JP6444105B2 - ポリカルボン酸水溶液用の金属腐食抑制剤、金属腐食抑制剤水溶液組成物、および、ポリカルボン酸水溶液の金属腐食抑制方法 - Google Patents

ポリカルボン酸水溶液用の金属腐食抑制剤、金属腐食抑制剤水溶液組成物、および、ポリカルボン酸水溶液の金属腐食抑制方法 Download PDF

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Description

本発明は、ポリカルボン酸水溶液用の金属腐食抑制剤、金属腐食抑制剤水溶液組成物、および、ポリカルボン酸水溶液の金属腐食抑制方法に関する。
一般に、酸性水溶液は、金属製(特に、鉄など)のタンクや配管を腐食することが知られている(特許文献1参照)
ポリカルボン酸水溶液は、一般に、pHが5〜9程度の中性領域にて製造される。したがって、従来、このような中性を示すポリカルボン酸水溶液が金属製(特に、鉄など)のタンクや配管を腐食するということは一般に考えられていなかった。
ところが、各種製造プロセスにおけるトラブル等の経験に基づき、このようなポリカルボン酸水溶液は、中性を示すにもかかわらず、金属製(特に、鉄など)のタンクや配管を腐食するということが、本発明者の検討によって判明した。
特許第3364006号公報
本発明の課題は、ポリカルボン酸水溶液用の金属腐食抑制剤を提供することにある。また、本発明の課題は、金属腐食抑制効果を発現できる金属腐食抑制剤水溶液組成物を提供することにある。さらに、本発明の課題は、ポリカルボン酸水溶液の金属腐食抑制方法を提供することにある。
本発明のポリカルボン酸水溶液用の金属腐食抑制剤は、分子中に硫黄原子を有する。
好ましい実施形態においては、本発明のポリカルボン酸水溶液用の金属腐食抑制剤は、分子中に、−SH基、−S−S−結合から選ばれる少なくとも1種を有する。
本発明の金属腐食抑制剤水溶液組成物は、本発明の金属腐食抑制剤とポリカルボン酸と水を含む。
好ましい実施形態においては、上記金属腐食抑制剤の上記金属腐食抑制剤水溶液組成物中の濃度が1ppm〜1000ppmである。
好ましい実施形態においては、本発明のポリカルボン酸水溶液は、pHが5〜9の範囲である。
本発明のポリカルボン酸水溶液の金属腐食抑制方法は、
ポリカルボン酸水溶液が金属を腐食することを抑制する方法であって、
該ポリカルボン酸水溶液に本発明の金属腐食抑制剤を添加する。
好ましい実施形態においては、上記ポリカルボン酸水溶液のpHが5〜9の範囲である。
本発明によれば、ポリカルボン酸水溶液用の金属腐食抑制剤を提供することができる。また、本発明によれば、金属腐食抑制効果を発現できる金属腐食抑制剤水溶液組成物を提供することができる。さらに、本発明によれば、ポリカルボン酸水溶液の金属腐食抑制方法を提供することができる。
本明細書中で「(メタ)アクリル」との表現がある場合は、「アクリルおよび/またはメタクリル」を意味し、「(メタ)アクリレート」との表現がある場合は、「アクリレートおよび/またはメタクリレート」を意味し、「(メタ)アリル」との表現がある場合は、「アリルおよび/またはメタリル」を意味し、「(メタ)アクロレイン」との表現がある場合は、「アクロレインおよび/またはメタクロレイン」を意味する。また、本明細書中で「酸(塩)」との表現がある場合は、「酸および/またはその塩」を意味する。
≪ポリカルボン酸水溶液用の金属腐食抑制剤≫
本発明のポリカルボン酸水溶液用の金属腐食抑制剤は、分子中に硫黄原子を有する。分子中に硫黄原子の数は、1個のみであっても良いし、2個以上であっても良い。
本発明のポリカルボン酸水溶液用の金属腐食抑制剤は、本発明の効果をより発現し得る点で、好ましくは、分子中に、−SH基(メルカプト基)、−S−S−結合(ジスルフィド結合)から選ばれる少なくとも1種を有する。このような金属腐食抑制剤としては、例えば、5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、L−システイン、L−シスチン、メルカプトプロピオン酸、ジチオジプロピオン酸、2,2´−ジベンゾチアゾリルジスルフィド、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、ビスムチオール、フルフリルメルカプタン、ベンジルメルカプタン、ジベンジルジスルフィド、1,3−ベンゼンジチオール、1,4−ブタンジチオール、ベンゼンチオール、シクロヘキサンチオール、ジシクロヘキシルジスルフィド、アリルプロピルジスルフィド、2−メルカプトエタノール、2,2−ジチオジエタノール、オクタンチオールなどが挙げられる。
本発明のポリカルボン酸水溶液用の金属腐食抑制剤は、ポリカルボン酸水溶液の金属に対する腐食抑制のために用いる。従来、ポリカルボン酸水溶液は、一般に、pHが5〜8程度の中性領域にて製造されるので、このような中性を示すポリカルボン酸水溶液が金属製(特に、鉄など)のタンクや配管を腐食するということは一般に考えられていなかった。すなわち、従来、当業者は、中性を示すポリカルボン酸水溶液を使用するに際して、金属腐食抑制剤が必要であるという認識は有していない。ところが、各種製造プロセスにおけるトラブル等の経験に基づき、このような中性を示すポリカルボン酸水溶液であっても、金属製(特に、鉄など)のタンクや配管を腐食するということが、本発明者の検討によって判明し、その結果、各種検討をさらに行うことによって、本発明のポリカルボン酸水溶液用の金属腐食抑制剤を発明するに至った。
≪金属腐食抑制剤水溶液組成物≫
本発明の金属腐食抑制剤水溶液組成物は、本発明の金属腐食抑制剤とポリカルボン酸と水を含む。本発明の金属腐食抑制剤水溶液組成物は、本発明の金属腐食抑制剤を含むので、金属腐食抑制効果を発現できる。
本発明の金属腐食抑制剤水溶液組成物中の金属腐食抑制剤の濃度は、好ましくは1ppm〜1000ppmであり、より好ましくは3ppm〜500ppmであり、さらに好ましくは3ppm〜300ppmであり、特に好ましくは3ppm〜200ppmであり、最も好ましくは5ppm〜200ppmである。本発明の金属腐食抑制剤水溶液組成物中の金属腐食抑制剤の濃度が上記範囲内に収まることにより、本発明の金属腐食抑制剤水溶液組成物は、金属腐食抑制効果を一層発現できる。本発明の金属腐食抑制剤水溶液組成物中の金属腐食抑制剤の濃度が低すぎると、金属腐食抑制効果が発現されないおそれがある。本発明の金属腐食抑制剤水溶液組成物中の金属腐食抑制剤の濃度が高すぎると、水溶液中のポリカルボン酸含有率の低下や、コストの増加につながるおそれがある。
本発明の金属腐食抑制剤水溶液組成物は、pHが、好ましくは5〜9の範囲であり、より好ましくは5.5〜9の範囲であり、さらに好ましくは5.5〜8.5の範囲であり、特に好ましくは6〜8.5の範囲であり、最も好ましくは6〜8の範囲である。pHが好ましくは5〜9の範囲の中性領域にて製造されるポリカルボン酸水溶液は、一般に、このような中性を示すポリカルボン酸水溶液が金属製(特に、鉄など)のタンクや配管を腐食するということは一般に考えられていなかった。すなわち、従来、当業者は、中性を示すポリカルボン酸水溶液を使用するに際して、金属腐食抑制剤が必要であるという認識は有していない。ところが、各種製造プロセスにおけるトラブル等の経験に基づき、このような中性を示すポリカルボン酸水溶液であっても、金属製(特に、鉄など)のタンクや配管を腐食するということが、本発明者の検討によって判明した。
本発明の金属腐食抑制剤水溶液組成物は、本発明の効果をより発現し得る点で、好ましくは、別途調製したポリカルボン酸(好ましくは、その水溶液)に、本発明の金属腐食抑制剤を添加して製造する。
ポリカルボン酸としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なポリカルボン酸を採用し得る。このようなポリカルボン酸液としては、好ましくは、(メタ)アクリル酸などのカルボン酸を単量体単位として含むポリカルボン酸であり、より好ましくは、一般式(1)で表される不飽和ポリアルキレングリコール系単量体(a)由来の構造単位(I)と一般式(2)で表される不飽和カルボン酸系単量体(b)由来の構造単位(II)とを含むポリカルボン酸である。
Figure 0006444105
Figure 0006444105
一般式(1)で表される不飽和ポリアルキレングリコール系単量体(a)由来の構造単位(I)とは、具体的には、下記式で表される。
Figure 0006444105
一般式(2)で表される不飽和カルボン酸系単量体(b)由来の構造単位(II)とは、具体的には、下記式で表される。
Figure 0006444105
一般式(1)および一般式(I)中、RおよびRは、同一または異なって、水素原子またはメチル基を表す。
一般式(1)および一般式(I)中、Rは、水素原子または炭素原子数1〜30の炭化水素基を表す。炭素原子数1〜30の炭化水素基としては、例えば、炭素原子数1〜30のアルキル基(脂肪族アルキル基や脂環式アルキル基)、炭素原子数1〜30のアルケニル基、炭素原子数1〜30のアルキニル基、炭素原子数6〜30の芳香族基などが挙げられる。Rは、好ましくは、水素原子または炭素原子数1〜20の炭化水素基であり、より好ましくは、水素原子または炭素原子数1〜12の炭化水素基であり、さらに好ましくは、水素原子または炭素原子数1〜6の炭化水素基であり、特に好ましくは、水素原子または炭素原子数1〜3のアルキル基である。
一般式(1)および一般式(I)中、AOは、炭素原子数2〜18のオキシアルキレン基であり、好ましくは炭素原子数2〜8のオキシアルキレン基であり、より好ましくは炭素原子数2〜4のオキシアルキレン基である。また、AOが、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、オキシスチレン基等の中から選ばれる任意の2種類以上の場合は、AOの付加形態は、ランダム付加、ブロック付加、交互付加等のいずれの形態であっても良い。なお、親水性と疎水性とのバランス確保のため、オキシアルキレン基中にオキシエチレン基が必須成分として含まれることが好ましく、オキシアルキレン基全体の50モル%以上がオキシエチレン基であることがより好ましく、オキシアルキレン基全体の90モル%以上がオキシエチレン基であることがさらに好ましい。
一般式(1)および一般式(I)中、nは、AOで表されるオキシアルキレン基の平均付加モル数を表し、1〜500であり、好ましくは2〜500であり、より好ましくは5〜500であり、さらに好ましくは5〜300であり、特に好ましくは10〜300であり、最も好ましくは10〜150である。
一般式(1)および一般式(I)中、xは0〜2の整数である。
一般式(1)および一般式(I)中、yは0または1である。
一般式(1)で表される不飽和ポリアルキレングリコール系単量体(a)としては、例えば、炭素数1〜20の飽和脂肪族アルコール類に、炭素数2〜8のアルキレンオキシドを付加することによって得られるアルコキシポリアルキレングリコール類と、(メタ)アクリル酸またはクロトン酸とのエステル化物;炭素数1〜20の飽和脂肪族アルコール類に、炭素数2〜18のアルキレンオキシドを重合して得られるポリアルキレングリコール類と、(メタ)アクリル酸またはクロトン酸とのエステル化物;(メタ)アリルアルコール、クロチルアルコール、オレイルアルコールなどの炭素数3〜20の不飽和脂肪族アルコール類に、炭素数2〜8のアルキレンオキシドを付加することによって得られるアルコキシポリアルキレングリコール類と、(メタ)アクリル酸またはクロトン酸とのエステル化物;(メタ)アリルアルコール、クロチルアルコール、オレイルアルコールなどの炭素数3〜20の不飽和脂肪族アルコール類に、炭素数2〜18のアルキレンオキシドを重合して得られるポリアルキレングリコール類と、(メタ)アクリル酸またはクロトン酸とのエステル化物;シクロヘキサノールなどの炭素数3〜20の脂環式アルコール類に、炭素数2〜8のアルキレンオキシドを付加することによって得られるアルコキシポリアルキレングリコール類と、(メタ)アクリル酸またはクロトン酸とのエステル化物;シクロヘキサノールなどの炭素数3〜20の脂環式アルコール類に、炭素数2〜18のアルキレンオキシドを重合して得られるポリアルキレングリコール類と、(メタ)アクリル酸またはクロトン酸とのエステル化物;炭素数6〜20の芳香族アルコール類に、炭素数2〜8のアルキレンオキシドを付加することによって得られるアルコキシポリアルキレングリコール類と、(メタ)アクリル酸またはクロトン酸とのエステル化物;炭素数6〜20の芳香族アルコール類に、炭素数2〜18のアルキレンオキシドを重合して得られるポリアルキレングリコール類と、(メタ)アクリル酸またはクロトン酸とのエステル化物;などが挙げられる。
一般式(1)で表される不飽和ポリアルキレングリコール系単量体(a)としては、本発明の効果を一層発現させ得る点で、好ましくは、(メタ)アクリル酸のアルコキシポリアルキレングリコール類のエステル;ビニルアルコール、(メタ)アリルアルコール、3−メチル−3−ブテン−1−オール、3−メチル−2−ブテン−1−オール、2−メチル−3−ブテン−2−オール、2−メチル−2−ブテン−1−オール、2−メチル−3−ブテン−1−オールのいずれかにアルキレンオキシドを1〜500モル付加した化合物;であり、より好ましくは、3−メチル−3−ブテン−1−オールにアルキレンオキシドを1〜500モル付加した化合物である。
一般式(1)で表される不飽和ポリアルキレングリコール系単量体(a)は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
一般式(2)および一般式(II)中、R〜Rは、同一または異なって、水素原子、メチル基、または−(CHCOOM基を表す。−(CHCOOM基は−COOX基または他の−(CHCOOM基と無水物を形成していても良い。zは0〜2の整数である。
Mは、水素原子、一価金属原子、二価金属原子、アンモニウム基、または有機アンモニウム基を表す。
Xは、水素原子、メチル基、エチル基、一価金属原子、二価金属原子、アンモニウム基、または有機アンモニウム基を表す。
一般式(2)で表される不飽和カルボン酸系単量体(b)としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸などのモノカルボン酸系単量体またはこれらの塩;マレイン酸、イタコン酸、フマル酸などのジカルボン酸系単量体またはこれらの塩;マレイン酸、イタコン酸、フマル酸などのジカルボン酸系単量体の無水物またはこれらの塩;などが挙げられる。ここでいう塩としては、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、有機アンモニウム塩、有機アミン塩などが挙げられる。アルカリ金属塩としては、例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩などが挙げられる。アルカリ土類金属塩としては、例えば、カルシウム塩、マグネシウム塩などが挙げられる。有機アンモニウム塩としては、例えば、メチルアンモニウム塩、エチルアンモニウム塩、ジメチルアンモニウム塩、ジエチルアンモニウム塩、トリメチルアンモニウム塩、トリエチルアンモニウム塩などが挙げられる。有機アミン塩としては、例えば、エタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩などが挙げられる。
一般式(2)で表される不飽和カルボン酸系単量体(b)としては、好ましくは、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸であり、より好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸である。
一般式(2)で表される不飽和カルボン酸系単量体(b)は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
ポリカルボン酸中には、構造単位(I)と構造単位(II)以外に、他の単量体(c)由来の構造単位(III)を含んでいても良い。
単量体(c)としては、単量体(a)、単量体(b)と共重合可能な単量体である。単量体(c)は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
単量体(c)としては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類;メチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等の不飽和モノカルボン酸類と炭素原子数1〜30のアルコールとのエステル類;ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシ(ポリ)エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の各種(アルコキシ)(ポリ)アルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート類;(無水)マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸類と炭素原子数1〜30のアルコールとのハーフエステル類;(無水)マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸類と炭素原子数1〜30のアルコールとのジエステル類;上記不飽和ジカルボン酸類と炭素原子数1〜30のアミンとのハーフアミド類;上記不飽和ジカルボン酸類と炭素原子数1〜30のアミンとのジアミド類;上記アルコールやアミンに炭素原子数2〜18のアルキレンオキシドを1〜500モル付加させたアルキル(ポリ)アルキレングリコールと上記不飽和ジカルボン酸類とのハーフエステル類;上記アルコールやアミンに炭素原子数2〜18のアルキレンオキシドを1〜500モル付加させたアルキル(ポリ)アルキレングリコールと上記不飽和ジカルボン酸類とのジエステル類;上記不飽和ジカルボン酸類と炭素原子数2〜18のグリコールまたはこれらのグリコールの付加モル数2〜500のポリアルキレングリコールとのハーフエステル類;上記不飽和ジカルボン酸類と炭素原子数2〜18のグリコールまたはこれらのグリコールの付加モル数2〜500のポリアルキレングリコールとのジエステル類;マレアミド酸と炭素原子数2〜18のグリコールまたはこれらのグリコールの付加モル数2〜500のポリアルキレングリコールとのハーフアミド類;(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等の(ポリ)アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類;ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート類;ポリエチレングリコールジマレート等の(ポリ)アルキレングリコールジマレート類;ビニルスルホネート、(メタ)アリルスルホネート、2−メチルプロパンスルホン酸(メタ)アクリルアミド、スチレンスルホン酸等の不飽和スルホン酸(塩)類;メチル(メタ)アクリルアミド等の不飽和モノカルボン酸類と炭素原子数1〜30のアミンとのアミド類;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のビニル芳香族類;1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート等のアルカンジオールモノ(メタ)アクリレート類;ブタジエン、イソプレン等のジエン類;(メタ)アクリル(アルキル)アミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等の不飽和アミド類;(メタ)アクリロニトリル等の不飽和シアン類;酢酸ビニル等の不飽和エステル類;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、ビニルピリジン等の不飽和アミン類;ジビニルベンゼン等のジビニル芳香族類;(メタ)アリルアルコール、グリシジル(メタ)アリルエーテル等のアリル類;(メトキシ)ポリエチレングリコールモノビニルエーテル等のビニルエーテル類;(メトキシ)ポリエチレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル等の(メタ)アリルエーテル類;などが挙げられる。
ポリカルボン酸中の構造単位(I)と構造単位(II)と構造単位(III)の含有割合は、例えば、該ポリカルボン酸の各種構造解析(例えば、NMRなど)によって知ることができる。また、上記のような各種構造解析を行わなくても、ポリカルボン酸を製造する際に用いる各種単量体の使用量に基づいて算出される該各種単量体由来の構造単位の含有割合をもって、ポリカルボン酸中の構造単位(I)と構造単位(II)と構造単位(III)の含有割合としても良い。すなわち、ポリカルボン酸を製造する際に用いる全単量体成分中の、不飽和ポリアルキレングリコール系単量体(a)と不飽和カルボン酸系単量体(b)との合計の質量の含有割合を、ポリカルボン酸中の、構造単位(I)と構造単位(II)との合計の含有割合として扱って良いし、また、ポリカルボン酸を製造する際に用いる全単量体成分中の他の単量体(c)の質量の含有割合を、ポリカルボン酸中の構造単位(III)の含有割合として扱って良い。
ポリカルボン酸中の、構造単位(I)と構造単位(II)と構造単位(III)の含有比率は、質量比(質量%)で、好ましくは、(I)/(II)/(III)=1〜99/1〜99/0〜70であり、より好ましくは、(I)/(II)/(III)=50〜99/1〜50/0〜49であり、さらに好ましくは、(I)/(II)/(III)=55〜98/2〜45/0〜40であり、特に好ましくは、(I)/(II)/(III)=60〜97/3〜40/0〜30である。
ポリカルボン酸の質量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリエチレングリコール換算による質量平均分子量(Mw)として、好ましくは1000〜500000であり、より好ましくは5000〜300000であり、さらに好ましくは10000〜150000である。
ポリカルボン酸は、任意の適切な方法によって製造し得る。ポリカルボン酸の水溶液は、好ましくは、不飽和ポリアルキレングリコール系単量体(a)と不飽和カルボン酸系単量体(b)とを含む単量体成分の重合を重合開始剤の存在下で行って製造し得る。
ポリカルボン酸の製造に用い得る不飽和ポリアルキレングリコール系単量体(a)、不飽和カルボン酸系単量体(b)、および、必要に応じて、他の単量体(c)の使用量は、ポリカルボン酸を構成する全構造単位中の各単量体由来の構造単位の割合が前述したものとなるように、適宜調整すればよい。好ましくは、重合反応が定量的に進行するとして、前述したポリカルボン酸を構成する全構造単位中の各単量体由来の構造単位の割合と同じ割合で、各単量体を用いれば良い。
不飽和ポリアルキレングリコール系単量体(a)は、任意の適切な方法によって合成し得る。例えば、アリルアルコール、メタリルアルコール、3−メチル−3−ブテン−1−オール(イソプレノール)、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル等の不飽和アルコールにアルキレンオキサイドを付加することによって合成し得る。
単量体成分の重合は、任意の適切な方法で行い得る。例えば、溶液重合、塊状重合が挙げられる。溶液重合の方式としては、例えば、回分式、連続式が挙げられる。溶液重合で使用し得る溶媒としては、水;メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール;ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘキサン等の芳香族または脂肪族炭化水素;酢酸エチル等のエステル化合物;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン化合物;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル化合物;等が挙げられる。水溶液とするためには、好ましくは、水を必須に用いる。
単量体成分の重合を行う場合は、重合開始剤として、水溶性の重合開始剤、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩;過酸化水素;2,2′−アゾビス−2−メチルプロピオンアミジン塩酸塩等のアゾアミジン化合物、2,2′−アゾビス−2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン塩酸塩等の環状アゾアミジン化合物、2−カルバモイルアゾイソブチロニトリル等のアゾニトリル化合物等の水溶性アゾ系開始剤;等を使用し得る。これらの重合開始剤は、亜硫酸水素ナトリウム等のアルカリ金属亜硫酸塩、メタ二亜硫酸塩、次亜燐酸ナトリウム、モール塩等のFe(II)塩、ヒドロキシメタンスルフィン酸ナトリウム二水和物、ヒドロキシルアミン塩酸塩、チオ尿素、L−アスコルビン酸(塩)、エリソルビン酸(塩)等の促進剤を併用することもできる。これらの併用形態の中でも、過酸化水素とL−アスコルビン酸(塩)等の促進剤との組み合わせが好ましい。これらの重合開始剤や促進剤は、それぞれ単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
低級アルコール、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、エステル化合物、またはケトン化合物を溶媒とする溶液重合を行う場合、または、塊状重合を行う場合には、重合開始剤として、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ナトリウムパーオキシド等のパーオキシド;t−ブチルハイドロパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド等のハイドロパーオキシド;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物;などを用い得る。このような重合開始剤を用いる場合、アミン化合物等の促進剤を併用することもできる。さらに、水−低級アルコール混合溶媒を用いる場合には、上記の種々の重合開始剤または重合開始剤と促進剤の組み合わせの中から適宜選択して用いることができる。
単量体成分の重合の際の反応温度としては、用いられる重合方法、溶媒、重合開始剤、連鎖移動剤により適宜定められる。このような反応温度としては、好ましくは0℃以上であり、より好ましくは30℃以上であり、さらに好ましくは50℃以上であり、また、好ましくは150℃以下であり、より好ましくは120℃以下であり、さらに好ましくは100℃以下である。
単量体成分の反応容器への投入方法としては、任意の適切な方法を採用し得る。このような投入方法としては、例えば、全量を反応容器に初期に一括投入する方法、全量を反応容器に分割若しくは連続投入する方法、一部を反応容器に初期に投入し、残りを反応容器に分割若しくは連続投入する方法等が挙げられる。具体的には、単量体(a)の全量と単量体(b)の全量とを反応容器に連続投入する方法、単量体(a)の一部を反応容器に初期に投入し、単量体(a)の残りと単量体(b)の全量とを反応容器に連続投入する方法、単量体(a)の一部と単量体(b)の一部とを反応容器に初期に投入し、単量体(a)の残りと単量体(b)の残りとをそれぞれ反応容器に交互に数回に分けて分割投入する方法などが挙げられる。さらに、反応途中で各単量体の反応容器への投入速度を連続的又は段階的に変えて、各単量体の単位時間あたりの投入質量比を連続的又は段階的に変化させることにより、構造単位(I)と構造単位(II)との比率が異なる2種以上の共重合体を重合反応中に同時に合成するようにしてもよい。なお、重合開始剤は反応容器に初めから仕込んでも良く、反応容器へ滴下しても良く、また目的に応じてこれらを組み合わせても良い。
製造されたポリカルボン酸は、製造後のpHを5〜9の範囲に調整しておくことが好ましい。しかしながら、重合率向上のため、pH5未満で重合を行い、重合後にpHを5〜9の範囲に調整することが好ましい。pHの調整は、例えば、1価金属または2価金属の水酸化物や炭酸塩等の無機塩;アンモニア;有機アミン;などのアルカリ性物質を用いて行うことができる。
製造されたポリカルボン酸は、最終的に水溶液の形態で得られた該水溶液に対して、必要に応じて、濃度調整を行うこともできる。
本発明のポリカルボン酸水溶液は、本発明の効果を発現できる範囲で、任意の適切な他の添加剤を含んでいても良い。
≪ポリカルボン酸水溶液の金属腐食抑制方法≫
本発明のポリカルボン酸水溶液の金属腐食抑制方法は、ポリカルボン酸水溶液が金属を腐食することを抑制する方法である。
本発明のポリカルボン酸水溶液の金属腐食抑制方法は、ポリカルボン酸水溶液に本発明の金属腐食抑制剤を添加する。
金属腐食抑制剤については、前述した≪ポリカルボン酸水溶液用の金属腐食抑制剤≫の項における説明をそのまま援用し得る。
ポリカルボン酸水溶液については、前述した≪金属腐食抑制剤水溶液組成物≫の項における説明をそのまま援用し得る。
ポリカルボン酸水溶液のpHは、好ましくは5〜9の範囲であり、より好ましくは5.5〜9の範囲であり、さらに好ましくは5.5〜8.5の範囲であり、特に好ましくは6〜8.5の範囲であり、最も好ましくは6〜8の範囲である。pHが好ましくは5〜9の範囲の中性領域にて製造されるポリカルボン酸水溶液は、一般に、このような中性を示すポリカルボン酸水溶液が金属製(特に、鉄など)のタンクや配管を腐食するということは一般に考えられていなかった。すなわち、従来、当業者は、中性を示すポリカルボン酸水溶液を使用するに際して、金属腐食抑制剤が必要であるという認識は有していない。ところが、各種製造プロセスにおけるトラブル等の経験に基づき、このような中性を示すポリカルボン酸水溶液であっても、金属製(特に、鉄など)のタンクや配管を腐食するということが、本発明者の検討によって判明した。
ポリカルボン酸水溶液に対する本発明の金属腐食抑制剤の添加量としては、ポリカルボン酸水溶液中の金属腐食抑制剤の濃度が、好ましくは1ppm〜1000ppmとなり、より好ましくは3ppm〜500ppmとなり、さらに好ましくは3ppm〜300ppmとなり、特に好ましくは3ppm〜100ppmとなり、最も好ましくは5ppm〜100ppmとなるように適宜決定される。ポリカルボン酸水溶液に対する本発明の金属腐食抑制剤の添加量が上記範囲内に収まることにより、本発明のポリカルボン酸水溶液は、金属腐食抑制効果を一層発現でき、水溶液中のポリカルボン酸含有率の低下を抑制でき、コストの低減につながる。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例には限定されない。なお、特に明記しない限り、部とある場合は質量部を意味し、%とある場合は質量%を意味する。
<GPC測定条件>
使用カラム:東ソー社製、TSK guard column SWXL+TSKgel G4000SWXL+G3000SWXL+G2000SWXL
溶離液:水10999gとアセトニトリル6001gの混合溶媒に酢酸ナトリウム三水和物115.6gを溶解し、さらに酢酸でpH6.0に調整した溶液を使用した。
サンプル打ち込み量:100μL
流速:1.0mL/min
カラム温度:40℃
検出器:日本ウォーターズ社製、2414 示差屈折検出器
解析ソフト:日本ウォーターズ社製、Empower Software+GPCオプション
較正曲線作成用標準物質:ポリエチレングリコール[ピークトップ分子量(Mp)272500、219300、107000、50000、24000、12600、7100、4250、1470]
較正曲線:上記ポリエチレングリコールのMp値と溶出時間とを基礎にして3次式で作成した。
サンプル調製:測定対象の重合体の水溶液を上記溶離液で重合体濃度が0.5質量%となるように溶解させたものをサンプルとした。
<質量平均分子量の解析>
得られたRIクロマトグラムにおいて、ポリマー溶出直前・溶出直後のベースラインにおいて平らに安定している部分を直線で結び、ポリマーを検出・解析した。ただし、モノマー、モノマー由来の不純物等がポリマーピークに一部重なって測定された場合、それらとポリマーとの重なり部分の最凹部において垂直分割してポリマー部とモノマー部とを分離し、ポリマー部のみの分子量・分子量分布を測定した。ポリマー部とそれ以外とが完全に重なり分離できない場合はまとめて計算した。
<鋼板重量減少率の測定>
穴の開いた圧延鋼板(SS400、縦50mm×横25mm×厚み1.6mm)をひも状のテフロン(登録商標)で吊るし、試験溶液75gに浸漬し、40℃で一週間静置した後に、圧延鋼板の重量減少率を測定した。
〔製造例1〕:ポリカルボン酸水溶液の製造
温度計、攪拌機、滴下ロート、環流冷却器を備えたガラス製反応容器にイオン交換水592部、3−メチル−3−ブテン−1−オールにエチレンオキサイドを50モル付加した不飽和アルコール1053部を仕込み、58℃に昇温した後、水84.5部にアクリル酸84.5部を溶解させた水溶液、水180.9部にL−アスコルビン酸1.6部を溶解させた水溶液、水142.2部に過硫酸ナトリウム5.9部を溶解させた水溶液を5時間30分かけて滴下した。その後、30分間引き続いて58℃に温度を維持して重合反応を完結させ、温度を50℃以下に降温し、水酸化ナトリウム30%水溶液を用いてpH6〜7になるように中和し、質量平均分子量が30000、Mw/Mnが2.25のポリカルボン酸水溶液を得た。
〔実施例1〕
製造例1で得られたポリカルボン酸水溶液に対して、5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−チオールを10ppmの濃度となるように添加し、ポリカルボン酸水溶液(1)を得た。
結果を表1に示した。
〔実施例2〕
製造例1で得られたポリカルボン酸水溶液に対して、2,2´−ジベンゾチアゾリルジスルフィドを10ppmの濃度となるように添加し、ポリカルボン酸水溶液(2)を得た。
結果を表1に示した。
〔比較例1〕
製造例1で得られたポリカルボン酸水溶液に対して、何も添加しないで、ポリカルボン酸水溶液(C1)とした。
結果を表1に示した。
〔比較例2〕
製造例1で得られたポリカルボン酸水溶液に対して、5−アミノ−1H−テトラゾールを10ppmの濃度となるように添加し、ポリカルボン酸水溶液(C2)とした。
結果を表1に示した。
〔比較例3〕
製造例1で得られたポリカルボン酸水溶液に対して、ベンゾトリアゾールを10ppmの濃度となるように添加し、ポリカルボン酸水溶液(C3)とした。
結果を表1に示した。
〔比較例4〕
製造例1で得られたポリカルボン酸水溶液に対して、カルボキシベンゾトリアゾールを10ppmの濃度となるように添加し、ポリカルボン酸水溶液(C4)とした。
結果を表1に示した。
Figure 0006444105
本発明の金属腐食抑制剤は、ポリカルボン酸水溶液が金属製(特に、鉄など)のタンクや配管を腐食することを効果的に抑制できるので、ポリカルボン酸水溶液を用いられる各種製造プロセス等に利用可能である。

Claims (6)

  1. 分子中に硫黄原子を有する、ポリカルボン酸水溶液用の金属腐食抑制剤であって、
    該ポリカルボン酸水溶液のpHが5〜9の範囲であり、
    該ポリカルボン酸が一般式(1)で表される不飽和ポリアルキレングリコール系単量体(a)由来の構造単位(I)と一般式(2)で表される不飽和カルボン酸系単量体(b)由来の構造単位(II)とを含むポリカルボン酸である、
    金属腐食抑制剤
    Figure 0006444105
    Figure 0006444105
    Figure 0006444105
    Figure 0006444105
    一般式(1)および一般式(I)中、R およびR は、同一または異なって、水素原子またはメチル基を表す。R は、水素原子または炭素原子数1〜30の炭化水素基を表す。AOは、炭素原子数2〜18のオキシアルキレン基である。nは、AOで表されるオキシアルキレン基の平均付加モル数を表し、1〜500である。xは0〜2の整数である。yは0または1である。
    一般式(2)および一般式(II)中、R 〜R は、同一または異なって、水素原子、メチル基、または−(CH COOM基を表す。−(CH COOM基は−COOX基または他の−(CH COOM基と無水物を形成していても良い。zは0〜2の整数である。Mは、水素原子、一価金属原子、二価金属原子、アンモニウム基、または有機アンモニウム基を表す。Xは、水素原子、メチル基、エチル基、一価金属原子、二価金属原子、アンモニウム基、または有機アンモニウム基を表す。
  2. 分子中に、−SH基、−S−S−結合から選ばれる少なくとも1種を有する、請求項1に記載の金属腐食抑制剤。
  3. 請求項1または2に記載の金属腐食抑制剤とポリカルボン酸と水を含む、金属腐食抑制剤水溶液組成物。
  4. 前記金属腐食抑制剤の前記金属腐食抑制剤水溶液組成物中の濃度が1ppm〜1000ppmである、請求項3に記載の金属腐食抑制剤水溶液組成物。
  5. pHが5〜9の範囲である、請求項3または4に記載の金属腐食抑制剤水溶液組成物。
  6. ポリカルボン酸水溶液が金属を腐食することを抑制する方法であって、
    該ポリカルボン酸水溶液のpHが5〜9の範囲であり、
    該ポリカルボン酸水溶液に請求項1または2に記載の金属腐食抑制剤を添加する、
    ポリカルボン酸水溶液の金属腐食抑制方法。
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