JP6451395B2 - センサ素子 - Google Patents

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Description

本発明は、感温抵抗素子(検知部)とヒータ(ヒータ電極)を用いて、対象物を検知するセンサ素子に関するものである。以降は、対象物の一例としてガスを対象物として詳細を説明する。
対象ガスを検知する手段のひとつとして、大気中の熱伝導率と対象ガスの熱伝導率の差を使用したものが知られている。感温抵抗素子をヒータで加熱した状態にし、感温抵抗素子の抵抗値が大気中と対象ガスの熱伝導率の違いによって変化することで、その抵抗値の変化量から対象ガスを検知するものである。
図2A、図2Bに従来のガスセンサ素子101を示す。図2Aはガスセンサ素子101の平面図で、基板24にヒータ電極21、検知電極22、感温抵抗層27、空洞部(キャビティ)23が形成される。空洞部23には基板24が存在せず中空構造を形成し、感温抵抗層27、ヒータ電極21および検知電極12が支持されている。感温抵抗層27と検知電極22が積層方向において重なり抵抗値の変化を検出する部分を検知部20とする。ヒータ電極21は空洞部23においてミアンダパターンを有している。
図2Bはガスセンサ素子101の断面図で、基板24に空洞部23が形成され、第1の絶縁層25、ヒータ電極21、第2の絶縁層26、検知電極22、感温抵抗層27、第3の絶縁層28の順で積層される。第3の絶縁層28の一部を取り除き、検知電極22から信号の取出すための取出し電極(入力端子、出力端子)29が形成される。図示しないが、第2の絶縁層26と第3の絶縁層28の一部を取り除き、ヒータ電極21から信号を取り出すために取出し電極も形成される。また、第3の絶縁層28がない構成も可能である。
図2A、図2Bのガスセンサ素子101は基板24に空洞部23を形成することで熱容量を低減している。これにより、ヒータ電極21が加熱されることで空洞部23上の検知部20の温度を上昇させる際の加熱効率を向上させている。つまり、検知部20の加熱効率が向上していることになる。しかし、ガスセンサ素子101の構成では加熱効率は向上するが、空洞部23上の検知部20の中央部の温度が高く、周辺部行くほど温度が低くなり、検知部20の温度分布の均一性が悪くなる。温度分布の均一性が悪いとガスセンサ素子101の測定感度が十分に引き出されていない状態となっている問題があった。
このような問題を解決するために、特許文献1のような半導体式薄膜ガスセンサが開示されている。特許文献1のガスセンサは、中央部に空洞部を有する半導体基板と、この基板上に空洞部を遮るように設けられたダイヤフラム構造の絶縁膜と、この絶縁膜上に互いに絶縁されるように形成されたヒータ、抵抗測定用電極およびガス感応膜とを備えて、ヒータを周辺部の密度が最も大きく中央部に至るほど漸次密度が小さくなるパターン形状に形成されている。これにより、ヒータヘの通電加熱時に絶縁膜上の範囲を均一な温度に昇温可能としており、測定感度を向上させたガスセンサが提案されている。
特開2007−64908号公報
しかし、特許文献1で開示されたガスセンサはヒータを周辺部の密度が最も大きく中央部に至るほど漸次密度が小さくなるパターン形状に形成することにより温度分布の均一性は改善しているが、ヒータのパターンによる改善は十分とは言えない。
本発明は、以上の点を考慮してなされたものであり、ヒータのパターンの更なる改善により、温度分布の均一性をより改善することで、センサの測定感度が向上したセンサ素子を提供する。
本発明は、空洞部を有する基板と、前記空洞部を覆うように形成された第1の絶縁層と、前記第1の絶縁層上の前記空洞部の位置に対応して形成されたヒータと、前記ヒータを覆うように形成された第2の絶縁層と、前記第2の絶縁層上の前記空洞部の位置に対応して形成された検知部を備え、前記ヒータは第1の配線部と第2の配線部を有し、前記第1の配線部は前記空洞部の中央でループ形状を有し、前記第2の配線部は一対からなり、前記第1の配線部に接続され、前記ループ形状の外側で折り返しを有するとともに、前記ループ形状の中心に対して点対称な形状を有し、前記基板上に形成された入力端子と出力端子にそれぞれ接続され、前記検知部が前記ヒータの形成領域と概ね等しい大きさであるセンサ素子である。
本発明によれば、ヒータの第1の配線部が空洞部の中央部でループ形状を有することで、空洞部の中央部における発熱を小さくし、ヒータの第2の配線部がループ形状の外側で折り返しを有し、ループ形状の中心に対して点対称な形状を有することで、空洞部の周辺部における発熱を均一に大きくすることで空洞部の温度分布を均一化し、検知部がヒータの形成領域と等しいことでセンサの測定感度を向上することが可能となる。また、点対称な形状とは、完全な点対称である必要はなく、温度分布の均一化を悪化させない範囲での点対称を意味する。また、概ね等しい大きさとは、検知部の形成領域がヒータによって加熱されやすい大きさであれば良く、検知部の形成領域が、ヒータの形成する領域より小さくても良い。例えば、検知部の形成領域(面積)がヒータの形成する領域(面積)と等しい値から、検知部の形成領域(面積)が−20%までの範囲である。
また、本発明は、空洞部を有する基板と、前記空洞部を覆うように形成された第1の絶縁層と、前記第1の絶縁層上の前記空洞部の位置に対応して形成された検知部と、前記検知部を覆うように形成された第2の絶縁層と、前記第2の絶縁層上の前記空洞部の位置に対応して形成されたヒータを備え、前記ヒータは第1の配線部と第2の配線部を有し、前記第1の配線部は前記空洞部の中央でループ形状を有し、前記第2の配線部は一対からなり、前記第1の配線部に接続され、前記ループ形状の外側で折り返しを有するとともに、前記ループ形状の中心に対して点対称な形状を有し、前記基板上に形成された入力端子と出力端子にそれぞれ接続され、前記検知部が前記ヒータの形成領域と概ね等しい大きさであるセンサ素子としてもよい。
また、本発明は、前記第1の絶縁層と前記第2の絶縁層は前記空洞部の一部を覆わずに貫通部を有する請求項1又は請求項2に記載のセンサ素子としてもよい。
また、本発明は、前記第2の配線部の前記ループ形状の中心から離間する一部において配線が狭くなる部分を有する請求項1から請求項3の何れか1項に記載のセンサ素子としてもよい。
本発明により、ヒータによる加熱で空洞部の温度分布を均一化し、検知部がヒータの形成領域と等しいことでセンサの測定感度を向上することが可能となる。
実施形態1におけるガスセンサ素子の平面図である。 実施形態1におけるガスセンサ素子の断面図である。 従来例におけるガスセンサ素子の平面図である。 従来例におけるガスセンサ素子の断面図である。 実施形態2におけるガスセンサ素子の断面図である。 実施形態3におけるガスセンサ素子の平面図である。 実施形態3におけるガスセンサ素子の断面図である。 実施形態4におけるガスセンサ素子の平面図である。 実施形態1〜4によるガスセンサ素子の回路図である。 従来例におけるガスセンサ素子の温度分布図である。 比較例におけるガスセンサ素子の温度分布図である。 実施形態1におけるガスセンサ素子の温度分布図である。 実施形態3におけるガスセンサ素子の温度分布図である。 実施形態4におけるガスセンサ素子の温度分布図である。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。また以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに以下に記載した構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
図1Aと図1Bに、実施形態1によるガスセンサ素子100を示す。図1Aはガスセンサ素子100の平面図で、基板14にヒータ電極11、検知電極12、感温抵抗層17、空洞部13が形成される。空洞部13には基板14が存在せず中空構造を形成し、感温抵抗層17、ヒータ電極11および検知電極12が支持されている。感温抵抗層17と検知電極12が積層方向において重なり抵抗値の変化を検出する部分を検知部10とする。ヒータ電極11は空洞部13の中央でループ形状を有する第1の配線部200と、ループ形状の外側で折り返しを有するとともに、ループ形状の中心に対して点対称な形状で基板14上に形成された入力端子と出力端子にそれぞれ接続される一対の第2の配線部210を有する。検知電極12は一対の電極であり、櫛歯のような形状を取ってもかまわない。
図1Bはガスセンサ素子の断面図で、基板14に空洞部13が形成され、第1の絶縁層15、ヒータ電極11、第2の絶縁層16、検知電極12、感温抵抗層17、第3の絶縁層18の順で積層される。第3の絶縁層18の一部を取り除き、検知電極12から信号の取出すための取出し電極(入力端子、出力端子)19が形成される。図示しないが、第2の絶縁層16と第3の絶縁層18の一部を取り除き、ヒータ電極11から信号を取り出すために取出し電極も形成される。また、検知電極12、感温抵抗層17が十分な耐腐食性を有する場合は第3の絶縁層18がない構成も可能である。図1Bでは、空洞部13が形成されている部分の基板14は完全に取り除かれているが、中空構造を形成すれば良い。すなわち、基板14の一部が残った凹形状であってもかまわない。
実施形態1において、ヒータ電極11が空洞部13の中央部でループ形状を有することで、空洞部13の中央部における発熱を小さくする。さらに、ループ形状から入力端子と出力端子へ接続される配線とすることで、点対称となる配線が可能となる。入力端子と出力端子へ接続される配線は折り返しを有することで、空洞部13の周辺部における発熱を均一に大きくする。ループ形状と入力端子と出力端子に対して点対称な折り返し配線を組み合わせることで空洞部13の温度分布を均一化し、検知部10がヒータ電極11の形成領域と等しいことでセンサの測定感度を向上することを可能としている。
図3は、実施形態2によるガスセンサ素子102の断面図を示す。基板34に空洞部33が形成され、第1の絶縁層35、検知電極32、感温抵抗層37、第2の絶縁層36、ヒータ電極31、第3の絶縁層38の順で積層される。第3の絶縁層38の一部を取り除き、ヒータ電極31から信号の取出すための取出し電極(入力端子、出力端子)39が形成される。図示しないが、第2の絶縁層36と第3の絶縁層38の一部を取り除き、検知電極31から信号を取り出すために取出し電極も形成される。また、ヒータ電極31が十分な耐腐食性を有する場合は第3の絶縁層38がない構成も可能である。感温抵抗層37と検知電極32が積層方向において重なり抵抗値の変化を検出する部分を検知部30とする。図3では、空洞部33が形成されている部分の基板34は完全に取り除かれているが、中空構造を形成すれば良い。すなわち、基板34の一部が残った凹形状であってもかまわない。
実施形態2において、ヒータ電極31と検知部30(検知電極32、感温抵抗層37)の積層される順番が入れ替わっている。対象ガスに対して、感温抵抗素子が近い側にある必要があるので、対象ガスが空洞部33側から流れてくる場合には、実施形態2の積層順にガスセンサ素子を構成することでセンサの測定感度を向上することを可能としている。
図4Aと図4Bに、実施形態3によるガスセンサ素子103を示す。
図4Aはガスセンサ素子103の平面図で、基板44にヒータ電極41、検知電極42、感温抵抗層47、空洞部43が形成される。空洞部43には基板44が存在せず中空構造を形成し、感温抵抗層47、ヒータ電極41および検知電極42が支持されている。感温抵抗層47と検知電極42が積層方向において重なり抵抗値の変化を検出する部分を検知部40とする。
ヒータ電極41は空洞部43の中央でループ形状を有する第1の配線部201と、ループ形状の外側で折り返しを有するとともに、ループ形状の中心に対して点対称な形状で基板44上に形成された入力端子と出力端子にそれぞれ接続される一対の第2の配線部211を有する。検知電極42は一対の電極であり、櫛歯のような形状を取ってもかまわない。また、空洞部43の一部に貫通部104が存在する。
図4Bはガスセンサ素子の断面図で、基板44に空洞部43が形成され、第1の絶縁層45、ヒータ電極41、第2の絶縁層46、検知電極42、感温抵抗層47、第3の絶縁層48の順で積層される。第3の絶縁層48の一部を取り除き、検知電極42から信号の取出すための取出し電極(入力端子、出力端子)49が形成される。図示しないが、第2の絶縁層46と第3の絶縁層48の一部を取り除き、ヒータ電極41から信号を取り出すために取出し電極も形成される。また、第3の絶縁層48がない構成も可能である。また、空洞部43の一部に貫通部104が存在する。
実施形態3において、空洞部43の一部に貫通部104を有していることで熱伝導による熱の逃げが抑えられる。それによりヒータ電極41による加熱に必要な消費電力を抑えて、空洞部43の温度分布を均一化することでセンサの測定感度を向上することを可能としている。
図5は、実施形態4によるガスセンサ素子105の平面図を示す。ガスセンサ素子105は、基板54にヒータ電極51、検知電極52、感温抵抗層57、空洞部53が形成される。空洞部53には基板54が存在せず中空構造を形成し、感温抵抗層57、ヒータ電極51および検知電極52が支持されている。感温抵抗層57と検知電極52が積層方向において重なり抵抗値の変化を検出する部分を検知部50とする。
ヒータ電極51は空洞部53の中央でループ形状を有する第1の配線部202と、ループ形状の外側で折り返しを有するとともに、ループ形状の中心に対して点対称な形状で基板54上に形成された入力端子と出力端子にそれぞれ接続される一対の第2の配線部212を有する。検知電極42は一対の電極であり、櫛歯のような形状を取ってもかまわない。第2の配線部212のループ形状の中心から離間する一部において配線が狭くなる部分となる狭い配線部55を有している。
実施形態4において、第2の配線部212のループ形状の中心から離間する一部が、狭い配線部55を有していることで、狭い配線部55の発熱が大きくなり、空洞部53の温度分布を均一化することでセンサの測定感度を向上することが可能としている。これにより、折り返しを有する配線の折り返し回数を増やさずに温度分布を均一化することが可能である。また、狭い配線部55は、空洞部53の中央から離れた部分、すなわち検知部50の外周に配置することが効果的である。
図6は、実施形態1〜4によるガスセンサ素子の回路図である。図6に示すようにガスセンサ素子の回路106は、ヒータ61、感温抵抗素子62で構成されたガスセンサ素子60と、基準抵抗63で構成される。ヒータ61の一方の端子はGNDに接続され、もう一方の端子は電源に接続されて電圧Vhが供給される。電圧Vhは、DC電圧もしくはパルス電圧で供給される。感温抵抗素子62の一方の端子はGNDに接続され、もう一方の端子は基準抵抗63と接続される。基準抵抗63の感温抵抗素子62と接続されないもう一方の端子は電源に接続された電圧Vcが供給される。電圧Vcは、DC電圧もしくはパルス電圧で供給される。感温抵抗素子62と基準抵抗63が接続された中点からの電圧Vdがガスセンサ素子の出力となる。
ヒータ61による加熱で、感温抵抗素子62を対象ガスとの反応が良い温度まで上昇させる。対象ガスの濃度によって熱伝導率が変わり感温抵抗素子62の抵抗値が変動する。それにより、電圧Vdの値が変動する。この電圧Vdの変化量がセンサの測定感度となる。
次に、ヒータ電極に電圧を印加した場合の温度分布のシミュレーション結果について説明する。ヒータ電極の配線の違いによる温度分布の違いを比較するために、基板(1500μm□、厚み250μm)に、基板上に絶縁層(1500μm□、厚み2μm)形成され、基板の中央に空洞部(1000μm□)が形成されて、絶縁層による中空構造が形成される共通のモデルを用意し、絶縁層上にヒータ電極(厚み1μm)を形成して、ヒータ電極の両端に電圧を印加して加熱を行い、温度分布を確認した。ヒータ電極に印加する電圧は空洞部の最高温度が150℃となるように設定した。ここで基板はSi、絶縁層はSiO2、ヒータ配線はPtとした。各材料に則した密度(Kg/m3)、熱伝導率(W/m・K)、比熱(J/Kg・K)を設定した。計算モデルの周囲は空気で覆われていて周囲温度は22℃に設定した。また、Si基板のヒータ配線と反対側の面を熱的なGNDとして設定した。
図7から図11がヒータ電極の配線と温度分布の結果である。図7は従来例のガスセンサ素子のヒータ電極の配線の結果である。図8は比較例のガスセンサ素子のヒータ電極の配線(特許文献1のように従来例のミアンダパターンの周辺部の密度が最も大きく中央部に至るほど漸次密度を小さくしている)の結果である。図9は実施形態1のガスセンサ素子のヒータ電極の配線の結果である。図10は実施形態3のガスセンサ素子のヒータ電極の配線の結果である。図11は実施形態4のガスセンサ素子のヒータ電極の配線の結果である。ヒータ電極の線幅は50μmで、図11のヒータ電極の配線が細くなっている部分のみ30μmである。
温度分布は等高線で表されており、空洞部の中央部が高温となり、10℃単位で区切られている。つまり、最も中央部の等高線内の温度分布は140〜150℃となることを表している。140〜150℃の等高線内の面積を大きい順に並べると、実施形態3>実施形態4>実施形態1>比較例>従来例となった。空洞部の温度分布は実施形態において均一化されることが確認された。
図1Aと図1Bに示したガスセンサ素子100の具体的な製造方法について説明する。基板14としては、適度な機械的強度を有し、且つエッチングなどの微細加工に適した材質であれば、特に限定されるものではない。例えば、シリコン単結晶基板、サファイア単結晶基板、セラミック基板、石英基板、ガラス基板などが好適である。基板14の表面および裏面には、シリコン酸化膜又はシリコン窒化膜などの絶縁膜が形成される。絶縁膜として、例えばシリコン酸化膜を形成するには、熱酸化法やCVD(Chemical Vapor Deposition)による成膜法を適用すればよい。膜厚は、絶縁膜上に形成する膜と基板との絶縁がとれ、且つキャビティを形成する際のエッチング停止層として機能すれば良く、通常0.3〜1.0μm程度が好適である。第1の絶縁層15は基板の表面に形成される絶縁膜のことである。
ヒータ電極11の材質としては、感温抵抗層17の成膜工程および熱処理工程などのプロセスに耐えうる導電性物質で比較的高融点の材料からなる金属層であって、例えば、モリブデン(Mo)、白金(Pt)、金(Au)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)又はこれら何れか2種以上を含む合金などが好適である。また、イオンミリングなどの高精度なドライエッチングが可能である導電材質であることが好ましく、さらに耐腐食性が高い、Ptなどがより好適である。また絶縁膜との密着性を向上させるためにはPtの下部にはチタン(Ti)などの密着層を形成するのが好ましい。膜厚は、ヒータ電極11の線幅にもよるが、通常0.1〜1.0μm程度が好適である。
ヒータ電極11および第1の絶縁層15を覆うように第2の絶縁層16が形成される。第2の絶縁層16としては、第1の絶縁層15と同じ材料であることが望ましい。ヒータ電極11は数百度にまで上昇し、次に常温へ下がるという熱ストレスを繰り返し受ける。この熱ストレスを継続的に受けると層間剥離やクラックといった破壊につながる。同じ材料同士は、異種材料を積層した場合に比べて材料特性が同じであり密着性が強固で機械的強度も強い。このため、ヒータ電極11の熱ストレスに対しても破壊を防止することができる。第2の絶縁層16として、例えばシリコン酸化膜を形成するには、熱酸化法やCVDによる成膜法を適用すればよい。膜厚は、ヒータ電極11を確実に覆うことができ層間絶縁ができる厚みで、通常0.3〜1.0μm程度が好適である。
また、感温抵抗層17に、複合金属酸化物等を利用する場合においては、第2の絶縁層16は、絶縁性を有する酸化膜であることが望ましく、例えばシリコン酸化膜等が望ましい。第2の絶縁層16の上には感温抵抗層17および検知電極12が形成される。第2の絶縁層16は、ヒータ電極11の保護膜であると同時に、感温抵抗層17および検知電極12の下地層でもあり、感温抵抗層17と直接接触する。
感温抵抗層17の電気信号を取り出す為に、検知電極12が形成される。検知電極12の材質としては、感温抵抗層17の成膜工程および熱処理工程などのプロセスに耐えうる導電性物質で比較的高融点の材料、例えば、モリブデン(Mo)、白金(Pt)、金(Au)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)又はこれら何れか2種以上を含む合金などが好適である。膜厚は、検知電極12の線幅にもよるが、通常0.1〜1.0μm程度が好適である。
感温抵抗層17としてはサーミスタなどが好適である。白金測温体などに比べて抵抗温度係数が大きいために、検出感度を大きくすることができるためである。サーミスタの材質としては、複合金属酸化物、アモルファスシリコン、ポリシリコン、ゲルマニウムなどの負の温度抵抗係数を持つ材料をスパッタ法、CVDなどの薄膜プロセスを用いて形成する。膜厚は目標とするサーミスタ抵抗値に応じて調整すればよく、例えばMnNiCo系酸化物を用いるのであれば、検知電極12の電極間の距離にもよるが0.2〜1.0μm程度が好適である。
一般的に、複合金属酸化物を利用したサーミスタは、高温で還元劣化があるためサーミスタ全体を耐還元材料でコーティングする方法が知られている。即ち、サーミスタが還元性を持つ材料と接触した状態で高温状態にすると、サーミスタから酸素を奪って還元を引き起こし、サーミスタ特性に影響を与えてしまう。よって第3の絶縁層18においてもシリコン酸化膜等の絶縁性を有する酸化膜であることが望ましい。
また、同様な理由により、ヒータ電極11上に、絶縁層である第2の絶縁層16を介して、検知電極12、サーミスタの順に積層し形成されることが好ましい。つまり、検知電極12の上にサーミスタが形成される。一般的に、薄膜電極は、電極材料と下地との密着力を上げるために密着層が形成される。例えばクロム(Cr)やチタン(Ti)等が数nm程度の膜厚で形成される。サーミスタ上に検知電極12が形成された場合、この密着層が直接サーミスタと接触し、サーミスタからの酸素を奪う等により酸化することで、界面抵抗が上昇してしまい好ましくない。
感温抵抗層17および検知電極12を覆うように第3の絶縁層18が形成される。第3の絶縁層18としては、第1の絶縁層15および第2の絶縁層16と同じ材料であることが望ましい。感温抵抗層17および検知電極12もヒータ電極11の加熱により数百度にまで上昇し、次に常温へ下がるという熱ストレスを繰り返し受ける。この熱ストレスを継続的に受けると層間剥離やクラックといった破壊につながる。同じ材料同士は、異種材料を積層した場合に比べて材料特性が同じであり密着性が強固で機械的強度も強い。このため、熱ストレスに対しても破壊を防止することができる。第3の絶縁層18として、例えばシリコン酸化膜を形成するには、熱酸化法やCVDによる成膜法を適用すればよい。膜厚は、感温抵抗層17および検知電極12を確実に覆うことができ層間絶縁ができる厚みで、通常0.3〜1.0μm程度が好適である。
ヒータ電極11、検知電極12は空洞部13の外で、取出し電極19と接続される。取出し電極19と接続するために、必要に応じて第2の絶縁層16および第3の絶縁層18の一部が除去される。取出し電極19は、例えばアルミニウム(Al)や金(Au)などの材料で形成され、必要に応じて積層してもよい。膜厚は、第2の絶縁層16および第3の絶縁層18の厚みにもよるが、通常0.5〜2.0μm程度が好適である。
空洞部13は第1の絶縁層から取出し電極19まで形成されたのちに、エッチングにより基板14を除去することにより形成される。エッチングはフッ化物系ガスを用いたD−RIE法等の反応性イオンエッチングが空洞部13のテーパーを抑えることが出来るので好適である。また事前に凹部を形成した貼り合せ基板、いわゆるキャビティ付SOI基板(Silicon on Insulator基板)を用いて空洞部13を部分的にエッチングすることで形成してもよい。空洞部13のサイズは、検知部10のサイズによるが、通常100〜1000μm□程度が好適である。
図6に示したガスセンサ素子の回路106を使用した測定結果について説明する。ここでの対象ガスは水素とした。ヒータ61の抵抗値を140Ω前後となるように作製する。ヒータの加熱は検知部を150℃前後にするように電圧Vhを設定する。感温抵抗層にサーミスタを使用した感温抵抗素子62の抵抗値は150℃で140kΩ前後となるように作製する。感温抵抗素子62と同等(140kΩ前後)の基準抵抗63を感温抵抗素子62と接続する。電圧Vcとして3Vを印加して、ガスセンサ素子の出力である電圧Vdが1.5Vとなるように設定する。図示しないが、ガスセンサ素子の近辺に温度センサが設置されている。これにより環境の温度変化によってサーミスタの抵抗変化したことによる電圧Vdの誤差を補正している。この補正によって、対象ガスだけの変動を検出可能としている。
ガスセンサ素子60をインレットとアウトレットを持った閉空間に入れてインレットからマスフローコントローラを使用して空気中の水素濃度0.0%、0.5%、1.0%としたガスを流し、各水素濃度で安定した状態での電圧Vdを読み取った。各水素濃度の電圧Vdの変化量からセンサの測定感度を評価した。評価は、図1A、図1Bの実施形態1のガスセンサ素子、図7の比較例のガスセンサ素子(断面の構成は図1Bと同様)、図2A、図2Bの従来例のガスセンサ素子の3つの素子で行った。
水素濃度0.0%から0.5%間の測定感度、水素濃度0.5%から1.0%間の測定感度をまとめたものを表1に示す。
Figure 0006451395
測定感度は[μV/ppm]で表し、水素濃度0.0%から0.5%間の測定感度は、従来例のガスセンサ素子で2.90、比較例のガスセンサ素子で2.93、実施形態1のガスセンサ素子で3.04となった。水素濃度0.5%から1.0%間の測定感度は、従来例のガスセンサ素子で2.73、比較例のガスセンサ素子で2.75、実施形態1のガスセンサ素子で2.79となった。どちらの条件においても実施形態1のガスセンサ素子で測定感度が向上しているこが確認出来た。また、温度分布の均一化によってセンサの測定感度が向上することが確認された。以上によりセンサの測定感度が向上したガスセンサ素子を提供することを示した。なお、測定対象物は、ガス以外にも、流量が変わることによって温度が変化する、例えば流量センサなどにも適用可能である。
本発明は、産業機器や環境モニタリング装置に搭載され、対象ガスを検知する用途に用いられる。
10、20 検知部
11、21 ヒータ電極
12、22 検知電極
13、23 空洞部
14、24 基板
15、25 第1の絶縁層
16、26 第2の絶縁層抗
17、27 感温抵抗層
18、28 第3の絶縁層
19、29 取出し電極
100、101 ガスセンサ素子
200 第1の配線部
210 第2の配線部

Claims (4)

  1. 空洞部を有する基板と、前記空洞部を覆うように形成された第1の絶縁層と、前記第1の絶縁層上の前記空洞部の位置に対応して形成されたヒータと、前記ヒータを覆うように形成された第2の絶縁層と、前記第2の絶縁層上の前記空洞部の位置に対応して形成された検知部と、一対の検知電極を備え、前記ヒータは第1の配線部と第2の配線部を有し、前記第1の配線部は前記空洞部の中央でループ形状を有し、前記第2の配線部は一対からなり、前記第1の配線部に接続され、前記ループ形状の外側で折り返しを有するとともに、前記ループ形状の中心に対して点対称な形状を有し、前記基板上に形成された入力端子と出力端子にそれぞれ接続され、前記検知部が前記ヒータの形成領域と概ね等しい大きさであり、前記検知部は、前記一対の検知電極の間に位置する四角形の領域であり、前記四角形の領域内における前記第2の配線部の最外周の辺は、前記四角形の領域の一辺と平行であるセンサ素子。
  2. 空洞部を有する基板と、前記空洞部を覆うように形成された第1の絶縁層と、前記第1の絶縁層上の前記空洞部の位置に対応して形成された検知部と、一対の検知電極と、前記検知部を覆うように形成された第2の絶縁層と、前記第2の絶縁層上の前記空洞部の位置に対応して形成されたヒータを備え、前記ヒータは第1の配線部と第2の配線部を有し、前記第1の配線部は前記空洞部の中央でループ形状を有し、前記第2の配線部は一対からなり、前記第1の配線部に接続され、前記ループ形状の外側で折り返しを有するとともに、前記ループ形状の中心に対して点対称な形状を有し、前記基板上に形成された入力端子と出力端子にそれぞれ接続され、前記検知部が前記ヒータの形成領域と概ね等しい大きさであり、前記検知部は、前記一対の検知電極の間に位置する四角形の領域であり、前記四角形の領域内における前記第2の配線部の最外周の辺は、前記四角形の領域の一辺と平行であるセンサ素子。
  3. 前記第1の絶縁層と前記第2の絶縁層は前記空洞部の一部を覆わずに貫通部を有する請求項1又は請求項2に記載のセンサ素子。
  4. 前記第2の配線部の前記ループ形状の中心から離間する一部において配線が狭くなる部分を有する請求項1から請求項3の何れか1項に記載のセンサ素子。
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