JP6452925B1 - エレベーター装置および非常止め装置の試験方法 - Google Patents

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Abstract

かごと釣合おもりとを繋ぐ主索が巻掛けられた綱車を回転させる巻上機と、駆動制御部と、非常止め装置と、巻上機に流れる電流から駆動トルクを得るトルク電流取得部と、駆動トルクに基づいて非常止め装置が正常に動作しているか否かを判定する検査判定部とを備え、検査判定部は、巻上機をかご下降方向に起動する検査運転の実行中における駆動トルクのモニタ結果から非常止め装置が正常に動作しているか否かを判定する。

Description

この発明は、エレベーター装置の非常止め装置の検査に関するものである。
一般に、エレベーターのかごには、非常止め装置が搭載されている。非常止め装置は、主索の切断等の異常事態が発生したときに、かごを緊急停止させる装置である。エレベーターを適切に利用するためには、この非常止め装置が正常に動作するか否かを定期的に検査する必要がある。
エレベーター装置の検査は、例えば、日本国内では建築基準法によって定められており、欧州では欧州統一規格EN81によって定められており、非常止め装置の検査方法に関しては、複数示されている。まず、1つの検査方法として、かごが釣合おもりより重くなるようにかごにおもりを積み込み、ブレーキを解放し、非常止め装置がアンバランス重量を支えられることを確認する方法がある。この方法は、かごにおもりを搬入する際に多大な労力が必要となる。
それ以外に、かごが釣合おもりより軽い状態で実施可能な方法として、下記が示されている。かご側よりも釣合おもりが重い状態で、非常止め装置を作動させて、かご下降方向に巻上機を駆動させて、
(1)主索が巻上機の駆動シーブ上で滑る
または
(2)かご側の主索が緩む
ことを確認する。
上記の方法においては、非常止め装置が作動すると、主索が負担していたかごの自重を非常止め装置が支えて、かご側の主索が緩む。さらに、緩みが大きくなると、主索が巻上機の駆動シーブ上で滑る。このような検査方法により、非常止め装置が正常に動作しているか否かを検査することができる。
一般的には、(1)の方法で非常止め装置の検査が実施されている。しかしながら、主索が巻上機の駆動シーブ上で滑るには、巻上機が、エレベーターの通常稼働時に必要なトルクよりも大きなトルクを出力する必要がある。したがって、非常止め装置の検査のためだけに、大型の巻上機を用いる必要が生じる。
これに対して、(2)の方法として、かご側の主索の端末部に配置された張力検出器でかご側の主索の張力を測定して、主索が駆動シーブ上を滑る前の主索の緩みを確認する方法が開示されている。この方法は、エレベーターの通常稼働時に必要なトルクよりも小さなトルクで検査することができる(例えば、特許文献1参照)。
国際公開第2003/074407号
しかしながら、特許文献1に係る従来方法は、張力検出器を備えている必要がある。従って、張力検出器を備えていないエレベーター装置では、非常止め装置の検査のために、張力検出器を追加配置する必要があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、張力検出器なしに、かご側の主索の緩みを検知して非常止め装置を検査することのできるエレベーター装置および非常止め装置の試験方法を得ることを目的とする。
本発明に係るエレベーター装置は、かごと釣合おもりとを繋ぐ主索が巻掛けられた綱車を回転させる巻上機と、巻上機を駆動させてかごの移動を制御する駆動制御部と、かごの下降を阻止する非常止め装置と、巻上機の駆動トルクを得るためにトルク電流を測定するトルク電流取得部と、トルク電流に基づいて非常止め装置が正常に動作しているか否かを判定する検査判定部と、を備え、駆動制御部は、かごより釣合おもりが重く、非常止め装置が作動する状態において、巻上機をかご下降方向に起動する検査運転を実行し、検査判定部は、検査運転の実行中において、トルク電流取得部により得られたトルク電流を検査トルク電流として取得し、検査トルク電流と、かごが一定速度で走行しているとき、または加速運転するときの駆動トルクから定まる基準値とを比較して非常止め装置が正常に動作しているか否かを判定するものである。
また、本発明に係る非常止め装置の試験方法は、かごと釣合おもりとを繋ぐ主索が巻掛けられた綱車を回転させる巻上機と、巻上機を駆動させてかごの移動を制御する駆動制御部と、かごの下降を阻止する非常止め装置と、巻上機の駆動トルクを得るためにトルク電流を測定するトルク電流取得部と、トルク電流に基づいて非常止め装置が正常に動作しているか否かを判定する検査判定部と、を備えたエレベーター装置の検査判定部において実行される非常止め装置の試験方法であって、かごより釣合おもりが重く、非常止め装置が作動する状態において、駆動制御部に対して、巻上機をかご下降方向に起動する検査運転を実行させる検査運転実行ステップと、検査運転の実行中において、トルク電流取得部により得られたトルク電流を検査トルク電流として取得する取得ステップと、検査トルク電流と、かごが一定速度で走行しているとき、または加速運転するときの駆動トルクから定まる基準値とを比較して非常止め装置が正常に動作しているか否かを判定する判定ステップと、を有するものである。
本発明によれば、巻上機をかご下降方向に起動する検査運転の実行中における駆動トルクのモニタ結果から非常止め装置が正常に動作しているか否かを検査できる構成を備えている。この結果、張力検出器なしに、かご側の主索の緩みを検知して非常止め装置を検査することのできるエレベーター装置および非常止め装置の試験方法を得ることができる。
本発明の実施の形態1におけるエレベーター装置を示す構成図である。 本発明の実施の形態1における非常止め装置の検査の流れを表すフローチャートである。 本発明の実施の形態1において、学習運転としてかごを下降させたときの、トルク電流取得部によって得られる駆動トルクの時間変化を示した図である。 本発明の実施の形態1において、検査運転で非常止め装置が作動した場合に、トルク電流取得部で得られる駆動トルクの時間変化を示した図である。 本発明の実施の形態1において、検査運転で非常止め装置が作動しなかった場合に、トルク電流取得部で得られる駆動トルクの時間変化を示した図である。 本発明の実施の形態1において、空転の有無を考慮した非常止め装置の検査の流れを表すフローチャートである。 本発明の実施の形態1において、空転の有無を考慮した非常止め装置の検査の流れを表す、図6とは異なるフローチャートである。 本発明の実施の形態2における、学習運転としてかごを下降させたときの、トルク電流取得部で得られる駆動トルクの時間変化を示した図である。 本発明の実施の形態3における非常止め装置の検査の流れを表すフローチャートである。 本発明の実施の形態3において、空転の有無を考慮した非常止め装置の検査の流れを表すフローチャートである。 本発明の実施の形態4における非常止め装置の検査の流れを表すフローチャートである。 本発明の実施の形態4において、空転の有無を考慮した非常止め装置の検査の流れを表すフローチャートである。 本発明の実施の形態5における非常止め装置の検査の流れを表すフローチャートである。 本発明の実施の形態5において、検査運転で非常止め装置が作動した場合に、トルク電流取得部で得られる駆動トルクの時間変化を示した図である。 本発明の実施の形態5において、空転の有無を考慮した非常止め装置の検査の流れを表すフローチャートである。
以下、本発明のエレベーター装置および非常止め装置の試験方法の好適な実施の形態につき、図面を用いて説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1におけるエレベーター装置を示す構成図である。図1において、昇降路1の上部には、機械室2が設けられている。機械室2内には、巻上機3、そらせ車4、および制御装置5が設けられている。巻上機3は、綱車3a、巻上機モータ3b、および巻上機ブレーキ3cを有している。巻上機モータ3bは、綱車3aを回転させる。巻上機ブレーキ3cは、綱車3aを制動する。
綱車3a、およびそらせ車4には、主索6が巻き掛けられている。主索6の一方の端部には、かご7が接続されており、主索6の他方の端部には、釣合おもり8が接続されている。かご7は、巻上機モータ3bが出力する駆動トルクによって綱車3aが回転されることにより、昇降路1内を上下方向へ移動される。
昇降路1内には、ガイドレール9が設けられている。ガイドレール9は、かご7の上下方向の移動を案内する。かご7の下部には、非常止め装置10が設けられている。非常止め装置10は、ガイドレール9を把持することで、かご7の下降方向の移動を停止させる。非常止め装置10には、非常止め装置10を作動させる作動レバー11が設けられている。
調速機12は、かご7の過大速度を監視するために設けられている。調速機12は、調速機シーブ12a、調速機張り車12b、調速機ロープ12c、過大速度検出器12d、および調速機ロープ把持部12eを有している。
調速機シーブ12aは、機械室2内に設けられている。張力器張り車12bは、昇降路1内に設けられている。調速機ロープ12cは、調速機シーブ12a、および張力器張り車12bに対して、環状に巻き掛けられている。また、調速機ロープ12cは、作動レバー11に接続されている。
かご7が移動すると、調速機ロープ12cが循環移動し、かご7の走行速度に対応して調速機シーブ12aが回転する。過大速度検出器12dは、かご7の速度が過大速度に達したことを検出する。過大速度として、定格速度Vrよりも高い第1の過大速度Vos、および第1の過大速度よりも高い第2の過大速度Vtrが設定されている。
かご7の速度が第1の過大速度Vosに達したことを過大速度検出器12dが検出した場合には、巻上機3への給電が遮断され、巻上機ブレーキ3cが作動して、かご7が非常停止する。
また、かご7の速度が第2の過大速度Vtrに達したことを過大速度検出器12dが検出した場合には、調速機ロープ把持部12eが調速機ロープ12cを把持し、調速機ロープ12cが機械室2に対して固定される。これにより、作動レバー11がかご7に対して引き上げられ、非常止め装置10がガイドレール9を把持して、かご7が非常停止する。
制御装置5は、駆動制御部5a、トルク電流取得部5b、記憶部5c、および検査判定部5dを有している。駆動制御部5aは、巻上機モータ3bが出力する駆動トルクを制御することで、かご7の運転を制御する。トルク電流取得部5bは、トルク電流を測定することで、巻上機モータ3bの駆動トルクを取得する。
記憶部5cは、トルク電流取得部5bで取得した駆動トルクに関する履歴情報を駆動トルク情報として記憶する。検査判定部5dは、トルク電流取得部5bで取得した駆動トルク、および記憶部5cに記憶されている駆動トルク情報を用いて、非常止め装置10が正常に動作しているか否かを判定する。
図2は、本発明の実施の形態1における非常止め装置10の検査の流れを表すフローチャートである。このフローチャートには、以下のようなステップS201〜ステップS206が含まれている。
ステップS201:学習運転を実施して、判定用の基準値Tthを定めるプロセス。
ステップS202:非常止め装置10が作動する状態とする準備を行うプロセス。
ステップS203:検査運転を実施して、検査トルク値Teを取得するプロセス。
ステップS204:検査トルク値Teと基準値Tthとの大小関係から非常止め装置10が正常に動作しているか否かを判断するプロセス。
ステップS205:作動した非常止め装置10を解放し、エレベーター装置を通常稼働できる状態にするプロセス。
ステップS206:不具合状況を確認して修理を実施するプロセス。
まず、ステップS201において、制御装置5は、かご7が無人であることを確認した後に、駆動制御部5aにより、学習運転としてかご7を下降させ、このときにトルク電流取得部5bで得られる駆動トルクから基準値Tthを定め、記憶部5cに記憶させる。
基準値Tthの定め方について説明するために、まず、検査時に非常止め装置10に付与される荷重について説明する。非常止め装置10が作動しているときに、巻上機モータ3bから、かご7が下降する方向に駆動トルクTdが出力される場合、非常止め装置10に付与される荷重Fgは、下式(1)で表される。
Fg=(Td−Tu−Tl)/dt (1)
ここで、かごと釣合おもりとのアンバランス重量により、綱車3aに作用するトルクがTu、駆動ロスの解消に必要なトルクがTl、綱車3aの半径がdtである。
Fg>0を満たすように、駆動トルクTdが出力されていれば、非常止め装置10が荷重を受け持っているため、非常止め装置10が作動しているといえる。したがって、Fg≧0を満たす駆動トルクTdを基準値Tthと定め、検査時において取得した検査トルク値Teが基準値Tthを超えることを確認すればよい。ここで、検査トルク値Teは、検査運転の実行中に、トルク電流取得部5bにより得られた検査トルク電流に対応する駆動トルクに相当する。以上より、基準値Tthは、下式(2)を満たすように定めればよい。
Tth≧Tu+Tl (2)
ここで、かご7が一定速度で走行しているときの駆動トルクは、かご7と釣合おもり8とのアンバランス重量により綱車に作用するトルクTuと、駆動ロスの解消に必要なトルクTlとの和であり、式(2)の右辺と一致する。したがって、かご7が一定速度で走行しているときの駆動トルクを基準値Tthと定めれば、基準値Tthを最小の値に設定することができる。
図3は、本発明の実施の形態1において、学習運転としてかご7を下降させたときの、トルク電流取得部5bによって得られる駆動トルクの時間変化を示した図である。図3では、時刻t30からt31までの間でかご7が加速し、時刻t31からt32までの間でかご7が一定速度で走行し、時刻t32からt33までの間でかご7が減速したときの駆動トルクの時間変化を示している。
基準値Tthを、かご7が一定速度で走行している時刻t31からt32までの間のトルクから定める場合を考える。この場合、駆動トルクの測定ばらつきを考慮すると、時刻t31からt32までの間のトルクの最大値T3に対して、下式(3)に示すように、裕度を持たせた値を基準値Tthと定めると、正確に検査を実施できる。
Tth=(1+α)×T3 (3)
例えば、裕度αとしては、α=0.1と定めるとよい。
次に、ステップS202において、制御装置5は、検査運転で非常止め装置10が作動する状態とするための準備を行う。具体的には、制御装置5は、かご7を下降させたときに、調速機ロープ12cが機械室2に対して固定されるようにすることで、作動レバー11がかご7に対して引き上げられて、非常止め装置10が作動する状態になるようにする。
次に、ステップS203において、制御装置5は、検査運転を実施する。検査運転の目標速度は、非常止め装置10が作動しない場合に、かご7が走行可能な任意の一定速度で走行するように定める。例えば、一定速度としては、定格速度の1/10の値に定めればよい。一定速度をこのような値に定めた場合、検査で非常止め装置10に加わる衝撃的な負荷を小さくすることができる。
また、検査運転の駆動トルクの上限値Tmaxは、基準値Tthより大きく、巻上機能力の上限値以下の範囲の任意の値に定められる。例えば、駆動トルクの上限値は、基準値Tthの110%と定めればよい。駆動トルクの上限値をこのような値に定めた場合、基準値Tthと検査トルク値Teとの比較がしやすく、過大なトルクを出力せずに非常止め装置10の検査を実施できる。なお、駆動トルクの上限値は、巻上機能力の上限値と定めてもよい。駆動トルクの上限値をこのような値に定めた場合には、検査の度に駆動トルクの上限値を変更する必要がない。
以上のようにして、制御装置5は、目標速度、および駆動トルクの上限値を定めて、かご7を下降させる検査運転を実施する。かご7を下降させると、作動レバー11がかご7に対して引き上げられて非常止め装置10が作動する状態となる。ここで、非常止め装置10が作動すると、かご7が停止することで、かご7の速度と目標速度との差が大きくなり、この結果、駆動トルクが上昇して、上限値に達する。
一方、非常止め装置10が故障により作動しない場合には、かご7は、目標速度で下降し続ける。このときの駆動トルクは、一定速度で走行しているときの駆動トルクに相当する、トルクTuとトルクTlとの和よりも大きな値には上昇しない。検査運転では、以上のような駆動トルクが、トルク電流取得部5bで検査トルク値Teとして取得される。
次に、ステップS204において、制御装置5は、検査判定部5dにより、非常止め装置10が正常に動作しているか否かを判断する。検査判定部5dは、検査運転により、トルク電流取得部5bで取得された検査トルク値Teと、記憶部5cに記憶されている基準値Tthとを比較する。
検査判定部5dは、検査トルク値Teが基準値Tthを超えた場合には、非常止め装置10が正常に動作したと判断することができる。この場合、ステップS205に進み、制御装置5は、作動した非常止め装置10を解放させ、エレベーター装置を稼働できる状態にして、検査を完了する。
一方、検査判定部5dは、検査トルク値Teが基準値Tth以下である場合には、非常止め装置10の動作異常であると判断することができる。この場合、ステップS206に進み、制御装置5は、保守員による不具合状況の確認、および修理を実施させた後、再度検査を実施する。
図4は、本発明の実施の形態1において、検査運転で非常止め装置10が作動した場合に、トルク電流取得部5bで得られる駆動トルクの時間変化を示した図である。時刻t40からt41までの間でかご7が加速し、時刻t41からt42までの間でかご7が一定速度で走行し、時刻t42で非常止め装置が作動して、時刻t43でかごが停止している。駆動トルクは、非常止め装置10が作動した時刻t42からt43の間で、基準値Tthを超える。
図5は、本発明の実施の形態1において、検査運転で非常止め装置10が作動しなかった場合に、トルク電流取得部5bで得られる駆動トルクの時間変化を示した図である。時刻t50からt51までの間でかご7が加速し、時刻t51以降は、かご7が一定速度で走行し続けている。
非常止め装置10が作動する状態となるまでの時間は、調速機ロープ12cが機械室2に対して固定されるまでの時間、および作動レバー11がかご7に対して引き上げられるまでの時間からなり、これらの時間にはばらつきがある。駆動トルクを検査トルク値Teとして取得しはじめる検査トルク取得開始時間を、非常止め装置10が作動する状態となった時間と定められればよいが、あらかじめこの時間を定めることは、困難である。
そこで、検査トルク取得開始時間を、かご7の加速が完了する時刻と定めると、非常止め装置10の検査を実施できる。かご7の加速が完了する時刻は、図4では時刻t41、図5では時刻t51である。
また、検査トルク取得開始時間を、かご7を加速させ始める時間である時刻t40、および時刻t50と定めると、基準値Tthの裕度を小さく設定した場合には、かご7が加速する間に、駆動トルクが基準値Tthを上回ることがある。従って、基準値を、かご7を加速させるトルクの大きさを上乗せして定めておけば、故障を正常と誤判定することなく、検査を実施できる。
非常止め装置10の動作異常の判断については、検査時間をあらかじめ定めて、検査時間内に検査トルク値Teが基準値Tthを超えなかった場合に判断するとよい。例えば、検査時間は、10秒間と定めればよい。また、かご7の速度と検査時間から、かご7の走行距離を算出して、かご7が走行可能な距離を超えないことを確認すれば、確実に検査を実施できる。
以上のように、本実施の形態1におけるエレベーター装置では、学習運転を実施して、基準値Tthを取得した後に、検査運転を実施している。そして、非常止め装置10を作動させた状態として、検査トルク値Teが基準値Tthを超えることを確認することで、非常止め装置10が正常に動作する状態であることを確認することができる。
なお、本実施の形態1における検査は、綱車とロープが空転しない状態のロープ緩みを駆動トルクで検知し、非常止め装置の検査を実施するものである。しかしながら、検査時の駆動トルクの上限値によっては、空転する場合がある。空転するときの駆動トルクは、基準値Tthを超えるため、空転が発生しないときと同様に、非常止め装置の検査が可能である。
ただし、空転時の摩擦状態によっては、駆動トルクが安定しない場合がある。この対策としては、駆動トルクの上限値を下げて、空転しない状態で検査すればよい。他の対策としては、空転を確認する方法と、ロープ緩みを検知する方法とを組み合わせてもよい。
図6は、本発明の実施の形態1において、空転の有無を考慮した非常止め装置10の検査の流れを表すフローチャートである。図6に示すフローチャートは、先の図2に示したフローチャートと比較すると、ステップS604がさらに追加されている。
図6に示すように、検査判定部5dは、ステップS604において、検査運転実施時に空転の有無を確認し、空転していない場合に、ステップS605に進み、検査トルク値Teと基準値Tthとの大小関係を確認してもよい。
また、図7は、本発明の実施の形態1において、空転の有無を考慮した非常止め装置10の検査の流れを表す、図6とは異なるフローチャートである。図7に示すフローチャートのように、検査判定部5dは、ステップS703において、まず、空転を確認する検査を実施してもよい。その後、検査判定部5dは、空転していないと判断した場合には、ステップS706において学習運転を実施して基準値Tthを取得し、さらに、ステップS709において検査トルク値Teと基準値Tthとの大小関係を確認する検査を実施することができる。
実施の形態2.
先の実施の形態1では、学習運転において、かご7が一定速度で走行しているときの駆動トルクから、基準値Tthを定める場合について説明した。これに対して、本実施の形態2では、学習運転において、駆動トルクの最大値を基準値Tthとして定める場合について説明する。
図8は、本発明の実施の形態2における、学習運転としてかご7を下降させたときの、トルク電流取得部5bで得られる駆動トルクの時間変化を示した図である。時刻t80からt81までの間でかご7が加速し、時刻t81からt82までの間でかご7が一定速度で走行し、時刻t82からt83までの間でかご7が減速したときの駆動トルクの時間変化を示している。
本実施の形態2において、基準値Tthは、学習運転における最大駆動トルクT8によって定められる。最大駆動トルクは、かご7が加速運転するときの駆動トルクであり、この場合の基準値Tthは、下式(4)で表される。
Tth=Tu+Tl+Ta (4)
ここで、Taは、加速運転に必要なトルクである。
上式(4)は、上式(2)を満たしており、上式(4)は、基準値Tthを、最小の値からトルクTa分の裕度を持たせた値に定めることに相当する。
このトルクは、結果的には、エレベーター装置の通常稼働時に、かご7内が無積載状態でかご7を駆動させるのに必要なトルクに等しい。したがって、通常稼働時と同じ大きさのトルクで検査を実施することができる。
以上のように、本実施の形態2におけるエレベーター装置では、学習運転における、駆動トルクの最大値を基準値Tthとして定めることで、裕度を持った閾値を簡便に定めることができ、また、エレベーター装置の通常稼働時と同じ大きさのトルクで検査を実施することができる。
実施の形態3.
先の実施の形態1、2では、検査運転を行う前に、学習運転を実施して、基準値Tthを定める場合について説明した。これに対して、本実施の形態3では、エレベーター装置の通常稼働中に基準値Tthを取得しておく場合について説明する。
本実施の形態3では、制御装置5は、エレベーター装置の通常稼働時に、かご7の中が無人である場合に、下降する度にトルク電流取得部5bで得られる駆動トルクから、基準値Tthを定め、記憶部5cに記憶させる。したがって、かご7の中が無人であり、下降する度に、記憶部5cには、最新の基準値Tthが記憶される。すなわち、駆動ロスの経時変化が反映された基準値Tthを検査に用いることができる。
図9は、本発明の実施の形態3における非常止め装置10の検査の流れを表すフローチャートである。このフローチャートには、以下のようなステップS901〜ステップS905が含まれている。
ステップS901:非常止め装置10が作動する状態とする準備を行うプロセス。
ステップS902:検査運転を実施して、検査トルク値Teを測定するプロセス。
ステップS903:検査トルク値Teと基準値Tthとの大小関係から非常止め装置10が正常に動作しているか否かを判断するプロセス。
ステップS904:作動した非常止め装置10を解放し、エレベーター装置を通常稼働できる状態にするプロセス。
ステップS905:不具合状況を確認して修理を実施するプロセス。
この図9に示したフローチャートは、先の図2、図6、図7に示したフローチャートと比較すると、学習運転を実施するステップが不要となっている。すなわち、本実施の形態3では、エレベーター装置の通常稼働中に基準値Tthを取得できるため、検査運転を行う際に基準値Tthを学習することが不要となっている。この結果、検査運転において学習運転を行うステップがない分、短時間で検査を実施することができる。
以上のように、本実施の形態3におけるエレベーター装置では、エレベーター装置の通常稼働中に基準値Tthを取得しておくことで、検査中に学習運転を実施する必要がなくなるため、短時間で検査を実施することができる。
なお、図10は、本発明の実施の形態3において、空転の有無を考慮した非常止め装置10の検査の流れを表すフローチャートである。本実施の形態3においても、図10に示すフローチャートのように、ステップS1003において、検査運転実施時に空転の有無を確認し、空転していない場合に、ステップS1005において検査トルク値Teと基準値Tthとの大小関係を確認してもよい。
実施の形態4.
先の実施の形態1から3では、検査運転を行う前に、基準値Tthを取得する場合について説明した。これに対して、本実施の形態4では、先に検査を実施して検査トルク値Teを取得した後に、学習運転を実施して基準値Tthを取得する場合について説明する。
図11は、本発明の実施の形態4における非常止め装置10の検査の流れを表すフローチャートである。このフローチャートには、以下のようなステップS1101〜ステップS1106が含まれている。
ステップS1101:非常止め装置10が作動する状態とする準備を行うプロセス。
ステップS1102:検査運転を実施して、検査トルク値Teを測定するプロセス。
ステップS1103:非常止め装置10を解放し、エレベーター装置を稼働できる状態にするプロセス。
ステップS1104:学習運転を実施して、基準値Tthを定めるプロセス。
ステップS1105:検査トルク値Teと基準値Tthとの大小関係から非常止め装置10が正常に動作しているか否かを判断するプロセス。
ステップS1106:不具合状況を確認して修理を実施するプロセス。
まず、ステップS1101において、制御装置5は、検査運転で非常止め装置10が作動する状態とするための準備を行う。制御装置5は、かご7を下降させた時に、調速機ロープ12cが機械室2に対して固定されるようにすることで、作動レバー11がかご7に対して引き上げられて、非常止め装置10が作動する状態になるようにする。
次に、ステップS1102において、制御装置5は、検査運転を実施する。本実施の形態4では、検査運転を実施した後に、基準値Tthを定める学習運転を実施する。このため、検査運転の駆動トルクの上限値を、巻上機能力の上限値に定めるとよい。
検査運転を実施することでトルク電流取得部5bで得られる駆動トルクは、非常止めの動作状態に応じて、先の図4、および図5に示したように、実施の形態1によるエレベーター装置の検査運転においてトルク電流取得部5bで得られる駆動トルクと同様の結果が得られる。制御装置5は、時刻t43以降の一定値、または時刻t51以降の一定値を検査トルク値Teとして、記憶部5cに記憶させる。例えば、制御装置5は、検査時間を10秒間とあらかじめ定めて、検査時間終了時の駆動トルクを検査トルク値Teとして、記憶部5cに記憶させればよい。
次に、ステップS1103において、制御装置5は、作動した非常止め装置10を解放し、エレベーター装置を稼働できる状態にする。
次に、ステップS1104において、制御装置5は、かご7が無人であることを確認した後に、学習運転としてかご7を下降させ、この際にトルク電流取得部5bで得られる駆動トルクから基準値Tthを定める。
次に、制御装置5内の検査判定部5dは、ステップS1105において、記憶部5cに記憶されている検査トルク値Teと基準値Tthとを比較する。
検査判定部5dは、検査トルク値Teが基準値Tthを超えている場合、非常止め装置が正常に作動したと判断し、検査を完了する。
一方、検査判定部5dは、検査トルク値Teが基準値Tth以下である場合には、非常止め装置10の動作異常であると判断することができる。この場合、ステップS1106に進み、制御装置5は、保守員による不具合状況の確認、および修理を実施させた後、再度検査を実施する。
以上のように、本実施の形態4におけるエレベーター装置では、検査運転を実施した後に、学習運転を実施しても、非常止め装置が正常に動作する状態であることを確認することができる。
なお、図12は、本発明の実施の形態4において、空転の有無を考慮した非常止め装置10の検査の流れを表すフローチャートである。本実施の形態4においても、図12に示すフローチャートのように、検査判定部5dは、ステップS1203において、検査運転実施時に空転の有無をまず確認してもよい。その後、検査判定部5dは、空転していないと判断した場合には、ステップS1206において学習運転を実施して基準値Tthを取得し、さらに、ステップS1202においてすでに取得された検査トルク値Teと基準値Tthとの大小関係を確認することができる。
また、実施の形態1から4において、かご7内が無人でない場合に、基準値Tthを取得して検査を実施することもできる。この場合には、かご7内の積載重量により綱車3aにトルクが作用する。このため、かご7を下降方向に移動させるときの駆動トルクが小さくなり、基準値Tthが小さい値として取得される。
検査運転におけるかご7内の積載重量を、基準値Tthを取得したとき以上の積載重量とすれば、故障を正常と誤判定することなく、検査を実施できる。また、基準値Tthを取得したときのかご7内の積載重量により、綱車3aに作用するトルクを算出し、基準値Tthに加えてもよい。
実施の形態5.
本実施の形態5では、検査運転で、非常止め装置10が作動する状態になる前の、かご7が下降方向に移動するときに、基準値Tthを取得する場合について説明する。
図13は、本発明の実施の形態5における非常止め装置10の検査の流れを表すフローチャートである。このフローチャートには、以下のようなステップS1301〜ステップS1305が含まれている。
ステップS1301:非常止め装置10が作動する状態とする準備を行うプロセス。
ステップS1302:検査運転を実施して、基準値Tthと検査トルク値Teを測定するプロセス。
ステップS1303:検査トルク値Teと基準値Tthの大小関係から非常止め装置10が正常に動作しているか否かを判断するプロセス。
ステップS1304:作動した非常止め装置10を解放し、エレベーター装置を通常稼働できる状態にするプロセス。
ステップS1305:不具合状況を確認して修理を実施するプロセス。
まず、ステップS1301において、制御装置5は、検査運転で非常止め装置10が作動する状態とするための準備を行う。制御装置5は、かご7を下降させたときに、調速機ロープ12cが機械室2に対して固定されるようにすることで、作動レバー11がかご7に対して引き上げられて、非常止め装置10が作動する状態になるようにする。
次に、ステップS1302において、制御装置5は、検査運転を実施する。図14は、本発明の実施の形態5において、検査運転で非常止め装置が作動した場合に、トルク電流取得部5bで得られる駆動トルクの時間変化を示した図である。図14では、時刻t140からt141までの間でかご7が加速し、時刻t141からt142までの間でかご7が設定した一定速度で走行し、時刻t142で非常止め装置が効き始め、時刻t143でかごが停止したときの駆動トルクの時間変化を示している。
まず、制御装置5は、非常止め装置10が作動する状態となる時刻t142までに、かご7が下降方向に移動するときの駆動トルクから基準値Tthを定め、記憶部5cに記憶させる。
かご7が加速するときのトルクがT141、かご7が一定速度で移動する時のトルクがT142である。この場合、制御装置5は、基準値であるTthを、Tth=T141、またはTth=T142と定める。
どちらも、上式(2)を満たしている。基準値Tth=T141とした場合には、加速分の裕度が含まれているが、基準値Tth=T142として場合には、裕度がない最小の値となる。下式(5)は、上式(3)のT3をT142に置き換えたものである。下式(5)に示すように裕度を持たせた値を基準値Tthと定めると、正確に検査を実施できる。
Tth=(1+α)×T142 (5)
例えば、裕度αは、α=0.1と定めるとよい。
そして、基準値Tthが定められた後に、トルク電流取得部5bは、駆動トルクを検査トルク値Teとして取得する。
次に、ステップS1303において、検査判定部5dは、検査トルク値Teと基準値Tthとを比較することで、非常止め装置10が正常に動作しているか否かを判断する。検査判定部5dは、検査トルク値Teが基準値Tthを超えた場合、非常止め装置10が正常に作動したと判断できる。この場合には、ステップS1304に進み、制御装置5は、作動した非常止め装置を解放し、エレベーター装置を稼働できる状態にして、検査を完了する。
一方、検査トルク値Teが基準値Tth以下である場合には、検査判定部5dは、非常止め装置10が動作異常であると判断できる。この場合には、ステップS1305に進み、制御装置5は、保守員による不具合状況の確認、および修理を実施させた後、再度検査を実施する。
以上のように、本実施の形態5におけるエレベーター装置では、検査運転で、非常止め装置が作動する状態になる前の、かご7が下降方向に移動するときに、基準値Tthを取得している。この場合にも、非常止め装置が正常に動作する状態であることを確認することができる。
なお、図15は、本発明の実施の形態5において、空転の有無を考慮した非常止め装置10の検査の流れを表すフローチャートである。本実施の形態5においても、図15に示すフローチャートのように、ステップS1502において検査運転を実施し、ステップS1503において空転の有無を確認してから、ステップS1505において検査トルク値Teと基準値Thtとの大小関係を確認してもよい。
実施の形態6.
先の実施の形態1から5では、基準値Tthを実測する方法について説明した。これに対して、本実施の形態6では、基準値Tthを机上計算により設定する場合について説明する。
本実施の形態6では、かごと釣合おもりとのアンバランス重量により綱車に作用するトルクTuと、駆動ロスの解消に必要なトルクTlをそれぞれ机上計算し、基準値Tth=Tu+Tlとして定めて、基準値Tthを記憶部5cにあらかじめ記憶させておく。
かごと釣合おもりとのアンバランス重量により綱車に作用するトルクTuは、エレベーター装置の設計値から求めることができる。駆動ロスの解消に必要なトルクTlは、エレベーター装置を駆動するときに発生する種々のロスを見積もった総和として定めることができる。種々のロスとしては、例えば、巻上機モータ3bのロス、かご7とガイドレール9の間で生じる摩擦によるロス、エレベーター装置内に配置された滑車のベアリングの摩擦によるロス、主索6が滑車で曲げられるときのロスが挙げられる。
これらのロスは、エレベーターの据付状態や、温湿度の変化、機械油の大小によりばらつきが生じる。このため、駆動ロスの解消に必要なトルクTlは、これらのばらつきを考慮した最大値として定めるとよい。
以上のように、本実施の形態6におけるエレベーター装置では、基準値Tthを机上計算しておく。そして、検査判定部は、検査トルク値Teが基準値Tthを超えることを確認することで、基準値Tthを実測せずに、非常止め装置が正常に動作する状態であることを確認することができる。
なお、2:1ローピングのエレベーター装置に対しても、上述した実施の形態1から6と同様の方法で、非常止め装置10の動作確認を実施することができる。
また、上述した実施の形態1から6において、機械室2内に設けられると説明した機器を、昇降路1の中に配置した機械室レスエレベーター装置に対しても、同様の方法で非常止め装置10の動作確認を実施することができる。
また、上述した実施の形態1から6においては、巻上機に流れる電流から駆動トルクを算出して、検査トルク値Teと基準値Tthを比較して検査を実施する場合について説明した。しかしながら、検査トルク値Teと基準値Tthとを比較する代わりに、トルクに変換する前の検査運転トルク電流と学習運転トルク電流とを比較して、検査を実施してもよい。
また、上述した実施の形態1から6において、トルク電流取得部5bは、巻上機モータ3bに流れる電流(トルク電流)に基づいて駆動トルクを取得すると説明した。このような構成の代わりに、駆動トルクを測定できる追加センサを設置して、トルク電流取得部5bが、追加センサの電流を直接取得するように構成してもよい。例えば、綱車3aと巻上機モータ3bとの間にトルクメータを設置することで、トルク電流取得部5bは、トルクメータの電流を測定して駆動トルクを直接取得することができる。
また、上述した実施の形態1から6において、検査運転の目標速度は、非常止め装置10が作動しない場合に、かご7が走行可能な任意の一定速度で走行するように定めると説明した。しかしながら、一定速度でなく、加減速する速度を目標として定めた場合にも、非常止め装置の検査をすることができる。この場合、加減速に必要なトルクが、測定される検査トルク値Teに加わる。そこで、加減速による駆動トルクを算出して、基準値にも加えることで、加減速する速度を目標として定めた場合にも、検査トルク値Teと基準値Tthとの大小関係から非常止め装置10の動作状態を検査することができる。
3 巻上機、5 制御装置、5a 駆動制御部、5b トルク電流取得部、5c 記憶部、5d 検査判定部、6 主索、7 かご、8 釣合おもり、10 非常止め装置。

Claims (11)

  1. かごと釣合おもりとを繋ぐ主索が巻掛けられた綱車を回転させる巻上機と、
    前記巻上機を駆動させて前記かごの移動を制御する駆動制御部と、
    前記かごの下降を阻止する非常止め装置と、
    前記巻上機の駆動トルクを得るためにトルク電流を測定するトルク電流取得部と、
    前記トルク電流に基づいて前記非常止め装置が正常に動作しているか否かを判定する検査判定部と、
    を備え、
    前記駆動制御部は、前記かごより前記釣合おもりが重く、前記非常止め装置が作動する状態において、前記巻上機をかご下降方向に起動する検査運転を実行し、
    前記検査判定部は、前記検査運転の実行中において、前記トルク電流取得部により得られた前記トルク電流を検査トルク電流として取得し、前記検査トルク電流と、前記かごが一定速度で走行しているとき、または加速運転するときの駆動トルクから定まる基準値とを比較して前記非常止め装置が正常に動作しているか否かを判定する
    エレベーター装置。
  2. 前記基準値は、前記駆動制御部が前記かごを下降方向に移動させたときの駆動トルクから求まる値である
    請求項1に記載のエレベーター装置。
  3. 前記基準値は、前記駆動制御部が前記かごを下降方向に移動させたときに前記トルク電流取得部により得られるトルク電流から求まる値である
    請求項1に記載のエレベーター装置。
  4. 前記検査判定部は、前記駆動制御部が前記かごを下降方向に移動させたときに前記トルク電流取得部により得られるトルク電流を学習運転トルク電流として取得し、前記学習運転トルク電流に基づいて前記基準値を算出する
    請求項に記載のエレベーター装置。
  5. 前記駆動制御部は、前記学習運転トルク電流に基づいて前記基準値を算出した後に、前記検査運転を実行する
    請求項4に記載のエレベーター装置。
  6. 前記検査判定部は、エレベーター装置の通常稼働時に前記学習運転トルク電流を取得し、前記学習運転トルク電流に基づいて前記基準値を算出する
    請求項5に記載のエレベーター装置。
  7. 前記検査判定部は、前記駆動制御部により前記非常止め装置が作動する状態となるまで前記かごを下降方向に移動させた時に前記学習運転トルク電流を取得し、前記学習運転トルク電流に基づいて前記基準値を算出する
    請求項5に記載のエレベーター装置。
  8. 前記検査判定部は、前記検査トルク電流を取得した後に、前記学習運転トルク電流を取得する
    請求項4に記載のエレベーター装置。
  9. かごと釣合おもりとを繋ぐ主索が巻掛けられた綱車を回転させる巻上機と、
    前記巻上機を駆動させて前記かごの移動を制御する駆動制御部と、
    前記かごの下降を阻止する非常止め装置と、
    前記巻上機の駆動トルクを得るためにトルク電流を測定するトルク電流取得部と、
    前記トルク電流に基づいて前記非常止め装置が正常に動作しているか否かを判定する検査判定部と、
    を備えたエレベーター装置の前記検査判定部において実行される非常止め装置の試験方法であって、
    前記かごより前記釣合おもりが重く、前記非常止め装置が作動する状態において、前記駆動制御部に対して、前記巻上機をかご下降方向に起動する検査運転を実行させる検査運転実行ステップと、
    前記検査運転の実行中において、前記トルク電流取得部により得られたトルク電流を検査トルク電流として取得する取得ステップと、
    前記検査トルク電流と、前記かごが一定速度で走行しているとき、または加速運転するときの駆動トルクから定まる基準値とを比較して前記非常止め装置が正常に動作しているか否かを判定する判定ステップと、
    を有する非常止め装置の試験方法。
  10. 前記駆動制御部により前記かごを下降方向に駆動させたときに、前記トルク電流取得部により得られたトルク電流に対応する駆動トルクから前記基準値を算出する基準値設定ステップ、
    をさらに有し、
    前記判定ステップは、前記検査トルク電流に対応する駆動トルクと、前記基準値とを比較することで、前記非常止め装置が正常に動作しているか否かを判定する
    請求項に記載の非常止め装置の試験方法。
  11. 前記駆動制御部により前記かごを下降方向に駆動させたときに、前記トルク電流取得部により得られたトルク電流から前記基準値を算出する基準値設定ステップ、
    をさらに有し、
    前記判定ステップは、前記検査トルク電流と、前記基準値とを比較することで、前記非常止め装置が正常に動作しているか否かを判定する
    請求項に記載の非常止め装置の試験方法。
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