JP5715260B2 - 水硬性材料添加剤用ポリカルボン酸系重合体 - Google Patents

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Description

本発明は、水硬性材料添加剤用ポリカルボン酸系重合体に関する。より詳しくは、水硬性材料添加剤用ポリカルボン酸系重合体、それを含む水硬性材料添加剤及び水硬性材料に関する。
水硬性材料添加剤とは、セメント、モルタル、コンクリート、石膏等の水硬性材料に用いられる添加剤であり、例えば減水性能を有する減水剤が代表的であるが、このような水硬性材料添加剤は、水硬性材料から土木・建築構造物等を構築するために欠かすことのできないものとなっている。中でも、減水剤は、水硬性材料の流動性を高めてセメント組成物を減水させることにより、硬化物の強度や耐久性等を向上させる作用を有することになる。減水剤としてはコンクリート混和剤や石膏分散剤等が挙げられ、例えば、特許文献1に、ポリカルボン酸系重合体を含むコンクリート混和剤が開示されている。このようなポリカルボン酸系重合体を含むコンクリート混和剤は、従来のナフタレン系等の減水剤に比べて高い減水性能を発揮するため、高性能AE減水剤として多くの実績がある。
特開昭58−74552号公報
上述したように、水硬性材料添加剤としてポリカルボン酸系重合体を用いることが有用であるが、このようなポリカルボン酸系重合体を製造する際には、分子量を調整することを主目的としてチオール系連鎖移動剤が広く用いられている。しかし、チオール系連鎖移動剤は、分子量の調整には効果は高いものの、重合後に残存することがある。チオール系連鎖移動剤が製品中に残存すると、実際にそれらを用いてコンクリートや石膏ボードを製造する際に悪臭を放ち、作業環境が良好なものとはならないことがある。また、ポリカルボン酸系重合体を用いて水硬性材料添加剤を得る場合には、通常、ポリカルボン酸系重合体を、それ以外の空気量調整剤、硬化促進剤、硬化遅延剤等の種々の成分と調合するが、ポリカルボン酸系重合体中にチオール系連鎖移動剤が残存すると、これら重合体以外の成分と反応し、好ましくないガス等が発生するおそれがあった。更に、残存するチオール系連鎖移動剤が重合体以外の成分と反応することで生成し得るジスルフィド化合物等の生成物が水硬性材料添加剤としての性能に影響を与えるおそれもあった。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、水硬性材料の分散性能に優れるとともに、作業性に優れ、品質の安定性にも優れた水硬性材料添加剤用ポリカルボン酸系重合体、それを含む水硬性材料添加剤及び水硬性材料を提供することを目的とするものである。
本発明者等は、水硬性材料添加剤に有用なポリカルボン酸系重合体について種々検討したところ、(ポリ)アルキレングリコール鎖を有するポリカルボン酸系重合体とすると、当該鎖の鎖長や構成するアルキレンオキシドを適宜調整することによって親水性や疎水性、立体反発の特性が付与されるため、水硬性材料添加剤用途に好適なものとなること、該ポリカルボン酸系重合体の重量平均分子量が所定の範囲内にあると、水硬性材料を含む組成物(水硬性材料組成物とも称す)の流動性保持性能や粘性が適切なものとなること、及び、該ポリカルボン酸系重合体中のチオール基量が所定の範囲内にあると、該ポリカルボン酸系重合体を取り扱う際の作業環境が良好になり、かつ該ポリカルボン酸系重合体の性能を安定的に発揮できること、を見いだした。そして、ポリアルキレングリコール鎖を有し、かつ重量平均分子量(Mw)及びチオール基量が所定範囲内にあるポリカルボン酸系重合体が、特に水硬性材料添加剤に有用なものとなることを見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到した。また、このようなポリカルボン酸系重合体の製造方法において、重合開始剤の添加時間とチオール系連鎖移動剤の添加時間との比を所定値以上にしたり、重合温度を上げたりすることによって、チオール基残存量が所定範囲まで低減されたポリカルボン酸系重合体が好適に得られることも見いだし、本発明に到達したものである。
すなわち本発明は、水硬性材料添加剤に用いられるポリカルボン酸系重合体であって、該重合体は、(ポリ)アルキレングリコール鎖を有し、重量平均分子量(Mw)が3万以下であり、該重合体中のチオール基量が2.4μmol/g以下である水硬性材料添加剤用ポリカルボン酸系重合体である。なお、上記重合体中のチオール基は、チオール系連鎖移動剤に由来するものであることが好ましい。また、上記重合体の重量平均分子量は、1万以下であることが好ましい。
本発明はまた、上記水硬性材料添加剤用ポリカルボン酸系重合体を含む水硬性材料添加剤でもある。
本発明は更に、上記水硬性材料添加剤を含む水硬性材料でもある。
以下に本発明を詳述する。
なお、以下に記載される本発明の個々の好ましい形態を2つ又は3つ以上組み合わせた形態も本発明の好ましい形態である。
〔水硬性材料添加剤用ポリカルボン酸系重合体〕
本発明の水硬性材料添加剤用ポリカルボン酸系重合体(以下、「ポリカルボン酸系重合体」又は「重合体」とも称す)は、該重合体(1g)中のチオール基量が2.4μmol/g以下である。この範囲内にあることで、実使用下における作業環境を良好なものとすることができ、また、該重合体に由来する性能を安定的に発揮することが可能になる。より好ましくは0.95μmol/g以下、更に好ましくは0.5μmol/g以下、特に好ましくは0.25μmol/g以下、最も好ましくは0.05μmol/g以下である。
上記ポリカルボン酸系重合体中のチオール基とは、該重合体製造時に使用されるチオール基含有化合物に由来するチオール基(SH基)であることが好適である。中でも、チオール系連鎖移動剤に由来するチオール基であることが好ましい。このように上記重合体中のチオール基が、チオール系連鎖移動剤に由来するものである形態もまた、本発明の好適な形態の1つである。
なお、「重合体中のチオール基量」とは、重合体製造時に使用されたチオール基含有化合物(好ましくはチオール系連鎖移動剤)の残存量を、例えば後述するように高速液体クロマトグラフィー(LC)にて定量することにより、算出することができる。本発明においては、重合体製造時にチオール基含有化合物(好ましくはチオール系連鎖移動剤)を使用しないことも好適であり、この場合、重合体中のチオール基量は、0μmol/gとなる。
上記ポリカルボン酸系重合体はまた、該重合体中のチオール系連鎖移動剤が、250ppm以下であることが好適である。この範囲内にあることで、実使用下における作業環境をより良好なものとすることができ、また、該重合体に由来する性能をより安定的に発揮することが可能になる。このように上記重合体中のチオール系連鎖移動剤が250ppm以下である形態もまた、本発明の好適な形態の1つである。より好ましくは100ppm以下、更に好ましくは50ppm以下、特に好ましくは25ppm以下、最も好ましくは5ppm以下である。また、0ppmである形態も好ましい。
なお、重合体中のチオール系連鎖移動剤の量は、例えば後述するように高速液体クロマトグラフィー(LC)にて定量することにより、算出することができる。
上記ポリカルボン酸系重合体はまた、重量平均分子量(Mw)が3万以下である。Mwがこの範囲内にあることで、セメント組成物や石膏組成物等の水硬性材料組成物の流動性保持性や粘性を良好なものとすることができる。Mwとして好ましくは1万以下である。このように上記重合体の重量平均分子量が1万以下である形態は、本発明の好適な形態の1つである。Mwとしてより好ましくは9500以下、更に好ましくは9200以下、特に好ましくは9000以下であり、最も好ましくは8800以下である。また、ポリカルボン酸系重合体は、ある程度、セメント粒子や石膏粒子等の水硬性材料粒子に吸着した方が性能を発揮しやすく、Mwが大きいほど吸着力が大きくなるという観点から、Mwは2000以上であることが好ましい。より好ましくは3000以上、更に好ましくは4000以上、特に好ましくは4500以上、最も好ましくは5000以上である。
また上記ポリカルボン酸系重合体の分子量分布、すなわち重量平均分子量(Mw)を数平均分子量(Mn)で割った値(Mw/Mn)は、1.5以下であることが好ましい。これにより、分散性に効果のない重合物の含量をより低減できるため、セメントや石膏等の水硬性材料の分散性をより向上することが可能になる。より好ましくは1.45以下である。
本明細書中、分子量とは、ゲルパーミーエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリエチレングリコール換算値であり、下記条件により測定されるものである。
<GPC測定条件>
使用カラム:東ソー社製、TSK guard column SWXL+TSKgel G4000SWXL+G3000SWXL+G2000SWXL;
溶離液:水10999g、アセトニトリル6001gの混合溶媒に酢酸ナトリウム三水和物115.6gを溶解し、更に酢酸でpH6.0に調整した溶液を使用する;
サンプル打ち込み量:100μL;
流速:1.0mL/min;
カラム温度:40℃;
検出器:日本ウォーターズ社製、2414 示差屈折検出器;
解析ソフト:日本ウォーターズ社製、Empower Software+GPCオプション;
較正曲線作成用標準物質:ポリエチレングリコール[ピークトップ分子量(Mp)272500、219300、107000、50000、24000、12600、7100、4250、1470];
較正曲線:上記ポリエチレングリコールのMp値と溶出時間とを基礎にして3次式で作成する;
重合体水溶液を上記溶離液で重合体濃度が0.5質量%となるように溶解させたものをサンプルとする。
<分子量の解析>
得られたRIクロマトグラムにおいて、ポリマー溶出直前・溶出直後のベースラインにおいて平らに安定している部分を直線で結び、ポリマーを検出・解析する。
ただし、モノマー、モノマー由来の不純物等がポリマーピークに一部重なって測定された場合、それらとポリマーとの重なり部分の最凹部において垂直分割してポリマー部とモノマー部とを分離し、ポリマー部のみの分子量・分子量分布を測定する。ポリマー部とそれ以外とが完全に重なり分離できない場合はまとめて計算する。
上記ポリカルボン酸系重合体はまた、(ポリ)アルキレングリコール鎖を有するものである。このような(ポリ)アルキレングリコール鎖を重合体中に組み込むためには、(ポリ)オキシアルキレン基を有する不飽和単量体を用いることが好適である。すなわち、上記重合体は、(ポリ)オキシアルキレン基を有する不飽和単量体を含む単量体成分を重合して得られるものであることが好適である。中でも、(ポリ)オキシアルキレン基を有する不飽和単量体と不飽和カルボン酸系単量体とを含む単量体成分を重合して得られるもの(共重合体)であることがより好ましい。なお、各単量体は、それぞれ1種又は2種以上を使用することができる。
本明細書中、「(ポリ)オキシアルキレン基」とは、ポリオキシアルキレン基又はアルキレン基を意味し、「(ポリ)アルキレングリコール鎖」とは、ポリアルキレングリコール鎖又はアルキレングリコール鎖を意味する。
<(ポリ)オキシアルキレン基を有する不飽和単量体>
上記(ポリ)オキシアルキレン基を有する不飽和単量体としては、重合性不飽和基と(ポリ)アルキレングルコール鎖とを有するものであればよく、例えば、下記一般式(1)で表される化合物であることが好適である。このように上記(ポリ)オキシアルキレン基を有する不飽和単量体が、下記一般式(1)で表される化合物である形態もまた、本発明の好適な形態の1つである。
Figure 0005715260
上記一般式(1)中、R、R及びRは、同一又は異なって、水素原子又はメチル基を表す。Rは、水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を表す。Rは、同一又は異なって、炭素数2〜18のアルキレン基を表す。mは、ROで表されるオキシアルキレン基の平均付加モル数を表し、1〜300の数である。Xは、炭素数1〜5の2価のアルキレン基を表すか、−CO−結合を表すか、又は、RC=CR−で表される基がビニル基の場合、Xに結合している炭素原子と酸素原子とが直接結合していることを表す。すなわちXは、炭素数1〜5の2価のアルキレン基、−CO−結合、又は、直接結合(RC=CR−で表される基がビニル基の場合)、のいずれかを表す。
なお、ROで表されるオキシアルキレン基が、同一の単量体中に2種以上存在する場合、当該オキシアルキレン基は、ランダム付加、ブロック付加、交互付加等のいずれの付加形態であってもよい。
上記一般式(1)において、Rは、水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を表す。炭素数が20を超えると、セメント組成物がより良好な分散性を得ることができないおそれがある。Rの好ましい形態としては、分散性の点から、水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基である。より好ましくは炭素数10以下の炭化水素基、更に好ましくは炭素数3以下の炭化水素基、特に好ましくは炭素数2以下の炭化水素基である。炭化水素基の中でも、飽和アルキル基や不飽和アルキル基が好ましく、これらのアルキル基は、直鎖状であっても分岐状であってもよい。また、優れた材料分離防止性能の発現や、セメント組成物中に連行される空気量を適度なものとするためには、炭素数5以上の炭化水素基であることが好ましく、また、炭素数20以下の炭化水素基であることが好ましい。より好ましくは炭素数5〜10の炭化水素基である。炭化水素基の中でも、飽和アルキル基や不飽和アルキル基が好ましく、これらのアルキル基は、直鎖状であっても分岐状であってもよい。
上記一般式(1)中、−(RO)m−で表される(ポリ)アルキレングリコール鎖は、1種又は2種以上の炭素数2〜18のアルキレンオキシドから構成される鎖であればよい。アルキレンオキシドとしては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、イソブチレンオキシド、1−ブテンオキシド、2−ブテンオキシド等が挙げられる。中でも、炭素数2〜8のアルキレンオキシドを主体とする鎖であることが好ましく、より好ましくは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等の炭素数2〜4のアルキレンオキシドを主体とするものであり、更に好ましくは、エチレンオキシドを主体とするものである。
ここでいう「主体」とは、ポリアルキレングリコール鎖−(RO)m−が2種以上のアルキレンオキシドにより構成されるときに、全アルキレンオキシドの存在数において、大半を占めるものであることを意味する。「大半を占める」ことを全アルキレンオキシド100モル%中のエチレンオキシドのモル%で表すと、50〜100モル%が好ましい。これにより、上記重合体がより高い親水性を有することとなる。より好ましくは60モル%以上、更に好ましくは70モル%以上、特に好ましくは80モル%以上、最も好ましくは90モル%以上である。
また上記一般式(1)中、Xが−CO−結合を表す場合、上記一般式(1)で表される化合物は、(ポリ)アルキレングリコールエステル系単量体であることが好適である。この場合、−(RO)m−で表される(ポリ)アルキレングリコール鎖は、(メタ)アクリル酸系単量体(RC=CR−COOH)とのエステル結合部分にエチレンオキシド部分が付加していることが、(メタ)アクリル酸系単量体とのエステル化の生産性の向上の点から好適である。
上記−(RO)m−中、mは、ROで表されるオキシアルキレン基の平均付加モル数であるが、製造されるポリカルボン酸系重合体においては、1〜300の数であることが好ましい。mが300を超えると、単量体の重合性が充分なものとはならないおそれがある。mとして好ましくは2以上であり、また、−(RO)m−の中で、オキシエチレン基の平均付加モル数は2以上であることが好ましい。このようにmが2以上であったり、オキシエチレン基の平均付加モル数が2以上であったりすると、セメント粒子等を分散させるために、より充分な親水性、立体障害が得られるため、より一層優れた流動性を得ることができる。優れた流動性を得るには、mは3以上であることがより好ましく、更に好ましくは10以上、特に好ましくは20以上であり、また、280以下であることがより好ましく、更に好ましくは250以下、特に好ましくは150以下である。また、オキシエチレン基の平均付加モル数としてより好ましくは3以上、更に好ましくは10以上、特に好ましくは20以上であり、また、より好ましくは280以下、更に好ましくは250以下、特に好ましくは150以下である。一方、粘性の低いコンクリートを得るためには、mは3以上であることがより好ましく、更に好ましくは4以上、特に好ましくは5以上であり、また、100以下であることがより好ましく、更に好ましくは50以下、特に好ましくは30以下である。
なお、平均付加モル数とは、単量体1モル中において付加している当該有機基のモル数の平均値を意味する。
上記(ポリ)オキシアルキレン基を有する不飽和単量体としては、オキシアルキレン基の平均付加モル数mが異なる2種類以上の単量体を組み合わせて用いることができる。好適な組み合わせとしては、例えば、mの差が10以下(好ましくは5以下)の2種類の(ポリ)オキシアルキレン基を有する不飽和単量体の組み合わせ;mの差が10以上(好ましくは20以上)の2種類の(ポリ)オキシアルキレン基を有する不飽和単量体の組み合わせ;各々の平均付加モル数mの差が10以上(好ましくは20以上)の3種類以上の(ポリ)オキシアルキレン基を有する不飽和単量体の組み合わせ;等が挙げられる。また、組み合わせるmの範囲としては、平均付加モル数mが40〜300の範囲のポリオキシアルキレン基を有する不飽和単量体と、1〜40の範囲の(ポリ)オキシアルキレン基を有する不飽和単量体との組み合わせ(但しmの差は10以上、好ましくは20以上);平均付加モル数mが20〜300の範囲のポリオキシアルキレン基を有する不飽和単量体と、1〜20の範囲の(ポリ)オキシアルキレン基を有する不飽和単量体との組み合わせ(但しmの差は10以上、好ましくは20以上);等が可能である。
上記一般式(1)で表される化合物としては、例えば、不飽和アルコール(ポリ)アルキレングリコール付加物や、(ポリ)アルキレングリコールエステル系単量体が好適である。
上記不飽和アルコール(ポリ)アルキレングリコール付加物としては、不飽和基を有するアルコールに(ポリ)アルキレングリコール鎖が付加した構造を有する化合物であればよい。例えば、ビニルアルコールアルキレンオキシド付加物、(メタ)アリルアルコールアルキレンオキシド付加物、3−ブテン−1−オールアルキレンオキシド付加物、イソプレンアルコール(3−メチル−3−ブテン−1−オール)アルキレンオキシド付加物、3−メチル−2−ブテン−1−オールアルキレンオキシド付加物、2−メチル−3−ブテン−2−オールアルキレンオキシド付加物、2−メチル−2−ブテン−1−オールアルキレンオキシド付加物、2−メチル−3−ブテン−1−オールアルキレンオキシド付加物等が好適である。
上記不飽和アルコールポリアルキレングリコール付加物としてはまた、ポリエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル、ポリエチレングリコールモノ(2−メチル−2−プロペニル)エーテル、ポリエチレングリコールモノ(2−ブテニル)エーテル、ポリエチレングリコールモノ(3−メチル−3−ブテニル)エーテル、ポリエチレングリコールモノ(3−メチル−2−ブテニル)エーテル、ポリエチレングリコールモノ(2−メチル−3−ブテニル)エーテル、ポリエチレングリコールモノ(2−メチル−2−ブテニル)エーテル、ポリエチレングリコールモノ(1,1−ジメチル−2−プロペニル)エーテル、ポリエチレンポリプロピレングリコールモノ(3−メチル−3−ブテニル)エーテル、メトキシポリエチレングリコールモノ(3−メチル−3−ブテニル)エーテル等が好適である。
上記(ポリ)アルキレングリコールエステル系単量体としては、不飽和基と(ポリ)アルキレングリコール鎖とがエステル結合を介して結合された構造を有する単量体であればよく、不飽和カルボン酸ポリアルキレングリコールエステル系化合物が好適である。中でも、(アルコキシ)(ポリ)アルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートが好適である。
上記(アルコキシ)(ポリ)アルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートとしては、例えば、アルコール類に、炭素数2〜18のアルキレンオキシド基を1〜300モル付加したアルコキシ(ポリ)アルキレングリコール類と、(メタ)アクリル酸とのエステル化物が好適である。アルコキシ(ポリ)アルキレングリコール類としては特に、エチレンオキシドを主体とするものであることが好ましい。
上記アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、ノニルアルコール、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール等の炭素数1〜30の脂肪族アルコール類;シクロヘキサノール等の炭素数3〜30の脂環族アルコール類;(メタ)アリルアルコール、3−ブテン−1−オール、3−メチル−3−ブテン−1−オール等の炭素数3〜30の不飽和アルコール類;等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
上記エステル化物として具体的には、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、メトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、メトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート等の、(アルコキシ)ポリエチレングリコール(ポリ)(炭素数2〜4のアルキレングリコール)(メタ)アクリル酸エステル類が好適である。
上記(アルコキシ)(ポリ)アルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートとしては、上述した化合物の他にも、フェノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、フェノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、フェノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、(メタ)アリルオキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アリルオキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、(メタ)アリルオキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、(メタ)アリルオキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレートが好適である。
上記(ポリ)オキシアルキレン基を有する不飽和単量体としては、上述した化合物の他にも、(アルコキシ)(ポリ)アルキレングリコールモノマレイン酸エステル、(アルコキシ)(ポリ)アルキレングリコールジマレイン酸エステル等も好適である。このような単量体としては、以下のもの等が好適である。
炭素数1〜22個のアルコールや炭素数1〜22のアミンに炭素数2〜4のオキシアルキレンを1〜300モル付加させたアルキルポリアルキレングリコールと不飽和ジカルボン酸系単量体とのハーフエステル、ジエステル;不飽和ジカルボン酸系単量体と炭素数2〜4のグリコールの平均付加モル数が2〜300のポリアルキレングリコールとのハーフエステル、ジエステル;トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコール(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等の(ポリ)アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類;トリエチレングリコールジマレート、ポリエチレングリコールジマレート等の(ポリ)アルキレングリコールジマレート類。
<不飽和カルボン酸系単量体>
上記不飽和カルボン酸系単量体としては、重合性不飽和基とカルボキシル基を形成しうる基とを有する単量体であればよい。例えば、不飽和モノカルボン酸系単量体や不飽和ジカルボン酸系単量体等が好適である。中でも、不飽和モノカルボン酸系単量体がより好ましい。このように上記不飽和カルボン酸系単量体が不飽和モノカルボン酸系単量体である形態もまた、本発明の好適な形態の1つである。
上記不飽和モノカルボン酸系単量体としては、分子内に不飽和基とカルボキシル基を形成しうる基とを1つずつ有する単量体であればよく、例えば、下記一般式(2)で表される化合物であることが好適である。
Figure 0005715260
上記一般式(2)中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。Mは、水素原子、金属原子、アンモニウム基又は有機アミン基(有機アンモニウム基)を表す。
ここで、上記金属原子としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属原子等の1価の金属原子;カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属原子等の2価の金属原子;アルミニウム、鉄等の3価の金属原子;が好適である。また、有機アミン基としては、エタノールアミン基、ジエタノールアミン基、トリエタノールアミン基等のアルカノールアミン基や、トリエチルアミン基が好適である。更に、アンモニウム基であってもよい。
上記不飽和モノカルボン酸系単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等;これらの1価金属塩、2価金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩(有機アンモニウム塩)が好適である。これらの中でも、セメント分散性能の向上の面から、メタクリル酸、その1価金属塩、2価金属塩、アンモニウム塩及び/又は有機アミン塩(これらを総称して「メタクリル酸及び/又はその塩」とも称す)を用いることが好ましく、当該メタクリル酸及び/又はその塩は、上記不飽和カルボン酸系単量体として特に好適である。
上記不飽和ジカルボン酸系単量体としては、分子内に不飽和基を1つとカルボキシル基を形成しうる基を2つとを有する単量体であればよく、例えば、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、フマル酸等や、それらの1価金属塩、2価金属塩、アンモニウム塩及び有機アミン塩等、又は、それらの無水物が好適である。これらの他にも、不飽和ジカルボン酸系単量体と炭素数1〜22個のアルコールとのハーフエステル;不飽和ジカルボン酸類と炭素数1〜22のアミンとのハーフアミド;不飽和ジカルボン酸系単量体と炭素数2〜4のグリコールとのハーフエステル;マレアミン酸と炭素数2〜4のグリコールとのハーフアミド;を用いることも好適である。
<その他の不飽和単量体>
上記ポリカルボン酸系重合体を形成するために用いられる単量体成分はまた、上述した(ポリ)オキシアルキレン基を有する不飽和単量体及び不飽和カルボン酸系単量体以外に、必要に応じてその他の不飽和単量体を1種又は2種以上含んでいてもよい。
上記その他の不飽和単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル系単量体や、多分岐ポリオキシアルキレン基を有するエチレン系単量体が好適である。
上記(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、例えば、炭素数1〜10のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートが好適である。中でも、炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートが好ましく、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸プロピル等が挙げられる。より好ましくは、(メタ)アクリル酸メチルである。
上記多分岐ポリオキシアルキレン基を有するエチレン系単量体としては、例えば、(1)ポリアルキレンイミンにアルキレンオキシドを付加させた多分岐ポリマーにグリシジルメタクリレートを付加させたマクロマー、(2)ポリアルキレンイミンにアルキレンオキシドを付加させた多分岐ポリマーの(メタ)アクリル酸エステルマクロマー、(3)ポリアルキレンイミンにアルキレンオキシドを付加させた多分岐ポリマーのマレイン酸エステルマクロマーが挙げられる。なお、上記多分岐ポリマーとしては、ポリアミドポリアミンを用いてもよいし、多価アルコールにアルキレンオキシドを付加させたものを用いてもよい。
上記ポリアルキレンイミンは、1種又は2種以上のアルキレンイミンから構成されるポリアルキレンイミン鎖を有する化合物であればよく、ポリアルキレンイミン鎖としては、直鎖状の構造、分枝状の構造、三次元状に架橋された構造のいずれであってもよい。また、ポリアルキレンイミンの重量平均分子量は、100〜100000であることが好ましく、より好ましくは300〜50000、更に好ましくは600〜10000である。
上記アルキレンオキシドとしては、上述したものと同様のものが好ましく、オキシアルキレン基の平均付加モル数は、1以上、300以下とすることが好ましい。この範囲内にあると、製造しようとする重合体の親水性をより充分なものとすることができる。より好ましくは2以上、更に好ましくは3以上であり、また、より好ましくは200以下、更に好ましくは150以下、特に好ましくは100以下、最も好ましくは50以下である。
本発明のポリカルボン酸系重合体は、例えば、重合開始剤の存在下で、上述した単量体成分を重合することにより得ることが好ましい。すなわち、上記ポリカルボン酸系重合体は、重合開始剤の存在下で、上記単量体成分を重合する重合工程を含む製造方法により得ることが好適である。
上記重合開始剤としては、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩;過酸化水素;アゾビス−2メチルプロピオンアミジン塩酸塩、アゾイソブチロニトリル等のアゾ化合物;ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド等のパーオキシド;等が好適である。また、促進剤として、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、モール塩、ピロ重亜硫酸ナトリウム、ホルムアルデヒドナトリウムスルホキシレート、アスコルビン酸等の還元剤;エチレンジアミン、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、グリシン等のアミン化合物;等を併用することもできる。これらの重合開始剤や促進剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記重合工程では、本発明のポリカルボン酸系重合体の分子量を調整するために、重合開始剤の量を調整したり、連鎖移動剤を用いたりすることが好適である。すなわち本発明では、重合開始剤量の調整、及び、連鎖移動剤の使用、のうち、いずれか又は両方の手法を採用することが好適である。なお、連鎖移動剤は、1種又は2種以上を使用することができる。
上記連鎖移動剤としては種々の化合物が知られているが、工業的な観点からはチオール系連鎖移動剤を用いることが好適である。チオール系連鎖移動剤とは、SH基を少なくとも1つ有する有機化合物である。このようなチオール系連鎖移動剤としては、疎水性チオール系連鎖移動剤や、親水性チオール系連鎖移動剤が挙げられ、これらのいずれかを単独で用いてもよいし、これらを併用してもよい。
上記疎水性チオール系連鎖移動剤としては、炭素数3以上の炭化水素基をもつチオール化合物又は25℃の水に対する溶解度が10%以下の化合物が好適である。具体的には、例えば、ブタンチオール、オクタンチオール、デカンチオール、ドデカンチオール、ヘキサデカンチオール、オクタデカンチオール、シクロヘキシルメルカプタン、チオフェノール、チオグリコール酸オクチル、2−メルカプトプロピオン酸オクチル、3−メルカプトプロピオン酸オクチル、メルカプトプロピオン酸2−エチルヘキシルエステル、オクタン酸2−メルカプトエチルエステル、1,8−ジメルカプト−3,6−ジオキサオクタン、デカントリチオール、ドデシルメルカプタン等のチオール系連鎖移動剤が好適である。
上記疎水性チオール系連鎖移動剤は、必要に応じて親水性チオール系連鎖移動剤の1種又は2種と併用してもよい。
上記親水性チオール系連鎖移動剤としては、例えば、メルカプトエタノール、チオグリセロール、チオグリコール酸、メルカプトプロピオン酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、チオリンゴ酸、2−メルカプトエタンスルホン酸及びこれらの塩等が好適である。
上記連鎖移動剤としてはまた、非チオール系の連鎖移動剤の1種又は2種以上を使用してもよいし、非チオール系の連鎖移動剤と上記チオール系連鎖移動剤とを併用してもよい。
上記非チオール系の連鎖移動剤としては、例えば、2−アミノプロパン−1−オール等の1級アルコール;イソプロパノール等の2級アルコール;亜リン酸、次亜リン酸及びその塩(次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム等)や、亜硫酸、亜硫酸水素、亜二チオン酸、メタ重亜硫酸及びその塩(亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜二チオン酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸水素カリウム、亜二チオン酸カリウム、メタ重亜硫酸カリウム等)等の低級酸化物及びその塩;が好適である。
上記連鎖移動剤の反応容器への添加方法としては、滴下、分割投入等の連続投入方法を適用することが好適である。また、連鎖移動剤を単独で反応容器へ導入してもよく、単量体成分を構成するオキシアルキレン基を有する不飽和単量体や、溶媒等と、予め混合しておいてもよい。
ここで、チオール系連鎖移動剤を用いて重合を行う場合、チオール系連鎖移動剤は、重合後に残存することがある。その残存量は、実使用下における作業環境性等の観点から、得られるポリカルボン酸系重合体におけるチオール基量として、上述した範囲内にあることが好適である。
また上記重合は、回分式でも連続式でも行うことができる。
上記重合工程において、重合温度等の重合条件は、用いられる重合方法、溶媒、重合開始剤、連鎖移動剤等により適宜定められるが、重合温度としては、通常40℃以上であることが好ましく、また、150℃以下であることが好ましい。ここで、チオール系連鎖移動剤の残存量を減らすためには、重合温度が高い方が好ましいため、重合温度としてより好ましくは80℃以上であり、更に好ましくは90℃以上である。また、より好ましくは120℃以下であり、更に好ましくは100℃以下である。
また上述したように、本発明では、重合開始剤量の調整によりポリカルボン酸系重合体の分子量を調整することも好適である。このような手法は、連鎖移動剤を使用せずに本発明のポリカルボン酸系重合体を得る手法として好ましい。重合開始剤量の調整により分子量を調整する場合、重合開始剤量としては、上記単量体成分100モル%に対し、通常1モル%以上であることが好ましく、また、60モル%以下であることが好ましい。ここで、分子量を調整するためには、重合開始剤量が多い方が好ましいため、5モル%以上であることがより好ましく、更に好ましくは10モル%以上である。また、より好ましくは40モル%以下であり、更に好ましくは30モル%以下である。
上記重合工程において使用され得る単量体成分、連鎖移動剤及び重合開始剤は、いずれも、そのままの状態で用いてもよいし、それぞれを、水、アルコール類、ケトン類、炭化水素類、エステル類等の溶媒に溶解させた溶液(単量体成分含有溶液、連鎖移動剤含有溶液、重合開始剤含有溶液)として用いてもよい。これらの中でも、水を溶媒とする水溶液として用いることが好ましい。また、上記単量体成分含有溶液、連鎖移動剤含有溶液及び重合開始剤含有溶液は、それぞれ別々に反応容器に添加してもよいし、2種類の溶液を混合したものを添加してもよい。
ここで、チオール系連鎖移動剤の残存量を低減するためには、チオール系連鎖移動剤含有溶液の添加が終了した後にも、重合開始剤含有溶液が反応容器に添加されていることが好ましい。チオール系連鎖移動剤含有溶液と重合開始剤含有溶液との添加を同時に開始する場合、重合開始剤含有溶液の添加時間とチオール系連鎖移動剤含有溶液の添加時間との比(重合開始剤含有溶液の添加時間/チオール系連鎖移動剤含有溶液の添加時間)が、1.5以上であることが好ましい。より好ましくは1.75以上である。
またチオール系連鎖移動剤含有溶液の添加が終了してからの重合開始剤含有溶液の添加時間は、2時間以上であることが好ましい。より好ましくは3時間以上である。
上述したように、本発明においては、チオール系連鎖移動剤の残存量を低減するために、重合開始剤添加時間とチオール系連鎖移動剤添加時間との比を所定値以上にしたり、重合温度を上げたりすることが好適である。これにより、チオール基残存量が特定のレベル以下まで低減されたポリカルボン酸系重合体をより効率よく得ることが可能になる。すなわち、重合開始剤添加時間とチオール系連鎖移動剤添加時間との比が上述した所定値以上となるように重合を行う形態、及び/又は、重合温度を上述したように80℃以上として重合を行う形態は、本発明のポリカルボン酸系重合体の製造方法として好ましい形態である。
〔水硬性材料添加剤〕
本発明のポリカルボン酸系重合体は、水硬性材料添加剤の主成分として好適なものである。このように上記水硬性材料添加剤用ポリカルボン酸系重合体を含む水硬性材料添加剤もまた、本発明の1つである。
ここで、水硬性材料添加剤とは、例えば、ポルトランドセメント、高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメント、アルミナセメント等のセメント;天然石膏、副生石膏等の石膏;等の水硬性材料に用いられる添加剤であり、例えば、コンクリート混和剤、石膏分散剤等が代表的なものとして挙げられる。このような上記ポリカルボン酸系重合体を含むコンクリート混和剤及び石膏分散剤は、本発明の好適な実施形態に含まれる。
<コンクリート混和剤>
上記ポリカルボン酸系重合体を含むコンクリート混和剤は、セメントペースト、モルタル、コンクリート等のセメント組成物に加えて用いることができる。セメント組成物としては、セメント及び水を含み、必要に応じて細骨材、粗骨材等の骨材を含むものが好適である。すなわち、上記ポリカルボン酸系重合体を含むコンクリート混和剤と、セメントと、水とを含むセメント組成物は、本発明の好適な実施形態の1つである。
上記セメント組成物において、セメントとしては、ポルトランドセメント(普通、早強、超早強、中庸熱、耐硫酸塩及びそれぞれの低アルカリ形);各種混合セメント(高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメント);白色ポルトランドセメント;アルミナセメント;超速硬セメント(1クリンカー速硬性セメント、2クリンカー速硬性セメント、リン酸マグネシウムセメント);グラウト用セメント;油井セメント;低発熱セメント(低発熱型高炉セメント、フライアッシュ混合低発熱型高炉セメント、ビーライト高含有セメント);超高強度セメント;セメント系固化材;エコセメント(都市ごみ焼却灰、下水汚泥焼却灰の1種以上を原料として製造されたセメント)等の他、これらに高炉スラグ、フライアッシュ、シンダーアッシュ、クリンカーアッシュ、ハスクアッシュ、シリカヒューム、シリカ粉末、石灰石粉末等の微粉体や石膏を添加したもの等が挙げられる。
また骨材としては、砂利、砕石、水砕スラグ、再生骨材等以外に、珪石質、粘土質、ジルコン質、ハイアルミナ質、炭化珪素質、黒鉛質、クロム質、クロマグ質、マグネシア質等の耐火骨材等が挙げられる。
上記セメント組成物の1mあたりの単位水量、セメント使用量及び水/セメント比(質量比)としては、例えば、単位水量100〜185kg/m、使用セメント量200〜800kg/m、水/セメント比(質量比)=0.1〜0.7とすることが好適であり、より好ましくは、単位水量120〜175kg/m、使用セメント量250〜800kg/m、水/セメント比(質量比)=0.2〜0.65とすることである。このように、本発明のポリカルボン酸系重合体を含む水硬性材料添加剤は、貧配合から富配合に至るまでの幅広い範囲で使用可能であり、高減水率領域、すなわち、水/セメント比(質量比)=0.15〜0.5(好ましくは0.15〜0.4)といった水/セメント比の低い領域でも使用可能である。また、単位セメント量が多く水/セメント比が小さい高強度コンクリート、単位セメント量が300kg/m以下の貧配合コンクリートのいずれにも有効である。
上記コンクリート混和剤は、高減水率領域においても、流動性、保持性及び作業性をバランスよく高性能で発揮でき、優れた作業性を有することから、レディーミクストコンクリート、コンクリート2次製品(プレキャストコンクリート)用のコンクリート、遠心成形用コンクリート、振動締め固め用コンクリート、蒸気養生コンクリート、吹付けコンクリート等にも有効に使用することが可能であり、更に、中流動コンクリート(スランプ値が22〜25cmの範囲のコンクリート)、高流動コンクリート(スランプ値が25cm以上で、スランプフロー値が50〜70cmの範囲のコンクリート)、自己充填性コンクリート、セルフレベリング材等の高い流動性を要求されるモルタルやコンクリートにも有効である。
上記コンクリート混和剤をセメント組成物に使用する場合、その配合割合としては、必須成分であるポリカルボン酸系重合体が、固形分換算で、セメント質量の全量100質量%に対して、0.01〜10質量%となるように設定することが好ましい。0.01質量%以上であることで、性能的により充分なものとなる。また、10質量%を超えると、その効果は実質上頭打ちとなるが、10質量%以下であることで、経済性の面からより有利なものとなる。より好ましくは0.02〜8質量%であり、更に好ましくは0.05〜6質量%である。
上記コンクリート混和剤はまた、他のセメント添加剤と組み合わせて用いることもできる。他のセメント添加剤としては、例えば、以下に示すようなセメント添加剤(材)等の1種又は2種以上を使用することができる。中でも、オキシアルキレン系消泡剤や、AE剤を併用することが特に好ましい。
なお、セメント添加剤の添加割合としては、上記ポリカルボン酸系重合体の固形分100重量部に対し、0.0001〜10重量部とすることが好適である。
(1)水溶性高分子物質:ポリアクリル酸(ナトリウム)、ポリメタクリル酸(ナトリウム)、ポリマレイン酸(ナトリウム)、アクリル酸・マレイン酸共重合物のナトリウム塩等の不飽和カルボン酸重合物;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリオキシエチレンあるいはポリオキシプロピレンのポリマー又はそれらのコポリマー;メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の非イオン性セルロースエーテル類;酵母グルカンやキサンタンガム、β−1,3グルカン類(直鎖状、分岐鎖状の何れでも良く、一例を挙げれば、カードラン、パラミロン、パキマン、スクレログルカン、ラミナラン等)等の微生物醗酵によって製造される多糖類;ポリアクリルアミド;ポリビニルアルコール;デンプン;デンプンリン酸エステル;アルギン酸ナトリウム;ゼラチン;分子内にアミノ基を有するアクリル酸のコポリマー及びその四級化合物等。
(2)高分子エマルジョン。
(3)遅延剤:グルコン酸、リンゴ酸又はクエン酸、及び、これらの、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、トリエタノールアミン等の無機塩又は有機塩等のオキシカルボン酸並びにその塩;グルコース、フラクトース、ガラクトース、サッカロース;ソルビトール等の糖アルコール;珪弗化マグネシウム;リン酸並びにその塩又はホウ酸エステル類;アミノカルボン酸とその塩;アルカリ可溶タンパク質;フミン酸;タンニン酸;フェノール;グリセリン等の多価アルコール;アミノトリ(メチレンホスホン酸)、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)及びこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等のホスホン酸及びその誘導体等。
(4)早強剤・促進剤:塩化カルシウム、亜硝酸カルシウム、硝酸カルシウム、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウム等の可溶性カルシウム塩;アルカノールアミン;アルミナセメント;カルシウムアルミネートシリケート等。
(5)鉱油系消泡剤:燈油、流動パラフィン等。
(6)油脂系消泡剤:動植物油、ごま油、ひまし油、これらのアルキレンオキシド付加物等。
(7)脂肪酸系消泡剤:オレイン酸、ステアリン酸、これらのアルキレンオキシド付加物等。
(8)脂肪酸エステル系消泡剤:グリセリンモノリシノレート、アルケニルコハク酸誘導体、ソルビトールモノラウレート、ソルビトールトリオレエート、天然ワックス等。
(9)オキシアルキレン系消泡剤:(ポリ)オキシエチレン(ポリ)オキシプロピレン付加物等のポリオキシアルキレン類;ジエチレングリコールヘプチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシプロピレンブチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン−2−エチルヘキシルエーテル、炭素数12〜14の高級アルコールへのオキシエチレンオキシプロピレン付加物等の(ポリ)オキシアルキルエーテル類;ポリオキシプロピレンフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等の(ポリ)オキシアルキレン(アルキル)アリールエーテル類;2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、2,5−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジオール、3−メチル−1−ブチン−3−オール等のアセチレンアルコールにアルキレンオキシドを付加重合させたアセチレンエーテル類;ジエチレングリコールオレイン酸エステル、ジエチレングリコールラウリル酸エステル、エチレングリコールジステアリン酸エステル等の(ポリ)オキシアルキレン脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタントリオレイン酸エステル等の(ポリ)オキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル類;ポリオキシプロピレンメチルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンドデシルフェノールエーテル硫酸ナトリウム等の(ポリ)オキシアルキレンアルキル(アリール)エーテル硫酸エステル塩類;(ポリ)オキシエチレンステアリルリン酸エステル等の(ポリ)オキシアルキレンアルキルリン酸エステル類;ポリオキシエチレンラウリルアミン等の(ポリ)オキシアルキレンアルキルアミン類;ポリオキシアルキレンアミド等。
(10)アルコール系消泡剤:オクチルアルコール、ヘキサデシルアルコール、アセチレンアルコール、グリコール類等。
(11)アミド系消泡剤:アクリレートポリアミン等。
(12)リン酸エステル系消泡剤:リン酸トリブチル、ナトリウムオクチルホスフェート等。
(13)金属石鹸系消泡剤:アルミニウムステアレート、カルシウムオレエート等。
(14)シリコーン系消泡剤:ジメチルシリコーン油、シリコーンペースト、シリコーンエマルジョン、有機変性ポリシロキサン(ジメチルポリシロキサン等のポリオルガノシロキサン)、フルオロシリコーン油等。
(15)AE剤:樹脂石鹸、飽和又は不飽和脂肪酸、ヒドロキシステアリン酸ナトリウム、ラウリルサルフェート、ABS(アルキルベンゼンスルホン酸)、LAS(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸)、アルカンスルホネート、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテル、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテル硫酸エステル又はその塩、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテルリン酸エステル又はその塩、蛋白質材料、アルケニルスルホコハク酸、α−オレフィンスルホネート等。
(16)その他界面活性剤:オクタデシルアルコールやステアリルアルコール等の分子内に6〜30個の炭素原子を有する脂肪族1価アルコール、アビエチルアルコール等の分子内に6〜30個の炭素原子を有する脂環式1価アルコール、ドデシルメルカプタン等の分子内に6〜30個の炭素原子を有する1価メルカプタン、ノニルフェノール等の分子内に6〜30個の炭素原子を有するアルキルフェノール、ドデシルアミン等の分子内に6〜30個の炭素原子を有するアミン、ラウリン酸やステアリン酸等の分子内に6〜30個の炭素原子を有するカルボン酸に、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等のアルキレンオキシドを10モル以上付加させたポリアルキレンオキシド誘導体類;アルキル基又はアルコキシル基を置換基として有しても良い、スルホン基を有する2個のフェニル基がエーテル結合した、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸塩類;各種アニオン性界面活性剤;アルキルアミンアセテート、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド等の各種カチオン性界面活性剤;各種ノニオン性界面活性剤;各種両性界面活性剤等。
(17)防水剤:脂肪酸(塩)、脂肪酸エステル、油脂、シリコン、パラフィン、アスファルト、ワックス等。
(18)防錆剤:亜硝酸塩、リン酸塩、酸化亜鉛等。
(19)ひび割れ低減剤:ポリオキシアルキルエーテル類;2−メチル−2,4−ペンタンジオール等のアルカンジオール類等。
(20)膨張材:エトリンガイト系、石炭系等。
その他のセメント添加剤(材)として、例えば、セメント湿潤剤、増粘剤、分離低減剤、凝集剤、乾燥収縮低減剤、強度増進剤、セルフレベリング剤、防錆剤、着色剤、防カビ剤、高炉スラグ、フライアッシュ、シンダーアッシュ、クリンカーアッシュ、ハスクアッシュ、シリカヒューム、シリカ粉末、石膏等が挙げられる。
<石膏分散剤>
本発明のポリカルボン酸系重合体は、石膏分散剤にも好適に用いられる。本発明でいう石膏には、例えば、半水石膏、二水石膏、無水石膏の他に、リン酸石膏、フッ酸石膏等の副酸石膏も含まれる。上記ポリカルボン酸系重合体を石膏分散剤に使用することにより、種々の石膏成形体を好適に得ることができる。石膏成形体としては、例えば石膏ボード、石膏プラスター、石膏ブロック等を挙げることができる。
上記ポリカルボン酸系重合体を含む石膏分散剤は、更に、発泡剤、化粧漆喰用硬化促進剤、紙パルプの水性スラリー又は溶液等の各種添加剤を適量含有してもよい。
上記発泡剤としては、例えば、アルミニウム、亜鉛、マグネシウム、珪素合金等の粉末が例示され、アルミニウム粉末が好ましい。
上記化粧漆喰用硬化促進剤としては、例えばボールミル促進剤(BMA)、塩化カルシウム、炭酸ナトリウム、硫酸カリウム等が挙げられる。
上記紙パルプの水性スラリー又は溶液は、水と紙繊維(紙パルプ)を含み、トウモロコシでんぷん及び/又は炭酸カリウムを含んでもよい。
また上記紙パルプ溶液には、任意に、遅延剤が含まれてもよく、石膏組成物の硬化時間を合わせるために上記促進剤と併せて使用され得る。
上記ポリカルボン酸系重合体を含む水硬性材料用添加剤を、セメント以外の水硬性材料(石膏等)を含む水硬性材料組成物に使用する場合、その配合割合としては、必須成分であるポリカルボン酸系重合体が固形分換算で、石膏等の水硬性材料質量の全量100質量%に対して、0.005〜5質量%となるように設定することが好ましい。0.005質量%以上であることで、性能的により充分なものとなる。また、5質量%を超えると、その効果は実質上頭打ちとなるが、5質量%以下であることで、経済性の面からより有利なものとなる。また、5質量%以下であることで、硬化時間の遅延をより充分に抑制することが可能になる。より好ましくは0.01〜3質量%である。
本発明の水硬性材料添加剤用ポリカルボン酸系重合体は、上述の構成よりなるので、水硬性材料の分散性能に優れるとともに、作業性や品質の安定性にも優れるものである。したがって、このポリカルボン酸系重合体を含む、コンクリート混和剤や石膏分散剤等の水硬性材料添加剤は、土木・建築分野等で極めて有用なものである。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。特に断りのない限り、「%」は「質量%」を意味するものとする。
下記の製造例等で得られた重合体の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、上述した測定条件により測定した。また、重合体中のチオール基量(残存チオール基量)は、残存する3−メルカプトプロピオン酸の定量を、高速液体クロマトグラフィー(LC)にて下記条件により行い、算出した。
<LC測定条件>
使用カラム:資生堂社製 カプセルパックAQタイプ(官能基C18、粒子経3μm、内径4.6mm×長さ100mm)
溶離液:水18479.9g及びアセトニトリル380gの混合溶媒に、酢酸ナトリウム三水和物50.7g及び酢酸89.5gを溶かした溶離液溶液を用いる。
サンプル打込み量:2.0%溶離液溶液100μL
流速:1.0mL/min
カラム温度:40℃
検出器:日本Waters社製 2996 フォトダイオードアレイ検出器(検出波長230nm)
解析ソフト:日本Waters社製 Empower2
製造例1
温度計、攪拌機、滴下ロート、窒素導入管及び還流冷却管(コンデンサ)を備えた反応容器に、水240.2gを仕込み、90℃に昇温し、200ml/minの窒素で1時間窒素置換した。その後、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル数25)321.8g、メタクリル酸104.7g、48%水酸化ナトリウム水溶液12.1g、3−メルカプトプロピオン酸11.2g及び水99.9gの混合溶液(1)を4時間で、過硫酸ナトリウム6.5g及び水90.1gの混合溶液(2)を6時間で90℃に保たれた反応容器に、連続滴下した。更に、温度を90℃で1時間維持した後に水113.5gを反応容器に投入し、共重合体溶液を得た。得られた共重合体の重量平均分子量は8600、Mw/Mnは1.42、残存チオール基量はポリカルボン酸系共重合体に対して0.5μmol/g(残存3−メルカプトプロピオン酸量は、ポリカルボン酸系共重合体に対して53ppmであった。)であった。なお、この共重合体を「共重合体(A1)」とする。本共重合体(A1)を含む水溶液は連鎖移動剤由来の悪臭は有していなかった。
製造例2
上記混合溶液(2)の添加時間を7時間に、重合温度を95℃にしたこと以外は製造例1と同様に行い、共重合体溶液を得た。得られた共重合体の重量平均分子量は8200、Mw/Mnは1.41、残存チオール基量はポリカルボン酸系共重合体に対して0μmol/g(残存3−メルカプトプロピオン酸量は、ポリカルボン酸系共重合体に対して0ppmであった。)であった。なお、この共重合体を「共重合体(A2)」とする。本共重合体(A2)を含む水溶液は連鎖移動剤由来の悪臭は有していなかった。
製造例3
上記混合溶液(2)の添加時間を7時間に、重合温度を92℃にしたこと以外は製造例1と同様に行い、共重合体溶液を得た。得られた共重合体の重量平均分子量は8300、Mw/Mnは1.42、残存チオール基量はポリカルボン酸系共重合体に対して0μmol/g(残存3−メルカプトプロピオン酸量は、ポリカルボン酸系共重合体に対して0ppmであった。)であった。なお、この共重合体を「共重合体(A3)」とする。本共重合体(A3)を含む水溶液は連鎖移動剤由来の悪臭は有していなかった。
製造例4
上記混合溶液(2)の添加時間を7時間にしたこと以外は製造例1と同様に行い、共重合体溶液を得た。得られた共重合体の重量平均分子量は8000、Mw/Mnは1.40、残存チオール基量はポリカルボン酸系共重合体に対して0μmol/g(残存3−メルカプトプロピオン酸量は、ポリカルボン酸系共重合体に対して0ppmであった。)であった。なお、この共重合体を「共重合体(A4)」とする。本共重合体(A4)を含む水溶液は連鎖移動剤由来の悪臭は有していなかった。
製造例5
温度計、攪拌機、滴下ロート、窒素導入管及び還流冷却管(コンデンサ)を備えた反応容器に、水223.3gを仕込み、90℃に昇温し、200ml/minの窒素で1時間窒素置換した。その後、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル数25)330.3g、メタクリル酸97.3g、48%水酸化ナトリウム水溶液11.3g、3−メルカプトプロピオン酸10.6g及び水92.9gの混合溶液(3)を4時間で、過硫酸ナトリウム6.4g及び水83.8gの混合溶液(4)を7時間で90℃に保たれた反応容器に、連続滴下した。更に、温度を90℃で1時間維持した後に水144.2gを反応容器に投入し、共重合体溶液を得た。得られた共重合体の重量平均分子量は8200、Mw/Mnは1.41、残存チオール基量はポリカルボン酸系共重合体に対して0μmol/g(残存3−メルカプトプロピオン酸量は、ポリカルボン酸系共重合体に対して0ppmであった。)であった。なお、この共重合体を「共重合体(A5)」とする。本共重合体(A5)を含む水溶液は連鎖移動剤由来の悪臭は有していなかった。
製造例6
温度計、攪拌機、滴下ロート、窒素導入管及び還流冷却管(コンデンサ)を備えた反応容器に、水264.7g、3−メチル−3−ブテン−1−オールのエチレンオキシド50モル付加物396.4g、アクリル酸0.7gを仕込み、90℃に昇温し、500ml/minの窒素で1時間窒素置換した。その後、アクリル酸52.9g及び水59.7gの混合溶液(5)を3時間で、3−メルカプトプロピオン14.1g及び水85.9gの混合溶液(6)を3時間で、過硫酸アンモニウム10.5g及び水115.1gの混合溶液(7)を5時間で90℃に保たれた反応容器に、連続滴下した。更に、温度を90℃で1時間維持し、共重合体溶液を得た。得られた共重合体の重量平均分子量は9000、Mw/Mnは1.31、残存チオール基量はポリカルボン酸系共重合体に対して0.9μmol/g(残存3−メルカプトプロピオン酸量は、ポリカルボン酸系共重合体に対して96ppmであった。)であった。なお、この共重合体を「共重合体(A6)」とする。本共重合体(A6)を含む水溶液は連鎖移動剤由来の悪臭は有していなかった。
製造例7
温度計、攪拌機、滴下ロート、窒素導入管及び還流冷却管(コンデンサ)を備えた反応容器に、水264.7g、メタリルアルコールのエチレンオキシド50モル付加物396.4g、アクリル酸0.7gを仕込み、90℃に昇温し、500ml/minの窒素で1時間窒素置換した。その後、アクリル酸52.9g及び水59.7gの混合溶液(8)を3時間で、3−メルカプトプロピオン14.1g及び水85.9gの混合溶液(9)を3時間で、過硫酸アンモニウム10.5g及び水115.1gの混合溶液(10)を5時間で90℃に保たれた反応容器に、連続滴下した。更に、温度を90℃で1時間維持し、共重合体溶液を得た。得られた共重合体の重量平均分子量は8800、Mw/Mnは1.26、残存チオール基量はポリカルボン酸系共重合体に対して0.67μmol/g(残存3−メルカプトプロピオン酸量は、ポリカルボン酸系共重合体に対して71ppmであった。)であった。なお、この共重合体を「共重合体(A7)」とする。本共重合体(A7)を含む水溶液は連鎖移動剤由来の悪臭は有していなかった。
製造例8
温度計、攪拌機、滴下ロート、窒素導入管及び還流冷却管(コンデンサ)を備えた反応容器に、水400.0gを仕込み、95℃に昇温し、200ml/minの窒素で1時間窒素置換した。その後、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル数10)150.9g、メタクリル酸49.1g、48%水酸化ナトリウム水溶液3.8g及び水290.0gの混合溶液(11)を3時間で、過硫酸ナトリウム30.2g及び水76.1gの混合溶液(12)を4.5時間で95℃に保たれた反応容器に、連続滴下した。更に、温度を95℃で1時間維持した後に共重合体溶液を得た。得られた共重合体の重量平均分子量は9300、Mw/Mnは1.76、残存チオール基量は0μmol/gであった。なお、この共重合体を「共重合体(A8)」とする。本共重合体(A8)を含む水溶液は連鎖移動剤由来の悪臭は有していなかった。
比較製造例1
上記混合溶液(2)の添加時間を5時間にしたこと以外は製造例1と同様に行い、共重合体溶液を得た。得られた共重合体の重量平均分子量は8400、Mw/Mnは1.41、残存チオール基量はポリカルボン酸系共重合体に対して6.3μmol/g(残存3−メルカプトプロピオン酸量は、ポリカルボン酸系共重合体に対して669ppmであった。)であった。なお、この共重合体を「共重合体(B1)」とする。本共重合体(B1)を含む水溶液は連鎖移動剤由来の悪臭を有していた。
比較製造例2
上記混合溶液(2)の添加時間を5時間に、重合温度を80℃にしたこと以外は製造例1と同様に行い、共重合体溶液を得た。得られた共重合体の重量平均分子量は7700、Mw/Mnは1.39、残存チオール基量はポリカルボン酸系共重合体に対して20.7μmol/g(残存3−メルカプトプロピオン酸量は、ポリカルボン酸系共重合体に対して2196ppmであった。)であった。なお、この共重合体を「共重合体(B2)」とする。本共重合体(B2)を含む水溶液は連鎖移動剤由来の悪臭を有していた。
比較製造例3
上記混合溶液(2)の添加時間を7時間に、重合温度を80℃にしたこと以外は製造例1と同様に行い、共重合体溶液を得た。得られた共重合体の重量平均分子量は7900、Mw/Mnは1.41、残存チオール基量はポリカルボン酸系共重合体に対して10.6μmol/g(残存3−メルカプトプロピオン酸量は、ポリカルボン酸系共重合体に対して1129ppmであった。)であった。なお、この共重合体を「共重合体(B3)」とする。本共重合体(B3)を含む水溶液は連鎖移動剤由来の悪臭を有していた。
実施例1〜4
上述した製造例で得た共重合体(A1)、共重合体(A2)、共重合体(A6)及び共重合体(A7)の各々を、下記に示す配合で混合し、セメント分散剤として、混錬直後及び経時のモルタルフロー値を評価した。結果を表1に示す。
また共重合体(A3)〜(A5)、共重合体(A8)及び共重合体(B1)〜(B3)の各々のセメント分散剤としての性能評価も同様に下記の条件で行ったところ、初期のフロー値も、30分後、60分後のフロー値も、共重合体(A1)及び(A2)とほぼ同等であった。
<セメント分散性の評価>
モルタル試験は、温度20℃±1℃、相対湿度が60%±10%の環境下で行った。
モルタル配合は、C/S/W=942g/405g/143gとした。ただし、
C:シリカフュームセメント(宇部三菱セメント社製)
S:千葉県君津産山砂
W:本発明の共重合体、及び、消泡剤の水溶液
である。
Wとして、表1に示した添加量の重合体水溶液を量り採り、消泡剤MA−404(ポゾリス物産製)を有姿で重合体固形分に対して10質量%加え、更に水を加えて所定量とし、充分に均一な溶液とした。表1中、重合体の添加量は、セメント質量に対する重合体固形分の質量%で表されている。
ホバート型モルタルミキサー(型番N−50;ホバート社製)にステンレス製ビーター(攪拌羽根)を取り付け、Cを投入し、1速で20秒間混練した。更に、1速で混練しながらWを5秒かけて投入した。W投入後、75秒間混練した後に1速で混練しながらSを20秒間かけて投入し、更に70秒間混練した。その後、ミキサーを停止し、20秒間モルタルの掻き落としを行い、更に1速で120秒間混練を行い、モルタルを調整した。
モルタルを混練容器からポリエチレン製1L容器に移し、スパチュラで10回攪拌した後、ただちにフローテーブル(JIS R5201−1997に記載)に置かれたフローコーン(JIS R5201−1997に記載)に半量つめて15回つき棒で突き、更にモルタルをフローコーンのすりきりいっぱいまで詰めて15回つき棒で突き、最後に不足分を補い、フローコーンの表面をならした。その後、直ちにフローコーンを垂直に引き上げ、フローテーブルから高さ15cmのところで30秒間フローコーンを維持した。フローコーンを維持した後、150秒間静置し、広がったモルタルの直径(最も長い部分の直径(長径)及び前記長径に対して90度をなす部分の直径)を2箇所測定し、その平均値を初期フロー値とした。モルタル調製直後(初期)、30分及び60分におけるフロー値を表1に示す。なお、フロー値は数値が大きいほど、分散性能が優れている。
Figure 0005715260
本発明の水硬性材料添加用ポリカルボン酸系共重合体及び水硬性材料添加剤は、水硬性材料の分散性能に優れるとともに、作業性に優れ、品質の安定性にも優れることから、各種用途に有用なものである。

Claims (15)

  1. 水硬性材料添加剤に用いられるポリカルボン酸系重合体であって、
    該重合体は、(ポリ)アルキレングリコール鎖を有し、重量平均分子量(Mw)が3万以下であり、該重合体中のチオール基量が2.4μmol/g以下であり、
    該重合体中のチオール基は、チオール系連鎖移動剤に由来するものであることを特徴とする水硬性材料添加剤用ポリカルボン酸系重合体。
  2. 前記重合体は、(ポリ)オキシアルキレン基を有する不飽和単量体を含む単量体成分を重合して得られるものであることを特徴とする請求項1に記載の水硬性材料添加剤用ポリカルボン酸系重合体。
  3. 前記重合体は、(ポリ)オキシアルキレン基を有する不飽和単量体と、不飽和カルボン酸系単量体とを含む単量体成分を重合して得られるものであることを特徴とする請求項1又は2記載の水硬性材料添加剤用ポリカルボン酸系重合体。
  4. 前記(ポリ)オキシアルキレン基を有する不飽和単量体は、下記一般式(1):
    Figure 0005715260
    (一般式(1)中、R、R及びRは、同一又は異なって、水素原子又はメチル基を表す。Rは、水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を表す。Rは、同一又は異なって、炭素数2〜18のアルキレン基を表す。mは、ROで表されるオキシアルキレン基の平均付加モル数を表し、1〜300の数である。Xは、炭素数1〜5の2価のアルキレン基を表すか、−CO−結合を表すか、又は、RC=CR−で表される基がビニル基の場合、Xに結合している炭素原子と酸素原子とが直接結合していることを表す。すなわちXは、炭素数1〜5の2価のアルキレン基、−CO−結合、又は、直接結合(RC=CR−で表される基がビニル基の場合)、のいずれかを表す。)で表される化合物であることを特徴とする請求項2又は3に記載の水硬性材料添加剤用ポリカルボン酸系重合体。
  5. 前記不飽和カルボン酸系単量体は、不飽和モノカルボン酸系単量体であることを特徴とする請求項3又は4に記載の水硬性材料添加剤用ポリカルボン酸系重合体。
  6. 前記重合体の重量平均分子量は、1万以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の水硬性材料添加剤用ポリカルボン酸系重合体。
  7. 前記重合体中のチオール系連鎖移動剤は、250ppm以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の水硬性材料添加剤用ポリカルボン酸系重合体。
  8. 前記一般式(1)で表される化合物は、(ポリ)アルキレングリコールエステル系単量体であることを特徴とする請求項4〜7のいずれかに記載の水硬性材料添加剤用ポリカルボン酸系重合体。
  9. 前記一般式(1)で表される化合物は、不飽和アルコール(ポリ)アルキレングリコール付加物であることを特徴とする請求項4〜7のいずれかに記載の水硬性材料添加剤用ポリカルボン酸系重合体。
  10. 前記重合体中のチオール基量は、0.95μmol/g以下であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の水硬性材料添加剤用ポリカルボン酸系重合体。
  11. 前記重合体中のチオール基量は、0.5μmol/g以下であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の水硬性材料添加剤用ポリカルボン酸系重合体。
  12. 前記重合体中のチオール基量は、0.25μmol/g以下であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の水硬性材料添加剤用ポリカルボン酸系重合体。
  13. 前記重合体中のチオール基量は、0.05μmol/g以下であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の水硬性材料添加剤用ポリカルボン酸系重合体。
  14. 請求項1〜13のいずれかに記載の水硬性材料添加剤用ポリカルボン酸系重合体を含むことを特徴とする水硬性材料添加剤。
  15. 請求項14に記載の水硬性材料添加剤を含むことを特徴とする水硬性材料。
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