JP6451260B2 - 車両用空調装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車室内の空調を行う車両用空調装置に関する。
一般に、車両には、車室内の温度や湿度を調節し、車室内の環境を快適に保つための車両用空調装置が搭載される。車両用空調装置には、車室内を暖房するためのヒータと、車室内を冷房及び除湿するためのエバポレータ(蒸発器)とが内蔵され、乗員のスイッチ操作に応じてこれらが使い分けられる。エバポレータは、冷媒を減圧して気化させることで周囲の空気の熱を吸収するものであり、冷房スイッチが操作された場合に作動する。空気に含まれる水分は、エバポレータを通過するときにエバポレータ表面で凝縮されて水滴となり、車室内に送り込まれる空気から除去される。そのため、エバポレータの作動により、車室内の除湿も行われる。
従来、エバポレータの作動による除湿には、空気を露点以下に冷却するために比較的大きな電気エネルギを消費するという課題がある。これに対し、デシカント材と呼ばれる水分吸着材(乾燥剤)を使用して車室内を除湿するようにした車両用空調装置が存在する(例えば特許文献1,2参照)。水分吸着材は、空気中の水分を吸着することによって空気の絶対湿度を低下させるものである。水分吸着材を使用して車室内の除湿を行う場合、空気を露点以下に冷却する必要がないため、エバポレータを用いる場合に比べて電気エネルギの消費量を低減することができる。
水分吸着材には、通過した空気に含まれていた水分が蓄積されていく。水分吸着材は、当該水分吸着材の入口側と出口側との相対湿度差に応じて水分の吸放湿を行う。
図14は、水分吸着材における相対湿度と水分吸着量との関係を示す図である。
この図14に示すように、水分吸着材においては、相対湿度が高いほど水分吸着量は多く、また、相対湿度が低いほど水分吸着量は少ない。
また、水分吸着材においては、吸着できる水分量の上限(容量)が決まっているため、吸着した水分量が増加するにしたがって除湿性能が徐々に低下する。
なお、デシカント材に温風を当てることで水分を脱離させ、その除湿機能を回復させることができる。除湿性能が低下したデシカント材の除湿機能を回復させることを「デシカント材を再生する」という場合がある。
また、暖房スイッチが操作された場合はヒータが作動し、車室内に送り込む空気をヒータによって加温することで車室内の暖房が行われる。このヒータが電気ヒータの場合、車両に搭載されるバッテリの電力を用いて作動するため、車室内の暖房時にも電気エネルギが消費される。そこで、ヒータによる電力消費量を抑制するために、車室内の空気を空調装置に取り込んでヒータで加温し、再び車室内へ送り込むという内気循環による暖房制御が行われている。この場合、車外の空気を空調装置に取り入れて加温する場合に比べて、ヒータによる加温量が少なくて済むため空調効率を向上させることができる。このことは、バッテリの電力消費量の低減に繋がるため、電動車両においては航続距離を延長させることができる。また、エンジン車両においては、バッテリの電力消費量を抑えつつ早期に車室内を暖めることができる。
一方で、内気循環による暖房制御の場合、車室内の空気の湿度が乗員の呼気に含まれる水分によって上昇するため、窓曇りが発生しやすくなるという課題がある。これに対し、例えば特許文献3には、車室内の暖房時に、空調装置内に取り込んだ内気を乾燥剤ユニット(水分吸着材)によって乾燥させた後、再び車室内へと送り込むことで、車両窓ガラスの防曇性能を維持しながら暖房負荷を軽減するようにした技術が記載されている。
特開2006-240574号公報 特開2014-100925号公報 特許第3617157号公報
上述の如く除湿に用いるデシカント材は、その使用に伴い、水分が蓄積されることで除湿性能が徐々に低下し、温風を当てることでその除湿性能を回復させることができる。従って、デシカント材を有効に活用するために、効率的に再生を行うことが求められている。
本件は、上記のような課題に鑑み創案されたものであり、水分吸着材の再生を効率的に行うことができるようにした、車両用空調装置を提供することを目的の一つとする。なお、この目的に限らず、後述する発明を実施するための形態に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本件の他の目的として位置づけることができる。
(1)ここで開示する車両用空調装置は、車室内に流入する空気の流路上に配置され前記空気中の水分を吸着する除湿部材と、前記除湿部材から水分を除去する再生処理を行う再生処理部と、前記流路上における前記除湿部材の上流側位置において、前記除湿部材へ流入前の空気の温度を検出する第1センサと、前記流路上における前記除湿部材の下流側位置において、前記除湿部材を通過後の空気の温度を検出する第2センサと、前記第2センサにより検出された前記除湿部材を通過後の空気の温度と、前記第1センサにより検出された前記除湿部材へ流入前の空気の温度との差が第1閾値以下の場合に、前記再生処理部による前記除湿部材の再生処理の開始を判断する再生開始判断部と、前記除湿部材の再生処理の実施中において、前記再生処理の開始から所定時間経過後に、前記第1センサにより検出された前記除湿部材へ流入前の空気の温度と、前記除湿部材を通過後の空気の温度との差が第5閾値よりも大きい場合に、故障発生を判断する故障判断部とを備える。
(2)前記車両用空調装置は、前記第1センサが前記流路上における前記除湿部材の上流側位置において、前記除湿部材へ流入前の空気の湿度を検出するとともに、前記第2センサが、前記流路上における前記除湿部材の下流側位置において、前記除湿部材を通過後の空気の湿度を検出し、前記再生開始判断部が、前記第2センサにより検出された前記除湿部材を通過後の空気の温度と、前記第1センサにより検出された前記除湿部材へ流入前の空気の温度との差が第1閾値以下であり、且つ、前記第1センサにより検出された前記除湿部材へ流入前の空気の湿度と、前記第2センサにより検出された前記除湿部材を通過後の空気の湿度との差が第3閾値以下の場合に、前記再生処理部による前記除湿部材の再生処理の開始を判断することが望ましい。
(3)また、前記車両用空調装置は、前記除湿部材の再生処理の実施中において、前記第1センサにより検出された前記除湿部材へ流入前の空気の温度と、前記除湿部材を通過後の空気の温度との差が第2閾値以下の場合に、前記再生処理部による前記除湿部材の再生処理の完了を判断する再生完了判断部を備えることが好ましい。
(4)また、前記車両用空調装置は、前記第1センサが前記流路上における前記除湿部材の上流側位置において、前記除湿部材へ流入前の空気の湿度を検出するとともに、前記第2センサが、前記流路上における前記除湿部材の下流側位置において、前記除湿部材を通過後の空気の湿度を検出し、前記再生完了判断部が、前記除湿部材の再生処理の実施中において、前記第1センサにより検出された前記除湿部材へ流入前の空気の温度と、前記除湿部材を通過後の空気の温度との差が第2閾値以下であり、且つ、前記第2センサにより検出された前記除湿部材を通過後の空気の湿度と、前記第1センサにより検出された前記除湿部材へ流入前の空気の湿度との差が第4閾値以下の場合に、前記再生処理部による前記除湿部材の再生処理の完了を判断することが望ましい。
(5)また、前記車両用空調装置は、車室内に流入する空気が流通し、前記除湿部材を内蔵する除湿通路と、一端が前記除湿通路における前記除湿部材よりも下流位置に開口されると共に、他端が車外に連通する排出通路と、前記除湿通路に対する排出通路の連通状態を切り替える排出ダンパと、前記再生開始判断部が、前記再生処理部による前記除湿部材の再生処理の開始を判断した場合に、前記排出通路内に空気が導入されるように、排出通路を開放する開放位置に前記排出ダンパを制御する制御部とを備えることが望ましい。
)また、前記車両用空調装置は、前記排出通路へ向かう空気の流れを生成する再生用送風手段を備え、前記再生開始判断部が、前記再生処理部による前記除湿部材の再生処理の開始を判断した場合に、前記制御部が、前記除湿通路において前記除湿部材を通過した空気が前記排出通路内に導入されるように前記再生用送風手段を駆動する制御を行うことが望ましい。
開示の車両用空調装置によれば、除湿部材の吸着限界を判定し、除湿部材の再生を効率的に行うことができる。
一実施形態に係る車両用空調装置の装置構成を示す模式図である。 一実施形態に係る車両用空調装置のブロック図である。 一実施形態に係る車両用空調装置が搭載される車両の車室内の一部を示す模式図である。 吸着初めの状態における第1センサ及び第2センサによる温度及び湿度の検知結果を例示する図である。 吸着限界状態における第1センサ及び第2センサによる温度及び湿度の検知結果を例示する図である。 一実施形態に係る車両用空調装置の冷房モードを示す模式図である。 一実施形態に係る車両用空調装置の除湿暖房モードを示す模式図である。 一実施形態に係る車両用空調装置の再生モード及び外気暖房モードを示す模式図である。 再生開始時における第1センサ及び第2センサによる温度及び湿度の検知結果を例示する図である。 再生完了時における第1センサ及び第2センサによる温度及び湿度の検知結果を例示する図である。 一実施形態に係る車両用空調装置で実施される制御内容を例示するフローチャートである。 再生制御が必要であるか否かの判断手法を説明する図である。 空調装置における再生完了の判断制御を説明するための図である。 水分吸着材における相対湿度と水分吸着量との関係を示す図である。
図面を参照して、実施形態としての車両用空調装置について説明する。なお、以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができるとともに、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることが可能である。
[1.装置構成]
[1−1.全体構成]
本実施形態に係る車両用空調装置は、車両に搭載され、車室内の温度や湿度等を調節するものであり、HVAC(heating, ventilation, and air conditioning)装置とも呼ばれる。ここで例示する車両用空調装置は、図3に示す車両2に搭載される。
この車両2は、バッテリに蓄えられた電力を動力源として走行する電動車両(電気自動車やプラグインハイブリッド自動車など)である。車両2の車体側面には、外部充電時に充電ガンが接続される充電口(何れも図示略)が設けられ、車両2に搭載されるバッテリは、充電ガンが接続されることにより充電される。車両2には、車両2に搭載される各種装置を統合制御する図示しない車両ECUが設けられる。車両ECUは、マイクロコンピュータで構成された電子制御装置であり、例えば周知のマイクロプロセッサやROM,RAM等を集積したLSIデバイスや組み込み電子デバイスとして構成され、車両2に設けられた車載ネットワークの通信ラインに接続される。なお、車両ECUは、充電ガンが充電口に接続されると自動的に電源が入る(オン状態になる)ものとする。
本実施形態に係る車両用空調装置1(以下、単に空調装置1という)は、車両2の車室4の前部に配置されるインストルメントパネル3(以下、インパネ3という)の裏側(すなわちインパネ3よりも車両前方)に設置される。図2に示すように、空調装置1は、車室4内に送り込む空気を加温又は冷却する空調部10と、車室4内に送り込む空気を除湿する除湿部20と、空調部10及び除湿部20の作動を制御する空調ECU30とを備える。
[1−2.空調部の構成]
図1に示すように、空調部10は、何れもハウジング11に内蔵された、メインファン12,エバポレータ13,暖房用ヒータ14,エアミックスダンパ15及び送風ダンパ19a,19bを有する。ハウジング11は、これら装置を収容するケース(筐体)であり、内部に空間を有する。ハウジング11内には、メインファン12の作動によって一方向の(図1中左から右に向かう)空気の流れが生成される。ハウジング11内には、この空気の流れの上流側から順に、メインファン12,エバポレータ13,エアミックスダンパ15,暖房用ヒータ14及び送風ダンパ19a,19bが配置される。ハウジング11内を流れた空気は、車室4内へと至る。
ハウジング11は、内部に生成される空気の流れの上流側及び下流側にそれぞれ三つの開口を有する。上流側の三つの開口は、ハウジング11内へ空気を導入するための入口であり、以下これらをそれぞれ外気開口11a,内気開口11b,除湿内気開口11cとも呼ぶ。外気開口11aには外気導入通路16が接続され、内気開口11bには内気導入通路17が接続され、除湿内気開口11cには除湿通路21が接続される。本実施形態では、これら三つの開口11a〜11cが、何れも同一の形状及び大きさに形成され、外気開口11aと内気開口11bとが隣接し、内気開口11bと内気除湿開口11cとが隣接して設けられる。すなわち、内気開口11bの両側に隣接して外気開口11a及び除湿内気開口11cが設けられる。
一方、下流側の三つの開口は、ハウジング11から車室4内へ空調後の空気を送り込むための出口であり、以下これらをそれぞれデフロスタ開口11d,フェイス開口11e,フット開口11fとも呼ぶ。それぞれの開口11d〜11fには図示しないダクトの一端が接続され、各ダクトの他端はインパネ3に設けられた吹出口5d,5e,5fにそれぞれ接続される。ハウジング11から車室4内に送り込まれた空気は、フロントガラス,乗員の上半身付近及びサイドガラス,乗員の足元付近に向かって吹き出される。
メインファン12(送風手段)は、ハウジング11の三つの開口11a〜11cの下流に設けられ、上記の通路16,17,21の何れか一つの通路からハウジング11内に空気を取り入れるとともに、車室4内へ空気を送り込むものであり、車室4内を冷房及び暖房するときに用いられる。すなわち、メインファン12は、車室4内へ送り込む空気の流れを生成する。なお、メインファン12の回転速度が高いほど、車室4内に送り込まれる空気の流量が増大する。メインファン12は、空調ECU30によりオンオフ(作動及び停止)が制御されるとともに、作動時の回転速度が制御される。
エバポレータ13は、低温低圧の液冷媒を気化させることでエバポレータ13を通過する空気の熱を吸収して車室4内へ向かう空気を冷却するものであり、車室4内を冷房するときに用いられる。エバポレータ13を通過する空気中の水分は、通過時にエバポレータ13の表面で凝縮されて水滴となる。この水滴は車外(車両の外部)へと排出されるため、エバポレータ13は空気を除湿するものでもある。
エバポレータ13は、ハウジング11内において、メインファン12の下流に設けられ、空気の流れ方向に直交する断面(以下、通路断面という)の全体に亘って配置される。言い換えると、ハウジング11内を流通する空気が全てエバポレータ13を通過するように、ハウジング11内にエバポレータ13が配置される。エバポレータ13は、空調ECU30によりオンオフが制御される。なお、ハウジング11は、エバポレータ13の直下流から通路断面が拡大された形状に形成される。
エアミックスダンパ15は、エバポレータ13の下流においてハウジング11の通路断面が拡大された部分に配置され、ハウジング11内に二つの通路(空気の通り道)を形成するものであり、車室4内を冷房及び暖房するときに用いられる。エアミックスダンパ15は、ハウジング11内の通路断面の一部を閉鎖する弁部15aと、弁部15aの基端に設けられて弁部15aとともに回動する軸部15bとを有し、軸部15bを中心に回動する。弁部15aが通路断面の一部を閉鎖することで、閉鎖された部分には空気が流通せず、開放された部分にのみ空気が流通する。このため、ハウジング11内には、空気の流れる通路(流路)と空気の流れない通路との二つの通路が並列に設けられることとなる。
なお、ここでは、空気が流通しうる部分(空気の通り道)を「通路」と呼び、空気が流通している通路のことを特に「流路」と呼ぶ。ハウジング11内には、エアミックスダンパ15によって二つの通路が形成されるとともに、何れか一方の通路が流路となる。エアミックスダンパ15は、空調ECU30により駆動手段(図示略)が制御されることで回動する。エアミックスダンパ15により形成される二つの通路のうち、一方には暖房用ヒータ14が配置され、他方には何も配置されない。以下、この前者の通路を暖房通路11Hと呼び、後者の通路を冷房通路11Gと呼ぶ。暖房通路11Hは、暖房用ヒータ14を通る通路ともいえ、冷房通路11Gは、暖房用ヒータ14を迂回する通路ともいえる。
エアミックスダンパ15は、車室4内の暖房時では、ハウジング11内を流通する空気のほとんどが暖房通路11Hを流れるように、冷房通路11G側を塞ぐ位置(図1中の実線の位置)に制御される。言い換えると、エアミックスダンパ15は、車室4内の暖房時では、弁部15aによって冷房通路11Gの流路断面積を小さくし、冷房通路11Gを流通する空気の流量よりも暖房通路11Hを流通する空気の流量を大幅に増大させる。
反対に、エアミックスダンパ15は、車室4内の冷房時では、ハウジング11内を流通する空気のほぼ全てが冷房通路11Gを流れるように、暖房通路11H側を塞ぐ位置(図1中の二点鎖線の位置)に制御される。言い換えると、エアミックスダンパ15は、車室4内の冷房時では、弁部15aによって暖房通路11Hの流路断面積をほぼゼロにし、暖房通路11Hを流通する空気の流量よりも冷房通路11Gを流通する空気の流量を大幅に増大させる。
暖房用ヒータ14(加温手段)は、暖房用ヒータ14を通過する空気に熱を与え、車室4内に送り込む空気を加温するものであり、車室4内を暖房するときに用いられる。暖房用ヒータ14は、例えば、通電されると発熱するPTCヒータや、空気加熱ヒータ,電気温水ヒータ等であり、上記の暖房通路11Hにおける通路断面の全体に亘って配置される。言い換えると、暖房通路11Hを流通する空気が全て暖房用ヒータ14を通過するように、ハウジング11内に暖房用ヒータ14が配置される。暖房用ヒータ14は、空調ECU30によってオンオフが制御される。なお、暖房用ヒータ14は、エアミックスダンパ15によって形成される冷房通路11G及び暖房通路11Hのうち、暖房通路11Hを流通する空気のみを加温するように、エアミックスダンパ15の下流に配置される。
ハウジング11は、暖房用ヒータ14の直下流から通路断面が縮小された形状に形成される。ハウジング11は、流路断面が縮小された部分において暖房通路11Hと冷房通路11Gとが合流され、これよりも下流側の部分においてデフロスタ開口11d,フェイス開口11e,フット開口11fのそれぞれへ向かって三つに分岐形成される。ここではまず、デフロスタ開口11dへ通じる通路が、フェイス開口11e及びフット開口11fへ通じる通路から分岐し、この分岐部よりも下流側で、フェイス開口11eへ通じる通路とフット開口11fへ通じる通路とが更に分岐している。最初の分岐部には送風ダンパ19aが配置され、二つ目の分岐部には送風ダンパ19bが配置される。送風ダンパ19a,19bは、空調ECU30により各駆動手段(図示略)が制御されることで独立して回動する。
送風ダンパ19aは、デフロスタ開口11dから流出する空気の流量を変更するとともに、フェイス開口11e及びフット開口11fへ流れる空気の流量を変更するものである。すなわち送風ダンパ19aは、デフロスタ開口11dへ通じる通路と、フェイス開口11e及びフット開口11fへ通じる通路との何れか一方を閉鎖する、あるいはこれらの両方を開放して各流量を調節する。
送風ダンパ19bは、フェイス開口11eから流出する空気の流量を変更するとともに、フット開口11fから流出する空気の流量を変更するものである。すなわち送風ダンパ19bは、フェイス開口11eへ通じる通路と、フット開口11fへ通じる通路との何れか一方を閉鎖する、あるいはこれらの両方を開放して各流量を調節する。これら二つの送風ダンパ19a,19bによって、三つの開口11d,11e,11fへ通じる空気の流路が適宜形成され、対応する吹出口5d,5e,5fから車室4内へと空調後の空気が送り込まれる。
外気導入通路16は、車外の空気(外気)をハウジング11内に導入するためのものであり、車外とハウジング11とを連通する。外気導入通路16は、例えば両端が開口したダクトで形成され、車外とハウジング11とを繋ぐ通路として機能する空間を有する。外気導入通路16は、一端(上流端)が外気を取り入れられる位置に配置されて車外に向けて開放され、他端(下流端)がハウジング11の外気開口11aに隙間なく接続される。
内気導入通路17は、車室4内の空気(内気)をハウジング11内に導入するためのものであり、車室4内とハウジング11とを連通する。内気導入通路17は、例えば両端が開口したダクトで形成され、車室4内とハウジング11とを繋ぐ通路として機能する空間を有する。内気導入通路17は、一端(上流端)が内気を取り入れられる位置に配置されて車室4内に向けて開放され、他端(下流端)がハウジング11の内気開口11bに隙間なく接続される。
本実施形態では、外気導入通路16の下流端及び内気導入通路17の下流端が同一の形状及び大きさに形成されるとともに、外気開口11aと内気開口11bとが隣接して設けられているため、外気導入通路16及び内気導入通路17の両下流端も隣接して設けられる。なお、図1には、外気導入通路16及び内気導入通路17は、何れも他端側(下流端側)のみを図示する。隣接した外気導入通路16及び内気導入通路17の両下流端(すなわち、外気開口11a及び内気開口11bの間)には、内外気切替ダンパ18が配置される。
内外気切替ダンパ18(流路切替手段)は、外気開口11a及び内気開口11bの何れか一方を開放するとともに他方を閉鎖するものであり、車室4内を冷房及び暖房するときに用いられる。すなわち、内外気切替ダンパ18は、内気導入通路17を閉鎖するとともに外気導入通路16を開放する外気導入状態と、外気導入通路16を閉鎖するとともに内気導入通路17を開放する内気循環状態と、を切り替える。外気導入状態では、ハウジング11内に外気が取り入れられ、内気循環状態では、ハウジング11内に内気が取り入れられる。
内外気切替ダンパ18は、ハウジング11の外気開口11a及び内気開口11bの何れか一方を閉鎖する弁部18aと、弁部18aの基端に設けられて弁部18aとともに回動する軸部18bとを有し、軸部18bを中心に回動する。弁部18aは、外気開口11a及び内気開口11bと同一の形状及び大きさに形成された平板状の部材である。軸部18bは、外気開口11aと内気開口11bとの境界部に亘って回動するように配置される。内外気切替ダンパ18は、空調ECU30により駆動手段(図示略)が制御されることで回動する。
内外気切替ダンパ18は、車室4内の暖房時では、除湿通路21から空気を導入しない場合に限って、内気開口11cを閉鎖する位置(図1中の二点鎖線の位置)に制御されて、空調装置1を外気導入状態とする。一方、内外気切替ダンパ18は、車室4内の冷房時では、外気開口11aを閉鎖する位置(図1中の実線の位置)に制御されて、空調装置1を内気循環状態とする。
[1−3.除湿部の構成]
次に、除湿部20について説明する。
除湿部20は、空調装置1の空調効率を高めるとともに、車室4内の窓曇りを防止するために設けられるものである。車室4内を冷房する場合は、エバポレータ13の作動により空気中の水分が除去されるため、内気の湿度が低下し、窓曇りが発生することなく内気循環による空調が可能である。これに対して車室4内を暖房する場合は、エバポレータ13が通常停止されるため、内気導入通路17からハウジング11内へと内気を取り入れたのでは内気の湿度が上昇し、窓曇りが発生しうる。他方で、車室4内の暖房時に窓曇りを防止するためにエバポレータ13を作動させたのでは、空調効率の向上は望めない。そこで、本空調装置1は、空調効率の向上と窓曇りの防止とを両立するための構成として、除湿部20を備える。本実施形態では、除湿部20は車室4内を暖房するときに利用される。
図1に示すように、除湿部20は、ハウジング11の外部に設けられ、デシカント材22を内蔵した除湿通路21を有する。除湿通路21は、車室4内の空気(内気)をハウジング11内に導入するためのものであり、車室4内とハウジング11とを連通する。除湿通路21は、例えば両端が開口したダクトで形成され、車室4内とハウジング11とを繋ぐ通路として機能する空間を有する。除湿通路21は、一端(上流端)が内気を取り入れられる位置に配置されて車室4内に向けて開放され、他端(下流端)がハウジング11の除湿内気開口11cに隙間なく接続される。なお、図1には、除湿通路21の一端側(上流端側)は省略して示す。
除湿通路21内には、メインファン12の作動によって、車室4内に開放された一端(上流端)からハウジング11に接続された他端(下流端)へ向かう空気の流れが生成される。除湿通路21内には、この空気の流れの上流側から順に、ヒータダンパ24,再生用ヒータ23,デシカント材22,サブファン25が配置される。メインファン12の作動によって除湿通路21内を流れた空気は、ハウジング11に至る。また、除湿通路21のデシカント材22よりも下流側の部分には排出通路27が接続され、この接続部には排出ダンパ28が設けられる。さらに、除湿通路21とハウジング11との接続部には、再生切替ダンパ26が配置される。
デシカント材22(除湿部材)は、空気中の水分を吸着する水分吸着材であり、例えばハニカム状の担体にシリカゲルやゼオライトといった乾燥剤が担持されて構成される。デシカント材22は、除湿通路21内を流通する空気に含まれる水分を吸着し、ハウジング11内に導入される空気の絶対湿度を低下させる(空気を除湿する)ものである。デシカント材22は、除湿通路21内において通路断面の全体に亘って配置される。言い換えると、除湿通路21内を流通する空気が全てデシカント材22を通過するように、除湿通路21内にデシカント材22が配置される。
デシカント材22を通過した空気は、デシカント材22によって水分が除去されて除湿される。一方、デシカント材22には、通過した空気に含まれていた水分が蓄積されていく。ただし、デシカント材22は、吸着できる水分量の上限(容量)が決まっているため、吸着した水分量が増加するにしたがって除湿性能が徐々に低下する。
そこで、本実施形態の空調装置1は、デシカント材22に吸着された水分量が所定量を超えた場合に、デシカント材22の除湿性能を回復させる再生制御を実施する。すなわち、デシカント材22に乾いた空気を流入させてデシカント材22に吸着した水分を除去し、デシカント材22を再生させる。除湿部20のヒータダンパ24,再生用ヒータ23,サブファン25及び排出ダンパ28は、この再生時に用いられる。また、再生切替ダンパ26は、デシカント材22の再生時,車室4内の冷房時及び暖房時に用いられる。
再生切替ダンパ26は、内気導入通路17の他端(下流端)と除湿通路21の他端(下流端)との間に配置される。本実施形態では、内気導入通路17の他端(下流端)と除湿通路21の他端(下流端)とは同一の形状及び大きさに形成され、互いに隣接して設けられている。すなわち、通路16,17,21の下流端は、全て同一の形状及び大きさに形成されている。これにより、内外気切替ダンパ18及び再生切替ダンパ26の二つのダンパによって、三つの通路16,17,21の流通状態を切り替えることができる。
再生切替ダンパ26(流路切替手段)は、除湿内気開口11c及び内気開口11bの何れか一方を開放するとともに他方を閉鎖するものであり、上記の内外気切替ダンパ18と連動して制御される。再生切替ダンパ26は、内気導入通路17を閉鎖するとともに除湿通路21を開放する除湿内気循環状態と、除湿通路21を閉鎖するとともに内気導入通路17を開放する再生状態と、を切り替える。なお、除湿内気循環状態では、内外気切替ダンパ18は外気開口11aを閉鎖する位置に制御され、ハウジング11内に除湿通路21を流通した内気のみが取り入れられる。また、再生状態では、内外気切替ダンパ18の位置によって外気導入状態又は内気循環状態となる。本実施形態では、除湿部20は暖房時のみ利用されるものであるため、デシカント材22の再生は車室4内の暖房とともに実施されることはあるが、冷房ととともに実施されることはない。
再生切替ダンパ26は、ハウジング11の除湿内気開口11c及び内気開口11bの何れか一方を閉鎖する弁部26aと、弁部26aの基端に設けられて弁部26aとともに回動する軸部26bとを有し、軸部26bを中心に回動する。弁部26aは、除湿内気開口11c及び内気開口11bと同一の形状及び大きさに形成された平板状の部材である。軸部26bは、除湿内気開口11cと内気開口11bとの境界部に亘って回動するように配置される。再生切替ダンパ26は、空調ECU30により駆動手段(図示略)が制御されることで回動する。なお、再生切替ダンパ26と内外気切替ダンパ18とは、互いに干渉しないように(接触しないように)開閉制御される。
再生切替ダンパ26は、デシカント材22の再生時では、除湿内気開口11cを閉鎖する位置(図1中の二点鎖線の位置)に制御されて、空調装置1を再生状態とする。また、再生切替ダンパ26は、車室4内の暖房時では、デシカント材22の再生とともに実施する場合を除いて、内気開口11bを閉鎖する位置(図1中の実線の位置)に制御され、空調装置1を除湿内気循環状態とする。この場合、内外気切替ダンパ18は外気開口11aを閉鎖する位置に制御される。また、再生切替ダンパ26は、車室4内の冷房時では、ハウジング11内に除湿通路21から空気が導入されないように、除湿内気開口11cを閉鎖する位置(図1中の二点鎖線の位置)に制御される。この場合、内外気切替ダンパ18は、外気開口11aを閉鎖する位置に制御され、空調装置1は内気循環状態となる。
したがって、再生切替ダンパ26及び内外気切替ダンパ18は何れも、車室4内の暖房時では、デシカント材22が再生される場合とそうでない場合とで異なる位置に制御される。再生切替ダンパ26及び内外気切替ダンパ18は、車室4内の暖房時であってデシカント材22の再生時ではない場合に、それぞれ内気導入通路17及び外気導入通路16を閉鎖する位置(図1中の実線の位置)に制御され、除湿通路21のみを開放する。一方、再生切替ダンパ26及び内外気切替ダンパ18は、車室4内の暖房時であってデシカント材22の再生時でもある場合に、それぞれ除湿通路21及び内気導入通路17を閉鎖する位置(図1中の二点鎖線の位置)に制御され、外気導入通路16のみを開放する。
ヒータダンパ24(切替弁)は、除湿通路21内に二つの通路を形成するものである。ヒータダンパ24は、除湿通路21内の通路断面の一部を閉鎖する弁部24aと、弁部24aの基端に設けられて弁部24aとともに回動する軸部24bとを有し、軸部24bを中心に回動する。弁部24aが通路断面の一部を閉鎖することで、閉鎖された部分には空気が流通せず、開放された部分にのみ空気が流通する。このため、除湿通路21内には、デシカント材22の上流側において、空気の流れる通路(流路)と空気の流れない通路との二つの通路が並列に設けられることとなる。ヒータダンパ24は、空調ECU30により駆動手段(図示略)が制御されることで回動する。
ヒータダンパ24により形成される二つの通路のうち、一方には再生用ヒータ23が配置され、他方には何も配置されない。以下、前者の通路を加温通路21Hと呼び、後者の通路を迂回通路21Gと呼ぶ。加温通路21Hは、再生用ヒータ23を通る通路ともいえ、迂回通路21Gは、再生用ヒータ23を迂回する通路ともいえる。ヒータダンパ24は、加温通路21H及び迂回通路21Gの流通状態を切り替えるものである。
ヒータダンパ24は、デシカント材22の再生時では、除湿通路21内を流通する空気が全て加温通路21Hを流れるように、迂回通路21Gを閉鎖する位置(図1中の二点鎖線の位置)に制御される。一方、ヒータダンパ24は、デシカント材22の再生時以外では、除湿通路21内を流通する空気が全て迂回通路21Gを流れるように、加温通路21Hを閉鎖する位置(図1中の実線の位置)に制御される。
再生用ヒータ23(再生用加温手段)は、再生用ヒータ23を通過する空気に熱を与え、デシカント材22に流入する空気を加温するものであり、例えば通電されると発熱するPTCヒータである。再生用ヒータ23を通過して加温された空気は、通過前の状態に比べて相対湿度が低下する。再生用ヒータ23は、上記の加温通路21Hにおける通路断面の全体に亘って配置される。言い換えると、ヒータダンパ24の位置により加温通路21Hを流通する空気が全て再生用ヒータ23を通過するように、除湿通路21内に再生用ヒータ23が配置される。再生用ヒータ23は、空調ECU30によってオンオフが制御される。
再生用ヒータ23によって加温された空気をデシカント材22に当てることで水分を脱離させ、その除湿機能を回復させることができる。すなわち、再生用ヒータ23は、デシカント材22から水分を除去する再生処理を行う再生処理部として機能する。
サブファン25(再生用送風手段)は、除湿通路21内において排出通路27へ向かう空気の流れを生成するものである。すなわち、サブファン25は、デシカント材22の再生時に作動し、除湿通路21内の空気を排出通路27から車外へと排出する。サブファン25は、除湿通路21内におけるデシカント材22より下流の排出通路27の接続部に配置される。サブファン25は、空調ECU30によりオンオフが制御される。
排出通路27は、除湿通路21内の空気を車外に排出するためのものであり、除湿通路21内と車外とを連通する。排出通路27は、デシカント材22の再生時に、デシカント材22から水分を奪うことによって湿度が上昇した空気を、ハウジング11内に導入せずに車外へと排出するためのものである。排出通路27は、例えば両端が開口したダクトで形成され、除湿通路21内と車外とを繋ぐ通路として機能する空間を有する。排出通路27は、一端(上流端)が除湿通路21のデシカント材22よりも下流側のサブファン25近傍の部分に接続されて除湿通路21内に開放され、他端(下流端)が空気を車外に排出できる位置に配置されて車外に向けて開放される。排出通路27の上流端には、排出ダンパ28が配置される。
排出ダンパ28は、除湿通路21に対する排出通路27の連通状態を切り替えるものである。排出ダンパ28は、排出通路27の上流端の開口を閉鎖する弁部28aと、弁部28aの基端に設けられた軸部28bとを有し、軸部28bを中心に回動する。排出ダンパ28は、空調ECU30により駆動手段(図示略)が制御されることで回動する。なお、排出ダンパ28は、除湿通路21内の空気の流れを阻害しないように、排出通路27内で回動するように設けられる。
排出ダンパ28は、デシカント材22の再生時では、排出通路27内に空気が導入されるように、排出通路27を開放する開放位置(図1中の二点鎖線の位置)に制御される。一方、排出ダンパ28は、デシカント材22の再生時以外では、排出通路27内に空気が導入されないように、排出通路27を閉鎖する閉鎖位置(図1中の実線の位置)に制御される。
[1−4.制御装置等の構成]
空調ECU30は、上述の空調部10及び除湿部20の各装置を制御することにより、車室4内の空調を制御するものである。空調ECU30は、車両ECUの下位に位置する電子制御装置であり、例えば周知のマイクロプロセッサやROM,RAM等を集積したLSIデバイスや組み込み電子デバイスとして構成され、車載ネットワークの通信ラインを介して車両ECUと通信可能に接続される。ここでは空調ECU30は、充電ガンが充電口に接続されると自動的に電源が入る(オン状態になる)ものとする。
図2に示すように、空調ECU30には、温湿度センサ40,操作スイッチ50及び水分量検出センサ60のそれぞれが電気的に接続される。温湿度センサ40は、車室4内の温度及び湿度を検出する検出手段であり、車室4内に設けられる。温湿度センサ40は、温度センサと湿度センサとが一体で構成されたものであり、例えば吹出口5d,5e,5fの近傍や乗員の近傍,窓ガラスの近傍などに設置される。温湿度センサ40は、検出した情報を空調ECU30へ出力する。
操作スイッチ50は、乗員が車室4内を空調する場合に乗員によって操作される操作部(入力手段)であり、例えば、図3に示すようにインパネ3上の運転席と助手席との間に設けられる。操作スイッチ50は、例えば、空調を作動又は停止させるオンオフスイッチ,冷房又は暖房を選択する冷暖房スイッチ,車室4内の温度を設定する温度設定ボタン,吹出口からの風量を設定する風量設定ボタン,空調に用いる空気を内気と外気とで切り替える内外気スイッチ,フロントガラスへ温風を送るデフロスタスイッチなどである。操作スイッチ50は、入力された情報(乗員の空調要求)を空調ECU30へ出力する。
水分量検出センサ60は、デシカント材22が吸着した水分量を推定するための情報を検出する検出手段であり、第1センサ61及び第2センサ62を備える。これらの第1センサ61及び第2センサ62はそれぞれ、温度と湿度とを測定可能な温湿度センサである。
図1に示すように、第1センサ61はデシカント材22の直上流に配置され、第2センサ62はデシカント材22の直下流に配置されている。第1センサ61は、デシカント材22の通過直前の空気の湿度(H1)及び温度(T1)を検出し、第2センサ62は、デシカント材22の通過直後の空気の湿度(H2)及び温度(T2)を検出する。水分量検出センサ60は、検出した情報を空調ECU30へ出力する。
空調ECU30は、温湿度センサ40から入力された車室4内の温度及び湿度情報と、操作スイッチ50から入力された乗員の空調要求と、水分量検出センサ60から入力された情報とに応じて、空調制御及び再生制御を実施する。
[2.制御構成]
空調制御とは、乗員の空調要求と車室4内の環境とに応じて冷房と暖房とを切り替える制御である。空調制御には、エバポレータ13を使用して車室4内を冷房する冷房モードと、暖房用ヒータ14を使用して車室4内を暖房する暖房モードとの二つの制御モードが含まれる。さらに暖房モードには、除湿暖房モードと外気暖房モードとの二種類がある。
冷房モードは、内気導入通路17を通じてハウジング11内に内気を導入し、エバポレータ13を作動させて内気を冷却しつつ除湿するモードである。冷房モードは、例えば乗員による操作スイッチ50の操作によって冷房が選択された場合や、車室4内の温度が設定温度よりも高い場合などに設定される。
除湿暖房モードは、除湿通路21を通じてハウジング11内に除湿した内気を導入し、暖房用ヒータ14を作動させて内気を加温するモードである。一方、外気暖房モードは、外気導入通路16を通じてハウジング11内に外気を導入し、暖房用ヒータ14を作動させて外気を加温するモードである。暖房モードは、例えば乗員による操作スイッチ50の操作によって暖房が選択された場合や、車室4内の温度が設定温度よりも低い場合などに設定される。また、除湿暖房モードと外気暖房モードとは、再生制御の実施の有無に応じて切り替えられ、再生制御が必要な場合のみ外気暖房モードが設定される。つまり、再生制御が不要な場合には、暖房モードとして除湿暖房モードが設定される。
再生制御とは、水分量検出センサ60からの情報に応じてデシカント材22の再生を実施する制御である。再生制御が実施される制御モードを再生モードという。再生モードは、デシカント材22の再生が必要な場合に設定される。本実施形態の再生モードは、車両2の電源がオンの場合だけでなく、車両2が外部充電中であるという情報が車両ECUから伝達された場合にも必要に応じて設定される。
図2に示すように、空調ECU30は、上記の空調制御及び再生制御を実施するための機能を実現するソフトウェア又はハードウェアとして、モード設定部31と制御部32とを有する。
モード設定部31は、空調装置1の作動時に、各種情報に基づいて空調装置1の制御モードを、冷房モード,除湿暖房モード及び外気暖房モードの何れか一つに設定するとともに、必要に応じて再生モードを設定するものである。具体的には、モード設定部31は、操作スイッチ50からの乗員の空調要求と温湿度センサ40からの車室4内の温度及び湿度情報とに基づき、冷房が必要であるか暖房が必要であるかを判断する。そして、冷房が必要であると判断した場合は冷房モードに設定し、暖房が必要であると判断した場合は、さらに水分量検出センサ60からの情報に基づき、再生制御が必要であるか否かを判断する。
モード設定部31は、第1センサ61により検出された温度T1及び湿度H1と、第2センサ62により検出された温度T2及び湿度H2とに基づき、デシカント材22が水分の吸着限界状態であるかを判定する。モード設定部31は、デシカント材22が吸着限界状態である場合に、再生制御が必要であると判断する。
図4に例示するように、デシカント材22による水分の吸着当初においては、第1センサ61による検知結果は、温度T1=t1℃、湿度H1=h1%であり、第2センサ62による検知結果は、温度T2=t2℃、湿度H2=h2%である。なお、以下、湿度は相対湿度(RH:Relative Humidity)で表すものとする。
一般に、デシカント材22等の水分吸着材は、水分を吸着する際に発熱(吸着熱)する特性を有する。従って、デシカント材22を通過する空気は、この空気中の水分を吸着することによって発熱したデシカント材22により加熱される。これにより、第2センサ62により検知される温度T2は第1センサ61により検知される温度T1よりも高くなるのである。すなわち、t2≧t1であり、また、h2≦h1となる。なお、t1,t2は、例えば約0℃から約90℃の間の値をとり得るものであり、h1,h2は、例えば数%から約90%の間の値をとり得るものである。
また、デシカント材22においては、水分吸着を継続して行うことにより、水分が蓄積され、その吸着性能の限界に到達する。このデシカント材22の吸着性能の限界を吸着限界という。
図5に例示するように、デシカント材22の吸着限界においては、第1センサ61による検知結果は、温度T1=t3℃、湿度H1=h3%であり、第2センサ62による検知結果は、温度T2=t4℃、湿度H2=h4%である。
なお、t4≧t3であり、また、h4≦h3となる。なお、t3,t4は、例えば約0℃から約90℃の間の値をとり得るものであり、h3,h4は、例えば数%から約90%の間の値をとり得るものである。また、t4はt3と同等の温度に近づき、h4はh3と同等の湿度に近づく。
このように、吸着限界の状態においては、デシカント材22は更なる水分吸着を行うことができないので、吸着熱の発生も停止する。従って、このとき、第1センサ61によって検知される温度T1の値と、第2センサ62によって検知される温度T2の値との差が小さくなる。
そこで、本車両用空調装置においては、第2センサ62によって検知された温度T2の値と、第1センサ61によって検知された温度T1の値との差(T2−T1)が、所定の閾値(第1閾値)以下の場合に、デシカント材22が吸着限界であると判断する。
すなわち、モード設定部31は、第2センサ62によって検知された温度T2の値と、第1センサ61によって検知された温度T1の値との差(T2−T1)が、所定の閾値(第1閾値)以下の場合に、デシカント材22の再生制御が必要であると判断する。
モード設定部31がデシカント材22の再生制御が必要であると判断した場合に、制御部32は、再生用ヒータ23,ヒータダンパ24,サブファン25,排出ダンパ28をそれぞれ制御して、デシカント材22の再生を実施する。従って、モード設定部31は、再生用ヒータによるデシカント材22の再生処理の開始を判断する再生開始判断部311として機能する。
なお、上記実施形態においては、モード設定部31(再生開始判断部311)は、第2センサ62によって検知された温度T2の値と、第1センサ61によって検知された温度T1の値との差が、所定の閾値(第1閾値)以下の場合に、デシカント材22の再生制御が必要であると判断しているが、これに限定されるものではない。
例えば、再生開始判断部311は、第2センサ62によって検知された湿度H2の値と、第1センサ61によって検知された湿度H1とに基づいて、デシカント材22の再生制御が必要であると判断してもよい。
具体的には、再生開始判断部311は、除湿部20の使用後、すなわち、再生モードでの動作開始後、所定時間を経過した時点で、第1センサ61によって検知された湿度H1の値と、第2センサ62によって検知された湿度H2の値との差(H1−H2)が、所定の閾値(第3閾値)以下の場合に、デシカント材22の再生制御が必要であると判断してもよい。
また、モード設定部31は、第2センサ62によって検知された温度T2の値と、第1センサ61によって検知された温度T1の値との差(T2−T1)が、所定の閾値(第1閾値)以下であることが検知され、且つ、再生モードでの動作開始後、所定時間を経過した時点で、第1センサ61によって検知された湿度H1の値と、第2センサ62によって検知された湿度H2の値との差(H1−H2)が、所定の閾値(第3閾値)以下であることが検知された場合に、デシカント材22の再生制御が必要であると判断してもよい。
モード設定部31は、暖房が必要であり且つ再生制御が不要であると判断した場合は除湿暖房モードに設定し、暖房が必要であり且つ再生制御が必要であると判断した場合は外気暖房モードに設定するとともに再生モードに設定する。すなわち、外気暖房モードは、再生モードと共に設定されるモードである。これは、再生モードと除湿暖房モードとを並行して実施することができないためである。したがって、モード設定部31は、再生モードを設定するときは、除湿暖房モードではなく外気暖房モードを設定する。また、除湿暖房モードの設定中に再生制御が必要となった場合は、除湿暖房モードから外気暖房モードに設定を切り替えた後、再生モードを設定する。
なお、モード設定部31は、水分量検出センサ60からの情報に基づいて再生モードを設定するため、暖房要求や冷房要求はないがデシカント材22の再生が必要な場合に、再生モードのみを単独で設定することはある。モード設定部31は、設定した制御モードを制御部32へ伝達する。
制御部32は、モード設定部31で設定された制御モードに応じて、空調装置1を構成する各要素に制御信号を出力してこれらを制御するものである。具体的な制御内容を図6〜図8を用いて説明する。
冷房モードが設定された場合は、制御部32は図6に示すように各要素を制御する。具体的には、制御部32は、メインファン12及びエバポレータ13を作動させるとともに暖房用ヒータ14を停止状態とする。また、内外気切替ダンパ18を、外気開口11aを閉鎖する位置に制御するとともに、再生切替ダンパ26を、除湿内気開口11cを閉鎖する位置に制御して、内気開口11bのみを開放させる。そして、エアミックスダンパ15を、暖房通路11Hをほぼ閉鎖する位置に制御して冷房通路11Gを開放させる。
除湿暖房モードが設定された場合は、制御部32は図7に示すように各要素を制御する。具体的には、制御部32は、メインファン12及び暖房用ヒータ14を作動させるとともにエバポレータ13を停止状態とする。また、内外気切替ダンパ18を、外気開口11aを閉鎖する位置に制御するとともに、再生切替ダンパ26を、内気開口11bを閉鎖する位置に制御して、除湿内気開口11cのみを開放させる。そして、エアミックスダンパ15を、冷房通路11Gをほぼ閉鎖する位置に制御して暖房通路11Hを開放させる。
さらに、制御部32は、再生用ヒータ23及びサブファン25を停止状態にするとともに、ヒータダンパ24を、加温通路21Hを閉鎖する位置に制御して迂回通路21Gを開放させ、排出ダンパ28を閉鎖位置に制御する。
外気暖房モードが設定されるとともに再生モードが設定された場合は、制御部32は図8に示すように各要素を制御する。具体的には、制御部32は、メインファン12及び暖房用ヒータ14を作動させるとともにエバポレータ13を停止状態とする。また、内外気切替ダンパ18を、内気開口11bを閉鎖する位置に制御するとともに、再生切替ダンパ26を、内気除湿開口11cを閉鎖する位置に制御して、外気開口11aのみを開放させる。そして、エアミックスダンパ15を、冷房通路11Gをほぼ閉鎖する位置に制御して暖房通路11Hを開放させる。
さらに、制御部32は、再生用ヒータ23及びサブファン25を作動させるとともに、ヒータダンパ24を、迂回通路21Gを閉鎖する位置に制御して加温通路21Hを開放させ、排出ダンパ28を開放位置に制御する。
これらの制御により、車室4内から除湿通路21に流入した空気は、加温通路21Hにおいて再生用ヒータ23によって加熱されることで、相対湿度が低下した状態、すなわち乾いた空気となる。
この乾いた空気が、デシカント材22を通過することで、デシカント材22に吸着した水分を除去し、デシカント材22を再生させる。デシカント材22の再生に用いられた空気は、サブファン25により、排出通路27を介して排出される。
また、上記各モードにおいて、デシカント材22の上流側に配置された第1センサ61と、デシカント材22の下流側に配置された第2センサ62とが、それぞれ通過する空気の温度や湿度を測定する。
なお、再生モードのみが設定された場合(例えば、車両2の外部充電中や空調オフ時)は、制御部32は、図8に示す状態から、ハウジング11内のメインファン12及び暖房用ヒータ14を停止状態とし、除湿部20の各要素を上記の再生モードと同様に制御する。例えば、充電ガンが差し込まれた場合には、再生モードのみを設定し、デシカント材22の再生完了後に再生モードを終了するようにしてもよい。
モード設定部31は、制御部32による再生モードの制御中において、第1センサ61により検出された温度T1及び湿度H1と、第2センサ62により検出された温度T2及び湿度H2とに基づき、デシカント材22の再生完了を判定する。
図9に例示するように、デシカント材22の再生開始時においては、第1センサ61による検知結果は、温度T1=t5℃、湿度H1=h5%であり、第2センサ62による検知結果は、温度T2=t6℃、湿度H2=h6%である。
一般に、デシカント材22等の水分吸着材は、吸着している水分を離脱(放出)させる際に、気化熱により周囲の熱を奪う。これにより、デシカント材22の再生時には、第2センサ62により検知される温度T2は第1センサ61により検知される温度T1よりも低くなるのである。
すなわち、t5≧t6であり、また、h5≦h6となる。なお、t5,t6は、例えば約0℃から約90℃の間の値をとり得るものであり、h5,h6は、例えば数%から約90%の間の値をとり得るものである。
図10に例示するように、デシカント材22の再生完了時においては、第1センサ61による検知結果は、温度T1=t7℃、湿度H1=h7%であり、第2センサ62による検知結果は、温度T2=t8℃、湿度H2=h8%である。
なお、t7≧t8であり、また、h7≦h8となる。なお、t7,t8は、例えば約0℃から約90℃の間の値をとり得るものであり、h7,h8は、例えば数%から約90%の間の値をとり得るものである。また、t8はt7と同等の温度に近づき、h8はh7と同等の湿度に近づく。
デシカント材22の再生完了状態においては、デシカント材22から除去される水分が無くなり、気化熱による冷却も停止する。すなわち、第1センサ61によって検知される温度T1の値と、第2センサ62によって検知される温度T2の値(T1−T2)との差が小さくなる。
そこで、本車両用空調装置においては、第1センサ61によって検知された温度T1の値と、第2センサ62によって検知された温度T2の値との差(T1−T2)が、所定の閾値(第2閾値)以下の場合に、デシカント材22の再生が完了したと判断する。
すなわち、モード設定部31は、第1センサ61によって検知された温度T1の値と、第2センサ62によって検知された温度T2の値との差(T1−T2)が、所定の閾値(第2閾値)以下の場合に、デシカント材22の再生完了を判断する再生完了判断部312として機能する。
なお、上記実施形態においては、再生完了判断部312は、再生モードにおいて、第1センサ61によって検知された温度T1の値と、第2センサ62によって検知された温度T2の値との差(T1−T2)が、所定の閾値(第2閾値)以下の場合に、デシカント材22の再生完了を判断しているが、これに限定されるものではない。
再生完了判断部312は、第2センサ62によって検知された湿度H2の値と、第1センサ61によって検知された湿度H1の値との差(H2−H1)が、所定の閾値(第4閾値)以下の場合に、デシカント材22の再生完了を判断してもよい。
また、再生完了判断部312は、第1センサ61によって検知された温度T1の値と、第2センサ62によって検知された温度T2の値との差(T1−T2)が、所定の閾値(第2閾値)以下であることが検知され、且つ、第2センサ62によって検知された湿度H2の値と、第1センサ61によって検知された湿度H1の値との差(H2−H1)が、所定の閾値(第4閾値)以下であること検知された場合に、デシカント材22の再生完了を判断してもよい。
また、モード設定部31は、除湿部20の故障判定を行う、故障判断部313としての機能も備える。
除湿部20の故障の判定は、例えば、デシカント材22の再生時に、再生を開始してから所定時間経過しても第1センサ61により測定される温度(T1)と第2センサ62により測定される温度(T2)との温度差(T1−T2)が所定値(第5閾値)以下とならないことを検知することにより行う。また、再生を開始してから所定時間経過しても第2センサ62により測定される湿度(H2)が所定値以下とならないことを検知することにより除湿部20の故障を判断してもよい。
再生を開始してから所定時間経過しても第1センサ61により測定される温度(T1)と第2センサ62により測定される温度(T2)との温度差(T1−T2)が所定値(第5閾値)以下とならない場合や、第2センサ62により測定される湿度(H2)が所定値以下とならない場合には、デシカント材22の劣化や第1センサ61もしくは第2センサ62の故障等が考えられる。
モード設定部31は、デシカント材22の再生時には、上述の如き除湿部20の故障判定を行い、除湿部20の故障を判定すると、一時的に冷房モードにすることよりエバポレータ13を作動させて内気を冷却しつつ除湿する。これにより、車室4内の除湿を確実に行うことができる。
また、空調ECU30は、除湿部20において異常が検知されたことを示す警告を発行することが望ましい。
[3.フローチャート]
図11は、空調装置1で実施される制御内容を説明するためのフローチャートである。このフローチャートは、車両ECUがオン状態の場合に(すなわち車両2の外部充電中にも)所定の演算周期で繰り返し実施される。
ステップS1では、温湿度センサ40,操作スイッチ50及び水分量検出センサ60から各種情報が空調ECU30に入力される。ステップS2では、ステップS1で取得した情報に基づき、モード設定部31によって乗員の空調要求の有無が判定される。つまりここでは、空調制御を実施する必要があるか否かが判定される。乗員の空調要求が有ると判定された場合には、空調制御を実施する必要があるとしてステップS3に進む。
ステップS3では、モード設定部31によって暖房が必要であるか否かが判定され、必要な場合はステップS4へ進み、不要な場合はステップS5に進む。ステップS5では、モード設定部31により冷房モードが設定されて、制御部32によって冷房モードに応じた空調制御が行われ、このフローをリターンする。
ステップS4では、モード設定部31によって再生制御が必要であるか否かが判定され、必要な場合はステップS7へ進み、不要な場合はステップS6へ進む。つまりここでは、水分量検出センサ60からの情報に基づいて、暖房モードとして除湿暖房モードを設定するのか外気暖房モードを設定するのかが選択される。再生制御が必要であるかの判断手法については、図12を用いて後述する。ステップS6では、モード設定部31により除湿暖房モードが設定されて、制御部32によって除湿暖房モードに応じた空調制御が行われ、このフローをリターンする。
一方、ステップS4において再生制御が必要であると判定された場合には、ステップS7において、モード設定部31により外気暖房モード及び再生モードが設定される。そして、制御部32によって外気暖房モードに応じた空調制御が行われるととともに再生制御が行われ、このフローをリターンする。
また、ステップS2において乗員の空調要求が無いと判定された場合には、空調制御を実施する必要がないためステップS8に進む。例えば車両2が外部充電中である場合や乗員が空調装置1を使っていない場合には、ステップS2において乗員の空調要求が無いと判定される。ステップS8では、モード設定部31によって再生制御を実施する必要があるか否かが判定され、必要な場合はステップS9へ進み、不要な場合はこのフローをリターンする。つまりステップS8では、水分量検出センサ60からの情報に基づいて、再生モードを単独で設定するか否かが判定される。再生制御が必要であるかの判断手法については、図12を用いて後述する。ステップS9では、モード設定部31により再生モードのみが設定され、制御部32により再生制御が行われ、このフローをリターンする。
このように、車室4内の暖房要求が有り、且つ、デシカント材22の再生が不要である場合には、除湿暖房モードが設定され、内気循環により車室4内の暖房が実施される。この場合、外気を取り入れず暖房を実施するため空調効率が向上するとともに、デシカント材22によって内気が除湿されるため窓曇りが防止される。また、空調制御が実施されるか否かに関わらず、デシカント材22の再生が必要である場合には再生モードが設定され、再生制御が実施される。本実施形態では、暖房要求が有り、且つ、デシカント材22の再生が必要である場合には、再生モードが外気暖房モードとともに設定され、再生制御が空調制御と並行して実施される。
次に、図12を用いて、再生制御が必要であるか否かの判断手法を説明する。
この図12に示す例においては、暖房側の温調が選択され(ステップA1)、除湿暖房モードが設定され、内気循環により車室4内の暖房が実施される場合について示す。空調使用中はデシカント材22を介した吸着吸入で空気が取り入れられる(ステップA2)。
デシカント材22の通過直前の空気の湿度(H1)及び温度(T1)が第1センサ61によって測定され、また、デシカント材22の通過直後の空気の湿度(H2)及び温度(T2)が第2センサ62によって測定される。これらの測定結果は空調ECU30に入力され、モード設定部31によってモニタリングされる(ステップA3)。
モード設定部31(再生開始判断部311)は、第2センサ62によって検知された温度T2の値と、第1センサ61によって検知された温度T1の値との差を、所定の閾値(第1閾値)と比較する。
第2センサ62によって検知された温度T2の値と、第1センサ61によって検知された温度T1の値との差が第1閾値よりも大きい場合には、デシカント材22を介した吸着吸入を行いながら内気循環により車室4内の暖房が継続して実施される(ステップA5)。
一方、第2センサ62によって検知された温度T2の値と、第1センサ61によって検知された温度T1の値との差が第1閾値以下となった場合には、モード設定部31(再生開始判断部311)は、デシカント材22が吸着限界に達したと判断する。すなわち、
再生制御が必要であると判断する。
制御部32は、内外気切替ダンパ18を、内気開口11bを閉鎖する位置に制御するとともに、再生切替ダンパ26を、内気除湿開口11cを閉鎖する位置に制御して、外気開口11aのみを開放させる。これにより空気の取入れを外気へ切り替える(ステップA6)。
また、制御部32は、排出ダンパ28を開放位置に制御することにより、デシカント材22を通過した空気が排出通路27を介して排気させる方向へ切り替える。
さらに、制御部32は、ヒータダンパ24を、加温通路21Hを開放して迂回通路21Gを閉鎖する位置に制御するとともに、再生用ヒータ23を作動させる。これにより、車室内から除湿通路21に流入した空気は、加温通路21Hを通過し、再生用ヒータ23によって加熱されることで、相対湿度が低下した状態、すなわち乾いた空気となる。この乾いた空気をデシカント材22に流入させることで、デシカント材22の再生を行う。すなわち、再生モードに移行する(ステップA7)。
また、モード設定部31(再生完了判断部312)は、再生モードの制御中において、デシカント材22の再生完了の判定を行う。
例えば、図13に示すように、暖房側の温調が選択され(ステップB1)、外気暖房モードが設定されるとともに再生モードでの作動中においては、外気からの空気取り入れが行われている(ステップB2)。
デシカント材22の通過直前の空気の湿度(H1)及び温度(T1)が第1センサ61によって測定され、また、デシカント材22の通過直後の空気の湿度(H2)及び温度(T2)が第2センサ62によって測定される。これらの測定結果は空調ECU30に入力され、モード設定部31によってモニタリングされる(ステップB3)。
モード設定部31(再生完了判断部312)は、第1センサ61によって検知された温度T1の値と、第2センサ62によって検知された温度T2の値との差を、所定の閾値(第2閾値)と比較する。
第2センサ62によって検知された温度T2の値と、第1センサ61によって検知された温度T1の値との差が第2閾値よりも大きい場合には、デシカント材22の再生が引き続き行われる。すなわち、外気の取入れと(ステップB6)、再生モードによるデシカント材22の再生とを実施する(ステップB7)。
一方、第2センサ62によって検知された温度T2の値と、第1センサ61によって検知された温度T1の値との差が第1閾値以下となった場合には、再生完了判断部312は、デシカント材22の再生が完了したと判断する。すなわち、除湿暖房モードへ移行し、デシカント材22を介した吸着吸入を行いながら内気循環による車室4内の暖房が実施される(ステップB5)。
[4.作用,効果]
(1)上記の空調装置1では、車室4内とハウジング11とを連通する除湿通路21にデシカント材22が内蔵されている。また、内外気切替ダンパ18が、車室4内の暖房時に、内気導入通路17を閉鎖するとともに外気導入通路16及び除湿通路21の何れか一方を開放する。
すなわち、上記の空調装置1では、車室4内の暖房時において、内気がデシカント材22を通過することで除湿された後に除湿通路21からハウジング11内に導入されるか、外気がデシカント材22を通過せずに外気導入通路16からハウジング11内に導入されるかの何れか一方となる。除湿通路21を開放して車室4内を内気循環により暖房するという前者の場合は、車室4内の窓曇りを防止しながら空調効率を向上させることができる。また、車室4内の暖房時に外気導入通路16を開放するという後者の場合は、除湿通路21が閉鎖されるため、外気とデシカント材22との相対湿度の関係によってデシカント材22から水分が放出されるという虞がなく、窓曇りを防止して車室4内を暖房することができる。
また、一般に、湿った空気がデシカント材22を通過すると、水分の吸着に伴う吸着熱によって空気が加温されることが知られている。そのため、車室4内の暖房時に、デシカント材22で水分を吸着された内気をハウジング11内に導入することにより、デシカント材22の吸着熱を車室4内の暖房に利用することができ、暖房負荷を軽減して空調効率の向上に寄与することができる。
(2)また、上記の空調装置1では、再生切替ダンパ26が、デシカント材22の再生時に少なくとも除湿通路21を閉鎖するため、デシカント材22の再生時には、除湿通路21がハウジング11から分離されることになる。これにより、デシカント材22の再生時に、デシカント材22を通過して水分を含んだ(加湿された)内気がハウジング11内へ流入することがない。また、この内気はサブファン25によって排出通路27から車外へと排出される。
したがって、上記の空調装置1によれば、デシカント材22の再生時に、デシカント材22で加湿された内気が車室4内へ送り込まれることを防止することができるため、窓曇りを防止することができる。また、デシカント材22の再生時に除湿通路21とハウジング11内とが分離(区画)されるため、窓曇りを防止しながら、デシカント材22の再生とハウジング11内における空調制御とを同時に(並行して)実施することができ、利便性を向上させることができる。
(3)また、上記の空調装置1では、除湿通路21に、加温通路21Hと迂回通路21Gとの流通状態を切り替えるヒータダンパ24が内蔵される。そして、ヒータダンパ24は、デシカント材22の再生時に、加温通路21Hを開放して迂回通路21Gを閉鎖し、デシカント材22の再生時以外では(すなわち再生切替ダンパ26によって除湿通路21が開放された暖房時には)、加温通路21Hを閉鎖して迂回通路21Gを開放する。これにより、デシカント材22の再生時と除湿通路21が開放された暖房時とで、除湿通路21内の流路が切り替えられる。
再生用ヒータ23は、デシカント材22の再生時に作動され、再生が終了すると停止されるが、終了直後ではオフ状態であっても高温である可能性がある。そのため、デシカント材22の再生制御がデシカント材22から完全に水分を除去する前に終了するような場合、再生制御が終了した直後に内気が再生用ヒータ23を通過してしまうと、内気が加温され、再生時と同様にデシカント材22から水分を奪って加湿された後、ハウジング11内に導入されてしまう虞がある。これに対し、上記の空調装置1では、デシカント材22の再生時と除湿通路21が開放された暖房時とで除湿通路21内の流路を切り替えることによって、デシカント材22の再生終了直後に内気が再生用ヒータ23を通過することを防止することができる。したがって、デシカント材22の再生終了直後における窓曇り防止効果を高めることができる。
(4)また、車両2の外部充電中は、車両2が使用される可能性が低いため再生に必要な時間も確保しやすく、デシカント材22の再生に必要な電力(すなわち再生用ヒータ23やサブファン25の稼動,及びヒータダンパ24の制御などに必要な電力)も確保しやすい。そのため、上記の空調装置1によれば、車両2の外部充電中にデシカント材22の再生を行うことによって、車両2の利便性を高めながらデシカント材22の再生を円滑に実施することができる。さらに、再生制御を外部充電中に単独で行うことにより、暖房時に再生制御を並行して実施する必要性が少なくなる。そのため、暖房時に除湿暖房モードが設定される割合を高めることができ、空調効率の向上に貢献することができる。
(5)また、上記の空調装置1では、車室4内の冷房時に、内外気切替ダンパ18及び再生切替ダンパ26が、内気導入通路17を開放するとともに外気導入通路16及び除湿通路21を閉鎖する。そのため、上記の空調装置1によれば、車室4内の冷房時に、デシカント材22を通過した内気がハウジング11内に導入されることがなく、従来と同様の冷房制御をすることができる。
また、上述のように湿った空気がデシカント材22を通過すると吸着熱によって空気が加温されるため、車室4内の冷房時にデシカント材22を通過した内気がハウジング11内に導入される場合、空調効率の低下を招く虞がある。この点、上記の空調装置1によれば、車室4内の冷房時に、デシカント材22を通過した内気がハウジング11内に導入されないため、上述のような空調効率の低下を回避することができる。
また、上記の空調装置1によれば、車室4内の冷房時に、仮に内気の湿度が低く、内気がデシカント材22を通過することで加湿されたとしても、この加湿された内気がハウジング11内に流入することがないため、空調効率の低下を回避しながら窓曇りを防止することができる。
(6)また、上記の空調装置1は、空調部10を備える既存の製品に対して、除湿部20を追加することで製造することができる。そのため、既存の製品を活用して製造コストの増大を抑制することができる。
(7)また、上記の空調装置1では、除湿暖房モードの設定中に再生制御が必要となった場合に、除湿暖房モードから外気暖房モードに設定を切り替えた後に、再生モードを設定する。つまり、上記の空調装置1では、再生モードに切り替わる前に、外気暖房モードが設定される。そのため、デシカント材22の再生が実施される前に確実に除湿通路21を閉鎖することができ、再生モードの設定直後に、デシカント材22を通過して湿度が上昇した内気がハウジング11内に導入されることを確実に防止することができる。
(8)また、上記の空調装置1では、再生開始判断部311が、第2センサ62によって検知された温度T2の値と、第1センサ61によって検知された温度T1の値との差が、所定の閾値(第1閾値)以下の場合に、デシカント材22の再生制御が必要であると判断する。これにより、デシカント材22が吸着限界に達したことを容易に検知することができ、デシカント材22の再生を効率的に実施することができる。
(9)さらに、再生開始判断部311が、第2センサ62によって検知された温度T2の値と、第1センサ61によって検知された温度T1の値との差が、所定の閾値(第1閾値)以下であることが検知され、且つ、再生モードでの動作開始後、所定時間を経過した時点で、第1センサ61によって検知された湿度H1の値と、第2センサ62によって検知された湿度H2の値との差が、所定の閾値(第3閾値)以下であることが検知された場合に、デシカント材22の再生制御が必要であると判断することにより、デシカント材22が吸着限界に達したことを高精度に検知することができ、デシカント材22の再生を効率的に実施することができる。
例えば、外気温による影響を受け、第2センサ62によって検知される温度T2の値や第1センサ61によって検知される温度T1の値が変動することが考えられる。
このような場合に、第2センサ62によって検知された温度T2の値と、第1センサ61によって検知された温度T1の値とだけに基づいてデシカント材22の再生制御の要否を判断すると誤判定が行われるおそれがある。すなわち、まだ再生制御が不要であるにもかかわらず、再生開始判断部311がデシカント材22の再生制御が必要であると誤判断したり、再生制御が必要にもかかわらず、再生開始判断部311がデシカント材22の再生制御が不要であると誤判断するおそれがある。
例えば、外気温が高くなることで、第1センサ61により検知される温度T1が高くなり、第2センサ62によって検知された温度T2の値と、第1センサ61によって検知された温度T1の値との差が小さくなることが考えられる。この場合、再生開始判断部311は、実際にはまだ再生制御を必要としないにもかかわらず、デシカント材22の再生制御が必要であるとの誤判断を行うことが考えられる。
そこで、第1センサ61及び第2センサ62により、それぞれ温度と湿度とを検知し、これらの温度による判定と湿度による判定とを併用することにより、デシカント材22の再生開始のタイミングを正確に判断でき、デシカント材22を効率的に使用できる。例えば、実際に必要なタイミングよりも早く再生を開始してしまうことを阻止でき、デシカント材22を効率的に使用できる。
(10)また、上記の空調装置1では、再生完了判断部312が、第1センサ61によって検知された温度T1の値と、第2センサ62によって検知された温度T2の値との差が、所定の閾値(第2閾値)以下の場合に、デシカント材22の再生完了を判断する。これにより、デシカント材22の再生完了を迅速に検知することができ、例えば、除湿暖房モードへ速やかに移行することができる。すなわち、本装置を効率的に運用することができる。
(11)さらに、再生完了判断部312が、第1センサ61によって検知された温度T1の値と、第2センサ62によって検知された温度T2の値との差が、所定の閾値(第2閾値)以下であることが検知され、且つ、第2センサ62によって検知された湿度H2の値と、第1センサ61によって検知された湿度H1の値との差が、所定の閾値(第4閾値)以下であること検知された場合に、デシカント材22の再生完了を判断することにより、デシカント材22の再生完了を高精度に検知することができ、デシカント材22の再生を効率的に実施することができる。
例えば、外気温による影響を受け、第2センサ62によって検知される温度T2の値や第1センサ61によって検知される温度T1の値が変動することが考えられる。
このような場合に、第2センサ62によって検知された温度T2の値と、第1センサ61によって検知された温度T1の値とだけに基づいてデシカント材22の再生完了を判断すると、誤判定が行われるおそれがある。すなわち、本来、再生が完了していないにもかかわらず、再生完了判断部312がデシカント材22の再生完了を誤判断したり、再生が完了しているにもかかわらず、再生完了判断部312がデシカント材22の再生が完了していないと誤判断するおそれがある。
例えば、外気温が低くなることで、第1センサ61により検知される温度T1が低くなり、第2センサ62によって検知された温度T2の値と、第1センサ61によって検知された温度T1の値との差が小さくなることが考えられる。この場合、再生完了判断部312は、実際にはまだデシカント材22の再生が完了してしないにもかかわらず、デシカント材22の再生が完了したとの誤判断を行うことが考えられる。
そこで、第1センサ61及び第2センサ62により、それぞれ温度と湿度とを検知し、これらの温度による判定と湿度による判定とを併用することにより、デシカント材22の再生完了を正確に判断でき、デシカント材22を効率的に使用できる。
(12)また、上記の空調装置1では、故障判断部313が、デシカント材22の再生時に、再生を開始してから所定時間経過しても、第1センサ61により測定される温度(T1)と第2センサ62により測定される温度(T2)との温度差が所定値(第5閾値)以下とならないことを検知することにより、除湿部20の故障の判定を行う。これにより、除湿部20において異常が検知されたことを示す警告を発行する等の対処を迅速に行うことができる。また、例えば、一時的に冷房モードにすることよりエバポレータ13を作動させて内気を冷却しつつ除湿する。これにより、車室4内の除湿を確実に行うことができる。
[5.変形例]
上述した実施形態に関わらず、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。本実施形態の各構成は、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせてもよい。
上記実施形態では、空調装置1が電動車両に搭載される場合を例示したが、本空調装置1はエンジン車両に搭載されてもよい。本空調装置1がエンジン車両に搭載される場合にも、本空調装置1によれば、上記実施形態と同様に車室4内の窓曇りを防止しながら空調効率を向上させることができる。またこの場合には、空調効率が向上することによって、バッテリの電力消費量を抑えつつ早期に車室4内を暖めることができる。
また、上記実施形態では、デシカント材22の再生と車室4内の暖房とが並行して実施される場合を説明したが、これと同様に、デシカント材22の再生と車室4内の冷房とが並行して実施されるようにしてもよい。また、上記実施形態では、車両2の外部充電中に、車室4内の冷暖房は実施されずにデシカント材22の再生が実施される場合を例示したが、車両2の外部充電中に、車室4内の冷暖房とデシカント材22の再生とが並行して実施されるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、二つのダンパ18,26で三つの開口11a,11b,11cが閉鎖又は開放される例を示したが、それぞれの開口11a,11b,11cにダンパ(流路切替手段)を一つずつ配設して、三つのダンパを制御することで各開口11a,11b,11cを個々に閉鎖又は開放するようにしてもよい。また、上記のハウジング11の形状は一例であり、各開口11a〜11fの形状や大きさなどは特に限定されない。
また、上記実施形態では、流路切替手段としてダンパ18,26を例示したが、流路切替手段は、少なくとも内気導入通路17を閉鎖するとともに外気導入通路16及び除湿通路21の何れか一方を開放できるものであればよく、その具体的な構造は特に限定されない。例えば、流路切替手段は、移動可能に設けられた弁や栓であってもよい。また、加温通路21H及び迂回通路21Gの流通状態を切り替えるダンパ24(切替弁)についても特に限定されず、これらの通路21H,21Gを切り替えることができるものであればよい。なお、エアミックスダンパ15や送風ダンパ19a,19bについても同様に、その構成は特に限定されない。
また、上記の各通路16,17,21の形状は、車両2に搭載される他の装置との配置関係や他端の配置場所などに応じて適宜設定可能である。なお、内気導入通路17と除湿通路21とは、何れも内気を取り入れる通路であるため、上流端側が共通の通路で形成されていてもよい。すなわち、車室4内の空気を取り入れるための入口側が共通のダクトで構成され、途中から内気導入通路17と除湿通路21とに分岐形成されていてもよい。また、上記実施形態では、ハウジング11に各通路16,17,21が接続される構成を説明したが、これら一部又は全てが一体で成形されたものであってもよい。
また、上記実施形態では、除湿通路21に、デシカント材22の再生時に用いる排出通路27,ヒータダンパ24,再生用ヒータ23,サブファン25及び排出ダンパ28が設けられた空調装置1を例示したが、これらの要素は上述したものに限られない。例えば、再生用ヒータ23を除湿通路21の通路断面に亘って設け、ヒータダンパ24を省略してもよい。また、除湿通路21のハウジング11に対する接続位置を変更し、メインファン12を再生時にも利用できるような構成に変更して、サブファン25を省略してもよい。あるいは、排出通路27及び排出ダンパ28を省略し、デシカント材22の再生によって湿度が上昇した空気を外気導入通路16から排出できるような構成としてもよい。これらのような構成であっても、上記実施形態と同様に車室4内の窓曇りを防止しながら空調効率を向上させることができる。
また、上述した空調装置1におけるハウジング11内の各要素(装置)の配置や構成は一例であり、変更可能である。例えば、エアミックスダンパ15の代わりにハウジング11内を二つの通路11H,11Gに仕切る仕切板を設け、二つの通路11H,11Gを開閉する弁を設けて暖房通路11Hと冷房通路11Gとを設けてもよいし、これら通路11H,11Gを一つのハウジング11内に設けるのではなく別々に設けるような構成としてもよい。また、車室4内の冷房時に外気導入としてもよい。
また、上記の温湿度センサ40の構成及び配置は上記したものに限定されない。湿度センサ40は、例えば温度センサと湿度センサとが別々に形成されたものでもよいし、車室4内の温度及び湿度を検出できる場所であれば、上記の場所以外の場所に設置されてもよい。
また、上記の操作スイッチ50は、少なくとも乗員が操作することのできるものであればよく、その具体的な構造や配置は特に限定されない。
また、上記の水分量検出センサ60の構成及び配置は上記したものに限定されない。例えば、第1センサ61は、例えば温度センサと湿度センサとが別々に形成されたものでもよいし、デシカント材22に流入する前の空気の温度及び湿度を検出できる場所であれば、上記の場所以外の場所に設置されてもよい。同様に、第2センサ62は、例えば温度センサと湿度センサとが別々に形成されたものでもよいし、デシカント材22を通過後の空気の温度及び湿度を検出できる場所であれば、上記の場所以外の場所に設置されてもよい。
また、上述した空調装置1において、除湿部材としてデシカント材を用いた例について示しているが、これに限定されるものではなく、除湿部材として、再生可能な他の水分吸着材を用いてもよく、種々変形して実施することができる、なお、除湿部材として加熱以外の手法により再生がされるものを用いる場合には、除湿部20において、再生用ヒータ23に代えて、当該再生手法に応じた再生手段(再生処理部)を備えて構成する。
1 空調装置(車両用空調装置)
2 車両(電動車両)
10 空調部
11 ハウジング
11H 暖房通路
11G 冷房通路
12 メインファン
13 エバポレータ
14 暖房用ヒータ
15 エアミックスダンパ
16 外気導入通路
17 内気導入通路
18 内外気切替ダンパ
20 除湿部
21 除湿通路
21H 加温通路
21G 迂回通路
22 デシカント材(除湿部材)
23 再生用ヒータ(再生処理部)
24 ヒータダンパ
25 サブファン
26 再生切替ダンパ
27 排出通路
30 空調ECU
31 モード設定部
32 制御部
60 水分量検出センサ
61 第1センサ
62 第2センサ
311 再生開始判断部
312 再生完了判断部
313 故障判断部

Claims (6)

  1. 車室内に流入する空気の流路上に配置され前記空気中の水分を吸着する除湿部材と、
    前記除湿部材から水分を除去する再生処理を行う再生処理部と、
    前記流路上における前記除湿部材の上流側位置において、前記除湿部材へ流入前の空気の温度を検出する第1センサと、
    前記流路上における前記除湿部材の下流側位置において、前記除湿部材を通過後の空気の温度を検出する第2センサと、
    前記第2センサにより検出された前記除湿部材を通過後の空気の温度と、前記第1センサにより検出された前記除湿部材へ流入前の空気の温度との差が第1閾値以下の場合に、前記再生処理部による前記除湿部材の再生処理の開始を判断する再生開始判断部と
    前記除湿部材の再生処理の実施中において、前記再生処理の開始から所定時間経過後に、前記第1センサにより検出された前記除湿部材へ流入前の空気の温度と、前記除湿部材を通過後の空気の温度との差が第5閾値よりも大きい場合に、故障発生を判断する故障判断部と
    を備えることを特徴とする、車両用空調装置。
  2. 前記第1センサが前記流路上における前記除湿部材の上流側位置において、前記除湿部材へ流入前の空気の湿度を検出するとともに、前記第2センサが、前記流路上における前記除湿部材の下流側位置において、前記除湿部材を通過後の空気の湿度を検出し、
    前記再生開始判断部が、前記第2センサにより検出された前記除湿部材を通過後の空気の温度と、前記第1センサにより検出された前記除湿部材へ流入前の空気の温度との差が第1閾値以下であり、且つ、前記第1センサにより検出された前記除湿部材へ流入前の空気の湿度と、前記第2センサにより検出された前記除湿部材を通過後の空気の湿度との差が第3閾値以下の場合に、前記再生処理部による前記除湿部材の再生処理の開始を判断することを特徴とする、請求項1記載の車両用空調装置。
  3. 前記除湿部材の再生処理の実施中において、前記第1センサにより検出された前記除湿部材へ流入前の空気の温度と、前記除湿部材を通過後の空気の温度との差が第2閾値以下の場合に、前記再生処理部による前記除湿部材の再生処理の完了を判断する再生完了判断部を備える
    ことを特徴とする、請求項1又は2記載の車両用空調装置。
  4. 前記第1センサが前記流路上における前記除湿部材の上流側位置において、前記除湿部材へ流入前の空気の湿度を検出するとともに、前記第2センサが、前記流路上における前記除湿部材の下流側位置において、前記除湿部材を通過後の空気の湿度を検出し、
    前記再生完了判断部が、
    前記除湿部材の再生処理の実施中において、前記除湿部材の再生処理の実施中において、前記第1センサにより検出された前記除湿部材へ流入前の空気の温度と、前記除湿部材を通過後の空気の温度との差が第2閾値以下であり、且つ、前記第2センサにより検出された前記除湿部材を通過後の空気の湿度と、前記第1センサにより検出された前記除湿部材へ流入前の空気の湿度との差が第4閾値以下の場合に、前記再生処理部による前記除湿部材の再生処理の完了を判断する
    ことを特徴とする、請求項3記載の車両用空調装置。
  5. 車室内に流入する空気が流通し、前記除湿部材を内蔵する除湿通路と、
    一端が前記除湿通路における前記除湿部材よりも下流位置に開口されると共に、他端が車外に連通する排出通路と、
    前記除湿通路に対する排出通路の連通状態を切り替える排出ダンパと、
    前記再生開始判断部が、前記再生処理部による前記除湿部材の再生処理の開始を判断した場合に、前記排出通路内に空気が導入されるように、排出通路を開放する開放位置に前記排出ダンパを制御する制御部とを備える
    ことを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の車両用空調装置。
  6. 前記排出通路へ向かう空気の流れを生成する再生用送風手段を備え、
    前記再生開始判断部が、前記再生処理部による前記除湿部材の再生処理の開始を判断した場合に、前記制御部が、前記除湿通路において前記除湿部材を通過した空気が前記排出通路内に導入されるように前記再生用送風手段を駆動する制御を行う
    ことを特徴とする、請求項記載の車両用空調装置。
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