JP6440544B2 - コーティング剤、導電性樹脂膜、電子写真用部材及び電子写真用部材の製造方法 - Google Patents

コーティング剤、導電性樹脂膜、電子写真用部材及び電子写真用部材の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6440544B2
JP6440544B2 JP2015057750A JP2015057750A JP6440544B2 JP 6440544 B2 JP6440544 B2 JP 6440544B2 JP 2015057750 A JP2015057750 A JP 2015057750A JP 2015057750 A JP2015057750 A JP 2015057750A JP 6440544 B2 JP6440544 B2 JP 6440544B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coating agent
coating
resin film
substrate
molecule
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015057750A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016006158A (ja
Inventor
紀章 江川
紀章 江川
英一 ▲浜▼名
英一 ▲浜▼名
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2015057750A priority Critical patent/JP6440544B2/ja
Priority to US14/720,570 priority patent/US9684255B2/en
Publication of JP2016006158A publication Critical patent/JP2016006158A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6440544B2 publication Critical patent/JP6440544B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G5/00Recording members for original recording by exposure, e.g. to light, to heat, to electrons; Manufacture thereof; Selection of materials therefor
    • G03G5/14Inert intermediate or cover layers for charge-receiving layers
    • G03G5/147Cover layers
    • G03G5/14704Cover layers comprising inorganic material
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G5/00Recording members for original recording by exposure, e.g. to light, to heat, to electrons; Manufacture thereof; Selection of materials therefor
    • G03G5/14Inert intermediate or cover layers for charge-receiving layers
    • G03G5/147Cover layers
    • G03G5/14708Cover layers comprising organic material
    • G03G5/14713Macromolecular material
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G5/00Recording members for original recording by exposure, e.g. to light, to heat, to electrons; Manufacture thereof; Selection of materials therefor
    • G03G5/14Inert intermediate or cover layers for charge-receiving layers
    • G03G5/147Cover layers
    • G03G5/14708Cover layers comprising organic material
    • G03G5/14713Macromolecular material
    • G03G5/14795Macromolecular compounds characterised by their physical properties

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Electrophotography Configuration And Component (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)

Description

本発明は、導電性塗膜を形成するためのコーティング剤、及び、複写機やプリンター等の電子写真画像形成装置(以下「電子写真装置」と称す。)などに用いられる、搬送転写ベルトや中間転写ベルト等の電子写真用部材の製造方法に関する。
中間転写ベルト等に用いられる電子写真用部材には、トナーの転写効率の向上や耐摩耗性の付与を目的として、表面にアクリル樹脂やウレタン樹脂等を含む導電性の樹脂層を有するものが知られている。導電性の樹脂層の形成には、樹脂の原料及び導電性の無機微粒子を含む塗布液(以下、「コーティング剤」と称することがある)が用いられる。
このような塗布液について、特許文献1には、特定の分散助剤を用いて、塗布液中において無機微粒子を均一分散させること、それにより、塗布液の寿命を伸ばすことができることが開示されている。
特開2007−316371号公報
しかしながら、本発明者らの検討の結果、特許文献1に記載されているように、分散剤を用いて無機微粒子の分散性が改善され、無機微粒子の良好な分散状態が維持されているコーティング剤であっても、調合直後のコーティング剤を用いて形成された表面層と、調合から一定の時間が経過したコーティング剤を用いて形成された表面層とでは導電性が異なる場合があることが判明した。
そこで、本発明の目的は、調合からの経過時間に因らず、所望の電気抵抗値を示す導電性の樹脂膜を与えるコーティング剤を提供することにある。本発明の他の目的は、導電性の安定した導電性の樹脂膜を提供することにある。
本発明の他の目的は、導電性が安定している導電性の樹脂層を備えた電子写真用部材を製造する方法を提供することにある。
また、本発明の更に他の目的は、バラつきの少ない導電性の樹脂層を有する電子写真用部材の製造方法を提供することにある。
本発明によれば、水酸基を分子内に有する重合性化合物、分子内に窒素原子を有する分散剤で表面を処理された導電性の無機粒子、及び溶剤を含有するコーティング剤であって、
該重合性化合物が、(メタ)アクリレート又はウレタン(メタ)アクリレートであり、
該分散剤が、3級アミンであり、
該重合性化合物の分子内において、該水酸基の酸素原子と該酸素原子から最も遠い原子との原子間距離をD1とし、
該分散剤の分子内において、該窒素原子と該窒素原子から最も遠い原子との原子間距離をD2としたとき、D1及びD2が、下記式(1)で示す関係を満たしているコーティング剤が提供される。
[(|D1−D2|)/D2]≦0.30 式(1)
また、本発明によれば、上記コーティング剤を基体上に塗布して硬化させてなる導電性樹脂膜が提供される。
また、本発明によれば、基体と、該基体上に形成されてなる、上記コーティング剤の塗膜の硬化膜を有する電子写真用部材が提供される。
更に、本発明によれば、基体と該基体上に形成された導電性の樹脂膜とを有する電子写真用部材の方法であって、上記のコーティング剤を該基体上に塗布し塗膜を形成する工程と、該塗膜を硬化させる工程と、を有することを特徴とする電子写真用部材の製造方法が提供される。
更にまた、本発明によれば、基体と該基体上に形成された導電性の樹脂膜とを有する電子写真用部材を量産する方法であって、
(a)上記のコーティング剤の塗膜を基体上に形成する工程と、
(b)工程(a)で形成した該塗膜を硬化させて導電性の樹脂膜を形成する工程と、を有し、
該工程(a)を、複数の基体に対して繰り返し行うことにより複数の電子写真用部材を製造する電子写真用部材を量産する方法が提供される。
本発明によれば、コーティング剤の調合からの時間の経過の長短に因らず、電気抵抗値の変動が抑制された導電性の樹脂膜を形成することのできるコーティング剤を得ることができる。また、本発明によれば、導電性が安定した導電性の樹脂膜を得ることができる。更に、本発明によれば、導電性のバラつきが少ない導電性の樹脂層を有する電子写真用部材を量産することのできる電子写真用部材の量産方法が提供される。
本発明に係る電子写真用部材の断面概略図である。 本発明に係る電子写真用部材の基体の製造に用いる延伸ブロー成形機の概略図である。 コーティング剤の経時変化の説明図である。 本発明に係るコーティング剤における経時変化の説明図である。
本発明者らは、特許文献1に記載されているような、分散剤によって無機微粒子が均一に分散されたコーティング剤であっても、調合直後の当該塗布液を用いて形成された導電性の樹脂膜と、調合から一定の時間が経過した当該コーティング剤を用いて形成された導電性の樹脂層とで、導電性が変化してしまう理由について検討を重ねた。その過程で、調合から一定時間が経過したコーティング剤であっても、無機微粒子の均一分散は維持されていることを確認した。すなわち、調合から時間が経過したコーティング剤を用いて形成された樹脂膜の導電性の、調合直後のコーティング剤を用いて形成された樹脂膜の導電性に対する変化は、無機微粒子自体の分散性低下による凝集や沈降が原因ではなかった。
そこで、更なる検討を重ねた結果、以下のようなメカニズムによって、上記の導電性変化が生じていることが判明した。
すなわち、重合性化合物、分子内に窒素原子を有する分散剤によって処理された導電性の無機粒子及び溶剤を含有するコーティング剤中では、図3(a)に示したように、無機粒子31の表面に、分散剤33が、分子内の窒素原子を吸着点として吸着することによって、該無機粒子の分散性が維持されている。しかし、分子内に水酸基を有する重合性化合物35がコーティング剤中に存在していると、当該水酸基と無機粒子の表面との親和性が高く、重合性化合物が無機粒子の表面に吸着しやすい。そのため、コーティング剤の調合から時間が経過すると、無機粒子31の表面には、重合性化合物35が吸着していく(図3(b))。
ここで、導電性の樹脂膜中における無機粒子は、一部が凝集して凝集塊を形成し、該凝集塊が導電性パスを形成することで導電性が発現している。そして、樹脂膜の電気抵抗値は、凝集塊を形成している無機粒子間の距離に依存する。具体的には、無機粒子間の距離が長くなるほど、樹脂膜の電気抵抗値は上昇し、短くなるほど低下する。つまり、無機粒子の表面に吸着した分子の大きさが大きい場合、無機粒子の間の距離が大きくなるため樹脂膜の電気抵抗値は高くなる。例えば、トリ−n−ブチルアミンで処理した無機粒子を含むコーティング剤と、トリ−n−ヘキシルアミンで処理した無機粒子を含むコーティング剤とでは、分子サイズの大きい、トリ−n−ヘキシルアミンで処理した無機粒子を含むコーティングで形成された樹脂膜の方が電気抵抗値が高かった。
従って、図3(a)に示したように、調合直後のコーティング剤における無機粒子の表面には分散剤のみが吸着していた状態から、図3(b)に示したように、無機粒子の表面に徐々に重合性化合物が吸着した状態に変化した場合において、分散剤の分子のサイズと、重合性化合物の分子のサイズが異なっていると、調合直後のコーティング剤から形成された樹脂膜中の無機粒子の間の距離と、調合から時間が経過したコーティング剤から形成された樹脂膜中の無機粒子の間の距離とが変化する。これが、調合直後のコーティング剤によって形成された樹脂膜と、調合からの時間が経過したコーティング剤によって形成された樹脂膜とで、導電性が変化してしまう理由であると考えられた。
上記の考察に基づき、更なる検討を重ねた結果、分散剤の分子サイズと、重合性化合物の分子サイズとを同程度に揃えることによって、コーティング剤の調合からの時間の経過に伴う、樹脂膜の導電性変化を抑制できることを見出した。すなわち、図4(a)に示したように、分散剤41の分子サイズと、重合性化合物43の分子サイズとを同程度とした場合、調合から時間が経過し、無機粒子の表面に重合性化合物43が吸着したコーティング剤を用いて形成した樹脂膜中における無機粒子間の距離は、調合直後の、図4(a)に示した状態の無機粒子が含まれるコーティング剤を用いて形成された樹脂膜中における無機粒子間の距離と同程度とすることができる。そのため、樹脂膜の形成に用いるコーティング剤の調合からの経過時間の差に起因する、複数の樹脂膜の間での導電性の差を生じ難くすることができる。
すなわち、本発明に係るコーティング剤は、水酸基を分子内に有する重合性化合物、分子内に窒素原子を有する分散剤で表面を処理された導電性の無機粒子及び溶剤を含有している。
そして、該重合性化合物と該分散剤とは、各々の無機微粒子の表面への吸着点から、該吸着点から最も遠い原子までの原子間距離が同程度のものである。すなわち、重合性化合物の分子内において、該無機粒子の表面への吸着点となる水酸基の酸素原子と、該酸素原子から最も遠い原子との原子間距離をD1とし、分散剤の分子内において、該無機粒子の吸着点となる窒素原子と該窒素原子から最も遠い原子との原子間距離をD2としたとき、D1及びD2が、下記式(1)で示す関係を満たしているものである。
式(1)
[(|D1−D2|)/D2]≦0.30
以下、本発明に係るコーティング剤及び電子写真用部材の実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
<<<コーティング剤>>>
以下に本発明に係るコーティング剤について詳述する。
<<コーティング剤の構成成分>>
本発明に係るコーティング剤は、水酸基を分子内に有する重合性化合物、分子内に窒素原子を有する分散剤で表面を処理された導電性の無機粒子及び溶剤を含む。
<水酸基を分子内に有する重合性化合物>
水酸基を含む重合性化合物であれば特に限定されないが、電子写真用部材に用いるには耐摺擦性及び硬度の観点から、(メタ)アクリレート、及び、ウレタン(メタ)アクリレートが好適に用いられる。中でも、(メタ)アクリレートが特に好ましい。なお、(メタ)アクリレートとは、アクリレート及びメタアクリレートを表す。
以下に、本発明に好適に用い得る、水酸基を分子内に有する重合性化合物の具体例を列挙する。ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド(EO)変性ジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシルエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシルプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイロキシプロピルメタクリレート、グリセリンジメタクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルサクシネート、ペンタエリスリトールジアクリレート−ヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールジアクリレート−トルエンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールジアクリレート−イソホロンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート−ヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー。
これらの中でも、ペンタエリスリトールトリアクリレートが特に好ましい。
なお、コーティング剤の粘度、コーティング剤の塗膜の硬化時の収縮抑制、及び樹脂膜の硬度調整のため、本発明の効果を阻害しない範囲で他の重合性化合物を用いることも可能である。
<分子内に窒素原子を有する分散剤で表面を処理された導電性の無機粒子>
(無機導電性粒子)
本発明に係る導電性の無機粒子としては特に限定されないが、以下に具体例を列挙する。
アンチモン酸亜鉛粒子、ガリウムドープ酸化亜鉛粒子、アンチモンドープ酸化すず粒子、インジウムドープ酸化すず粒子、リンドープ酸化すず粒子、アルミニウムドープ酸化亜鉛粒子、ニオブドープ酸化すず粒子、フッ素ドープ酸化すず粒子、ガリウムドープ酸化すず粒子。中でも、アンチモン酸亜鉛粒子が特に好適に用いられる。また、上記の無機導電性粒子の中から、複数種を用いても良い。
(分子内に窒素原子を有する分散剤)
分子内に窒素原子を有する分散剤としては、アミン系の分散剤が挙げられる。以下に具体例を列挙する。
トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−デシルアミン、トリ−n−ドデシルアミン、ジメチルヘキサデシルアミン、ジメチルドデシルアミン、ジラウリルモノメチルアミン、ジブチルアミン、ジヘキシルアミン、ジオクチルアミン、ジデシルアミン、ジドデシルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ドデシルアミン。中でも、3級アミンが、無機粒子のコーティング剤中における分散性に優れるため好ましく、更には、トリ−n−オクチルアミンが好ましい。また、分散剤は複数種の材料を用いても良い。
(分散剤による表面処理)
分散剤で処理された無機粒子は、無機粒子、分散剤及び溶剤からなる混合物を、ビーズミル等で一定時間混合することにより得ることができる。また、分散処理されたスラリー状の市販の製品を用いることもできる。
コーティング剤中における、無機粒子の配合量は、前記重合性化合物100質量部に対して1〜50質量であることが好ましく、5〜30質量部であることが更に好ましい。無機導電性粒子の配合量を上記の範囲とすることによって、コーティング剤の成膜性をより向上させることができる。また、得られる樹脂膜に十分な導電性を付与することもできる。
また、分散剤の配合量は、無機粒子の配合量に応じて適宜調整すればよいが、無機粒子100質量部に対して0.1〜10質量部とすることが好ましく、更に好ましくは1〜3質量部である。分散剤の配合量を上記の範囲とすることによって、コーティング剤中における無機粒子の分散性を十分に確保しつつ、樹脂膜からの分散剤の過度の浸み出しの発生を抑えられる。
<原子間距離>
水酸基を分子内に有する重合性化合物及び分子内に窒素原子を有する分散剤を選択するに当たっては、重合性化合物分子と分散剤分子との大きさを同程度に揃えることが肝要である。
重合性化合物の分子内において、水酸基中の酸素原子と当該酸素原子から最も遠い原子との原子間距離をD1とし、分散剤の分子内における窒素原子と当該窒素原子から最も遠い原子までの原子間距離をD2とする。このとき、D1及びD2が、下記式(1)で示される関係を満たすことで、コーティング剤の調合からの経過時間に因らず、樹脂膜の電気抵抗値のバラつきを十分に抑えることができる。
式(1)
[(|D1−D2|)/D2]≦0.30
D1及びD2は、下記式(2)で示される関係を満たすことがより好ましい。
式(2)
[(|D1−D2|)/D2]≦0.24
これらの原子間距離を算出するに当たっては、分子力学法(MM法)による計算を用いる。本発明において、CambridgeSoft社製の「Chem Draw Pro(version.11.0)」で分子構造を描画し、CambridgeSoft社製の「ChemBio3D Ultra(version11.0)」に付属しているMM2で構造最適化を行った後、重合性化合物の水酸基の酸素原子、または、分散剤の窒素原子と、分子内の各原子との原子間距離を測定し、最も大きな値を、最も遠い原子との原子間距離とした。なお、原子間距離は、当該分子の構造を最適化した場合における、該当原子間の直線距離である。
なお、D1としては、4.0Å以上、50.0Å以下、特には、7.0Å以上、13.0Å以下の値であることが好ましい。また、D2としては、4.0Å以上、50.0Å以下、特には、6.0Å以上、17.0Å以下の値であることが好ましい。
以下に、上記式(1)で示される関係を満たす、水酸基を分子内に有する重合性化合物及び分子内に窒素原子を有する分散剤の組み合わせを下記表1に例示する。なお、両者の組み合わせとしては上記関係を満たすものであればよく、下記組み合わせに限定されるものではない。
Figure 0006440544
<溶剤>
溶剤の種類は、重合性化合物及び無機導電性粒子に合わせて、安定して溶解及び分散できる溶剤を適宜選択する。例としては、水;メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノールの如きアルコール類;アセトン、シクロヘキサノン、2−ブタノンの如きケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートの如きエステル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルの如きエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレンの如き芳香族炭化水素類;ジメチルフォルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンの如きアミド類を挙げることができる。中でも、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、トルエン、キシレンが挙げられ、特にケトン類、その中でも、2−ブタノンが好ましい。なお、蒸発速度調整や粘度調整のため、複数の溶剤を使用することも可能である。
<その他>
コーティング剤には必要に応じて下記成分を配合することができる。
(ラジカル重合開始剤)
ラジカル重合開始剤としては、例えば、熱的に活性ラジカル種を発生させる化合物(熱重合開始剤)、及び放射線(光)照射により活性ラジカル種を発生させる化合物(放射線(光)重合開始剤)を挙げることができる。
放射線(光)重合開始剤としては、光照射により分解してラジカルを発生して重合を開始せしめるものであれば特に制限はなく、例えば、アセトフェノン、アセトフェノンベンジルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、キサントン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、2−ベンジルー2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1,4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン)を挙げることができる。
本発明において必要に応じて用いられるラジカル重合開始剤の配合量は、重合性化合物100質量部に対して、0.01〜10質量部であることが好ましく、0.1〜5質量部であることがさらに好ましい。配合量が0.01質量部以上であると、硬化物としたときの硬度が十分に得られ、10質量部以下であることで、内部(下層)まで硬化させることができる。
(その他)
コーティング剤には、必要に応じて、本発明の効果を阻害しない範囲でその他の成分を添加することができる。例えば、重合禁止剤、重合開始助剤、レベリング剤、濡れ性改良剤、界面活性剤、可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、無機充フィラー、顔料を配合できる。
<<コーティング剤の調合方法>>
コーティング剤の調合方法は特に限定されないが、無機粒子が粒子状物質であり、重合性化合物が高粘度な場合が多いので、両者を均一に混合するためには下記のように製造するのが好ましい。
分散剤によって処理された無機粒子を溶剤中に分散させたスラリー、及び、重合性化合物成分を溶剤中に溶解させた溶液をそれぞれ調合し、これらと、溶剤、その他の成分を後述する配合にて攪拌機付きの容器に入れ、常温で30分撹拌し、コーティング剤を得る。
<<<電子写真用部材及びその製造方法>>>
本発明に係るコーティング剤は、基体上に塗布し硬化させることによって導電性樹脂膜とすることができ、該導電性樹脂膜は、帯電防止フィルム、及び、中間転写ベルトの電子写真用部材に用いることができる。
また、本発明に係るコーティング剤は、調合直後のものを用いて形成した導電性の樹脂膜と、調合から時間が経過したものを用いて形成した導電性の樹脂膜との導電性に差を生じさせにくい。そのため、(a)本発明に係るコーティング剤の塗膜を基体上に形成する工程と、(b)工程(a)で形成した該塗膜を硬化させて導電性の樹脂膜を形成する工程と有する電子写真用部材の製造方法において、該工程(a)を、複数の基体に対して繰り返し行うことによって、品質の揃った複数の電子写真用部材を製造することができる。すなわち、本発明に係るコーティング剤によれば、品質の安定した電子写真用部材を量産することが可能となる。
以下に本発明に係る電子写真用部材について、電子写真用ベルトを例にとり詳述する。
図1に、本発明に係る電子写真用部材の一形態である電子写真用ベルトの断面図を示す。該電子写真用ベルトは、基体a1上に、本発明に係るコーティング剤の塗膜を硬化させることによって形成された樹脂層を表面層a2として備えている。
<<基体>>
基体a1の厚みは、10μm以上500μm以下、特には、30μm以上150μm以下が一般的である。
基体の原材料としては、特に限定されなく、各種樹脂が用いられる。具体例を以下に例示する。ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリアミド(PA)、ポリ乳酸(PLLA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリカーボネート(PC)、フッ素樹脂(PVdF)の如き樹脂、およびそのブレンド樹脂。中でも、ポリエチレンナフタレート(PEN)が特に好ましい。
基体の原材料として、上記樹脂に加えて、他の成分として、イオン導電剤(例えば、高分子イオン系導電剤、界面活性剤)、導電性高分子、酸化防止剤(例えば、ヒンダードフェノール系、リン、硫黄系)、紫外線吸収剤、有機顔料、無機顔料、pH調整剤、架橋剤、相溶化剤、離型剤(例えば、シリコーン系、フッ素系)、架橋剤、カップリング剤、滑剤、絶縁性フィラー(例えば酸化亜鉛、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、チタン酸バリウム、チタン酸カリウム、チタン酸ストロンチウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、タルク、マイカ、クレー、カオリン、ハイドロタルサイト、シリカ、アルミナ、フェライト、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸ニッケル、ガラス粉、石英粉末、ガラス繊維、アルミナ繊維、チタン酸カリウム繊維、熱硬化性樹脂の微粒子)、導電性フィラー(例えば、カーボンブラック、カーボンファイバー、導電性酸化チタン、導電性酸化錫、導電性マイカ)、イオン性液体を例示することができる。これらを単独で、あるいは2種類以上組合せて用いることも可能である。
基体の製造方法は特に限定されず、各種樹脂に適した成形方法を用いて良い。例えば、押し出し成形、インフレーション成形、ブロー成形、遠心成形が挙げられる。
<<表面層>>
上記の基体の上に形成した、上記のコーティング剤の塗膜を硬化させることによって表面層を形成する。
コーティング剤の塗膜の形成方法としては、通常の塗布方法、例えばディップコート、スプレーコート、フローコート、シャワーコート、ロールコート、スピンコートを挙げることができる。
重合性化合物として、アクリル基を有する重合性化合物を用いる場合は、コーティング剤の塗膜を、熱、放射線(光、電子線など)によって硬化させることで、樹脂層を形成することができる。
この場合において、放射線としては、重合開始種を発生させうるエネルギーを付与することができる活性放射線であれば、特に制限はなく、α線、γ線、X線、紫外線(UV)、可視光線、電子線が含まれる。なかでも、硬化感度及び装置の入手容易性の観点から紫外線及び電子線が好ましく、特には、紫外線が好ましい。
以下に実施例および比較例を示し、本発明を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
本発明の実施例及び比較例のコーティング剤の配合は、使用する重合性化合物、分散剤、無機粒子によって電気抵抗値が変わってくるので、調合当日に表面抵抗率が4×1010Ω/□付近になるように、無機導電性粒子の添加量を調整してある。
<コーティング剤の調合>
(コーティング剤No.1の調合)
下記表2に記載の各成分を秤量して、容器に注入し、マグネティックスターラーにより100rpmで30分攪拌をおこなうことにより、トリ−n−オクチルアミンで表面処理したアンチモン酸亜鉛を含むスラリーを得た。
Figure 0006440544
また、下記表3に記載の各成分を混合して、重合性化合物の溶解液を得た。
Figure 0006440544
次いで、得られた分散剤で表面処理したアンチモン酸亜鉛を含むスラリー、重合性化合物の溶解液と、0.1質量部のレベリング剤(商品名:BYK−Silclean3700、ビックケミー社製)を撹拌容器(ステンレス製)に入れ、マグネティックスターラーにより100rpmで10分攪拌して、実施例1に係るコーティング剤No.1を得た。
(コーティング液No.C1の調合)
アンチモン酸亜鉛の量を45質量部に変え、トリ−n−オクチルアミンをトリ−n−プロピルアミンとし、配合量を0.45質量部に変えた以外は、コーティング液No.1と同様にして比較例1に係るコーティング剤No.C1を得た。
(コーティング液No.C2の調合)
アンチモン酸亜鉛の量を43質量部に変え、トリ−n−オクチルアミンをトリ−n−ブチルアミンとし、配合量を0.43質量部に変えた以外は、コーティング液No.1と同様にして比較例2に係るコーティング剤No.C2を得た。
<D1及びD2の算出>
上記コーティング剤No.1並びにコーティング剤No.C1及びC2について、重合性化合物の水酸基の酸素原子と該酸素原子から最も遠い原子との原子間距離(D1)、分散剤の分子内において、該窒素原子と該窒素原子から最も遠い原子との原子間距離(D2)を、前記したようにMM2で構造最適化を行った重合性化合物及び分散剤の各分子について、分子力学法(MM法)により計算して求めた。また、(|D1−D2|)/D2の値を算出した。結果を表4に示す。
Figure 0006440544
<導電性の無機粒子の平均粒子径の経時変化の観察>
上記コーティング剤No.1並びにコーティング剤No.C1及びC2について、調合した日の翌日を1日目として、61日を経過するまで、無機粒子の平均粒子径を測定し、無機粒子の分散状態の経時変化を観察した。なお、無機粒子の平均粒子径の測定は、粒径測定装置(商品名:ELSZ1000−ZS、大塚電子株式会社製)を用い、解析はキュムラント法解析で行った。結果を表5に示す。
この結果から、コーティング剤No.1、コーティング剤No.C1〜C2は、調合から61日経過した時点においても無機微粒子が安定に分散した状態を維持できていることが分かった。
Figure 0006440544
<電子写真用ベルトの作製>
(電子写真用ベルトNo.1−1、1−2の作製)
〔基体の作製〕
まず、二軸押出し機(商品名:TEX30α、日本製鋼所(株)社製)を用いて、下記表6に記載の樹脂材料を熱熔融混練して、熱可塑性樹脂組成物を調合した。熱熔融混練温度は260℃以上280℃以下の範囲内となるように調整し、熱熔融混練時間はおよそ3〜5分とした。得られた熱可塑性樹脂組成物をペレット化し、温度140℃で6時間乾燥させた。次いで、射出成形装置(商品名:SE180D、住友重機械工業(株)製)に、乾燥させたペレット状の熱可塑性樹脂組成物を投入した。そして、シリンダ設定温度を295℃として、温度が30℃に温調された金型内に射出成形してプリフォームを作製した。得られたプリフォームは、外径が20mm、内径が18mm、長さが150mmの試験管形状を有していた。
Figure 0006440544
次に、上記のプリフォームを図2に示した二軸延伸装置(延伸ブロー成形機)を用いて二軸延伸した。二軸延伸前に、プリフォーム104の外壁および内壁を加熱するための非接触型のヒータ(不図示)を備えた加熱装置107内にプリフォーム104を配置し、加熱ヒータで、プリフォームの外表面温度が120℃となるように加熱した。次いで、加熱したプリフォーム104を、金型温度を30℃に保ったブロー金型108内に配置し、延伸棒109を用いて軸方向に延伸した。同時に、温度23℃に温調されたエアーをブローエアー注入部分110からプリフォーム内に導入してプリフォーム104を径方向に延伸した。こうして、ボトル状成形物112を得た。
次いで、得られたボトル状成形物112の胴部を切断してシームレスな電子写真用ベルトの基体を得た。基体の厚さは70μmであり、基体の表面抵抗率は3×1010Ω/□であった。この基体を2つ用意した。
〔導電性樹脂層(表面層)の形成〕
次いで、上記ブロー成形で得た2つの基体を各々円筒状の型の外周にはめ込み、端部をシールした。そして、調合直後のコーティング剤No.1で満たした容器に型ごと浸漬し、コーティング剤No.1の液面と基体との相対速度が一定になるように引き上げることで、基体表面にコーティング剤の塗膜を形成した。求められる表面層の膜厚に応じて、引き上げ速度(コーティング剤の液面と基体の相対速度)とコーティング剤の溶剤比等を調整する。実施例1では、引き上げ速度を10〜50mm/秒の範囲内で、表面層の膜厚が2μm程度になるように調整した。
コーティング剤No.1の塗膜を基体の外周面に形成後、温度23℃、相対湿度50%の環境、排気下で1分間乾燥させた。その後、UV照射機(商品名:UE06/81−3、アイグラフィック(株)製)を用いて、積算光量が600mJ/cmになるまで、該塗膜の表面に紫外線を照射し、該塗膜を硬化させることによって、基体の外周面に導電性樹脂膜を具備した、実施例1に係る電子写真用ベルトをNo.1−1を得た。
また、調合からの経過日数が30日目のコーティング剤No.1を用いて上記と同様にして電子写真用ベルトNo.1−2を得た。
(電子写真用ベルトNo.C1−1、C1−2の作製)
コーティング剤No.1をコーティング剤No.C1に変えた以外は、電子写真用ベルトNo.1−1、1−2の製造方法と同様にして、比較例1に係る電子写真用ベルトを作製した。ここで、調合直後のコーティング剤No.C1を用いて作製した電子写真用ベルトをNo.C1−1、調合からの経過日数が30日目のコーティング剤No.C1を用いて形成した電子写真用ベルトを電子写真用ベルトNo.C1−2と称する。
(電子写真用ベルトNo.C2−1、C2−2の作製)
コーティング剤No.1をコーティング剤No.C2に変えた以外は、電子写真用ベルトNo.1−1、1−2の製造方法と同様にして、比較例2に係る電子写真用ベルトを作製した。ここで、調合直後のコーティング剤No.C2を用いて作製した電子写真用ベルトをNo.C2−1、調合からの経過日数が30日目のコーティング剤No.C2を用いて形成した電子写真用ベルトを電子写真用ベルトNo.C2−2と称する。
<電気抵抗値の経時変化>
調合からの経過日数が、30日目のコーティング剤を用いて作製した樹脂膜の電気抵抗値の上昇を経時変化の指標とする。すなわち、電子写真用ベルトNo.1−1と電子写真用ベルトNo.1−2の表面抵抗率を測定し、測定値の常用対数をとって、その差分を経時変化の値とした。
電子写真用ベルトの表面抵抗率の測定は、抵抗測定器(商品名:ハイレスタUP MCP−HT450型、(株)三菱化学アナリテック製)を用いて行った。使用プローブ、測定電圧、測定時間はそれぞれUR100タイプ、250V、10秒であった。
電子写真用ベルトNo.C1−1とC1−2(比較例1)、及び電子写真用ベルトNo.C2−1とC2−2(比較例2)についても同様にして経時変化の値を求めた。その結果を下記表7に示す。
Figure 0006440544
<画像評価>
実施例1に係る電子写真用ベルトNo.1−1及び電子写真用ベルトNo.1−2を各々レーザビームプリンタ(商品名:LBP−5200、キヤノン(株)製)の中間転写ユニットに中間転写ベルトとして装着して、温湿度15℃10%RH環境下で、A4サイズ用紙(商品名:Canon Extra Multifunctional Paper80g/m、キヤノン(株)製)を用いて画像出力を行った。画像については、マゼンタのハーフトーン画像とした。電子写真用ベルトNo.1−1を用いて得られたハーフトーン画像の100枚目及び電子写真用ベルトNo.1−2を用いて得られたハーフトーン画像の100枚目について、放電起因のトナーの散りによる画像ムラの有無を確認した。その結果、電子写真用ベルトNo.1及び電子写真用ベルトNo.1−2については、トナーの飛び散りによる画像ムラが見られず、良好な画像が得られた。
電子写真用ベルトNo.2−1及び2−2、並びに電子写真用ベルトNo.3−1及び3−2についても同様にして画像評価を行った。その結果、電子写真用ベルトNo.2−1及び電子写真用ベルトNo.3−1ではトナーの飛び散りによる画像ムラが見られなかったが、電子写真用ベルトNo.2−2及び電子写真用ベルトNo.3−2ではトナーの飛び散りによる画像ムラが見られた。
[実施例2〜5、比較例3〜7]
コーティング剤の原材料及び配合量を、下記表8に示したように変更した以外はコーティング剤No.1と同様にして、実施例2〜5に係るコーティング剤No.2〜5及び比較例3〜7に係るコーティング剤No.C3〜C7を調合した。
Figure 0006440544
これらのコーティング剤について、コーティング剤No.1と同様にして、原子間距離D1、D2を求めると共に、(|D1−D2|)/D2の値を算出した。その結果を下記表9に示す。
Figure 0006440544
次いで、これらコーティング剤No.2〜5及びC3〜C7を用いた以外は、実施例1と同様にして電子写真用ベルトNo.2−1、2−2、3−1、3−2、4−1、4−2、5−1、5−2及びC3−1、C3−2、C4−1、C4−2、C5−1、C5−2、C6−1、C6−2、C7−1、C7−2を作製した。得られた電子写真用ベルトについて、実施例1と同様にして電気抵抗値の経時変化及び画像評価を行った。その結果を下記表10に示す。
なお、画像評価ランクの基準は以下の通りである。
ランク1: トナーの散りによる画像ムラが、調合からの経過日数が30日目のコーティング剤を用いて形成した電子写真用ベルトにも見られない
ランク2: トナーの散りによる画像ムラが、調合からの経過日数が30日目のコーティング剤を用いて形成した電子写真用ベルトにおいて見られる
Figure 0006440544
なお、上記コーティング剤No.1〜5、C1〜C7の調合に用いた原材料の商品名及び製造会社を下記表11に示す。
Figure 0006440544
a1 基体
a2 表面層
31 導電性の無機粒子
33 分子内に窒素原子を有する分散剤
35 水酸基を分子内に有する重合性化合物
41 分子内に窒素原子を有する分散剤
43 水酸基を分子内に有する重合性化合物

Claims (8)

  1. 水酸基を分子内に有する重合性化合物、分子内に窒素原子を有する分散剤で表面を処理された導電性の無機粒子、及び溶剤を含有するコーティング剤であって、
    該重合性化合物が、(メタ)アクリレート又はウレタン(メタ)アクリレートであり、
    該分散剤が、3級アミンであり、
    該重合性化合物の分子内において、該水酸基の酸素原子と該酸素原子から最も遠い原子との原子間距離をD1とし、
    該分散剤の分子内において、該窒素原子と該窒素原子から最も遠い原子との原子間距離をD2としたとき、
    D1及びD2が、下記式(1)で示す関係を満たしていることを特徴とするコーティング剤:
    [(|D1−D2|)/D2]≦0.30 式(1)。
  2. 前記D1及びD2が、下記式(2)で示す関係を満たしている請求項1に記載のコーティング剤:
    [(|D1−D2|)/D2]≦0.24 式(2)。
  3. 前記重合性化合物が、ペンタエリスリトールトリアクリレートである請求項1または2に記載のコーティング剤。
  4. 前記分散剤が、トリ−n−オクチルアミンである請求項1乃至3のいずれか一項に記載のコーティング剤。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載のコーティング剤を基体上に塗布し硬化させてなる導電性樹脂膜。
  6. 請求項5に記載の導電性樹脂膜を有する電子写真用部材。
  7. 基体と該基体上に形成された樹脂膜とを有する電子写真用部材の製造方法であって、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のコーティング剤を該基体上に塗布し塗膜を形成する工程と、該塗膜を硬化させる工程と、を有することを特徴とする電子写真用部材の製造方法。
  8. 基体と該基体上に形成された導電性の樹脂膜とを有する電子写真用部材を量産する方法であって、
    (a)請求項1乃至4のいずれか一項に記載のコーティング剤の塗膜を基体上に形成する工程と、
    (b)工程(a)で形成した該塗膜を硬化させて導電性の樹脂膜を形成する工程と、を有し、
    該工程(a)を、複数の基体に対して繰り返し行うことにより複数の電子写真用部材を製造することを特徴とする電子写真用部材を量産する方法。
JP2015057750A 2014-05-27 2015-03-20 コーティング剤、導電性樹脂膜、電子写真用部材及び電子写真用部材の製造方法 Active JP6440544B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015057750A JP6440544B2 (ja) 2014-05-27 2015-03-20 コーティング剤、導電性樹脂膜、電子写真用部材及び電子写真用部材の製造方法
US14/720,570 US9684255B2 (en) 2014-05-27 2015-05-22 Coating agent and method for producing electrophotographic member

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014109048 2014-05-27
JP2014109048 2014-05-27
JP2015057750A JP6440544B2 (ja) 2014-05-27 2015-03-20 コーティング剤、導電性樹脂膜、電子写真用部材及び電子写真用部材の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016006158A JP2016006158A (ja) 2016-01-14
JP6440544B2 true JP6440544B2 (ja) 2018-12-19

Family

ID=54701565

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015057750A Active JP6440544B2 (ja) 2014-05-27 2015-03-20 コーティング剤、導電性樹脂膜、電子写真用部材及び電子写真用部材の製造方法

Country Status (2)

Country Link
US (1) US9684255B2 (ja)
JP (1) JP6440544B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113549962B (zh) * 2021-07-28 2022-06-07 广东工业大学 一种填孔镀铜整平剂分子及其应用

Family Cites Families (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3355733B2 (ja) * 1992-12-28 2002-12-09 三菱マテリアル株式会社 低抵抗導電性顔料及びその製造方法
JP3375410B2 (ja) * 1993-07-05 2003-02-10 積水化学工業株式会社 光硬化型導電性塗料組成物とこれを用いた帯電防止電磁波シールド性積層体
JPH0748462A (ja) * 1993-08-03 1995-02-21 Sekisui Chem Co Ltd 帯電防止透明シートの製造方法
JPH07331048A (ja) * 1994-06-10 1995-12-19 Sekisui Chem Co Ltd 熱硬化型導電性樹脂組成物
JP2004053918A (ja) * 2002-07-19 2004-02-19 Ricoh Co Ltd 中間転写装置
JP4066870B2 (ja) * 2003-04-10 2008-03-26 Jsr株式会社 液状硬化性組成物、硬化膜及び帯電防止用積層体
JP4321319B2 (ja) * 2004-03-17 2009-08-26 Jsr株式会社 液状硬化性組成物、硬化膜及び帯電防止用積層体
JP2007022071A (ja) * 2005-06-13 2007-02-01 Jsr Corp 帯電防止用積層体
JP2007171273A (ja) * 2005-12-19 2007-07-05 Canon Inc シームレス状半導電性ベルト、該ベルトを用いた画像形成装置生成装置および画像形成装置を用いた電子写真装置
JP2007316371A (ja) * 2006-05-26 2007-12-06 Konica Minolta Business Technologies Inc 中間転写体とそれを用いた画像形成方法及び画像形成装置
JP2009062611A (ja) * 2007-03-15 2009-03-26 Mitsuboshi Belting Ltd 金属微粒子材料、金属微粒子材料分散液及びこれを含む導電性インキ、並びにこれらの製造方法
WO2010055019A1 (en) * 2008-11-12 2010-05-20 Akzo Nobel Coatings International B.V. Polymer dispersions of narrow particle size distribution
JP5464046B2 (ja) * 2010-05-21 2014-04-09 日立金属株式会社 金属微粒子、導電性金属ペースト、および金属膜
JP5682768B2 (ja) * 2010-08-27 2015-03-11 日産化学工業株式会社 表面修飾された無水アンチモン酸亜鉛コロイド粒子の疎水性有機溶媒分散液及びそれを用いたコーティング組成物並びに被覆部材
JP2012207049A (ja) * 2011-03-11 2012-10-25 Bando Chemical Industries Ltd コロイド分散液
CN102250370B (zh) * 2011-06-14 2012-10-17 中国科学院宁波材料技术与工程研究所 利用界面缩聚改性超高分子量聚乙烯粉末表面的方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016006158A (ja) 2016-01-14
US9684255B2 (en) 2017-06-20
US20150346618A1 (en) 2015-12-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5566522B1 (ja) 電子写真用ベルトおよびその製造方法、並びに電子写真画像形成装置
JP6170090B2 (ja) 無機有機複合材組成物及びそれを用いた無機有機ハイブリッド材料
JP7034829B2 (ja) 電子写真感光体、その製造方法、プロセスカートリッジおよび電子写真画像形成装置
EP3179312B1 (en) Electrophotographic member, method for manufacturing same, and electrophotographic image forming apparatus
JP2010256719A (ja) 画像形成装置用転写ベルト
JP6299196B2 (ja) 転写ベルトおよび画像形成装置
KR20140035515A (ko) 유기 무기 복합체 및 그 형성용 조성물
JP2016126163A (ja) 有機感光体
JP6440544B2 (ja) コーティング剤、導電性樹脂膜、電子写真用部材及び電子写真用部材の製造方法
JP6102899B2 (ja) 中間転写ベルトの製造方法
WO2015019758A1 (ja) 屈折率調整用コート材組成物及びその積層体
JP2016224445A (ja) 電子写真用ベルトおよび電子写真装置
JP6867804B2 (ja) 電子写真用部材および電子写真画像形成装置
CN111989368B (zh) 液晶聚酯组合物和成型品
JP2013220608A (ja) 撥水膜
JP5930648B2 (ja) ハードコート用硬化性組成物及びそれを用いた電子写真用シームレスベルト
JP6471591B2 (ja) 中間転写ベルトおよび画像形成装置
KR20150122377A (ko) 비닐계 실리콘 화합물의 광경화성 코팅재 조성물
KR20150098355A (ko) 지방족 티올 관능기를 가진 실세스퀴옥산 유도체 나노물질이 첨가된 자외선 바인더 조성물 및 자외선 조성물 첨가제
TWI406091B (zh) The curable composition and the preparation method of the article having the transparent protective layer using the composition
JP2022061483A (ja) 電子写真用部材及び電子写真画像形成装置
KR102323216B1 (ko) 유기 감광체, 전자 사진 장치 및 프로세스 카트리지
JP6808478B2 (ja) 画像形成装置用転写ベルトおよび画像形成装置用転写ベルトの製造方法
Zheng et al. Preparation of hyperbranched polyurethane acrylates and their properties in UV curable nano-SiO2 composite coatings for PET optical film
JP2002031910A (ja) 電子写真感光体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171220

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180801

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180828

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181015

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181023

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181120

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6440544

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151