No.D2は上板10に直径6.0mmの穴11を設けるが、接合補助部材30を用いないでアーク溶接を実施したものである。No.D1に比べると溶接金属のアルミニウム合金混合量が低下するので、金属間化合物量が少なく、脆化度合も低いが、それでもなお低いTSS,CTSであった。
一方、No.D3〜D4は、直径6.0mmの穴11を穴開けした上板10の上に、JIS G3106 SM490A材を加工した接合補助部材30を載せて、その上からアーク溶接したものである。接合補助部材30には直径4.4mmの穴開けを施しており、挿入部31が上板10の穴11に収まるように加工された2段階形状となっている。これらの試験体では形成される溶接金属40のアルミ流入が接合補助部材30の存在によりゼロもしくは極めて低く抑制され、高品質の溶接金属40が形成される。さらに、下板20の溶込みも十分大きくなり、また接合補助部材30の非挿入部が上板10の穴11に対して広い面積を有する構造となっているため、十字引張試験ではすっぽ抜けが防げて高いCTSも得られた。さらにまた、適切な箇所に接着材を塗布した試験体No.D4では、アルミと鋼界面の電食を防ぐ作用があり、腐食によるCTSやTSSの低下が抑制されて、接着材無しの試験体No.D3に比べて高い腐食後CTS,TSSを示した。
<実施例E>
実施例Eでは、上板10を板厚4.0mmのアルミニウム合金A7N01、下板20を板厚3.0mmの1180MPa級高張力鋼板とした組合せの重ね継手を用いた。下板20の溶接すべき箇所には、絞り加工により高さ1.5mmの膨出部21を形成した。また、この重ね継手は、直径1.2mmのJIS Z3321 YS309Lのステンレス鋼製溶接ワイヤを用い、シールドガス:Ar99%+H1%、プラズマガス:Ar100%としたプラズマアーク溶接法にて、一定時間定点でのアーク溶接を行って接合された。
この溶接継手1に対して、JIS Z3136「抵抗スポット及びプロジェクション 溶接継手のせん断試験に対する試験片寸法及び試験方法」、およびJIS Z3137「抵抗スポット及びプロジェクション溶接継手の十字引張試験」に従って、破壊試験を行った。ここでは、Z3136の引張強度をTSSとして表し、Z3137の引張強度をCTSとして表す。合否判定値として、TSS≧10kN、CTS≧8kNとした。
さらに、必須ではないが好ましい性能値として、実施例A〜Dと同様に、溶接継手1に対してJASO−CCTを28日間実施し、その後同様に破壊試験を実施して、腐食後TSSおよび腐食後CTSを取得した。これら好ましい性能値の合格判定値は腐食無し試験の値に対し80%以上とした。
表5では、本実施例をNo.E1〜E3に示す。
Figure 0006461056
No.E1〜E3は10.0mmの穴開けをした上板10の上に穴径8.0mmの接合補助部材30を載せて、その上からアーク溶接したものである。接合補助部材30には穴開けを施しており、挿入部31が上板10の穴11に収まるように加工された2段階形状となっている。これらの試験体では形成される溶接金属40へのアルミ流入が接合補助部材30の存在によりゼロもしくは極めて低く抑制され、高品質の溶接金属が形成される。さらに、下板20の溶込みも十分大きくなり、また接合補助部材30の非挿入部32が上板10の穴11に対して広い面積を有する構造となっているため、十字引張試験ではすっぽ抜けが防げて高いCTSも得られた。さらにまた、適切な箇所に金属用常温速硬化型2液混合接着材を塗布した試験体(E1,E3)では、アルミと鋼界面の電食を防ぐ作用があり、腐食によるCTSやTSSの低下が抑制されて、高い腐食後CTS,TSSを示した。具体的にはNo.E2に対して、No.E3は接着剤塗布しており、腐食後TSSおよび腐食後CTSが高まっていることがわかる。
10 上板
11 穴
20 下板
30 接合補助部材
31 挿入部
32 非挿入部
33 中空部
40 溶接金属
W 溶融部
Wa 余盛り

Claims (20)

  1. アルミニウム合金もしくはマグネシウム合金製の第1の板と、鋼製の第2の板と、を接合する異材接合用アークスポット溶接法であって、
    前記第1の板に穴を空ける工程と、
    前記第1の板と前記第2の板を重ね合わせる工程と、
    挿入部と非挿入部とを持った段付きの外形形状を有し、且つ、前記挿入部及び前記非挿入部を貫通する中空部が形成される鋼製の接合補助部材を、前記第1の板に設けられた穴に挿入する工程と、
    以下の(a)〜(e)のいずれかの手法によって、前記接合補助部材の中空部を溶接金属で充填すると共に、前記溶接金属を前記第2の板に裏波が出る状態まで溶け込ませ、且つ、前記接合補助部材の前記挿入部は、その外周面を溶融させずに、部分的に溶融して、前記第2の板及び前記接合補助部材を溶接する工程と、
    を備える異材接合用アークスポット溶接法。
    (a)鉄合金、または、Ni合金の前記溶接金属が得られる溶接ワイヤを溶極として用いるガスシールドアーク溶接法。
    (b)前記溶接ワイヤを溶極として用いるノンガスアーク溶接法。
    (c)前記溶接ワイヤを非溶極フィラーとして用いるガスタングステンアーク溶接法。
    (d)前記溶接ワイヤを非溶極フィラーとして用いるプラズマアーク溶接法。
    (e)鉄合金、または、Ni合金の前記溶接金属が得られる被覆アーク溶接棒を溶極として用いる被覆アーク溶接法。
  2. 前記第2の板には、絞り加工により膨出部が形成されており、
    前記重ね合わせ工程において、前記第2の板の膨出部が、前記第1の板の穴内に配置される、請求項1に記載の異材接合用アークスポット溶接法。
  3. 前記重ね合わせ工程の前に、前記第1の板と前記第2の板の少なくとも一方の重ね合せ面には、前記穴の周囲に、全周に亘って接着剤を塗布する工程を、さらに備える、請求項1又は2に記載の異材接合用アークスポット溶接法。
  4. 前記挿入工程において、前記接合補助部材の非挿入部と、該非挿入部と対向する前記第1の板との間の少なくとも一方の対向面に、接着剤を塗布する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の異材接合用アークスポット溶接法。
  5. 前記挿入工程の際、又は、前記充填溶接工程後に、前記接合補助部材の非挿入部と、前記第1の板の表面との境界部に接着剤を塗布する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の異材接合用アークスポット溶接法。
  6. 前記接合補助部材の挿入部の高さPH1は、前記第1の板の板厚Bの10%以上10
    0%以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の異材接合用アークスポット溶接法。
  7. 前記接合補助部材の挿入部の直径PD1は、前記第1の板の穴の直径Bに対し80%
    以上105%以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の異材接合用アークスポット溶接法。
  8. 前記接合補助部材の非挿入部の直径PD2は、前記第1の板の穴の直径Bに対し10
    5%以上である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の異材接合用アークスポット溶接法。
  9. 前記接合補助部材の非挿入部の高さPH2は、前記第1の板の板厚Bの50%以上1
    50%以下である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の異材接合用アークスポット溶接法。
  10. 前記充填溶接工程において、前記接合補助部材の表面上に余盛りが形成され、かつ前記余盛りの直径Wが、前記接合補助部材の中空部の直径Pに対し、105%以上となる、請求項1〜9のいずれか1項に記載の異材接合用アークスポット溶接法。
  11. アルミニウム合金もしくはマグネシウム合金製の第1の板と、該第1の板にアークスポット溶接された、鋼製の第2の板と、を備える異材溶接継手であって、
    前記第1の板は、前記第2の板との重ね合わせ面に臨む穴を有し、
    前記第1の板に設けられた穴に挿入される挿入部と、非挿入部と、を持った段付きの外形形状を有し、且つ、前記挿入部及び前記非挿入部を貫通する中空部が形成される鋼製の接合補助部材をさらに備え、
    前記接合補助部材の中空部は、鉄合金、または、Ni合金の溶接金属で充填されると共に、前記溶接金属を前記第2の板に裏波が出る状態まで溶け込ませ、且つ、前記接合補助部材の前記挿入部は、その外周面を溶融させずに、部分的に溶融して、前記溶接金属と、溶融された前記第2の板及び前記接合補助部材の一部とによって溶融部が形成される、異材溶接継手。
  12. 前記第1の板の穴内には、前記第2の板に形成された膨出部が配置される、請求項11に記載の異材溶接継手。
  13. 前記第1の板と前記第2の板の少なくとも一方の前記重ね合せ面には、前記穴の周囲に、全周に亘って設けられた接着剤を備える、請求項11又は12に記載の異材溶接継手。
  14. 前記接合補助部材の非挿入部と、該非挿入部と対向する前記第1の板との間の少なくとも一方の対向面に設けられた接着剤を備える、請求項1113のいずれか1項に記載の異材溶接継手。
  15. 前記接合補助部材の非挿入部と、前記第1の板の表面との境界部に設けられた接着剤を備える、請求項1114のいずれか1項に記載の異材溶接継手。
  16. 前記接合補助部材の挿入部の高さPH1は、前記第1の板の板厚Bの10%以上100%以下である、請求項1115のいずれか1項に記載の異材溶接継手。
  17. 前記接合補助部材の挿入部の直径PD1は、前記第1の板の穴の直径Bに対し80%以上105%以下である、請求項1116のいずれか1項に記載の異材溶接継手。
  18. 前記接合補助部材の非挿入部の直径PD2は、前記第1の板の穴の直径Bに対し105%以上である、請求項1117のいずれか1項に記載の異材溶接継手。
  19. 前記接合補助部材の非挿入部の高さPH2は、前記第1の板の板厚Bの50%以上150%以下である、請求項1118のいずれか1項に記載の異材溶接継手。
  20. 前記接合補助部材の表面上に余盛りが形成され、かつ前記余盛りの直径Wが、前記接合補助部材の中空部の直径Pに対し、105%以上となる、請求項1119のいずれか1項に記載の異材溶接継手。
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