JP6456582B2 - 化粧料用組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、トラネキサム酸類と糖を含有する化粧料用組成物、及び当該組成物を配合した化粧料に関し、すぐれた経時安定性を有する上記化粧料用組成物及び当該化粧料用組成物を配合した化粧料に関するものである。
従来、トラネキサム酸類は抗色素沈着作用、プロテアーゼ阻害作用、及び抗プラスミン作用を有することが知られており、肌荒れ改善、ニキビ治療や美白等のための有効成分として様々な化粧品に配合されている(特許文献1〜4)。しかし、トラネキサム酸は日光暴露、高温等の条件下により着色する等の経時安定性に問題があり、これを解決するために、リン酸、サポニン又は4級アミノ基を有する高分子化合物等を併用する技術が提案されている(特許文献5〜7)。
特開平01−093519号 特開平04−210610号 特開平04−169515号 特開平08−053336号 特開平03−279316号 特開平03−279317号 特開2006−045079号
上記特許文献5〜7に示すように、トラネキサム酸の日光暴露や高温条件下における安定性の向上のために、リン酸、サポニン又は4級アミノ基を有する高分子化合物を併用してなる化粧料用組成物については、従来知られていたが、トラネキサム酸と化粧料成分として使用される糖類との併用により着色が生じることは、全く知られていなかった。そして、この着色は、日光を遮断した条件下や、室温条件下でも生じること、又、化粧料には使用感の改善や保湿等の様々な目的で糖類が配合されることから、トラネキサム酸と糖類を含む化粧料用組成物の着色の問題を解決する技術は、化粧料の分野において極めて有用である。
本発明者らは、上記課題を解決すべく研究を重ねた結果、トラネキサム酸類と糖類を含む化粧料用組成物に、さらに、無機酸類又はその塩、有機酸類又はその塩或いはキレート剤等を添加するとトラネキサム酸類と糖類との併用により生じる着色が抑制されることを新たに見出して、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、トラネキサム酸類と糖類を含む組成物に、無機酸類又はそれらの塩、有機酸類又はそれらの塩、ビタミン類又はそれらの誘導体、キレート剤並びに植物、海藻及び動物由来成分から選ばれる一種又は二種以上が配合されていることを特徴とする化粧料用組成物、及び当該組成物を配合してなる化粧料である。ここで、化粧料なる文言は、所謂化粧料のほかに医薬部外品も含む広義で用いる。
本発明によれば、トラネキサム酸類と糖類を含む化粧料用組成物において、さらに、上記特定の第三成分を添加することでトラネキサム酸類と糖類の併用により生じる着色を抑制することができることから、すぐれた経時安定性を有する化粧料用組成物及び当該組成物を含む化粧料を提供することができる。
本発明においてトラネキサム酸類としては、従来から化粧料に使用されているものでよく、例えば、トラネキサム酸以外にもトラネキサム酸塩(ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、カリウム塩、リン酸塩、塩酸塩、硫酸塩、セチル塩等)或いはトラネキサム酸エステル等でもよい。
本発明の組成物において、トラネキサム酸類の含有量としては、トラネキサム酸類に基づく肌荒れ改善や美白効果の観点から、組成物全量に対して、0.001〜30重量部が好ましく、より好ましくは0.01〜10重量部である。
本発明において、糖類とは、グリセリン、グルセルアルデヒド等のトリオース、エリトロース及びトレオース等のテトロース、リボース、アラビノース及びキシロース等のペントース、グルコース、マンノース、フルクトース、ガラクトース及びイドース等のヘキソース、グルコサミン及びガラクトサミン等のアミノ糖等の単糖もしくはその誘導体、及びこれら単糖又はその誘導体の一種又は二種以上を含む二糖、オリゴ糖、多糖、配糖体もしくはそれらの塩又は誘導体、糖脂質等が挙げられ、さらには、グリセリン、エリスリトール、マンニトール、キシリトール等の糖アルコールも挙げられる。さらに、本発明で言う糖類には、上記単糖、二糖、多糖、配糖体、糖アルコール又は糖脂質を含む植物、海藻、又は動物由来成分も含まれる。
上記糖類のうち、上記単糖の誘導体としては、例えば、グルコン酸、グルクロン酸等のウロン酸が挙げられる。また、上記二糖としては、例えば、スクロース、ラクトース、マルトース、トレハロース、セロビオース及びラクトサミン等が挙げられ、上記オリゴ糖としては、例えば、ラフィノース、インマルトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ニゲロオリゴ糖、乳果オリゴ糖及びフラクトオリゴ糖等が挙げられ、上記多糖としては、例えば、デンプン、グルコーゲン、セルロース、キチン、カラギーナン、ヘパリン、ヒアルロン酸、コンドロイチン、ペクチン、アルギン酸、寒天、フコイダン、ローカストビーンガム等の多糖類;グルコシルセラミド、ガラクトシルセラミド、スフィンゴ糖脂質等の糖脂質等が挙げられる。なお、これら二糖、オリゴ糖及び多糖は、それらの塩又は誘導体も含む。また、上記配糖体としては、例えば、アルブチン、サリシン、フロリジン、カテコール配糖体、もしくはレゾルシン配糖体等のフェノール配糖体、エスクリン等のクマリン配糖体、ルチン、ヘスペリジン、ナリンギン等のフラボノイド配糖体、カーサミン等のカルコン配糖体、サポニン、グリチルリチン等のトリテルペン配糖体、ペラルゴニン、シアニン等のアントシアニジン配糖体、及びアスコルビン酸配糖体等が挙げられる。
本組成物におけるトラネキサム酸と上記糖類の配合比は、トラネキサム酸1重量部当たり、0.001〜10重量部であり、より好ましくは、0.01〜5重量部である。
本発明においては、トラネキサム酸と糖類を含む組成物に、さらに第三成分として、無機酸類又はそれらの塩、有機酸類又はそれらの塩、アルコール類、ビタミン類又はそれらの誘導体、キレート剤並びに植物、海藻及び動物由来成分等から選ばれる一種又は二種以上が配合される。
上記無機酸類又はそれらの塩としては、例えば、亜硫酸又はその塩、リン酸又はその塩等が挙げられ、また、有機酸類又はそれらの塩としては、クエン酸又はその塩、リンゴ酸又はその塩、酒石酸又はその塩、シュウ酸又はその塩、乳酸又はその塩、ソルビン酸又はその塩、フマル酸又はその塩、フタル酸又はその塩等が挙げられる。また、アルコール類としては、1,2−ペンタンジオール、1,3−ブチレングリコール及びフェノキシエタノール等のアルコール類が挙げられる。また、ビタミン類としては、ビタミンA、ビタミンB(チアミン、リボフラビン、パントテン酸、ピリドキシン、ナイアシン及び葉酸等が挙げられる)、ビタミンC、ビタミンE(トコフェロール等)、ビタミンK、ビタミンQ等及びそれらの誘導体が挙げられるまた、キレート剤としては、エデト酸又はその塩、エチレンジアミン三酢酸又はその塩、グルコン酸又はその塩、フィチン酸又はその塩、ピロリン酸又はその塩、ポリリン酸又はその塩、メタリン酸又はその塩、及びヒドロキシエタンジホスホン酸又はその塩等が挙げられる。
また、本発明において、上記無機酸塩としては、生理学的な許容可能な無機酸塩(カリウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛等)であればどのような塩であってもよい。例えば、上記亜硫酸塩としては、亜硫酸水素ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウムもしくは亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸水素カルシウム、亜硫酸カルシウム、亜硫酸水素マグネシウム、及び亜硫酸マグネシウム等が挙げられるが、本発明はこれに限るものではない。また、上記リン酸塩も同様に、生理学的に許容可能な塩(カリウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛等)であればどのような塩であってもよい。
また、本発明で用いる有機酸塩としては、生理学的な許容可能な塩(カリウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛等)であればどのような塩であってもよい。例えば、クエン酸塩としては、クエン酸ナトリウム、クエン酸二ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸二カリウム、及びクエン酸三カリウム等が挙げられるが、本発明これに限るものではない。同様に、上記リンゴ酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、乳酸塩、ソルビン酸塩、ピルビン酸塩、フマル酸塩、及びフタル酸塩も同様に、生理学的に許容可能な塩(カリウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛等)であればどのような塩であってもよい。
本発明の組成物におけるトラネキサム酸と上記第三成分の配合比は、トラネキサム酸1重量部当たり、0.005〜10重量部であり、より好ましくは、0.01〜5重量部である。
また、天然物(植物、海藻、動物)由来成分としては、例えば、以下のものが挙げられる。すなわち、例えば、米抽出物、米糠抽出物、ゲンチアナ抽出物、アロエ抽出物、アマモ抽出物、カミツレ抽出物、ソウハクヒ抽出物、サンゴ草抽出物、白芥抽出物、紫蘭根抽出物、ナス抽出物、パウダルコ抽出物、デイリリー抽出物、ニンジン抽出物、緑藻抽出物、褐藻抽出物、紅藻抽出物、モモ抽出物、ヘチマ抽出物、イチジク抽出物、ハス種子抽出物、ハゴロモグサ抽出物、黒豆抽出物、マンゴー抽出物、マンゴスチン抽出物、チャリモヤ抽出物、イチゴ抽出物、ハイビスカス抽出物、ローヤルゼリー抽出物、豆乳抽出物、タケノコ抽出物、ベニバナ抽出物、バンペイユ抽出物、甘草抽出物、甘藷抽出物、リンゴ抽出物、キウイ抽出物、ハトムギ抽出物、シソ抽出物、サンショウ抽出物、イネの葉抽出物、ムラサキシキブ抽出物、ドクダミ抽出物、茶抽出物及びそれらの加水分解物もしくは発酵物が挙げられる。
抽出に用いる植物及び海藻の部位は特に限定はなく、その全草を用いても、又、特定の部位である花、葉、茎、根、種子、果実、萼、果皮、樹皮又は根皮等を用いても良く、植物又は海藻の種類によって適宜有効性の高い部位が使用可能である。
上記植物、海藻由来の抽出物の抽出方法としては、従来の常法を用いることでよく、例えば、溶媒を用いる浸漬法、向流抽出法など適宜の手段により抽出溶媒と接触させることで行うことが可能である。また、超臨界抽出法を用いることでも調製は可能である。
抽出溶媒としては、水;メタノール、エタノール、プロパノールなどの低級アルコール類;オレイルアルコール、ステアリルアルコール、オクチルドデカノールなどの高級アルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、2−エチルヘキシルグリセライドなどのエステル類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;エチルエーテル、イソプロピルエーテルなどのエーテル類;n−ヘキサン、トルエン、クロロホルムなどの炭化水素系溶媒などが挙げられ、それらは単独でもしくは二種以上混合して用いられる。なかでも化粧料への幅広い適用が可能であるという点から、水、低級アルコール類及び多価アルコール類から選ばれた一種の単独溶媒又は二種以上の混合溶媒の使用が好ましい。
混合溶媒を用いる場合の混合比は、例えば水とエチルアルコールとの混合溶媒であれば、容量比(以下同じ)で1:1〜25:1、水とグリセリンとの混合溶媒であれば1:1〜20:1、又水と1,3−ブチレングリコールとの混合溶媒であれば、1:1〜20:1の範囲とすることが好ましい。
本発明の抽出物の調製に際して、抽出液のpHは4〜8の範囲に保持されることが好ましく、かかる意味で、必要ならば上記の抽出溶媒に、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、アルギニンなどのアルカリ性調整剤や、塩酸、酢酸、硫酸などの酸性調整剤等を配合し、所望のpHとなるように調整してもよい。
抽出温度、時間等の抽出条件は、用いる溶媒の種類、抽出方法等によっても異なるが、例えば浸漬法の場合であれば、抽出温度は、4〜90℃の範囲が好ましく、又抽出時間は0.1〜1週間程度が好適である
植物、海藻と上記抽出媒体との混合比は、重量比で一般に1:1〜1:1000の範囲であり、好ましくは1:10〜1:100、より好ましくは1:20〜1:50の範囲である。
また、上記植物、海藻、動物由来の抽出物は加水分解処理しても良く、例えば、酵素により加水分解処理を施す場合、酵素としては、アクチナーゼ、パパイン、キモパパイン、トリプシン、ペプシンなどの蛋白分解酵素、グルコアミラーゼ、α−アミラーゼ、β−アミラーゼなどの澱粉分解酵素、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペクチナーゼなどの繊維素分解酵素、及びリパーゼなどの脂肪分解酵素から選ばれた1種、又はそれらの酵素群からそれぞれ選ばれた1種又は2種以上の酵素を組み合わせて用いることが好ましい。
本発明の組成物のおけるトラネキサム酸と上記天然物由来の抽出物の配合比は、固形分重量比で、トラネキサム酸1重量部に対して、0.0001〜20重量%、好ましくは、0.001〜10重量%である。
本発明の組成物を配合してなる化粧料としては、例えば、乳液、クリーム、ローション、エッセンス、パック、化粧水等の基礎化粧料、口紅、ファンデーション、リキッドファンデーション、メイクアップブレスパウダー等のメイクアップ化粧料、洗顔料、ボディシャンプー、頭髪用シャンプー、石鹸等の洗浄用化粧料、さらには、浴用剤、染毛剤、育毛剤等が挙げられるが、勿論これらに限定されるものではない。
本発明の化粧料には、必須成分の上記組成物のほかに、通常化粧料に用いられる成分、例えば油性成分、界面活性剤(合成系、天然物系)、保湿剤、増粘剤、防腐・殺菌剤、粉体成分、紫外線吸収剤、抗酸化剤、色素、香料等を必要に応じて適宜配合することができる。また、本発明の酵素加水分解物の有効性、特長を損なわない限り、他の生理活性成分と組み合わせて化粧料に配合することも何ら差し支えない。
ここで、油性成分としては、例えばオリーブ油、ホホバ油、ヒマシ油、大豆油、米油、米胚芽油、ヤシ油、パーム油、カカオ油、メドウフォーム油、シアーバター、ティーツリー油、アボガド油、マカデミアナッツ油、植物由来スクワランなどの植物由来の油脂類;ミンク油、タートル油などの動物由来の油脂類;ミツロウ、カルナウバロウ、ライスワックス、ラノリンなどのロウ類;流動パラフィン、ワセリン、パラフィンワックス、スクワランなどの炭化水素類;ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、cis−11−エイコセン酸などの脂肪酸類;ラウリルアルコール、セタノール、ステアリルアルコールなどの高級アルコール類;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、2−エチルヘキシルグリセライド、高級脂肪酸オクチルドデシル(ステアリン酸オクチルドデシル等)などの合成エステル類及び合成トリグリセライド類等が挙げられる。
界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルなどの非イオン界面活性剤;脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン脂肪アミン硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、α−スルホン化脂肪酸アルキルエステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩などのアニオン界面活性剤;第四級アンモニウム塩、第一級〜第三級脂肪アミン塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、2−アルキル−1−アルキル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリニウム塩、N,N−ジアルキルモルフォルニウム塩、ポリエチレンポリアミン脂肪酸アミド塩などのカチオン界面活性剤;N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシメチルアンモニオベタイン、N,N,N−トリアルキル−N−アルキレンアンモニオカルボキシベタイン、N−アシルアミドプロピル−N′,N′−ジメチル−N′−β−ヒドロキシプロピルアンモニオスルホベタインなどの両性界面活性剤等を使用することができる。
また、乳化剤乃至乳化助剤として、酵素処理ステビアなどのステビア誘導体、レシチン及びその誘導体、乳酸菌醗酵米、乳酸菌醗酵発芽米、乳酸菌醗酵穀類(麦類、豆類、雑穀など)を配合することもできる。
保湿剤としては、例えば、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、ピロリドンカルボン酸ナトリウム等があり、乳酸菌醗酵米、ヘパリン及びその誘導体など)、エラスチン及びその誘導体、NMF関連物質、尿素、高級脂肪酸オクチルドデシル、各種アミノ酸及びそれらの誘導体が挙げられる。
増粘剤としては、例えば、キサンタンガム、トラガントガム、グアーガム等のガム類;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸共重合体等の合成高分子類;ポリグルタミン酸及びその誘導体等が挙げられる。
防腐・殺菌剤としては、例えば尿素;パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチルなどのパラオキシ安息香酸エステル類;ジクロロフェン、ヘキサクロロフェン、塩酸クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、サリチル酸、エタノール、ウンデシレン酸、フェノール類、ジャマール(イミダゾデイニールウレア)、各種精油類、樹皮乾留物等がある。
粉体成分としては、例えばセリサイト、酸化チタン、タルク、カオリン、ベントナイト、酸化亜鉛、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、無水ケイ酸、雲母、ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、シルクパウダー、セルロース系パウダー、穀類(米、麦、トウモロコシ、キビなど)のパウダー、豆類(大豆、小豆など)のパウダー等がある。
紫外線吸収剤としては、例えばパラアミノ安息香酸エチル、パラジメチルアミノ安息香酸エチルヘキシル、サリチル酸アミル及びその誘導体、パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル、桂皮酸オクチル、オキシベンゾン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、4−ターシャリーブチル−4−メトキシベンゾイルメタン、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル等がある。
抗酸化剤としては、例えばブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル等がある。
生理活性成分としては、例えば美白成分として、t−シクロアミノ酸誘導体、コウジ酸及びその誘導体、アスコルビン酸又はその誘導体、エラグ酸及びその誘導体、レゾルシノール誘導体、4−メトキシサリチル酸又はその塩、マグノリグナン(5,5'−ジプロピル−ビフェニル−2,2’−ジオール)、4−HPB(ロドデノール、4−(4−ヒドロキシフェニル)−4−ブタノール))、AMP(アデノシンモノホスフェイト、アデノシン1リン酸)、胎盤抽出液、ニコチン酸及びその誘導体、乳酸菌醗酵米、乳酸菌醗酵発芽米、乳酸菌醗酵穀類(麦類、豆類、雑穀類)、パンダヌス・アマリリフォリウス(Pandanus amaryllifolius Roxb.)抽出物、アルカンジェリシア・フラバ(Arcangelicia flava Merrilli)抽出物、リノール酸及びその誘導体もしくは加工物(例えばリポソーム化リノール酸など)、2,5−ジヒドロキシ安息香酸誘導体等が、又皮膚老化防止・美肌化成分として、動物又は魚由来のコラーゲン及びその誘導体、エラスチン及びその誘導体、t−シクロアミノ酸誘導体、アラントイン、α−ヒドロキシ酸類、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸、サリチル酸又はその誘導体等が挙げられる。
上記のコウジ酸誘導体としては、例えばコウジ酸モノブチレート、コウジ酸モノカプレート、コウジ酸モノパルミテート、コウジ酸ジブチレートなどのコウジ酸エステル類、コウジ酸エーテル類、コウジ酸グルコシドなどのコウジ酸糖誘導体等が、アスコルビン酸誘導体としては、例えばL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム、L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステルナトリウム、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステルマグネシウムなどのアスコルビン酸エステル塩類などのアスコルビン酸誘導体、それらアスコルビン酸糖誘導体の6位アシル化物(アシル基は、ヘキサノイル基、オクタノイル基、デカノイル基など)、L−アスコルビン酸テトライソパルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸テトララウリン酸エステルなどのL−アスコルビン酸テトラ脂肪酸エステル類、3−O−エチルアスコルビン酸、L−アスコルビン酸−2−リン酸−6−O−パルミテートナトリウム等が、レゾルシノール誘導体としては、例えば4−n−ブチルレゾルシノール、4−イソアミルレゾルシノール等が、2,5−ジヒドロキシ安息香酸誘導体としては、例えば2,5−ジアセトキシ安息香酸、2−アセトキシ−5−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ−5−プロピオニルオキシ安息香酸等が、ニコチン酸誘導体としては、例えばニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル等がある。
以下、具体例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、これらは本発明の技術的範囲を何ら限定するものではない。なお、以下の実施例、試験例、処方例における各成分の量は重量%である。
(実施例1〜12)
下記表1に示す組成を有する組成物を調製した。
[表1]
(実施例13〜24)
表1に示す実施例1〜12の組成物において、ピロ亜硫酸ナトリウム(0.1重量%)に代えてクエン酸(0.1重量%)を用いる他は、実施例1〜12と同様の組成で組成物(実施例13〜24)を調製した。
(実施例25〜36)
表1に示す実施例1〜12の組成物において、ピロ亜硫酸ナトリウムに代えてリンゴ酸(0.07重量%)を用いる他は、実施例1〜12と同様の組成で組成物(実施例25〜36)を調製した。
(実施例37〜48)
表1に示す実施例1〜12の組成物において、ピロ亜硫酸ナトリウムに代えて酒石酸(0.07重量%)を用いる他は、実施例1〜12と同様の組成で組成物(実施例37〜48)を調製した。
(実施例49〜60)
表1に示す実施例1〜12の組成物において、ピロ亜硫酸ナトリウムに代えてエデト酸二ナトリウム(0.4重量%)を用いる他は、実施例1〜12と同様の組成で組成物(実施例49〜60)を調製した。
(実施例61〜72)
表1に示す実施例1〜12の組成物において、ピロ亜硫酸ナトリウムに代えて塩酸ピリドキシン(0.1重量%)を用いる他は、実施例1〜12と同様の組成で組成物(実施例61〜72)を調製した。
(実施例73〜84)
表1に示す実施例1〜12の組成物において、ピロ亜硫酸ナトリウムに代えてパントテン酸(0.1重量%)を用いる他は、実施例1〜12と同様の組成で組成物(実施例73〜84)を調製した。
(実施例85〜96)
表1に示す実施例1〜12の組成物において、ピロ亜硫酸ナトリウムに代えて1,2−ペンタンジオール(2.0重量%)を用いる他は、実施例1〜12と同様の組成で組成物(実施例85〜96)を調製した。
(実施例97〜108)
表1に示す実施例1〜12の組成物において、ピロ亜硫酸ナトリウムに代えてフェノキシエタノール(0.5重量%)を用いる他は、実施例1〜12と同様の組成で組成物(実施例97〜108)を調製した。
(実施例109〜120)
表1に示す実施例1〜12の組成物において、ピロ亜硫酸ナトリウムに代えて米抽出物の加水分解物を用いる他は、実施例1〜12と同様の組成で組成物(実施例109〜120)を調製した。ここで、米抽出物の加水分解物は、以下のようにして調製した。すなわち、精白米1000gに0.025M水酸化ナトリウム溶液1250gを加え、室温で17〜21時間撹拌した。ろ過によって固形物を除去し、抽出液のpHを7.5に調整した後、パパイン0.02%及びアクチナーゼ0.02%を加え40℃で2時間加水分解を行った。酵素を加熱失活させた後、この液をろ過して米抽出物加水分解液600gを得た。(固形分濃度:1.6%)
(実施例121〜132)
表1に示す実施例1〜12の組成物において、ピロ亜硫酸ナトリウムに代えて米糠抽出物の加水分解物を用いる他は、実施例1〜12と同様の組成で組成物(実施例121〜132)を調製した。ここで、米糠抽出物の加水分解物は、以下のようにして調製した。すなわち、米糠400gに精製水1200g及び乳酸12gを加えて充分練合した後、室温にて24時間抽出した。次に固形物を圧搾して抽出液を採取し、ろ過して清澄化した後、pHを5.5に調整した。この液に0.02%のパパインを添加し、60℃で3時間加水分解を行った。酵素を加熱失活させた後、pHを8.5に調整し、冷温下で保管して不溶物を析出させた。生じた不溶物をろ過によって除去し、ろ液を乳酸でpH6.5に調整した。この液に0.8%の活性炭を加えて1時間撹拌した後、活性炭をろ過によって除去した。得られた液の成分濃度を調整し、米糠抽出物加水分解液800gを得た(固形分濃度:4.5%)。
(実施例133〜144)
表1に示す実施例1〜12の組成物において、ピロ亜硫酸ナトリウムに代えてゲンチアナ抽出物を用いる他は、実施例1〜12と同様の組成に組成物(実施例133〜144)を調製した。ここで、ゲンチアナ抽出物は、以下のようにして調製した。ゲンチアナ根の乾燥物を細切し、その細切物100gを精製水/エタノール混液(80/20用量比)1000部に浸漬し、20℃で3日間抽出した後、メンブランフィルターでろ過してゲンチアナ抽出物溶液652gを得た(固形分濃度2.2%)。
処方例1.乳液
配合成分 部
トラネキサム酸 2.0
アスコルビン酸−2−グルコシド 2.0
流動パラフィン 6.0
ヘキサラン 4.0
ホホバ油 1.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 2.0
大豆レシチン 1.5
メチルパラベン 0.15
エチルパラベン 0.03
グリセリン 3.0
カルボキシメチルセルロース 0.3
ピロ亜硫酸ナトリウム 0.1
香料 適量
精製水 全量が100部となる量
処方例2.乳液
上記処方例1のアスコルビン酸−2−グルコシドに代えて、グルコース(2.0重量部)を用いるほかは処方例1と同様の配合成分により乳液を得た。
処方例3.乳液
上記処方例1のアスコルビン酸−2−グルコシドに代えて、フルクトース(2.0重量部)を用いるほかは処方例1と同様の配合成分により乳液を得た。
処方例4.乳液
上記処方例1のアスコルビン酸−2−グルコシドに代えて、ガラクトース(2.0重量部)を用いるほかは処方例1と同様の配合成分により乳液を得た。
処方例5.乳液
上記処方例1のアスコルビン酸−2−グルコシドに代えて、グルコサミン(2.0重量部)を用いるほかは処方例1と同様の配合成分により乳液を得た。
処方例6.乳液
上記処方例1のアスコルビン酸−2−グルコシドに代えて、カラギーナン(2.0重量部)を用いるほかは処方例1と同様の配合成分により乳液を得た。
処方例7.乳液
上記処方例1のアスコルビン酸−2−グルコシドに代えて、グルコマンナン(2.0重量部)を用いるほかは処方例1と同様の配合成分により乳液を得た。
処方例8.乳液
上記処方例1のアスコルビン酸−2−グルコシドに代えて、コンドロイチン硫酸(0.2重量部)を用いるほかは処方例1と同様の配合成分により乳液を得た。
処方例9.乳液
上記処方例1のアスコルビン酸−2−グルコシドに代えて、アルブチン(1.0重量部)を用いるほかは処方例1と同様の配合成分により乳液を得た。
処方例10.乳液
上記処方例1のアスコルビン酸−2−グルコシドに代えて、グリチルリチン酸ジカリウム(0.2重量部)を用いるほかは処方例1と同様の配合成分により乳液を得た。
処方例11.乳液
上記処方例1のアスコルビン酸−2−グルコシドに代えて、グルコシルセラミド(2.0重量部)を用いるほかは処方例1と同様の配合成分により乳液を得た。
処方例12.乳液
上記処方例1のアスコルビン酸−2−グルコシドに代えて、ヒアルロン酸(0.2重量部)を用いるほかは処方例1と同様の配合成分により乳液を得た。
処方例13.乳液
上記処方例1のアスコルビン酸−2−グルコシドに代えて、エリスリトール(2.0重量部)を用いるほかは処方例1と同様の配合成分により乳液を得た。
処方例14.化粧水
配合成分 部
オリーブ油 1.0
ポリオキシエチレン(5.5)セチルアルコール 5.0
ブチルパラベン 0.1
トラネキサム酸 2.0
アスコルビン酸‐2−グルコシド 1.0
エタノール 5.0
グリセリン 5.0
メチルパラベン 0.1
ピロ亜硫酸ナトリウム 0.1
1,3−ブチレングルコール 3.0
水酸化カリウム 適量
香料 適量
精製水 全量が100部となる量
処方例15.化粧水
上記処方例14のピロ亜硫酸ナトリウムに代えて、クエン酸(0.07重量部)を用いるほかは処方例14と同様の配合成分により化粧水を得た。
処方例16.化粧水
上記処方例14のピロ亜硫酸ナトリウムに代えて、リンゴ酸(0.07重量%)を用いるほかは処方例14と同様の配合成分により化粧水を得た。
処方例17.化粧水
上記処方例14のピロ亜硫酸ナトリウムに代えて、エデト酸二ナトリウム(0.4重量%)を用いるほかは処方例14と同様の配合成分により化粧水を得た。
処方例18.化粧水
上記処方例14のピロ亜硫酸ナトリウムに代えて、1,2−ペンタンジオール(2.0重量%)を用いるほかは処方例14と同様の配合成分により化粧水を得た。
処方例19.化粧水
上記処方例14のピロ亜硫酸ナトリウムに代えて、フェノキシエタノール(0.5重量%)を用いるほかは処方例14と同様の配合成分により化粧水を得た。
処方例20.化粧水
上記処方例14のピロ亜硫酸ナトリウムに代えて、塩酸ピリドキシン(0.1重量%)を用いるほかは処方例14と同様の配合成分により化粧水を得た。
処方例21.化粧水
上記処方例14のピロ亜硫酸ナトリウムに代えて、パントテン酸(0.1重量%)を用いるほかは処方例14と同様の配合成分により化粧水を得た。
処方例22.化粧水
上記処方例14のピロ亜硫酸ナトリウムに代えて、米抽出物の加水分解物(1.0重量%)を用いるほかは処方例14と同様の配合成分により化粧水を得た。
処方例23.化粧水
上記処方例14のピロ亜硫酸ナトリウムに代えて、米糠抽出物の加水分解物(1.0重量%)を用いるほかは処方例14と同様の配合成分により化粧水を得た。
処方例24.化粧水
上記処方例14のピロ亜硫酸ナトリウムに代えて、ゲンチアナ抽出物(1.0重量%)を用いるほかは処方例14と同様の配合成分により化粧水を得た。
処方例25.化粧水
上記処方例14のピロ亜硫酸ナトリウムに代えて、酒石酸(0.1重量%)を用いるほかは処方例14と同様の配合成分により化粧水を得た。
処方例26.化粧水
上記処方例14のピロ亜硫酸ナトリウムに代えて、乳酸(0.1重量%)を用いるほかは処方例14と同様の配合成分により化粧水を得た。
処方例27.ボディシャンプー
配合成分 部
トラネキサム酸 2.0
ヒアルロン酸ナトリウム 1.0
N−ラウロイルメチルアラニンナトリウム 25.0
ヤシ油脂肪酸カリウム液(40%) 26.0
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 3.0
メチルパラベン 0.1
ピロ亜硫酸ナトリウム 0.1
1,3−ブチレングリコール
精製水 全量が100部となる量
試験例1.経時安定性試験
本試験では、トラネキサム酸の着色抑制の効果を評価した。まず、実施例1の組成物に含まれる成分(10重量%のトラネキサム酸溶液40μLと、0.5重量%のピロ亜硫酸ナトリウム水溶液40μLと、10重量%のグルコース水溶液40μL)と、PBS(−)溶液80μLを混合、攪拌して試料溶液を調製した。次に、試料溶液を室温で14日間静置し、14日後、試料溶液について、吸光度(波長405nm:マイクロプレートリーダー(Model
450、バイオラッド社製))を測定した。また、実施例1の組成物中のピロ亜硫酸ナトリウムに代えて精製水を用いた試料無添加(コントロール)の場合について同様の操作を行い、ここで得られた吸光度に対する試料溶液の吸光度の相対値(%)を求め、着色率(%)とした。
試験例2〜60.経時安定性試験
実施例2〜60の各組成物についても同様の方法により経時安定性の試験を行った、ここで、試験例2〜60に用いる試料溶液中の各成分の配合比は、実施例2〜60の組成物に含まれる各成分の重量比と同一となるように調製した。
試験例1〜60の結果を、表2に示す。
[表2]
表2に示すように、無機酸塩としてのピロ亜硫酸ナトリウム、有機酸としてのクエン酸、リンゴ酸、酒石酸、及びキレート剤としてのエデト酸二ナトリウムは、いずれも、トラネキサム酸と単糖類(グルコース、フルクトース、ガラクトース、リボース又はグルコサミン)との併用による着色に対して、格段にすぐれた抑制効果を奏することが明らかとなった。さらに、上記単糖類を含む多糖(カラギーナン、グルコマンナン、コンドロイチン硫酸)、配糖体(アスコルビン酸誘導体(アスコルビン酸−2−グルコシド)、ハイドロキノン配糖体(アルブチン)、グリチルリチンジカリウム)、或いはグルコシルセラミドとの併用による着色に対して、格段にすぐれた抑制効果を奏することが明らかとなった。
また、表2に示す糖類だけでなく、例えば、エリスリトール、マンニトール、ヒアルロン酸又はその塩、アルギン酸、グリチルリチン酸、デンプン等の糖類とトラネキサム酸との併用による着色に対しても、ピロ亜硫酸ナトリウム、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、及びエデト酸二ナトリウムは、格段にすぐれた抑制効果を奏することも確認された。
また、表2に示す無機酸塩、有機酸、キレート剤以外に、例えば、無機酸塩として亜硫酸ナトリウム、リン酸塩、有機酸又はその塩としてクエン酸、リンゴ酸及び酒石酸の塩、並びに、乳酸、ソルビン酸、フマル酸、フタル酸又はそれらの塩、又キレート剤としてエチレンジアミン三酢酸、グルコン酸、フィチン酸、ピロリン酸、ポリリン酸又はそれらの塩等も、上記糖類とトラネキサム酸との併用による着色に対して、格段にすぐれた抑制効果を奏することも確認された。
試験例61.経時安定性試験
本試験では、トラネキサム酸の着色抑制の効果を評価した。まず、実施例61の組成物に含まれる成分(10重量%のトラネキサム酸溶液40μLと、0.5重量%の塩酸ピリドキシン40μLと、10重量%のグルコース水溶液40μL)と、PBS(−)溶液80μLを混合、攪拌して試料溶液を調製した。次に、試料溶液を室温で14日間静置し、14日後、試料溶液について、吸光度(波長405nm:マイクロプレートリーダー(Model
450、バイオラッド社製))を測定した。また、実施例61の組成物中の塩酸ピリドキシン溶液に代えて精製水を用いた試料無添加(コントロール)の場合について同様の操作を行い、ここで得られた吸光度に対する試料溶液の吸光度の相対値(%)を求め、着色率(%)とした。
試験例62〜108.経時安定性試験
実施例62〜108の各組成物についても同様の方法より経時安定性の試験を行った、ここで、試験例62〜108に用いる試料溶液中の各成分の配合比は、実施例62〜108の組成物に含まれる各成分の重量比と同一となるように調製した。
試験例62〜108の結果を、表3に示す。
[表3]
表3に示すように、ビタミン類としての塩酸ピリドキシン及びパントテン酸、並びにアルコール類としての1,2−ペンタンジオール及びフェノキシエタノールも、トラネキサム酸と単糖類(グルコース、フルクトース、ガラクトース、リボース又はグルコサミン)との併用による着色に対して、格段にすぐれた抑制効果を奏することが明らかとなった。さらに、上記単糖類を含む多糖(カラギーナン、グルコマンナン、コンドロイチン硫酸)、配糖体(アスコルビン酸誘導体(アスコルビン酸−2−グルコシド)、ハイドロキノン配糖体(アルブチン)、グリチルリチンジカリウム、或いはグルコシルセラミドとの併用による着色に対しても、格段にすぐれた抑制効果を奏することが明らかとなった。
また、表3に示す糖類だけでなく、例えば、エリスリトール、ヒアルロン酸又はその塩、アルギン酸、グリチルリチン酸、デンプン等の糖類とトラネキサム酸との併用による着色に対しても、塩酸ピリドキシン及びパントテン酸、並びに1,2−ペンタンジオール及びフェノキシエタノールは、格段にすぐれた抑制効果を奏することも確認された。
また、表3に示すビタミン類だけでなく、ナイアシン、葉酸、トコフェロール誘導体、ビタミンA誘導体等も同様に、上記糖類とトラネキサム酸との併用による着色に対して、格段にすぐれた抑制効果を奏することも確認された。
試験例109.経時安定性試験
本試験では、実施例109の組成物に含まれる成分(10重量%のトラネキサム酸溶液40μLと、5.0重量%の米抽出物の加水分解物40μLと、10重量%のグルコース水溶液40μL)と、PBS(−)溶液80μLを混合、攪拌して試料溶液を調製した。次に、試料溶液を50℃で14日間静置し、14日後、試料溶液について、吸光度(波長405nm:マイクロプレートリーダー(Model
450、バイオラッド社製))を測定した。また、上記米抽出物の加水分解物に代えて精製水を用いた試料無添加(コントロール)の場合について同様の操作を行い、ここで得られた吸光度に対する試料溶液の吸光度の相対値(%)を求め、着色率(%)とした。
試験例110〜144
実施例110〜144の各組成物についても同様の方法により経時安定性の試験を行った、ここで、試験例110〜144に用いる試料溶液中の各成分の配合比は、実施例110〜144の組成物に含まれる各成分の重量比と同一となるように調製した。
試験例109〜144の結果を表4に示す。
[表4]
表4に示すように、米抽出物の加水分解物、米糠抽出物の加水分解物、ゲンチアナ抽出物は、いずれも、トラネキサム酸と単糖類(グルコース、フルクトース、ガラクトース、リボース又はグルコサミン)との併用による着色に対して、格段にすぐれた抑制効果を奏することが明らかとなった。さらに、上記単糖類を含む多糖(カラギーナン、グルコマンナン、コンドロイチン硫酸)、配糖体(アスコルビン酸誘導体(アスコルビン酸−2−グルコシド)、ハイドロキノン配糖体(アルブチン)、グリチルリチンジカリウム)、或いはグルコシルセラミドとの併用による着色に対して、格段にすぐれた抑制効果を奏することが明らかとなった。
また、表4に示す糖類だけでなく、例えば、エリスリトール、ヒアルロン酸又はその塩、アルギン酸、デンプン等の糖類とトラネキサム酸との併用による着色に対しても、米抽出物の加水分解物、米糠抽出物の加水分解物、及びゲンチアナ抽出物は、格段にすぐれた抑制効果を奏することも確認された。
また、表4に示す植物抽出物だけでなく、アロエ抽出物、アマモ抽出物、カミツレ抽出物、ソウハクヒ抽出物、サンゴ草抽出物、白芥抽出物、紫蘭根抽出物、ナス抽出物、パウダルコ抽出物、デイリリー抽出物、ニンジン抽出物、緑藻抽出物、褐藻抽出物、紅藻抽出物、モモ抽出物、ヘチマ抽出物、イチジク抽出物、ハス種子抽出物、ハゴロモグサ抽出物、黒豆抽出物、マンゴー抽出物、マンゴスチン抽出物、チャリモヤ抽出物、イチゴ抽出物、ハス抽出物、ハイビスカス抽出物、ローヤルゼリー抽出物、豆乳抽出物、タケノコ抽出物、ベニバナ抽出物、バンペイユ抽出物、甘草抽出物、甘藷抽出物、リンゴ抽出物、キウイ抽出物、ハトムギ抽出物、シソ抽出物、サンショウ抽出物、イネの葉抽出物、ムラサキシキブ抽出物、ドクダミ抽出物、茶抽出物又はそれらの加水分解物もしくは発酵物等の天然物由来成分も、上記糖類とトラネキサム酸との併用による着色に対して、格段にすぐれた抑制効果を奏することも確認された。
以上の本発明に係る組成物によれば、トラネキサム酸と糖類との併用により生じる着色を抑制し、経時安定性にすぐれた組成物を提供することが可能になり、化粧品、医薬部外品等用の組成物として、有用である。

Claims (1)

  1. トラネキサム酸類と、グルコース、フルクトース、ガラクトース、リボース、グルコサミン、カラギーナン、グルコマンナン、コンドロイチン硫酸、アスコルビン酸‐2‐グルコシド、アルブチン、グリチルリチン酸ジカリウム、及びグルコシルセラミドよりなる群から選ばれる一種又は二種以上を含む組成物の着色を抑制するための組成物であって、1,2−ペンタンジオールフェノキシエタノールパントテン酸塩酸ピリドキシン及びゲンチアナ抽出物から選ばれる一種又は二種以上を含有し、その配合量がトラネキサム酸類1重量部当たり0.005〜10重量部である、組成物。
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