JP6444278B2 - 容器の抜栓機構 - Google Patents

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Description

本発明は、容器の抜栓機構に関し、とくに、容器本体の口筒部に装着される中栓と、中栓を閉蓋する蓋体とを備える容器の抜栓機構に関するものである。
容器本体の口筒部に装着される中栓と、中栓を閉蓋する蓋体とを備えた容器は、従来から知られ、その使用方法は、始めに蓋を開け、その後、プルリングを引っ張り上げて中栓の注ぎ口を開口して、内容物を注ぎ出す必要があった。
そこで、プルリングを引っ張り上げることなしに、蓋体を回動させることによって、中栓の注ぎ口内に形成される栓体を除去できるように構成された容器が知られている。(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−145370号公報
しかしながら、特許文献1記載の抜栓機構を備える容器は、注ぎ口付きの中栓(第1中栓)以外に、第1中栓の上に嵌め込まれた第2中栓を用いてオーバーキャップ(蓋体)に嵌合し、そのオーバーキャップを回動させて容器本体から持ち上げて、薄肉部を破断して注出口を開口させるもので、複雑な構造を有する特殊な第2中栓を使用しなければならないという問題があった。
本発明は、上記の問題を解決することを課題とし、容器本体の口筒部に装着される中栓と、中栓を閉蓋する蓋体とを備える容器において、蓋体を回動することによって、簡単に中栓の注出口に形成される栓体を除去できる容器の抜栓機構を提供することを目的とする。
本発明は、上記の課題を解決するため、容器の抜栓機構として、容器本体の口筒部に装着される中栓と、中栓を閉蓋する蓋体とを備える容器の抜栓機構において、中栓は、内容物を注出する注出筒と、注出筒に破断可能な弱化部を介して接続される栓体とを備え、栓体は、外周面に逆V字状に形成される外歯を有し、蓋体は、裏面から垂設され、閉蓋時に注出筒を密封する密封リングを備え、密封リングは、内周面にV字状に形成され、栓体の外歯と噛み合う内歯を有し、中栓を閉蓋する蓋体を回動することにより、栓体の弱化部を破断することを特徴とする構成を採用する。
栓体の実施形態として、栓体は、上部中央に立設され、外周面に外歯が形成される筒状壁を有し、蓋体は、密封リングの内側から垂設され、閉蓋時に筒状壁の内周に嵌入する嵌入ボス部を有することを特徴とする構成を採用し、中栓の実施形態として、中栓は、容器本体の口筒部に装着される装着中栓と、装着中栓上部に装着される注出中栓とを備えることを特徴とする構成を採用し、装着中栓の実施形態として、装着中栓は、栓体の下端面と当接する突部を有することを特徴とする構成を採用し、さらに、装着中栓は、容器装着部と、流量調整板とを備え、流量調整板は、容器装着部の内周側に連設される整流壁と、整流壁に複数形成される流路孔とを備えることを特徴とする構成を採用する。
蓋体の実施形態として、蓋体は、頂壁と、頂壁の外縁から垂下される外周壁とを備える円筒状のオーバーキャップであり、中栓は、外周面に拡径して張り出し、頂点部と底面部と傾斜部とからなる段面が形成される山形突部を有し、オーバーキャップは、内側に、下端面部が山形突部に形成される段面と当接する開閉リブを有することを特徴とする構成を採用する。
本発明は、容器本体の口筒部に装着される中栓と、中栓を閉蓋する蓋体とを備える容器の抜栓機構において、中栓の注出筒に形成される栓体は、外周面に逆V字状に形成される外歯を有し、蓋体の裏面から垂設される密封リングは、内周面にV字状に形成され、栓体の外歯と噛み合う内歯を有しており、蓋体を中栓にセットする際に、栓体の逆V字状の外歯と、隣り合う外歯との間に、密封リングのV字状の内歯が外歯と摺接しながらスムーズに入り込むことにより、セット時の蓋体と中栓との位置合わせを省略することができる。
また、中栓は、容器本体の口筒部に装着される装着中栓と、装着中栓上部に装着される注出中栓とを備え、装着中栓は、流量調整板を備えることにより、一組の中栓で、内容物の粘度の低いものから高いものまで対応できる。
さらに、蓋体は、頂壁と、頂壁の外縁から垂下される外周壁とを備える円筒状のオーバーキャップであり、中栓は、外周面に拡径して張り出し、頂点部と底面部と傾斜部とからなる段面が形成される山形突部を有し、オーバーキャップは、内側に、下端面部が山形突部に形成される段面と当接する開閉リブを有することにより、オーバーキャップを容器本体に被せて閉蓋した際に、開閉リブの下端面部が山形突部の段面と当接し、開蓋時にオーバーキャップを回動することで、開閉リブの下端面部が山形突部の傾斜部に沿って上昇し、頂点部側に移動することにより、オーバーキャップを持ち上げることができ、オーバーキャップが円筒状であっても、容易に開蓋することができる。
本発明の容器におけるオーバーキャップを被冠した状態の断面立面図である。 抜栓機構の説明図で、(a)は図1の部分拡大図、(b)は(a)のX−X線横断面図、(c)は外歯と内歯の噛み合わせの模式図である。 密封リングと栓体との関係を示す斜視図である。 中栓の組立前の説明図で、(a)は上面図、(b)は断面図である。 図4の中栓の他の説明図で、(a)は正面図、(b)は下面図である。 オーバーキャップの説明図で、(a)は半断面立面図、(b)は下面図である。 中栓とオーバーキャップとをセットする際の状態を示す断面立面図である。
本発明の容器の抜栓機構は、蓋体が回動できるものであれば、いわゆるプッシュオン・ツイストオフのキャップ機構に限らず、ヒンジキャップの場合でも、蓋体が回動できるものであれば、どのような蓋体でもかまわない。
本実施例の容器の抜栓機構として、容器本体の口筒部に装着される中栓と、中栓を被冠する円筒状のオーバーキャップを備える容器について、図面を参照して説明する。
図1において、Aは容器本体、Bは容器本体Aの口筒部に装着される中栓、Cは中栓Bを被冠し、容器内を密封するオーバーキャップである。
容器本体Aは、図1に示すように、円筒状の口筒部1と、口筒部1の下端に連設される肩部2および胴部3とを備えており、口筒部1には、上部外周に、係合突条4が設けられ、その下方に環状のネックリング5が設けられている。
肩部2は、下方に向かい拡径するように傾斜しており、下端部外周には、胴部3の上端に接続する段部6が形成されている。
中栓Bは、図1、4および5に示すように、容器本体Aの口筒部1に装着される装着中栓B1と、装着中栓B1上部に装着される注出中栓B2と、装着中栓B1と注出中栓B2とを連接するヒンジB3とから構成されている。
装着中栓B1は、図4に示すように、容器本体Aの口筒部1に装着する容器装着部B1aと、容器装着部B1aの内側に形成される流量調整板B1bとを備えている。
容器装着部B1aは、装着時に口筒部1の上端面と当接する環状の上壁10と、上壁10の外周縁から垂設される外筒11と、上壁10の内周縁から垂設される内筒12と、上壁10の内周縁から立設される装着筒13とから構成されている。
外筒11の内周下端部には、口筒部1の係合突条4と係合する係合部14が形成され、装着筒13の上部外周には、注出中栓B2と係合する係合突部16が設けられている。
流量調整板B1bは、図4に示すように、内筒12の内周下端から中心に向かって上方に傾斜するテーパ状の整流壁17と、整流壁17の中央部に立設されるドーム状の突部18とから構成され、整流壁17の外周側には、円周に沿って等間隔に複数の流路孔19が形成されている。
注出中栓B2は、図1に示すように、環状の上壁20と、上壁20の外周縁から垂設される外筒21と、上壁20の下面に垂設される内筒22と、上壁20の内周縁から立設される注出筒23と、注出筒23の内周の下端近傍に沿って形成される破断可能な薄肉の弱化部24を介して接続される円盤状の栓体25とから構成されている。
なお、本実施例では、栓体25は、注出筒23の内周下端近傍に形成されているが、後述する抜栓機構によって抜栓できるものであれば、注出筒23の上端など、どこに形成されていても構わない。
外筒21の内周下端には、図4(b)に示すように、装着中栓B1上部への装着時に、装着筒13の係合突部16と係合する係合凸条26が形成されている。
外筒21の外周には、図5(a)に示すように、拡径して張り出した山形突部27が形成され、後述するカム面として機能する山形段面は、底面部27aから上方に向かって直線状の傾斜部27bを経て、頂点部27cに達し、さらに、頂点部27cから下方に向かって直線状の傾斜部27dを経て、隣の底面部27aに達する。
本実施例では、底面部27aおよび頂点部27cは、外筒21の外周上に45°間隔で8カ所ずつ形成されている。
山形突部27は、外周面の所定の位置に、ヒンジB3が連接されている。
栓体25は、図2(a)および3に示すように、下側面にテーパ部25aが形成され、上部中央に筒状壁28が立設されている。
筒状壁28は、上端内周に、嵌合突条29が形成されるとともに、筒状壁28の外周には、側面視で逆V字状の山形に形成される外歯30が4本突設されている。
外歯30は、筒状壁28の外周から膨出される隣接する山部30aとの間に、筒状壁28の外周と面一に谷部30bが形成され、山部30aと谷部30bとの境界に側部30cが形成されている。
なお、本実施例では、外歯30の数を4本としているが、これよりも少ない本数でも、多い本数でも構わない。
また、栓体25の下端面は、注出中栓B2の装着時に装着中栓B1の突部18の上端面と当接するようになっている。
ヒンジB3は、図4および5に示すように、外周の一部に凸部が残る通常のヒンジを採用しているが、径方向外方にほとんど突出しないヒンジ構造を採用することができ、その場合、注出中栓B2を装着中栓B1上部に装着した際に、中栓Bの外周に凸部ができないので、見た目がよい。
オーバーキャップCは、図1および6に示すように、平面視で円形の頂壁35と、頂壁35外縁から垂設される外周壁36とを備えており、全体として略円筒状に形成されている。
頂壁35は、図2(a)に示すように、裏面の中央から、外周先端部に嵌合部37が形成される嵌入ボス部38が垂設されており、嵌入ボス部38の外側には、閉蓋時に外周が注出筒23の内周を密封する筒状の密封リング39が垂設されている。
さらに、図6に示すように、密封リング39の外側には、中筒壁40が垂設され、中筒壁40の外側には、閉蓋時に容器本体Aの口筒部1のネックリング5に嵌着する装着壁41が垂設され、中筒壁40と装着壁41との間には、注出中栓B2の外周の山形突部27の山形段面と係合するリブ状の開閉リブ42が円周上に90°間隔で配設されている。
なお、本実施例では、閉蓋時に、密封リング39の外周が注出筒23の内周を密封するようにしているが、注出筒の外周を密封リングの内周によって密封するようにしてもよい。
密封リング39の内周には、栓体25を抜栓する抜栓機構として、図2(c)および3に示すように、栓体25の外歯30の谷部30bに入り込んで、外歯30の側部30cと噛み合うように、側面視でV字状の逆山形に形成された内歯43が4本突設されている。
内歯43は、密封リング39の内周から膨出される隣接する山部43aとの間に、密封リング39の内周と面一に谷部43bが形成され、山部43aと谷部43bとの境界に側部43cが形成されている。
なお、本実施例では、内歯43の数を4本としているが、前述した外歯30の数と同様に、これよりも少ない本数でも、多い本数でもよく、外歯30と同数設けることが好ましい。
装着壁41の下端部には、閉蓋時に上部がネックリング5の外周下部に係合する係止突部44が設けられている。
開閉リブ42は、図6に示すように、中筒壁40の下端面から延びる頂面部42aと、閉蓋時に、中栓Bの注出中栓B2の外周面から僅かに離れて平行する内側面部42bと、閉蓋時に、注出中栓B2の山形突部27の底面部27aと当接または近接する高さの下端面部42cとから構成されている。
なお、開閉リブ42の下端面部42cは、オーバーキャップCを回動させた時に注出中栓B2の山形突部27の段面に当接して、せり上がる形状(縦リブ状や山形状等)であれば、どのような形状でも構わない。
次に、本実施例の使用態様と作用効果について説明する。
本実施例のオーバーキャップを備える容器の組み立て作業は、まず、図4または5の注出中栓B2を装着中栓B1に対してヒンジB3を支点に廻動させ、注出中栓B2を装着中栓B1上部に装着して、中栓Bをセットする。
その際に、注出中栓B2は、装着中栓B1の装着筒13に形成される係合突部16に、外筒21の内周に形成される係合凸条26を係合することで嵌着される。
本実施例の中栓Bは、ヒンジB3を介して装着中栓B1と注出中栓B2とを連接しているので、成形の際、一つの金型で成形することができ、生産効率を上げることができる。
また、注出中栓B2と装着中栓B1がヒンジB3で一組となっているので、両者をセットする際の作業効率が向上する。
その後、内容物が充填された容器本体Aの口筒部1に中栓Bを打栓して装着する。
打栓工程は、装着中栓B1の内筒12と上壁10と外筒11とで形成される環状溝部に容器本体Aの口筒部1を当てがい、注出中栓B2の上壁20の上から押圧力を加えることによって、外筒11の係合部14が口筒部1の係合突条4を乗り越えて嵌合し、口筒部1を、外筒11の内周と内筒12の外周および上壁10とによって挟持することで嵌着する。
つぎに、中栓Bを覆うように、容器本体AにオーバーキャップCを被冠する被冠工程により、オーバーキャップCは、装着壁41の係止突部44をネックリング5と嵌合させるとともに、外周壁36の下端部を容器本体Aの段部6に当接させて作業が完了する。
被冠工程では、オーバーキャップCを容器本体Aの中栓Bが装着された口筒部1に被せると、図7に示すように、オーバーキャップCの密封リング39は、外周下端が注出筒23の内周上端と当接して、その位置に留まる。
これと同時に、オーバーキャップCの嵌入ボス部38外周の嵌合部37は、注出中栓B2の栓体25上部に形成される筒状壁28内周上部の嵌合突条29と当接する。
さらに、オーバーキャップCを上方から押し込むと、嵌入ボス部38の嵌合部37は、筒状壁28の嵌合突条29を乗り越えて嵌入されるとともに、密封リング39も注出筒23内周に挿入され、図2(c)および3に模式的に示すように、密封リング39内周に形成される内歯43の山部43bは、栓体25の筒状壁28外周に形成される外歯30の谷部30bに入り込み、内歯43は、外歯30の側部30cに沿ってスムーズに摺接することにより、オーバーキャップCは、わずかに回転しながらセットされる。
注出筒23内の栓体25の筒状壁28外周の外歯30と、密封リング39内周の内歯43は、オーバーキャップCの被冠工程において、側面視で逆V字状に山形に形成される山部30aとV字状に逆山形に形成される山部43aとが互いにスムーズに側部30cと43cとで摺接し合うことができ、内歯43と外歯30とが衝突(干渉)して栓体25を下方に押し込むことを防止できる。
また、注出中栓B2を装着中栓B1上部に装着した後に、注出中栓B2の栓体25は、下端面が装着中栓B1の流量調整板B1bの突部18の上端面に当接して下降を防止しているので、栓体25が下方に押し込まれて弱化部24を破断することを防止できる。
被冠工程が完了すると、オーバーキャップCは、それぞれの開閉リブ42の下端面部42cが、注出中栓B2の外周面に形成される山形突部27の底面部27aにそれぞれ当接することにより、オーバーキャップCは、中栓Bおよび容器本体Aに対して、これ以上押し下げられることを防止できる。
また、オーバーキャップCの装着壁41に形成される係止突部44は、容器本体Aのネックリング5の外縁を乗り越え、係止突部44の上部とネックリング5の外縁下部が係合し、オーバーキャップCが容器本体Aから外れることを防止する。
なお、本実施例では、中栓Bの打栓工程の後、オーバーキャップCの被冠工程を行うようにしているが、最初に、中栓BをオーバーキャップC内にセットし、次いで、中栓BがセットされたオーバーキャップCを容器本体Aに打栓することも可能である。
本実施例のオーバーキャップを備えた容器の使用にあたっては、まず、オーバーキャップCを把持して何れかの方向へ回動させる。
例えば、オーバーキャップCを反時計回りに回動させると、密封リング39内周に形成される内歯43は、注出中栓B2の筒状壁28外周に形成される外歯30と当接して、注出中栓B2の栓体25を回転させることにより薄肉の弱化部24を破断し、注出中栓B2から栓体25を切り離すことにより、抜栓され、注出筒23の内周に沿って注出口を開口する。
その際に、注出中栓B2から切り離される栓体25は、筒状壁28にオーバーキャップCの嵌入ボス部38が嵌入されていることにより、そのままオーバーキャップCに保持される。
オーバーキャップCを回動させると、それぞれの開閉リブ42の下端面部42cは、注出中栓B2の外周に形成される山形突部27の山形段面を、底面部27aから傾斜部27bの傾斜に沿って、開閉リブ42が摺接することにより、オーバーキャップCが徐々に持ち上がっていく。
オーバーキャップCが持ち上がると、容器本体Aのネックリング5の外縁と、オーバーキャップCの装着壁41の係止突部44との係合が外れる。
さらに、オーバーキャップCを回転させると、開閉リブ42の下端面部42cは、頂点部27cに移動し、オーバーキャップCが容器本体Aから完全に外れ、開蓋される。
本実施例の容器は、開蓋の際、反時計回りに回動することによって、注出中栓B2の山形突部27の傾斜部27bに開閉リブ42が摺接することによってオーバーキャップCを容器本体Aから持ち上げているが、もちろん、時計回りに回転することによっても、同様に、傾斜部27dが存在するので、オーバーキャップCを容器本体Aおよび中栓Bから簡単に外すことができる。
内容物の注出にあたっては、オーバーキャップCを取外したまま容器を傾けていき、注出中栓B2の注出筒23から内容物を注出する。
本実施例の容器においては、内容物がウスターソース等の粘度が低い液状のものである場合、容器の傾きに対して、容器本体A内の内容液が装着中栓B1の流量調整板B1bの整流壁17により一旦堰き止められ、整流壁17の内容液が接触する下側の流路孔19を流路として内筒12内に流入し、注出筒23から注出される。
また、整流壁17の内容液が接触しない上側の流路孔19が空気の流通路となり、容器本体A外内との空気置換がされるので、内容液の脈動を防止し、内容液を安定して内筒12内に流入させることができる。
内容物がとんかつソース等の粘度がある程度高い液状のものである場合は、液の粘度により、液の流れる速度が遅くなるので、一気に容器を傾けすぎてしまっても、内容液を一気に注出してしまうことがない。
本実施例の中栓Bは、装着中栓B1と注出中栓B2とからなり、装着中栓B1に流量調整板B1bを設けたことにより、とんかつソース等の粘度のある程度高い液状のものや、ウスターソース等の粘度が低い液状のものであっても、容器を傾けすぎて内容液を一気に注出してしまうことがない中栓として一種類の中栓で対応することが可能である。
なお、本実施例では、流量調整板B1bを有する装着中栓B1と注出中栓B2とからなる中栓Bとしたが、中栓Bは、装着中栓を省略して、容器本体Aの口筒部1に装着可能な注出中栓とすることができることはいうまでもない。
内容物の注出後は、容器の傾きを戻し、中栓Bを覆うように、容器本体AにオーバーキャップCを被冠し、閉蓋する。
閉蓋の際に、オーバーキャップCのそれぞれの開閉リブ42の下端面部42cは、注出中栓B2の外周面の山形突部27のいずれかの山形段面に当接する。
例えば、下端面部42cは、傾斜部27bまたは傾斜部27dに当接した場合に、傾斜部27bまたは傾斜部27dの傾斜に沿ってオーバーキャップCを下降させる力がいずれかの回転方向に働き、オーバーキャップCは、回転しながら下降していく。
最後には、それぞれの開閉リブ42の下端面部42cが、底面部27aに当接する位置で下降が終了するとともに、オーバーキャップCの装着壁41の係止突部44の上部とネックリング5の外縁下部が係合し、閉蓋が終了する。
閉蓋の際には、オーバーキャップCの密封リング39は、内側に注出中栓B2から破断された栓体25を嵌入ボス部38に保持した状態で、注出中栓B2の注出筒23の内周に挿入され、容器内を密封する。
閉蓋状態では、常にそれぞれの開閉リブ42の下端面部42cは、底面部27aに当接する位置で閉蓋されるので、次回開蓋する際に、速やかにオーバーキャップCを持ち上げることができる。
本実施例では、装着中栓B1と注出中栓B2とをヒンジB3を介して一体成形しているが、ヒンジB3を無くし、装着中栓B1と注出中栓B2を別体で成形し、組み立て時にセットするようにしてもよい。
本実施例では、注出中栓B2の外周面に山形突部27が形成されているが、山形突部27は、オーバーキャップCを回動することにより持ち上げることができればよいので、装着中栓B1の外周面に、山形段面として、底面部、頂点部および傾斜部を有する山形突部が突設されるようにしてもよい。
本実施例の抜栓機構では、オーバーキャップCは、略円筒状に形成され、容器本体Aに被冠されているが、オーバーキャップは、円筒状に限らず、角形状に形成され、容器本体に被冠されるものであっても構わない。
また、本実施例では、オーバーキャップを容器本体に対して上方から押込んで閉蓋し、最初の開蓋時にオーバーキャップを回動することで注出中栓の栓体を抜栓するものであるが、この抜栓機構は蓋体を回動することによって簡単に抜栓することができるものであるから、蓋体として開蓋時に回動できるものであれば、どのようなものでも応用可能であることはいうまでもない。
本発明は、容器本体の口筒部に装着される中栓と、中栓を閉蓋する蓋体とを備える容器の抜栓機構において、中栓の注出筒に形成される栓体の外周面に逆V字状に形成される外歯を有し、蓋体の裏面から垂設される密封リングの内周面にV字状に形成され、栓体の外歯と噛み合う内歯を有し、蓋体をいずれかの方向へ回動させることにより、簡単かつ確実に中栓の注出筒に形成される栓体を除去でき、また、これをオーバーキャップを容器本体に対して上方から押し込むことで閉蓋し、オーバーキャップを回動することでオーバーキャップが持ち上がって開蓋する容器に適用する場合は、内容物が粘度のある程度高い液状のものや、粘度が低い液状のものであっても、一種類の中栓部材で対応できるので、内容物の如何にかかわらず、広く使用することができる。
A 容器本体
B 中栓
B1 装着中栓
B1a 容器装着部
B1b 流量調整板
B2 注出中栓
B3 ヒンジ
C オーバーキャップ
1 口筒部
2 肩部
3 胴部
4 係合突条
5 ネックリング
6 段部
10、20 上壁
11、21 外筒
12、22 内筒
13 装着筒
14 係合部
16 係合突部
17 整流壁
18 突部
19 流路孔
23 注出筒
24 弱化部
25 栓体
25a テーパ部
26 係合凸条
27 山形突部
27a 底面部
27b 傾斜部
27c 頂点部
27d 傾斜部
28 筒状壁
29 嵌合突条
30 外歯
30a、43a 山部
30b、43b 谷部
30c、43c 側部
35 頂壁
36 外周壁
37 嵌合部
38 嵌入ボス部
39 密封リング
40 中筒壁
41 装着壁
42 開閉リブ
42a 頂面部
42b 内側面部
42c 下端面部
43 内歯
44 係止突部

Claims (6)

  1. 容器本体の口筒部に装着される中栓と、中栓を閉蓋する蓋体とを備える容器の抜栓機構において、
    中栓は、内容物を注出する注出筒と、注出筒に破断可能な弱化部を介して接続される栓体とを備え、
    栓体は、外周面に逆V字状に形成される外歯を有し、
    蓋体は、裏面から垂設され、閉蓋時に注出筒を密封する密封リングを備え、
    密封リングは、内周面にV字状に形成され、栓体の外歯と噛み合う内歯を有し、
    中栓を閉蓋する蓋体を回動することにより、栓体の弱化部を破断することを特徴とする容器の抜栓機構。
  2. 栓体は、上部中央に立設され、外周面に外歯が形成される筒状壁を有し、
    蓋体は、密封リングの内側から垂設され、閉蓋時に筒状壁の内周に嵌入する嵌入ボス部を有することを特徴とする請求項1に記載の容器の抜栓機構。
  3. 中栓は、容器本体の口筒部に装着される装着中栓と、装着中栓上部に装着される注出中栓とを備えることを特徴とする請求項1または2に記載の容器の抜栓機構。
  4. 装着中栓は、栓体の下端面と当接する突部を有することを特徴とする請求項3に記載の容器の抜栓機構。
  5. 装着中栓は、容器装着部と、流量調整板とを備え、
    流量調整板は、容器装着部の内周側に連設される整流壁と、整流壁に複数形成される流路孔とを備えることを特徴とする請求項3に記載の容器の抜栓機構。
  6. 蓋体は、頂壁と、頂壁の外縁から垂下される外周壁とを備える円筒状のオーバーキャップであり、
    中栓は、外周面に拡径して張り出し、頂点部と底面部と傾斜部とからなる段面が形成される山形突部を有し、
    オーバーキャップは、内側に、下端面部が山形突部に形成される段面と当接する開閉リブを有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の容器の抜栓機構。
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