JP7274145B2 - 無収縮コンクリート組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、無収縮コンクリート組成物に関する。更に詳細には、本発明は、材料分離抵抗性を付与することで、普通強度レベルの通常のセメント量においても中流動コンクリートや高流動コンクリートのような流動性の高いコンクリート組成物を得ることができ、得られる硬化体が実質的に無収縮である無収縮コンクリート組成物に関する。
従来、得られる硬化体の乾燥収縮率を抑えたAEコンクリートの調製方法として、多機能混和剤及び空気量調節剤とを使用する方法が提案されている(特許文献1)。
特開2014-201478号公報
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、普通強度レベルの通常のセメント量においては、中流動コンクリートや高流動コンクリートのような流動性の高いコンクリートを作製することができないという問題がある。
従って、本発明が解決しようとする課題は、材料分離抵抗性を付与することで、普通強度レベルの通常のセメント量においても、中流動コンクリートや高流動コンクリートのような流動性の高いコンクリート組成物を得ることができると共に、得られる硬化体が実質的に無収縮である無収縮コンクリート組成物を提供することにある。
本発明者らは、前記の課題を解決すべく研究した結果、結合材、細骨材、粗骨材、膨張材、混和剤及び水を含有する無収縮コンクリート組成物であって、粗骨材が石灰砕石であり、混和剤が特定のものであるものが好適であることを見出した。本発明によれば、以下の無収縮コンクリート組成物が提供される。
[1] 結合材、細骨材、粗骨材、膨張材、混和剤及び水を含有する無収縮コンクリート組成物であって、前記粗骨材が石灰砕石であり、且つ、前記混和剤が下記のA成分と、下記のB成分と、下記のC成分とを含有し、
前記混和剤が、A成分を1~20質量%、B成分を5~50質量%、C成分を25~80質量%、及び水を14~69質量%の割合で含有し、
前記混和剤を、前記結合材100質量部に対し、A成分、B成分及びC成分の合計として0.1~5.0質量部の割合で含有し、
スランプフローが350~750mmである、無収縮コンクリート組成物。
A成分:分子中に下記の構成単位1及び構成単位2を有し、かつ、構成単位1及び構成単位2の合計100質量%に対し、構成単位1を1~99質量%及び構成単位2を1~99質量%の割合で含有する水溶性ビニル共重合体;
構成単位1:下記の単量体1から形成された構成単位、
構成単位2:分子中にビニル基を有するカルボン酸単量体から形成された構成単位、
単量体1:下記の式(1)で示される化合物:
Figure 0007274145000001
(式(1)中、R、R及びRは同一又は異なり、水素原子、メチル基及び-(CHCOOMで示される有機基(但し、R、R及びRのうちの少なくとも1つは水素原子又はメチル基を表す)から選ばれる少なくとも1種を表し、Rは水素原子又は炭素数1~20の炭化水素基を表し、ROは炭素数2~4のオキシアルキレン基の1種又は2種以上を表し、pは0~5の整数を表し、qは0又は1を表し、mは1~300の整数を表し、rは0~2の整数を表し、Mは水素原子又は金属原子を表す。)
B成分:下記の式(2)で示されるポリオキシアルキレン化合物
Figure 0007274145000002
(式(2)中、Rは炭素数6~25の芳香族炭化水素基及びフェノール性の2個の水酸基を有する化合物から前記2個の水酸基を除いた残基を表し、X、Yはそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1~22のアルキル基を表し、OR、ROはそれぞれ独立に、炭素数2~4のオキシアルキレン基を表し、a、bは1~299の整数であって、かつ、a+b=60~300を満足する整数を表す。)
C成分:下記の式(3)で示されるポリオキシアルキレン化合物
Figure 0007274145000003
(式(3)中、Rは炭素数3~5のアルキル基を表し、R10Oは炭素数2~4のオキシアルキレン基の1種又は2種以上を表し、cは1~6の整数を表す。)
[2] 前記式(3)において、Rが炭素数4のアルキル基、R10Oが炭素数2~3のオキシアルキレン基、cが1~4の整数である前記[1]に記載の無収縮コンクリート組成物。
[3] 前記式(2)において、Rが下記式(4)で示されるビス(4-ヒドロキシフェニル)骨格を有する基である前記[1]又は[2]に記載の無収縮コンクリート組成物。
Figure 0007274145000004
(式(4)中、Zは、炭素数1~13の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基、又は、スルホニル基を表す。)
[4] 前記式(2)において、Rが2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、又は、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホンから2個の水酸基を除いた残基である前記[1]~[3]のいずれかに記載の無収縮コンクリート組成物。
[5] 前記膨張材を単位量10~50kg/mとなる割合で使用した前記[1]~[4]のいずれかに記載の無収縮コンクリート組成物。
[6] 水結合材比が30~70%である前記[1]~[5]のいずれかに記載の無収縮コンクリート組成物。
(削除)
(削除)
本発明の無収縮コンクリート組成物によれば、材料分離抵抗性を付与することで、普通強度レベルの通常のセメント量においても、中流動コンクリートや高流動コンクリートのような流動性の高いコンクリート組成物が得られると共に、得られる硬化体を実質的に無収縮とすることができるという効果がある。
以下、本発明の実施形態について説明する。しかし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。したがって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施形態に対し適宜変更、改良等が加えられ得ることが理解されるべきである。なお、以下の実施例等において、別に記載しない限り、%は質量%を、また部は質量部を意味する。
本実施形態の無収縮コンクリート組成物は、結合材、細骨材、粗骨材、膨張材、混和剤及び水を含有する。
本実施形態の無収縮コンクリート組成物に供する結合材は、少なくともセメントを使用したものであるが、セメントを単独で使用してもよく、また、セメントと微粉末混和材料を併用してもよい。このようなセメントとしては、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント等の各種ポルトランドセメント、高炉セメント、フライアッシュセメント、シリカフュームセメント等の各種混合セメントが挙げられる。また、微粉末混和材料としては、高炉スラグ微粉末、シリカフューム、フライアッシュ、石灰石微粉末、石粉等が挙げられる。
本実施形態の無収縮コンクリート組成物に供する細骨材としては、川砂、山砂、陸砂、珪砂、砕砂、石灰砕砂、高炉スラグ細骨材などが挙げられる。
本実施形態の無収縮コンクリート組成物に供する粗骨材は、石灰砕石である。石灰砕石は、その化学成分としてCaOを40質量%以上及びMgOを10質量%以下の割合で含有するものが好ましく、CaOを45質量%以上及びMgOを5質量%以下の割合で含有するものがより好ましく、CaOを50質量%以上及びMgOを2質量%以下の割合で含有するものが更に好ましい。石灰砕石は、調製する無収縮コンクリート組成物中において、その単位量が700~1100kg/mとなる範囲で使用するのが好ましく、750~1000kg/mとなる範囲で使用するのがより好ましい。
本実施形態の無収縮コンクリート組成物に供する膨張材は、特に制限されないが、石灰系膨張材、カルシウムスルホアルミネート(以下、CSAと略す)/石灰複合系膨張材等の市販のもの、例えば、3CaO・3Al・CaSO、CaO及びCaSOの三成分を含有するもの等が挙げられる。これらの石灰系膨張材やCSA/石灰複合系膨張材を使用すると、得られる硬化体が膨張するのは、このような膨張材がセメントとの水和反応によりエトリンガイト及び水酸化カルシウムを生成し、これらの水和物により硬化体中で膨張するためとされている。本実施形態の無収縮コンクリート組成物において、他の材料との組み合わせによる相乗効果の観点から、膨張材としては石灰系膨張材が好ましい。本実施形態の無収縮コンクリート組成物において、このような膨張材は、単位量が10~50kg/mとなる割合で使用するのが好ましく、10~30kg/mとなる割合で使用するのがより好ましい。
本実施形態の無収縮コンクリート組成物に供する混和剤は、A成分と、B成分と、C成分とを含有する。
混和剤に供するA成分は、分子中に構成単位1及び構成単位2を有する水溶性ビニル共重合体である。
構成単位1は、単量体1から形成される。単量体1は、下記式(1)で表される化合物である。
Figure 0007274145000005
式(1)において、R、R及びRは同一又は異なり、水素原子、メチル基及び-(CHCOOMで示される有機基から選ばれる少なくとも1種である。R、R及びRのうちの少なくとも1つは水素原子又はメチル基である。Rは水素原子又は炭素数1~20の炭化水素基である。このような炭化水素基として、メチル基、エチル基、プロピル基、及びブチル基等が挙げられる。ROは炭素数2~4のオキシアルキレン基の1種又は2種以上である。このようなオキシアルキレン基として、オキシエチレン基、オキシプロピレン基等が挙げられる。2種以上のオキシアルキレン基の場合、ランダム付加、ブロック付加、交互付加等のいずれの付加形態であってもよい。pは0~5の整数である。qは0又は1である。mは1~300の整数である。rは0~2の整数である。Mは水素原子又は金属原子である。
このような単量体1としては、例えば、α-ビニル-ω-ヒドロキシ-(ポリ)オキシエチレン、α-ビニル-ω-ヒドロキシ-(ポリ)オキシブチレン(ポリ)オキシエチレン、α-アリル-ω-メトキシ-(ポリ)オキシエチレン、α-アリル-ω-メトキシ-(ポリ)オキシエチレン(ポリ)オキシプロピレン、α-アリル-ω-ヒドロキシ-(ポリ)オキシエチレン、α-アリル-ω-ヒドロキシ-(ポリ)オキシエチレン(ポリ)オキシプロピレン、α-メタリル-ω-ヒドロキシ-(ポリ)オキシエチレン、α-メタリル-ω-メトキシ-(ポリ)オキシエチレン、α-メタリル-ω-ヒドロキシ-(ポリ)オキシエチレン(ポリ)オキシプロピレン、α-(3-メチル-3-ブテニル)-ω-ヒドロキシ-(ポリ)オキシエチレン、α-(3-メチル-3-ブテニル)-ω-ブトキシ-(ポリ)オキシエチレン、α-(3-メチル-3-ブテニル)-ω-ヒドロキシ-(ポリ)オキシエチレン(ポリ)オキシプロピレン、α-アクリロイル-ω-ヒドロキシ-(ポリ)オキシエチレン、α-アクリロイル-ω-メトキシ-(ポリ)オキシエチレン、α-アクリロイル-ω-ブトキシ-(ポリ)オキシエチレン、α-アクリロイル-ω-メトキシ-(ポリ)オキシエチレン(ポリ)オキシプロピレン、α-メタクリロイル-ω-ヒドロキシ-(ポリ)オキシエチレン、α-メタクリロイル-ω-メトキシ-(ポリ)オキシエチレン、α-メタクリロイル-ω-ブトキシ-(ポリ)オキシエチレン、α-メタクリロイル-ω-メトキシ-(ポリ)オキシエチレン(ポリ)オキシプロピレン、α-メタクリロイル-ω-ヒドロキシ-(ポリ)オキシエチレン(ポリ)オキシプロピレン、マレイン酸やフマル酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸と(ポリ)オキシエチレンとのモノエステル、マレイン酸やフマル酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸と(ポリ)オキシエチレン(ポリ)オキシプロピレンとのモノエステルが挙げられる。
構成単位2は、カルボン酸単量体から形成される。ここでのカルボン酸単量体とはエステル基やアミド基を持たない単量体である。カルボン酸単量体は、その分子中にビニル基を有する。このようなカルボン酸単量体として、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸、フマル酸及びこれらの塩などが挙げられる。塩としては、特に制限するものではないが、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等のアミン塩などが挙げられる。なかでもナトリウム塩とカルシウム塩が好ましい。
本実施形態で使用される混和剤に供するA成分である水溶性ビニル共重合体は、更に分子中に、任意の構成単位として、構成単位3を含んでいてもよい。構成単位3は、単量体1及びカルボン酸単量体と共重合可能な単量体3から形成されていてもよい。
単量体3は、単量体1及びカルボン酸単量体と共重合可能であれば特に制限されないが、例えば、アクリル酸メチル、メチルメタクリレート、ブチルアクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート系単量体や、(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド等の不飽和アミド類、(メタ)アクリロニトリル等の不飽和シアン類、マレイン酸やフマル酸等の不飽和ジカルボン酸と炭素数1~22のアルキル基若しくはアルケニル基のアルコールとのモノエステルや、マレイン酸やフマル酸等の不飽和ジカルボン酸と(ポリ)アルキレングリコールや炭素数1~22のアルキル基若しくはアルケニル基のアルコールとのジエステルとなる不飽和ジカルボン酸ジエステル類、不飽和カルボン酸や不飽和ジカルボン酸と炭素数が1~22であるアミンとのモノアミドやジアミドとなるアミド単量体類、不飽和カルボン酸や不飽和ジカルボン酸と炭素数が1~22であるアミンとのモノアミドやジアミドとなるアミド単量体類、アルキルジカルボン酸とポリエチレンポリアミンを縮合させたものの活性水素を持つ窒素原子にエチレンオキシドやプロピレンオキシドを付加させたものと(メタ)アクリル酸との反応物や、不飽和カルボン酸や不飽和ジカルボン酸と炭素数が1~22であるアミンとのモノアミドやジアミドとなるアミド単量体類、アルキルジカルボン酸とポリエチレンポリアミンを縮合させたものの活性水素を持つ窒素原子にエチレンオキシドやプロピレンオキシドを付加させたものとグリシジル(メタ)アクリレートと反応させたものである、ポリアミドポリアミン単量体類、(メタ)アリルスルホン酸やビニルスルホン酸及びそれらの塩などからなるスルホン酸系単量体類、リン酸2-(メタクリロイルオキシ)エチルやリン酸-ビス[2―(メタクリロイルオキシ)エチル]およびそれらの塩などからなるリン酸系単量体類等が挙げられる。
本実施形態で使用される混和剤に供するA成分においては、構成単位1及び構成単位2の合計100質量%に対し、構成単位1を1~99質量%含み、70~99質量%含むのが好ましく、75~99質量%含むのがより好ましく、80~99質量%含むのが更に好ましく、構成単位2を1~99質量%含み、1~30質量%含むのが好ましく、1~25質量%含むのがより好ましく、1~20質量%含むのが更に好ましい。また、本実施形態で使用される混和剤に供するA成分においては、構成単位3を0~30質量%含むのが好ましく、0~20質量%含むのがより好ましく、0~10質量%含むのが更に好ましく、0~5質量%含むのが更により好ましい。
本実施形態で使用される混和剤に供するA成分においては、構成単位1、構成単位2の合計が80質量%以上であることが好ましく、85質量%以上がより好ましく、90質量%以上であることが更に好ましく、95質量%以上であることが更により好ましい。
本実施形態で使用される混和剤に供するA成分の質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定することができ、好ましくはポリエチレングリコール/ポリエチレンオキシド換算で1000~1000000であり、より好ましくは5000~200000であり、更に好ましくは8000~100000である。
このようなA成分は、公知のラジカル重合反応により得ることができる。例えば、各種方法で製造することができる。これには、溶媒に水を使用したラジカル重合、溶媒に有機溶媒を使用したラジカル重合、無溶媒のラジカル重合による方法が挙げられる。ラジカル重合における反応温度は、好ましくは0~120℃であり、より好ましくは20~100℃であり、更に好ましくは50~90℃である。ラジカル重合に使用するラジカル重合開始剤は、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過酸化物や、2,2’-アゾビス(2-アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)等のアゾ系化合物が挙げられ、重合反応温度下において分解し、ラジカル発生するものであれば、その種類は特に制限されない。これらは、亜硫酸塩やL-アスコルビン酸等の還元性物質、更にはアミン等と組み合わせ、レドックス開始剤として使用することもできる。得られるA成分の質量平均分子量を所望の範囲とするため、2-メルカプトエタノール、2-メルカプトプロピオン酸、3-メルカプトプロピオン酸、チオグリコール酸、チオグリセリン、チオリンゴ酸等の連鎖移動剤を使用することもできる。これらのラジカル重合開始剤や還元性物質、連鎖移動剤は、それぞれ単独で使用しても2種類以上を併用してもよい。本実施形態で使用される混和剤に供するA成分は、水や有機溶媒を含んだまま使用してもよく、乾燥させて粉末として使用してもよく、水や有機溶媒を含んだままで無機多孔質粉体に担持させて使用してもよく、水や有機溶媒を含んだままで無機多孔質粉体に担持させ、かつ乾燥させて使用してもよい。反応系内の圧力は特に限定されないが、大気圧が好ましい。
本実施形態で使用される混和剤に供するB成分は、下記の式(2)で示されるポリオキシアルキレン化合物である。
Figure 0007274145000006
式(2)において、Rは炭素数6~25の芳香族炭化水素基及びフェノール性の2個の水酸基を有する化合物から前記2個の水酸基を除いた残基である。X、Yはそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1~22のアルキル基である。OR、ROはそれぞれ独立に、炭素数2~4のオキシアルキレン基である。a、bは1~299の整数であり、かつ、a+b=60~300を満足する整数である。なお、Rは下記式(4)で示されるビス(4-ヒドロキシフェニル)骨格を有する基とするのも好ましい。
Figure 0007274145000007
式(4)において、Zは炭素数1~13の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基、又は、スルホニル基である。
式(2)において、Rとしては、例えば、ハイドロキノン、カテコール、ビナフトール、4,4’-ビフェノール、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-フェニルエタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホン、5,5’-(1-メチルエチリデン)-ビス[1,1’-(ビスフェニル)-2-オール]プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンから、水酸基を除いた残基などが挙げられる。これらの中でも、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホンから、2個の水酸基を除いた残基であることが好ましい。これらの残基であると、収縮低減効果が良好に発揮されることに加え、優れた材料分離抵抗性を発揮する。
式(2)におけるXは、水素原子又は炭素数1~22のアルキル基である。炭素数1~22のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、ヘンエイコシル基、ドコシル基、2-メチル-ペンチル基、2-エチル-ヘキシル基、2-プロピル-ヘプチル基、2-ブチル-オクチル基、2-ペンチル-ノニル基、2-ヘキシル-デシル基、2-ヘプチル-ウンデシル基、2-オクチル-ドデシル基、2-ノニル-トリデシル基等が挙げられる。なかでもXとしては、水素原子又はメチル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
また、式(2)におけるYについては、Xと同様のものを挙げることができる。
ここで、X及びYが水素原子であると、該化合物の合成の容易さ、原料入手、経済性の面から好ましい。
式(2)において、ORは、炭素数2~4のオキシアルキレン基である。ORが複数存在する場合には、2種類以上のオキシアルキレン基を使用してもよい。ORとしては、具体的には、オキシエチレン基及び/又はオキシプロピレン基が含まれることが好ましく、より好ましくはオキシエチレン基を50モル%以上含有し、更に好ましくはオキシエチレン基を90モル%以上含有するものである。なお、2種類以上のオキシアルキレン基が付加した場合、結合の順には特に制限はなく、ランダム結合でもよいし、ブロック結合でもよい。
また、式(2)におけるROについても、ORについて述べたことと同様である。
OR及びROにおいて、ORとROを合計した全オキシアルキレン基中の90モル%以上がオキシエチレン基であることが好ましい。収縮低減効果が良好に発揮されることに加え、材料分離抵抗性を向上させることが可能となる。
式(2)において、a、bは、ポリオキシアルキレン基の付加モル数を示し、a+bはポリオキシアルキレン基の総付加モル数を示す。a及びbはそれぞれ1~299の整数であり、好ましくは1~219の整数である。また、a+bは、60≦a+b≦300であり、好ましくは70≦a+b≦220である。a+bが60より小さいと、材料分離抵抗性が著しく低下し、a+bが大きすぎても製造コストがかかり現実的ではない。
式(2)におけるX及び/又はYが水素原子であるポリオキシアルキレン化合物の製造方法としては、特に限定されず、各種の製造方法で製造することができる。
例えば、Rにフェノール性の2つの水酸基を有する化合物にアルキレンオキシドを付加することで得られる。アルキレンオキシドを付加する際には、触媒を用いることができる。アルキレンオキシドを付加重合する際の触媒としては、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属又はこれらの水酸化物、アルコラート等のアルカリ触媒若しくはルイス酸触媒、複合金属触媒を用いることができ、好ましくはアルカリ触媒である。
アルカリ触媒としては、例えば、ナトリウム、カリウム、ナトリウムカリウムアマルガム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムハイドライド、カリウムハイドライド、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、カリウムブトキシド、カリウムtert-ブトキシド等を挙げることができる。好ましくは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、カリウムブトキシド、カリウムtert-ブトキシドである。
ルイス酸触媒としては、例えば、四塩化錫、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体、三フッ化ホウ素ジn-ブチルエーテル錯体、三フッ化ホウ素テトラヒドロフラン錯体、三フッ化ホウ素フェノール錯体、三フッ化ホウ素酢酸錯体等の三フッ化ホウ素化合物などが挙げられる。
本実施形態で使用される混和剤に供するC成分は、下記の式(3)で示されるポリオキシアルキレン化合物である。
Figure 0007274145000008
式(3)において、Rは炭素数3~5のアルキル基である。Rの具体例としては、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基等が挙げられる。なかでも、Rとしては、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基が好ましい。式(3)においてR10Oは、炭素数2~4のオキシアルキレン基の1種又は2種以上である。R10Oが複数存在する場合には、2種類以上のオキシアルキレン基を使用してもよい。R10Oとしては、具体的には、オキシエチレン基及び/又はオキシプロピレン基が含まれることが好ましい。なお、2種類以上のオキシアルキレン基が付加した場合、結合の順には特に制限はなく、ランダム結合でもよいし、ブロック結合でもよい。
式(3)において、cは、ポリオキシアルキレン基の付加モル数を示し、1~6の整数であり、好ましくは2~4の整数である。
式(3)で示されるポリオキシアルキレン化合物の製造方法としては、特に限定されず、各種製造方法を用いて製造することができる。
本実施形態で使用される混和剤は、A成分、B成分及びC成分を含有する一液型の混和剤であり、水溶液としての使用が好ましい。そして、混和剤水溶液中においては、A成分、B成分、C成分及び水の割合は特に制限されないが、本発明では、A成分を1~20質量%、B成分を5~50質量%、C成分を25~80質量%、及び水を14~69質量%とする。
本実施形態で使用される混和剤の使用量は、結合材100質量部に対する、A成分、B成分及びC成分の合計の質量部が0.1~5.0質量部であ、0.1~4.0質量部であるのが好ましく、0.1~3.0質量部であるのが更に好ましく、0.3~2.5質量部であるのが特に好ましく、0.5~2.0質量部であるのが最も好ましい。
本実施形態の無収縮コンクリート組成物においては、水結合材比が30~70%であるのが好ましく、40~65%であるのがより好ましい。なお、水結合材比とは、無収縮コンクリート組成物中のセメントなどの結合材100質量部に対する水の質量部であり、水が50質量部となる場合は水結合材比が50%となる。
本実施形態の無収縮コンクリート組成物においては、スランプフローが350~750mmであ、450~700mmであるのが好ましい。
本実施形態の無収縮コンクリート組成物の製造に際しては、本発明の効果が損なわれない範囲内で、適宜、AE調整剤、消泡剤、凝結遅延剤、硬化促進剤、他の収縮低減剤、防腐剤、防水剤、防錆剤等を併用することができる。
試験区分1(A成分としての水溶性ビニル共重合体の合成)
・製造例1{水溶性ビニル共重合体(A-1)の合成}
蒸留水436.2g、α-メタクリロイル-ω-メトキシ-ポリ(n=23)オキシエチレン351.3g、メタクリル酸43.4g、3-メルカプトプロピオン酸6.3gを温度計、攪拌機、滴下ロート、窒素導入管を備えた反応容器に仕込み、攪拌しながら均一に溶解した後、雰囲気を窒素置換し、反応系の温度を温水浴にて70℃に保持した。次に、2.3%過酸化水素水溶液77.9gを投入し、2時間かけてラジカル共重合反応を行った。2時間経過後、1.3%過酸化水素水溶液33.6gを投入し、更に2時間反応を行った後、重合反応を終了した。その後、反応系に30%水酸化ナトリウム水溶液7.5gを投入し、蒸留水にて濃度を40%に調整して反応混合物を得た。この反応混合物をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて分析したところ、質量平均分子量18000であった。この反応物をビニル共重合体(A-1)とした。
・製造例2{水溶性ビニル共重合体(A-2)の合成}
蒸留水204.1g、α-(3-メチル-3-ブテニル)-ω-ヒドロキシ-ポリ(n=53)オキシエチレン365.5gを温度計、攪拌機、滴下ロート、窒素導入管を備えた反応容器に仕込み、攪拌しながら均一に溶解した後、雰囲気を窒素置換し、反応系の温度を温水浴にて70℃に保持した。次に、3.5%過酸化水素水溶液19.9gを3時間かけて滴下し、それと同時に蒸留水158.9gにアクリル酸31.8gを均一に溶解させた水溶液を3時間かけて滴下し、それと同時に蒸留水17.5gにL-アスコルビン酸1.6gと3-メルカプトプロピオン酸2.8gを溶解させた水溶液を4時間かけて滴下した。その後、2時間、反応系の温度を70℃に維持し、重合反応を終了した。その後、反応系に30%水酸化ナトリウム水溶液6.2gを加え、蒸留水にて濃度を40%に調整して反応混合物を得た。この反応混合物をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて分析したところ、質量平均分子量32000であった。この反応物をビニル共重合体(A-2)とした。
・製造例3{水溶性ビニル共重合体(A-3)の合成}
蒸留水424.8g、α-メタクリロイル-ω-メトキシ-ポリ(n=9)オキシエチレン282.9g、メタクリル酸70.7g、アクリル酸メチル19.6g、チオグリコール酸11.8gを温度計、攪拌機、滴下ロート、窒素導入管を備えた反応容器に仕込み、攪拌しながら均一に溶解した後、雰囲気を窒素置換し、反応系の温度を温水浴にて60℃に保持した。次に、10%過硫酸ナトリウム水溶液39.3gを投入し、2時間かけてラジカル共重合反応を行った。2時間経過後、10%過硫酸ナトリウム水溶液19.7gを投入し、更に2時間反応を行った後、重合反応を終了した。その後、反応系に30%水酸化ナトリウム水溶液66.6gを投入し、蒸留水にて濃度を40%に調整して反応混合物を得た。この反応混合物をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて分析したところ、質量平均分子量12000であった。この反応物をビニル共重合体(A-3)とした。以上製造したビニル共重合体について、表1にまとめて示した。
Figure 0007274145000009
表1において、
*1:A成分である水溶性ビニル共重合体の種類
*2:構成単位1を形成することとなる単量体1の種類
*3:構成単位2を形成することとなるカルボン酸単量体の種類
*4:構成単位3を形成することとなる単量体3の種類
割合:単位は質量%
L-1:α-メタクリロイル-ω-メトキシ-ポリ(n=23)オキシエチレン
L-2:α-(3-メチル-3-ブテニル)-ω-ヒドロキシ-ポリ(n=53)オキシエチレン
L-3:α-メタクリロイル-ω-メトキシ-ポリ(n=9)オキシエチレン
M-1:メタクリル酸
M-2:アクリル酸
N-1:アクリル酸メチル
A成分である水溶性ビニル共重合体の質量平均分子量の測定は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)にて行い、条件を以下のものとした。結果を表1に示した。
[測定条件]
検出器:示差屈折計(RI)
カラム:昭和電工社製OHpak SB-G+SB-806M HQ+SB-806M HQ
溶離液:50mM硝酸ナトリウム水溶液
流速:0.7mL/分
カラム温度:40℃
標準物質:PEG/PEO(アジレント社製)
試験区分2(B成分としてのポリオキシアルキレン化合物の合成)
・製造例1{ポリオキシアルキレン化合物(B-1)の合成}
攪拌機、圧力計、及び温度計を備えた圧力容器中に、「ニューポールBPE-60(三洋化成工業社製)、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンのすべての水酸基にエチレンオキシド合計6モル付加物)」318.9g及び水酸化カリウム3.0gを仕込んだ。次いで、反応系を120℃まで昇温させた後、この系中を減圧下にて脱水を1時間行った。その後、この反応系内に、130±5℃に維持しながらエチレンオキシド(表2中、「EO」と記す)2681.1gを0.4MPaのゲージ圧にて6時間かけて添加した。その後、反応温度(130±5℃)で1時間保持した後、反応を終了した。その後、「キョーワード600(協和化学工業社製)」を用いて中和を行った後、ろ過を行い、式(2)で示されるポリオキシアルキレン化合物(B-1)を得た。
・製造例2{ポリオキシアルキレン化合物(B-2)の合成}
攪拌機、圧力計、及び温度計を備えた圧力容器中に、「ニューポールBPE-60(三洋化成工業社製、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンのすべての水酸基にエチレンオキシド合計6モル付加物)」257.3g及び水酸化カリウム1.5gを仕込んだ。次いで、反応系を120℃まで昇温させた後、この系中を減圧下にて脱水を1時間行った。その後、この反応系内に、130±5℃に維持しながらエチレンオキシド1702.7gを0.4MPaのゲージ圧にて5時間かけて添加した。その後、反応温度(130±5℃)で1時間保持した後、反応を終了した。その後、「キョーワード600(協和化学工業社製)」を用いて中和を行った後、ろ過を行い、式(2)で示されるポリオキシアルキレン化合物(B-2)を得た。
・製造例3{ポリオキシアルキレン化合物(B-3)の合成}
攪拌機、圧力計、及び温度計を備えた圧力容器中に、「ニューポールBPE-60(三洋化成工業社製)、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンのすべての水酸基にエチレンオキシド合計6モル付加物)」338.5g及びカリウムtert-ブトキシド10.0gを仕込んだ。次いで、反応系を120℃まで昇温させた後、この系中を減圧下にて脱水を1時間行った。その後、この反応系内に、130±5℃に維持しながらエチレンオキシド4661.5gを0.4MPaのゲージ圧にて7時間かけて添加した。その後、反応温度(130±5℃)で1時間保持した後、反応を終了した。その後、「キョーワード600(協和化学工業社製)」を用いて中和を行った後、ろ過を行い、式(2)で示されるポリオキシアルキレン化合物(B-3)を得た。
・製造例4{RB-1}
市販品のセルロースエーテルとして、「hiメトローズhi90SH-100000(信越化学工業社製)」をそのまま用いたものをRB-1とした。
・製造例5{RB-2}
「ニューポールBPE-100(三洋化成工業社製)」をそのまま用いたものをRB-2とした。
以上で調製したB成分である各ポリオキシアルキレン化合物及びセルロースエーテル(RB-1)の内容を表2にまとめて示した。
Figure 0007274145000010
表2において、
※1:式(2)中の「R」は、この欄に記載された化合物から水酸基を除いた残基である。
a+b(平均総付加モル数)における合計モル数は、「EO付加モル数」と「PO付加モル数」との和の値である。
試験区分3(C成分としてのポリオキシアルキレン化合物の合成)
・製造例1{ポリオキシアルキレン化合物(C-1)の合成}
市販のトリエチレングリコールモノブチルエーテル(n-ブチルアルコールのエチレンオキシド(表3中、「EO」と記す)3モル付加物)(東京化成工業社製)をそのまま用いたものを(C-1)とした。
・製造例2{ポリオキシアルキレン化合物(C-2)の合成}
市販のジエチレングリコールモノブチルエーテル(n-ブチルアルコールのエチレンオキシド(表3中、「EO」と記す)2モル付加物)(東京化成工業社製)をそのまま用いたものを(C-2)とした。
・製造例3{ポリオキシアルキレン化合物(C-3)の合成}
攪拌機、圧力計、及び温度計を備えた圧力容器中に、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル(イソプロピルアルコールのエチレンオキシド(表3中、「EO」と記す)1モル付加物)482.0g及び水酸化カリウム1.5gを仕込んだ。次いで、反応系を120℃まで昇温させた。その後、この反応系内に、130±5℃に維持しながらエチレンオキシド1018.0gを0.4MPaのゲージ圧にて4時間かけて添加した。その後、反応温度(130±5℃)で1時間保持し、反応を終了した。その後、「キョーワード600(協和化学工業社製)」を用いて中和を行った後、ろ過を行い、ポリオキシアルキレン化合物(C-3)を得た。
以上で調製したC成分である各ポリオキシアルキレン化合物の内容を表3にまとめて示した。
Figure 0007274145000011
試験区分4(混和剤の調製及び相溶性の評価)
表1に記載のA成分、表2に記載のB成分、表3に記載のC成分、及び蒸留水を表4に示す割合となるように配合容器に投入し、攪拌機を用いて十分攪拌混合し、混和剤(SR-1)~(SR-9)を調製した。
混和剤(SR-1)~(SR-9)と同様にして、混和剤(RSR-1)~(RSR-3)を調製した。
混和剤を調製後、5℃、20℃、40℃の環境下に静置し、溶液の相溶性を、目視により以下の基準で測定を行った。
相溶性の評価:
A:1か月間、各成分が溶解し、成分の分離が確認されず、沈殿や沈降を判別できない程度であった
B:1か月に満たない期間で分離が確認された
以上で調製した各混和剤の内容を表4にまとめて示した。
Figure 0007274145000012
試験区分5(コンクリート組成物の調製及び評価)
[コンクリート試験]
・実施例1~12及び比較例1~5
表4で示した混和剤をコンクリート組成物にて評価を行った。表5に示した配合条件で、20℃の試験室内で55Lのパン型強制練りミキサーに、普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製、宇部三菱セメント社製、及び住友大阪セメント社製等量混合、密度=3.16g/cm)からなる結合材と、細骨材として陸砂(大井川水系産、表乾密度=2.58g/cm)及び粗骨材として秩父産石灰砕石(表乾密度=2.70g/cm)、八戸産石灰砕石(表乾密度=2.70g/cm)、北海道峩朗産石灰砕石(表乾密度=2.70g/cm)、岡崎産硬質砂岩砕石(表乾密度=2.66g/cm)のいずれかを添加し、更に表5に示した添加量で、混和剤(表4参照)、膨張材「太平洋ハイパーエクスパン(構造用)(太平洋マテリアル社製)、密度=3.16g/cm」及び空気連行剤「AE-300(竹本油脂社製)」を、それぞれ所定量と、消泡剤である「AFK-2(竹本油脂社製)」を上記セメントに対して0.002%として練り混ぜ水(上水道水)の一部として計量し、ミキサーに投入して90秒間練混ぜた。スランプフローが600±30mm、連行空気量が4.5±0.5%の範囲となるようコンクリート組成物を調製した。なお、使用した石灰砕石の化学組成を表6に示す。石灰砕石の化学組成はJIS R 9011に準拠して測定した。純度はCaO質量%をCaCO質量%に換算した時に、石灰砕石中に含まれるCaCOの割合(質量%)を示す。
Figure 0007274145000013
Figure 0007274145000014
配合材料の練り混ぜ及び以下の試験は材料温度を20±3℃に設定し、室温を20±3℃に設定し、相対湿度を60%以上に設定した環境下で実施した。調製した各例のコンクリート組成物について、練り混ぜ直後のスランプフロー、練り混ぜ直後の空気量、練り混ぜ直後の材料分離抵抗性及び長さ変化率を下記のように求めた。結果を表7にまとめて示す。
・スランプフロー:練り混ぜ直後のコンクリート組成物について、JIS A 1150に準拠してスランプコーンを引き上げてから3分後に測定した。
・空気量:練り混ぜ直後のコンクリート組成物について、JIS A 1128に準拠して測定した。
・材料分離抵抗性:練り混ぜ直後のコンクリート組成物について、スランプコーンを引き上げてから3分後に目視により、以下の基準で行なった。
材料分離抵抗性の評価:
A:非常に良好(骨材とコンクリートの分離なし)
B:良好(骨材とコンクリートが僅かに分離)
C:悪い(明確に骨材とコンクリートが分離)
・長さ変化率:
コンクリート組成物の無収縮性については、長さ変化率(乾燥収縮率、膨張率)の差により評価した。JIS A 1129-3に準拠し、成形後24時間で脱型し、7日間標準水中養生後の長さを基長として、室温を20±2℃、相対湿度60±5%の環境下で26週保管した供試体について、ダイヤルゲージ方法により、乾燥収縮率を測定した。また、JIS A 6202 付属書B、A法に準拠し、材齢7日時点での膨張率を測定した。得られた乾燥収縮率と膨張率の差を求めた。なお、この差が50(×10-6)以下のコンクリート組成物を無収縮コンクリート組成物と判定した。評価は、以下の基準に基づいて行った。
長さ変化率の評価:
A:~40(×10-6)以下
B:40(×10-6)超~50(×10-6)以下
C:50(×10-6)超~
Figure 0007274145000015
表7において、
※1:混和剤使用量は、結合材に対する質量%である。表4に示す蒸留水を含めた混和剤有姿の使用量と、混和剤中に含まれるA成分、B成分及びC成分のみの合計の使用量を示した。
※2:空気連行剤使用量は、結合材に対する質量%である。
※3:乾燥収縮率と膨張率の差(+:収縮側、-:膨張側)
(結果)
表4及び表7に示すように、各実施例のコンクリート組成物は、中流動コンクリートや高流動コンクリートのような流動性の高いコンクリート組成物であると共に、得られる硬化体が無収縮であることが分かる。比較例2は、材料分離抵抗性に劣り、比較例3~5は、収縮低減性に劣っていることが分かる。なお、表4に示されるように、比較例1は、セルロースエーテルを使用するので、各温度条件において相溶性に劣り、一液化が困難なものであることが分かる。
本発明の無収縮コンクリート組成物は、流動性の高い、中流動コンクリートや高流動コンクリートでありながら、得られる硬化体を実質的に無収縮とすることができ、建築土木工事において、乾燥収縮を限りなく小さく抑えることが要求されるコンクリート構造物に利用することができる。

Claims (6)

  1. 結合材、細骨材、粗骨材、膨張材、混和剤及び水を含有する無収縮コンクリート組成物であって、前記粗骨材が石灰砕石であり、且つ、前記混和剤が下記のA成分と、下記のB成分と、下記のC成分とを含有し、
    前記混和剤が、A成分を1~20質量%、B成分を5~50質量%、C成分を25~80質量%、及び水を14~69質量%の割合で含有し、
    前記混和剤を、前記結合材100質量部に対し、A成分、B成分及びC成分の合計として0.1~5.0質量部の割合で含有し、
    スランプフローが350~750mmである、無収縮コンクリート組成物。
    A成分:分子中に下記の構成単位1及び構成単位2を有し、かつ、構成単位1及び構成単位2の合計100質量%に対し、構成単位1を1~99質量%及び構成単位2を1~99質量%の割合で含有する水溶性ビニル共重合体;
    構成単位1:下記の単量体1から形成された構成単位、
    構成単位2:分子中にビニル基を有するカルボン酸単量体から形成された構成単位、
    単量体1:下記の式(1)で示される化合物:
    Figure 0007274145000016
    (式(1)中、R、R及びRは同一又は異なり、水素原子、メチル基及び-(CHCOOMで示される有機基(但し、R、R及びRのうちの少なくとも1つは水素原子又はメチル基を表す)から選ばれる少なくとも1種を表し、Rは水素原子又は炭素数1~20の炭化水素基を表し、ROは炭素数2~4のオキシアルキレン基の1種又は2種以上を表し、pは0~5の整数を表し、qは0又は1を表し、mは1~300の整数を表し、rは0~2の整数を表し、Mは水素原子又は金属原子を表す。)
    B成分:下記の式(2)で示されるポリオキシアルキレン化合物
    Figure 0007274145000017
    (式(2)中、Rは炭素数6~25の芳香族炭化水素基及びフェノール性の2個の水酸基を有する化合物から前記2個の水酸基を除いた残基を表し、X、Yはそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1~22のアルキル基を表し、OR、ROはそれぞれ独立に、炭素数2~4のオキシアルキレン基を表し、a、bは1~299の整数であって、かつ、a+b=60~300を満足する整数を表す。)
    C成分:下記の式(3)で示されるポリオキシアルキレン化合物
    Figure 0007274145000018
    (式(3)中、Rは炭素数3~5のアルキル基を表し、R10Oは炭素数2~4のオキシアルキレン基の1種又は2種以上を表し、cは1~6の整数を表す。)
  2. 前記式(3)において、Rが炭素数4のアルキル基、R10Oが炭素数2~3のオキシアルキレン基、cが1~4の整数である請求項1に記載の無収縮コンクリート組成物。
  3. 前記式(2)において、Rが下記式(4)で示されるビス(4-ヒドロキシフェニル)骨格を有する基である請求項1又は2に記載の無収縮コンクリート組成物。
    Figure 0007274145000019
    (式(4)中、Zは、炭素数1~13の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基、又は、スルホニル基を表す。)
  4. 前記式(2)において、Rが2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、又は、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホンから2個の水酸基を除いた残基である請求項1~3のいずれか一項に記載の無収縮コンクリート組成物。
  5. 前記膨張材を単位量10~50kg/mとなる割合で使用した請求項1~4のいずれか一項に記載の無収縮コンクリート組成物。
  6. 水結合材比が30~70%である請求項1~5のいずれか一項に記載の無収縮コンクリート組成物。
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