JP6451233B2 - 電子機器 - Google Patents
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Description
図40(a),(b)は従来のラックマウント型システムの外観を示す図であり、(a)はその表面を例示する図、(b)はその裏面を例示する図である。
図40(a),(b)に例示するラックマウント型システム500は、ラック510内に複数(図40(a),(b)に示す例では2つ)のストレージシステム550を備える。各ストレージシステム550は、複数のDE(Drive Enclosure:ストレージ装置)501やCE(Controller Enclosure:ストレージ制御装置)502等の電子機器を備える。これらのDE501やCE502は、それぞれラック510に脱着可能に備えられる。
CE502は、ストレージシステム550の動作を制御する制御装置であり、コントローラ(CM:Controller Module)503(図40(b)参照)を備える。CM503は、図示しないホスト装置から送信されるI/Oコマンドに従って、DE501の記憶装置へのアクセス制御等、各種制御を行なう。
図40(a)に示す例においては、ラック510に18個のDE501と2個のCE502とが挿入されている。
具体的には、DE501やCE502のそれぞれの背面には、ユニット間ケーブル521のコネクタ(図示省略)を挿入可能なコネクタ(開口)が形成されており、各コネクタにユニット間ケーブル521のコネクタを挿入することで、上下方向において隣接するDE501−DE501間もしくはDE501−CE502間を接続する。これにより、ラック510に搭載された複数のDE501及びCE502がカスケード接続される。
1つの側面では、本発明は、ラックに搭載する電子機器に対する作業性を向上できるようにすることを目的とする。
図1は実施形態の一例としての電子機器1の構成を模式的に示す斜視図である。
この図1においては、2つの電子機器1−1,1−2が上下方向に並べて配置されている。なお、以下、電子機器を示す符号としては、複数の電子機器のうち1つを特定する必要があるときには符号1−1,1−2を用いるが、任意の電子機器を指すときには符号1を用いる。
なお、図1に示す例においては、便宜上、電子機器1−1と電子機器1−2とを離して配置して示している。
ラック200における前後方向は、ラック200のスロット210への電子機器1の挿抜方向に相当するものであり、スロット210における電子機器1が挿入される側を前方とする。また、この前後方向と直交する水平面上の方向を左右方向という場合がある。
また、搭載金具202の前方の端部には、固定穴2023と上下方向に並んで1つ以上の固定穴2022が形成されている。図2に示す例では、固定穴2023を挟んで2つの固定穴2022が形成されている。
そして、ラック200において、水平方向(左右方向)に並んで平行に配置された一対の搭載金具202の間の空間が電子機器1を挿入するスロット210として機能する。搭載金具202は、スロット210の側壁を成す。
搭載金具202における支持部2021が突出する側の面が、スロット210の内壁面をなす。以下、搭載金具202における支持部2021が突出する側の面、すなわちスロット210の内壁面となる面を内壁面202aという場合がある。
筐体10の前側には、筐体10をラック200の支柱201に固定するためのラック固定部13が形成されている。
ラック固定部13は、筐体10の前面において、この前面に沿って左右方向に突出する板状部材である。このラック固定部13は、電子機器1をラック200のスロット210内に挿入する際に、ラック200の支柱201に当接する。これにより、ラック200における電子機器1の位置決めが行なわれる。
図3は実施形態の一例としての電子機器1のMP20の構成を模式的に示す図であり、筐体10の前方から見た状態を示す。
MP20の長手方向の上辺には1つ以上(図3に示す例では2つ)の第1コネクタ30が配置されている。また、MP20の長手方向の下辺には、上記第1コネクタ30と同数(図3に示す例では2つ)の第2コネクタ40が、第1コネクタ30と対向する各位置に配置されている。
なお、各電子機器1において、MP20は筐体10における同じ位置に取り付けられ、また、開口11,12も、各電子機器1で筐体10の同一位置に形成されている。
なお、この図4中においては、各電子機器1のMP20が第1コネクタ30および第2コネクタ40を介して電気的に接続されている状態を実線L1,L2によりイメージとして表している。この図4に示す例においては、図中右側に示す実線L1で表される第1の電気接続系と、図中左側に示す実線L2で表される第2の電気接続系とで冗長化されている。
また、この電子機器1aは、電子機器1のMP20に代えてMP20aを備える。
図5(a),(b),(c)は実施形態の一例としての電子機器1における第1コネクタ30および第2コネクタ40の構成を説明するための側断面図である。図5(a)はMP20の側面図、図5(b)は第1コネクタ30の側断面図、図5(c)は第2コネクタ40の側断面図である。
第1コネクタ30は、図6(a)に示すように、接点金具31とケース32とを備える。ケース32はMP20の上端位置に固定され、このケース32の上面から、板状の接点金具31が、その一部を円弧状に湾曲された状態で突出している。
第2コネクタ40は、図6(b)に示すように、接点金具41とケース42とを備える。ケース42はMP20の下端位置に固定され、このケース42の下面から、板状の接点金具41が、その一部を凸に湾曲された状態で突出している。
なお、図6(b)に示す例においては、接点金具41の形状が見えるように、ケース42の一部を切り欠いて示している。また、図6(b)においては、3つの接点金具41を図示しているが、これに限定されるものではなく、第2コネクタ40には2つ以下もしくは4つ以上の接点金具41を備えてもよく、種々変形して実施することができる。
この図7に示す例においては、電子機器1−2の第2コネクタ40と電子機器1−1の第1コネクタ30とがコネクタ接続されている状態を示す。この図7に示すように、第1コネクタ30の接点金具31と第2コネクタ40の接点金具41とは、コネクタ接続された状態において1対1で接続されるように、互いに対応する位置に備えられている。
上述の如く構成された実施形態の一例としての電子機器1におけるコネクタ接続方法を、図8(a),(b),(c)を用いて説明する。なお、これらの図8(a),(b),(c)に示す例においては、ラック200に電子機器1−2が搭載された状態で、その上のスロット210に電子機器1−1が挿入される場合について示す。
図8(b)に示すように、電子機器1−1をスロット210内に挿入すると、この電子機器1−1の筐体10の底面(底板113)が電子機器1−2の接点金具31に当接し、接点金具31は電子機器1−2の筐体10内に押し込まれる。
図4に例示した接続状態においては、実線L1およびL2で示す2つの電気接続系(パス)により冗長化されている。しかしながら、いずれかの電子機器1に不具合が生じて電子機器1内の接続が切れたり、交換のために電子機器1をラック200から取り外すと、それ以降の部分は、電子機器1aとの接続が切断されることとなる。
本電子機器1においては、ラック200内において他の電子機器1とのコネクタ接続を確実に行なうための、筐体10間の位置決め構造を有することが望ましい。筐体10間の位置決め構造を有することにより図7に示す各寸法を位置決め構造の精度に合わせて小さくすることができ、コネクタの小型化や接続信号数を増やすことが可能となる。そこで、本電子機器1においては、筐体10間の位置決めを行なう位置決め構造を備える。
(B−1)位置決め構造例1
図10は実施形態の一例としての電子機器1における位置決め構造を例示する図である。この図10に示す例においては、筐体10の下面(底板113)における左右方向の両端付近において、ラック200への電子機器1の挿抜方向、すなわち前後方向に沿ってレール状の位置決め凸部141を備える。また、筐体10の上面(天板112)には、ラック200への電子機器1の挿抜方向、すなわち前後方向に沿ってガイド溝142が形成されている。
これにより、ラック200内において上下に位置する電子機器1間での左右方向における位置決めが行なわれ、コネクタ接続を確実に行なうことができる。
図11及び図12(a),(b)は実施形態の一例としての電子機器1における他の位置決め構造を例示する図である。図11は位置決め凸金具151及び位置決め凹金具152を備えるMP20を例示する図である。また、図12(a)は位置決め凹金具152を例示する斜視図、図12(b)は位置決め凸金具151を例示する斜視図である。
なお、図11に示す例においては、MP20の長手方向の上辺の中央位置に位置決め凹金具152を備え、MP20の長手方向の下辺の中央位置であって、位置決め凹金具152と対向する位置に位置決め凸金具151が備えられている。
この位置決め凸部1511は、直方体状の形状を有し、筐体10の下面の中央付近において、ラック200への電子機器1の挿抜方向、すなわち前後方向に沿って延在する。
位置決め凹金具152には、図12(a)に示すように、ラック200への電子機器1の挿抜方向、すなわち前後方向に沿ってガイド溝1521が形成されている。
(B−3)位置決め構造例3
位置決め構造例3においては、搭載金具202間の位置決め構造と、これらの位置決めが行なわれた搭載金具202に対する電子機器1の位置決め構造とを有する。
また、図15(a)は搭載金具202におけるフック2041の位置を示す斜視図、図15(b)はフック2041を示す図、図15(c)は電子機器1の筐体10のフック係合穴161を示す斜視図である。図16(a),(b),(c)は搭載金具202のフック2041と筐体10のフック係合穴161との係合過程を示す図である。
フック2041は矩形の板状部材であり、図15(a)に示すように、搭載金具202の長手方向に沿って配置され、その後方端部が搭載金具202に固定されている。また、図15(b)に示すように、その前方端部は搭載金具202の内壁面202aから離隔している。さらに、フック2041は金属板等の弾性部材により構成されている。
そして、フック2041は、電子機器1がラック200のスロット210内に挿入されると、この電子機器1の筐体10の側面に形成されたフック係合穴161と係合する。
スロット210に電子機器1の筐体10を挿入している途中においては、図16(a)に示すように、フック2041は筐体10の外面に当接している。この状態においては、フック2041は筐体10の外面により付勢され、弾性変形により搭載金具202の内壁面202aよりも外(スロット210の外)へ押し出されている。
この状態から更に筐体10をスロット210に挿入すると、図16(c)に示すように、搭載金具202におけるフック2041と内壁面202aとの間に筐体10が侵入して係合する。これにより、スロット210内において電子機器1は必ず左側の搭載金具202に対して位置決めが行なわれる。上下方向に隣接する搭載金具202間は前述のように位置決めが行なわれているので、上下方向に隣接する電子機器1間の位置決めができる。
上述の如く、実施形態の一例としての電子機器1の筐体10には開口11,12が形成されており、これらの開口11,12を介してコネクタ接続が行なわれる。
これらの開口11,12内に備えられる第1コネクタ30や第2コネクタ40を保護するために、本電子機器1がラック200内に搭載されていない状態(非搭載状態)においては、開口11,12をそれぞれ閉鎖することが望ましい。そこで、本電子機器1においては、開口11,12を閉蓋し、必要に応じてこれらの開口11,12を露出させるカバー構造を備える。
(C−1)カバー構造例1
図17は実施形態の一例としての電子機器1の外観を示す斜視図であり、この電子機器1はカバー構造300を備える。なお、この図17においては、カバー構造300の一部の構成の図示を省略している。図18(a),(b)はカバー構造300における前板302とアーム303,303′との位置関係を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は正面図である。
カバー構造300は、電子機器1をラック200のスロット210に挿入した状態で、ラック200に電子機器1を固定する固定動作と、ラック200に固定された電子機器1を解放する解放動作とに連動して、開口11,12に備えた蓋301,301′を開閉する。
なお、開口11には蓋(第1カバー部)301が備えられ、開口12には蓋(第2カバー部)301′が備えられているが、これらの蓋301を開閉する機構と蓋301′を開閉する機構は同様の構成を有する。
また、図18(a),(b)に示すように、前板302においては、アーム303とアーム303′とが、筐体10の左右方向に段差を設けて取り付けられている。これは、アーム303を含むリンク機構350と、アーム303′を含むリンク機構350とが干渉しないようにするためである。
以下においては、説明の便宜上、開口11に備えた蓋301を開閉する機構について説明する。例えば、図19(a)〜(c)においては、開口12に備えられた蓋301′を開閉する機構の図示を省略している。
蓋301は開口11を覆うように設けられた板状部材であり、筐体10の前後方向に沿って摺動自在に構成されている。具体的には、蓋301は、筐体10の前後方向における後方位置にある状態では開口11を閉鎖して閉状態にし、前方位置にある状態では開口11を開放して開状態にする。
また、アーム305の他端側は、支点307によって筐体10の内壁面に回動自在に軸支されている。すなわち、アーム305が支点307を軸に回動することで、アーム305の穴3051側端部が前後方向に移動し、これに伴い、軸3011を介して接続された蓋301が前後方向に摺動する。なお、穴3051はアーム305に沿った長穴として形成され、軸3011が穴3051に遊貫されている。これにより、アーム305が支点307を中心に回動した場合においても、蓋301の鉛直方向の移動が吸収される。
また、アーム304の他端には穴3041が形成されている。穴3041はアーム304に沿った長穴として形成され、この穴3041には、アーム303の一端に形成された軸3031が遊貫されている。
前板302とラック固定板13との間には弾性部材308が配置されている。弾性部材308は、前板302をラック固定板13から離隔させる方向に付勢するものであり、例えば、板バネが用いられる。ただし、弾性部材308は板バネに限定されるものではなく、例えば他の形状のバネや、ゴム等を用いてもよく、種々変形して実施することができる。
図19(a)に示す状態においては、蓋301は開状態となっており、前板302とラック固定板13とは離隔した状態にある。
この図19(a)に示す状態において、オペレータが、前板302の前板穴3021とラック固定部13の取り付け穴131とにネジ212を取り付け、このネジ212の締め付けを行なう。
アーム303が後方へ移動することにより、このアーム303の軸3031およびアーム304の軸穴3041を介して、アーム304の上端部が後方へ押される。これにより、アーム304は、支点306を中心に回動し(図19(a),(b)の矢印B参照)、アーム304の下端が前方に移動する。
アーム305が支点307を中心に前方に回動することで、アーム305の上端部が前方に移動し、これに伴い、軸3011を介して接続された蓋301が前方に摺動する(図19(a),(b)の矢印D参照)。すなわち、図19(c)に示すように、蓋301が開き、開口11が開放される。
なお、ネジ212の締め付けにより前板302がラック固定部13側に当接した状態で、蓋301が開口11を完全に開放するように、各アーム303〜305の長さや各支点306,307の位置等が調整される。
アーム304の下端が後方へ移動することにより、アーム304の軸3042及びアーム305の長穴3052を介してアーム305が後方へ押され、このアーム305が支点307を中心に後方に回動する(図19(a),(b)の矢印G参照)。
同様の動作が、アーム303′を備える図示しないリンク機構350においても行なわれ、開口11の閉蓋と同時に、蓋301′が閉じ開口12が閉蓋される。
(C−2)カバー構造例2
図20は実施形態の一例としての電子機器1の外観を示す斜視図であり、この電子機器1はカバー構造400を備える。なお、この図20においては、カバー構造400の一部の構成の図示を省略している。図21は実施形態の一例としての電子機器1のカバー構造400における蓋401aの閉鎖機構450の構成を示す斜視図、図22は実施形態の一例としての電子機器1のカバー構造400における蓋401bの閉鎖機構450の構成を示す斜視図である。また、図23は引っかけ部402a(402b)の構成を示す側面図、図24は筐体10における引っかけ部402a,402bの位置を示す図である。
カバー構造400は、電子機器1をラック200のスロット210に挿抜する際に、開口11に備えた蓋401aと開口12に備えた蓋401bとを開閉する。
蓋401aは開口11を覆うように設けられた板状部材であり、筐体10の前後方向に沿って摺動自在に構成されている。具体的には、蓋401aは、筐体10の前後方向における後方位置にある状態では開口11を開放して開状態にし、前方位置にある状態では開口11を閉鎖して閉状態にする。
以下、蓋401aが前方位置にあり開口11を閉鎖した状態を、蓋401aが閉鎖位置にあるという場合があり、蓋401aが後方位置にあり開口11を開放した状態を、蓋401aが開放位置にあるという場合がある。
また、蓋401a,401bは、それぞれ閉鎖機構450により、開口11,12を閉鎖する方向に付勢されている。
例えば、図21に示すように、バネ4013は、蓋401aの下方に向けて左右方向の両端部付近において突出する第1取り付け部4011と、筐体10内の左右方向における各内壁面111付近に天板112から突出する第2取り付け部4012とを連結するように備えられ、蓋401aを前方に引き付ける方向(矢印J1参照)に付勢する。
なお、図21に示すように、筐体10の上面における開口11よりも前方位置にはストッパ4014が突出するように設けられ、これにより蓋401aが開口11を閉鎖する位置で停止するように構成されている。
また、蓋401aには蓋穴(第1の係合部)403aが、また、蓋401bには蓋穴(第1の係合部)403bが、それぞれ形成されている。
また、蓋穴403bには、ラック200のスロット210に電子機器1が挿入された状態で、ラック200における、当該スロット210の下方のスロット210に挿入された隣接する他の電子機器1の引っかけ部402a(後述)が係合する。
引っかけ部402aは、図23に示すように、筐体10の前後方向にそれぞれ斜面を有する山形形状を有し、筐体10の天板112に形成された穴1121から筐体10の外部(上方)に向かって、出し入れ自在に突出する。
図23に示す例においては、引っかけ部402a(402b)は、例えば、板バネを山形に折り曲げるとともに、一端部を筐体10の天板112(底板113)に固定することにより構成されている。
また、図24に示すように、引っかけ部402aと引っかけ部402bとは筐体10の左右方向にずれた位置に配置されている。図24に示す例においては、引っかけ部402aが筐体10の中央から左側にずらした位置に配置され、引っかけ部402bが筐体10の中央から右側にずらした位置に配置されている。
なお、これらの図25(a)〜(c)においては、便宜上、上述の如く筐体10の左右方向においてずれた位置に配置されている引っかけ部402aと引っかけ部402bとの両方を図示している。
また、この図25(a)に示す状態においては、電子機器1−1の蓋401a及び、電子機器1−2の蓋401bは、それぞれ閉鎖位置にあり、開口11,12はいずれも閉鎖されている。
この図25(a)に示す状態から、オペレータが、電子機器1−2をラック200のスロット210に更に押し込むと(矢印K参照)、図25(b)に示すように、電子機器1−2の引っかけ部402bは、電子機器1−1の蓋401aに形成された蓋穴403aに進入する。すなわち、電子機器1−2の引っかけ部402bと電子機器1−1の蓋401aの蓋穴403aとが係合する。
そして、この図25(b)に示す状態で、オペレータが、電子機器1−2をラック200のスロット210に更に押し込む(矢印K参照)。これにより、電子機器1−2が後方に移動され、電子機器1−1においては、この電子機器1−2の引っかけ部402bと係合している電子機器1−1の蓋401aも後方に移動する。蓋401aが後方に移動することで、図25(c)に示すように、開口11が開放される。
また、上述とは逆の手順により蓋401aによる開口11の閉蓋と、蓋401bによる開口12の閉蓋とが行なわれる。
オペレータが、ラック200のスロット210から電子機器1−2を抜き出すために、電子機器1−2を前方に移動させる(矢印L参照)。
また、電子機器1−2においても、電子機器1−2が前方に移動することで、図25(b)電子機器1−1の引っかけ部402aと係合している電子機器1−2の蓋401bが相対的に後方に摺動する。
蓋401aは、閉鎖機構450により開口11を閉鎖する方向に付勢されているので、電子機器1−2の引っかけ部402bと電子機器1−1の蓋401aの蓋穴403aとの係合が解除されると、この閉鎖機構450により閉鎖位置に配置され、開口11を閉状態にする。
上述の如く構成されたカバー構造400においては、ラック200のスロット210に本電子機器1を挿入することで、電子機器1−2の引っかけ部402bと電子機器1−1の蓋401aの蓋穴403aとが係合する。また、電子機器1−1の引っかけ部402aと電子機器1−2の蓋401bの蓋穴403bとが係合する。
これにより、ラック200内において、上下のスロット210内の他の電子機器1との間でコネクタ接続を確実に行なうことができる。
上述したカバー構造例2においては、ラック200に、下方のスロット210から上方のスロット210にかけて順番に電子機器1を挿入して用いる場合に好適である。しかしながら、既にラック200に搭載された電子機器1の下方において隣接するスロット210に電子機器1を挿入する場合には、下方の電子機器1の上部に配置された引っかけ部402aと上側の電子機器1の下側の蓋401bの蓋穴403bとが係合しない。すなわち、ラック200に先に搭載されている電子機器1の下側に電子機器1を挿入するだけでは、その上側の電子機器1の蓋401bを移動させて開口12を開放することができない。
そこで、本カバー構造例3に示す電子機器1においては、上述したカバー構造例2に示した構成に加えて、ラック200に先に搭載されている電子機器1の下側に電子機器1を挿入することで、上側の電子機器1の開口12を開放できる構造を備える。
カバー構造400Aは、電子機器1をラック200のスロット210に挿抜する際に、開口11に備えた蓋401aと開口12に備えた蓋401bとを開閉する。
蓋401aは開口11を覆うように設けられた板状部材であり、筐体10の前後方向に沿って摺動自在に構成されている。この蓋401aは、開口11を中心として、その前方(図27の矢印J1参照)と、後方(図27の矢印J2参照)とのいずれの方向にも移動できるように構成されている。
蓋401bは開口12を覆うように設けられた板状部材であり、筐体10の前後方向に沿って摺動自在に構成されている。この蓋401bは、開口12を中心として、その前方(図28の矢印J1参照)と、後方(図28の矢印J2参照)とのいずれの方向にも移動できるように構成されている。
以下、蓋401aが開口11を閉鎖した状態を、蓋401aが閉鎖位置にあるという場合があり、蓋401aが前方位置もしくは後方位置にあり開口11を開放した状態を、蓋401aが開放位置にあるという場合がある。
また、蓋401a,401bは、それぞれ閉鎖機構450Aにより、開口11,12を閉鎖するように付勢されている。
例えば、図27に示すように、バネ4013−1は、蓋401aの下方に向けて左右方向の両端部付近において突出する第1取り付け部4011と、開口11よりも前方位置において、筐体10内の左右方向における各内壁面111付近に天板112から突出する第2取り付け部4012−1とを連結するように備えられ、蓋401aを前方に引き付ける方向(矢印J1参照)に付勢する。
同様に、図28に示すように、バネ4013−1は、蓋401bの上方に向けて左右方向の両端部付近において突出する第1取り付け部4011と、開口12よりも前方位置において、筐体10内の左右方向における各内壁面111付近に底板113から突出する第2取り付け部4012−1とを連結するように備えられ、蓋401bを前方に引き付ける方向(矢印J1参照)に付勢する。
また、図26に示すように、蓋401aには蓋穴(第1の係合部)403a,404aが、また、蓋401bには蓋穴(第1の係合部)403b,404bが、それぞれ形成されている。
蓋穴404aには、ラック200のスロット210に電子機器1が挿入された状態で、ラック200における、当該スロット210の上方のスロット210に挿入された隣接する他の電子機器1の引っかけ部405b(後述)が係合する。
また、蓋穴403bには、ラック200のスロット210に電子機器1が挿入された状態で、ラック200における、当該スロット210の下方のスロット210に挿入された隣接する他の電子機器1の引っかけ部402a(後述)が係合する。
ここで、蓋穴404bは、蓋401bにおける前方側に形成されており、蓋穴403bは、蓋401bにおける後方側に形成されている。
また、筐体10の底板113において、開口12よりも後方には引っかけ部(第2の係合部)402bが下方に突出しており、また、開口12よりも前方には引っかけ部(第2の係合部)405bが下方に突出している。
また、引っかけ部405bも、図23に示すような、筐体10の前後方向にそれぞれ斜面を有する山形形状を有し、筐体10の底板113に形成された穴1131から筐体10の外部に向かって、出し入れ自在に突出する。
また、図29に示すように、引っかけ部402a,402b,405a,405bは筐体10の左右方向に互いにずれた位置に配置されている。図29に示す例においては、引っかけ部402a,405aが筐体10の中央から左側にずらした位置に配置され、引っかけ部402b,405bが筐体10の中央から右側にずらした位置に配置されている。
前述の如く、引っかけ部405aは蓋401bの蓋穴404bに係合し、引っかけ部405bは蓋401aの蓋穴404aに係合するものである。
なお、これらの図30〜図39においては、便宜上、上述の如く筐体10の左右方向においてずれた位置に配置されている引っかけ部402a,402b,405a,405bを一緒に図示している。
なお、これらの図30〜図34においては、便宜上、蓋401bの開閉に関する一部の構成の図示を省略している。
この図30に示す状態においては、電子装置1−1の蓋401aの蓋穴403aには、電子装置1−2の引っかけ部402bが係合した状態で、蓋401aを後方に移動させており、開口11が開状態となっている。これにより、電子装置1−1においては、第1コネクタ30の接点金具31が筐体10の外部に突出する。また、電子機器1−2の蓋401bも開放位置にあり、開口12も開状態となっている。
この図30に示す状態から、オペレータが、電子機器1−1をラック200のスロット210から引き出す(矢印L参照)。これにより、図31に示すように、電子装置1−2の引っかけ部402bは、電子装置1−1の筐体10に当接し、電子装置1−2の筐体10内に押し込まれる。このため、電子装置1−2の引っかけ部402bと、電子装置1−1の蓋穴403aとの係合が外れ、電子装置1−1の蓋401aは、閉鎖機構450Aのバネ4013−1により前方に引き寄せられ、電子装置1−2の引っかけ部405bに当接する位置まで移動される。
なお、図32に示す状態は、電子装置1−2がラック200に搭載された状態で、その下側のスロット210に電子装置1−1を途中まで挿入した状態でもある。そこで、この図32に示す状態から、オペレータが、更に、電子装置1−1を押し込むと(矢印K方向参照)、図33に示す状態となる。
この状態から、更に電子装置1−1をラック200に挿入すると(矢印K方向参照)、電子装置1−1において蓋401aは、電子装置1−1が後方へ移動することに伴い、相対的に前方へ移動する。
この移動の過程においても、電子装置1−2の引っかけ部405bと電子装置1−1の蓋401aの蓋穴404aとが係合していることにより、電子装置1−1において蓋401aは、前方へ移動し続け、図34に示すように、開口11が開放される。
従って、これらの開口11,12を介して、電子機器1−2の第2コネクタ40と電子機器1−1の第1コネクタ30とがコネクタ接続されている。
この蓋401bの開閉動作は、上述した蓋401aの開閉動作と同時に行なわれる。以下においては、ラック200のスロット210に電子機器1−1,1−2が挿入されており、下側に配置されている電子装置1−1の交換作業を行なう例について説明する。
すなわち、図35に示すように、ラック200のスロット210に電子機器1−1,1−2が挿入されており、電子装置1−1の上側に電子装置1−2が配置されている。
この図35に示す状態においては、電子装置1−2の蓋401bの蓋穴403bには、電子装置1−1の引っかけ部402aが係合した状態で、蓋401bを前方に移動させており、開口12が開状態となっている。これにより、電子装置1−2においては、第2コネクタ40の接点金具41が開口12から露出する。また、電子機器1−1の蓋401aも開放位置にあり、開口11も開状態となっている。
この図35に示す状態から、オペレータが、電子機器1−1をラック200のスロット210から引き出す(矢印L参照)。これにより、図36に示すように、電子装置1−1の引っかけ部402aは、電子装置1−2の筐体10に当接し、電子装置1−1の筐体10内に押し込まれる。このため、電子装置1−1の引っかけ部402aと、電子装置1−2の蓋穴403bとの係合が外れ、電子装置1−2の蓋401bは、閉鎖機構450Aのバネ4013−2により後方に引き寄せられ、電子装置1−1の引っかけ部405aに当接する位置まで移動される。
なお、図37に示す状態は、電子装置1−2がラック200に搭載された状態で、その下側のスロット210に電子装置1−1を途中まで挿入した状態でもある。そこで、この図37に示す状態から、オペレータが、更に、電子装置1−1を押し込むと(矢印K方向参照)、図38に示す状態となる。
この状態から、更に電子装置1−1をラック200に挿入すると(矢印K方向参照)、電子装置1−2において蓋401bは、電子装置1−1が後方へ移動することに伴い、相対的に後方へ移動する。
この移動の過程においても、電子装置1−1の引っかけ部405aと電子装置1−2の蓋401bの蓋穴404bとが係合していることにより、電子装置1−2において蓋401bは、後方へ移動し続け、図39に示すように、開口12が開放される。
従って、これらの開口11,12を介して、電子機器1−2の第2コネクタ40と電子機器1−1の第1コネクタ30とがコネクタ接続されている。
すなわち、既に電子機器1−2が挿入されているスロット210の下側のスロット210に本電子機器1−1を挿抜する場合に、電子機器1−2の引っかけ部405bと電子機器1−1の蓋401aの蓋穴404aとが係合し、また、電子機器1−1の引っかけ部405aと電子機器1−2の蓋401bの蓋穴404bとが係合する。
これにより、ラック200内において、上下のスロット210内の他の電子機器1との間でコネクタ接続を確実に行なうことができる。
例えば、上述した実施形態において、MP20の上辺の2箇所に第1コネクタ30が配置されるとともに、MP20の下辺の2箇所に第2コネクタ40が配置されているが、これに限定されるものではい。すなわち、MP20の上辺に1つもしくは3つ以上の第1コネクタ30を配置してもよく、MP20の下辺に1つもしくは3つ以上の第2コネクタ40を配置してもよい。
さらに、図11に示す例においては、位置決め凸金具151および位置決め凹金具152がMP20に設置されているが、これに限定されるものではなく、MP20以外の部位にこれらの位置決め凸金具151および位置決め凹金具152を配置してもよい。
10 筐体
11 開口
12 開口
13 ラック固定部
111 内壁面
112 天板
1121 穴
113 底板
1131 穴
131 取り付け穴
141 位置決め凸部
142 ガイド溝
151 位置決め凸金具
1511 位置決め凸部
1512 傾斜部
152 位置決め凹金具
1521 ガイド溝
1522 案内面
161 フック係合穴
20 MP
30 第1コネクタ
31 接点金具
32 ケース
40 第2コネクタ
41 接点金具
42 ケース
200 ラック
201 支柱
202 搭載金具
2021 支持部
2022 固定穴
2031 係合穴
2032 係合突起
2041 フック
210 搭載エリア(スロット)
211 ネジ
212 ネジ
300 カバー構造
301,301′ 蓋
350 リンク機構
302 前板
3021 前板穴
303〜305,303′ アーム
3011,3031,3042 軸
3041,3051 軸穴
3052 長穴
306,307 支点
308 弾性部材
400,400A カバー構造
401a 蓋
401b 蓋
450,450A 閉鎖機構
402a,402b,405a,405b 引っかけ部
403a,403b,404a,404b 蓋穴
4011 第1取り付け部
4012,4012−1,4012−2 第2取り付け部
4013,4013−1,4013−2 バネ
4014 ストッパ
Claims (4)
- ラックに搭載されるラック搭載型電子機器であって、
筐体と、
前記筐体の第1の面に形成された第1開口と、
前記第1開口から突出する第1コネクタと、
前記筐体における前記第1の面と対向する第2の面に形成された第2開口と、
前記第2開口に配置された第2コネクタと、
前記第1開口を閉鎖可能な第1カバー部と、
前記第2開口を閉鎖可能な第2カバー部と、
前記第1カバー部により前記第1開口を開閉する第1開閉機構と、
前記第2カバー部により前記第2開口を開閉する第2開閉機構と
を備え、
前記第1開閉機構及び前記第2開閉機構が、
前記ラックへの当該電子機器の固定または解放に伴って移動される被移動部材と、
前記被移動部材の移動に連動して、前記第1カバー部及び前記第2カバー部を前記第1の面および前記第2の面に沿って摺動させることにより前記第1開口及び前記第2開口を開放または閉鎖させるリンク機構とを備え、当該電子機器の前記ラックに対する取り付け/取り外しに連動して、前記第1開口及び前記第2開口の開閉を行なう
ることを特徴とする、電子機器。 - ラックに搭載されるラック搭載型電子機器であって、
筐体と、
前記筐体の第1の面に形成された第1開口と、
前記第1開口から突出する第1コネクタと、
前記筐体における前記第1の面と対向する第2の面に形成された第2開口と、
前記第2開口に配置された第2コネクタと、
前記第1開口を閉鎖可能な第1カバー部と、
前記第2開口を閉鎖可能な第2カバー部と、
前記第1カバー部により前記第1開口を開閉する第1開閉機構と、
前記第2カバー部により前記第2開口を開閉する第2開閉機構と
を備え、
前記第1開閉機構及び前記第2開閉機構が、
当該電子機器の前記ラックに対する取り付け/取り外しに連動して、前記第1開口及び前記第2開口の開閉を行なうものであり、
前記第1カバー部及び前記第2カバー部に形成された第1の係合部と、
前記筐体に形成され、前記筐体内において前記第1の係合部と係合する第2の係合部とを備え、
前記第1開閉機構及び前記第2開閉機構が、前記ラックへの当該電子機器の取り付け時に、前記第1の係合部と前記第2の係合部とを係合させて前記第1カバー部および前記第2カバー部を移動させることで、前記第1開口及び前記第2開口を開状態にする
ことを特徴とする、電子機器。 - 前記第1の面もしくは前記第2の面が、前記ラックに取り付けられる複数の前記電子機器の並び方向と直交する
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の電子機器。 - 前記第1コネクタが、前記筐体内に配置される回路基板の第1の辺に配置されるとともに、前記第2コネクタが、前記回路基板における前記第1の辺と対向する第2の辺に配置される
ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子機器。
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