JP2019151505A - セメント用混和剤及びセメント組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
共重合体(A):構成単位(1)と構成単位(2)を含み、構成単位(1)及び構成単位(2)の合計を100質量%とした場合に構成単位(1)を71〜90質量%、構成単位(2)を10〜29質量%の割合で含み、ゲルパーミエーションクロマトグラフで測定したポリエチレングリコール換算の質量平均分子量が5000〜30000であるポリカルボン酸系共重合体。
構成単位(1):下記の式1で示される単量体から選ばれる一つ又は二つ以上から形成される構成単位
構成単位(2):不飽和カルボン酸及び/又はその塩から形成される構成単位であり、不飽和カルボン酸及び/又はその塩の80〜100モル%が(メタ)アクリル酸及び/又はその塩から選ばれる一つ又は二つ以上から形成される構成単位
化合物(B):下記の式2で示されるポリオキシアルキレン系化合物から選ばれる一つ又は二つ以上のポリオキシアルキレン系化合物。
R5O−(A2O)m−R6 (2)
(式2において、R5は水素原子、炭素数1〜8のアルキル基または炭素数2〜5のアルケニル基を表し、R6は水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜5のアルケニル基を表す。A2Oは炭素数2又は3のオキシアルキレン基を表す。mはA2Oの平均付加モル数であり、1〜10の数を表す。)
構成単位(3):アルキル基の炭素数が1〜4である(ヒドロキシ)アルキル(メタ)アクリレートから選ばれる1種または2種以上から形成される構成単位
R5O−(A2O)m−R6 (2)
・共重合体(A−1)の合成
蒸留水297gを反応容器に仕込み、雰囲気を窒素置換し、窒素雰囲気下にて反応系の温度を60℃に保持した。次に蒸留水87g、メタクリル酸92.9g、α−メトキシ−ω−メタクリロイル−ポリ(n=45)オキシエチレン275g、アクリル酸メチル3.7g、及び3−メルカプトプロピオン酸5.6gを均一混合し、単量体混合物水溶液を調整した。この単量体混合物水溶液と10%過硫酸ナトリウム水溶液24gとを4時間かけて反応容器に同時に滴下してラジカル共重合反応を行い、更に、10%過硫酸ナトリウム水溶液6gを1時間かけて滴下して反応を行った。その後、反応系の温度を60℃に保持して1時間、ラジカル共重合反応を行った。次いで、反応系を室温まで冷却した後、水酸化ナトリウム水溶液を加えて、pH6に調整し、蒸留水にて濃度を40%に調整して反応混合物を得た。この反応混合物をGPCにて分析したところ、質量平均分子量18000であった。この反応混合物を共重合体(A−1)とした。
共重合体(A−2)、(A−4)〜(A−6)、(R−1)〜(R−3)においても、同様の手順で合成を行った。
蒸留水250g、α−(3−メチル−3−ブテニル)−ω−ヒドロキシ−ポリ(n=50)オキシエチレン295gを温度計、撹拌機、滴下ロート、窒素導入管を備えた反応容器(以下、同様のものを使用した)に仕込み、攪拌しながら均一に溶解した後、雰囲気を窒素置換し、反応系の温度を温水浴にて65℃に保持した。次に、1%過酸化水素水16gを3時間かけて滴下し、それと同時にイオン交換水80gにアクリル酸71gおよびアクリル酸メチル7.5gを均一に溶解させた水溶液を3時間かけて滴下し、それと同時にイオン交換水14gにL−アスコルビン酸2gとチオグリコール酸4gを溶解させた水溶液を4時間かけて滴下した。その後、2時間、反応系の温度を65℃に維持し、重合反応を終了した。その後、反応系に30%水酸化ナトリウム水溶液を加えて、pH5に調整し、イオン交換水にて濃度を40%に調整して反応混合物を得た。この反応混合物をGPCにて分析したところ、質量平均分子量14000であった。この反応物を共重合体(A−3)とした。
装置:Shodex GPC−101
カラム:OHpak SB−G+SB−806M HQ+SB−806M HQ
検出器:示差屈折計(RI)
溶離液:50mM硝酸ナトリウム水溶液
流量:0.7mL/分
カラム温度:40℃
試料濃度:0.5質量%の溶離液溶液
標準物質:ポリエチレングリコール
M−1:α−メタクリロイル−ω−メトキシ−ポリ(n=45)オキシエチレン
M−2:α−メタクリロイル−ω−メトキシ−ポリ(n=68)オキシエチレン
M−3:α−(3−メチル−3−ブテニル)−ω−ヒドロキシ−ポリ(n=50)オキシエチレン
M−4:α−メタクリロイル−ω−ヒドロキシ−ポリ(n=43)オキシエチレンポリ(m=2)オキシプロピレン
M−5:α−メタクリロイル−ω−メトキシ−ポリ(n=23)オキシエチレン
M−6:α−メタクリロイル−ω−メトキシ−ポリ(n=110)オキシエチレン
C−1:メタクリル酸
C−2:アクリル酸
E−1:アクリル酸メチル
E−2:ヒドロキシエチルアクリレート
E−3:メチルメタクリレート
E−4:ブチルアクリレート
S−1:メタリルスルホン酸ナトリウム
・セメント用混和剤(P−1〜P−17)の調製
表2に記載の配合条件で、共重合体(A)(ポリカルボン酸系共重合体)と化合物(B)(ポリオキシアルキレン系化合物)を混合してセメント用混和剤を調製した。
BE2:ジエチレングリコールモノブチルエーテル
BE3:トリエチレングリコールモノブチルエーテル
PE2:ジグリコールモノプロピルエーテル
BP2:ジプロピレングリコールモノブチルエーテル
BE2P2:ジエチレングリコールジプロピレングリコールモノブチルエーテル
BE6:ヘキサプロピレングリコールモノブチルエーテル
・実施例1〜14及び比較例1〜7(超高強度コンクリート組成物の調製)
表3に記載の配合条件で、表4に記載した各試験例の超高強度コンクリート組成物を以下のように調製した。100Lの二軸型強制練りミキサーにシリカフュームセメント(宇部三菱社製、比重=3.08、ブレーン値5600)、シリカフューム微粉末(エルケム社製の商品名マイクロシリカ940U、比重=2.20)及び細骨材(大井川水系砂、比重=2.58)を順次投入して15秒間空練りした後、表2記載のセメント用混和剤を、また結合材100重量部当たり0.05質量部の割合となるよう脂肪族ポリエーテル系消泡剤(竹本油脂社製の商品名AFK−2)を、練り混ぜ水と共に投入し、配合条件1では5分間、配合条件2では3分間練り混ぜた。その後、粗骨材(岡崎産砕石、比重=2.68)を投入し、5分間練り混ぜた。その後、5分間ミキサー内で静置後、更に1分練り混ぜた後に排出し、スランプフローを測定した。配合条件1ではセメント混和剤の使用量を調整して目標スランプフローが70±3cmとなるようにした。配合条件2ではセメント混和剤の使用量を調整して目標スランプフローが65±3cmとなるようにした。空気量はすべてにおいて3%以下となった。
調製した各例のセメント組成物について、粘性(スランプフロー50cm到達時間)、練り混ぜ直後のスランプフロー、流動保持性(練り混ぜ直後のスランプフローと練り混ぜ直後から30分後のスランプフローの差)、また練り混ぜ直後の空気量、更に硬化体の自己収縮ひずみ及び圧縮強度を下記のように求めた。結果を表4にまとめて示した。
配合条件1の場合:
スランプフロー50cm到達時間
◎:20秒未満
○:20秒以上30秒未満
△:30秒以上40秒未満
×:40秒以上
配合条件2の場合:
スランプフロー50cm到達時間
◎:15秒未満
○:15秒以上20秒未満
△:20秒以上25秒未満
×:25秒以上
・スランプフロー:JIS−A1150に準拠して測定した。
・空気量:JIS−A1128に準拠して測定した。
・流動保持性:コンクリートのミキサー排出直後を0分とし、30分後に測定したときのスランプフローについて以下の基準で判断した。
0分と30分の絶対値としてスランプフロー差:
○:5cm未満
△:5cm以上10cm未満
×:10cm以上
・自己収縮ひずみ:各例の超高強度コンクリート組成物を硬化させた材齢28日の硬化体について、日本コンクリート工学協会の自己収縮研究委員会報告書の「コンクリートの自己収縮応力試験方法(案)」に準拠して測定した。材齢は、凝結時間の始発を出発時間とした。ひずみの測定は埋め込み型ひずみゲージを用いて測定し、凝結始発以後のひずみ変化を自己収縮ひずみとした。尚、自己収縮ひずみの数値が小さいほど、自己収縮が小さいことを示す。一般に、水/結合材比の小さい超高強度コンクリート組成物ほど自己収縮ひずみが大きくなる傾向があるため、自己収縮ひずみは水/結合材比が同じ超高強度コンクリート組成物間で比較する必要がある。
・圧縮強度:各例の超高強度コンクリート組成物を硬化させた材齢28日の硬化体について、JIS−A1108に準拠して測定した。尚、圧縮強度は、配合条件1、配合条件2のそれぞれにおいて、次の基準で評価した。
配合条件1の場合:
圧縮強度:
◎:155N/mm2以上
○:150N/mm2以上155N/mm2未満
△:145N/mm2以上150N/mm2未満
×:145N/mm2未満
配合条件2の場合:
圧縮強度:
◎:135N/mm2以上
○:130N/mm2以上135N/mm2未満
△:125N/mm2以上130N/mm2未満
×:125N/mm2未満
実施例1〜14においては、共重合体(A)及び化合物(B)を含むセメント用混和剤を使用することにより、比較例1〜7に比して、粘性、流動保持性、圧縮強度のいずれにおいても優れた値を示すことが確認された。
Claims (13)
- 下記共重合体(A)と下記化合物(B)とを含有するセメント用混和剤。
共重合体(A):構成単位(1)と構成単位(2)を含み、構成単位(1)及び構成単位(2)の合計を100質量%とした場合に構成単位(1)を71〜90質量%、構成単位(2)を10〜29質量%の割合で含み、ゲルパーミエーションクロマトグラフで測定したポリエチレングリコール換算の質量平均分子量が5000〜30000であるポリカルボン酸系共重合体。
構成単位(1):下記の式1で示される単量体から選ばれる一つ又は二つ以上から形成される構成単位
構成単位(2):不飽和カルボン酸及び/又はその塩から形成される構成単位であり、不飽和カルボン酸及び/又はその塩の80〜100モル%が(メタ)アクリル酸及び/又はその塩から選ばれる一つ又は二つ以上から形成される構成単位
化合物(B):下記の式2で示されるポリオキシアルキレン系化合物から選ばれる一つ又は二つ以上のポリオキシアルキレン系化合物。
R5O−(A2O)m−R6 (2)
(式2において、R5は水素原子、炭素数1〜8のアルキル基または炭素数2〜5のアルケニル基を表し、R6は水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜5のアルケニル基を表す。A2Oは炭素数2又は3のオキシアルキレン基を表す。mはA2Oの平均付加モル数であり、1〜10の数を表す。) - 共重合体(A)と化合物(B)の質量比率が共重合体(A)/化合物(B)=80/20〜20/80である請求項1記載のセメント用混和剤。
- 共重合体(A)と化合物(B)の質量比率が共重合体(A)/化合物(B)=70/30〜30/70である請求項1記載のセメント用混和剤。
- 共重合体(A)の質量平均分子量が10000〜25000である請求項1〜3のいずれか1項に記載のセメント用混和剤。
- nが30〜75である請求項1〜4のいずれか1項に記載のセメント用混和剤。
- 共重合体(A)が、更に下記の構成単位(3)を含む請求項1〜5のいずれか1項に記載のセメント用混和剤。
構成単位(3):アルキル基の炭素数が1〜4である(ヒドロキシ)アルキル(メタ)アクリレートから選ばれる1種または2種以上から形成される構成単位 - 共重合体(A)が全構成単位中に、構成単位(1)を75〜84質量%、構成単位(2)を15〜24質量%及び構成単位(3)を0.5〜3質量%の割合で含む請求項6記載のセメント用混和剤。
- mが1〜4である請求項1〜7のいずれか1項に記載のセメント用混和剤。
- R5がブチル基である請求項1〜8のいずれか1項に記載のセメント用混和剤。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載のセメント用混和剤を含有するセメント組成物。
- 結合材がシリカフュームを含有する請求項10に記載のセメント組成物。
- 水/結合材比が0.05以上0.20未満(質量比)である請求項10又は11に記載のセメント組成物。
- 水/結合材比が0.12超0.20未満(質量比)である請求項10又は11に記載のセメント組成物。
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