JP2018111620A - セメント用添加剤およびセメント組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
一般式(1)で表される不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体(a)由来の構造単位(I)と一般式(2)で表される不飽和カルボン酸系単量体(b)由来の構造単位(II)とを有するポリカルボン酸系共重合体を含み、
該ポリカルボン酸系共重合体を構成する全構造単位に対する該構造単位(I)の含有割合が34モル%〜44モル%であり、
該ポリカルボン酸系共重合体の重量平均分子量が65000以上である。
本発明のセメント用添加剤は、一般式(1)で表される不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体(a)由来の構造単位(I)と一般式(2)で表される不飽和カルボン酸系単量体(b)由来の構造単位(II)とを有するポリカルボン酸系共重合体を含む。
本発明のセメント用添加剤に含まれるポリカルボン酸系共重合体は、一般式(1)で表される不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体(a)由来の構造単位(I)と一般式(2)で表される不飽和カルボン酸系単量体(b)由来の構造単位(II)とを有する。
本発明のセメント組成物は、本発明のセメント用添加剤を含む。
重量平均分子量は、下記の条件によって測定した。
装置:Waters Alliance(2695)
解析ソフト:Waters社製、Empowerプロフェッショナル+GPCオプション
使用カラム:東ソー社製、TSKguardcolumnsSWXL+TSKgel G4000SWXL+G3000SWXL+G2000SWXL
検出器:示差屈折率計(RI)検出器(Waters 2414)、多波長可視紫外(PDA)検出器(Waters 2996)
溶離液:水10999g、アセトニトリル6001gの混合溶媒に酢酸ナトリウム三水和物115.6gを溶解し、更に酢酸でpH6.0に調整したもの。
較正曲線作成用標準物質:ポリエチレングリコール(ピークトップ分子量(Mp)272500、219300、107000、50000、24000、12600、7100、4250、1470)
較正曲線:上記ポリエチレングリコールのMp値と溶出時間とを基礎にして3次式で作成した。
流量:1mL/分
カラム温度:40℃
測定時間:45分
試料液注入量:100μL
ジムロート冷却管、テフロン(登録商標)製の撹拌翼と撹拌シール付の撹拌器、窒素導入管、温度センサーを備えたガラス製反応容器にイオン交換水:80.0部を仕込み、250rpmで撹拌下、窒素を200mL/分で導入しながら70℃まで加温した。次に、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリル酸エステル(エチレンオキシドの平均付加モル数9個)133.4部、メタクリル酸26.6部、メルカプトプロピオン酸1.53部、およびイオン交換水106.7部の混合溶液を4時間かけて滴下し、それと同時に、過硫酸アンモニウム1.19部とイオン交換水50.6部の混合溶液を5時間かけて滴下した。滴下完了後、1時間、70℃に保って重合反応を完結させた。そして、水酸化ナトリウム水溶液で中和して、重量平均分子量=20000の減水剤(1)の水溶液を得た。
ジムロート冷却管、テフロン(登録商標)製の撹拌翼と撹拌シール付の撹拌器、窒素導入管、温度センサーを備えたガラス製反応容器に、3−メチル−3−ブテン−1−オール(イソプレノール)の水酸基にエチレンオキシドを付加(エチレンオキシドの平均付加モル数50)させたもの(以下、IPN−50と称す)(80%水溶液)198.2部、アクリル酸0.32部、過酸化水素水(2%水溶液)12.47部、イオン交換水44.75部を仕込み、250rpmで撹拌下、窒素を200mL/分で導入しながら58℃まで加温した。次に、アクリル酸27.12部、イオン交換水108.5部からなる混合溶液を3時間かけ滴下し、それと同時にL−アスコルビン酸0.74部、3−メルカプトプロピオン酸1.61部、イオン交換水86.31部からなる混合溶液を3時間30分かけて滴下した。滴下完了後、1時間、58℃に保って重合反応を完結させた。そして、水酸化ナトリウム水溶液で中和して、質量平均分子量=35000の減水剤(2)の水溶液を得た。
温度計、撹拌機、滴下ロート、窒素導入管及び還流冷却器を備えたガラス製反応容器に、イオン交換水76.8gとメタリルアルコールにエチレンオキシド(EO)を平均50モル付加した不飽和ポリアルキレングリコールエーテル(MLA−50)132.1gを仕込み、撹拌下に反応装置を窒素置換し、80℃に昇温した。次に、アクリル酸17.86gをイオン交換水20.61gで希釈した水溶液を5時間かけて滴下した。それと同時に、イオン交換水16.76gに過硫酸アンモニウム0.7gおよびイオン交換水34.42gに3−メルカプトプロピオン酸0.65gを溶解させた水溶液をそれぞれ5時間かけて滴下した。滴下終了後、80℃にて1時間攪拌を続け重合反応を終了し、質量平均分子量(Mn)が32000であるポリカルボン酸系共重合体の水溶液を得た。得られたポリカルボン酸系共重合体水溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加え、pH7まで中和した。このようにして、減水剤(3)の水溶液を得た。結果を表1に示した。
表1に記載のように変更した以外は、製造例3と同様に行い、減水剤(4)の水溶液を得た。結果を表1に示した。
表1に記載のように変更した以外は、製造例3と同様に行い、減水剤(5)の水溶液を得た。結果を表1に示した。
表1に記載のように変更した以外は、製造例3と同様に行い、減水剤(6)の水溶液を得た。結果を表1に示した。
減水剤(2)とマイティ150(花王社製)を質量比で3:1で配合して、減水剤(7)を得た。
減水剤(2)とマスターポゾリスNo.8(BASFジャパン社製)を質量比で3:1で配合して、減水剤(8)を得た。
ジムロート冷却管、テフロン(登録商標)製の撹拌翼と撹拌シール付の撹拌器、窒素導入管、温度センサーを備えたガラス製反応容器にイオン交換水:55.81部、3−メチル−3−ブテン−1−オール(イソプレノール)の水酸基にエチレンオキシドを付加(エチレンオキシドの平均付加モル数50)させたもの(以下、IPN−50と称す)(80%水溶液):192.25部を仕込み、250rpmで撹拌下、窒素を200mL/分で導入しながら58℃まで加温した。次に、アクリル酸:6.2部とイオン交換水:24.81部からなる混合溶液を4時間かけて滴下した。また、L−アスコルビン酸:0.07部とイオン交換水:102.49部からなる混合溶液と、過硫酸アンモニウム:0.37部とイオン交換水:18部からなる混合溶液をそれぞれ5時間かけて滴下した。滴下完了後、1時間、58℃に保って重合反応を完結させた。そして、水酸化ナトリウム水溶液でpH7.0に中和して、重量平均分子量=83000の共重合体であるセメント用添加剤(1)の水溶液を得た。
結果を表2に示した。
ジムロート冷却管、テフロン(登録商標)製の撹拌翼と撹拌シール付の撹拌器、窒素導入管、温度センサーを備えたガラス製反応容器にイオン交換水:55.81部、3−メチル−3−ブテン−1−オール(イソプレノール)の水酸基にエチレンオキシドを付加(エチレンオキシドの平均付加モル数50)させたもの(以下、IPN−50と称す)(80%水溶液):192.25部を仕込み、250rpmで撹拌下、窒素を200mL/分で導入しながら50℃まで加温した。次に、アクリル酸:6.2部とイオン交換水:24.81部からなる混合溶液を4時間かけて滴下した。また、L−アスコルビン酸:0.07部とイオン交換水:102.49部からなる混合溶液と、過硫酸アンモニウム:0.37部とイオン交換水:18部からなる混合溶液をそれぞれ5時間かけて滴下した。滴下完了後、1時間、50℃に保って重合反応を完結させた。そして、水酸化ナトリウム水溶液でpH7.0に中和して、重量平均分子量=105000の共重合体であるセメント用添加剤(2)の水溶液を得た。
結果を表2に示した。
ジムロート冷却管、テフロン(登録商標)製の撹拌翼と撹拌シール付の撹拌器、窒素導入管、温度センサーを備えたガラス製反応容器にイオン交換水:27.68部、3−メチル−3−ブテン−1−オール(イソプレノール)の水酸基にエチレンオキシドを付加(エチレンオキシドの平均付加モル数50)させたもの(以下、IPN−50と称す)(80%水溶液):95.34部を仕込み、250rpmで撹拌下、窒素を200mL/分で導入しながら58℃まで加温した。次に、アクリル酸:3.73部とイオン交換水:14.92部からなる混合溶液を4時間かけて滴下した。また、L−アスコルビン酸:0.04部とイオン交換水:248.10部からなる混合溶液と、過硫酸アンモニウム:0.20部とイオン交換水:9.99部からなる混合溶液をそれぞれ5時間かけて滴下した。滴下完了後、1時間、58℃に保って重合反応を完結させた。そして、水酸化ナトリウム水溶液でpH7.0に中和して、重量平均分子量=66000の共重合体であるセメント用添加剤(3)の水溶液を得た。
結果を表2に示した。
ジムロート冷却管、テフロン(登録商標)製の撹拌翼と撹拌シール付の撹拌器、窒素導入管、温度センサーを備えたガラス製反応容器にイオン交換水:54.67部、3−メチル−3−ブテン−1−オール(イソプレノール)の水酸基にエチレンオキシドを付加(エチレンオキシドの平均付加モル数50)させたもの(以下、IPN−50と称す)(80%水溶液):188.30部を仕込み、250rpmで撹拌下、窒素を200mL/分で導入しながら58℃まで加温した。次に、アクリル酸:9.36部とイオン交換水:37.44部からなる混合溶液を4時間かけて滴下した。また、L−アスコルビン酸:0.09部とイオン交換水:86.7部からなる混合溶液と、過硫酸アンモニウム:0.47部とイオン交換水:22.98部からなる混合溶液をそれぞれ5時間かけて滴下した。滴下完了後、1時間、58℃に保って重合反応を完結させた。そして、水酸化ナトリウム水溶液でpH7.0に中和して、重量平均分子量=112000の共重合体であるセメント用添加剤(C1)の水溶液を得た。
結果を表2に示した。
ジムロート冷却管、テフロン(登録商標)製の撹拌翼と撹拌シール付の撹拌器、窒素導入管、温度センサーを備えたガラス製反応容器にイオン交換水:56.27部、3−メチル−3−ブテン−1−オール(イソプレノール)の水酸基にエチレンオキシドを付加(エチレンオキシドの平均付加モル数50)させたもの(以下、IPN−50と称す)(80%水溶液):193.81部を仕込み、250rpmで撹拌下、窒素を200mL/分で導入しながら58℃まで加温した。次に、アクリル酸:4.95部とイオン交換水:19.8部からなる混合溶液を4時間かけて滴下した。また、L−アスコルビン酸:0.06部とイオン交換水:108.76部からなる混合溶液と、過硫酸アンモニウム:0.33部とイオン交換水:16.02部からなる混合溶液をそれぞれ5時間かけて滴下した。滴下完了後、1時間、58℃に保って重合反応を完結させた。そして、水酸化ナトリウム水溶液でpH7.0に中和して、重量平均分子量=72000の共重合体であるセメント用添加剤(C2)の水溶液を得た。
結果を表2に示した。
ジムロート冷却管、テフロン(登録商標)製の撹拌翼と撹拌シール付の撹拌器、窒素導入管、温度センサーを備えたガラス製反応容器にイオン交換水:55.81部、3−メチル−3−ブテン−1−オール(イソプレノール)の水酸基にエチレンオキシドを付加(エチレンオキシドの平均付加モル数50)させたもの(以下、IPN−50と称す)(80%水溶液):72.09部を仕込み、250rpmで撹拌下、窒素を200mL/分で導入しながら58℃まで加温した。次に、アクリル酸:2.33部とイオン交換水:9.3部からなる混合溶液を4時間かけて滴下した。また、L−アスコルビン酸:0.03部とイオン交換水:288.43部からなる混合溶液と、過硫酸アンモニウム:0.14部とイオン交換水:6.75部からなる混合溶液をそれぞれ5時間かけて滴下した。滴下完了後、1時間、58℃に保って重合反応を完結させた。そして、水酸化ナトリウム水溶液でpH7.0に中和して、重量平均分子量=63000の共重合体であるセメント用添加剤(C3)の水溶液を得た。
結果を表2に示した。
実施例1、2、比較例1〜3で得られたセメント用添加剤、製造例1で得られた減水剤(1)を用いてコンクリート試験、ブリーディング試験を行った(実施例4〜7、比較例4〜9)。また、セメント用添加剤を用いずに、製造例1で得られた減水剤(1)を用いてコンクリート試験、ブリーディング試験を行った(比較例10)。
結果を表3に示した。
実施例1、比較例3で得られたセメント用添加剤、製造例2〜8で得られた減水剤を用いてコンクリート試験を行った(実施例8〜14、比較例11〜17)。
結果を表4に示した。
具体的には、セメントとして普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製)、細骨材として大井川水系産陸砂、粗骨材として青海産砕石、混練水として水道水を用い、表2に示すようにセメント用添加剤、減水剤を用い、セメント:382kg/m3、水:172kg/m3、細骨材:796kg/m3、粗骨材:930kg/m3、細骨材率(細骨材/細粗骨材+粗骨材)(容積比):47%、水/セメント比(重量比)=0.45の配合にて、コンクリート組成物を調製した。なお、コンクリート組成物の温度が20℃の試験温度になるように、試験に使用する材料、強制練りミキサー、測定器具類を上記の試験温度雰囲気下で調温し、混練および各測定は上記の試験温度雰囲気下で行った。なお、コンクリート組成物中の気泡がコンクリート組成物の流動性に及ぼす影響を避けるために、必要に応じてオキシアルキレン系消泡剤を用い、空気量が1.0±0.5%となるように調整した。
上記条件下に強制練りミキサーを用いて混練時間90秒間でコンクリートを製造し、スランプ値、フロー値、および空気量を測定した。なお、スランプ値、フロー値、および空気量の測定は、日本工業規格(JIS−A−1101、1128)に準拠して行った。
なお、セメント用添加剤と減水剤は、フロー値が37.5〜42.5cmになるような量で添加した。すなわち、同じフロー値となる時に、セメント用添加剤と減水剤の合計の添加量が少ない方がより優れる。
モルタル配合は、C/S/W=500/1350/250(g)とした。
C:普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製)
S:大井川産陸砂
W:イオン交換水(共重合体、消泡剤を含む)
実験環境は、20℃プラスマイナス1℃、湿度60%プラスマイナス10%とした。所定量のポリカルボン酸系共重合体の水溶液を量りとり、消泡剤をポリカルボン酸系共重合体の固形分に対して有姿で20質量%加え、さらにイオン交換水を加えて250gとし、十分に均一溶解させた。
モルタル混練には、ホバート型モルタルミキサー(型番N−50、ホバート社製)に、ステンレス製ビーター(撹拌羽根)を取り付けたものを用いた。まず、混練容器に所定量のC、Sを仕込み、1速で1分間混練したのち、Wを投入し、引き続き1速で3分間混練した。その後、混練を停止して15秒間、容器壁に付いたモルタルを掻き落し、2分45秒静置した。さらに1速で2分間混練して混練終了とし、モルタルを混練容器からポリエチレン製1L容器に移した。
(モルタル流動性測定手順)
モルタル流動性の測定には、JIS−A−1171準拠のモルタルスランプ試験用器具を用いた。練り上がったモルタルをスパチュラで20回撹拌した後、水平に設置した鋼製平板上に置かれたスランプコーン(上端内径50mm、下端内径100mm、高さ150mm)の中にモルタルの半量を詰め、付棒で15回付いて均一に充填し、さらに同様の手順で残りの半量を充填し、表面を均一に馴らした。続いて、スランプコーンを垂直に引き上げ、モルタルの流動が止まってから、広がったモルタルの直径を縦横2点計測し、平均値をフロー値とした。次に、モルタルの頂部の下がりを計測し、これをスランプ値とした。
最後に下記式で計算されたモルタルワーカビリティ値をモルタル流動性の指標とした。
モルタルワーカビリティ(mm)=フロー値(mm)+スランプ値(mm)−100(mm)
このモルタルワーカビリティが180±10mmとなるようにポリカルボン酸系共重合体の添加量を調整した。
(ブリーディング水量測定手順)
モルタル900gをポリプロピレン製900cc容器に充填し、フタをして密閉状態で静置した。静置した時刻から1時間ごとに、モルタル上面に浸み出した水をピペットで吸い取り、吸い取った水の重量(ブリーディング水量)を測定した。測定は、ブリーディングが認められなくなるまで実施した。水を吸い取るのを容易にするため、その1分前に暑さ約1cmのブロックを容器の底部片側に挟んで容器を傾け、水を吸い取った後、静かに水平の位置に戻した。
評価は下記の基準に従って行った。
○:ブリーディング水量:5ml以下
△:ブリーディング水量:5〜6ml
×:ブリーディング水量:6ml以上
Claims (2)
- 一般式(1)で表される不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体(a)由来の構造単位(I)と一般式(2)で表される不飽和カルボン酸系単量体(b)由来の構造単位(II)とを有するポリカルボン酸系共重合体を含み、
該ポリカルボン酸系共重合体を構成する全構造単位に対する該構造単位(I)の含有割合が34モル%〜44モル%であり、
該ポリカルボン酸系共重合体の重量平均分子量が65000以上である、
セメント用添加剤。
- 請求項1に記載のセメント用添加剤を含む、セメント組成物。
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