JP6454063B2 - 電動自転車 - Google Patents

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Description

この発明は、ライトを備えた電動自転車に関する。
特許文献1などに、走行中の点灯必要時にライトの自動点消灯を可能にした電動自転車が知られている。このようにライトを自動的に点灯/消灯状態を切り替えるオートライト状態は、運転者が手動で点灯および消灯を切り替えるわずらわしさがなく、利便性が高められている。また、必要なときのみ点灯することにより、バッテリのいたずらな消費が抑えられている。
特開平9−58562号公報
手動でライトの点消灯を切り替えられる状態(マニュアルライト状態と呼ぶ)と、特許文献1に記載のようなオートライト状態と、を切り替える入力手段が搭載された電動自転車が知られている。図4は、このような入力手段によりアシスト状態とライトの状態が遷移する状態遷移図を示している。
図4に示したような電動自転車は、オートライト状態では点灯しないほどの明るさであっても点灯したい場合など、ユーザの使い方に合せてライトの点灯状態を切り替えることができ、利便性が高められている。また、オートライト状態では周囲が明るいときにライトが消灯するので、省電力性も高められている。
ところで、夜間走行時にライトを点灯させ、かつ、アシスト有の状態にすると、バッテリの消耗が激しくなる。バッテリが電動モータとライトの両方に電力を供給するためである。そこで、夜間走行時にバッテリの残量が少ないことに運転者が気づいたときなど、夜間走行時においてバッテリの消耗を抑えたい場合がある。
しかし、図4のように状態を遷移させると、アシスト有かつライト点灯状態から、ライトを点灯させ続けたまま、アシスト無の状態に切り替えることができない。すなわち、夜間走行時にバッテリの消費を抑えたいときに、すぐに切り替えることができず、利便性およびバッテリの省電力性に改善の余地があった。
そこで本発明は、利便性と省電力性に優れた電動自転車を提供することを目的とする。
本発明に係る電動自転車は、
バッテリと、
前記バッテリを電源として補助動力を発生させる電動モータと、
前記バッテリを電源として点灯するライトと、
明暗検出センサと、を備え、
前記明暗検出センサの出力に応じて自動的に前記ライトの点灯状態を制御するオートライト状態から、操作子の操作によって前記ライトの点灯消灯を切り替えるマニュアルライト状態に遷移させる第一の入力手段と、
前記オートライト状態において、前記電動モータの補助動力を発生させるアシスト有状態から前記電動モータの補助動力を発生させないアシスト無状態に切り替える第二の入力手段を備えている。
本発明に係る電動自転車によれば、オートライト状態とマニュアルライト状態とを切り替えることができるので、利便性が高い。また、ライトを自動的に点消灯させるオートライト状態を用いることができるので、省電力性が高い。さらに、第二の入力手段により、オートライト状態においてアシスト有状態からすぐにアシスト無状態にすることができるので利便性が高められている。
上記本発明において、
前記オートライト状態において、前記アシスト無状態から前記アシスト有状態にする第三の入力手段を備えてもよい。
第三の入力手段により、オートライト状態においてアシスト無状態からアシスト有状態とすることもでき、すぐに電動モータから補助力を得ることができるので、利便性が高い。
上記本発明において、前記オートライト状態かつ前記アシスト無状態から、前記バッテリから前記電動モータおよび前記ライトへの給電を停止する第四の入力手段を備えてもよい。
第四の入力手段により、オートライト状態かつアシスト無状態からすぐにバッテリからの給電を停止できるので、利便性が高い。
上記本発明において、前記第四の入力手段は、前記オートライト状態かつアシスト有状態からも前記バッテリから前記電動モータおよび前記ライトへの給電を停止させてもよい。
同じ第四の入力手段を使ってバッテリからの給電を停止させるので、運転者にとってわかりやすく、利便性がさらに高められている。
上記本発明において、前記アシスト無状態において、前記明暗検出センサの出力によらずに前記ライトの点灯状態および消灯状態を固定する点消灯固定状態にする、第五の入力手段を備えてもよい。
第五の入力手段により、ライトの点灯状態を固定できるので、利便性が高い。また、運転者自身が判断してライトの点灯消灯状態を固定できるので、バッテリの消費を抑えることができる。
上記本発明において、前記アシスト無状態で前記点消灯固定状態において、前記ライトの点灯状態および消灯状態を互いに切り替える第六の入力手段を備えてもよい。
第六の入力手段により、運転者の意図によってライトの点灯状態を切り替えることができるので、利便性が高い。
上記本発明において、前記オートライト状態において、前記アシスト無状態から前記アシスト有状態に切り替える第三の入力手段と、
前記オートライト状態かつ前記アシスト無状態から、前記バッテリから前記電動モータおよび前記ライトへの給電を停止する第四の入力手段と、
前記アシスト無状態において、前記明暗検出センサの出力によらずに前記ライトの点灯状態および消灯状態を固定する点消灯固定状態にする、第五の入力手段と、
前記アシスト無状態で前記点消灯固定状態において、前記ライトの点灯状態および消灯状態を互いに切り替える第六の入力手段と、を備え、
前記第二の入力手段および前記第三の入力手段は、前記第四の入力手段、前記第五の入力手段、前記第六の入力手段とは異なる入力手段であってもよい。
それぞれの状態を切り替える機能ごとに異なる入力手段を設ければ、運転者にとってわかりやすく、利便性が高い。
上記本発明において、前記オートライト状態において、前記アシスト無状態から前記アシスト有状態に切り替える第三の入力手段を備え、
前記第二の入力手段および前記第三の入力手段は、同一の入力手段であってもよい。
アシスト有状態からアシスト無状態への切替およびアシスト無からアシスト有への切替という、アシスト状態の切替を、同一の入力手段で実現することにより、運転者にとってわかりやすく、利便性が高められている。
本発明の一実施形態である電動自転車の右側面図である。 図1の電動自転車のブロック図である。 図1の電動自転車のアシスト状態およびライトの状態の状態遷移図である。 参考例に係る電動自転車のアシスト状態およびライトの状態の状態遷移図である。 本発明の変形例に係る電動自転車のアシスト状態およびライトの状態の状態遷移図である。
以下、本発明の各実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、各図中の構成部材の寸法は、実際の構成部材の寸法及び各構成部材の寸法比率等を忠実に表したものではない。
以下の説明において、前方、後方、左方及び右方は、ハンドル23を握りつつ電動自転車のシート24に着座した運転者から見た前方、後方、左方及び右方を意味する。
(電動自転車の全体構成)
図1に、実施形態に係る電動自転車の概略構成を示す。
この電動自転車は、運転者がペダル33,34を踏み込むことにより得られるペダル踏力を、電動モータ60から出力される補助力によってアシストする。
図1に示すように、電動自転車は、前後方向に延びる車体フレーム11を有する。また、電動自転車は、前輪21、後輪22、ハンドル23、シート24及び駆動ユニット40を有する。
車体フレーム11は、ヘッドパイプ12、ダウンフレーム13、シートフレーム14、一対のチェーンステイ16及び一対のシートステイ17を有する。ヘッドパイプ12は、電動自転車の前部に配置される。ヘッドパイプ12には、後方に延びるダウンフレーム13の前方側が接続されている。シートフレーム14は、ダウンフレーム13の後方側に接続されていて、該ダウンフレーム13の後端部から上方且つ斜め後方に向かって延びている。
ヘッドパイプ12には、ハンドルステム25が回転自在に挿入されている。ハンドルステム25の上端部には、ハンドル23が固定される。ハンドルステム25の下端部には、フロントフォーク26が固定される。フロントフォーク26の下端部には、前輪21が車軸27によって回転可能に支持されている。
円筒状のシートフレーム14の内方には、シートパイプ28が挿入されている。シートパイプ28の上端部には、シート24が設けられている。
一対のチェーンステイ16は、後輪22を左右から挟むように設けられている。一対のチェーンステイ16は、ダウンフレーム13の後方側から後輪22の回転中心に向かって延びている。一対のシートステイ17は、シートフレーム14の上部から後輪22の回転中心に向かって延びている。チェーンステイ16およびシートステイ17の後端部には、後輪22が車軸29によって回転可能に支持されている。
シートフレーム14の後方には、後述する駆動ユニット40の電動モータ60に電力を供給するためのバッテリ35が配置されている。バッテリ35は、図示しない充放電可能な充電池および電池制御部を有する。電池制御部は、充電池の充放電を制御するとともに、その出力電流及び残容量等を監視する。
駆動ユニット40は、クランク軸41、駆動スプロケット42、従動スプロケット45、チェーン46および電動モータ60を備えている。
クランク軸41は、シートフレーム14の下部に回転可能に設けられている。クランク軸41は左右方向に延びるように設けられている。クランク軸41の両端部にはクランクアーム31,32が取り付けられている。クランクアーム31,32の先端には、ペダル33,34が回転可能に取り付けられている。
駆動スプロケット42は、クランク軸41の一方側に取り付けられている。この駆動スプロケット42はクランク軸41とともに回転する。従動スプロケット45は、後輪22の車軸29と同軸に設けられている。従動スプロケット45は、図示せぬ一方向クラッチを介して後輪22に連結される。
無端状のチェーン46は、駆動スプロケット42と従動スプロケット45とに掛け渡されている。これにより、運転者がペダル33,34を踏み込むと、駆動スプロケット42が回転する。さらに駆動スプロケット42の回転はチェーン46を介して従動スプロケット45に伝達され、後輪22が駆動される。
電動モータ60はクランク軸41の近傍で車体フレーム11に固定されている。電動モータ60の出力軸には補助スプロケット44が設けられている。電動モータ60にはバッテリ35から電力が供給される。電動モータ60に電力を供給すると電動モータ60を回転させることができる。電動モータ60の回転は、補助スプロケット44を介してチェーン46に伝達される。このように、電動モータ60に電力を供給すると、電動モータ60には補助力としての駆動力が生じる。この補助力はチェーン61を介して後輪22に伝達される。
ハンドルステム25には、ライト70が固定されている。このライト70は、車両前方に光を照射する前照灯である。このライト70には、バッテリ35から電力が供給される。また、フロントフォーク26には明暗検出センサ80が設けられている。明暗検出センサ80は、車両周囲の明るさが特定の閾値以上の明るさの時と、車両周囲の明るさが特定の閾値未満の明るさ時とで、異なる信号を出力する。
(制御装置)
電動自転車は、制御装置150を備えている。制御装置150もバッテリ35から供給される電力により作動する。図2は、制御装置150のブロック図である。図3は、本実施形態に係る電動自転車のアシスト状態およびライト70の状態遷移図である。
図2に示すように、制御装置150には、明暗検出センサ80、電源ボタン151、ライトボタン152およびアシスト切替スイッチ153の出力が入力される。制御装置150は、ライト70および電動モータ60の動作を制御する。また、制御装置150は、表示部154、制御部155を備えている。
電源ボタン151とライトボタン152はプッシュスイッチであり、ボタンを押すたびに異なる信号を制御部155に入力し、各種状態を切り替える。アシスト切替スイッチ153はスライドスイッチである。これら電源ボタン151、ライトボタン152、アシスト切替スイッチ153は、表示部154とともにハンドル23に設けられている。
表示部154は、現在車両に設定されているアシスト状態およびライト70の状態を表示し、運転者にその状態を通知する。表示部154は、例えば液晶表示パネルなどで構成することができる。
制御部155は、次に説明するように各種状態を遷移させるプログラムを格納したメモリと、該プログラムを実行するCPUと、を備えている。制御部155への給電が絶たれると、電動モータ60およびライト70への給電も停止する。なお、バッテリ35から出力される電力は、制御部155を介して電動モータ60およびライト70へ供給される。
本実施形態に係る電動自転車によれば、図3に示したようにアシスト状態およびライト70の状態を遷移させることができる。図3の説明の前に、アシスト状態およびライト70の状態について説明する。
アシスト状態とは、電動モータ60で生じさせた補助力を駆動輪である後輪22に伝達するか否か、およびその強度を表す状態である。
アシスト無状態とは、電動モータ60で発生する補助力が後輪22へ伝達されない状態である。つまり、運転者がペダル33を踏み込む力のみによって、後輪22が駆動される状態である。
アシスト有状態とは、電動モータ60で生じさせた補助力が後輪22へ伝達されている状態である。つまり、運転者がペダル33を踏み込む力に加えて、電動モータ60からの補助力によって、後輪22が駆動される状態である。
本実施形態においては、アシスト有状態において、電動モータ60の補助力は、運転者のペダル33を踏む力に係数(アシスト比率)kを乗じた値で出力される。スライダスイッチであるアシスト切替スイッチ153の選択された位置に応じて、この係数kが大きいアシスト強状態、係数kが中程度のアシスト中状態、係数kが小さいアシスト小状態、係数kが0のアシスト無状態を切り替えることができる。
ライト70の状態とは、ライト70が点灯しているライト点灯状態と、ライト70が消灯しているライト消灯状態を含む。また、ライト70の状態とは、明暗検出センサの出力に応じてライト点灯状態とライト消灯状態とを自動的に切り替えるオートライト状態と、運転者の意思によってライト点灯状態とライト消灯状態とを切り替えるマニュアルライト状態と、を含む。より正確には、本実施形態に係る電動自転車においては、オートライト状態でライト点灯とライト消灯状態があり、マニュアルライト状態でライト点灯状態とライト消灯状態とがある。本実施形態では、マニュアルライト状態でライトの点灯状態と消灯状態とを切替える操作子はライトスイッチ152である。
<状態遷移の説明>
次に、図3に基づいて、本実施形態にかかる電動自転車のアシスト状態およびライト70の状態の変化を説明する。
まず、電動自転車本体にバッテリ35が接続されると、制御装置150は初期状態となる。この初期状態とは、バッテリ35から制御装置150に電力が供給され、かつ、電源ボタン151、ライトボタン152およびアシスト切替スイッチ153が操作されていない状態である。この初期状態は、電源ボタン151の押下のみを受け付ける待機状態であり、最も消費電力が少ない。また、この初期状態では、バッテリ35から電動モータ60およびライト70へは電力が供給されていない。
(初期状態から電源ボタンの押下)
初期状態において、電源ボタン151を押すと、アシスト有状態かつオートライト状態となる。この状態においては、車両の周囲が特定の明るさより暗い場合には、アシスト有状態かつライト点灯状態となる。車両の周囲が特定の明るさより明るい場合には、アシスト有状態かつライト消灯状態となる。
なお、初期状態からライトボタン152を押してもアシスト状態およびライト70の状態は変化しない。同様に、初期状態からアシスト切替スイッチ153を切り替えても、アシスト状態およびライト70の状態は変化しない。
(アシスト有状態・オートライト状態から電源ボタンの押下)
次に、アシスト有状態かつオートライト状態から、電源ボタン151(第三の入力手段および第四の入力手段の一例)を押すと、バッテリ35から電動モータ60およびライト70への給電が停止し、電源ボタン151の押下のみを受付可能な初期状態となる。このとき、ライト70が点灯状態/消灯状態のいずれであるにも係らず、アシスト有状態かつオートライト状態から電源ボタン151を押下すると、バッテリ35から電動モータ60およびライト70への給電が停止した初期状態となる。
(アシスト有状態・オートライト状態からライトボタンの押下)
次に、アシスト有状態かつオートライト状態から、ライトボタン152(第一の入力手段の一例)を押すと、アシスト有状態かつマニュアルライト状態となる。これにより、電動モータ60から補助力を得つつ、運転者の意志に基づいてライト70を点灯/消灯させることができる。例えばオートライト状態では消灯してしまうような明るい状況であっても、運転者がライトボタン152を押すと、ライト70を点灯させることができる。したがって、運転者の意志に基づいてライト70を点灯させることができるので、利便性が高い。
(アシスト有状態・オートライト状態からアシスト切替スイッチの操作)
アシスト有状態かつオートライト状態から、運転者がアシスト切替スイッチ153を操作すると、選択された強度のアシスト状態となる。例えば、運転者がアシスト強状態の位置にアシスト切替スイッチ153のスライダを動かすと、アシスト強状態となる。なお、アシスト切替スイッチ153を操作しても、ライト70の状態は変化しない。
このとき、アシスト有状態かつオートライト状態で、アシスト切替スイッチ153(第二の入力手段の一例)のスライダをアシスト無状態の位置に動かすと、アシスト無状態となる。これにより、オートライト状態かつアシスト有状態から、オートライト状態でアシスト無状態に遷移させることができる。
なお、オートライト状態でアシスト無状態から再びアシスト切替スイッチ153(第三の入力手段の一例)を操作すると、オートライト状態でアシスト状態を適宜変更することができる。
なお、選択されたアシスト強度のいずれの状態においても電源ボタン151を押すと、バッテリ35から電動モータ60およびライト70への給電が停止した初期状態となる。また、選択されたアシスト強度のいずれの状態においても、ライトボタン152を一回押せば、ライト70の点灯消灯状態が反転してマニュアルライト状態に遷移する。
(マニュアルライト状態での電源ボタンの押下)
マニュアルライト状態で電源ボタン151を押すと、アシストの状態およびライト70の状態に係らず、バッテリ35から電動モータ60およびライト70への給電が停止した初期状態となる。
(マニュアルライト状態でのライトボタンの押下)
マニュアルライト状態でライトボタン152を押すと、ライトの点灯状態/消灯状態が反転する。より具体的には、アシスト有/アシスト無状態およびアシスト強度の状態によらずに、マニュアルライト状態でライトボタン152を押すと、ライトの点灯状態/消灯状態が反転する。すなわち、ライトが点灯状態であった場合、ライトボタン152を押すと、ライトは消灯状態となる。逆にライトが消灯状態であった場合、ライトボタン152を押すと、ライトは点灯状態となる。以降、ライトボタン152を押すたびに、このライトの点灯状態/消灯状態が反転する。
(マニュアルライト状態でのアシスト切替スイッチの操作)
マニュアルライト状態において、アシスト切替スイッチ153を操作すると、ライト70の点灯/消灯を変えずに、選択された強度のアシスト状態となる。
このとき、アシスト有状態かつマニュアルライト状態において、アシスト切替スイッチ153でアシスト無状態を選択することができる。これにより、マニュアルライト状態かつアシスト有状態から、マニュアルライト状態でアシスト無状態に遷移させることができる。
<参考例との比較>
次に、参考例に係る電動自転車と比較しながら、上述した本実施形態に係る電動自転車の効果を説明する。
(参考例に係る電動自転車の動作の説明)
図4は、参考例に係る電動自転車の状態遷移図である。参考例に係る電動自転車は、電源ボタンとライトボタンの二種類のボタンのみが設けられている。
図4の構成によれば、通常の夜間走行時には電源ボタンを押してアシスト有かつオートライト状態にできる。この状態において、バッテリの残量が少ないことに運転者が気づいた場合、運転者はすぐにアシスト無の状態にしたい。しかし、図4の構成では、電源ボタンを押そうとすると初期状態となってしまうため、ライトも消灯してしまう。また、ライトボタンを押してもアシスト無状態にはならない。
この場合、電源ボタンを押して初期状態としてから、ライトボタンを押せば、アシスト無状態かつライト点灯状態となる。つまり、アシスト有状態かつオートライト状態からアシスト無状態かつライト点灯状態とするには、電源ボタンを押し、さらにライトボタンを押す必要がある。したがって、異なる2つのボタンを決められた順番で押す必要がある。
また、このように状態を遷移させると、初期状態とした後からライトボタンを押すまでの間は、ライトが消灯してしまっている。したがって、ライトを点灯させたまま、アシスト有状態からアシスト無状態に遷移させることができない。
あるいは図4の構成では、初期状態からライトボタンを押すとアシスト無状態かつライト点灯状態となる。この状態から電源ボタンを押すとアシスト有状態かつライト点灯状態となる。これにより夜間走行時にアシスト力を得つつライトを点灯させることができる。この後にバッテリの残量が少ないことに運転者が気づいた場合、やはりライトを点灯させたままアシスト無状態にすることができない。電源ボタンを押せば初期状態となってライトが消灯してしまうし、ライトボタンを押せばライトが消灯してしまう。
またこの場合でも、アシスト有ライト点灯状態からアシスト無ライト点灯状態とするには、電源ボタンを押して初期状態にし、さらにライトボタンを押す必要がある。したがって、異なる2つのボタンを決められた順番で押す必要がある。
このように、図4の構成では、アシスト有ライト点灯状態からアシスト無ライト点灯状態とするときに、ライトが消灯してしまうという点で利便性が損なわれていた。また、ボタンを二回も押す必要があり、さらに異なるボタンを決められた順番で押す必要があるという点において利便性が損なわれていた。また、図4の構成では、オートライト状態でアシスト無の状態とすることができない。
(本実施形態に係る電動自転車の効果)
本実施形態に係る電動自転車によれば、オートライト状態において、アシスト切替スイッチ153(第二の入力手段の一例)を押せば、アシスト有状態からアシスト無状態に切り替えることができる。このアシスト切替スイッチ153は、ライト70の状態を遷移させることなく、アシスト状態のみを切り替えることができる。これにより、アシスト有状態からアシスト無状態に遷移させるときに、一時的にライト70が消灯することがなく、運転者が不便さを感じることがない。
また、オートライト状態において、アシスト切替スイッチ153を操作するだけで、すぐにアシスト有状態からアシスト無状態に遷移させることができる。このため、ボタンの操作回数が少ない。また、アシスト切替スイッチ153のみを操作すればよいので、複数種類のボタンを決められた順番で操作する必要がなく、運転者の使い勝手がよい。
さらには、本実施形態に係る電動自転車によれば、オートライト状態でアシスト無状態とすることができる。初期状態から電源ボタン151を押して、アシスト切替スイッチでアシスト無を選択すると、この状態を得ることができる。この状態は、オートライト状態によって暗いときのみライト70を点灯させるので、バッテリの消耗を抑えることができ、省電力性が高い。このように、本実施形態に係る電動自転車は、省電力性と利便性とが高められている。
また上記実施形態に係る電動自転車においては、電源ボタン151(第三の入力手段の一例)を押すと、オートライト状態でかつ、アシスト無状態からアシスト有状態にすることができる。これにより、夜間にアシスト無状態で走行している途中で上り坂に差し掛かったときに、一時的に電動モータ60から補助力が欲しい場合に、すぐにアシスト有状態とすることができる。これにより、利便性がさらに高められている。
また上記実施形態に係る電動自転車においては、オートライト状態でかつアシスト無状態のとき、電源ボタン151(第四の入力手段の一例)を押すと、バッテリ35から電動モータ60およびライト70への給電が停止した初期状態とすることができる。例えば運転者がオートライト状態でかつアシスト無状態で走行し、目的地についた後、電源ボタン151を押すことによって、すぐに初期状態にすることができる。これによって、利便性が高められている。
また上記実施形態に係る電動自転車においては、オートライト状態であれば、アシスト有状態であっても電源ボタン151を押すことにより、バッテリ35から電動モータ60およびライト70への給電が停止した初期状態とすることができる。同じ電源ボタン151を押すことで、初期状態とするという共通の動作をさせることができるので、運転者にとって使いやすく、利便性が高い。
また上記実施形態に係る電動自転車においては、アシスト無状態かつオートライト状態からライトボタン152を押すと、ライトの点灯状態/消灯状態が反転する。すなわち、オートライト状態でライト点灯状態であった場合、ライトボタン152を押すと、マニュアルライト状態でライト消灯状態となる。逆にオートライト状態でライト消灯状態であった場合、ライトボタン152を押すと、マニュアルライト状態でライト点灯状態となる。
例えば、周囲が明るくてオートライト状態ではライト70が消灯してしまうときであってもライト70を点灯させたいときに、運転者はマニュアルライト状態に切り替えたいと考える。このように、オートライト状態からマニュアルライト状態に切り替えたいと運転者が望むときは、一般にライト70の点灯/消灯状態の切り替えが望まれている。このため本実施形態のように、オートライト状態からマニュアルライト状態に切り替えるときに、ライト70の点灯/消灯状態を反転させると、一回のボタン操作によって、オートライト状態からマニュアルライト状態への切り替えと、ライトの点灯/消灯状態の切り替えができるので、利便性が高い。
また上記実施形態に係る電動自転車においては、第二の入力手段および第三の入力手段であるアシスト切替スイッチ153は、第四の入力手段である電源ボタンや、第六の入力手段であるライトボタン152とは異なる入力手段である。つまり、アシスト状態の強度を切り替えるアシスト切替スイッチ153は、バッテリ35から電動モータ60およびライト70への給電が停止した初期状態にする電源ボタン151や、ライト70の状態を切り替えるライトボタン152とは異なるボタンとして設けられている。機能ごとに異なる種類の入力手段が設けられているため、運転者にとって操作が分かりやすく、利便性が高められている。
また上記実施形態に係る電動自転車においては、オートライト状態においてアシスト有状態からアシスト無状態に切り替える第二の入力手段と、オートライト状態でアシスト無状態からアシスト有状態に切り替える第三の入力手段は、同一のアシスト切替スイッチ153である。アシストの有・無を切り替えるスイッチが一つにまとめられているため、運転者にとってアシストの有無の切替操作が分かりやすく、利便性が高められている。
<変形例>
また、本発明は図5に示すように状態を遷移させてもよい。図5は、本発明の変形例に係る電動自転車の状態遷移図である。なお本変形例は、状態の遷移のさせ方が上記実施形態と異なり、電動自転車の構成は同じである。このため、状態の遷移についてのみ説明する。
まず、上記実施形態と同様な動作について簡単に説明する。
初期状態から電源ボタン151を押したときに、オートライト状態かつアシスト有状態となる。また、オートライト状態でライトボタン152を押すと、ライト70の点灯/消灯状態が反転し、マニュアルライト状態となる。さらに、初期状態から電源ボタン151が押下された後では、ライト70の状態およびアシスト状態によらずに、電源ボタン151を押すと、バッテリ35から電動モータ60およびライト70への給電が停止した初期状態となる。さらには、初期状態から電源ボタン151が押下された後において、アシスト切替スイッチ153を操作すると、ライト70の状態に変化を与えることなく、アシスト無状態あるいはアシスト有状態とすることができる。
次に、上記実施形態と異なる動作について説明する。
初期状態でライトボタン152を押すと、アシスト無状態でライト70が点灯したライト独立状態となる。このライト独立状態において、ライトボタン152を押してライト70を消灯しようとすると、バッテリ35から電動モータ60およびライト70への給電が停止した初期状態となる。例えば初期状態からライトボタン152を二回連続で押すと、初期状態からアシスト無状態でライト点灯状態となった後、初期状態となる。
また、ライト独立状態から電源ボタン151が押されると、ライト70が点灯したまま、アシスト無状態からアシスト有状態になる。
このように、本変形例に係る電動自転車によっても、オートライト状態において、アシスト切替スイッチ153(第二の入力手段の一例)を押せば、アシスト有状態からアシスト無状態に切り替えることができる。これにより、アシスト有状態からアシスト無状態に遷移させるときに、一時的にライト70が消灯することがなく、運転者が不便さを感じることがない。また、ボタンの操作回数が少なく、かつ、複数種類のボタンを決められた順番で操作する必要がなく、運転者の使い勝手がよい。さらには、オートライト状態でアシスト無状態とすることができる。これにより、ライトを点灯させつつ必要最小限のバッテリ消費のみで走行することができ、省電力性と利便性とが高い。
また、本変形例に係る電動自転車によれば、初期状態からライトボタン152を押すだけで、アシスト無状態かつライト点灯状態とすることができる。すなわち、アシスト無状態かつライト消灯状態で走行している状態から、アシスト無状態かつライト点灯状態にすぐに遷移させることができる。これは、例えば日中から夕暮れ時にかけてバッテリ残量が少ない状態で走行するときに有効である。これにより、省電力性および利便性がさらに高められている。
また、ライト独立状態において、電源ボタン151を押せばアシスト有状態かつライト点灯状態となる。これにより、電動モータ60の補助力が欲しいと運転者が思ったときに、電源ボタン151を押せばすぐに、ライト70の状態を変えることなくアシスト有状態とすることができる。これにより、利便性が高められている。
さらにライト独立状態において、ライトボタン152を押すと、バッテリ35から電動モータ60およびライト70への給電が停止した初期状態となる。つまり、アシスト無状態かつライト点灯状態というライト独立状態から、アシスト無状態かつライト消灯状態というバッテリ35から電動モータ60およびライト70への給電が不要になったときに、すぐに初期状態にできる。このため、さらに省電力性が高められている。
以上、本発明を実施形態および変形例を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態および変形例に多様な変更または改良を加えることができることは、当業者にとって明らかである。
例えば、上述の説明では、入力手段としてプッシュスイッチのボタンを例に挙げて説明したが、本発明はこの例に限られない。運転者の操作を制御装置150に入力できる手段であれば、この例に限られない。例えばトグルスイッチ、レバースイッチ、スライドスイッチ、ロータリースイッチ、ロッカースイッチ、タッチパネル、スロットル装置などを採用することができる。また、上述の説明では、第一の入力手段から第六の入力手段を、3つの入力手段を用いて構成したが、その個数は3つに限られない。
また、上述の説明では、アシスト無状態かつオートライト状態でライトボタン152(第六の入力手段の一例)を押すと、ライト70の点灯状態および消灯状態が切り替わってマニュアルライト状態となる例を挙げて説明したが、これに限られない。アシスト無状態かつオートライト状態でライトボタン152(第五の入力手段の一例)を押すと、ライト70の点灯状態および消灯状態を切り替えず、ライト70の点灯状態または消灯状態を固定したまま、マニュアルライト状態としてもよい。
アシスト無状態でライト70の点灯状態を固定できるので、例えば周囲の明るさが一定せず、オートライト状態では頻繁にライト70の点灯状態/消灯状態が切り替わるときに、ライト70の点灯状態を固定できるので、利便性が高い。また、運転者自身が判断してライトの点灯消灯状態を固定できるので、多少暗くても運転に支障がない場合には、バッテリの消費を抑えることができる。
なおライト70の点灯状態を固定した後に、再びライトボタン152(第六の入力手段の一例)を押すと、マニュアルライト状態で、ライト70の点灯状態および消灯状態が入れ替わるようにしてもよい。これにより、運転者が意図したとおりにライト70の点灯状態/消灯状態を切り替えることができる。
なお、この第五の入力手段も、第二の入力手段および第三の入力手段とは異なる入力手段である。
また上記実施形態および変形例に係る電動自転車においては、オートライト状態であれば、アシスト状態によらずに、電源ボタン151(第四の入力手段)を押すことにより、初期状態とすること例を挙げて説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、オートライト状態においてアシスト無状態のときだけ、第四の入力手段を操作したときに、初期状態としてもよい。
もっとも上述した実施形態のように、オートライト状態においてアシスト有状態のときも、第四の入力手段を押下したときに初期状態とするように、第四の入力手段を構成することが好ましい。アシスト有状態およびアシスト無状態のいずれの状態であっても、同一の入力手段によって初期状態とすることができれば、運転者にとってわかりやすい。
また、ライト70の取付位置、明暗検出センサ80の取付位置、制御装置150の取付位置なども上記実施形態に限られない。
35:バッテリ
60:電動モータ
70:ライト
80:明暗検出センサ
150:制御装置
151:電源ボタン
152:ライトボタン(第一の入力手段)
153:アシスト切替スイッチ(第二の入力手段)

Claims (5)

  1. バッテリと、
    前記バッテリを電源として補助動力を発生させる電動モータと、
    前記バッテリを電源として点灯するライトと、
    明暗検出センサと、を備え、
    前記明暗検出センサの出力に応じて自動的に前記ライトの点灯状態を制御するオートライト状態から、操作子の操作によって前記ライトの点灯と消灯を切り替えるマニュアルライト状態に遷移させる第一の入力手段と、
    前記オートライト状態において、前記電動モータの補助動力を発生させるアシスト有状態から前記電動モータの補助動力を発生させないアシスト無状態に切り替える第二の入力手段と、
    前記バッテリを電源として前記電動モータと前記ライトの動作を制御する制御装置を備え、
    前記明暗検出センサの出力、前記第一の入力手段の出力、前記第二の入力手段の出力、前記バッテリからの電力を前記電動モータおよび前記ライトへ供給させるまたはその供給を停止させることが可能な第四の入力手段の出力は、前記制御装置に入力され、
    前記バッテリからの電力が前記制御装置には供給され、前記電動モータおよび前記ライトには供給されていない初期状態では、前記制御装置は、前記第四の入力手段の出力のみを受け付け可能とし、当該第四の入力手段の出力が受け付けられて前記電動モータおよび前記ライトに前記バッテリから電力が供給される状態になるまで、前記第一の入力手段の出力および前記第二の入力手段の出力を受け付けない状態に制御し、
    前記電動モータおよび前記ライトに前記バッテリから電力が供給された状態になった後は、前記制御装置は、それぞれの前記入力に応じて前記電動モータと前記ライトの少なくとも一方の動作を制御する、電動自転車。
  2. 前記オートライト状態において、前記アシスト無状態から前記アシスト有状態に切り替える第三の入力手段を備えた、請求項1に記載の電動自転車。
  3. 前記第四の入力手段は、前記オートライト状態かつ前記アシスト無状態から、前記バッテリから前記電動モータおよび前記ライトへの給電を停止する、請求項1または2に記載の電動自転車。
  4. 前記第四の入力手段は、前記オートライト状態かつアシスト有状態からも前記バッテリから前記電動モータおよび前記ライトへの給電を停止する、請求項3に記載の電動自転車。
  5. 前記オートライト状態において、前記アシスト無状態から前記アシスト有状態に切り替える第三の入力手段を備え、
    前記第二の入力手段および前記第三の入力手段は、同一の入力手段である、請求項1に記載の電動自転車。
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