JP2009263167A - 水硬性材料用添加剤組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、水硬性材料用添加剤組成物に関する。より詳細には、優れた収縮低減機能と優れた減水機能を有する、水硬性材料用添加剤組成物に関する。
セメント組成物は、強度や耐久性に優れた硬化物を与えることから、土木・建築構造物等を構築するために欠かすことができないものとなっている。しかしながら、セメント組成物が硬化した後に、外気温や湿度条件等により、硬化物内部に残った未反応水分の逸散が起こり、これに起因すると考えられる乾燥収縮が進行し、硬化物中にひび割れが生じ、強度や耐久性が低下するという問題がある。そこで、乾燥収縮を低減させることを目的として、収縮低減剤を添加することが行われている。
他方、セメント組成物から得られる硬化物の耐久性を向上させるためには、セメント組成物中の単位水量を低減する必要がある。そこで、減水機能を有する減水剤を添加することが行われている。収縮低減剤は、それ自体では減水性を示さないことから、より高い耐久性を達成するために、通常、収縮低減剤と減水剤の両方を使用する必要がある。
ところが、収縮低減剤と減水剤は、相溶性が悪く、混合した際に相分離や沈殿などを起こしてしまう。このため、収縮低減剤と減水剤を高濃度で混合して使用することができないという問題がある。また、相溶性を保つために収縮低減剤と減水剤を低濃度で混合して使用すると、収縮低減剤と減水剤の添加量が少なくなることから1バッチあたりのコンクリート混練量が少なくなり、コンクリートの製造速度が落ち、生産効率が悪くなるという問題がある。
また、収縮低減剤の使用方法として、練り混ぜられたセメント組成物に収縮低減剤を後添加する、あるいは、練り混ぜ時に減水剤と別添加する方法が挙げられるが、いずれの方法においても、工程数の増加等の問題がある。このため、収縮低減機能と減水機能を併せ持った、一液型のセメント用添加剤組成物への関心が高まっている。例えば、最近、アリルアルコールのアルキレンオキシド付加体を収縮低減剤とする、収縮低減機能と減水機能を併せ持った、一液型のセメント用添加剤組成物が報告されている(特許文献1参照)。
特開2008−50255号公報
本発明の目的は、アリルアルコール以外のアルケニルアルコールのアルキレンオキシド付加体を収縮低減剤として適用した場合に、優れた収縮低減機能と優れた減水機能を併せ持ち、高濃度でも使用可能な、水硬性材料用添加剤組成物を提供することにある。
本発明の水硬性材料用添加剤組成物は、
下記A成分およびB成分を含有し、該A成分と該B成分の比率が質量比でA成分/B成分=99/1〜40/60である。
A成分:一般式(1)で表される化合物。
(一般式(1)中、R1は炭素原子数2、4、または5のアルケニル基を表し、A1Oは炭素原子数2〜18のオキシアルキレン基を表し、xはオキシアルキレン基A1Oの平均付加モル数を表し、xは1〜100である。)
B成分:一般式(2)で表される不飽和単量体および一般式(3)で表される不飽和カルボン酸系単量体を含む単量体成分を共重合して得られるポリカルボン酸系共重合体。
(一般式(2)中、R2、R3、R4はそれぞれ独立して水素原子またはメチル基を表し、lは0〜2の整数であり、mは0または1であり、A2Oは炭素原子数2〜18のオキシアルキレン基を表し、nはオキシアルキレン基A2Oの平均付加モル数を表し、nは1〜300であり、R5は水素原子または炭素原子数1〜30の炭化水素基を表す。)
(一般式(3)中、R6、R7、R8はそれぞれ独立して水素原子、メチル基、または(CH2)pCOOZ’基を表し、Z’は水素原子、一価金属、二価金属、アンモニウム基、または有機アミン基を表し、pは0〜2の整数であり、Zは水素原子、一価金属、二価金属、アンモニウム基、または有機アミン基を表し、COOZ’基とCOOZ基が合計で2個以上存在する場合はこれらの中の2個が無水物を形成していても良い。)
下記A成分およびB成分を含有し、該A成分と該B成分の比率が質量比でA成分/B成分=99/1〜40/60である。
A成分:一般式(1)で表される化合物。
B成分:一般式(2)で表される不飽和単量体および一般式(3)で表される不飽和カルボン酸系単量体を含む単量体成分を共重合して得られるポリカルボン酸系共重合体。
好ましい実施形態においては、上記一般式(1)中、xが2〜20である。
好ましい実施形態においては、上記一般式(1)中、A1Oが炭素原子数2〜4のオキシアルキレン基である。
好ましい実施形態においては、上記一般式(1)中、R1が炭素原子数4または5のアルケニル基である。
本発明によれば、アリルアルコール以外のアルケニルアルコールのアルキレンオキシド付加体を収縮低減剤として適用した場合に、優れた収縮低減機能と優れた減水機能を併せ持ち、高濃度でも使用可能な、水硬性材料用添加剤組成物を提供できる。
本発明の水硬性材料用添加剤組成物は、上記A成分および上記B成分を含有する。
本発明の水硬性材料用添加剤組成物において、A成分とB成分の比率は、質量比で、A成分/B成分=99/1〜40/60である。好ましくは、A成分/B成分=90/10〜45/55であり、より好ましくは、A成分/B成分=80/20〜50/50である。A成分とB成分の比率を上記範囲内に制御することにより、アリルアルコール以外のアルケニルアルコールのアルキレンオキシド付加体を収縮低減剤として適用した場合に、優れた収縮低減機能と優れた減水機能を併せ持ち、高濃度でも使用可能な、水硬性材料用添加剤組成物を提供できる。
本発明の水硬性材料用添加剤組成物は、A成分とB成分のみからなっていても良いし、本発明の効果を損なわない範囲で、他の任意の適切な成分を含んでいても良い。例えば、水が挙げられる。本発明の水硬性材料用添加剤組成物中の、A成分とB成分の合計量の割合は、上記他の任意の適切な成分の種類によって変動しうるが、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上である。例えば、上記他の任意の適切な成分が水の場合は、A成分とB成分の相溶性の度合い、使用条件、使用対象などによって適宜設定される。A成分は1種のみでも良いし、2種以上を併用しても良い。B成分は1種のみでも良いし、2種以上を併用しても良い。
A成分は、一般式(1)で表される化合物であり、アリルアルコール以外のアルケニルアルコールのアルキレンオキシド付加体である。
一般式(1)中、R1は炭素原子数2、4、または5のアルケニル基を表す。本発明の効果を一層発現させるためには、R1は炭素原子数4または5のアルケニル基であることが好ましい。
一般式(1)において、R1の炭素原子数が2のときは、A成分としては、ビニルアルコールのアルキレンオキシド付加体が挙げられる。
一般式(1)において、R1の炭素原子数が4のときは、A成分としては、例えば、メタアリルアルコールのアルキレンオキシド付加体、3−ブテン−1−オールのアルキレンオキシド付加体、3−ブテン−2−オールのアルキレンオキシド付加体、2−ブテン−1−オールのアルキレンオキシド付加体が挙げられる。
一般式(1)において、R1の炭素原子数が5のときは、A成分としては、例えば、3−メチル−3−ブテン−1−オールのアルキレンオキシド付加体、3−メチル−2−ブテン−1−オールのアルキレンオキシド付加体、2−メチル−3−ブテン−2−オールのアルキレンオキシド付加体、2−メチル−2−ブテン−1−オールのアルキレンオキシド付加体、2−メチル−3−ブテン−1−オールのアルキレンオキシド付加体、1−ペンテン−3−オールのアルキレンオキシド付加体、2−ペンテン−1−オールのアルキレンオキシド付加体、4−ペンテン−1−オールのアルキレンオキシド付加体、3−ペンテン−2−オールのアルキレンオキシド付加体、4−ペンテン−2−オールのアルキレンオキシド付加体が挙げられる。
一般式(1)中、A1Oは炭素原子数2〜18のオキシアルキレン基を表す。本発明の効果を一層発現させるためには、A1Oは炭素原子数2〜4のオキシアルキレン基であることが好ましい。A1Oの炭素原子数が大きすぎると、本発明の水硬性材料用添加剤組成物の水への溶解性が低下するおそれがある。一般式(1)中、A1Oは1種のみでも良いし、2種以上を併用しても良い。A1Oが2種以上ある場合には、それらはランダム付加体となっていても良いし、ブロック付加体となっていても良いし、交互付加体となっていても良い。
一般式(1)中、xはオキシアルキレン基A1Oの平均付加モル数を表す。xは1〜100であり、好ましくは2〜20である。xを上記範囲内に制御することにより、アリルアルコール以外のアルケニルアルコールのアルキレンオキシド付加体を収縮低減剤として適用した場合に、優れた収縮低減機能と優れた減水機能を併せ持ち、高濃度でも使用可能な、水硬性材料用添加剤組成物を提供できる。
B成分は、一般式(2)で表される不飽和単量体および一般式(3)で表される不飽和カルボン酸系単量体を含む単量体成分を共重合して得られるポリカルボン酸系共重合体である。B成分として、このような特定のポリカルボン酸系共重合体を採用することにより、アリルアルコール以外のアルケニルアルコールのアルキレンオキシド付加体を収縮低減剤として適用した場合に、優れた収縮低減機能と優れた減水機能を併せ持ち、高濃度でも使用可能な、水硬性材料用添加剤組成物を提供できる。該単量体成分中、一般式(2)で表される不飽和単量体は1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。該単量体成分中、一般式(3)で表される不飽和カルボン酸系単量体は1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
一般式(2)中、R2、R3、R4はそれぞれ独立して水素原子またはメチル基を表す。
一般式(2)中、lは0〜2の整数である。
一般式(2)中、mは0または1である。
一般式(2)中、A2Oは炭素原子数2〜18のオキシアルキレン基を表す。本発明の効果を一層発現させるためには、A2Oは炭素原子数2〜4のオキシアルキレン基であることが好ましい。A2Oの炭素原子数が大きすぎると、本発明の水硬性材料用添加剤組成物の水への溶解性が低下するおそれがある。一般式(2)中、A2Oは1種のみでも良いし、2種以上を併用しても良い。A2Oが2種以上ある場合には、それらはランダム付加体となっていても良いし、ブロック付加体となっていても良いし、交互付加体となっていても良い。
一般式(2)中、nはオキシアルキレン基A2Oの平均付加モル数を表す。nは1〜300であり、好ましくは2〜280、より好ましくは3〜250、さらに好ましくは5〜200、さらに好ましくは5〜150、特に好ましくは10〜100、最も好ましくは10〜50である。nを上記範囲内に制御することにより、アリルアルコール以外のアルケニルアルコールのアルキレンオキシド付加体を収縮低減剤として適用した場合に、優れた収縮低減機能と優れた減水機能を併せ持ち、高濃度でも使用可能な、水硬性材料用添加剤組成物を提供できる。
一般式(2)中、R5は水素原子または炭素原子数1〜30の炭化水素基を表す。本発明の効果を一層発現させるためには、R5は、好ましくは炭素原子数1〜20の炭化水素基である。R5が炭化水素基の場合、炭素原子数が大きすぎると、B成分であるポリカルボン酸系共重合体の疎水性が強くなりすぎて、良好な分散性を得ることができなくなるおそれがある。R5が炭化水素基の場合、好ましくは、飽和アルキル基、不飽和アルキル基である。これらのアルキル基は、直鎖状であっても分岐状であってもよい。
一般式(2)で表される不飽和単量体としては、mが0のときは、例えば、不飽和アルコールポリアルキレンオキシド付加物が挙げられる。
上記不飽和アルコールポリアルキレンオキシド付加物としては、不飽和基を有するアルコールにポリアルキレングリコール鎖が付加した構造を有する化合物であれば良い。例えば、ビニルアルコールアルキレンオキシド付加物、(メタ)アリルアルコールアルキレンオキシド付加物、3−ブテン−1−オールアルキレンオキシド付加物、イソプレンアルコール(3−メチル−3−ブテン−1−オール)アルキレンオキシド付加物、3−メチル−2−ブテン−1−オールアルキレンオキシド付加物、2−メチル−3−ブテン−2−オールアルキレンオキシド付加物、2−メチル−2−ブテン−1−オールアルキレンオキシド付加物、2−メチル−3−ブテン−1−オールアルキレンオキシド付加物が挙げられる。
上記不飽和アルコールポリアルキレンオキシド付加物としては、より具体的には、例えば、ポリエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル、ポリエチレングリコールモノ(2−メチル−2−プロペニル)エーテル、ポリエチレングリコールモノ(2−ブテニル)エーテル、ポリエチレングリコールモノ(3−メチル−3−ブテニル)エーテル、ポリエチレングリコールモノ(3−メチル−2−ブテニル)エーテル、ポリエチレングリコールモノ(2−メチル−3−ブテニル)エーテル、ポリエチレングリコールモノ(2−メチル−2−ブテニル)エーテル、ポリエチレングリコールモノ(1,1−ジメチル−2−プロペニル)エーテル、ポリエチレンポリプロピレングリコールモノ(3−メチル−3−ブテニル)エーテル、メトキシポリエチレングリコールモノ(3−メチル−3−ブテニル)エーテル、エトキシポリエチレングリコールモノ(3−メチル−3−ブテニル)エーテル、1−プロポキシポリエチレングリコールモノ(3−メチル−3−ブテニル)エーテル、シクロヘキシルオキシポリエチレングリコールモノ(3−メチル−3−ブテニル)エーテル、1−オクチルオキシポリエチレングリコールモノ(3−メチル−3−ブテニル)エーテル、ノニルアルコキシポリエチレングリコールモノ(3−メチル3−ブテニル)エーテル、ラウリルアルコキシポリエチレングリコールモノ(3−メチル−3−ブテニル)エーテル、ステアリルアルコキシポリエチレングリコールモノ(3−メチル−3−ブテニル)エーテル、フェノキシポリエチレングリコールモノ(3−メチル−3−ブテニル)エーテル、ナフトキシポリエチレングリコールモノ(3−メチル−3−ブテニル)エーテル、メトキシポリエチレングリコールモノアリルエーテル、エトキシポリエチレングリコールモノアリルエーテル、フェノキシポリエチレングリコールモノアリルエーテル、メトキシポリエチレングリコールモノ(2−メチル−2−プロペニル)エーテル、エトキシポリエチレングリコールモノ(2−メチル−2−プロペニル)エーテル、フェノキシポリエチレングリコールモノ(2−メチル−2−プロペニル)エーテルが挙げられる。
一般式(2)で表される不飽和単量体としては、mが1のときは、例えば、(アルコキシ)ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。
上記(アルコキシ)ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、ノニルアルコール、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール等の炭素数1〜30の脂肪族アルコール類、シクロヘキサノール等の炭素数3〜30の脂環族アルコール類、(メタ)アリルアルコール、3−ブテン−1−オール、3−メチル−3−ブテン−1−オール等の炭素数3〜30の不飽和アルコール類のいずれかに、炭素数2〜18のアルキレンオキシド基を1〜300モル付加したアルコキシポリアルキレングリコール類が挙げられる。特に、アルキレンオキシドとしてエチレンオキシドを主成分として含むアルコキシポリアルキレングリコール類と(メタ)アクリル酸とのエステル化物が好ましく挙げられる。
上記(アルコキシ)ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステルの好ましい具体例としては、(アルコキシ)ポリエチレングリコール(ポリ)(炭素数2〜4のアルキレングリコール)(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。
(アルコキシ)ポリエチレングリコール(ポリ)(炭素数2〜4のアルキレングリコール)(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、以下の化合物が挙げられる。
メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、メトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、メトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、エトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、エトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、プロポキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、プロポキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、プロポキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、プロポキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート。
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トリデカノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリデカナノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、トリデカノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、トリデカノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、テトラデカノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラデカナノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、テトラデカノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、テトラデカノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ペンタデカノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ペンタデカナノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ペンタデカノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ペンタデカノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート。
ヘキサデカノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ヘキサデカナノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ヘキサデカノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ヘキサデカノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ヘプタデカノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ヘプタデカナノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ヘプタデカノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ヘプタデカノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、オクタデカノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクタデカナノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、オクタデカノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、オクタデカノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート。
ノナデカノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ノナデカナノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ノナデカノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ノナデカノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、シクロペントキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、シクロペントキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、シクロペントキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、シクロペントキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、シクロヘキソキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、シクロヘキソキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、シクロヘキソキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、シクロヘキソキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート。
上記(アルコキシ)ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステルの他の好ましい具体例としては、フェノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、フェノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、フェノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、(メタ)アリルオキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アリルオキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、(メタ)アリルオキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、(メタ)アリルオキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレートが挙げられる。
一般式(3)中、R6、R7、R8はそれぞれ独立して水素原子、メチル基、または(CH2)pCOOZ’基を表す。
上記(CH2)pCOOZ’基において、Z’は水素原子、一価金属、二価金属、アンモニウム基、または有機アミン基を表す。一価金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属原子が挙げられる。二価金属としては、例えば、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属原子が挙げられる。有機アミン基としては、例えば、エタノールアミン基、ジエタノールアミン基、トリエタノールアミン基等のアルカノールアミン基や、トリエチルアミン基が挙げられる。
上記(CH2)pCOOZ’基において、pは0〜2の整数である。
一般式(3)中、Zは水素原子、一価金属、二価金属、アンモニウム基、または有機アミン基を表す。一価金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属原子が挙げられる。二価金属としては、例えば、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属原子が挙げられる。有機アミン基としては、例えば、エタノールアミン基、ジエタノールアミン基、トリエタノールアミン基等のアルカノールアミン基や、トリエチルアミン基が挙げられる。
一般式(3)において、COOZ’基とCOOZ基が合計で2個以上存在する場合はこれらの中の2個が無水物を形成していても良い。
一般式(3)で表される不飽和カルボン酸系単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、およびこれらの一価金属塩、二価金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩;マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、フマル酸、およびこれらの一価金属塩、二価金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩、または、それらの無水物;不飽和ジカルボン酸系単量体と炭素数1〜22個のアルコールとのハーフエステル;不飽和ジカルボン酸類と炭素数1〜22のアミンとのハーフアミド;不飽和ジカルボン酸系単量体と炭素数2〜4のグリコールとのハーフエステル;マレアミン酸と炭素数2〜4のグリコールとのハーフアミド;などが挙げられる。
B成分は、一般式(2)で表される不飽和単量体および一般式(3)で表される不飽和カルボン酸系単量体を含む単量体成分を共重合して得られるポリカルボン酸系共重合体であるが、該単量体成分には、本発明の効果を損なわない範囲で、他の任意の適切な単量体を含んでいても良い。他の任意の適切な単量体は、1種のみを用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
上記他の任意の適切な単量体としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。
スチレン、ブロモスチレン、クロロスチレン、メチルスチレン等のスチレン類;1,3−ブタジエン、イソプレン、イソブチレン等のジエン類;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル等の(メタ)アクリル酸エステル類;ヘキセン、ヘプテン、デセン等のα−オレフィン類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類;酢酸ビニル等のビニルエステル類;酢酸アリル等のアリルエステル類。
不飽和ジカルボン酸と炭素数1〜22個のアルコールとのジエステル、不飽和ジカルボン酸と炭素数1〜22のアミンとのジアミド、不飽和ジカルボン酸と炭素数2〜4のグリコールとのジエステル。
ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート等の二官能(メタ)アクリレート類;ビニルスルホネート、(メタ)アリルスルホネート、2−(メタ)アクリロキシエチルスルホネート、3−(メタ)アクリロキシプロピルスルホネート、3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルスルホネート、3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルスルホフェニルエーテル、3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシスルホベンゾエート、4−(メタ)アクリロキシブチルスルホネート、(メタ)アクリルアミドメチルスルホン酸、(メタ)アクリルアミドエチルスルホン酸、2−メチルプロパンスルホン酸(メタ)アクリルアミド、スチレンスルホン酸等の不飽和スルホン酸類、およびそれらの一価金属塩、二価金属塩、アンモニウム塩及び有機アミン塩。
(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアルキルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等の不飽和アミド類;アリルアルコール等のアリル類;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の不飽和アミノ化合物類;メトキシポリエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールモノビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル等のビニルエーテル又はアリルエーテル類。
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチルエチル(メタ)アクリレート、メトキシプロピル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート化合物類。
B成分は、一般式(2)で表される不飽和単量体および一般式(3)で表される不飽和カルボン酸系単量体を含む単量体成分を共重合して得られるポリカルボン酸系共重合体である。
単量体成分中の、一般式(2)で表される不飽和単量体と一般式(3)で表される不飽和カルボン酸系単量体との割合は、質量比で、好ましくは、一般式(2)で表される不飽和単量体/一般式(3)で表される不飽和カルボン酸系単量体=99/1〜30/70、より好ましくは、一般式(2)で表される不飽和単量体/一般式(3)で表される不飽和カルボン酸系単量体=95/5〜40/60である。一般式(2)で表される不飽和単量体と一般式(3)で表される不飽和カルボン酸系単量体との割合を上記範囲内に制御することによって、アリルアルコール以外のアルケニルアルコールのアルキレンオキシド付加体を収縮低減剤として適用した場合に、優れた収縮低減機能と優れた減水機能を併せ持ち、高濃度でも使用可能な、水硬性材料用添加剤組成物を提供できる。
単量体成分中の、一般式(2)で表される不飽和単量体と一般式(3)で表される不飽和カルボン酸系単量体との合計量の含有割合は、好ましくは50〜100質量%、より好ましくは70〜100質量%、さらに好ましくは90〜100質量%である。単量体成分中の、一般式(2)で表される不飽和単量体と一般式(3)で表される不飽和カルボン酸系単量体との合計量の含有割合を上記範囲内に制御することによって、アリルアルコール以外のアルケニルアルコールのアルキレンオキシド付加体を収縮低減剤として適用した場合に、優れた収縮低減機能と優れた減水機能を併せ持ち、高濃度でも使用可能な、水硬性材料用添加剤組成物を提供できる。
単量体成分の共重合の方法としては、任意の適切な方法を採用し得る。例えば、単量体成分と重合開始剤とを用いて、溶液重合や塊状重合などの任意の適切な重合方法により行うことができる。
重合開始剤としては、任意の適切な重合開始剤を使用し得る。例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩;過酸化水素;アゾビス−2メチルプロピオンアミジン塩酸塩、アゾイソブチロニトリル等のアゾ化合物;ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド等のパーオキシド;などが挙げられる。また、促進剤として、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、モール塩、ピロ重亜硫酸ナトリウム、ホルムアルデヒドナトリウムスルホキシレート、アスコルビン酸等の還元剤;エチレンジアミン、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、グリシン等のアミン化合物;などを重合開始剤と併用することもできる。これらの重合開始剤や促進剤は、それぞれ1種のみで用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
単量体成分の共重合においては、必要に応じて、連鎖移動剤も使用することができる。連鎖移動剤としては、任意の適切な連鎖移動剤を採用し得る。連鎖移動剤は、1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。連鎖移動剤としては、好ましくは、例えば、疎水性連鎖移動剤が挙げられる。
疎水性連鎖移動剤としては、炭素原子数が3以上の炭化水素基を有するチオール化合物または25℃の水に対する溶解度が10%以下の化合物が好ましい。例えば、ブタンチオール、オクタンチオール、デカンチオール、ドデカンチオール、ヘキサデカンチオール、オクタデカンチオール、シクロヘキシルメルカプタン、チオフェノール、チオグリコール酸オクチル、2−メルカプトプロピオン酸オクチル、3−メルカプトプロピオン酸オクチル、メルカプトプロピオン酸2−エチルヘキシルエステル、オクタン酸2−メルカプトエチルエステル、1,8−ジメルカプト−3,6−ジオキサオクタン、デカントリチオール、ドデシルメルカプタン等のチオール系連鎖移動剤;四塩化炭素、四臭化炭素、塩化メチレン、ブロモホルム、ブロモトリクロロエタン等のハロゲン化物;α−メチルスチレンダイマー、α−テルピネン、γ−テルピネン、ジペンテン、ターピノーレン等の不飽和炭化水素化合物;などが挙げられる。これらの中でも、炭素原子数が3以上の炭化水素基を有するチオール系化合物が好ましい。
疎水性連鎖移動剤は、必要に応じて、親水性連鎖移動剤と併用してもよい。親水性連鎖移動剤は、1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
親水性連鎖移動剤としては、任意の適切な親水性連鎖移動剤を採用し得る。例えば、メルカプトエタノール、チオグリセロール、チオグリコール酸、メルカプトプロピオン酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、チオリンゴ酸、2−メルカプトエタンスルホン酸等のチオール系連鎖移動剤;2−アミノプロパン−1−オール等の1級アルコール;イソプロパノール等の2級アルコール;亜リン酸、次亜リン酸、およびその塩(次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム等);亜硫酸、亜硫酸水素、亜二チオン酸、メタ重亜硫酸、およびその塩(亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜二チオン酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸水素カリウム、亜二チオン酸カリウム、メタ重亜硫酸カリウム等)の低級酸化物、およびその塩;などが挙げられる。
上記共重合を行う際に、連鎖移動剤を重合反応容器へ添加する方法としては、任意の適切な添加方法を採用し得る。例えば、滴下、分割投入等の連続投入方法を適用することができる。また、連鎖移動剤を単独で重合反応容器へ導入しても良く、単量体成分、溶媒等とあらかじめ混合しておいても良い。
上記共重合は、回分式でも連続式でも行うことができる。
上記共重合の際、任意の適切な溶媒を使用し得る。溶媒としては、例えば、水;メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類;ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘプタン等の芳香族又は脂肪族炭化水素類;酢酸エチル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;が挙げられる。溶媒は1種のみで用いても良いし、2種以上を併用しても良い。溶解性の点から、溶媒としては、水、炭素原子数1〜4の低級アルコールが好ましい。
上記共重合の際、単量体成分や重合開始剤等の重合反応容器への添加方法としては、任意の適切な方法を採用し得る。例えば、重合反応容器に単量体成分の全てを仕込み、重合開始剤を重合反応容器内に添加することによって共重合を行う方法;重合反応容器に単量体成分の一部を仕込み、重合開始剤と残りの単量体成分を重合反応容器内に添加することによって共重合を行う方法;重合反応容器に重合溶媒を仕込み、単量体成分と重合開始剤の全量を添加する方法;などが挙げられる。このような方法の中でも、重合開始剤と単量体成分を重合反応容器に逐次滴下する方法で共重合を行うことが好ましい。得られる重合体の分子量分布を狭く(シャープに)することができ、セメント組成物の流動性を高める作用であるセメント分散性を向上することができるからである。
上記共重合の際、重合反応容器内の水の濃度は、好ましくは0〜50質量%、より好ましくは0〜40質量%、さらに好ましくは0〜30質量%である。単量体成分の共重合性が向上して得られる重合体の保存安定性がより向上するからである。
上記共重合において、共重合温度等の共重合条件としては、用いられる共重合方法、溶媒、重合開始剤、連鎖移動剤等により適宜定められる。共重合温度としては、例えば、0〜150℃が好ましく、40〜120℃がより好ましく、50〜100℃がさらに好ましく、60〜85℃が特に好ましい。
上記共重合により得られる共重合体は、必要に応じて、アルカリ性物質で中和して用いてもよい。アルカリ性物質としては、一価金属及び二価金属の水酸化物、塩化物、および炭酸塩等の無機塩;アンモニア;有機アミン;などを用いることが好ましい。
上記共重合においては、一般式(3)で表される不飽和カルボン酸系単量体の中和率を0〜60mol%として単量体成分の共重合を行うことが好ましい。一般式(3)で表される不飽和カルボン酸系単量体の中和率は、一般式(3)で表される不飽和カルボン酸系単量体の全モル数を100mol%としたときに、塩を形成している一般式(3)で表される不飽和カルボン酸系単量体のmol%で表されることになる。一般式(3)で表される不飽和カルボン酸系単量体の中和率が60mol%を超えると、共重合工程における重合率が上がらず、得られる重合体の分子量が低下したり、製造効率が低下したりするおそれがある。より好ましくは0〜50mol%、さらに好ましくは0〜40mol、さらに好ましくは0〜30mol%、特に好ましくは0〜20mol%、最も好ましくは0〜10mol%である。
一般式(3)で表される不飽和カルボン酸系単量体の中和率を0〜60mol%として共重合を行う方法としては、例えば、全て酸型である一般式(3)で表される不飽和カルボン酸系単量体、すなわち全ての一般式(3)で表される不飽和カルボン酸系単量体おいてZが水素原子であるものを中和せずに共重合に付することにより行う方法や、一般式(3)で表される不飽和カルボン酸系単量体をアルカリ性物質によってナトリウム塩やアンモニウム塩等の塩の形態に中和するときに中和率を0〜60mol%としたものを共重合に付することにより行う方法が挙げられる。
一般式(2)で表される不飽和単量体および一般式(3)で表される不飽和カルボン酸系単量体を含む単量体成分を共重合して得られるポリカルボン酸系共重合体であるB成分の分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、「GPC」という)によるポリエチレングリコール換算での重量平均分子量(Mw)が、好ましくは500〜500000、より好ましくは1000〜300000、さらに好ましくは5000〜200000、特に好ましくは8000〜100000である。B成分の重量平均分子量(Mw)が500未満であると、本発明の水硬性材料用添加剤組成物の減水性能が低下するおそれがある。B成分の重量平均分子量(Mw)が500000を超えると、本発明の水硬性材料用添加剤組成物の減水性能、スランプロス防止能が低下するおそれがある。なお、本明細書中、重量平均分子量は、下記GPC測定条件により測定される値である。
〔GPC分子量測定条件〕
使用カラム:東ソー社製TSKguardcolumn SWXL+TSKge1 G4000SWXL+G3000SWXL+G2000SWXL
溶離液:水10999g、アセトニトリル6001gの混合溶媒に酢酸ナトリウム三水和物115.6gを溶かし、更に30%水酸化ナトリウム水溶液でpH6.0に調整した溶離液溶液を用いる。
打込み量:0.5%溶離液溶液100μL
溶離液流速:0.8mL/min
カラム温度:40℃
標準物質:ポリエチレングリコール、重量平均分子量(Mw)272500、219300、85000、46000、24000、12600、4250、7100、1470。
検量線次数:三次式
検出器:日本Waters社製 410 示差屈折検出器
解析ソフト:日本Waters社製 MILLENNIUM Ver.3.21
使用カラム:東ソー社製TSKguardcolumn SWXL+TSKge1 G4000SWXL+G3000SWXL+G2000SWXL
溶離液:水10999g、アセトニトリル6001gの混合溶媒に酢酸ナトリウム三水和物115.6gを溶かし、更に30%水酸化ナトリウム水溶液でpH6.0に調整した溶離液溶液を用いる。
打込み量:0.5%溶離液溶液100μL
溶離液流速:0.8mL/min
カラム温度:40℃
標準物質:ポリエチレングリコール、重量平均分子量(Mw)272500、219300、85000、46000、24000、12600、4250、7100、1470。
検量線次数:三次式
検出器:日本Waters社製 410 示差屈折検出器
解析ソフト:日本Waters社製 MILLENNIUM Ver.3.21
本発明の水硬性材料用添加剤組成物に制泡機能を付加する場合には、空気連行成分や消泡成分を含めても良い。空気連行成分としては、例えば、カルボン酸型(樹脂酸塩、脂肪酸塩)、硫酸エステル型(高級アルコール硫酸エステル塩)、スルホン酸型(アルキルベンゼンスルホン酸塩)、エーテル型・エステルエーテル型(ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル)が挙げられる。消泡成分としては、例えば、ポリエーテル系、脂肪酸・脂肪酸誘導体類、アルコール類が挙げられる。
本発明の水硬性材料用添加剤組成物の製造方法については、任意の適切な方法を採用し得る。例えば、各成分を適宜混合して製造することができる。各成分の混合方法として、A成分以外を調製した後、A成分を混入する方法が望ましいが、それ以外の混合順序であっても特に問題はない。
本発明の水硬性材料用添加剤組成物は、優れた収縮低減機能と優れた減水機能を併せ持つ。本発明の水硬性材料用添加剤組成物は、A成分及びB成分を高濃度に含有し、A成分及びB成分の経時安定性が優れており、分離沈殿することなく相溶性に優れ、水/セメント比の適用範囲が広く、水/セメント比(質量比)で、好ましくは60%〜15%のコンクリートまで製造が可能である。従って、汎用性が高く、種々の用途のセメント組成物に添加して用いることが可能である。
本発明の水硬性材料用添加剤組成物を用いたセメント組成物とは、好ましくは、セメント、細骨材、および水から成るモルタル、さらに粗骨材から成るコンクリート等のセメント組成物に、本発明の水硬性材料用添加剤組成物を所定の割合で添加したものである。
セメント組成物の製造に用いるセメントとしては、例えば、普通、低熱、中庸熱、早強、超早強、耐硫酸塩等のポルトランドセメント、高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメント、エコセメント、シリカヒュームセメントが挙げられる。また、セメント組成物中の粉体として、例えば、シリカヒューム、フライアッシュ、石灰石微粉末、高炉スラグ微粉末、膨張材、その他の鉱物質微粉末等が挙げられる。細骨材としては、例えば、川砂、山砂、海砂、砕砂、重量骨材、軽量骨材、スラグ骨材、再生骨材が挙げられる。粗骨材としては、例えば、川砂利、砕石、重量骨材、軽量骨材、スラグ骨材、再生骨材が挙げられる。水としては、例えば、JIS
A 5308付属書9に示される上水道水、上水道水以外の水(河川水、湖沼水、井戸水など)、回収水が挙げられる。
A 5308付属書9に示される上水道水、上水道水以外の水(河川水、湖沼水、井戸水など)、回収水が挙げられる。
コンクリート組成物中には、任意の適切な添加剤を加えても良い。例えば、硬化促進剤、凝結遅延剤、防錆剤、防水剤、防腐剤が挙げられる。
コンクリート組成物の製造方法、運搬方法、打設方法、養生方法、管理方法などについては、任意の適切な方法を採用し得る。
セメント組成物における、本発明の水硬性材料用添加剤組成物の添加量は、目的に応じて任意の適切な量を採用し得る。例えば、0.5〜6.0質量%とすることが好ましい。また、セメント組成物100容量部当たりのセメント容量が14容量%を超える場合は、好ましくは1.0〜6.0質量%、より好ましくは1.0〜5.0質量%とすることが好ましい。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例には限定されない。なお、特に明記しない限り、実施例における部および%は重量基準である。
〔製造例1〕
温度計、撹拌機、滴下装置、窒素導入管、および還流冷却装置を備えたガラス製反応容器に、水661.5gを仕込み、撹拌下に、反応装置内を窒素置換し、窒素雰囲気下で70℃まで加熱した。メトキシポリエチレングリコールモノアクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル数10)711.2g、メタクリル酸188.8g、水225g、および連鎖移動剤として3−メルカプトプロピオン酸12.0gを混合したモノマー水溶液を4時間かけて、ならびに、5.2%過硫酸アンモニウム水溶液200gを5時間かけて、反応容器に滴下し、5.2%過硫酸アンモニウム水溶液滴下終了後、さらに1時間引き続いて70℃に温度を維持し、重合反応を完結させ、30%水酸化ナトリウム水溶液でpH7.0まで中和して重量平均分子量17000の重合体水溶液(重合体1)を得た。
温度計、撹拌機、滴下装置、窒素導入管、および還流冷却装置を備えたガラス製反応容器に、水661.5gを仕込み、撹拌下に、反応装置内を窒素置換し、窒素雰囲気下で70℃まで加熱した。メトキシポリエチレングリコールモノアクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル数10)711.2g、メタクリル酸188.8g、水225g、および連鎖移動剤として3−メルカプトプロピオン酸12.0gを混合したモノマー水溶液を4時間かけて、ならびに、5.2%過硫酸アンモニウム水溶液200gを5時間かけて、反応容器に滴下し、5.2%過硫酸アンモニウム水溶液滴下終了後、さらに1時間引き続いて70℃に温度を維持し、重合反応を完結させ、30%水酸化ナトリウム水溶液でpH7.0まで中和して重量平均分子量17000の重合体水溶液(重合体1)を得た。
〔製造例2〕
温度計、撹拌機、滴下装置、窒素導入管、および還流冷却装置を備えたガラス製反応容器に、水200.2gを仕込み、撹拌下に、反応装置内を窒素置換し、窒素雰囲気下で80℃まで加熱した。メトキシポリエチレングリコールモノアクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル数25)225.2g、メタクリル酸44.8g、水450g、および連鎖移動剤として3−メルカプトプロピオン酸2.2gを混合したモノマー水溶液を4時間かけて、ならびに、5.2%過硫酸アンモニウム水溶液60gを5時間かけて、反応容器に滴下し、5.2%過硫酸アンモニウム水溶液滴下終了後、さらに1時間引き続いて80℃に温度を維持し、重合反応を完結させ、30%水酸化ナトリウム水溶液でpH7.0まで中和して重量平均分子量22600の重合体水溶液(重合体2)を得た。
温度計、撹拌機、滴下装置、窒素導入管、および還流冷却装置を備えたガラス製反応容器に、水200.2gを仕込み、撹拌下に、反応装置内を窒素置換し、窒素雰囲気下で80℃まで加熱した。メトキシポリエチレングリコールモノアクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル数25)225.2g、メタクリル酸44.8g、水450g、および連鎖移動剤として3−メルカプトプロピオン酸2.2gを混合したモノマー水溶液を4時間かけて、ならびに、5.2%過硫酸アンモニウム水溶液60gを5時間かけて、反応容器に滴下し、5.2%過硫酸アンモニウム水溶液滴下終了後、さらに1時間引き続いて80℃に温度を維持し、重合反応を完結させ、30%水酸化ナトリウム水溶液でpH7.0まで中和して重量平均分子量22600の重合体水溶液(重合体2)を得た。
〔製造例3〕
温度計、撹拌機、滴下装置、窒素導入管、および還流冷却装置を備えたガラス製反応容器に、3−メチル−3−ブテン−1−オールのエチレンオキシド付加体(平均付加モル数35)150.0g、マレイン酸19.2g、水72.6gを仕込み、撹拌下に、反応装置内を窒素置換し、窒素雰囲気下で60℃まで加熱した。6%過硫酸アンモニウム水溶液42.9gを3時間かけて、反応容器に滴下し、6%過硫酸アンモニウム水溶液滴下終了後、さらに1時間引き続いて60℃に温度を維持し、重合反応を完結させ、重量平均分子量33400の重合体水溶液(重合体3)を得た。
温度計、撹拌機、滴下装置、窒素導入管、および還流冷却装置を備えたガラス製反応容器に、3−メチル−3−ブテン−1−オールのエチレンオキシド付加体(平均付加モル数35)150.0g、マレイン酸19.2g、水72.6gを仕込み、撹拌下に、反応装置内を窒素置換し、窒素雰囲気下で60℃まで加熱した。6%過硫酸アンモニウム水溶液42.9gを3時間かけて、反応容器に滴下し、6%過硫酸アンモニウム水溶液滴下終了後、さらに1時間引き続いて60℃に温度を維持し、重合反応を完結させ、重量平均分子量33400の重合体水溶液(重合体3)を得た。
〔製造例4〕
温度計、撹拌機、滴下装置、窒素導入管、および還流冷却装置を備えたガラス製反応容器に、3−メチル−3−ブテン−1−オールのエチレンオキシド付加体(平均付加モル数50)149.3g、水76.9gを仕込み、撹拌下に、反応装置内を窒素置換し、窒素雰囲気下で60℃まで加熱し、過酸化水素0.23gと水11.7gを含む過酸化水素水溶液を添加した。次に、アクリル酸20.2gを1時間かけて、ならびに、水40.7gにL−アスコルビン酸0.3g、3−メルカプトプロピオン酸0.8gwp溶解させた水溶液を3.5時間かけて、反応容器に滴下した。滴下終了後、さらに1時間引き続いて60℃に温度を維持し、重合反応を完結させ、30%水酸化ナトリウム水溶液でpH6.5まで中和して重量平均分子量37000の重合体水溶液(重合体4)を得た。
温度計、撹拌機、滴下装置、窒素導入管、および還流冷却装置を備えたガラス製反応容器に、3−メチル−3−ブテン−1−オールのエチレンオキシド付加体(平均付加モル数50)149.3g、水76.9gを仕込み、撹拌下に、反応装置内を窒素置換し、窒素雰囲気下で60℃まで加熱し、過酸化水素0.23gと水11.7gを含む過酸化水素水溶液を添加した。次に、アクリル酸20.2gを1時間かけて、ならびに、水40.7gにL−アスコルビン酸0.3g、3−メルカプトプロピオン酸0.8gwp溶解させた水溶液を3.5時間かけて、反応容器に滴下した。滴下終了後、さらに1時間引き続いて60℃に温度を維持し、重合反応を完結させ、30%水酸化ナトリウム水溶液でpH6.5まで中和して重量平均分子量37000の重合体水溶液(重合体4)を得た。
〔実施例1〜6、比較例1〜6〕
表2、3に示すように、A成分として表1に示すA−1〜A−3のいずれかを用いるかいずれも用いないで、B成分として製造例1〜4で得られた重合体1〜重合体4のいずれかを用い、質量比でA成分/B成分/水=45/15/40(ただし、A成分およびB成分は固形分換算)となるように混合して試験液を調製し、相溶性評価、モルタル評価を行った。結果を表2、3に示す。なお、相溶性評価、モルタル評価は以下のように行った。
表2、3に示すように、A成分として表1に示すA−1〜A−3のいずれかを用いるかいずれも用いないで、B成分として製造例1〜4で得られた重合体1〜重合体4のいずれかを用い、質量比でA成分/B成分/水=45/15/40(ただし、A成分およびB成分は固形分換算)となるように混合して試験液を調製し、相溶性評価、モルタル評価を行った。結果を表2、3に示す。なお、相溶性評価、モルタル評価は以下のように行った。
(相溶性評価)
試験液の一部を100mlのガラス製容器に入れ、温度20℃で保管し、目視で確認した。
○:浮遊物、沈殿物、分離が見られない。
×:浮遊物、沈殿物、分離の少なくとも1つが見られる。
試験液の一部を100mlのガラス製容器に入れ、温度20℃で保管し、目視で確認した。
○:浮遊物、沈殿物、分離が見られない。
×:浮遊物、沈殿物、分離の少なくとも1つが見られる。
(モルタル評価)
1.モルタルの配合
モルタルの配合は以下の通りに行った。
普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製) 814g
試験液を含む水(表2、3に示す所定量の試験液を含む) 407g
セメント強さ試験用標準砂(セメント協会) 1350g
豊浦標準砂 723g
2.モルタルの混練
ホバート型モルタルミキサー(ホバート社製、型番:N−50)を用いた。撹拌速度は1速で行った。普通ポルトランドセメントを5秒間空練りし、撹拌下で15秒間かけて試験液を含む水を投入し、さらに10秒間撹拌した後停止した。停止後、30秒間かけてセメント強さ試験用標準砂および豊浦標準砂を投入し、60秒間撹拌した後停止し、20秒間かけて掻落しを行った。掻落し後、120秒間撹拌することにより評価用のモルタルを得た。
3.スランプ値の調整
試験液の添加量は、モルタルのスランプ値が8±1cmになるように調整した。
4.モルタル空気量
モルタル空気量は、試験液を添加しないモルタル(基準モルタル)の空気量が6±2vol%となるように、必要に応じて消泡剤(ポリアルキレングリコール誘導体)を使用して調整した。モルタル空気量の測定は、500mlメスシリンダーを用い、JIS A1174(まだ固まらないポリマーセメントモルタルの単位容積質量試験方法及び空気量の質量による試験方法(質量方法))に準拠して実施した。
5.乾燥収縮低減性の評価
モルタルの混練を上記2と同様に実施した。次に、乾燥収縮低減性評価用のモルタル供試体(4×4×16cm)の作成を、JIS A1129に従って実施した。型枠には予めシリコングリースを塗布して止水すると共に容易に脱型できるようにした。また、供試体の両端にはゲージプラグを装着した。混練して得られたモルタルを流し込んだ型枠を容器に入れ、密閉し、20℃で保管し、初期養生を行った。1日後に脱型し、供試体に付着したシリコングリースを、たわしを用いて水で洗浄し、続いて、20℃の静水中で6日間養生(水中養生)した。JIS A1129に従い、ダイヤルゲージ((株)西日本試験機製)を使用し、静水中で6日間養生した供試体の表面の水を紙タオルで拭き取った後、直ちに測長し、この時点の長さを基準とした。その後、温度20℃、湿度60%に設定した恒温恒湿室内に保存し、適時測長した。
1.モルタルの配合
モルタルの配合は以下の通りに行った。
普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製) 814g
試験液を含む水(表2、3に示す所定量の試験液を含む) 407g
セメント強さ試験用標準砂(セメント協会) 1350g
豊浦標準砂 723g
2.モルタルの混練
ホバート型モルタルミキサー(ホバート社製、型番:N−50)を用いた。撹拌速度は1速で行った。普通ポルトランドセメントを5秒間空練りし、撹拌下で15秒間かけて試験液を含む水を投入し、さらに10秒間撹拌した後停止した。停止後、30秒間かけてセメント強さ試験用標準砂および豊浦標準砂を投入し、60秒間撹拌した後停止し、20秒間かけて掻落しを行った。掻落し後、120秒間撹拌することにより評価用のモルタルを得た。
3.スランプ値の調整
試験液の添加量は、モルタルのスランプ値が8±1cmになるように調整した。
4.モルタル空気量
モルタル空気量は、試験液を添加しないモルタル(基準モルタル)の空気量が6±2vol%となるように、必要に応じて消泡剤(ポリアルキレングリコール誘導体)を使用して調整した。モルタル空気量の測定は、500mlメスシリンダーを用い、JIS A1174(まだ固まらないポリマーセメントモルタルの単位容積質量試験方法及び空気量の質量による試験方法(質量方法))に準拠して実施した。
5.乾燥収縮低減性の評価
モルタルの混練を上記2と同様に実施した。次に、乾燥収縮低減性評価用のモルタル供試体(4×4×16cm)の作成を、JIS A1129に従って実施した。型枠には予めシリコングリースを塗布して止水すると共に容易に脱型できるようにした。また、供試体の両端にはゲージプラグを装着した。混練して得られたモルタルを流し込んだ型枠を容器に入れ、密閉し、20℃で保管し、初期養生を行った。1日後に脱型し、供試体に付着したシリコングリースを、たわしを用いて水で洗浄し、続いて、20℃の静水中で6日間養生(水中養生)した。JIS A1129に従い、ダイヤルゲージ((株)西日本試験機製)を使用し、静水中で6日間養生した供試体の表面の水を紙タオルで拭き取った後、直ちに測長し、この時点の長さを基準とした。その後、温度20℃、湿度60%に設定した恒温恒湿室内に保存し、適時測長した。
本発明の水硬性材料用添加剤組成物は、優れた収縮低減機能と優れた減水機能を有するので、セメント用の添加剤として有用である。
Claims (4)
- 下記A成分およびB成分を含有し、該A成分と該B成分の比率が質量比でA成分/B成分=99/1〜40/60である、水硬性材料用添加剤組成物。
A成分:一般式(1)で表される化合物。
B成分:一般式(2)で表される不飽和単量体および一般式(3)で表される不飽和カルボン酸系単量体を含む単量体成分を共重合して得られるポリカルボン酸系共重合体。
- 前記一般式(1)中、xが2〜20である、請求項1に記載の水硬性材料用添加剤組成物。
- 前記一般式(1)中、A1Oが炭素原子数2〜4のオキシアルキレン基である、請求項1または2に記載の水硬性材料用添加剤組成物。
- 前記一般式(1)中、R1が炭素原子数4または5のアルケニル基である、請求項1から3までのいずれかに記載の水硬性材料用添加剤組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008114994A JP2009263167A (ja) | 2008-04-25 | 2008-04-25 | 水硬性材料用添加剤組成物 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008114994A JP2009263167A (ja) | 2008-04-25 | 2008-04-25 | 水硬性材料用添加剤組成物 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012184129A (ja) * | 2011-03-04 | 2012-09-27 | Sumitomo Osaka Cement Co Ltd | セメント組成物 |
WO2016052652A1 (ja) * | 2014-09-30 | 2016-04-07 | 株式会社日本触媒 | 水硬性材料用収縮低減剤 |
JP2019151505A (ja) * | 2018-03-01 | 2019-09-12 | 竹本油脂株式会社 | セメント用混和剤及びセメント組成物 |
JP2020093961A (ja) * | 2018-12-14 | 2020-06-18 | 株式会社日本触媒 | 水硬性材料用組成物 |
-
2008
- 2008-04-25 JP JP2008114994A patent/JP2009263167A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012184129A (ja) * | 2011-03-04 | 2012-09-27 | Sumitomo Osaka Cement Co Ltd | セメント組成物 |
WO2016052652A1 (ja) * | 2014-09-30 | 2016-04-07 | 株式会社日本触媒 | 水硬性材料用収縮低減剤 |
JPWO2016052652A1 (ja) * | 2014-09-30 | 2017-05-25 | 株式会社日本触媒 | 水硬性材料用収縮低減剤 |
EP3202742A4 (en) * | 2014-09-30 | 2018-09-12 | Nippon Shokubai Co., Ltd. | Shrinkage-reducing agent for hydraulic material |
US10227258B2 (en) | 2014-09-30 | 2019-03-12 | Nippon Shokubai Co., Ltd. | Shrinkage-reducing agent for hydraulic material |
JP2019151505A (ja) * | 2018-03-01 | 2019-09-12 | 竹本油脂株式会社 | セメント用混和剤及びセメント組成物 |
JP7012354B2 (ja) | 2018-03-01 | 2022-02-14 | 竹本油脂株式会社 | セメント用混和剤及びセメント組成物 |
JP2020093961A (ja) * | 2018-12-14 | 2020-06-18 | 株式会社日本触媒 | 水硬性材料用組成物 |
JP7144304B2 (ja) | 2018-12-14 | 2022-09-29 | 株式会社日本触媒 | 水硬性材料用組成物 |
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