以下、各図を参照しながら本発明に係わる実施形態について説明する。
図1は、実施形態1におけるガス検知装置100の平面図である。ガス検知部3は、第1の基板4に支持された被検知ガスのガス濃度を検知する第1の検知素子1を有する。温度検知部5は、第3の基板6に支持された温度を検知する第2の検知素子40を有する。また、第1の検知素子1を加熱する第1のヒータ(図示せず)を制御するヒータ制御部7と、第1の検知素子1の出力である第1の出力から検知対象となるガス濃度を算出する信号制御部8とが回路基板である第2の基板9に実装されている。また、第1および第2の検知素子(1、40)は、概ね四角形状であるヒータ制御部7の一辺で分けられ、第1のヒータに接続されるヒータ制御部7が有する最終段の第1の半導体素子50が存在する側の第1の領域とは異なる第2の領域に配置されている。ここで、ヒータ制御部7の一辺と直交する第1の直線10とヒータ制御部7の一辺と概ね平行な第2の直線の交点を間に挟んで、第2の直線上に第1の検知素子1と第2の検知素子40とがそれぞれ配置される。ここで、ヒータ制御部7の一辺とは、第1のヒータに接続される最終段の電界効果トランジスタまたはバイポーラトランジスタなどの最終段の第1の半導体素子50が配置された半導体集積回路の一辺を指す。
第1の検知素子1は被検知ガスに応じた信号を出力するものであり、第1の補償素子2と第1の検知素子1とが直列接続される。従って、第1の検知素子1と第1の補償素子2との接続点から被検知ガスに応じた信号を出力することが可能となっている。また、第1の補償素子2は、例えば、温度係数の小さい抵抗が使用される。この場合、第1の補償素子2の被検知ガスによる影響は、第1の検知素子1より小さい。但し、この限りではない。
ヒータ制御部7には、第1のヒータを加熱するための制御信号が入力され、制御信号に基づいて最終段の第1の半導体素子50を制御する。ここで、制御信号は外部から入力されるものであってもよく、ヒータ制御部7が有する発信機に基づいた信号であってもよい。いずれにせよ、ヒータ制御部7は最終段の第1の半導体素子50の制御端(ゲート、ベース)に接続される第1のスイッチング素子(図示せず)を含む。つまり、第1のスイッチング素子は制御信号に基づいて制御され、最終段の第1の半導体素子50の制御端を制御する。よって、最終段の第1の半導体素子50の被制御端(ドレイン、エミッタ)に流れる電流によって、第1のヒータが加熱されることになる。
なお、ガス検知部3とは、第1の基板4に支持された構造体および第1の基板4を指し、温度検知部5とは、第3の基板6に支持された構造体および第3の基板6を指すものとして説明する。
ここで、ヒータ制御部7には第1のヒータに電流を流すために、第1のヒータに接続されるヒータ用接続端(図示せず)が設けられている。ヒータ用接続端はヒータ制御部7の最終段の電界効果トランジスタまたはバイポーラトランジスタなどの最終段の第1の半導体素子50に接続される。最終段の第1の半導体素子50は、一対の非制御端のうち一方の非制御端が第1の電位に接続され、他方の被制御端がヒータ用接続端に接続される。また、ヒータ制御部7は被検知ガスを検知するに当たり、第1のヒータをパルス駆動するために、最終段の第1の半導体素子50の制御端をオンオフ駆動する。ここで、最終段の第1の半導体素子50は第1のヒータに電流を流すため主たる発熱源となる。最終段の第1の半導体素子50からの発熱はヒータ制御部7全体にも影響を与えるが、本実施形態では、最終段の第1の半導体素子50が概ね四角形状であるヒータ制御部7の一辺と直交する第1の直線10上に配置されている。従って、最終段の第1の半導体素子50からの放熱は第1の直線10に対し対象となる分布になりやすい。
ここで、第1および第2の検知素子(1、40)は、概ね四角形状であるヒータ制御部7の一辺で分けられ、最終段の第1の半導体素子50が存在する側の第1の領域とは異なる第2の領域に配置され、ヒータ制御部7の一辺と直交する第1の直線10とヒータ制御部7の一辺と概ね平行な第2の直線の交点を間に挟んで、第2の直線上に第1の検知素子1と第2の検知素子40とがそれぞれ配置される。従って、第1の検知素子1と第2の検知素子40とのヒータ制御部7からの放熱の影響の差は、第2の直線上に第1の検知素子1および第2の検知素子40とが配置されていない場合と比較して温度差を低減することが可能となる。よって、第1の検知素子1と第2の検知素子40との温度差を低減することが可能となっている。
また、ヒータ制御部7の一辺は、第1のヒータ12に接続されるヒータ制御部7が有する最終段の第1の半導体素子50とヒータ制御部7の四角の4辺との距離が最短となる一辺とすることが好ましい。このような構成とすることで、第1のヒータ12と最終段の第1の半導体素子50との距離を短くすることが可能となるので、消費電力を低減することが可能となる。
また、第1の検知素子1および第2の検知素子40は第1の直線10を間に挟んで配置する場合は、第1の検知素子1および第2の検知素子40との間のヒータ制御部7からの放熱の影響の差を低減することが可能とる。従って、第1の検知素子1および第2の検知素子41との間の温度差を低減することが可能となる。
なお、ヒータ制御部7の一辺の中心を通過する第1の直線10上に最終段の第1の半導体素子50を配置することで、ヒータ制御部7からの放熱を第1の直線10に対してより対称とすることが可能となる点で好ましい。
図2は、熱伝導式を用いるガス検知装置100が有する第1の検知素子1の平面図である。図3は図2におけるA−A線の断面図である。図4は、第1の検知素子1と第1の補償素子2が配置されたガス検知部3の平面図である。以下に説明する。第1の検知素子1は、第1の基板4の第1および第2の主面(19、20)に形成された第1の絶縁層11、第2の主面側20側に形成された第1のキャビティ18上の第1の主面19に支持された第1のヒータ12、第1のヒータ12上に形成された第2の絶縁層13、第2の絶縁層13上に形成された一対の第1の取り出し電極14、第1の取り出し電極14上および第1の取り出し電極14間に連続して形成された第1の感熱膜15、第1の感熱膜15上に形成された第3の絶縁層16、第3の絶縁層16に開口が形成され、第1の取り出し電極14と接続された一対の第1のPAD電極17、第2および第3の絶縁層(13、16)に開口が形成され、第1のヒータ12と接続された一対の第2のPAD電極25を有している。ここで、第1の主面19に支持されたとは、第1のキャビティ18に対応する第1の基板4が存在していなくとも第1の基板4に支持されることも含む。
第1の基板4は、第1の主面19、及び、その裏面である第2の主面20を有しており、少なくとも第1の主面19には第1の絶縁膜11が形成されている。第1の基板4の材質としては、適度な機械的強度を有し、且つエッチング等の微細加工に適した材質であればよく、特に限定されるものではないが、例えば、シリコン(Si)単結晶基板、サファイア単結晶基板、セラミックス基板、石英基板、ガラス基板等が好適である。第1の絶縁膜11としては、適度な機械的強度を有し、且つ、公知の薄膜プロセスで容易に成膜できるものであればよく、特に限定されるものではないが、例えば、Si酸化膜、Si窒化膜等が好適である。なお、第3の基板6についても同様である。
図4は第1の検知素子1と第1の補償素子2とが、第1の基板4に配置された平面図である。第1の検知素子1と第1の補償素子2とは紙面の横方向と平行な(X方向)直線に対して線対称な構造となっている。図4に示される通り、第1の基板4には、第1の検知素子1と第1の補償素子2が配置される位置に、より具体的には、第1および第2の感熱膜である第1および第2のサーミスタ薄膜(15、30)が配置される位置に対応して第1および第2のキャビティ(18、31)が形成される。第1および第2のキャビティ(18、31)は、第2の主面20側から第1の主面19側に向けて第1の基板4内部に凹部を有している。凹部は第1の第1の絶縁膜11が完全に露出していることが好ましいが熱容量が大きく増加することがなければ除去残りがあってもよい。なお、熱容量とは、所定の周波数を有する赤外線などのエネルギー源を材料が吸収することにより発生する熱エネルギーの比率を指す。つまり、材料の重量が増加すれば(例えば、膜厚が厚くなる)熱容量が増加し、同一のエネルギーに対して発熱速度は低下する。
第1の検知素子1を加熱するために、第1の絶縁膜11上に第1のヒータ12が形成されている。また、第1のヒータ12を被覆して外気から遮蔽するための第2の絶縁層13が形成されている。なお、第1のヒータ12の材質としては、第1のヒータ12の成膜工程や熱処理工程等に耐え得る耐熱性を有し、且つ、適度な伝導性を有する比較的高融点の材質が好ましく、例えば、モリブデン(Mo)、白金(Pt)、金(Au)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、又はこれらの金属を2種類以上含む合金等が好適である。また、第1のヒータ12に電流を流すためには第1のヒータ12に接続される第2のPAD電極25が最終的に形成される。第2のPAD電極25の材質としては、ワイヤーボンドやフリップチップボンディング等の電気的接続が容易な材質、例えば、アルミニウム(Al)、Au等が好適である。第1のヒータ12の端部は図3に示される通り、第1の感熱膜15の両端部の外側に存在することが第1の感熱膜15の均熱性を確保する上で好ましい。また、第1のヒータ12の紙面の横方向と平行方向(X方向)と平行な端部は、第1の感熱膜15の両端部の外側に存在することが第1の感熱膜15の均熱性を確保する上で好ましい。ここで、第1のヒータ12は第1のキャビティ18の内部に存在しても外部に存在してもよい。第1のヒータ12上には第2の絶縁層13が形成される。
第2の絶縁膜13の上には、第1および第2の一対の取り出し電極(14、21)が形成され、第1および第2の一対の取り出し電極(14、21)上および第1および第2の取り出し電極(14、21)間に第1および第2のサーミスタ薄膜(15、30)がそれぞれ形成される。また、第1および第2のサーミスタ薄膜(15、30)を被覆して外気から遮蔽するための第3の絶縁層16が形成されている。なお、第3の絶縁層16は第1および第2のサーミスタ薄膜(15、30)を外気から遮断する必要が無い構成であれば必須ではない。第1および第2の取り出し電極(14、21)の材質としては、第1および第2のサーミスタ薄膜(15、30)の成膜工程や熱処理工程等に耐え得る耐熱性を有し、且つ、適度な伝導性を有する比較的高融点の材質が好ましく、例えば、モリブデン(Mo)、白金(Pt)、金(Au)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、又はこれらの金属を2種類以上含む合金等が好適である。また電気信号を取り出すためには第1および第2の一対の取り出し電極(14、21)に接続された第1および第3のPAD電極(17、23)がそれぞれ対応する第1および第2の取り出し電極(14、21)に接続されるように形成される。第1および第3のPAD電極(17、23)の材質としては、ワイヤーボンドやフリップチップボンディング等の電気的接続が容易な材質、例えば、アルミニウム(Al)、Au等が好適である。
最後に第1の基板4の第2の主面20をエッチングして第1および第2のキャビティ(18、31)を形成する。ここで、第1および第1のキャビティ(18、31)に対応した領域をメンブレン領域とする。メンブレン領域は、第1および第2のキャビティ(18、31)上の第1の基板4の第1の主面19の法線方向に存在する構造物を含む領域である。なお、本実施形態では第1の検知素子1および第1の補償素子2における第1および第2の感熱膜(15、30)はサーミスタ薄膜と異なる材料、例えば、白金などを使用してもよい。なお、サーミスタ薄膜(15、30)の端部は、対応する第1および第2のキャビティ(18、31)の上部、すなわちメンブレン領域の内部に存在してもよく、第1および第2のキャビティ(18、31)の外部に存在してもよい。また、第1および第2の取り出し電極(14、21)露出部のそれぞれの中心を結ぶ直線と概ね直交する方向の第1および第2の取り出し電極(14、21)のそれぞれの端部は対応する第1および第2のキャビティ(18、31)の上部、すなわちメンブレン領域の内部に存在してもよく、第1および第1のキャビティ(18、31)の外部に存在してもよい。
ガス検知装置100の接続について説明する。第1の検知素子1に接続された一対の第1のPAD電極17の一端は第1の電位に接続され、他端から第1の信号を出力する。第1の補償素子2に接続された一対の第3のPAD電極23の一端はGnd電位に接続され、他端は第1のPAD電極17の他端と接続される。ここで、図4では、第1および第3のPAD電極23の他端は個別に形成されるが、第1および第3のPAD電極23の他端同士を一体として形成してもよい。また、一対の第2のPAD電極21の一端はヒータ制御部7に接続され、他端は固定電位であるGnd電位に接続される。従って、第1のヒータ12はヒータ制御部7の出力信号に基づいて制御され、第1のヒータ12のオンオフ動作に基づいて第1の感熱膜15が加熱制御される。従って、第1の感熱膜15は第1のヒータ12のオンオフ制御に伴い、温度が変化するので第1の信号が変化する。ここで、ヒータ制御部7の最終段には第1の半導体素子50が配置されており、最終段の第1の半導体素子50をオンオフ制御することで最終段の第1の半導体素子50に流れる電流が第1のヒータ12に流れることになる。
ここで、ヒータ制御部7が有する最終段の第1の半導体素子50は、ヒータ制御部7の一辺と直交する第1の直線10上に存在する。ヒータ制御部7の一辺と直交する第1の直線10とヒータ制御部7の一辺と概ね平行な第2の直線の交点を間に挟んで、第2の直線上に第1の検知素子1と第2の検知素子40とがそれぞれ配置される。
第3の基板6には、環境温度に応じた第2の信号を出力する第2の検知素子40が支持されている。また、温度検知部5とガス検知部3とを隣接して配置することで、第1の検知素子1と第2の検知素子40との温度差は低減されることになる。以下、図4から図6を用いてガス検知部3と温度検知部5の構成について説明する。
前述したように、図4は、ガス検知装置100が有する第1の検知素子1と第1の補償素子2を示す図である。第1の補償素子2は第1の検知素子1と同等の構造を有しており、図2における紙面の上下方向(Y方向)に第1の検知素子1と平行に配置されている。なお、第1の基板4は共通である。ここで、一対の第1の取り出し電極14と一対の第2の取り出し電極30および第1の感熱膜15と第2の感熱膜30は、紙面の平行方向(X方向)の直線に対して線対称となる構造となっている。
図5は、ガス検知装置100が有する第1の検知素子1と第1の補償素子2を示す図であり、第1の補償素子2の下側に第2のヒータ22を備えている。第2のヒータ22は第4のPAD電極24と接続されている。第4のPAD電極24の一端はヒータ制御部7に接続され、他端はGnd電位に接続されている。また、第1の検知素子1および第1のヒータ12と、第1の補償素子2および第2のヒータ22とは、紙面の平行方向(X方向)の直線に対して線対称となる構造となっている。
なお、第1のヒータ12と第2のヒータ22に接続されるヒータ制御部7の最終段には第1のヒータ12と第2のヒータ22用の最終段の第1および第2の半導体素子(50、60)が個別に配置される。ここで、第1および第2の半導体素子(50、60)は、例えば、図7に示されるように第1の直線10から等しい距離であって、第1の直線10と直交する直線上に第1の直線10を間に挟んで配置されている。この場合、第1の検知素子1と第2の検知素子40とは、第1のヒータ12および第2のヒータ22にそれぞれ接続されるヒータ制御部7が備える最終段の第1および第2の半導体素子(50、60)をヒータ制御部7の一辺に射影した垂線とヒータ制御部7の一辺の交点間を結ぶ線分と直交する第1の直線10を間に挟んで、ヒータ制御部7の一辺と平行な第2の直線上にそれぞれで配置される。また、ヒータ制御部7の一辺は、第1および第2のヒータ(12、22)にそれぞれ接続される最終段の第1の半導体素子50および最終段の第2の半導体素子60をヒータ制御部7の4辺のそれぞれに射影した距離の和が最短となる一辺とする。また、第1のヒータ12と第2のヒータ22とを相補的に動作させることで、第1の感熱膜15と第2の感熱膜30とを時間をずらして加熱することが可能となり、第1の感熱膜15と第2の感熱膜30との熱履歴のバラツキを低減することが可能となっている。従って、第1の感熱膜15と第2の感熱膜30との経時変化のバラツキを低減することが可能となり、直列接続された第1の検知素子1と第1の補償素子2との接続点からの出力の経時変化のバラツキを低減することも可能となっている。特に、第1の感熱膜15と第2の感熱膜30とがサーミスタ薄膜である場合、熱履歴によるそれぞれの抵抗増加分を同等することが可能であるので、出力の経時変化のバラツキを低減することが可能となる点で有効である。また、第1および第2のヒータ(12、22)を相補的に動作させることで、第1のヒータ12がオン、第2のヒータ22がオフとなる時間の第1の信号を被検知ガスに応じた信号とすることが可能となっている。
図6は、ガス検知装置100が有する温度検知部5が備える第2の検知素子40と第2の補償素子41を示す図である。第2の検知素子40は第1の検知素子1と同等の構造を有し、第2の検知素子40の下側には、ヒータを備えていない。また、第2の補償素子41は配線部45を有し、配線部45の形状は図5に示される第1の補償素子2が備える第1のヒータ12と同等の形状となっている。第2の検知素子40の一端は第1の電位に接続される。配線部45の両端部は一対の第5のPAD電極47に接続される。第5のPAD電極47の一端はGnd電位に接続される。第2の検知素子40と第2の補償素子41とは直列接続され、接続点から周囲温度に応じた信号を出力する。ここで、図6では、第1および第5のPAD電極(17、47)の他端は個別に形成されるが、第1および第5のPAD電極(17、47)の他端同士を一体としてもよい。従って、第2の補償素子41が備える配線部45は温度による抵抗の変動が第2の検知素子40が備える第3の感熱膜43より小さいことが望ましい。従って、通常、配線部45は第3の感熱膜43より温度係数の小さい導体材料が使用される。なお、図6では第2の補償素子41は第3の基板6に支持されているが第3の基板6に支持されていなくてもよい。
第2の基板9上にはヒータ制御部7、信号制御部8、ガス検知部3、温度検知部5が支持されている。ヒータ制御部7は電源(図示せず)によって駆動され、一対の出力端が第1および第2のヒータ(12、22)のそれぞれの一端に接続される。ここで、第2の基板9にはヒータ制御部7の一対の出力端と接続するための第1および第2のヒータ用配線(図示せず)および第1および第2のヒータ用接続PAD(図示せず)が形成されている。また、第1の基板4には、第1および第2のヒータ(12、22)に接続される第2および第4のPAD電極(25、24)が第1の基板4の第1の主面19上にそれぞれ形成されている。第1および第2の配線と第2および第4のPAD電極(25、24)とがそれぞれ接続されるので、ヒータ制御部7からの信号によって、第1および第2のヒータ(12、22)のそれぞれに電流が流れることになる。ここで、第1および第2のヒータ(12、22)用配線は短いことが消費電力を低減するために好ましい。
また、第2の基板9上には、第1および第2の検知素子(1、40)、第1および第2の補償素子(2、41)と信号制御部8とを接続するために接続配線がそれぞれ形成されている。
第2の基板9としては、一般的な樹脂基板(PCB:Printed Cicuit Board)や半導体基板、絶縁性基板などが適用可能である。
図1に示される実施形態1では、図4または5に示されるガス検知部3と第2の検知素子40とについて、ヒータ制御部7の一辺と直交する第1の直線10とヒータ制御部7の一辺と概ね平行な第2の直線の交点を間に挟んで、第2の直線上に第1の検知素子1と第2の検知素子40とがそれぞれ配置される。ここで、ガス検知部3と温度検知部5との組み合わせは図4と図6、図5と図6のそれぞれの組み合わせが可能である。また、第2の補償素子41は第3の基板6に支持されることなく、第2の基板9に支持されてもよく、信号制御部8内部に配置されていてもよい。ここで、第1の直線10は第1の検知素子1と第2の検知素子40との間の中央部を通ることが好ましい。第1の直線10を中心に最終段の第1の半導体素子50からの放熱は概ね対象となることから、第1の直線10は第1の検知素子1と第2の検知素子40との間の中央部を通るので第1の検知素子1と第2の検知素子40との温度差が低減される。第1の検知素子1と第2の検知素子40との温度差が低減されるので、ガス検知装置100の温度差が低減されることになる。また、第1の検知素子1と第2の検知素子40とを隣接して配置することによりヒータ制御部7が第1および第2のヒータ(12、22)に電流を流すに当たり電流経路を短くすることが可能となり、消費電力を低減することも可能である。このような配置とすることで、ガス検知部3と温度検知部5との配置をコンパクトにすることが可能となるのでガス検知装置100の小型化が可能となる。また、第1の検知素子1と第2の検知素子40とが隣接して配置されるのでヒータ制御部7からの影響を低減することも可能である。
図1に示される実施形態1を別の言い方をするなら、図4に示される第1の検知素子1と第2の検知素子40とを第2の直線上に配置する場合、第1の基板4と、第1の基板4に支持されるとともに、被検知ガス濃度に応じた第1の信号を出力する第1の検知素子1と、第1の検知素子1と直列に接続される第1の補償素子2と、第1の検知素子1を加熱する第1のヒータ12とを有するガス検知部3と、第1の基板4を支持する第2の基板9に配置され、第1のヒータ12を制御するヒータ制御部7と、を有し、第1のヒータ12に接続されるヒータ制御部7が有する最終段の第1の半導体素子50を中心として、第1の検知素子1および第2の検知素子40が、同心円上に配置される。ここで、同心円上に配置されるとは、第1の検知素子1と第2の検知素子40の一部が同心円上に存在することを指す。また、第1の検知素子1と第2の検知素子40の第2の基板9上での面内配置方向は限定されるものではない。つまり、第1の検知素子1と第2の検知素子40とが平行であってもよい。第1の検知素子1と第2の検知素子40とが最終段の第1の半導体素子50を中心として同心円上に配置されているので、第1の検知素子1と第2の検知素子40の最終段の第1の半導体素子50からの放熱の影響を概ね等しくすることが可能となるので、第1の検知素子1と第2の検知素子40の温度差を低減することが可能となる。なお、最終段の第1の半導体素子50の中心とはここでは、第1の半導体素子50の制御端(ゲート、ベース)を指すものとする。
図1に示される実施形態1を別の言い方をするなら、図5に示されるガス検知部3とヒータ制御部7とを第2の直線上に配置する場合、第1の基板4と、第1の基板4に支持されるとともに、被検知ガス濃度に応じた第1の信号を出力する第1の検知素子1と、第1の検知素子1と直列に接続される第1の補償素子2と、第1の検知素子1を加熱する第1のヒータ12と、第1の補償素子2を加熱する第2のヒータ22とを有するガス検知部3と、第1の基板4を支持する第2の基板9に配置され、第1および第2のヒータ(12、22)を制御するヒータ制御部7と、を有し、第1のヒータ12に接続されるヒータ制御部7が有する最終段の第1の半導体素子50および第2のヒータ22に接続されるヒータ制御部7が有する最終段の第2の半導体素子60を結ぶ第1の線分の中心を中心として、第1の検知素子1および第2の検知素子40が、同心円上かつ第1の線分と平行に配置される。ここで、同心円上に配置されるとは、第1の検知素子1と第2の検知素子40の一部が同心円上に存在することを指す。また、第1の検知素子1と第2の検知素子40の第2の基板9上での面内配置方向は限定されるものではない。つまり、第1の検知素子1と第2の検知素子40とが平行であってもよい。第1の検知素子1と第2の検知素子40とが最終段の第1および第2の半導体素子(50、60)間の中心を中心として同心円上かつ第1の線分と平行に配置されているので、第1の検知素子1と第2の検知素子40の最終段の第1および第2の半導体素子(50、60)からの放熱の影響を概ね等しくすることが可能となるので、第1の検知素子1と第2の検知素子40の温度差を低減することが可能となる。なお、最終段の第1および第2の半導体素子(50、60)間の中心とはここでは、第1および第2の半導体素子(50、60)の制御端(ゲート、ベース)間を指すものとする。なお、最終段の第1および第2の半導体素子(50、60)はヒータ制御部7の一辺と平行に配置されることが好ましい。また、最終段の第1および第2の半導体素子(50、60)を同一形状とすることで、同一電流に対する放熱量を概ね等しくすることが可能となる点で好ましい。
図7は、実施形態2であるガス検知装置200の平面図である。実施形態1と異なるのは、ガス検知部3と温度検知部5の配置である。実施形態2では、ガス検知部3と温度検知部5とは非平行な配置となっている。ここで、ガス検知部3と温度検知部5とは第1の直線10間に挟んで配置され、第1の直線10とガス検知部3とのなす第1の角度と、第1の直線10と温度検知部5とのなす第2の角度の絶対値が等しく、符号が異なっている。また、第1の直線10とヒータ制御部7との交点から第1の感熱膜15との第1の距離と、第1の直線10とヒータ制御部7との交点から第2の感熱膜30との第2の距離は等しい。従って、第1の感熱膜15と第2の感熱膜30とは、第1の直線10に対して対称となる配置をとるため熱分布を概ね均等にすることが可能となっている。従って、第1の感熱膜15と第2の感熱膜30との温度差を低減することが可能となっている。なお、図7では、第1および第2の半導体素子(50、60)は第1の直線10と直交する直線上に配置され、第1および第2の半導体素子(50、60)間の中心が第1の直線10上に存在している。つまり、第1および第2の半導体素子(50、60)からの放熱の影響は第1の直線10を中心として概ね線対称となるので、第1の検知素子1と第2の検知素子40との温度差が低減される。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明が、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施され得ることは勿論である。例えば、熱伝導式を用いるガス検知装置100について説明したが、これに限るものではなく、感熱膜に直接、被検知ガスが接触する半導体式、あるいは、感熱膜上に触媒を利用する接触燃焼式などにも適用可能である。
(実施例)
以下に本実施形態1の製造方法について説明する。ガス検知装置100として使用するため、図5に示されるガス検知部3、図6に示される温度検知部5を採用した。ガス検知部3は、第1および第2のキャビティ(15、30)のそれぞれに対応して第1の検知素子1と第1の補償素子2とが隣接して形成される。第1の検知素子1とはガス濃度に応じた熱量を電気信号として検知する素子である。又、第1の補償素子2は検知側素子1と同等の構造を有している。ここで、第1の検知素子1は第1のヒータ12の加熱により第1のヒータ12上の被検知ガスが第1のヒータからの熱量を伝導するために被検知ガスの濃度に応じた信号を出力する。
第1の基板1として、基板表面の面方位が(100)である(100)Si基板を用意し、第1の基板1の第1の主面に第1の絶縁膜2としてSi酸化膜を成膜する。Si酸化膜を成膜するには、例えば、熱酸化法等を適用すればよい。絶縁膜2の膜厚は、第1の基板1との絶縁性が確保される程度に調整すればよく、例えば、0.1μm〜1.0μm程度が好適である。本実施例では第1の絶縁膜11として、二酸化珪素膜を0.5μm形成した。第3の基板6も同様の処理を実施した。
次に、第1の基板3における第1の主面19上の第1の絶縁膜11上に第1の検知素子1および第1の補償素子2に対応する第1および第2のヒータ(12、22)をそれぞれ形成する。第1および第2のヒータ(12、22)を形成するには、例えば、スパッタ法等を用いて第1の絶縁膜上に150nm〜600nm程度の第1および第2のヒータ(12、22)となる金属薄膜(12、22)を堆積し、フォトリソグラフィ工程によってエッチングマスクを形成し、反応性イオンエッチングやイオンミリング等のドライエッチングでこの金属薄膜を所定のヒータ形状に加工して、第1および第2のヒータ(12、22)を形成する。なお、金属薄膜である第1および第2のヒータ(12、22)と第1の絶縁11との間の密着性を高めるには、チタン(Ti)等の密着層を5〜10nm程度介在させるのが好ましい。本実施例では第1および第2のヒータ(12、22)としてPt/Ti膜を使用した。Ptはスパッタ法にて0.5μm形成し、密着層として、二酸化珪素と相性の良い、Tiを選択した。なお、Tiはスパッタ法にて10nm形成した。この後、ドライエッチングを用いて、第1および第2のヒータ(12、22)を形成した。ここで、後述する第1および第2のヒータ露出部のそれぞれの端部が、対応する第1および第2のキャビティ(18、31)の外部に存在するように形成した。また、第1および第2のヒータ(12、22)と、第1および第2のヒータ露出部とが線対称となるように構成した。
第2の絶縁層13として二酸化珪素膜を形成する。第2の絶縁層13としては二酸化珪素や窒化珪素等、絶縁性、耐湿性を有する膜であれば良い。本実施例では、テトラエトキシシランという有機金属材料を用いたTEOS−CVD法により、0.4μmの膜厚で二酸化珪素を基板全面に成膜した。
次に、第1の主面19上の第2の絶縁膜13上に第1の検知素子1および第1の補償素子2に対応する第1および第2の取り出し電極(14、21)をそれぞれ形成する。第1および第2の取り出し電極(14、21)を形成するには、例えば、スパッタ法等を用いて第2の絶縁膜13上に150nm〜600nm程度の第1および第2の取り出し電極(14、21)となる金属薄膜(14、21)を堆積し、フォトリソグラフィ工程によってエッチングマスクを形成し、反応性イオンエッチングやイオンミリング等のドライエッチングでこの金属薄膜を所定の第1および第2の取り出し電極(14、21)に加工して、第1および第2の取り出し電極(14、21)を形成する。なお、金属薄膜である第1および第2の取り出し電極(14、21)と第2の絶縁膜13との間の密着性を高めるには、チタン(Ti)等の密着層14Bを5〜10nm程度介在させるのが好ましい。本実施例では第1および第2の取り出し電極(14、21)としてPt/Ti膜(14A、14B)を使用した。Pt(14A)はスパッタ法にて0.5μm形成し、密着層14Bとして、二酸化珪素と相性の良い、Tiを選択した。なお、Tiはスパッタ法にて10nm形成した。この後、ドライエッチングを用いて、第1および第2の取り出し電極(14、21)を形成した。ここで、後述する第1および第2の取り出し電極露出部のそれぞれの端部が、対応する第1および第2のキャビティ(7A、7B)の外側に存在するように形成した。また、第1および第2の取り出し電極(14、21)と、第1および第2の取り出し電極露出部とがそれぞれ線対称となるように構成した。
次に、第1および第2のサーミスタ薄膜(15、30)としての複合金属酸化膜(15、30)を、スパッタ法により第1および第2の取り出し電極(14、21)上および第1および第2の取り出し電極(14、21)間に堆積し、ウェットエッチングにより複合金属酸化膜(15、30)を所定形状にパターニングする。ここで、第1および第2のサーミスタ薄膜(15、30)は一対の第1および第2の取り出し電極(14、21)上の一部および一対の第1および第2の取り出し電極(14、21)間の一部に連続した形状でパターニングする。また、第1および第2のサーミスタ薄膜(15、30)端部が対応する第1および第2のキャビティ(18、31)の外部に存在するようにパターニングした。すなわち、一対の第1および第2の取り出し電極(14、21)間に電圧を印加することにより発生する電流は第1および第2のサーミスタ薄膜(15、30)に流れる。本実施例では、基板温度600℃、成膜圧力1.0Pa、RFパワー200Wのスパッタ条件でArガスを用い、Mn−Co−Ni系酸化物を第1および第2の取り出し電極14、21)上に0.4μm堆積した。次に、塩化第二鉄水溶液を用いたウェットエッチングで所定形状に加工し、焼成炉を用いてMn−Co−Ni系酸化物膜に大気雰囲気で600℃、2時間の熱処理を施した。
第3の絶縁層16として二酸化珪素膜を形成する。第3の絶縁層16としては二酸化珪素や窒化珪素等、絶縁性、耐湿性を有する膜であれば良い。本実施例では、テトラエトキシシランという有機金属材料を用いたTEOS−CVD法により、0.4μmの膜厚で二酸化珪素を基板全面に成膜した。
次に、第2および第3の絶縁層(13.16)の一部を反応性ドライエッチングにより除去し、第1および第2の取り出し電極(14、21)露出部および第1および第2のヒータ(12、22)露出部を形成し、第1および第2の取り出し電極(14、21)露出部上に第1および第3のPAD電極(17、23)をリフトオフ法により形成した。同様に、第1および第2のヒータ(12、22)露出部上に第2および第4のPAD電極(25、24)をリフトオフ法により形成した。第1から第4のPAD電極(17、25、23、24)の材料はアルミニウム(Al)を使用した。ここで、第1から第4のPAD電極(17、25、23、24)はメンブレン領域の外部に形成した。
最後に、第1の基板4の第2の主面20側に、フォトリソグラフィ工程によってエッチングマスクを形成した後、フッ化物系ガスを用いたD−RIE法等の反応性イオンエッチングによって、第1の基板4を第2の主面20に対して垂直に深堀し、第1および第2のキャビティ(18、31)を開口する。D−RIE法とは、C4F8ガスを用いて反応抑止膜(フルオロカーボン系ポリマー)を第1および第2のキャビティ(18、31)の側壁に堆積させることにより、主としてFラジカルによる化学的なサイドエッチングを抑制するためのプラズマデポジション工程と、SF6ガスを用いてFラジカルによる第1の基板4の化学的エッチングとFイオンによる反応抑止膜の物理的エッチングとにより、基板1を略垂直に異方性エッチングするためのプラズマエッチング工程とを交互に繰り返して基板1を深堀する方法である。
温度検知部5は、第1の基板4と同様である第3の基板6を使用した。第2の検知素子40下側にはヒータは存在せず、第1の検知素子1と構成および形状は同等なものとした。第2の補償素子41は第2の検知素子40が備えるサーミスタ薄膜より温度係数の小さい白金配線を使用し、第2の基板9に実装した。第2の基板9は配線および接続PADが形成された樹脂基板を使用した。ヒータ制御部7の一辺と直交する第1の直線10とヒータ制御部7の一辺と概ね平行な第2の直線の交点を間に挟んで、第2の直線上にガス検知部3と温度検知部5とがそれぞれ配置される。ここで、ヒータ制御部7が備える最終段の第1および第2の半導体素子(50、60)をヒータ制御部7の一辺に射影した垂線とヒータ制御部7の一辺の交点間を結ぶ線分と第1の直線10上と、が交差するように最終段の第1および第2の半導体素子(50、60)が配置されるようにした。ここで、ヒータ制御部7の一辺は、第1および第2のヒータ(12、22)にそれぞれ接続される最終段の第1の半導体素子50および最終段の第2の半導体素子60とヒータ制御部7の4辺のそれぞれに射影した距離の和が最短となる一辺とした。また、第1の直線10を間に挟んで第1の検知素子1と第2の検知素子40とが対称となるように配置した。また、第1の検知素子1と第2の検知素子40とは平行になるように配置した。また、第1の検知素子1が有する第1の感熱膜15および第2の検知素子40が有する第3の感熱膜43と、ヒータ制御部7の一辺との距離が等しくなるように配置した。
第1および第1のヒータ(12、22)のそれぞれの一端はヒータ制御部7にそれぞれ接続され、独立に制御する。第1および第2のヒータ(12、22)のそれぞれの他端はGnd電位に接続した。また、第1の期間では第1のヒータ12に電流が流れる場合は第2のヒータ22に電流が流れず、第2の期間では第2のヒータ22に電流が流れる場合は第1のヒータ12に電流が流れないように設定した。また、第1の期間と第2の期間は同一の時間幅に設定し、繰り返し動作するように設定した。ここで、第1および第2のヒータ(12、22)に流れる電流はそれぞれ3〜4mAとし、第1および第2の感熱膜(サーミスタ膜)の温度が設計上150度〜200度になるように設定した。
第1の検知素子1と第1の補償素子2とは直列接続され、第1の検知素子1の一端は第1の電位(5V)の定電圧源に接続し、第1の補償素子2の他端はGnd電位に接続した。また、第1の検知素子1の他端と第1の補償素子2の他端が接続され、当該接続点からの第1の信号を信号制御部8に入力し、信号入力部8から被検知ガスのガス濃度を算出する。
第2の検知素子40と第2の補償素子41とは直列接続され、第2の検知素子40の一端は第1の電位(5V)の定電圧源に接続し、第2の補償素子41の他端はGnd電位に接続した。また、第2の検知素子40の他端と第2の補償素子41の他端が接続され、当該接続点からの第2の信号を信号制御部8に入力し、信号入力部8から温度を算出する。
ここで、第1の信号を第2の信号で補正する処理、すなわち温度補正する処理を行い、被検知ガスのガス濃度を算出する。
本実施例では、第1の検知素子1と第2の検知素子40にかかる熱履歴およびヒータ制御部7からの放熱の影響の差を低減することが可能となり、大気環境下での1000時間の動作試験において、第1および第2の検知素子(1、40)のそれぞれの出力信号の変動分が同等となった。ここで、第1の信号と第2の信号の変動差は、中間電位の2.5Vに対して1%以下であった。一方、実施例の配置から第1の直線10と直交する方向に平行移動して第1の直線10を間に挟むことなく第1の直線10から外れた場所にガス検知部3および温度検知部5を配置した場合、第1の検知素子1と第2の検知素子40のヒータ制御部7からの放熱の影響の差が大きく、大気環境下での1000時間の動作試験において、第1の信号と第2の信号の変動差は3%以下であった。従って、ガス検知部3の熱履歴およびガス検知部3と温度検知部5との温度差を低減することが可能となり、大気環境下での動作試験におけるガス検知装置100の出力誤差を低減することが可能となった。また、第1の補償素子2が有する第1のヒータを省略した場合、ガス検知部3が有する第1の検知素子2と第1の補償素子2の熱履歴は異なるものとなるが、第1の信号と第2の信号の変動差は2%以下であった。従って、第1の検知素子1と第2の検知素子40との温度差を低減することが可能となり、動作試験におけるガス検知装置100の出力誤差を低減することが可能となった。