JP2009040820A - ポリアルキレングリコール系共重合体とその用途 - Google Patents
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Abstract
【課題】特に水系用途において高い性能(特に、「界面活性剤の析出」の抑制)を発揮できるポリアルキレングリコール系共重合体を提供する。また、該ポリアルキレングリコール系共重合体を用いた洗剤用ビルダーおよび洗剤組成物を提供する。
【解決手段】本発明のポリアルキレングリコール系共重合体は、ポリアルキレングリコール鎖と、該ポリアルキレングリコール鎖の一方の末端に酸素原子を介して結合した疎水基と、該ポリアルキレングリコール鎖の他方の末端に硫黄原子含有連結基を介して結合したポリマー部位を有し、該ポリマー部位の構成単位が不飽和単量体由来であり、該不飽和単量体の90モル%以上が(メタ)アクリル酸および/またはその塩である。
【選択図】なし
【解決手段】本発明のポリアルキレングリコール系共重合体は、ポリアルキレングリコール鎖と、該ポリアルキレングリコール鎖の一方の末端に酸素原子を介して結合した疎水基と、該ポリアルキレングリコール鎖の他方の末端に硫黄原子含有連結基を介して結合したポリマー部位を有し、該ポリマー部位の構成単位が不飽和単量体由来であり、該不飽和単量体の90モル%以上が(メタ)アクリル酸および/またはその塩である。
【選択図】なし
Description
本発明は、ポリアルキレングリコール系共重合体とその用途に関する。詳細には、ポリアルキレングリコール鎖と疎水基と硫黄原子含有連結基と特定のポリマー部位とを有するポリアルキレングリコール系共重合体とその用途に関する。
ポリアルキレングリコール系共重合体は、分散剤、洗剤用ビルダー、洗剤組成物、スケール防止剤、セメント添加剤、増粘剤等に有用である。
例えば、生分解性を有し、安全でかつキレート作用および分散作用に優れた洗剤ビルダーおよび洗剤組成物とすることができるポリアルキレングリコール系共重合体が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、高い分散性能を有するセメント混和剤に有用なポリアルキレングリコール系共重合体が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
ポリアルキレングリコール系共重合体を洗剤用ビルダーや洗剤組成物に用いる場合、洗浄力の低下の原因となる「界面活性剤の析出」や「汚れによる再汚染」の抑制が求められる。特に、「界面活性剤の析出」の問題は、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸のようなアニオン性界面活性剤を用いる場合に顕著となる(例えば、非特許文献1参照)。
特開平7−109487号公報
特開2007−119736号公報
Louis Ho Tan Tai,"Formulating Detergents and Personal Care Products",AOCS Press,pp.53−54(2000)
本発明の目的は、特に水系用途において高い性能(特に、「界面活性剤の析出」の抑制)を発揮できるポリアルキレングリコール系共重合体を提供することにある。また、該ポリアルキレングリコール系共重合体を用いた洗剤用ビルダーおよび洗剤組成物を提供することにある。
本発明のポリアルキレングリコール系共重合体は、
ポリアルキレングリコール鎖と、該ポリアルキレングリコール鎖の一方の末端に酸素原子を介して結合した疎水基と、該ポリアルキレングリコール鎖の他方の末端に硫黄原子含有連結基を介して結合したポリマー部位を有し、
該ポリマー部位の構成単位が不飽和単量体由来であり、該不飽和単量体の90モル%以上が(メタ)アクリル酸および/またはその塩である。
ポリアルキレングリコール鎖と、該ポリアルキレングリコール鎖の一方の末端に酸素原子を介して結合した疎水基と、該ポリアルキレングリコール鎖の他方の末端に硫黄原子含有連結基を介して結合したポリマー部位を有し、
該ポリマー部位の構成単位が不飽和単量体由来であり、該不飽和単量体の90モル%以上が(メタ)アクリル酸および/またはその塩である。
本発明の別の局面によれば、洗剤用ビルダーが提供される。本発明の洗剤用ビルダーは、本発明のポリアルキレングリコール系共重合体を含む。
本発明の別の局面によれば、洗剤組成物が提供される。本発明の洗剤組成物は、本発明のポリアルキレングリコール系共重合体を含む。
好ましい実施形態においては、本発明の洗剤組成物は、界面活性剤を含む。
好ましい実施形態においては、上記界面活性剤は、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸および/またはその塩である。
本発明によれば、特に水系用途において高い性能(特に、「界面活性剤の析出」の抑制)を発揮できるポリアルキレングリコール系共重合体を提供することができる。
また、該ポリアルキレングリコール系共重合体を用いた洗剤用ビルダーおよび洗剤組成物を提供することができる。
〔ポリアルキレングリコール系共重合体〕
本発明のポリアルキレングリコール系共重合体は、ポリアルキレングリコール鎖と、該ポリアルキレングリコール鎖の一方の末端に酸素原子を介して結合した疎水基と、該ポリアルキレングリコール鎖の他方の末端に硫黄原子含有連結基を介して結合したポリマー部位を有する。
本発明のポリアルキレングリコール系共重合体は、ポリアルキレングリコール鎖と、該ポリアルキレングリコール鎖の一方の末端に酸素原子を介して結合した疎水基と、該ポリアルキレングリコール鎖の他方の末端に硫黄原子含有連結基を介して結合したポリマー部位を有する。
本発明のポリアルキレングリコール系共重合体は、模式的に、式(A)で表される。
(式(A)中、PAGはポリアルキレングリコール鎖、HBGは疎水基、SGは硫黄原子含有連結基、POLはポリマー部位を表す。)
上記ポリアルキレングリコール鎖は、任意の適切なアルキレンオキシド単位の繰り返しによって構成され得る。上記アルキレンオキシドとしては、好ましくは炭素数2〜20のアルキレンオキシド、より好ましくは炭素数2〜10のアルキレンオキシド、さらに好ましくは2〜4のアルキレンオキシド、特に好ましくはエチレンオキシドまたはプロピレンオキシドであり、最も好ましくはエチレンオキシドである。エチレンオキシド単位の繰り返しによれば、鎖長を容易に伸ばすことが可能となる。エチレンオキシド単位の繰り返しを有する場合、その含有割合は、ポリアルキレングリコール鎖中、好ましくは50〜100モル%、より好ましくは70〜100モル%、さらに好ましくは90〜100モル%である。
上記ポリアルキレングリコール鎖は、1種のみのアルキレンオキシド単位の繰り返しによって構成されていても良いし、2種以上のアルキレンオキシド単位の繰り返しによって構成されていても良い。2種以上のアルキレンオキシド単位の繰り返しによって構成されている場合、それらのアルキレンオキシド単位の繰り返し構造は任意の適切な構造を採用し得る。例えば、ランダム構造、ブロック構造、交互構造などが挙げられる。
上記ポリアルキレングリコール鎖の長さは、任意の適切な長さを採用し得る。アルキレンオキシド単位の平均付加モル数で、好ましくは1〜500モル、より好ましくは1〜300モル、さらに好ましくは5〜300モル、さらに好ましくは10〜200モル、特に好ましくは10〜100モル、最も好ましくは10〜50モルである。上記ポリアルキレングリコール鎖の長さが上記範囲から外れると、特に水系用途において高い性能(特に、「界面活性剤の析出」の抑制)を発揮できるポリアルキレングリコール系共重合体を提供することが困難になるおそれがある。
一般式(1)中のlは、好ましくは1〜300モル、より好ましくは5〜300モル、さらに好ましくは10〜200モル、特に好ましくは10〜100モル、最も好ましくは10〜50モルである。lが上記範囲から外れると、特に水系用途において高い性能(特に、「界面活性剤の析出」の抑制)を発揮できるポリアルキレングリコール系共重合体を提供することが困難になるおそれがある。
上記疎水基は、任意の適切な疎水性を有する基を採用し得る。好ましくは、炭素数6〜20の炭化水素基、カルボキシル基を有する基が挙げられる。これらの基は、疎水性を有する限り、任意の適切な別の基で置換されていても良い。
上記炭素数6〜20の炭化水素基としては、例えば、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ノニル基、ドデシル基、オクタデシル基等のアルキル基;フェニル基、ナフチル基、アントリル基等のアリール基;ノニルフェニル基、ドデシルフェニル基等のアルキルアリール基;シクロオクチル基、コレスタニル基、ラノスタニル基等の多環式アルキル基;などを挙げることができる。
上記炭素数6〜20の炭化水素基としては、特に好ましくは、直鎖または分岐の炭素数6〜20の飽和炭化水素基、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基である。
直鎖の炭素数6〜20の飽和炭化水素基としては、例えば、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ノニル基、ドデシル基、オクタデシル基が挙げられる。
分岐の炭素数6〜20の飽和炭化水素基としては、例えば、炭素数6〜20の第2級の分岐アルキル基、炭素数6〜20の第3級の分岐アルキル基が挙げられる。
炭素数6〜20の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基等のアリール基;モノメチルフェニル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、モノエチルフェニル基、モノブチルフェニル基、ノニルフェニル基、ドデシルフェニル基等のアルキルアリール基;フタル酸モノエステル基、フタル酸ジエステル基、フェニレンジカルバマート基等の芳香族カルボン酸基由来の基;などが挙げられる。
上記カルボキシル基を有する基としては、例えば、安息香酸由来の基、フタル酸由来の基、トリメリト酸由来の基、テトラヒドロフタル酸由来の基、これらの酸の無水物由来の基、これらの酸の塩由来の基、などが挙げられる。上記塩としては、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、有機アンモニウム塩、などが挙げられる。上記アルカリ金属塩としては、例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、などが挙げられる。上記アルカリ土類金属塩としては、例えば、カルシウム塩、マグネシウム塩、などが挙げられる。上記有機アンモニウム塩を構成する有機アミンとしては、例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン;トリエチルアミン;などが挙げられる。
上記硫黄原子含有連結基としては、硫黄原子を少なくとも1個有する連結基であれば、任意の適切な連結基を採用し得る。ここで、連結基とは、2個以上の基を連結させるための基であり、例えば、P−基とQ−基とを連結するための連結基をRで表すと、連結後の構造はP−R−Qと表される。
上記硫黄原子含有連結基としては、好ましくは−S−基またはその酸化物である−SO2−基を有する連結基である。−S−基は酸化されやすいため、経時的に−SO2−基へと酸化される。あるいは、酸化剤により、予め−S−基を酸化しておけば安定性の面では好ましい。より好ましくは、−S−基を1個と−O−CO−基を1個有する連結基である。さらに好ましくは、−O−CO−CH2CH2−S−である。
上記ポリマー部位は、その構成単位が不飽和単量体由来であり、該不飽和単量体の90モル%以上が(メタ)アクリル酸および/またはその塩である。ここで、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸および/またはメタクリル酸を意味する。
上記塩としては、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、有機アンモニウム塩、などが挙げられる。上記アルカリ金属塩としては、例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、などが挙げられる。上記アルカリ土類金属塩としては、例えば、カルシウム塩、マグネシウム塩、などが挙げられる。上記有機アンモニウム塩を構成する有機アミンとしては、例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン;トリエチルアミン;などが挙げられる。
上記ポリマー部位の構成単位となる不飽和単量体中の(メタ)アクリル酸および/またはその塩の含有割合は、上記のように90モル%以上であり、好ましくは92モル%以上、より好ましくは95モル%以上、さらに好ましくは98モル%以上、特に好ましくは実質的に100モル%である。
上記ポリマー部位の構成単位となる不飽和単量体中には、(メタ)アクリル酸および/またはその塩以外の、任意の適切な他の不飽和単量体が含まれていても良い。また、上記ポリマー部位の構成単位となる不飽和単量体は、1種のみを用いても良いし、2種以上を用いても良い。
他の不飽和単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸以外の不飽和モノカルボン酸系単量体、不飽和ジカルボン酸系単量体が挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸以外の不飽和モノカルボン酸系単量体としては、具体的には、クロトン酸および/またはその塩が挙げられる。上記塩としては、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、有機アンモニウム塩、などが挙げられる。上記アルカリ金属塩としては、例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、などが挙げられる。上記アルカリ土類金属塩としては、例えば、カルシウム塩、マグネシウム塩、などが挙げられる。上記有機アンモニウム塩を構成する有機アミンとしては、例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン;トリエチルアミン;などが挙げられる。
上記不飽和ジカルボン酸系単量体としては、分子内に不飽和基を1つとカルボン酸(またはその塩)基を2つとを有する単量体であれば、任意の適切な単量体を採用し得る。具体的には、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、フマル酸や、これらの塩が挙げられる。上記塩としては、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、有機アンモニウム塩、などが挙げられる。上記アルカリ金属塩としては、例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、などが挙げられる。上記アルカリ土類金属塩としては、例えば、カルシウム塩、マグネシウム塩、などが挙げられる。上記有機アンモニウム塩を構成する有機アミンとしては、例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン;トリエチルアミン;などが挙げられる。
上記他の不飽和単量体としては、また、不飽和ジカルボン酸系単量体と炭素数1〜22個のアルコールとのハーフエステル、不飽和ジカルボン酸系単量体と炭素数1〜22個のアミンとのハーフアミド、不飽和ジカルボン酸系単量体と炭素数2〜4個のグリコールとのハーフエステル、マレアミド酸と炭素数2〜4のグリコールとのハーフアミド等が挙げられる。
上記他の不飽和単量体としては、また、スチレン、ブロモスチレン、クロロスチレン、メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン系単量体;3−メチル−2−ブテン−1−オール、3−メチル−3−ブテン−1−オール、2−メチル−3−ブテン−2−オール、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノアリルエーテル、α−ヒドロキシアクリル酸、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、グリセロールモノ(メタ)アクリレート等の水酸基含有不飽和単量体;N−ビニルピロリドン等の窒素原子含有不飽和単量体;等が挙げられる。
上記他の不飽和単量体としては、また、1,3−ブタジエン、イソプレン等のジエン類;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシプロピル等の(メタ)アクリル酸エステル類;ヘキセン、ヘプテン、デセン、イソブチレン等のα−オレフィン類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類;酢酸ビニル等のビニルエステル類;酢酸アリル等のアリルエステル類;等が挙げられる。
上記他の不飽和単量体としては、また、上記不飽和ジカルボン酸系単量体と炭素数1〜22個のアルコールとのジエステル、上記不飽和ジカルボン酸系単量体と炭素数1〜22個のアミンとのジアミド、上記不飽和ジカルボン酸系単量体と炭素数2〜4個のグリコールとのジエステルが挙げられる。
上記他の不飽和単量体としては、また、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート等の二官能(メタ)アクリレート類;ビニルスルホネート、(メタ)アリルスルホネート、2−(メタ)アクリロキシエチルスルホネート、3−(メタ)アクリロキシプロピルスルホネート、3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルスルホネート、3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルスルホフェニルエーテル、3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシスルホベンゾエート、4−(メタ)アクリロキシブチルスルホネート、(メタ)アクリルアミドメチルスルホン酸、(メタ)アクリルアミドエチルスルホン酸、2−メチルプロパンスルホン酸(メタ)アクリルアミド、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、3−アリロキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、スルホエチルマレイミド、イソプレンスルホン酸等の不飽和スルホン酸類、ならびに、それらの塩が挙げられる。上記塩としては、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、有機アンモニウム塩、などが挙げられる。上記アルカリ金属塩としては、例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、などが挙げられる。上記アルカリ土類金属塩としては、例えば、カルシウム塩、マグネシウム塩、などが挙げられる。上記有機アンモニウム塩を構成する有機アミンとしては、例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン;トリエチルアミン;などが挙げられる。
上記他の不飽和単量体としては、また、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアルキルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、t−ブチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等の不飽和アミド類;アリルアルコール等のアリル類;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の不飽和アミノ化合物類;メトキシポリエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールモノビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル等のビニルエーテル類またはアリルエーテル類;(メタ)アクリロニトリル等のニトリル系単量体;(メタ)アクリルアミドメタンホスホン酸、(メタ)アクリルアミドメタンホスホン酸メチルエステル、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンホスホン酸等の含リン単量体;等が挙げられる。
上記他の不飽和単量体としては、また、(メタ)アクリル酸のポリアルキレングリコールエステル、イソプレノール、(メタ)アリルアルコールのオキシアルキレン付加物等のポリアルキレングリコール系単量体が挙げられる。
上記Mが金属原子である場合、好ましくはアルカリ金属原子であり、より好ましくはナトリウム原子、カリウム原子であり、さらに好ましくはナトリウム原子である。
本発明のポリアルキレングリコール系共重合体の重量平均分子量は、好ましくは1000〜100000、より好ましくは2000〜50000、さらに好ましくは2500〜30000、特に好ましくは3000〜20000である。本発明のポリアルキレングリコール系共重合体の重量平均分子量が上記範囲内にあれば、特に水系用途において高い性能(特に、「界面活性剤の析出」の抑制)を発揮できるポリアルキレングリコール系共重合体を提供することが可能となる。
本発明のポリアルキレングリコール系共重合体中の、(メタ)アクリル酸および/またはその塩由来の構成単位の割合は、対応する酸換算で、好ましくは5〜90重量%、より好ましくは5〜70重量%、さらに好ましくは5〜50重量%、特に好ましくは10〜30重量%である。なお、対応する酸換算とは、例えば、アクリル酸塩は、アクリル酸として計算することをいう。
〔ポリアルキレングリコール系共重合体の製造方法〕
本発明のポリアルキレングリコール系共重合体は、任意の適切な方法で製造し得る。好ましくは、分子内にポリアルキレングリコール鎖とメルカプト基とを有する化合物の存在下で、不飽和単量体を重合させることにより製造し得る。
本発明のポリアルキレングリコール系共重合体は、任意の適切な方法で製造し得る。好ましくは、分子内にポリアルキレングリコール鎖とメルカプト基とを有する化合物の存在下で、不飽和単量体を重合させることにより製造し得る。
分子内にポリアルキレングリコール鎖とメルカプト基とを有する化合物は、例えば、ポリアルキレングリコール鎖と、該ポリアルキレングリコール鎖の一方の末端に結合した疎水基と、該ポリアルキレングリコール鎖の他方の末端に結合した水酸基を有する化合物に、メルカプト酢酸、メルカプトプロピオン酸、メルカプト安息香酸、システイン、N−アセチルシステイン、メルカプトニコチン酸、メルカプトチアゾール酢酸などの、メルカプトカルボン酸を、p−トルエンスルホン酸などの酸触媒を用いてエステル化させた後、必要に応じてアルカリを用いて酸触媒の中和を行い、さらに脱溶媒を行うことにより製造し得る。なお、上記エステル化に際しては、必要に応じて、フェノチアジンなどの酸化防止剤を用いても良い。また、水酸基にエピクロロヒドリンを付加させ、エポキシ基とした後、チオ酢酸カリウムを反応させることによっても得られる。
上記ポリアルキレングリコール鎖、疎水基は、上述した説明が援用される。
上記不飽和単量体としては、その90モル%以上が(メタ)アクリル酸および/またはその塩である。ここで、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸および/またはメタクリル酸を意味する。
上記塩としては、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、有機アンモニウム塩、などが挙げられる。上記アルカリ金属塩としては、例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、などが挙げられる。上記アルカリ土類金属塩としては、例えば、カルシウム塩、マグネシウム塩、などが挙げられる。上記有機アンモニウム塩を構成する有機アミンとしては、例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン;トリエチルアミン;などが挙げられる。
上記不飽和単量体中の(メタ)アクリル酸および/またはその塩の含有割合は、上記のように90モル%以上であり、好ましくは92モル%以上、より好ましくは95モル%以上、さらに好ましくは98モル%以上、特に好ましくは実質的に100モル%である。
上記不飽和単量体中には、(メタ)アクリル酸および/またはその塩以外の、任意の適切な他の不飽和単量体が含まれていても良い。また、上記不飽和単量体は、1種のみを用いても良いし、2種以上を用いても良い。
他の不飽和単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸以外の不飽和モノカルボン酸系単量体、不飽和ジカルボン酸系単量体が挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸以外の不飽和モノカルボン酸系単量体としては、具体的には、クロトン酸および/またはその塩が挙げられる。上記塩としては、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、有機アンモニウム塩、などが挙げられる。上記アルカリ金属塩としては、例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、などが挙げられる。上記アルカリ土類金属塩としては、例えば、カルシウム塩、マグネシウム塩、などが挙げられる。上記有機アンモニウム塩を構成する有機アミンとしては、例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン;トリエチルアミン;などが挙げられる。
上記不飽和ジカルボン酸系単量体としては、分子内に不飽和基を1つとカルボン酸(またはその塩)基を2つとを有する単量体であれば、任意の適切な単量体を採用し得る。具体的には、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、フマル酸や、これらの塩が挙げられる。上記塩としては、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、有機アンモニウム塩、などが挙げられる。上記アルカリ金属塩としては、例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、などが挙げられる。上記アルカリ土類金属塩としては、例えば、カルシウム塩、マグネシウム塩、などが挙げられる。上記有機アンモニウム塩を構成する有機アミンとしては、例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン;トリエチルアミン;などが挙げられる。
上記他の不飽和単量体としては、また、不飽和ジカルボン酸系単量体と炭素数1〜22個のアルコールとのハーフエステル、不飽和ジカルボン酸系単量体と炭素数1〜22個のアミンとのハーフアミド、不飽和ジカルボン酸系単量体と炭素数2〜4個のグリコールとのハーフエステル、マレアミド酸と炭素数2〜4のグリコールとのハーフアミド等が挙げられる。
上記他の不飽和単量体としては、また、スチレン、ブロモスチレン、クロロスチレン、メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン系単量体;3−メチル−2−ブテン−1−オール、3−メチル−3−ブテン−1−オール、2−メチル−3−ブテン−2−オール、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノアリルエーテル、α−ヒドロキシアクリル酸、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、グリセロールモノ(メタ)アクリレート等の水酸基含有不飽和単量体;N−ビニルピロリドン等の窒素原子含有不飽和単量体;等が挙げられる。
上記他の不飽和単量体としては、また、1,3−ブタジエン、イソプレン等のジエン類;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシプロピル等の(メタ)アクリル酸エステル類;ヘキセン、ヘプテン、デセン、イソブチレン等のα−オレフィン類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類;酢酸ビニル等のビニルエステル類;酢酸アリル等のアリルエステル類;等が挙げられる。
上記他の不飽和単量体としては、また、上記不飽和ジカルボン酸系単量体と炭素数1〜22個のアルコールとのジエステル、上記不飽和ジカルボン酸系単量体と炭素数1〜22個のアミンとのジアミド、上記不飽和ジカルボン酸系単量体と炭素数2〜4個のグリコールとのジエステルが挙げられる。
上記他の不飽和単量体としては、また、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート等の二官能(メタ)アクリレート類;ビニルスルホネート、(メタ)アリルスルホネート、2−(メタ)アクリロキシエチルスルホネート、3−(メタ)アクリロキシプロピルスルホネート、3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルスルホネート、3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルスルホフェニルエーテル、3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシスルホベンゾエート、4−(メタ)アクリロキシブチルスルホネート、(メタ)アクリルアミドメチルスルホン酸、(メタ)アクリルアミドエチルスルホン酸、2−メチルプロパンスルホン酸(メタ)アクリルアミド、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、3−アリロキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、スルホエチルマレイミド、イソプレンスルホン酸等の不飽和スルホン酸類、ならびに、それらの塩が挙げられる。上記塩としては、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、有機アンモニウム塩、などが挙げられる。上記アルカリ金属塩としては、例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、などが挙げられる。上記アルカリ土類金属塩としては、例えば、カルシウム塩、マグネシウム塩、などが挙げられる。上記有機アンモニウム塩を構成する有機アミンとしては、例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン;トリエチルアミン;などが挙げられる。
上記他の不飽和単量体としては、また、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアルキルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、t−ブチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等の不飽和アミド類;アリルアルコール等のアリル類;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の不飽和アミノ化合物類;メトキシポリエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールモノビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル等のビニルエーテル類またはアリルエーテル類;(メタ)アクリロニトリル等のニトリル系単量体;(メタ)アクリルアミドメタンホスホン酸、(メタ)アクリルアミドメタンホスホン酸メチルエステル、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンホスホン酸等の含リン単量体;等が挙げられる。
上記他の不飽和単量体としては、また、(メタ)アクリル酸のポリアルキレングリコールエステル、イソプレノール、(メタ)アリルアルコールのオキシアルキレン付加物等のポリアルキレングリコール系単量体が挙げられる。
上記分子内にポリアルキレングリコール鎖とメルカプト基とを有する化合物の存在下で、上記不飽和単量体を重合させることにより、メルカプト基の硫黄原子を介して、上記不飽和単量体が次々に付加して、ポリアルキレングリコール系共重合体を形成する。
上記重合反応には、任意の適切なラジカル重合開始剤を用いても良い。ラジカル重合開始剤を用いる場合には、その使用量は、上記不飽和単量体1モルに対して使用する量(g)として、好ましくは0.1〜20g/モル、より好ましくは0.5〜10g/モル、さらに好ましくは1〜5g/モルである。
上記重合反応には、任意の適切な溶媒を採用し得る。好ましくは、水、アルコール、グリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール類等の水性の溶媒が挙げられ、より好ましくは水が挙げられる。上記溶媒は、1種のみを用いても良いし、2種以上を併用しても良い。また、分子内にポリアルキレングリコール鎖とメルカプト基とを有する化合物や不飽和単量体の溶媒への溶解性を向上させるため、重合反応に悪影響を及ぼさない範囲で、有機溶媒を適宜加えても良い。
水を溶媒に用いて溶液重合を行う場合、水溶性のラジカル重合開始剤を用いることが好ましい。このようなラジカル重合開始剤としては、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウムなどの過硫酸塩;過酸化水素;2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩などのアゾアミジン化合物;2,2´−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩などの環状アゾアミジン化合物、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリルなどのアゾニトリル化合物、2,4´−アゾビス[2−メチル−N−{2−(1−ヒドロキシブチル)}プロピオンアミド]などのアゾアミド化合物、4,4´−アゾビス(4−シアノ吉草酸)と(アルコキシ)ポリエチレングリコールとのエステルなどのマクロアゾ化合物などの水溶性アゾ開始剤;などが挙げられる。これらの重合開始剤は、1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。好ましくは、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウムなどの過硫酸塩;2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩などのアゾアミジン化合物;である。
上記有機溶媒としては、任意の適切な有機溶媒を採用し得る。例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール;ジメチルホルムアルデヒド等のアミド類;ジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類;等が挙げられる。上記有機溶媒は、1種のみを用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
有機溶媒を溶媒に用いて溶液重合を行う場合、あるいは塊状重合を行う場合には、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ナトリウムパーオキシドなどのパーオキシド;t−ブチルハイドロパーオキシド、クメンハイドロパーオキシドなどのハイドロパーオキシド;アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾニトリル化合物、2,2´−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)などのアゾアミド化合物、2,2´−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩などの環状アゾアミジン化合物、4,4´−アゾビス(4−シアノ吉草酸)などのアゾ化合物、4,4´−アゾビス(4−シアノ吉草酸)と(アルコキシ)ポリエチレングリコールとのエステルなどのマクロアゾ化合物;などをラジカル重合開始剤として用いても良い。これらの重合開始剤は、1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
溶媒の使用量は、全ポリアルキレングリコール系共重合体に対して、好ましくは40〜300重量%、より好ましくは45〜270重量%、さらに好ましくは50〜250重量%の範囲である。溶媒の使用量が全ポリアルキレングリコール系共重合体に対して40重量%未満の場合には、得られる重合体の分子量が高くなりすぎるおそれがある。一方、溶媒の使用量が全ポリアルキレングリコール系共重合体に対して300重量%を超える場合には、得られる重合体の濃度が低くなり、場合によっては溶媒除去が必要となるおそれがある。
溶媒の少なくとも一部を、重合反応初期に反応系(反応容器)内に仕込んでおいても良い。また、溶媒の少なくとも一部を、重合反応中に反応系内に添加(滴下)しても良い。また、溶媒の少なくとも一部を、単量体や開始剤成分やその他の添加剤を予め溶媒に溶解させた形で、これらの成分と共に重合中に反応系内に適当に添加(滴下)しても良い。
上記重合開始剤以外に、例えば、重金属イオン、重金属濃度調整剤を用いても良い。
上記重金属イオンを構成する重金属としては、例えば、鉄、コバルト、マンガン、クロム、モリブデン、タングステン、銅、銀、金、鉛、白金、イリジウム、オスミウム、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、および、これらの塩、等が挙げられる。上記重金属イオンは、1種のみを用いても良いし、2種以上を併用しても良い。好ましくは、上記重合反応の反応溶液は、鉄イオンを含む。重金属イオンのイオン価については、任意の適切なイオン価が採用され得る。例えば、重金属として鉄が用いられる場合には、重合反応の反応溶液中に溶解している鉄イオンは、Fe2+であっても良いし、Fe3+であっても良いし、これらが組み合わされていてもよい。重金属イオンが上記重合反応の反応溶液に含まれることにより、開始剤の使用量を低減させることができる。
上記重金属イオンは、重金属化合物を溶解してなる溶液を用いて添加することができる。その際に用いられる重金属化合物は、上記重合反応の反応溶液中に含有され得る重金属イオンに応じて決定される。溶媒として水が用いられる場合には、水溶性の重金属塩が好ましい。水溶性の重金属塩としては、例えば、モール塩(Fe(NH4)2(SO4)2・6H2O)、硫酸第一鉄・7水和物、塩化第一鉄、塩化第二鉄、塩化マンガン等が挙げられる。
上記重金属イオンの添加方法としては、任意の適切な方法を採用し得る。例えば、初期添加、逐次添加が好ましく挙げられ、初期添加がより好ましく挙げられる。なお、初期添加とは、重金属イオンの全量を上記重合反応の反応溶液中に予め添加する方法をいい、逐次添加とは、重金属イオンを上記重合反応の進行と共に、反応溶液中に徐々に添加していく方法をいう。
上記重金属イオンの含有量は、任意の適切な量を採用し得る。例えば、重合反応完結時における反応溶液の全重量に対して、好ましくは0.1〜20ppm、より好ましくは0.2〜10ppm、さらに好ましくは0.3〜7ppm、特に好ましくは0.4〜6ppm、最も好ましくは0.5〜5ppmである。重金属イオンの含有量が上記範囲にあれば、重金属イオン由来の不純物は殆ど発生しない。
上記重合反応完結時とは、重合反応の反応溶液中において重合反応が実質的に完了した時点を意味する。例えば、重合反応の反応溶液中において重合反応が進行し、アルカリ成分を用いて重合させた重合体を中和し、その後、溶媒を除去して固体の重合体を得る場合には、中和した後の反応溶液の全重量を基準に、重金属イオンの含有量を算出する。2種以上の重金属イオンが含まれる場合には、重金属イオンの総量が上述の範囲であればよい。上記重金属イオンの含有量が0.1ppm未満であると、重金属イオンによる効果が十分に発現しないおそれがある。重金属イオンの含有量が20ppmを超えると、色調が悪化するおそれがある。また、洗浄剤ビルダーやスケール防止剤として本発明の重合体が用いられる場合には、汚れの増加やスケールの増加を招くおそれがある。
上記重金属濃度調整剤としては、任意の適切な重金属濃度調整剤を採用し得る。例えば、多価金属化合物、金属単体が挙げられる。具体的には、オキシ三塩化バナジウム、三塩化バナジウム、シュウ酸バナジル、硫酸バナジル、無水バナジン酸、メタバナジン酸アンモニウム、硫酸アンモニウムハイポバナダス[(NH4)2SO4・VSO4・6H2O]、硫酸アンモニウムバナダス[(NH4)V(SO4)2・12H2O]、酢酸銅(II)、銅(II)、臭化銅(II)、銅(II)アセチルアセテート、塩化第二銅アンモニウム、塩化銅アンモニウム、炭酸銅、塩化銅(II)、クエン酸銅(II)、ギ酸銅(II)、水酸化銅(II)、硝酸銅、ナフテン酸銅、オレイン酸銅(II)、マレイン酸銅、リン酸銅、硫酸銅(II)、塩化第一銅、シアン化銅(I)、ヨウ化銅、酸化銅(I)、チオシアン酸銅、鉄アセチルアセナート、クエン酸鉄アンモニウム、シュウ酸第二鉄アンモニウム、硫酸鉄アンモニウム、硫酸第二鉄アンモニウム、クエン酸鉄、フマル酸鉄、マレイン酸鉄、乳酸第一鉄、硝酸第二鉄、鉄ペンタカルボニル、リン酸第二鉄、ピロリン酸第二鉄等の水溶性多価金属塩;五酸化バナジウム、酸化銅(II)、酸化第一鉄、酸化第二鉄等の多価金属酸化物;硫化鉄(III)、硫化鉄(II)、硫化銅等の多価金属硫化物;銅粉末;鉄粉末;などを挙げることができる。
上記重合開始剤以外に、亜硫酸水素ナトリウムなどのアルカリ金属亜硫酸塩、メタ二亜硫酸塩、次亜リン酸ナトリウム、ヒドロキシメタンスルフィン酸ナトリウム二水和物、ヒドロキシルアミン塩酸塩、チオ尿素、L−アスコルビン酸またはその塩、エリソルビン酸またはその塩若しくはエステル、アミン化合物などの促進剤(還元剤)を用いても良い。これらの促進剤(還元剤)は、1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
上記重合反応には、任意の適切な連鎖移動剤を用いても良い。連鎖移動剤としては、例えば、親水性連鎖移動剤、疎水性連鎖移動剤が挙げられる。これらの連鎖移動剤は、1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
上記親水性連鎖移動剤としては、任意の適切な親水性連鎖移動剤を採用し得る。例えば、メルカプトエタノール、システイン、システアミン、チオグリセロール、チオグリコール酸、3−メルカプトプロピオン酸、チオリンゴ酸、2−メルカプトエタンスルホン酸などのチオール系連鎖移動剤;イソプロピルアルコールなどの2級アルコール;亜リン酸、次亜リン酸およびその塩(次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウムなど)、亜硫酸、亜硫酸水素、亜二チオン酸、メタ重亜硫酸およびその塩(亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜二チオン酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウムなど)の低級酸化物およびその塩;などが挙げられる。
上記疎水性連鎖移動剤としては、任意の適切な疎水性連鎖移動剤を採用し得る。例えば、ブタンチオール、オクタンチオール、デカンチオール、ドデカンチオール、ヘキサデカンチオール、オクタデカンチオール、シクロヘキシルメルカプタン、チオフェノール、チオグリコール酸オクチル、3−メルカプトプロピオン酸オクチルなどの、炭素数3以上の炭化水素基を有するチオール系連鎖移動剤が挙げられる。
上記重合反応において、原料の反応容器への滴下(投入)方法としては、任意の適切な方法を採用し得る。例えば、全量を反応容器に初期に一括投入する方法、全量を汎用容器に分割投入または連続投入する方法、一部を反応容器に初期に投入し、残りを反応容器に分割投入または連続投入する方法、などが挙げられる。
上記滴下に要する時間(滴下時間)は、好ましくは60分〜420分、より好ましくは60分〜300分、特に好ましくは90分〜240分である。滴下時間は、滴下する単量体や開始剤の種類によって、それぞれ異なっていても良い。滴下時間が60分以下であると、開始剤の効率が減少するおそれがある。滴下時間が420分を超える場合には、得られる重合体の生産性の点で問題が生じるおそれがある。
上記滴下の速度(投入速度)としては、任意の適切な速度を採用し得る。例えば、投入の開始から終了を通じて、投入速度は一定であってもよく、必要に応じて、投入速度を変化させてもよい。共重合体の製造効率を高めるためには、投入終了後の反応溶液における固形分の濃度、すなわち重合によって生じる固形分の濃度が30重量%以上になるように投入することが好ましい。
上記重合反応における重合温度は、任意の適切な温度を採用し得る。例えば、過酸化水素を使用する場合は、沸点が最も好ましい。例えば、過硫酸塩や2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩を使用する場合は、好ましくは50〜100℃、より好ましくは55〜80℃、さらに好ましくは60〜70℃である。例えば、連鎖移動剤として重亜硫酸塩を使用する場合は、好ましくは25〜99℃、より好ましくは50〜95℃、さらに好ましくは70℃以上90℃未満である。重合温度が低すぎると、得られる重合体の重量平均分子量が上昇するおそれや、不純物の生成量が増加するおそれがある。重合温度が高すぎると、例えば、重亜硫酸塩の分解により発生する亜硫酸ガスの量が増加するおそれがある。なお、重合温度とは、重合反応の反応溶液の温度をいう。重合温度の測定方法や制御手段については、任意の適切な方法や手段を採用し得る。例えば、一般に使用される装置を用いて測定すれば良い。
上記重合反応において、重合時の圧力は、任意の適切な圧力を採用し得る。例えば、常圧下、減圧下、加圧下の何れの圧力下であっても良い。反応系内の雰囲気は、空気雰囲気のままで行ってもよいが、不活性ガス雰囲気とすることが好ましい。例えば、重合開始前に反応系内を窒素等の不活性ガスで置換することが好ましい。これにより、反応系内の雰囲気ガス(例えば、酸素ガス等)が液相内に溶解し、重合禁止剤あるいは酸化剤として作用する。その結果、開始剤である過硫酸塩が失活あるいはメルカプト基が酸化して低減するのが防止され、より効率のよい重合が可能となる。
上記重合反応において、効率よく重合体を得るためには、重合反応は酸性条件下で行われることが好ましい。具体的には、重合反応中の重合反応液の酸の中和度は、好ましくは40mol%未満、より好ましくは20mol%未満、さらに好ましくは10mol%未満である。中和度が高いと不純物が多量に生成するおそれがある。中和度の下限値は、任意の適切な値を採用し得る。例えば、重亜硫酸塩を用いる場合、中和度が低すぎると、重亜硫酸塩の分解により発生する亜硫酸ガスの量が増加するおそれがあるので、重合反応中の重合反応液の酸の中和度を5mol%程度に保つことが好ましい。
上記酸性条件としては、重合中の反応溶液の25℃でのpHを1〜6とすることが好ましい。より好ましくは1〜5、さらに好ましくは1〜4である。上記pHが1未満の場合には、重亜硫酸塩を用いた場合には、亜硫酸ガスの発生や、装置の腐食が生じるおそれがある。pHが6を超える場合には、不純物の増加、連鎖移動剤の効率が低下して分子量が増大するおそれがある。
上記重合反応中の反応溶液のpHを調整するために、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属の水酸化物;アンモニア;モノエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機アミンやそれらの塩;等のアルカリ成分を用いても良い。これらは1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。これらの中でも、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物が好ましく、水酸化ナトリウムが特に好ましい。
本発明において、重合反応中の反応溶液中の酸の中和度は、反応溶液中に含まれる有機酸および無機酸の双方の酸の平均の中和度を意味する。酸成分の具体例としては、カルボキシル基等の官能基を有する単量体、過硫酸塩や重亜硫酸塩等の開始剤由来の無機酸、重合反応液中において生成した酸化合物等が挙げられる。ただし、過硫酸塩や重亜硫酸塩等の開始剤由来の無機酸や酸化合物は、通常は、30mol%以上の中和度を有している。このような場合には、単量体中に含まれる酸を30mol%以上中和するために必要なアルカリ成分があれば、少なくとも重合反応の反応溶液中の酸の中和度が30mol%を下回ることはない。中和度の測定方法については、一定の再現性を有する測定方法であれば、任意の適切な方法を採用し得る。また、重合反応の反応溶液中の酸の中和度は、反応溶液中にアルカリ成分または酸性分を適宜加えることによって、制御することができる。酸性条件下で反応が進行している反応溶液中の酸の中和度を上昇させるためには、水酸化ナトリウム等の上記アルカリ成分を添加するとよい。酸性条件下で重合を行う場合には、得られる重合体の中和度は、重合が終了した後に、上記アルカリ成分を適宜添加することによって制御することができる。制御後のpHは、水溶液状態で、好ましくはpH4以上、より好ましくはpH5以上、さらに好ましくはpH6以上であり、pHの上限は、pH8以下が好ましく、pH7以下がより好ましい。
上記滴下が終了し、反応系における重合反応が終了した時点での水溶液中の固形分濃度は、30重量%以上であることが好ましい。30重量%未満の場合には、得られる重合体の生産性を大幅に向上することができないおそれがある。より好ましくは35〜70重量%、さらに好ましくは40〜65重量%である。このように、重合反応終了時の固形分濃度が30重量%以上であれば、高濃度かつ一段で重合を行うことができる。そのため、効率よく重合体を得ることができる。例えば、濃縮工程を省略することができ、重合体の生産性が大幅に向上し、製造コストの上昇も抑制することが可能となる。なお、重合反応が終了した時点とは、全ての滴下成分の滴下が終了した時点を言う。
上記固形分濃度は、130℃の熱風乾燥機で1時間処理した後の不揮発分を、固形分として算出すれば良い。
上記反応系において固形分濃度を高くすると、従来は、重合反応の進行に伴う反応溶液の粘度の上昇が顕著となり、得られる重合体の重量平均分子量が大幅に高くなるという問題があった。しかしながら、重合反応が酸性側(25℃でのpHが1〜6であり、中和度が1〜25mol%の範囲)でなされていると、重合反応の進行に伴う反応溶液の粘度の上昇を抑制することができる。したがって、重合反応を高濃度の条件下で行っても低分子量の共重合体を得ることができ、共重合体の製造効率を大幅に上昇させることができる。ここで、重合反応が終了した時点とは、全ての投入すべき成分の投入が終了した時点であってもよいが、好ましくは、その後、所定の熟成時間を経過した時点(重合が完結した時点)を言う。
上記熟成時間は、好ましくは1〜120分間、より好ましくは5〜60分間、さらに好ましくは10〜30分間である。熟成時間が1分間未満の場合には、熟成が不十分なために単量体成分が残ることがあり、残存モノマーに起因する不純物が形成して性能低下等を招くおそれがある。熟成時間が120分間を超える場合には、共重合体の溶液が着色するおそれがある。
上記熟成時間は、上記重合反応の反応時間内であり、重合中に含まれるため、上記重合温度が適用される。したがって、ここでの温度も一定温度(好ましくは、投入終了時点での温度)で保持してもよいし、熟成中に経時的に温度を変化させてもよい。したがって、重合時間は、上記総投入時間+熟成時間をいい、最初の投入開始時点から熟成終了時点までに要した時間をいう。
上記重合反応は、既存の鋼鉄(スチール)製や銅基合金製の反応容器内壁面に耐腐食性に優れるグラスライニング加工等された反応容器やSUS(ステンレス)製の容器や撹拌器等を用いることができる。上記容器を用いた場合、上記に規定する適量の重金属イオン、特に鉄イオンが、容器等の材質であるSUSから反応溶液中に溶出(供給)することがある。この溶出した重金属イオンは、上記重金属濃度調整剤を添加する場合と同様の作用効果を奏するため、重金属イオンの添加量の低減又は添加が不要となり、費用対効果の面から有利である。なお、既存の鋼鉄(スチール)製や銅基合金製の反応容器を用いた場合は、重金属イオン濃度が多く溶出されるおそれがある。この場合、重金属により着色するおそれがあるため、過剰の重金属イオンを除去する操作が必要となるおそれがある。上記重合体は、バッチ式で製造されてもよいし、連続式で製造されてもよい。
本発明のポリアルキレングリコール系共重合体は、水系用途において高い性能を発揮でき、耐硬水性、汚れやクレイ(Clay)の分散性、界面活性剤との相互作用などが高いので、分散剤、洗剤用ビルダー、洗剤組成物、洗浄剤、水処理剤に用いた場合に特に優れた性能を発揮できる。
〔洗剤用ビルダー〕
本発明の洗剤用ビルダーは、本発明のポリアルキレングリコール系共重合体を含む。具体的には、本発明の洗剤用ビルダーは、本発明のポリアルキレングリコール系共重合体のみからなっていてもよいし、他の任意の適切な洗剤用ビルダーとの混合物からなっていてもよい。
本発明の洗剤用ビルダーは、本発明のポリアルキレングリコール系共重合体を含む。具体的には、本発明の洗剤用ビルダーは、本発明のポリアルキレングリコール系共重合体のみからなっていてもよいし、他の任意の適切な洗剤用ビルダーとの混合物からなっていてもよい。
本発明の洗剤用ビルダー中における本発明のポリアルキレングリコール系共重合体の含有割合は、本発明の洗剤用ビルダー100重量%に対して、0.1〜80重量%であることが好ましく、より好ましくは1〜70重量%、さらに好ましくは5〜65重量%である。本発明のポリアルキレングリコール系共重合体の含有割合が0.1重量%未満であると、洗剤組成物として用いた場合の洗浄力が不十分になるおそれがある。本発明のポリアルキレングリコール系共重合体の含有割合が80重量%を超えると、不経済になるおそれがある。
本発明の洗剤用ビルダーに用いる本発明のポリアルキレングリコール系共重合体は、必要に応じて、アルカリ性物質で中和したものであってもよい。アルカリ性物質で中和する場合は、pHを好ましくは6〜11、より好ましくは6.25〜10.5、特に好ましくは6.5〜10の範囲に調整することが好ましい。
上記他の任意の適切な洗剤用ビルダーとしては、例えば、トリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、ボウ硝、炭酸ナトリウム、ニトリロトリ酢酸ナトリウム、エチレンジアミンテトラ酢酸ナトリウムやカリウム、ゼオライト、多糖類のカルボキシル誘導体、(メタ)アクリル酸(共)重合体塩、フマル酸(共)重合体塩などの水溶性重合体等が挙げられる。
本発明の洗剤用ビルダーは、液体洗剤用であっても粉末洗剤用であってもよい。本発明の洗剤用ビルダーは界面活性剤との相溶性に優れる。このため、高濃縮の液体洗剤組成物 とすることができる点では液体洗剤用が好ましい。
本発明の洗剤用ビルダーは、本発明のポリアルキレングリコール系共重合体以外のその他の成分について、その種類や配合比率は、本発明の作用効果を損なわない範囲で、任意の適切な種類や配合比率を設定し得る。
本発明の洗剤用ビルダーは、親水性や疎水性の汚れといった種々の汚れに対応することができ、再汚染防止能等の特性に優れる。
〔洗剤組成物 〕
本発明の洗剤組成物は、本発明のポリアルキレングリコール系共重合体を含む。好ましくは、本発明の洗剤用ビルダーを含む。
本発明の洗剤組成物は、本発明のポリアルキレングリコール系共重合体を含む。好ましくは、本発明の洗剤用ビルダーを含む。
本発明の洗剤組成物は、粉末洗剤組成物であっても良いし、液体洗剤組成物であっても良い。本発明の洗剤組成物は、通常、洗剤に用い得る、任意の適切な添加剤を含んでいても良い。上記添加剤としては、例えば、アルカリビルダー、キレートビルダー、カルボキシメチルセルロースナトリウム等の汚染物質の再沈着を防止するための再付着防止剤、ベンゾトリアゾールやエチレン−チオ尿素等のよごれ抑制剤、ソイルリリース剤、色移り防止剤、柔軟剤、pH調節のためのアルカリ性物質、香料、可溶化剤、蛍光剤、着色剤、起泡剤、泡安定剤、つや出し剤、殺菌剤、漂白剤、漂白助剤、酵素、染料、溶媒等が好適に挙げられる。また、粉末洗剤組成物の場合には、ゼオライトを配合することが好ましい。
本発明の洗剤組成物中の本発明の洗剤用ビルダーの含有割合は、本発明の洗剤組成物100重量%に対して、好ましくは0.1〜20重量%、より好ましくは0.2〜15重量%、さらに好ましくは0.3〜10重量%、特に好ましくは0.4〜8重量%、最も好ましくは0.5〜5重量%である。本発明の洗剤用ビルダーの含有割合が0.1重量%未満であると、十分な洗浄性能を発揮できないおそれがある。本発明の洗剤用ビルダーの含有割合が20重量%を超えると、経済性が低下するおそれがある。
本発明の洗剤組成物における、本発明のポリアルキレングリコール系共重合体あるいは本発明の洗剤用ビルダーの配合形態は、液状でも良いし、固形状でも良い。洗剤の販売時の形態(例えば、液状物または固形物)に応じて決定すれば良い。また、重合後の水溶液の形態で配合しても良いし、水溶液の水分をある程度減少させて濃縮した状態で配合しても良いし、乾燥固化した状態で配合しても良い。
なお、本発明の洗剤組成物は、家庭用洗剤の合成洗剤、繊維工業その他の工業用洗剤、硬質表面洗浄剤のほか、その成分の1つの働きを高めた漂白洗剤等の特定の用途にのみ用いられる洗剤も含む。本発明のポリアルキレングリコール系重合体は、キレート能に優れるため、微量金属を捕捉することにより、過酸化水素を安定でき、漂白剤の安定化能に優れることから、好適に用いることができる。
本発明の洗剤組成物は、本発明のポリアルキレングリコール系重合体以外に、界面活性剤を含むことが好ましい。
本発明の洗剤組成物中に好ましく含まれる界面活性剤は、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、および、両性界面活性剤から選ばれる少なくとも1種である。これらの界面活性剤は1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
界面活性剤を2種以上併用する場合、アニオン系界面活性剤とノニオン系界面活性剤とを合わせた使用量は、全界面活性剤100重量%に対して、好ましくは50重量%以上、より好ましくは60重量%以上、さらに好ましくは70重量%以上、特に好ましくは80重量%以上である。
上記アニオン系界面活性剤の具体例としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルまたはアルケニルエーテル硫酸塩、アルキルまたはアルケニル硫酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸またはエステル塩、アルカンスルホン酸塩、飽和または不飽和脂肪酸塩、アルキルまたはアルケニルエーテルカルボン酸塩、アミノ酸型界面活性剤、N−アシルアミノ酸型界面活性剤、アルキルまたはアルケニルリン酸エステルまたはその塩等を挙げることができる。また、これらのアニオン系界面活性剤のアルキル基、アルケニル基の中間にメチル基等のアルキル基が分枝していても良い。
上記ノニオン系界面活性剤の具体例としては、ポリオキシアルキレンアルキルまたはアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、高級脂肪酸アルカノールアミドまたはそのアルキレンオキサイド付加物、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグリコキシド、脂肪酸グリセリンモノエステル、アルキルアミンオキサイド等を挙げることができる。また、これらのノニオン系界面活性剤のアルキル基、アルケニル基の中間にメチル基等のアルキル基が分枝していても良い。
上記カチオン系界面活性剤の具体例としては、第4アンモニウム塩等を挙げることができる。カチオン系界面活性剤のアルキル基、アルケニル基の中間にメチル基等のアルキル基が分枝していても良い。
上記両性界面活性剤の具体例としては、カルボキシル型またはスルホベタイン型両性界面活性剤等を挙げることができる。両性界面活性剤のアルキル基、アルケニル基の中間にメチル基等のアルキル基が分枝していても良い。
本発明においては、上記界面活性剤の中として、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどの直鎖アルキルベンゼンスルホン酸および/またはその塩を含むことが好ましい。前述したように、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸のようなアニオン性界面活性剤を用いる場合に洗浄力の低下の原因となる「界面活性剤の析出」が起こり易いが、本発明によれば、特に水系用途において高い性能(特に、「界面活性剤の析出」の抑制)を発揮できるからである。
本発明の洗剤組成物に含まれる界面活性剤の配合割合は、洗剤組成物中、好ましくは10〜60重量%であり、より好ましくは15〜50重量%であり、さらに好ましくは20〜45重量%であり、特に好ましくは25〜40重量%である。界面活性剤の配合割合が10重量%未満であると、十分な洗剤性能を発揮できなくなるおそれがある。他方、60重量%を超えると、経済性が低下するおそれがある。
本発明の洗剤組成物が液体洗剤組成物である場合、液体洗剤組成物に含まれる水分量は、通常、液体洗剤組成物100重量%に対して、好ましくは0.1〜75重量%、より好ましくは0.2〜70重量%、さらに好ましくは0.5〜65重量%、さらに好ましくは0.7〜60重量%、特に好ましくは1〜55重量%であり、最も好ましくは1.5〜50重量%である。
本発明の洗剤組成物が液体洗剤組成物である場合、液体洗剤組成物は、カオリン濁度が、好ましくは200mg/L以下、より好ましくは150mg/L以下、さらに好ましくは120mg/L以下、特に好ましくは100mg/L以下、最も好ましくは50mg/L以下である。
本発明のポリアルキレングリコール系重合体を洗剤用ビルダーとして液体洗剤組成物に添加する場合としない場合とでのカオリン濁度の変化(差)は、好ましくは500mg/L以下、より好ましくは400mg/L以下、さらに好ましくは300mg/L以下、特に好ましくは200mg/L以下、最も好ましくは100mg/L以下である。
カオリン濁度は、例えば、厚さ10mmの50mm角セルに均一に撹拌した試料(液体洗剤)を仕込み、気泡を除いた後、日本電色株式会社製の濁度計(NDH2000)を用いて25℃でのTubidity(カオリン濁度:mg/L)を測定する。
上記洗剤組成物に配合し得る酵素としては、プロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼ等が好適である。中でも、アルカリ洗浄液中で活性が高いプロテアーゼ、アルカリリパーゼ、アルカリセルラーゼが好ましい。上記酵素の添加量は、洗剤組成物100重量%に対して、5重量%以下が好ましい。5重量%を超えると、洗浄力の向上が見られなくなるおそれや、経済性が低下するおそれがある。
上記洗剤組成物に配合し得るアルカリビルダーとしては、珪酸塩、炭酸塩、硫酸塩等が好適である。
上記洗剤組成物に配合し得るキレートビルダーとしては、ジグリコール酸、オキシカルボン酸塩、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)、DTPA(ジエチレントリアミン五酢酸)、STPP(トリポリリン酸ナトリウム)、クエン酸等が好適である。本発明におけるポリアルキレングリコール系重合体以外のその他の成分を含むものを添加しても良い。
本発明の洗剤組成物は、液体洗剤用であっても粉末洗剤用であってもよいが、界面活性剤との相溶性に優れ、高濃縮の液体洗剤組成物とすることができる点では液体洗剤用が好ましい。
本発明の洗剤組成物は、本発明のポリアルキレングリコール系重合体あるいは本発明の洗剤用ビルダー以外のその他の成分について、その種類や配合比率は、本発明の作用効果を損なわない範囲で、任意の適切な種類や配合比率を設定し得る。
本発明の洗剤組成物は、親水性や疎水性の汚れといった種々の汚れに対応することができ、再汚染防止能等の特性に優れる。
〔その他の用途〕
本発明のポリアルキレングリコール系共重合体は、顔料分散剤やスケール防止剤に用いることもできる。また、繊維加工、建材加工、塗料、窯業等の分野においても幅広く応用できる。
本発明のポリアルキレングリコール系共重合体は、顔料分散剤やスケール防止剤に用いることもできる。また、繊維加工、建材加工、塗料、窯業等の分野においても幅広く応用できる。
本発明のポリアルキレングリコール系共重合体は、水処理剤、繊維処理剤に用いることもできる。
上記水処理剤は、冷却水系、ボイラー水系等の水系に添加されることにより、例えば、炭酸カルシウムやシリカ等のスケール防止性や金属の腐食防止性等にとって有利となる可能性がある。
上記繊維処理剤は、各種繊維を処理することにより、例えば、吸水性、柔軟性、耐磨耗性、汚れの防止性、触感性等にとって有利となる可能性がある。
上記水処理剤や上記繊維処理剤において、本発明のポリアルキレングリコール系重合体は、そのまま添加しても良いし、本発明のポリアルキレングリコール系重合体以外の他の成分とともに添加しても良い。
上記水処理剤や上記繊維処理剤は、本発明のポリアルキレングリコール系共重合体以外のその他の成分について、その種類や配合比率は、本発明の作用効果を損なわない範囲で、任意の適切な種類や配合比率を設定し得る。
上記水処理剤や上記繊維処理剤は、親水性や疎水性の汚れといった種々の汚れに対応することができ、再汚染防止能等の特性に優れる。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例には限定されない。なお、特に明記しない限り、実施例における部および%は重量基準である。各種測定方法は下記の通りである。
(高速液体クロマトグラフィー)
測定装置:東ソー株式会社製 8020シリーズ
カラム:株式会社資生堂製 CAPCELL PAK C8 DD
温度:40.0℃
溶離液:10mmol/lリン酸水素二ナトリウム・12水和物水溶液(リン酸でpH7に調整)/アセトニトリル=45/55(体積比)
流速:1.0ml/min
検出器:RI、UV(検出波長215nm)
(重量平均分子量)
重量平均分子量(Mw)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)による測定値である。
測定装置:昭和電工製「Shodex SYSTEM−21」
カラム:昭和電工製「Asahipak GF−710 HQ」および「Asahipak GF−310 HQ」をこの順で接続したもの
溶離液:0.1N酢酸ナトリウム/アセトニトリル=7/3(体積比)
流速:0.5mL/分
温度:40.0℃
検量線:ポリアクリル酸標準サンプル(創和科学株式会社製)を用いて作成
検出器:RI、UV(検出波長:210nm)
(高速液体クロマトグラフィー)
測定装置:東ソー株式会社製 8020シリーズ
カラム:株式会社資生堂製 CAPCELL PAK C8 DD
温度:40.0℃
溶離液:10mmol/lリン酸水素二ナトリウム・12水和物水溶液(リン酸でpH7に調整)/アセトニトリル=45/55(体積比)
流速:1.0ml/min
検出器:RI、UV(検出波長215nm)
(重量平均分子量)
重量平均分子量(Mw)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)による測定値である。
測定装置:昭和電工製「Shodex SYSTEM−21」
カラム:昭和電工製「Asahipak GF−710 HQ」および「Asahipak GF−310 HQ」をこの順で接続したもの
溶離液:0.1N酢酸ナトリウム/アセトニトリル=7/3(体積比)
流速:0.5mL/分
温度:40.0℃
検量線:ポリアクリル酸標準サンプル(創和科学株式会社製)を用いて作成
検出器:RI、UV(検出波長:210nm)
〔製造例1〕
ジムロート冷却管付きの水分定量受器、テフロン(登録商標)製の撹拌翼と撹拌シール付きの撹拌機、温度センサーを備えた容量1000mlのガラス製4つ口フラスコに、炭素数12〜14の2級アルコールのエチレンオキサイド20モル付加物であるソフタノール200(日本触媒製、以下、SFT200と称する)342.0g、3−メルカプトプロピオン酸(以下、MPAと称する)35.0g、p−トルエンスルホン酸一水和物(以下、PTSと称する)7.2g、フェノチアジン(以下、PTZと称する)0.072g、シクロヘキサン30.0gを仕込んだ。
水分定量受器をシクロヘキサンで満たした後、反応溶液を撹拌しながら、還流するまで加温した。反応系内の温度が110±5℃になるように途中でシクロヘキサンを加えながら20時間加温した。この時、加熱源であるオイルバスの温度は、120±5℃であった。
反応終了後。室温まで放冷し、48%水酸化ナトリウム水溶液(以下、48%NaOHと称する)3.0g(PTSに対して95モル%)を純水100.0gに溶解した水酸化ナトリウム希薄水溶液を、反応系内の温度が50℃を超えないようにゆっくりと加えた。
得られた水溶液を容量1000mlのガラス製ナスフラスコに移し、ロータリーエバポレーターに掛け、シクロヘキサンと純水を除去し、化合物(1)を得た。この時点での高速液体クロマトグラフィー分析結果は、SFT200のエステル化率が99%であった。
ジムロート冷却管付きの水分定量受器、テフロン(登録商標)製の撹拌翼と撹拌シール付きの撹拌機、温度センサーを備えた容量1000mlのガラス製4つ口フラスコに、炭素数12〜14の2級アルコールのエチレンオキサイド20モル付加物であるソフタノール200(日本触媒製、以下、SFT200と称する)342.0g、3−メルカプトプロピオン酸(以下、MPAと称する)35.0g、p−トルエンスルホン酸一水和物(以下、PTSと称する)7.2g、フェノチアジン(以下、PTZと称する)0.072g、シクロヘキサン30.0gを仕込んだ。
水分定量受器をシクロヘキサンで満たした後、反応溶液を撹拌しながら、還流するまで加温した。反応系内の温度が110±5℃になるように途中でシクロヘキサンを加えながら20時間加温した。この時、加熱源であるオイルバスの温度は、120±5℃であった。
反応終了後。室温まで放冷し、48%水酸化ナトリウム水溶液(以下、48%NaOHと称する)3.0g(PTSに対して95モル%)を純水100.0gに溶解した水酸化ナトリウム希薄水溶液を、反応系内の温度が50℃を超えないようにゆっくりと加えた。
得られた水溶液を容量1000mlのガラス製ナスフラスコに移し、ロータリーエバポレーターに掛け、シクロヘキサンと純水を除去し、化合物(1)を得た。この時点での高速液体クロマトグラフィー分析結果は、SFT200のエステル化率が99%であった。
〔製造例2〕
ジムロート冷却管付きの水分定量受器、テフロン(登録商標)製の撹拌翼と撹拌シール付きの撹拌機、温度センサーを備えた容量1000mlのガラス製4つ口フラスコに、炭素数12〜14の2級アルコールのエチレンオキサイド30モル付加物であるソフタノール300(日本触媒製、以下、SFT300と称する)456.0g、MPA35.0g、PTS9.8g、PTZ0.098g、シクロヘキサン50.0gを仕込んだ。
水分定量受器をシクロヘキサンで満たした後、反応溶液を撹拌しながら、還流するまで加温した。反応系内の温度が110±5℃になるように途中でシクロヘキサンを加えながら20時間加温した。この時、加熱源であるオイルバスの温度は、120±5℃であった。
反応終了後。室温まで放冷し、48%NaOH4.1g(PTSに対して95モル%)を純水100.0gに溶解した水酸化ナトリウム希薄水溶液を、反応系内の温度が50℃を超えないようにゆっくりと加えた。
得られた水溶液を容量1000mlのガラス製ナスフラスコに移し、ロータリーエバポレーターに掛け、シクロヘキサンと純水を除去し、化合物(2)を得た。この時点での高速液体クロマトグラフィー分析結果は、SFT300のエステル化率が99%であった。
ジムロート冷却管付きの水分定量受器、テフロン(登録商標)製の撹拌翼と撹拌シール付きの撹拌機、温度センサーを備えた容量1000mlのガラス製4つ口フラスコに、炭素数12〜14の2級アルコールのエチレンオキサイド30モル付加物であるソフタノール300(日本触媒製、以下、SFT300と称する)456.0g、MPA35.0g、PTS9.8g、PTZ0.098g、シクロヘキサン50.0gを仕込んだ。
水分定量受器をシクロヘキサンで満たした後、反応溶液を撹拌しながら、還流するまで加温した。反応系内の温度が110±5℃になるように途中でシクロヘキサンを加えながら20時間加温した。この時、加熱源であるオイルバスの温度は、120±5℃であった。
反応終了後。室温まで放冷し、48%NaOH4.1g(PTSに対して95モル%)を純水100.0gに溶解した水酸化ナトリウム希薄水溶液を、反応系内の温度が50℃を超えないようにゆっくりと加えた。
得られた水溶液を容量1000mlのガラス製ナスフラスコに移し、ロータリーエバポレーターに掛け、シクロヘキサンと純水を除去し、化合物(2)を得た。この時点での高速液体クロマトグラフィー分析結果は、SFT300のエステル化率が99%であった。
〔製造例3〕
ジムロート冷却管付きの水分定量受器、テフロン(登録商標)製の撹拌翼と撹拌シール付きの撹拌機、温度センサーを備えた容量1000mlのガラス製4つ口フラスコに、フェノールのエチレンオキサイド20モル付加物(以下、PH200と称する)487.0g、MPA58.3g、PTS10.9g、PTZ0.109g、シクロヘキサン50.0gを仕込んだ。
水分定量受器をシクロヘキサンで満たした後、反応溶液を撹拌しながら、還流するまで加温した。反応系内の温度が110±5℃になるように途中でシクロヘキサンを加えながら20時間加温した。この時、加熱源であるオイルバスの温度は、120±5℃であった。
反応終了後。室温まで放冷し、48%NaOH4.5g(PTSに対して95モル%)を純水100.0gに溶解した水酸化ナトリウム希薄水溶液を、反応系内の温度が50℃を超えないようにゆっくりと加えた。
得られた水溶液を容量1000mlのガラス製ナスフラスコに移し、ロータリーエバポレーターに掛け、シクロヘキサンと純水を除去し、化合物(3)を得た。この時点での高速液体クロマトグラフィー分析結果は、PH200のエステル化率が99%であった。
ジムロート冷却管付きの水分定量受器、テフロン(登録商標)製の撹拌翼と撹拌シール付きの撹拌機、温度センサーを備えた容量1000mlのガラス製4つ口フラスコに、フェノールのエチレンオキサイド20モル付加物(以下、PH200と称する)487.0g、MPA58.3g、PTS10.9g、PTZ0.109g、シクロヘキサン50.0gを仕込んだ。
水分定量受器をシクロヘキサンで満たした後、反応溶液を撹拌しながら、還流するまで加温した。反応系内の温度が110±5℃になるように途中でシクロヘキサンを加えながら20時間加温した。この時、加熱源であるオイルバスの温度は、120±5℃であった。
反応終了後。室温まで放冷し、48%NaOH4.5g(PTSに対して95モル%)を純水100.0gに溶解した水酸化ナトリウム希薄水溶液を、反応系内の温度が50℃を超えないようにゆっくりと加えた。
得られた水溶液を容量1000mlのガラス製ナスフラスコに移し、ロータリーエバポレーターに掛け、シクロヘキサンと純水を除去し、化合物(3)を得た。この時点での高速液体クロマトグラフィー分析結果は、PH200のエステル化率が99%であった。
〔製造例4〕
ジムロート冷却管付きの水分定量受器、テフロン(登録商標)製の撹拌翼と撹拌シール付きの撹拌機、温度センサーを備えた容量1000mlのガラス製4つ口フラスコに、ポリエチレングリコールメチルエーテル750(アルドリッチ製、以下、Me17と称する)300.0g、MPA46.6g、PTS6.9g、PTZ0.069g、シクロヘキサン30.0gを仕込んだ。
水分定量受器をシクロヘキサンで満たした後、反応溶液を撹拌しながら、還流するまで加温した。反応系内の温度が110±5℃になるように途中でシクロヘキサンを加えながら20時間加温した。この時、加熱源であるオイルバスの温度は、120±5℃であった。
反応終了後。室温まで放冷し、48%NaOH2.9g(PTSに対して95モル%)を純水100.0gに溶解した水酸化ナトリウム希薄水溶液を、反応系内の温度が50℃を超えないようにゆっくりと加えた。
得られた水溶液を容量1000mlのガラス製ナスフラスコに移し、ロータリーエバポレーターに掛け、シクロヘキサンと純水を除去し、化合物(4)を得た。この時点での高速液体クロマトグラフィー分析結果は、Me17のエステル化率が99%であった。
ジムロート冷却管付きの水分定量受器、テフロン(登録商標)製の撹拌翼と撹拌シール付きの撹拌機、温度センサーを備えた容量1000mlのガラス製4つ口フラスコに、ポリエチレングリコールメチルエーテル750(アルドリッチ製、以下、Me17と称する)300.0g、MPA46.6g、PTS6.9g、PTZ0.069g、シクロヘキサン30.0gを仕込んだ。
水分定量受器をシクロヘキサンで満たした後、反応溶液を撹拌しながら、還流するまで加温した。反応系内の温度が110±5℃になるように途中でシクロヘキサンを加えながら20時間加温した。この時、加熱源であるオイルバスの温度は、120±5℃であった。
反応終了後。室温まで放冷し、48%NaOH2.9g(PTSに対して95モル%)を純水100.0gに溶解した水酸化ナトリウム希薄水溶液を、反応系内の温度が50℃を超えないようにゆっくりと加えた。
得られた水溶液を容量1000mlのガラス製ナスフラスコに移し、ロータリーエバポレーターに掛け、シクロヘキサンと純水を除去し、化合物(4)を得た。この時点での高速液体クロマトグラフィー分析結果は、Me17のエステル化率が99%であった。
〔製造例5〕
ジムロート冷却管付きの水分定量受器、テフロン(登録商標)製の撹拌翼と撹拌シール付きの撹拌機、温度センサーを備えた容量1000mlのガラス製4つ口フラスコに、炭素数8の1級アルコールのエチレンオキサイド70モル付加物(以下、Cap70と称する)320.9g、チオグリコール酸(以下、TGAと称する)10.1g、PTS6.6g、PTZ0.066g、シクロヘキサン30.0gを仕込んだ。
水分定量受器をシクロヘキサンで満たした後、反応溶液を撹拌しながら、還流するまで加温した。反応系内の温度が110±5℃になるように途中でシクロヘキサンを加えながら20時間加温した。この時、加熱源であるオイルバスの温度は、120±5℃であった。
反応終了後。室温まで放冷し、48%NaOH2.8g(PTSに対して95モル%)を純水100.0gに溶解した水酸化ナトリウム希薄水溶液を、反応系内の温度が50℃を超えないようにゆっくりと加えた。
得られた水溶液を容量1000mlのガラス製ナスフラスコに移し、ロータリーエバポレーターに掛け、シクロヘキサンと純水を除去し、化合物(5)を得た。この時点での高速液体クロマトグラフィー分析結果は、Cap70のエステル化率が99%であった。
ジムロート冷却管付きの水分定量受器、テフロン(登録商標)製の撹拌翼と撹拌シール付きの撹拌機、温度センサーを備えた容量1000mlのガラス製4つ口フラスコに、炭素数8の1級アルコールのエチレンオキサイド70モル付加物(以下、Cap70と称する)320.9g、チオグリコール酸(以下、TGAと称する)10.1g、PTS6.6g、PTZ0.066g、シクロヘキサン30.0gを仕込んだ。
水分定量受器をシクロヘキサンで満たした後、反応溶液を撹拌しながら、還流するまで加温した。反応系内の温度が110±5℃になるように途中でシクロヘキサンを加えながら20時間加温した。この時、加熱源であるオイルバスの温度は、120±5℃であった。
反応終了後。室温まで放冷し、48%NaOH2.8g(PTSに対して95モル%)を純水100.0gに溶解した水酸化ナトリウム希薄水溶液を、反応系内の温度が50℃を超えないようにゆっくりと加えた。
得られた水溶液を容量1000mlのガラス製ナスフラスコに移し、ロータリーエバポレーターに掛け、シクロヘキサンと純水を除去し、化合物(5)を得た。この時点での高速液体クロマトグラフィー分析結果は、Cap70のエステル化率が99%であった。
〔製造例6〕
温度計、撹拌機を備えたガラス製反応器に、純水257.0g、ラウリルアルコールのエチレンオキサイド15モル付加物のグリシジルエーテル(ナガセケムテックス(株)製、商品名「デナコールEX−171」、以下、EX171と称する)225.5g、および、チオ酢酸カリウム(以下、PTAと称する)31.4gを仕込み、溶解させた。
60℃を維持して180分間撹拌して反応を行い、化合物(6)を得た。高速液体クロマトグラフィーによる分析の結果、収率は95%であった。
温度計、撹拌機を備えたガラス製反応器に、純水257.0g、ラウリルアルコールのエチレンオキサイド15モル付加物のグリシジルエーテル(ナガセケムテックス(株)製、商品名「デナコールEX−171」、以下、EX171と称する)225.5g、および、チオ酢酸カリウム(以下、PTAと称する)31.4gを仕込み、溶解させた。
60℃を維持して180分間撹拌して反応を行い、化合物(6)を得た。高速液体クロマトグラフィーによる分析の結果、収率は95%であった。
〔実施例1〕
温度計、還流冷却管、撹拌機を備えた容量500mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水6.0g、化合物(1)の80%水溶液63.8gを仕込み、撹拌下、60℃に昇温した後、アクリル酸の20%水溶液(以下、20%AAと称する)45.0g、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(和光純薬工業製、製品名「V−50」)の1%水溶液(以下、1%V−50と称する)37.5gをそれぞれ別の滴下口より滴下した。それぞれの滴下時間は、20%AAが180分間、1%V−50が190分間であった。なお、滴下開始はすべて同時とした。
20%AA滴下終了までの間、温度は60℃を維持した。さらに同温度を20%AA滴下終了後60分間にわたって維持して熟成を行い、重合を完結した。重合の完結後、反応溶液を放冷してから、48%NaOH7.3gを加えて中和した。このようにして、固形分濃度40重量%、重量平均分子量4000の重合体(1)を得た。
温度計、還流冷却管、撹拌機を備えた容量500mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水6.0g、化合物(1)の80%水溶液63.8gを仕込み、撹拌下、60℃に昇温した後、アクリル酸の20%水溶液(以下、20%AAと称する)45.0g、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(和光純薬工業製、製品名「V−50」)の1%水溶液(以下、1%V−50と称する)37.5gをそれぞれ別の滴下口より滴下した。それぞれの滴下時間は、20%AAが180分間、1%V−50が190分間であった。なお、滴下開始はすべて同時とした。
20%AA滴下終了までの間、温度は60℃を維持した。さらに同温度を20%AA滴下終了後60分間にわたって維持して熟成を行い、重合を完結した。重合の完結後、反応溶液を放冷してから、48%NaOH7.3gを加えて中和した。このようにして、固形分濃度40重量%、重量平均分子量4000の重合体(1)を得た。
〔実施例2〕
温度計、還流冷却管、撹拌機を備えた容量500mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水1.5g、化合物(1)の80%水溶液35.0gを仕込み、撹拌下、60℃に昇温した後、アクリル酸の80%水溶液(以下、80%AAと称する)15.0g、1%V−50を50.0gをそれぞれ別の滴下口より滴下した。それぞれの滴下時間は、80%AAが180分間、1%V−50が190分間であった。なお、滴下開始はすべて同時とした。
80%AA滴下終了までの間、温度は60℃を維持した。さらに同温度を80%AA滴下終了後60分間にわたって維持して熟成を行い、重合を完結した。重合の完結後、反応溶液を放冷してから、48%NaOH6.9gを加えて中和した。このようにして、固形分濃度40重量%、重量平均分子量5200の重合体(2)を得た。
温度計、還流冷却管、撹拌機を備えた容量500mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水1.5g、化合物(1)の80%水溶液35.0gを仕込み、撹拌下、60℃に昇温した後、アクリル酸の80%水溶液(以下、80%AAと称する)15.0g、1%V−50を50.0gをそれぞれ別の滴下口より滴下した。それぞれの滴下時間は、80%AAが180分間、1%V−50が190分間であった。なお、滴下開始はすべて同時とした。
80%AA滴下終了までの間、温度は60℃を維持した。さらに同温度を80%AA滴下終了後60分間にわたって維持して熟成を行い、重合を完結した。重合の完結後、反応溶液を放冷してから、48%NaOH6.9gを加えて中和した。このようにして、固形分濃度40重量%、重量平均分子量5200の重合体(2)を得た。
〔実施例3〕
温度計、還流冷却管、撹拌機を備えた容量500mLのガラス製セパラブルフラスコに純水43.0gを仕込み、撹拌下、60℃に昇温した後、化合物(1)の80%水溶液30.0g、80%AA30.0g、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(和光純薬工業製、製品名「V−50」)の5%水溶液(以下、5%V−50と称する)20.0gをそれぞれ別の滴下口より滴下した。それぞれの滴下時間は、化合物(1)の80%水溶液が160分間、80%AAが180分間、5%V−50が190分間であった。なお、滴下開始はすべて同時とした。
80%AA滴下終了までの間、温度は60℃を維持した。さらに同温度を80%AA滴下終了後60分間にわたって維持して熟成を行い、重合を完結した。重合の完結後、反応溶液を放冷してから、48%NaOH8.3gを加えて中和した。このようにして、固形分濃度40重量%、重量平均分子量10000の重合体(3)を得た。
温度計、還流冷却管、撹拌機を備えた容量500mLのガラス製セパラブルフラスコに純水43.0gを仕込み、撹拌下、60℃に昇温した後、化合物(1)の80%水溶液30.0g、80%AA30.0g、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(和光純薬工業製、製品名「V−50」)の5%水溶液(以下、5%V−50と称する)20.0gをそれぞれ別の滴下口より滴下した。それぞれの滴下時間は、化合物(1)の80%水溶液が160分間、80%AAが180分間、5%V−50が190分間であった。なお、滴下開始はすべて同時とした。
80%AA滴下終了までの間、温度は60℃を維持した。さらに同温度を80%AA滴下終了後60分間にわたって維持して熟成を行い、重合を完結した。重合の完結後、反応溶液を放冷してから、48%NaOH8.3gを加えて中和した。このようにして、固形分濃度40重量%、重量平均分子量10000の重合体(3)を得た。
〔実施例4〕
温度計、還流冷却管、撹拌機を備えた容量500mLのガラス製セパラブルフラスコに純水33.0gを仕込み、撹拌下、60℃に昇温した後、化合物(1)の80%水溶液30.0g、80%AA70.0g、5%V−50を46.7gをそれぞれ別の滴下口より滴下した。それぞれの滴下時間は、化合物(1)の80%水溶液が170分間、80%AAが180分間、5%V−50が190分間であった。なお、滴下開始はすべて同時とした。
80%AA滴下終了までの間、温度は60℃を維持した。さらに同温度を80%AA滴下終了後60分間にわたって維持して熟成を行い、重合を完結した。重合の完結後、反応溶液を放冷してから、48%NaOH19.4gを加えて中和した。このようにして、固形分濃度45重量%、重量平均分子量13000の重合体(4)を得た。
温度計、還流冷却管、撹拌機を備えた容量500mLのガラス製セパラブルフラスコに純水33.0gを仕込み、撹拌下、60℃に昇温した後、化合物(1)の80%水溶液30.0g、80%AA70.0g、5%V−50を46.7gをそれぞれ別の滴下口より滴下した。それぞれの滴下時間は、化合物(1)の80%水溶液が170分間、80%AAが180分間、5%V−50が190分間であった。なお、滴下開始はすべて同時とした。
80%AA滴下終了までの間、温度は60℃を維持した。さらに同温度を80%AA滴下終了後60分間にわたって維持して熟成を行い、重合を完結した。重合の完結後、反応溶液を放冷してから、48%NaOH19.4gを加えて中和した。このようにして、固形分濃度45重量%、重量平均分子量13000の重合体(4)を得た。
〔実施例5〕
温度計、還流冷却管、撹拌機を備えた容量500mLのガラス製セパラブルフラスコに純水28.0gを仕込み、撹拌下、60℃に昇温した後、化合物(2)の80%水溶液30.0g、80%AA30.0g、5%V−50を20.0gをそれぞれ別の滴下口より滴下した。それぞれの滴下時間は、化合物(2)の80%水溶液が160分間、80%AAが180分間、5%V−50が190分間であった。なお、滴下開始はすべて同時とした。
80%AA滴下終了までの間、温度は60℃を維持した。さらに同温度を80%AA滴下終了後60分間にわたって維持して熟成を行い、重合を完結した。重合の完結後、反応溶液を放冷してから、48%NaOH8.3gを加えて中和した。このようにして、固形分濃度45重量%、重量平均分子量12000の重合体(5)を得た。
温度計、還流冷却管、撹拌機を備えた容量500mLのガラス製セパラブルフラスコに純水28.0gを仕込み、撹拌下、60℃に昇温した後、化合物(2)の80%水溶液30.0g、80%AA30.0g、5%V−50を20.0gをそれぞれ別の滴下口より滴下した。それぞれの滴下時間は、化合物(2)の80%水溶液が160分間、80%AAが180分間、5%V−50が190分間であった。なお、滴下開始はすべて同時とした。
80%AA滴下終了までの間、温度は60℃を維持した。さらに同温度を80%AA滴下終了後60分間にわたって維持して熟成を行い、重合を完結した。重合の完結後、反応溶液を放冷してから、48%NaOH8.3gを加えて中和した。このようにして、固形分濃度45重量%、重量平均分子量12000の重合体(5)を得た。
〔実施例6〕
温度計、還流冷却管、撹拌機を備えた容量500mLのガラス製セパラブルフラスコに純水28.0gを仕込み、撹拌下、80℃に昇温した後、化合物(2)の80%水溶液30.0g、80%AA30.0g、過硫酸ナトリウムの5%水溶液(以下、5%NaPSと称する)20.0gをそれぞれ別の滴下口より滴下した。それぞれの滴下時間は、化合物(2)の80%水溶液が160分間、80%AAが180分間、5%NaPSが190分間であった。なお、滴下開始はすべて同時とした。
80%AA滴下終了までの間、温度は80℃を維持した。さらに同温度を80%AA滴下終了後60分間にわたって維持して熟成を行い、重合を完結した。重合の完結後、反応溶液を放冷してから、48%NaOH8.3gを加えて中和した。このようにして、固形分濃度45重量%、重量平均分子量10000の重合体(6)を得た。
温度計、還流冷却管、撹拌機を備えた容量500mLのガラス製セパラブルフラスコに純水28.0gを仕込み、撹拌下、80℃に昇温した後、化合物(2)の80%水溶液30.0g、80%AA30.0g、過硫酸ナトリウムの5%水溶液(以下、5%NaPSと称する)20.0gをそれぞれ別の滴下口より滴下した。それぞれの滴下時間は、化合物(2)の80%水溶液が160分間、80%AAが180分間、5%NaPSが190分間であった。なお、滴下開始はすべて同時とした。
80%AA滴下終了までの間、温度は80℃を維持した。さらに同温度を80%AA滴下終了後60分間にわたって維持して熟成を行い、重合を完結した。重合の完結後、反応溶液を放冷してから、48%NaOH8.3gを加えて中和した。このようにして、固形分濃度45重量%、重量平均分子量10000の重合体(6)を得た。
〔実施例7〕
温度計、還流冷却管、撹拌機を備えた容量500mLのガラス製セパラブルフラスコに純水8.0g、化合物(3)の80%水溶液63.8gを仕込み、撹拌下、60℃に昇温した後、、20%AA45.0g、1%V−50を37.5gをそれぞれ別の滴下口より滴下した。それぞれの滴下時間は、20%AAが180分間、1%V−50が190分間であった。なお、滴下開始はすべて同時とした。
20%AA滴下終了までの間、温度は60℃を維持した。さらに同温度を20%AA滴下終了後60分間にわたって維持して熟成を行い、重合を完結した。重合の完結後、反応溶液を放冷してから、48%NaOH3.1gを加えて中和した。このようにして、固形分濃度40重量%、重量平均分子量3500の重合体(7)を得た。
温度計、還流冷却管、撹拌機を備えた容量500mLのガラス製セパラブルフラスコに純水8.0g、化合物(3)の80%水溶液63.8gを仕込み、撹拌下、60℃に昇温した後、、20%AA45.0g、1%V−50を37.5gをそれぞれ別の滴下口より滴下した。それぞれの滴下時間は、20%AAが180分間、1%V−50が190分間であった。なお、滴下開始はすべて同時とした。
20%AA滴下終了までの間、温度は60℃を維持した。さらに同温度を20%AA滴下終了後60分間にわたって維持して熟成を行い、重合を完結した。重合の完結後、反応溶液を放冷してから、48%NaOH3.1gを加えて中和した。このようにして、固形分濃度40重量%、重量平均分子量3500の重合体(7)を得た。
〔比較例1〕
温度計、還流冷却管、撹拌機を備えた容量500mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水10.6g、化合物(4)の80%水溶液63.8gを仕込み、撹拌下、60℃に昇温した後、20%AA45.0g、1%V−50を37.5gをそれぞれ別の滴下口より滴下した。それぞれの滴下時間は、20%AAが180分間、1%V−50が190分間であった。なお、滴下開始はすべて同時とした。
20%AA滴下終了までの間、温度は60℃を維持した。さらに同温度を20%AA滴下終了後60分間にわたって維持して熟成を行い、重合を完結した。重合の完結後、反応溶液を放冷してから、48%NaOH3.1gを加えて中和した。このようにして、固形分濃度40重量%、重量平均分子量3000の比較重合体(1)を得た。
温度計、還流冷却管、撹拌機を備えた容量500mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水10.6g、化合物(4)の80%水溶液63.8gを仕込み、撹拌下、60℃に昇温した後、20%AA45.0g、1%V−50を37.5gをそれぞれ別の滴下口より滴下した。それぞれの滴下時間は、20%AAが180分間、1%V−50が190分間であった。なお、滴下開始はすべて同時とした。
20%AA滴下終了までの間、温度は60℃を維持した。さらに同温度を20%AA滴下終了後60分間にわたって維持して熟成を行い、重合を完結した。重合の完結後、反応溶液を放冷してから、48%NaOH3.1gを加えて中和した。このようにして、固形分濃度40重量%、重量平均分子量3000の比較重合体(1)を得た。
〔比較例2〕
温度計、還流冷却管、窒素ガス導入管、撹拌機を備えた容量200mLのガラス製セパラブルフラスコに、窒素気流中で、化合物(2)23.5g、1,4−ジオキサン40.0gを仕込んだ。温度を95℃に昇温した後、アクリル酸18.6gと酢酸ビニル3.5gを2時間かけて連続的に滴下した。滴下終了後、95℃で3時間にわたって維持して熟成し、冷却してから、純水300.0g中に投入し、48%NaOHでpH7に調整した。ロータリーエバポレーターにて1,4−ジオキサンを留去し、重量平均分子量4000の比較重合体(2)を得た。
温度計、還流冷却管、窒素ガス導入管、撹拌機を備えた容量200mLのガラス製セパラブルフラスコに、窒素気流中で、化合物(2)23.5g、1,4−ジオキサン40.0gを仕込んだ。温度を95℃に昇温した後、アクリル酸18.6gと酢酸ビニル3.5gを2時間かけて連続的に滴下した。滴下終了後、95℃で3時間にわたって維持して熟成し、冷却してから、純水300.0g中に投入し、48%NaOHでpH7に調整した。ロータリーエバポレーターにて1,4−ジオキサンを留去し、重量平均分子量4000の比較重合体(2)を得た。
〔比較例3〕
温度計、還流冷却管、窒素ガス導入管、撹拌機を備えた容量300mLのガラス製セパラブルフラスコに、窒素気流中で、化合物(5)38.3g、純水120.0g、マレイン酸8.6g、硫酸第一鉄7水和物0.01gを仕込み、48%NaOHでpH6に調整した。温度を90℃に昇温した後、アクリル酸でpH6に調整した38%アクリル酸ナトリウム水溶液42.9g、31%過酸化水素水3.7gを3時間かけて連続的に滴下した。滴下終了後、95℃で3時間にわたって維持して熟成し、冷却してから、48%NaOHでpH7に調整し、重量平均分子量5000の比較重合体(3)を得た。
温度計、還流冷却管、窒素ガス導入管、撹拌機を備えた容量300mLのガラス製セパラブルフラスコに、窒素気流中で、化合物(5)38.3g、純水120.0g、マレイン酸8.6g、硫酸第一鉄7水和物0.01gを仕込み、48%NaOHでpH6に調整した。温度を90℃に昇温した後、アクリル酸でpH6に調整した38%アクリル酸ナトリウム水溶液42.9g、31%過酸化水素水3.7gを3時間かけて連続的に滴下した。滴下終了後、95℃で3時間にわたって維持して熟成し、冷却してから、48%NaOHでpH7に調整し、重量平均分子量5000の比較重合体(3)を得た。
〔評価〕
≪界面活性剤析出抑制能≫
(1)グリシン9.3793g、塩化ナトリウム9.6452g、水酸化ナトリウム5.1975gに純水を加えて1000.0gとし、グリシンバッファを調製した。
(2)15%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(LAS)水溶液1.50g、硫酸ナトリウム0.80g、(1)で調製したグリシンバッファ11.25gに純水を加えて、500.0gとした。
(3)0.1%重合体水溶液を調製した。
(4)1M塩化カルシウム2水和物水溶液を調製した。
(5)100mlビーカーに、(3)で調製した0.1%重合体水溶液1.80g、純水8.20g、(2)で調製したもの80.00gを加え、試験液とした。
(6)試験液に、(4)で調製した1M塩化カルシウム2水和物水溶液を滴下、撹拌し、濁度変化を測定した。測定には、平沼産業製自動滴定装置(本体:COM−550、光度測定ユニット:M−500)を用いた。濁度変化は、波長650nmにおける透過率変化で測定した。
(7)1M塩化カルシウム2水和物水溶液の添加量が0.270mlの時点における透過率の値を界面活性剤析出抑制能とした。この値が大きいほど、界面活性剤析出抑制能に優れることを意味する。評価結果を表1に示した。なお、重合体を加えない場合をブランクとした。
≪界面活性剤析出抑制能≫
(1)グリシン9.3793g、塩化ナトリウム9.6452g、水酸化ナトリウム5.1975gに純水を加えて1000.0gとし、グリシンバッファを調製した。
(2)15%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(LAS)水溶液1.50g、硫酸ナトリウム0.80g、(1)で調製したグリシンバッファ11.25gに純水を加えて、500.0gとした。
(3)0.1%重合体水溶液を調製した。
(4)1M塩化カルシウム2水和物水溶液を調製した。
(5)100mlビーカーに、(3)で調製した0.1%重合体水溶液1.80g、純水8.20g、(2)で調製したもの80.00gを加え、試験液とした。
(6)試験液に、(4)で調製した1M塩化カルシウム2水和物水溶液を滴下、撹拌し、濁度変化を測定した。測定には、平沼産業製自動滴定装置(本体:COM−550、光度測定ユニット:M−500)を用いた。濁度変化は、波長650nmにおける透過率変化で測定した。
(7)1M塩化カルシウム2水和物水溶液の添加量が0.270mlの時点における透過率の値を界面活性剤析出抑制能とした。この値が大きいほど、界面活性剤析出抑制能に優れることを意味する。評価結果を表1に示した。なお、重合体を加えない場合をブランクとした。
本発明のポリアルキレングリコール系共重合体は、特に水系用途において高い性能(特に、「界面活性剤の析出」の抑制)を発揮できる。したがって、洗剤用ビルダー、洗剤組成物、分散剤、洗浄剤、水処理剤に用いた場合に特に優れた性能を発揮できる。
Claims (8)
- ポリアルキレングリコール鎖と、該ポリアルキレングリコール鎖の一方の末端に酸素原子を介して結合した疎水基と、該ポリアルキレングリコール鎖の他方の末端に硫黄原子含有連結基を介して結合したポリマー部位を有し、
該ポリマー部位の構成単位が不飽和単量体由来であり、該不飽和単量体の90モル%以上が(メタ)アクリル酸および/またはその塩である、
ポリアルキレングリコール系共重合体。 - 請求項1から4までのいずれかに記載のポリアルキレングリコール系共重合体を含む、洗剤用ビルダー。
- 請求項1から4までのいずれかに記載のポリアルキレングリコール系共重合体を含む、洗剤組成物。
- 界面活性剤を含む、請求項6に記載の洗剤組成物。
- 前記界面活性剤が、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸および/またはその塩である、請求項7に記載の洗剤組成物。
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