以下、本発明の実施の形態に係る景品取得ゲーム装置(例えば、クレーンゲーム機)について、図面を参照しながら説明する。ただし、発明の範囲は図示例に限定されない。なお、以下の説明において、同一の機能及び構成を有するものについては、同一の符号を付し、その説明を省略する。
まず、図1を用いて、本発明を適用することができる景品取得ゲーム装置の一例としてのクレーンゲーム機100の全体構成について説明する。なお、図1は、本実施形態におけるクレーンゲーム機の外観を示す斜視図である。本実施形態の説明において、左右、前後、上下とは、クレーンゲーム機100の遊戯者が正面側から見た状態を基準とした左右、前後、上下を意味する。
クレーンゲーム機100は、縦長の直方体形状によって形成されており、底面にキャスタCが適宜数取り付けられている。したがって、ゲームセンター等の遊戯場のスタッフがクレーンゲーム機100を押動することにより容易に搬送することができるようになっている。
クレーンゲーム機100は、箱状の基台1と、基台1の上方に形成されたプレイフィールド2と、プレイフィールド2の上方を覆う天井部3とを備えて構成されている。
基台1には、例えば、クレーンゲーム機100の全体制御を行う制御部300(図17参照)を有する制御基板等が収容されており、基台1の前面の右側に設けられた開閉扉1aを開放することにより、内部にアクセスすることができるようになっている。また、基台1の前面中央下部には、後述するコインセレクタ84a,84bによって受け付けられた硬貨やコインを回収するための集金扉1bが開閉可能に設けられている。
プレイフィールド2は、多数の景品Pが載置される底部2aを有するとともに、前面板2b、左側面板2c、右側面板2d、背面板2e及び上述した天井部3により閉塞された内部空間が形成されている。そして、前面板2b、左側面板2c及び右側面板2dは、透明のガラスあるいは樹脂により形成された板状部材により構成されており、内部空間が視認できるようになっている。
プレイフィールド2の底部2aの左前隅部には、方形状に開口された景品排出口4が設けられており、景品Pを下方に排出することができるようになっている。景品排出口4から排出された景品Pは、景品取出室6まで落下し、基台1の前面の左側に設けられた扉体7を開放することにより、景品取出室6にある景品Pを取り出すことができるようになっている。ここで、扉体7は、透明のガラスあるいは樹脂により形成された板状部材により構成されており、扉体7を介して内部を視認することができるようになっている。また、底部2aには、景品排出口4の右側端部及び後側端部を囲うように仕切板5が立設されており、底部2aに載置され、あるいは、積み上げられた景品Pが景品排出口4から落下するのを抑制している。
プレイフィールド2の上方には、把持装置200が設けられ、吊下げワイヤ200aによって吊り下げられている。天井部3には、図示しないが、2本の縦行用レールがそれぞれ左右両端近傍に前後方向に延びて平行に設けられるとともに、1本の横行用レールが2本の縦行用レールに架設されている。横行用レールは、縦行用モータ301(図17参照)により縦行用レールの延在方向に沿って移動可能に構成されている。この横行用レールには、吊下げワイヤ200aを巻き取り及び繰り出し可能なワイヤ巻取装置303(図17参照)が横行用モータ302(図17参照)により横行用レールの延在方向に沿って左右方向に移動可能に設けられている。また、ワイヤ巻取装置303は、吊下げワイヤ200aの巻き取り及び繰り出しを行うことにより、吊下げワイヤ200aの先端部に取り付けられた把持装置200を上下方向に変位させることができる。なお、吊下げワイヤ200aに換えて伸縮パイプからなる吊下支持部を横行用レールから垂下するようにして設け、この吊下支持部の先端に把持装置200を取り付け、吊下支持部を伸縮させることにより把持装置200を上下方向に変位させる構成としてもよい。
把持装置200は、詳しくは後述するが、吊下げワイヤ200aが取り付けられる本体ケース201と、本体ケース201の下部に配置されたアーム取付部202と、アーム取付部202に支持された1又は複数本のアーム203とを備えて構成されている。アーム203は、開状態と閉状態とに変位可能に構成されており、プレイフィールド2に載置された景品Pを把持することができる。
一方、基台1の前面中央には、操作部8が設けられており、箱型形状をなしている。操作部8は、その上面に、操作レバー81、操作ボタン82及び表示部83が配置されている。操作レバー81及び操作ボタン82は、遊戯者により操作が可能となっており、表示部83には、例えば、遊戯可能残り回数や遊戯残り時間等が表示される。遊戯者は、操作レバー81を操作することにより把持装置200をプレイフィールド2内の任意の位置に移動させ、操作ボタン82を操作することにより、把持装置200を下降させるとともに、把持動作を行わせることができる。把持装置200は、把持動作が終了すると上昇し、アーム203を閉状態に維持させながら景品排出口4の上方に移動し、アーム203を開状態に変化させる。このとき、景品Pが把持装置200により把持されていた場合には、景品排出口4に向けて景品Pが落下して景品取出室6に案内され、その結果、遊戯者は、景品取出室6から景品Pを取り出すことができる。なお、本実施形態では、操作レバー81及び操作ボタン82を操作することにより、把持装置200に動作を行わせるように構成されているが、操作ボタンのみで把持装置200に動作を行わせるように構成されたものであってもよい。例えば、横移動ボタンと縦移動ボタンとを備え、まず、横移動ボタンを操作して把持装置200を左右方向に移動させた後、縦移動ボタンを操作して把持装置200を前後方向に移動させ、その場所で把持装置200による把持動作が行われるように構成されてもよい。また、操作レバーのみ設け、操作ボタンを備えない構成であってもよい。また、表示部83を備えない構成であってもよい。
また、操作部8の前面には、2つのコインセレクタ84a,84bが並設されており、それぞれ受付可能な硬貨やメダルの種類が異なっている。本実施形態では、例えば、コインセレクタ84aは、100円硬貨のみ受付可能に構成されており、コインセレクタ84bは、500円硬貨のみ受付可能に構成されているが、これに限定されない。コインセレクタ84a,84bにより受け付けられた硬貨やメダルは、例えば、基台1の下部の回収箱に集められ、遊戯場の管理者が開錠操作して集金扉1bを開放させることにより、回収することができるようになっている。また、操作部8の前面は開閉可能に構成されており、例えば、遊戯場の管理者が開錠操作して操作部8の前面を開放させることにより、操作部8のメンテナンス等を行うことができるようになっている。
次に、把持装置200の外観構成について、図2〜図4を参照しながら説明する。ここで、図2は、アーム203が開状態である把持装置200の正面図であり、図3は、アーム203が閉状態である把持装置200の正面図であり、図4は、景品Pを把持している把持装置200の正面図である。
把持装置200は、円筒状に形成された本体ケース201を備えており、上面中央に吊下げワイヤ200aが固着されている。本体ケース201には、下面から本体ケース201の軸方向に沿って進退自在に変位可能な従動部材の一例としてのシリンダ204が設けられている。シリンダ204の構成の詳細については後述する。また、シリンダ204の下端には、1又は複数本のアーム203を着脱自在に取り付け可能なアーム取付部202が固着されている。アーム取付部202は、金属製で所定厚みを有する円盤状に形成されており、シリンダ204は、アーム取付部202の上面であって、偏心する位置に取り付けられている。アーム取付部202は、自重により本体ケース201から離間する方向に移動可能な重さに設定されているが、アーム取付部202の形状及び重さについては適宜に設計することができる。
アーム取付部202の側周面には、複数のアーム挿入溝202aが等間隔に設けられており、アーム203の基端部が挿入されて支持することができるように構成されている。本実施形態では、6つのアーム挿入溝202aが設けられている。すなわち、アーム203を最大6つ取り付けることができるようになっている。なお、アーム203の取付可能数は任意に設定することができ、例えば、アーム挿入溝202aは、1つだけ設けられてもよいし、2以上の任意の数に設定されてもよい。
本実施形態では、アーム取付部202に対して3つのアーム203が等間隔に取り付けられている。アーム203は、略コ字状に屈曲して形成されており、図4に示すように、複数のアーム203の先端部で景品Pを把持して持ち上げることができ、また、例えば、景品Pに取り付けられた紐に引っ掛けて景品Pを吊り上げることもできるようになっている。アーム203のアーム取付部202に対する取付構造については後述するが、アーム203の基端部がアーム挿入溝202a内で軸支されており、アーム203は、この基端部を支軸として回動可能となっている。また、アーム203は、基端部から所定距離だけ離間した位置(回動支持位置)に回動支持部材205がその一端に設けられた軸支部205aによって軸支されるように取り付けられている。回動支持部材205は、取付ベース205cを介して本体ケース201の側周面に取り付けられている。ここで、回動支持部材205は、他端に設けられた本体取付軸205bによって取付ベース205cに対して回動可能に軸支されるように取り付けられている。アーム203は、この軸支部205aを支軸として回動可能に構成されている。すなわち、アーム取付部202がシリンダ204とともに上方に移動することによってアーム203の基端部がこれに追従して上方に移動すると、回動支持部材205の軸支部205aを支軸としてアーム203が回動し、図3に示すように、アーム203が閉状態となる位置に向けて変位する。また、アーム取付部202がシリンダ204とともに下方に移動することによってアーム203の基端部がこれに追従して下方に移動すると、回動支持部材205の軸支部205aを支軸としてアーム203が回動し、図2に示すように、アーム203が開状態となる位置に向けて変位する。
次に、図5及び図6を参照して、本体ケース201の内部構造について説明する。ここで、図5は、本体ケース201の背面側の内部を示す図であり、図6は、本体ケース201の正面側の内部を示す図である。なお、図5及び図6は、本体ケース201の内部構造の説明を容易にするため、本体ケース201の一部を破断して表している。
図5及び図6に示すように、本体ケース201の内部略中央には板状の取付板201aが本体ケース201の軸方向に延在し、本体ケース201の内部空間がこの取付板201aによって前後に仕切られている。
図5に示すように、取付板201aの背面上部には、L字状に折り曲げ形成されたモータ取付ベース201a1が、その先端が後方に突出してフランジが形成されるように取り付けられている。モータ取付ベース201a1のフランジの下面には、正逆転方向に回転駆動可能なシリンダ駆動モータ201bが取り付けられるとともに、シリンダ駆動モータ201bの回転駆動により回転するモータ軸201cがモータ取付ベース201a1を貫通するように上方に向けて設けられている。シリンダ駆動モータ201bは、例えば、直流モータが使用されるが、これに限定されない。モータ軸201cは、螺旋状に溝が形成されている。
取付板201aの背面の上方には、ウォームホイール201dが後方に向けて回転可能に取り付けられている。ウォームホイール201dは、外周面に無数の噛合溝が設けられており、モータ軸201cと噛合する。すなわち、シリンダ駆動モータ201bが回転駆動してモータ軸201cが回転すると、モータ軸201cに噛合するウォームホイール201dが回転する。ウォームホイール201dは、上下方向の回転軸を前後方向に変換している。本実施形態では、モータ軸201cがウォームとして機能しており、モータ軸201cとウォームホイール201dとによりウォームギアを構成している。本実施形態では、このように、ウォームギア構造によって回転軸方向を変更する構成となっており、そのため、アーム取付部202、アーム203及びシリンダ204や景品P等の重みが掛かって、シリンダ駆動モータ201bが逆回転することを抑制できる。したがって、取り扱い可能な景品Pの種類を多くすることができ、ゲーム性を多様化させることができる。
ウォームホイール201dの後面には、円盤状のコードホイール201e1がウォームホイール201dと同軸で取り付けられており、ウォームホイール201dとともに回転する。コードホイール201e1の外周近傍には、略方形状のスリットが等間隔で外周に沿って開設されている。また、コードホイール201e1の下端部近傍にはエンコーダセンサ201e2が配置されている。コードホイール201e1を挟んでエンコーダセンサ201e2に対向する位置には、図示しない発光体が配置されており、エンコーダセンサ201e2は、コードホイール201e1のスリットを透過した発光体からの光を受光することにより、コードホイール201e1の回転状態(回転方向、回転量及び回転速度等)を検出することができる。すなわち、本実施形態では、発光体、コードホイール201e1及びエンコーダセンサ201e2によりエンコーダ201eを構成し、シリンダ駆動モータ201bの回転状態を検出する回転状態検出手段として機能している。本実施形態によれば、エンコーダ201eによるシリンダ駆動モータ201bの回転状態の検出結果をフィードバックしてシリンダ駆動モータ201bの出力を調整することができるので、アーム203の把持動作を安定して行うことができる。
図6に示すように、取付板201aの前面上部には、ウォームホイール201dとともに回転するワイヤ巻取軸201fが前方に向けて突設されている。ワイヤ巻取軸201fには、シリンダ駆動ワイヤ201gの一端が取り付けられ、ワイヤ巻取軸201fの回転によりシリンダ駆動ワイヤ201gの巻き取り及び繰り出しが可能に構成されている。このように、本実施形態では、シリンダ駆動ワイヤ201gが線材の一例として機能し、ワイヤ巻取軸201fが線材を巻回する巻回部材として機能している。なお、本実施形態では、シリンダ駆動ワイヤ201gを金属製としたが、樹脂製その他の材料であってもよい。
シリンダ駆動ワイヤ201gの他端には、シリンダ204が取り付けられている。また、本体ケース201の底面には、円形状のガイド孔201hが開設されて、シリンダ204が挿通されている。このガイド孔201hの直径はシリンダ204の外径よりもわずかに大きく、シリンダ204を鉛直方向に案内しながら通過可能に構成されている。また、取付板201aの右側端部近傍には、上下方向に延在するガイドレール201iが設けられるとともに、シリンダ204の上部側面にはガイドレール201iと摺動可能に係合するガイド部材201jが設けられており、シリンダ204をガイドレール201iに沿って案内することができる。
また、取付板201aの左側端部近傍には、2つのアーム位置検出センサ201m,201nが上下方向に所定距離離間して設けられるとともに、シリンダ204の左側にはL字状に折曲形成された検出片201kが設けられている。アーム位置検出センサ201m,201nは、例えば、フォトセンサによって構成され、検出片201kの先端がアーム位置検出センサ201m,201nの発光部と受光部との間に介在することにより、シリンダ204の位置を検出することができる。アーム位置検出センサ201mは、シリンダ204が移動範囲の下限位置となったときに検出される位置に設けられ、アーム位置検出センサ201nは、シリンダ204が移動範囲の上限位置となったときに検出される位置に設けられる。すなわち、アーム位置検出センサ201mは、アーム203が開状態となったことを検出することができ、アーム位置検出センサ201nは、アーム203が閉状態となったことを検出することができる。なお、アーム位置検出センサ201m,201nを、本体ケース201の原点位置の検出に用いるようにしてもよい。
次に、図7を参照して、シリンダ204の内部構造について説明する。なお、図7では、シリンダ204の内部構造を容易に理解するために、本体ケース201及びシリンダ204の一部を破断して表している。
シリンダ204は円筒状に形成されており、シリンダ204の軸方向に延在する小径のシャフト204aがシリンダ204の内部に収容されている。シャフト204aの下端には、シャフト204aの外径よりも大きい直径の円盤状の圧接部204bが一体に設けられている。また、シリンダ204の上端面の中央に、シャフト204aが挿通可能なシャフト挿通孔204fが開設されている。シャフト挿通孔204fの直径は、シャフト204aの外径よりもわずかに大きくされており、シャフト204aを軸方向に案内しながら通過させることができるように構成されている。また、シャフト204aの上端には、外径がシャフト挿通孔204fの直径よりも大きく形成された円環状のフランジ204gが固着されており、このフランジ204gでシャフト挿通孔204fへの通過を阻止することで、シャフト204aの移動範囲を規制している。
また、シリンダ204の内径よりもわずかに小径である円環状に形成されたスプリング支持部材204eがシリンダ204に内設されるとともに、シャフト204aに挿通されている。スプリング支持部材204eは、上下端にフランジが形成されていて中央が括れており、後述するアウタースプリング204dによって巻着されるように構成されている。
シャフト204aの下部には圧縮コイルバネからなるインナースプリング204cが巻装されている。インナースプリング204cは、上下端が圧接部204bとスプリング支持部材204eの下端に形成されたフランジとを圧接し、伸張する方向に付勢されている。なお、インナースプリング204cの上下端を圧接させて設けるように構成したが、インナースプリング204cの上下端を係止する構成としてもよい。また、インナースプリング204cのいずれか一端を係止し、他端を圧接させて設ける形態であってもよい。
また、シャフト204aの上部には圧縮コイルバネからなるアウタースプリング204dが巻装されている。アウタースプリング204dは、下端がスプリング支持部材204eに巻着されるとともに、上端がシリンダ204の上面を圧接し、伸張する方向に付勢されている。アウタースプリング204dは、インナースプリング204cよりも線径及びコイル内径を大きくして、バネ定数が大きくなるように構成されている。なお、アウタースプリング204dとインナースプリング204cとで、線径及びコイル内径は同じであるが材質を異ならせることによりバネ定数を異ならせるようにしてもよい。すなわち、アウタースプリング204dが、インナースプリング204cよりもバネ定数が大きければ材質、線径及びコイル内径は適宜に設定することができる。また、アウタースプリング204dの上端を圧接させて設けるように構成したが、上端がシリンダ204の上端面に係止する構成であってもよい。また、例えば、スプリング支持部材204eを平板円環状に形成されたものとし、アウタースプリング204dの下端により平板円環状に形成されたスプリング支持部の上面が圧接されるように構成してもよい。
インナースプリング204c及びアウタースプリング204dは、上述したように構成されているため、上下方向に連接されているということができる。すなわち、本実施形態では、インナースプリング204c及びアウタースプリング204dにより連接付勢部材を構成しているということができる。なお、インナースプリング204cとアウタースプリング204dとは、本実施形態のように直接連結されていなくてもよいし、直接連結して構成されてもよい。また、本実施形態では、シャフト204aの下方にインナースプリング204cを配置し、上方にアウタースプリング204dを配置したが、シャフトの下方にアウタースプリング204dを配置し、上方にインナースプリング204cを配置した形態であってもよい。また、本実施形態では、インナースプリング204c及びアウタースプリング204dがそれぞれ1つずつ設けられた形態としているが、インナースプリング204cが2以上設けられてもよいし、アウタースプリング204dが2以上設けられてもよいし、インナースプリング204c及びアウタースプリング204dがそれぞれ2以上であってもよい。また、インナースプリング204cの数とアウタースプリング204dの数は同数であってもよいし、異なる数であってもよい。また、本実施形態では、インナースプリング204c及びアウタースプリング204dについて、付勢部材の一例としてコイルスプリングを適用したが、例えば、ゴム等の弾性体であってもよいし、板ばねや渦巻ばね等を適用してもよい。
次に、図8〜図11を参照して、把持装置200の動作について説明する。ここで、図8は、アーム203が開状態であるときのシリンダ204の状態について説明する図であり、図9は、アーム203が閉状態であるときのシリンダ204の状態について説明する図であり、図10は、アーム203の把持力が最大である時のシリンダ204の状態について説明する図であり、図11は、景品Pを所定の把持力で把持しているときのシリンダ204の状態について説明する図である。なお、図8〜図11では、シリンダ204の内部構造を容易に理解するために、本体ケース201及びシリンダ204の一部を破断して表している。
図8では、シリンダ駆動モータ201bの駆動によりワイヤ巻取軸201fが回転され、シリンダ駆動ワイヤ201gが完全に繰り出された状態が示されている。
図8に示す状態では、アーム取付部202及びアーム203の自重により、アーム取付部202が下方に移動している。したがって、アーム203は、回動支持部材205の軸支部205aを支軸として回動するため、開状態となる。このとき、シリンダ204のガイド部材204iが本体ケース201の底面に当接することによって下方への移動が規制されている。そのため、アーム203の開状態では、アーム203を一定の姿勢で維持することができる。
なお、図8に示す状態では、シリンダ204は本体ケース201に支持されている状態となっているため、インナースプリング204c及びアウタースプリング204dに対する負荷は掛かっていない。
図9では、シリンダ駆動モータ201bの駆動によりワイヤ巻取軸201fが回転され、シリンダ駆動ワイヤ201gが、アーム203が景品Pを把持しないで閉状態となる位置まで巻き取られた状態が示されている。
図9に示す状態では、シリンダ駆動ワイヤ201gが接続されたシャフト204aが、インナースプリング204c及びアウタースプリング204dを介してアーム取付部202を持ち上げている。したがって、アーム203は、回動支持部材205の軸支部205aを支軸として回動するため、閉状態となる。このとき、アーム取付部202の上面が本体ケース201の下面に当接することによって上方への移動が規制されている。そのため、アーム203の閉状態では、アーム203を一定の姿勢で維持することができる。
ここで、図9に示す状態では、アーム取付部202及びアーム203は、インナースプリング204c及びアウタースプリング204dを介してシリンダ駆動ワイヤ201gによって吊るされた状態となっている。すなわち、アーム取付部202及びアーム203の重みがインナースプリング204c及びアウタースプリング204dに掛かっている状態となっている。本実施形態では、インナースプリング204cは、アーム取付部202及びアーム203の荷重(m)がかかると、わずかに縮む(x)程度で釣り合う弾性力(F)を有している。一方、アウタースプリング204dは、インナースプリング204cよりもバネ定数(k)が大きく、アーム取付部202及びアーム203の荷重がかかっても縮まない程度の大きな弾性力(F)を有している。したがって、シリンダ駆動ワイヤ201gによってシャフト204aが吊り上げられると、圧接部204bがインナースプリング204c及びアウタースプリング204dを下側から押圧し、アーム取付部202及びアーム203の荷重によりインナースプリング204cがわずかに縮んでシャフト204aがシリンダ204からわずかに突出した状態で静止する。なお、このとき、アウタースプリング204dは縮んでいない。そのため、図9に示す状態では、アーム203の把持力は最も小さい。
図10では、図9に示す状態から、シリンダ駆動モータ201bの駆動によりワイヤ巻取軸201fがさらに回転されて、シリンダ駆動ワイヤ201gが最大限まで巻き取られた状態が示されている。
図10に示す状態では、シャフト204aの圧接部204bによってインナースプリング204cに負荷が掛けられてインナースプリング204cが最大限まで圧縮された後、さらにアウタースプリング204dに負荷が掛けられ、アウタースプリング204dが最大限まで圧縮された状態となっている。そのため、図10に示す状態では、アーム203の把持力は最大となる。
図11では、景品Pを把持した状態で、シリンダ駆動モータ201bの駆動によりワイヤ巻取軸201fがさらに回転されて、シリンダ駆動ワイヤ201gが所定量巻き取られた状態が示されている。
図11に示されるシリンダ駆動ワイヤ201gの巻き取り量は、図9に示される巻き取り量と略同じであるが、シリンダ204の移動量は、アーム203が開状態から景品Pを把持するまでの移動量に対応して規制される。そのため、アーム203が景品Pを把持することによってシリンダ204の上昇が規制されると、シャフト204aの圧接部204bによるインナースプリング204c及びアウタースプリング204dの圧縮が開始される。図11に示される状態では、インナースプリング204cが最大限まで圧縮され、アウタースプリング204dも所定量だけ圧縮されている。したがって、図11に示されるアーム203の把持力は、図9に示される状態よりも大きく、図10に示される状態よりも小さい。
ここで、図12を参照しながら、シリンダ204に対するシャフト204aの相対的移動量と、アーム203の把持力との関係について説明する。
シャフト204aがシリンダ204に対する相対的な移動を開始すると、まず、圧接部204によるインナースプリング204cの圧縮が開始される。アーム203の把持力は、インナースプリング204cの圧縮量に比例するため、シャフト204aの移動量がインナースプリング204cの圧縮量が最大となる移動量(s)となるまでは、インナースプリング204cのバネ定数に応じた比率で把持力が上昇する。シャフト204aの移動量が(s)となった後は、アウタースプリング204dの圧縮が開始される。移動量(s)以降では、アーム203の把持力は、アウタースプリング204dの圧縮量に比例するため、アウタースプリング204dのバネ定数に応じた比率で把持力が上昇する。本実施形態では、上述したように、アウタースプリング204dのバネ定数がインナースプリング204cのバネ定数よりも大きいので、把持力の上昇比率は、移動量(s)以降で大きくなる。
本実施形態における把持装置200は、上述したように、アーム203の開閉動作をシリンダ駆動モータ201bにより行うようにしたので、例えば、ソレノイドを使用することによる発熱の問題が解消される。すなわち、従来のクレーンゲーム機の把持装置において、ソレノイドを駆動してアームの開閉動作を行わせるものがあるが、景品を把持している状態では、プランジャーが完全に収納されないでソレノイドが励磁された状態となるため、エネルギーの変換効率が低下し、電磁コイルが発熱する場合があるが、本実施形態では、モータを使用することにより、発熱の問題が解消される。
また、本実施形態では、シリンダ駆動モータ201bの駆動量によりアーム203の把持力を調整するので、例えば、電源の供給量によって把持力を調整するよりも所望とする把持力に容易に調整することができるようになる。そのため、例えば、景品Pを揚送する際に、把持力を弱めて景品Pを落下させるような動作を行わせる場合に、調整ミスに起因してアームが開いてしまうような事象を防止し、ゲームに対する信頼性が損なわれないようにすることができる。
また、本実施形態における把持装置200では、ワイヤ巻取軸201fでシリンダ駆動ワイヤ204gを巻き取り及び繰り出すことによりアーム203の開閉を行うので、ギアを使ったアームの開閉動作よりも俊敏性に優れている。
また、本実施形態における把持装置200では、バネ定数の異なる複数の圧縮コイルバネ(インナースプリング204c,アウタースプリング204d)を用いているので、例えば、重量の異なる景品Pを混在させても景品の把持力の調整を容易に行わせることができ、ゲーム性の向上を図ることができる。さらに、シリンダ駆動モータ201bによるモータ駆動での開閉制御を行うことにより、アーム203の把持力をより正確に制御でき、ゲームに対する信頼性をより一層向上させることができる。
次に、本実施形態において用いられるアーム203の構造及びアーム取付部202へのアーム203の取付例について、図13及び図14を参照しながら説明する。
図13に示すように、アーム203の基端部には、アーム取付部202にアーム203を取り付けるためのアームホルダ203Aが取り付けられている。
アームホルダ203Aは、L字状に折曲形成された固定部203aと、先端部からアーム203の取付部分にかけてクランク状に折曲形成された支持部203bとから構成されており、固定部203aの裏面と支持部203bの裏面とを溶着するとともに、固定部203aと支持部203bとの間に形成された間隙にアーム203の基端部が挿入され、軸203cによりアーム203が回動可能に軸支される。固定部203aは、下端が側方に突出してフランジを形成し、フランジ部分には、アーム取付部202の下面にネジ止めするためのネジ孔203dが開設されるとともに、アーム取付部202に形成された位置決め孔に挿入してアーム203を位置決め固定するための位置決めボス203eが突設されている。
上述したように、アーム203の回動支持位置には回動支持部材205が取り付けられている。回動支持部材205は、軸支部205aと本体取付軸205bとによりアーム203と取付ベース205cとにそれぞれ軸支されている。回動支持部材205は、一対の長板状の板状部材により構成されており、アーム203と取付ベース205cとをそれぞれ挟持するようにして取り付けられている。取付ベース205cは、L字状に形成された一対の金属板を背面合わせで溶着することにより形成されている。取付ベース205cには、本体ケース201にネジ止めするための一対のネジ孔205dが開設されている。
このようにして構成されたアーム203は、図14に示すようにして、アーム取付部202に取り付けられる。ここで、図14は、アーム取付部202へのアーム203の取付例について説明する図である。
すなわち、アーム203が取り付けられたアームホルダ203Aの上部側をアーム挿入溝202aに挿入し、図示しない、アーム取付部202の底面に形成された位置決め孔に位置決めボス203eを挿入し、アーム取付部202の底面に開設されたネジ孔とアームホルダ203Aのネジ孔203dとを整合させる。その状態で、ネジ孔203dからアームホルダ固定用ネジでネジ止めすることにより、アーム203がアーム取付部202に固定される。
続いて、回動支持部材205を本体ケース201の側周面に取り付ける。すなわち、回動支持部材205の取付ベース205cに開設された一対のネジ孔205dを、それぞれ、本体ケース201の側周面に開設されたネジ孔(図示せず)に整合させるようにして取付ベース205cを本体ケース201に当接させ、その状態で、ネジ孔205dから回動支持部材固定用ネジでネジ止めすることにより、回動支持部材205が本体ケース201に固定される。
本実施形態では、上述したように、アーム203を簡便な方法でアーム取付部202に取り付けることができるので、例えば、図15(a)〜同図(f)に示すように、遊戯場のスタッフ等が、景品Pの種類やゲーム性等を考慮してアーム203の本数を適宜に変更することができる。
次に、アーム取付部の他の例について、図16を参照しながら説明する。ここで、図16は、アーム取付部の他の例を底面から見た図である。
図16に示す例では、上述した実施形態におけるアーム取付部202に換えて、アーム取付部202Aを採用している。アーム取付部202Aは、金属製で薄板円盤状に形成されている。図16に示す例では、アームホルダ203Aをアーム203から分離された状態でアーム取付部202Aの裏面に等間隔で環状に配置し、溶着等により取り付けている。
続いて、アーム203の基端部を、アームホルダ203Aの固定部203aと支持部203bとの間に形成された間隙に挿入し、アームホルダ203Aに開設されたアーム用取付ネジ孔(図示せず)と、アーム203の基端部に開設された軸孔(図示せず)とを整合させた状態で、取付ネジ203fによってアーム203をアームホルダ203Aに対して回動可能に取り付ける。
このような形態としても、本発明を実現することができる。
続いて、本実施形態に係るクレーンゲーム機100の機能的構成について、図17を参照しながら説明する。ここで、図17(A)は、クレーンゲーム機100の機能的構成を示す第1の形態のブロック図であり、図17(B)は、クレーンゲーム機100の機能的構成を示す第2の形態のブロック図である。本実施形態に係るクレーンゲーム機100では、図17(A)及び図17(B)に示されるいずれの形態も採用することができる。
第1の形態では、図17(A)に示すように、例えば、クレーンゲーム機100の統括制御を行う制御部300を備えており、制御部300には、操作部8と、シリンダ駆動モータ201bと、エンコーダ201eと、アーム位置検出センサ201m,201nと、縦行用モータ301と、横行用モータ302と、ワイヤ巻取装置303とが電気的に接続されて構成されている。このように、第1の形態では、制御部300は、シリンダ駆動モータ201bの駆動制御を行う制御手段として機能する。
制御部300は、例えば、CPU(Central Processing Unit)300aと、ROM(Read Only Memory)300bと、RAM(Random Access Memory)300cとを備えて構成され、ROMに記憶されているシステムプログラム等の各種処理プログラムを読み出してRAMに展開し、展開したプログラムに従って各部の動作を集中制御する。
ROM300bは、半導体等の不揮発メモリ等により構成され、上述した各種プログラムの他、各種データ等を記憶する。RAM300cは、CPUにより実行される各種プログラム及びこれらプログラムに係るデータを一時的に記憶するワークエリアを形成する。
第2の形態では、図17(B)に示すように、例えば、クレーンゲーム機100の統括制御を行う主制御部300と、主制御部300からの制御コマンドに応じた動作制御を行う副制御部400とを備えている。主制御部300には、操作部8と、縦行用モータ301と、横行用モータ302と、ワイヤ巻取装置303とが電気的に接続されている。また、副制御部400には、シリンダ駆動モータ201bと、エンコーダ201eと、アーム位置検出センサ201m,201nとが電気的に接続されて構成されている。このように、第2の形態では、主制御部300及び副制御部400は、シリンダ駆動モータ201bの駆動制御を行う制御手段として機能する。
主制御部300は、例えば、CPU300aと、ROM300bと、RAM300cとを備えて構成されており、副制御部400は、CPU400aと、ROM400bと、RAM400cとを備えている。これらの機能については、第1の形態と同様であるため、詳しい説明については省略する。第2の形態では、制御手段を分けて構成しているので、制御を分担することにより制御負担の軽減が図られ、処理効率を向上させることができるようになる。
本実施形態では、上述したように構成されているので、例えば、アーム203や景品Pの重み等によりシリンダ駆動モータ201bに負荷がかかると、エンコーダ201eがこれを検出することができるので、制御部300は、エンコーダ201eの検出結果に基づいて、設定されたアームの把持力となるように、シリンダ駆動モータ201bの出力を調整することができる。
上述したように構成された本実施形態に係るクレーンゲーム機100は、例えば、遊戯場のスタッフ等が操作可能な設定変更スイッチ等によりアーム強度(把持力)を任意に調整できるように構成されており、例えば、難易度に応じてアーム強度を刻々と変化させることができる。本実施形態では、例えば、アーム強度を0(弱)〜10(強)の間で変更できるように設定しているが、アーム強度の設定数はこれに限定されない。
ここで、高難易度に設定された場合の把持装置200の動作について、図18(A)を参照しながら説明する。
高難易度に設定された場合は、例えば、アーム203により景品Pを把持した直後では、シャフト204aが図10に示す位置となるように、シリンダ駆動モータ201bを制御してシリンダ駆動ワイヤ201gの巻き取りあるいは繰り出しを行い、その後、シャフト204aが図9に示す位置となるように、シリンダ駆動モータ201bを制御してシリンダ駆動ワイヤ201gの巻き取りあるいは繰り出しを行ってアーム強度を変化させて、景品Pを吊り上げ難くする。
より具体的には、図18(A)に示すように、把持装置200を下降させる段階では、アーム203は開状態であり、これはアーム強度が0であることを示している(a)。その後、景品Pを把持して吊り上げた直後では、アーム強度10でアーム203を閉状態にし、景品Pを強固に把持する(b)。その後、景品Pを吊り上げる過程において、徐々にアーム強度を弱くしていく(例えば、図18(A)の(c)では、アーム強度を8まで低下させて景品Pを把持し、(d)では、アーム強度を6までさらに低下させて景品Pを把持している。)。すると、図18(A)の(d)に示すように、アーム強度6では、景品Pを把持する力が不足するようになり、景品Pの重みにより、アーム取付部202が下方に移動しはじめ、したがってアーム203が開状態となる方向にわずかに移動するようになる。その後、把持装置200が上昇しきった段階で、アーム強度を4まで低下させると、景品Pを完全に支持することができなくなり、景品Pはプレイフィールド2内に落下する(e)。
続いて、低難易度に設定された場合の把持装置200の動作について、図18(B)を参照しながら説明する。
低難易度に設定された場合は、例えば、アーム203により景品Pを把持した直後では、シャフト204aが図10に示す位置となるように、シリンダ駆動モータ201bを制御してシリンダ駆動ワイヤ201gの巻き取りあるいは繰り出しを行い、その後もその強度が維持されるようにすることで、景品Pを吊り上げ易くする。
より具体的には、図18(B)に示すように、把持装置200を下降させる段階では、アーム203は開状態であり、これはアーム強度が0であることを示している(a)。その後、景品Pを把持して吊り上げた直後では、アーム強度10でアーム203を閉状態にし、景品Pを強固に把持する(b)。その後、景品Pを吊り上げる過程においても、アーム強度を一定に維持する(c)(d)(e)。そのため、景品Pが強固に把持された状態で揚送されるので、景品Pが取得し易くなる。
このように、制御部300は、アーム203の把持力の設定変更が可能な制御手段として機能する。
以上説明したように、本実施形態によれば、インナースプリング204cは、第一の付勢力をアーム203に付与することでアーム203が第一の把持力で景品を把持するためのインナースプリング204cと、第一の把持力よりも大きい把持力で景品Pを把持するための付勢力をアーム203に付与可能なアウタースプリング204dとを備えている。その結果、景品の把持力の調整を容易にしてゲーム性を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、インナースプリング204c及びアウタースプリング204dは、それぞれコイルバネにより構成されるとともに、アウタースプリング204dがインナースプリング204cよりもバネ定数が大きいので、簡素な構成で実現することができるので、製造コストに優れる。
また、本実施形態によれば、インナースプリング204cとアウタースプリング204dとが連接されて連接付勢部材が構成される。シャフト204aは、連接付勢部材に挿通されて設けられるとともに、連接付勢部材の一端に圧接される圧接部204bを有している。シリンダ204は、連接付勢部材の他端を圧接させることにより連接付勢部材の他端とシャフト204aとの相対的位置を変化させながらシャフト204aを軸方向へ移動可能にするとともに、連接付勢部材の付勢力により所定の移動範囲内でシャフト204aに追従する。アーム取付部202は、シャフト204aと一体的に設けられ、アーム203が取り付けられる。シリンダ駆動モータ201bの駆動によってシャフト204aを軸方向に移動させることによりシャフト204aにシリンダ204が追従して変位することでアーム203を開状態と閉状態とに変換可能としている。その結果、例えば、アーム等の自重に作用する付勢部材とアームが景品を持ち上げるときに作用する付勢部材とで作用を分担させることができ、景品の持ち上げを容易に制御することができるようになる。
また、本実施形態によれば、シリンダ駆動ワイヤ201gは、シャフト204aの一端に連結される。ワイヤ巻取軸201fは、シリンダ駆動モータ201bの回転に応じてシリンダ駆動ワイヤ201gを巻回する。ワイヤ巻取軸201fがシリンダ駆動ワイヤ201gを巻回することによりシャフト201aを連接付勢部材の付勢力に抗する方向に移動させるさせる。その結果、アームの開閉動作に俊敏性を持たせることができるようになる。
また、本実施形態によれば、シリンダ駆動モータ201bとワイヤ巻取軸201fとがウォームギアによって接続されているので、アーム取付部202、アーム203及びシリンダ204や景品P等の重みが掛かって、シリンダ駆動モータ201bが逆回転することを抑制できる。したがって、取り扱い可能な景品Pの種類を多くすることができ、ゲーム性を多様化させることができる。
また、本実施形態によれば、エンコーダ201eは、シリンダ駆動モータ201bの回転状態を検出する。制御部300は、シリンダ駆動モータ201bの駆動制御を行う。制御部300は、予め設定されたアーム203の把持力とエンコーダ201eによる検出結果とに基づいて、シリンダ駆動モータ201bの駆動制御を行う。その結果、例えば、景品を把持した等によってモータに負荷が掛かった場合でも、モータの出力を適切に調整することができるので、把持動作を正確に行わせることができるようになる。
また、本実施形態によれば、制御部300は、アーム203の把持力の設定変更が可能であるので、例えば、難易度を調整できる等、ゲーム性を多様化させることができるようになる。
また、本実施形態によれば、本体ケース201は、シリンダ駆動モータ201bを少なくとも収容する。シリンダ204は、本体ケース201に対して相対的に移動可能に設けられている。アーム203は、基端部がアーム取付部202に取り付けられるとともに、基端部から所定距離離間した回動支持位置で回動支持部材205の一端により軸支されている。回動支持部材205の他端は、本体ケース201の側周面に取り付けられている。シリンダ204が変位すると、アーム203が回動支持位置を支軸として回動することにより、アーム203が開状態と閉状態とに変換される。その結果、アームの開閉動作を安定して行わせることができるようになる。
また、本実施形態によれば、アーム取付部202は、複数のアーム203をそれぞれ個別に着脱自在に取付可能であるので、遊戯場のスタッフ等が、景品Pの種類やゲーム性等を考慮してアームの本数を適宜に変更することができ、ゲーム性を容易に変更することができるようになる。
また、本発明の実施の形態に記載された作用および効果は、本発明から生じる最も好適な作用および効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用および効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。