JP6446904B2 - 現金収納装置 - Google Patents

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本発明は、現金収納装置に関する。
近年、小売店やスーパーマーケットなどの流通施設および商業施設において、売上金を入金し、釣銭準備金を出金する現金処理装置が設置されている。現金処理装置の一例として、同一金種の所定枚数の硬貨を棒状に包装して得られる棒金の収納機能を備える現金処理装置も知られている。
例えば、特許文献1には、棒金収納庫を備え、棒金収納庫に収納されている棒金数を棒金収納庫のスライド開閉時に検出するための現金処理装置が開示されている。
特開2013−118012号公報
収納されている棒金数を検出するための他の方法として、棒金収納庫の下部にセンサ取付け板を設け、センサ取付け板において棒金収納庫の各棒金収納空間の底部に対応する位置に磁気センサを設ける方法が考えられる。上記方法では、棒金収納庫が閉じられている状態においても棒金数を検出することが可能である。
しかし、棒金を包装するフィルムは、棒金の下面および上面において折り返して幾重かに巻かれることが多い。このため、棒金の下面におけるフィルムの厚さは、フィルムの巻き具合により異なり得る。すなわち、棒金下面を構成する硬貨と磁気センサとの距離は、硬貨と磁気センサの間にフィルムが介在することにより一定でないと考えられる。結果、各磁気センサから出力される検出レベルにバラつきが生じ、当該検出レベルのバラつきが棒金有無の判定精度に影響を与える。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、棒金有無の判定精度を向上することが可能な、新規かつ改良された現金収納装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、所定方向に沿って形成された棒金収納空間の列を有する棒金トレイと、前記棒金収納空間の列に収納される各棒金の側面に対向するように前記所定方向に沿って設けられた棒金検出基板と、を備え、前記棒金検出基板は、前記棒金収納空間の列に含まれる各棒金収納空間に対応する位置に、棒金の有無に応じて出力が変化するセンサを有し、前記棒金収納空間の列に含まれる棒金収納空間は、底部の高さが異なる少なくとも複数のグループに分けられ、前記棒金検出基板に設けられるセンサは、前記複数のグループのうちの2以上のグループに渡って同一の高さに設けられる、現金収納装置が提供される。
また、本発明の他の観点によれば、所定方向に沿って形成された棒金収納空間の列を有する棒金トレイと、前記棒金収納空間の列に収納される各棒金の側面に対向するように前記所定方向に沿って設けられた棒金検出基板と、を備える、現金収納装置であって、前記棒金検出基板は、前記棒金収納空間の列に含まれる各棒金収納空間に対応する位置に、棒金の有無に応じて出力が変化するセンサを有し、前記現金収納装置は、複数の前記棒金検出基板を有し、前記棒金トレイは、複数の前記棒金収納空間の列を有し、前記棒金収納空間の列に応じて前記棒金収納空間の底部の高さが異なり、前記複数の棒金検出基板が有する複数のセンサは同一の高さに設けられる、現金収納装置が提供される。
また、本発明の他の観点によれば、所定方向に沿って形成された棒金収納空間の列を有する棒金トレイと、前記棒金収納空間の列に収納される各棒金の側面に対向するように前記所定方向に沿って設けられた棒金検出基板と、を備える、現金収納装置であって、前記棒金検出基板は、前記棒金収納空間の列に含まれる各棒金収納空間に対応する位置に、棒金の有無に応じて出力が変化するセンサを有し、前記現金収納装置は、前記センサからの出力値に基づいて前記棒金の有無を判定する判定部をさらに備え、前記センサを前記棒金が収納されない位置にさらに有し、前記判定部は、前記棒金が収納されない位置の前記センサによる検出の結果に応じて、前記棒金の有無を判定するための判定閾値を設定する、現金収納装置が提供される。
前記センサは、前記棒金検出基板に配線パターンで形成されたコイルであってもよい。
前記現金収納装置は、前記センサからの出力値に基づいて前記棒金の有無を判定する判定部をさらに備えてもよい。
前記棒金トレイは、前記棒金を立位状態で収納してもよい。
以上説明したように本発明によれば、棒金有無の判定精度を向上することが可能である。
本発明の第1の実施形態による現金処理装置の外観を示す斜視図である。 第1の実施形態による棒金収納部の構成を示す斜視図である。 棒金が収納された棒金収納部の状態を示す斜視図である。 磁気センサの構成例を示した説明図である。 第1の実施形態による棒金収納部の平面図である。 第1の実施形態による棒金収納部の棒金収納列Rに沿った断面を示した説明図である。 コイルLの構成を示す説明図である。 第1の応用例による棒金収納部の棒金収納列Rに沿った断面を示した説明図である。 第2の応用例による棒金収納部の平面図である。 第2の実施形態による棒金収納部の構成を示す斜視図である。 第2の実施形態による棒金収納部の平面図である。 変形例によるコイルの配置を示した説明図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する場合もある。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。
<0.導入>
本発明の実施形態は、小売店やスーパーマーケットなどの流通施設および商業施設に設置される現金処理装置に適用される。本実施形態による現金処理装置は、例えば、レジで用いられる釣銭準備金として紙幣および硬貨を出金する釣銭出金、およびレジから回収された紙幣および硬貨を入金する売上入金などの処理を実行可能である。さらに、本実施形態による現金処理装置は、硬貨を棒状に包装して得られる棒金を収納する棒金収納装置としての機能を包含する。以下、このような本実施形態による現金処理装置の構成を詳細に説明する。
<1.第1の実施形態>
(1−1.現金処理装置の構成)
図1は、本発明の第1の実施形態による現金処理装置100の外観を示す斜視図である。図1に示したように、現金処理装置100は、操作表示部102、硬貨入金口104、硬貨処理部106、硬貨出金口108、紙幣入出金口110、紙幣処理部112および棒金収納部114を備える。
操作表示部102は、オペレータ操作を検出する操作部としての機能、および各種画面を表示する表示部としての機能を包含する。表示部としての機能は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(LCD)装置、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置により実現される。また、操作部としての機能は例えば静電容量方式または抵抗膜方式のタッチパネルにより実現される。
硬貨入金口104は、硬貨の投入を受け付ける。例えば、硬貨入金口104は、複数の硬貨を同時に投入可能な大きさを有し、図1に示したように硬貨処理部106および硬貨出金口108よりも上部に配置される。なお、硬貨入金口104は開閉されるシャッタを有してもよく、硬貨が投入される際に当該シャッタが開かれ得る。
硬貨処理部106は、硬貨の入出金処理を行う。具体的には、硬貨処理部106は、硬貨入金口104に投入される硬貨を収納し、オペレータ操作によって指示される金種および枚数の硬貨を硬貨出金口108に送出する。
硬貨出金口108は、硬貨を現金処理装置100の外部に放出する。例えば、硬貨出金口108は、複数の硬貨を同時に保留可能な大きさを有し、図1に示したように硬貨処理部106よりも下部に配置される。また、硬貨出金口108は開閉されるシャッタを有し、硬貨が放出される際に当該シャッタが開かれる。
紙幣入出金口110は、入金される紙幣の投入を受け付け、出金される紙幣を現金処理装置100の外部に放出する。例えば、紙幣入出金口110は、複数の紙幣を同時に保留可能な大きさを有し、図1に示したように紙幣処理部112よりも上部に配置される。また、紙幣入出金口110は開閉されるシャッタを有し、紙幣が投入され、または放出される際に当該シャッタが開かれる。
紙幣処理部112は、紙幣の入出金処理を行う。具体的には、紙幣処理部112は、紙幣入出金口110に投入される紙幣を収納し、ユーザ操作によって指示される金種および枚数の紙幣を紙幣入出金口110に放出する。
棒金収納部114は、棒金を収納するための構成であり、現金処理装置100から引き出し可能に構成される。オペレータは、棒金収納部114を現金処理装置100から引き出すことにより、棒金収納部114に収納された棒金を取り出すことが可能である。以下、図2および図3を参照し、棒金収納部114の構成をより具体的に説明する。
(1−2.棒金収納部の構成)
図2は、棒金収納部114の構成を示す斜視図である。図2に示したように、棒金収納部114は、棒金を立位状態で収納するための棒金トレイ120を有する。棒金トレイ120は、複数の棒金収納列Rを含み、各棒金収納列Rは、棒金を収納するための複数の棒金収納空間により形成される。
例えば、各棒金収納列Rは、図2に示したように、一円玉の棒金を収納するための2つの棒金収納空間S1、五円玉の棒金を収納するための1つの棒金収納空間S2、十円玉の棒金を収納するための3つの棒金収納空間S3、五十円玉の棒金を収納するための1つの棒金収納空間S4、百円玉の棒金を収納するための3つの棒金収納空間S5、および五百円玉の棒金を収納するための1つの棒金収納空間S6により形成される。すなわち、棒金収納列Rは、異なる金種の棒金を収納するための棒金収納空間S1〜S6により形成される。一方、棒金収納部114の引出し方向上には、同一金種の棒金を収納するための棒金収納空間が形成される。
上述した棒金収納空間S1〜S6の平面視における大きさは、棒金収納空間S1〜S6の各々に対応する金種に応じて異なる。具体的には、平面視における棒金収納空間S1〜S6の引出し方向上の径は、棒金収納空間S1〜S6の各々に対応する金種の棒金の径と略同サイズ、すなわち、棒金が収納された場合に棒金が棒金収納空間Sの引出し方向上の両側面に接するサイズに設計される。なお、各金種の棒金収納空間S1〜S6を特に区別する必要が無い場合には、各金種の棒金収納空間S1〜S6を単に棒金収納空間、または棒金収納空間Sと総称する。
図3は、棒金が収納された棒金収納部114の状態を示す斜視図である。図3に示したように、上述した棒金トレイ120の各棒金収納空間Sに、各棒金収納空間Sに対応する金種の棒金が収納されることにより、棒金トレイ120において棒金が格子状に配列される。なお、図3においては、棒金収納空間S1〜S5に収納される一円玉〜百円玉の棒金が50枚の硬貨からなり、棒金収納空間S6に収納される五百円玉の棒金が20枚の硬貨からなる例を示しているが、棒金収納空間S6には50枚の硬貨からなる五百円玉の棒金を収納することも可能である。
上述した棒金収納部114は、棒金収納部114の有高を管理するために、各棒金収納空間Sに棒金が収納されているか否かを判定するための特徴的な構成を有する。ここで、当該構成の詳細な説明に先立ち、当該構成の技術的意義がより明らかになるよう、棒金数を判定するための比較例による方法を説明する。
(1−3.比較例)
棒金収納部114に収納されている棒金数を判定するための比較例による方法として、棒金トレイ120の下部にセンサ取付け板を設け、センサ取付け板において棒金トレイ120の各棒金収納空間Sの底部に対応する位置に磁気センサを設ける方法が考えられる。上記磁気センサの構成例について図4を参照して説明する。
図4は、磁気センサ80の構成例を示した説明図である。図4に示したように、磁気センサ80は、基板82と、センサ部84と、ネジ孔90と、コネクタ92と、を有する。センサ部84は、鉄芯86と、鉄芯86に例えばエナメル線が巻かれることにより形成された線コイル88を有する。導電体である棒金がセンサ部84に近接すると、線コイル88のインダクタンスの変化により、棒金が検出される。このような磁気センサ80は、ネジ孔90によりセンサ取付け板に取り付けられ、コネクタ92およびコード94を介して制御回路と接続され得る。
しかし、上述した磁気センサ80を各棒金収納空間Sに対して設ける比較例による方法では、棒金収納空間Sと同数の磁気センサ80およびコード94が必要となるので、装置構成が複雑になり、かつ、製造コストが増加してしまう。
また、図4の側面図に示したように磁気センサ80には厚みがあること、および線コイル88の巻き具合は磁気センサ80に応じて異なることなどから、各磁気センサ80のインダクタンス値にばらつきが生じる。当該各磁気センサ80のインダクタンス値のばらつきは、棒金有無の判定精度に悪影響を与える。
さらに、棒金を包装するフィルムは、棒金の下面および上面において折り返して幾重かに巻かれることが多い。このため、棒金収納空間Sの底部に接する棒金の下面におけるフィルムの厚さは、フィルムの巻き具合により異なり得る。すなわち、棒金を構成する硬貨と磁気センサ80との距離は、硬貨と磁気センサ80の間にフィルムが介在することにより一定でないと考えられる。結果、各磁気センサ80から出力される検出レベルにばらつきが生じ、当該検出レベルのばらつきが判定精度に悪影響を与える。
そこで、本件発明者は、上記事情を一着眼点にして本発明の第1の実施形態による現金処理装置100を創作するに至った。本発明の第1の実施形態によれば、装置構成の簡素化、製造コストの低減および棒金有無の判定精度の向上を実現することが可能である。以下、このような効果を実現するために本発明の第1の実施形態による現金処理装置100に設けられる棒金検出基板の構成について詳細に説明する。
(1−4.棒金検出基板の構成)
本実施形態においては、現金処理装置100の棒金収納部114に、各棒金収納空間Sにおける棒金の有無を判定するために棒金検出基板が設けられる。この棒金検出基板は、各棒金収納空間Sに収納された棒金の側面と対向するように、棒金収納列Rの列方向に沿って設けられる。以下、図5〜図7を参照し、棒金検出基板の構成をより具体的に説明する。
図5は、棒金収納部114の平面図である。図6は、図3に示したA−A断面、すなわち、棒金収納部114の棒金収納列Rに沿った断面を示した説明図である。図5に示したように、棒金収納部114においては、棒金収納列Rの各々に対して棒金検出基板130が設けられる。より詳細には、棒金収納列Rの棒金検出基板130側の側面の頂部を結ぶ直線と平行するように棒金検出基板130が設けられ、このため、棒金検出基板130と棒金収納空間S1〜S6の各側面との距離は同一となる。なお、棒金検出基板130は、棒金トレイ120に覆われる位置に設けられるので、図5においては棒金検出基板130を破線で示している。
また、棒金検出基板130は、図6に示したように、コネクタ140を介して制御基板150と接続されている。
さらに、棒金検出基板130は、図5および図6に示したように、棒金収納列Rに含まれる各棒金収納空間Sに対応する位置に、棒金の有無に応じて出力が変化するセンサとしてコイルLを有する。以下、図7を参照してコイルLについて説明する。
図7は、コイルLの構成を示す説明図である。コイルLは、図7に示したように、棒金検出基板130に配線パターンで形成される。このコイルLのインダクタンスは、コイルLに対応する棒金収納空間Sにおける棒金の有無に応じて変化する。
ここで、棒金検出基板130は、当該コイルLのインダクタンスを検出値として制御基板150に出力する。制御基板150は、棒金の有無を判定する判定部としての機能を有し、具体的には、当該棒金検出基板130から入力される検出値に基づき、各棒金収納空間Sにおける棒金の有無を判定することが可能である。
なお、図7においてはコイルLのみを示しているが、実際には、コイルLに付随してトランジスタ、抵抗およびコンデンサなどの要素が実装される。また、コイルLは、棒金検出基板130の内部および反対面に渡って複数層に渡って形成されていてもよい。
また、棒金検出基板130においてコイルLが設けられる高さは特に限定されない。例えば、図6に示したように、底部の高さが異なる棒金収納空間S1〜S6のグループに対して各コイルLは同一の高さに設けられてもよい。また、各コイルLを棒金収納空間Sの底部から離れた高さに設けることにより、棒金収納空間Sに混入した金属片(例えば、クリップまたはホッチキスの芯など)がコイルLに与える影響を低減することが可能である。
(1−5.効果の整理)
以上説明したように、本実施形態によれば、コイルLを有する棒金検出基板130を用いて棒金の有無を判定できるので、装置構成の簡素化、製造コストの低減を実現することが可能である。また、棒金検出基板130の突出高さを、コイルLの配線パターンの厚み、すなわち実質的に0にすることができるので、実装上の自由度を向上することが可能である。また、コイルLの検出値は、コイルLと棒金の間が棒金トレイ120のモールドにより隔てられていても棒金の有無により変化するので、棒金トレイ120に穴を空けることが不要である。
また、本実施形態よれば、配線パターンで形成されたコイルLを用いて棒金の有無を判定するので、比較例として説明した線コイル88を有する磁気センサ80よりも、インダクタンス値のバラつきを低減することができる
さらに、棒金収納空間Sの底部に接する棒金の下面におけるフィルムの厚さに対し、棒金の側面のフィルムの厚さのバラつきは小さく、かつ、棒金検出基板130と棒金収納空間S1〜S6の各側面との距離は同一であるので、本実施形態のように棒金検出基板130において棒金収納空間Sの側面と対向するコイルLに基づいて棒金の有無を判定することにより、棒金有無の判定精度を向上することが可能である。
(1−6.応用例)
以上、本発明の第1の実施形態を説明した。続いて、本発明の第1の実施形態の応用例を説明する。
−第1の応用例
上述したように、本発明の第1の実施形態は、コイルLのインダクタンスに基づいて棒金の有無を判定する。しかし、コイルLの特性は温度変動に応じて変化する。そこで、第1の応用例として、温度変動に対処することが可能な棒金収納部114の構成を説明する。
図8は、第1の応用例による棒金収納部114の棒金収納列Rに沿った断面を示した説明図である。図8に示したように、第1の応用例による棒金収納部114は、コイルLに加え、温度センサとして機能するサーミスタ162が形成された棒金検出基板132を備える。棒金検出基板132は、サーミスタ162により得られた温度情報を制御基板152に出力する。
制御基板152は、棒金検出基板132から入力される温度情報に基づき、棒金の有無を判定するための判定閾値を設定する。例えば、制御基板152は、コイルLのインダクタンスの増加を伴う温度変化が生じた場合には判定閾値をより高い値に調整する。そして、制御基板152は、棒金検出基板132から検出値として入力される各コイルLのインダクタンスが判定閾値を上回るか否かに基づいて棒金の有無を判定する。
以上説明したように、第1の応用例によれば、棒金の有無を判定するための判定閾値がコイルLの近傍の温度情報に応じて調整されるので、温度変動があった場合でも判定精度を維持することが可能である。なお、各棒金検出基板132がサーミスタ162を有する場合、制御基板152は、各棒金検出基板132について判定閾値を設定してもよい。一方、サーミスタ162が一部の棒金検出基板132のみに形成される場合、制御基板152は、複数の棒金検出基板132について同一の判定閾値を設定してもよい。また、サーミスタ162が形成される部材は棒金検出基板132に限定されず、サーミスタ162は、棒金トレイ120または制御基板150など棒金収納部114内部の任意の位置に形成されてもよい。
−第2の応用例
次に、第2の応用例として、温度変動に対処するための他の構成を説明する。
図9は、第2の応用例による棒金収納部114の平面図である。なお、図9においては、図面の明瞭性の観点から棒金トレイ120を省略している。図9に示したように、第2の応用例による棒金収納部114は、ダミーコイルLdが形成された制御基板152を備える。ダミーコイルLdは、棒金が収納されない位置、例えば平面視において棒金収納空間Sと重ならない位置に形成される。従って、ダミーコイルLdからの検出値は棒金収納部114における棒金の収納状態に影響されない。一方、ダミーコイルLdからの検出値は温度変動に応じて変化する。
制御基板152は、ダミーコイルLdからの検出値に応じて、棒金の有無を判定するための判定閾値を設定する。例えば、制御基板152は、ダミーコイルLdからの検出値が増加した場合、判定閾値をより高い値に調整する。そして、制御基板152は、棒金検出基板132から検出値として入力される各コイルLのインダクタンスが判定閾値を上回るか否かに基づいて棒金の有無を判定する。
以上説明したように、第2の応用例によれば、棒金の有無を判定するための判定閾値がダミーコイルLdからの検出値に応じて調整されるので、温度変動を含む外部環境の変化によりコイルLの特性が変化する場合であっても、判定精度を維持することが可能である。
なお、ダミーコイルLdからの検出値の利用方法は判定閾値の設定に限定されない。例えば、制御基板152は、ダミーコイルLdからの検出値に基づいて、棒金検出基板130の各コイルLにセンサレベルの増幅度をフィードバックしてもよい。かかる構成によれば、各コイルLが温度変動を含む外部環境の変化を加味した検出値を出力し得るので、制御基板152は、ダミーコイルLdからの検出値に基づく判定閾値の設定を行わなくてもよい。
<2.第2の実施形態>
第1の実施形態においては、コイルLを用いて各棒金収納空間Sにおける棒金の有無を判定する構成を説明した。これに対し、本発明の第2の実施形態は、光学センサを用いて各棒金収納空間Sにおける棒金の有無を判定することが可能である。以下、このような本発明の第2の実施形態について説明する。
なお、本発明の第2の実施形態による現金処理装置100は、第1の実施形態で説明した棒金収納部114に代えて、上記光学センサを含む棒金収納部115を有する点で主に第1の実施形態と相違し、他の構成については第1の実施形態で説明した通りであるので、ここでの詳細な説明を省略する。
図10は、第2の実施形態による棒金収納部115の構成を示す斜視図である。図10に示したように、棒金収納部115は、棒金を立位状態で収納するための棒金トレイ122を有する。棒金トレイ122は、複数の棒金収納列Rを含み、各棒金収納列Rは、第1の実施形態において説明したように、棒金を収納するための棒金収納空間S1〜S6により形成される。
また、各棒金収納空間Sの引出し方向における奥側の側面には、図10に示したように、開口124が形成される。同様に、各棒金収納空間Sの引出し方向における手前側の側面にも開口124(図示せず。)が形成される。この棒金収納空間Sに形成された1対の開口は、後述する光学センサの光路を構成する。
図11は、第2の実施形態による棒金収納部115の平面図である。図11に示したように、棒金収納部115においては、棒金収納列Rの各々に対して棒金検出基板132が設けられる。棒金検出基板132は、図6を参照して説明したように、第1の実施形態と同様にコネクタ140を介して制御基板150に接続される。なお、棒金検出基板132は、棒金トレイ122に覆われる位置に設けられるので、図11においては棒金検出基板132を破線で示している。
また、棒金検出基板132は、図11に示したように、棒金収納列Rに含まれる各棒金収納空間Sに対応する位置に光学センサを有する。具体的には、棒金検出基板132の一側に発光素子134が設けられ、棒金検出基板132の他側であって発光素子134と同じ位置に受光素子136が設けられる。
ここで、棒金収納空間Sに棒金が収納されていない場合、棒金検出基板132の発光素子134が発した光は、図10を参照して説明した棒金トレイ122の開口124を通過して、他の棒金検出基板132の受光素子136に到達する。一方、棒金収納空間Sに棒金が収納されている場合、棒金検出基板132の発光素子134が発した光は棒金に遮られ、他の棒金検出基板132の受光素子136に到達しない。このため、制御基板150は、受光素子136が受光状態にあるか否かに基づき、棒金収納空間Sにおける棒金の有無を判定することが可能である。
なお、棒金検出基板132において光学センサが設けられる高さは特に限定されない。例えば、底部の高さが異なる棒金収納空間S1〜S6のグループに対して各コイルLは同一の高さに設けられてもよい。
以上説明したように、本実施形態によれば、光学センサを用いて各棒金収納空間Sにおける棒金の有無を判定することが可能である。また、本実施形態によれば、棒金検出基板132の表裏となる位置に発光素子134および受光素子136が設けられるので、1枚の棒金検出基板132を2つの棒金検出列Rに対して利用可能である。また、本実施形態によれば、光学センサを用いることにより、現金処理装置100の筐体を構成する金属の影響を受けずに棒金の有無を判定することが可能である。
<3.変形例>
以上、本発明の各実施形態について説明した。続いて、本発明の各実施形態についての幾つかの変形例を説明する。
(第1の変形例)
第1の実施形態においては、図2および図5などを参照し、棒金を収納する棒金収納列Rおよび棒金検出基板130が棒金収納部114の幅方向に沿って形成される例を説明したが、棒金を収納する棒金収納列Rおよび棒金検出基板130は棒金収納部114の引出し方向に沿って設けられてもよい。当該構成によれば、棒金収納部114の引出し方向の棒金収納空間Sの数よりも棒金収納部114の幅方向の棒金収納空間Sの数の方が少ない場合に棒金検出基板130の必要数を削減することが可能である。当該第1の変形例は、第2の実施形態にも同様に適用可能である。
(第2の変形例)
第1の実施形態においては、図2および図3などを参照し、棒金収納列Rが異なる金種の棒金を収納する例を説明したが、棒金収納列Rは同一金種の棒金を収納するように形成されてもよい。この場合、棒金収納列Rに含まれる各棒金収納空間Sの底部の高さは同一である。一方、棒金収納列Rごとに棒金収納空間Sの底部の高さが異なるが、各棒金収納列Rに対応する棒金検出基板130においてコイルLが形成される高さは同一であってもよい。当該第2の変形例は、第2の実施形態にも同様に適用可能である。
(第3の変形例)
第1の実施形態においては、図6などを参照し、各金種の棒金の上面の高さを揃える目的で棒金収納空間Sのグループごとに底部の高さを変化させる手段を説明したが、各金種の棒金の上面の高さを揃えることは必須でない。従って、全ての棒金収納空間Sの底部の高さは同一であってもよい。
(第4の変形例)
第1の実施形態においては、図6などを参照し、底部の高さが異なる棒金収納空間S1〜S6のグループに対して各コイルLが同一の高さに設けられる例を説明したが、各コイルLの高さは棒金収納空間Sのグループごとに異なってもよい。例えば、図12に示すように、各コイルLは、対応する棒金収納空間Sの底部から所定の高さに設けられてもよい。かかる構成により、棒金の金種ごとに望ましい検出位置が異なる場合に、棒金の金種に応じて適切な位置にコイルLを設けることが可能である。
<4.むすび>
以上説明したように、本発明の実施形態によれば、立位状態で収納される棒金の有無を、当該棒金の側面に対向して設けられるセンサを用いて判定することが可能である。特に、本発明の第1の実施形態によれば、コイルLを有する棒金検出基板130を用いて棒金の有無を判定できるので、装置構成の簡素化、製造コストの低減を実現することが可能である。
なお、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
また、現金処理装置100に内蔵されるCPU、ROMおよびRAMなどのハードウェアに、上述した制御基板150と同等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。また、該コンピュータプログラムを記憶させた記憶媒体も提供される。
100 現金処理装置
102 操作表示部
104 硬貨入金口
106 硬貨処理部
108 硬貨出金口
110 紙幣入出金口
112 紙幣処理部
114、115 棒金収納部
120、122 棒金トレイ
124 開口
130、132 棒金検出基板
134 発光素子
136 受光素子
140 コネクタ
150、152 制御基板
162 サーミスタ

Claims (6)

  1. 所定方向に沿って形成された棒金収納空間の列を有する棒金トレイと、
    前記棒金収納空間の列に収納される各棒金の側面に対向するように前記所定方向に沿って設けられた棒金検出基板と、
    を備え、
    前記棒金検出基板は、前記棒金収納空間の列に含まれる各棒金収納空間に対応する位置に、棒金の有無に応じて出力が変化するセンサを有し、
    前記棒金収納空間の列に含まれる棒金収納空間は、底部の高さが異なる少なくとも複数のグループに分けられ、
    前記棒金検出基板に設けられるセンサは、前記複数のグループのうちの2以上のグループに渡って同一の高さに設けられる、
    現金収納装置。
  2. 所定方向に沿って形成された棒金収納空間の列を有する棒金トレイと、
    前記棒金収納空間の列に収納される各棒金の側面に対向するように前記所定方向に沿って設けられた棒金検出基板と、
    を備える、現金収納装置であって、
    前記棒金検出基板は、前記棒金収納空間の列に含まれる各棒金収納空間に対応する位置に、棒金の有無に応じて出力が変化するセンサを有し、
    前記現金収納装置は、複数の前記棒金検出基板を有し、
    前記棒金トレイは、複数の前記棒金収納空間の列を有し、
    前記棒金収納空間の列に応じて前記棒金収納空間の底部の高さが異なり、
    前記複数の棒金検出基板が有する複数のセンサは同一の高さに設けられる、
    現金収納装置。
  3. 所定方向に沿って形成された棒金収納空間の列を有する棒金トレイと、
    前記棒金収納空間の列に収納される各棒金の側面に対向するように前記所定方向に沿って設けられた棒金検出基板と、
    を備える、現金収納装置であって、
    前記棒金検出基板は、前記棒金収納空間の列に含まれる各棒金収納空間に対応する位置に、棒金の有無に応じて出力が変化するセンサを有し、
    前記現金収納装置は、
    前記センサからの出力値に基づいて前記棒金の有無を判定する判定部をさらに備え、
    前記センサを前記棒金が収納されない位置にさらに有し、
    前記判定部は、前記棒金が収納されない位置の前記センサによる検出の結果に応じて、前記棒金の有無を判定するための判定閾値を設定する、現金収納装置。
  4. 前記センサは、前記棒金検出基板に配線パターンで形成されたコイルである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の現金収納装置。
  5. 前記現金収納装置は、前記センサからの出力値に基づいて前記棒金の有無を判定する判定部をさらに備える、請求項1または2に記載の現金収納装置。
  6. 前記棒金トレイは、前記棒金を立位状態で収納する、請求項1〜のいずれか一項に記載の現金収納装置。
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