JP6808478B2 - 画像形成装置用転写ベルトおよび画像形成装置用転写ベルトの製造方法 - Google Patents

画像形成装置用転写ベルトおよび画像形成装置用転写ベルトの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6808478B2
JP6808478B2 JP2016253204A JP2016253204A JP6808478B2 JP 6808478 B2 JP6808478 B2 JP 6808478B2 JP 2016253204 A JP2016253204 A JP 2016253204A JP 2016253204 A JP2016253204 A JP 2016253204A JP 6808478 B2 JP6808478 B2 JP 6808478B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transfer belt
image forming
forming apparatus
parts
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016253204A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018106036A (ja
Inventor
力也 尾松
力也 尾松
中村 直樹
直樹 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Okura Kogyo KK
Original Assignee
Okura Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Okura Kogyo KK filed Critical Okura Kogyo KK
Priority to JP2016253204A priority Critical patent/JP6808478B2/ja
Publication of JP2018106036A publication Critical patent/JP2018106036A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6808478B2 publication Critical patent/JP6808478B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Electrophotography Configuration And Component (AREA)
  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)

Description

本発明は、電子写真方式の画像形成装置に用いられる電子写真感光体から一次転写されたトナー像を表面に担持し、紙等の転写媒体への二次転写領域まで搬送するための中間転写ベルトやトナー像が転写される紙などの転写媒体を表面に担持して搬送するための転写搬送ベルトなどの転写ベルトに関する。特に、カラープリンター、カラー複写機等における中間転写ベルトとして好適に用いられる画像形成装置用転写ベルトに関するものである。
画像形成装置においては、感光ドラム等の静電潜像保持体表面に静電潜像が形成され、該静電潜像保持体上へトナーが供給されトナー像が形成される。中間転写方式では、このトナー像は静電潜像保持体から中間転写ベルトを介して紙等の被転写体へ転写され定着される。一方、タンデム方式では、4色の各静電潜像保持体上の各トナー像を、転写搬送ベルトで搬送されている紙等の被転写体へ順次転写され定着される。また、転写ベルトにはトナー像の検知装置(トナー付着量、トナー像位置)として、光学センサーが多く用いられている。
上記画像形成装置における転写ベルトは、転写性に優れていること、ベルト表面の磨耗や周長方向にクリープが生じないこと、表面が耐汚染性に優れ、トナーの離型性がよいことなどが求められている。特に、転写性、耐汚染性、離型性、耐摩耗性、耐擦傷性を有する転写ベルトを得るために、ベルト表面に各種機能を有する塗工剤を塗工することが行われている。
また、転写ベルトの表面層には、耐擦傷性と滑り性が要求されるが、耐擦傷性を上げるために表面層の硬度を硬くすると割れが発生しやすくなる。割れを発生させないためには、表面層の厚さを1.5μm以下とする必要があるが、表面層の厚さを1.5μm以下にすると、表面層の僅かな厚みムラにより干渉縞が発生し、その結果使用する光学センサーの反射光強度のばらつきが大きくなり、光学センサーによる各種制御が困難になるという問題が発生していた。
そこで、光学センサーの制御能力や光学センサー精度(トナー付着量の検知制御)が低下するといった問題について、表面層に特定の材料を選定して表面光沢度を向上させることで解決したものが提案(特許文献1、特許文献2)されている。
特許文献1には、基材上に弾性層および沸点が120℃未満である低沸点溶媒に溶解することができるポリイミド樹脂を含有する表面層を有する中間転写ベルトが記載されている。そして、中間転写ベルトは、凹凸紙への優れた転写性を有しながらも、光学センサーに対する感度が高いことが記載されている。表面層に特定構造を有するポリイミド樹脂を使用することで、表面層における光の吸収が抑制されて、光学センサーからの光に対し安定的な反射光を得ることができるためである。しかしながら、凹凸紙への転写性や全光線透過率が高いなどの物性が担保できているが、耐屈曲性や中抜けなどの課題に対し充分効果が得られないという問題があった。
特許文献2には、層構成が基材層/弾性層/フッ素ゴム層/表面層であり、表面層がフッ素樹脂を主成分とし、フッ素ゴム層の材料硬度が表面層の材料硬度より低く、かつ弾性層の材料硬度よりも高いことが特徴である多層弾性ベルトが記載されている。そして、表面の弾性、充分な離型性と光沢度を有し、膜厚や表面精度が高く、表面層と弾性層とが強固に接着し、長時間中間転写ベルトに供しても表面離型層にクラックや剥離が生じない転写効率の優れた多層弾性ベルトが得られることが記載されている。しかしながら、表面層がフッ素樹脂を主成分としているため、耐屈曲性は充分得られないという問題があった。
一方、導電剤の偏在に起因するシームレスベルトの抵抗ムラを抑制するために導電剤としてニグロシン染料を含有した表面層を形成したシームレスベルトが提案(特許文献3)されている。つまり、表面層に導電剤としてニグロシン染料を含有することにより、ニグロシン染料は凝集が起こり難く、全体にわたって導電剤の分散性が向上した状態で表面が形成されるため、その結果シームレスベルトの抵抗ムラが抑制される。しかしながら、光学センサーからの光に対する反射光の干渉を抑制する等といった課題の記載はない。
上記のように、耐屈曲性が改善され、かつ表面光沢度が高く、光学センサーからの光に対し反射光の強度のばらつきが小さいといった性能を充分満足するような転写ベルトは、存在しなかった。
特開2016−138917号公報 特開2009−25422号公報 特開2016−133791号公報
本発明は、上述の問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、電離放射線硬化型アクリル系塗工剤の特性を発揮するとともに、電離放射線硬化型アクリル系塗工剤を使用した場合の欠点であった耐屈曲性が改善され、かつ光学センサーからの光の反射に対する強度のばらつきが小さい画像形成装置用転写ベルトを提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、
(1)電離放射線硬化型アクリル系化合物と黒色の油溶性染料とを含有した表面層を有する転写ベルトであり、前記黒色の油溶性染料が前記表面層を形成する組成物100重量部に対して10重量部から40重量部であることを特徴とする画像形成装置用転写ベルト;
(2)前記油溶性染料が、アゾ系染料もしくはアントラキノン系染料であることを特徴とする(1)記載の画像形成装置用転写ベルト;
(3)前記電離放射線硬化型アクリル系化合物が、ウレタンアクリレートオリゴマーを含有することを特徴とする(1)乃至(2)のいずれか記載の画像形成装置用転写ベルト;
(4)前記ウレタンアクリレートオリゴマーが、下記条件を満足する化合物であることを特徴とする(3)記載の画像形成装置用転写ベルト;
(a)分子量:4,000以上
(b)(メタ)アクリル基1個当たりの分子量:850〜15,000
但し、(メタ)アクリル基1個当たりの分子量=分子量/分子中の(メタ)アクリル基の個数
(5)前記表面層が、さらにシリコーン系撥水剤を含有することを特徴とする(1)乃至(4)のいずれか記載の画像形成装置用転写ベルト;
(6)画像形成装置用転写ベルトが基材層、表面層の構成を有するものであって、前記基材層の引張弾性率が700MPa以上であることを特徴とする(1)乃至(5)のいずれか記載の画像形成装置用転写ベルト;
(7)画像形成装置用転写ベルトが基材層、弾性層、表面層の構成を有するものであって、前記弾性層がショアA硬度80以下の熱可塑性エラストマーからなることを特徴とする(1)乃至(6)のいずれか記載の画像形成装置用転写ベルト;
(8)画像形成装置用転写ベルト原反の表面に電離放射線硬化型アクリル系化合物と油溶性染料と溶剤を含有した塗工剤を塗布し、乾燥後、電離放射線を照射して硬化させることにより表面層を形成することを特徴とする画像形成装置用転写ベルトの製造方法;
を要旨とするものである。
本発明の画像形成装置用転写ベルトは、割れを発生させないために表面層を薄くしても、光学センサーからの光を転写ベルト表面で反射させ、その反射光が干渉しないため、反射光の強度のばらつきが小さい転写ベルトを得ることができる。そのため、本発明の転写ベルトを画像形成装置用に使用すると、反射光の強度のばらつきが少ないため、光学センサーの制御能力や、光学センサーの検知精度(トナー付着量の検知精度)が向上するといった効果を有している。
さらに、本発明の画像形成装置用転写ベルトは、耐屈曲性に優れているので、長期間の使用が可能であり、また大量に印刷しても表面に割れやクラックが発生しないという特徴を有している。特に、表面の粗い紙などに対して良好な転写性を付与し、また画像の中抜けを防止する目的で、転写ベルト中に弾性層を設けた場合や小径ロールに張架した場合であっても表面に割れやクラックが発生しないという優れた耐屈曲性を有している。
また、本発明の画像形成装置用転写ベルトはアクリル系塗工剤を使用するので、プリンター等の画像形成装置に要求される滑り性、撥水性、トナーの離型性などの機能も容易に付与することができる。したがって、画像のカラー化や高画質化、高速化、紙対応性などが求められるカラープリンター用途として好適に用いることができる。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
本発明の画像形成装置用転写ベルトは、表面が電離放射線硬化型アクリル系化合物と油溶性染料を含有した塗工剤を塗布、硬化させたものであり、通常、基材層、あるいは基材層と弾性層からなる積層体の表面に表面層を形成させた構造を有するものである。
[画像形成装置用転写ベルトの表面層]
本発明の画像形成装置用転写ベルトは、電離放射線硬化型アクリル系化合物と、油溶性染料を含有した表面層を形成しており、表面層に油溶性染料を含有することにより、光学センサーからの光を反射しても干渉縞が発生せず、その結果反射光の強度のばらつきが小さくなることが分かった。
特に、割れやクラックが発生しない耐屈曲性を有する転写ベルトを提供するためには、表面層の厚みを薄く形成する必要があり、表面層の厚みを薄くすると、少しの厚みムラが存在すると、光学センサーからの光を転写ベルト表面で反射した光が干渉し、その結果転写ベルトからの反射光の強度のばらつきが大きくなる。つまり、耐屈曲性を有するベルトを得ようとすると、転写ベルトからの反射光の強度のばらつきが大きくなる傾向がある。そこで、表面層に油溶性染料を配合することにより、表面層の厚みが薄くとも転写ベルトからの反射光が干渉せず、その結果反射光の強度のばらつきが小さい画像形成装置用転写ベルトを得ることができた。
本発明における油溶性染料は、水に難溶であるが、溶剤に溶解するものである。油溶性染料は、アゾ系染料、アントラキノン系染料、インドール系染料、インディゴ系染料等が挙げられ、特にアゾ系染料、アントラキノン形染料が好ましく、更にアゾ系染料はより好ましい。アゾ系染料は、アゾ基で2つの有機基が連結されている有機化合物のことであり、アゾベンゼンなど芳香族アゾ化合物などが挙げられる。油溶性染料は、可視光領域のすべての波長の光を吸収すれば反射光に位相差が生じにくくなり干渉縞が発生しにくくなる。よって、可視光領域のすべての波長の光を吸収する黒色の油溶性染料が特に好ましい。
市販されている黒色油溶性染料の具体例としては、OIL BLACK 860(オリエント化学工業(株)製)、VALIFAST BLACK 1821(オリエント化学工業(株))、Oleosol Fast Black RL(田岡化学工業(株))等が挙げられる。
油溶性染料の含有量は、表面層を形成する組成物100質量部に対して、5質量部以上200質量部が好ましく、10質量部から40質量部がさらに好ましく、特に30質量部から40質量部がより好ましい。
本発明において表面層を形成するために使用する電離放射線硬化型アクリル系塗工剤は、紫外線、電子線などの電離放射線を照射することにより硬化し得るものであって、アクリル系化合物と必要に応じて光重合開始剤、溶剤、充填剤、あるいは表面層に各種機能を付与するための添加剤を成分とするものである。
本発明でいう電離放射線硬化型アクリル系化合物とは、電離放射線により硬化するアクリル系化合物のことであり、特に限定されないが、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、多官能(メタ)アクリルモノマーなどが挙げられ、耐屈曲性の観点からウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーであることが好ましい。ここで、(メタ)アクリルとは、アクリルあるいはメタクリルのことを意味する。
多官能(メタ)アクリルモノマーとしては、ペンタエリスリトールトリおよびテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタおよびヘキサ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO変性ジおよびトリ(メタ)アクリレート、ブタンジオール(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレートなどが挙げられ、特にジペンタエリスリトールペンタおよびヘキサ(メタ)アクリレートを含むことが好ましい。なお、硬化収縮や粘度調整のため、複数のアクリルモノマーを用いることも可能である。
ウレタン(メタ)アクリレートとは、ポリイソシアネートと、短鎖及び長鎖のポリオール、及びヒドロキシ(メタ)アクリレートなどの水酸基含有(メタ)アクリレートとを反応させて得られる分子中にアクリル基とウレタン結合を有する化合物である。
ポリイソシアネートとしては、トルイレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。
また、短鎖のポリオールとしては、グリセリン、ペンタエリスリトール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジール、ネオペンチルグリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどが挙げられる。また、長鎖のポリオールとしてはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリカプロラクトンジオール、ポリカーボネートジオール、あるいは短鎖ジオールと、コハク酸、アジピン酸などのジカルボン酸との反応で得られるポリエステルポリオールなどが挙げられる。
水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
本発明においては、上述したウレタン(メタ)アクリレート以外の他の重合性アクリル系化合物を併用することができる。
光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシフォスフィンオキサイド、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、ヒドロキシベンゾフェノン、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−S−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロ)−S−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−S−トリアジン、鉄−アレン錯体、チタノセン化合物などが挙げられ、これらのうち1種、または2種以上を併用して使用するのが好ましい。
更に、本発明の電離放射線硬化型アクリル系塗工剤は、塗布性、取扱い性などの観点から、塗工剤の粘度、固形分濃度、表面層の膜厚を調整するために必要に応じて、溶剤を配合して希釈することが好ましい。特に、溶剤を配合して50mPa・s以下の粘度に調整された塗工剤は、塗工性が良好となるので好ましい。溶剤の配合割合は、所望する塗工剤の粘度、あるいは塗工厚さに応じて適宜調整することができ、例えば電離放射線硬化型アクリル系塗工剤中の重合性アクリル系化合物100重量部に対し、通常70〜2,000重量部、好ましくは300〜1,500重量部である。
溶剤としては、ウレタン(メタ)アクリレートなどの重合性アクリル系化合物や光重合開始剤などを溶解し得るものであれば特に限定されず、例えば、ジブチルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、アセチルアセトンなどのケトン系溶剤、蟻酸プロピル、蟻酸n−ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酢酸n−ペンチルなどのエステル系溶剤、ジアセトンアルコール、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、1−ペンタノール、シクロヘキサノールなどのアルコール系溶剤などの有機溶剤が挙げられる。これらは乾燥速度、溶解性などを考慮し、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
更に、本発明の電離放射線硬化型アクリル系塗工剤は、撥水剤、フィラー、レベリング剤、導電性付与剤、光増感剤、安定剤、重合禁止剤、消泡剤、タレ止め剤、付着向上剤、改質剤、可塑剤などの各種添加剤を含有してもよい。
撥水剤は必要に応じて適宜選択できるが、シリコーン系撥水剤やフッ素系撥水剤が好ましく使用できる。シリコーン系撥水剤としては、分子量500以上のシロキサン結合を有する化合物が好適に用いられる。具体的には、両末端に水酸基を有するジメチルポリシロキサン、末端にアルキル基を有するアルキルポリシロキサン、アルコキシ変性ジメチルポリシロキサン、およびフルオロアルキル変性ジメチルシリコーン等が挙げられる。さらには、末端に(メタ)アクリル基を有するジメチルポリシロキサンは、重合性アクリル化合物が硬化する際、化学結合を介して架橋構造中へ組み込まれるため、長期に渡ってその効果を持続することができるので好ましい。
これらの撥水剤を含有した電離放射線硬化型アクリル系塗工剤を塗布、硬化させて表面層を形成させると、画像形成装置用転写ベルト表面の表面自由エネルギーが低下し、トナーが付着し難くなると共に摩擦が小さくなるという効果を有する。したがって、画像形成装置用転写ベルトとトナーとの離型性が良好となり、転写効率が向上する。
本発明の塗工剤には、画像形成装置用転写ベルトへ耐擦傷性を付与するために、フィラーを配合してもよい。フィラーの粒径については制限ないものの、分散性や得られた画像形成装置用転写ベルトの表面粗さを考慮すると0.02μm〜1μmの範囲が好ましい。これらのフィラーは、すべり性を阻害しない範囲で分散性を向上させるなどの目的のために表面処理を行っても良い。また、画像形成装置用転写ベルトとしての特性に支障を起こさない範囲で分散剤を使用することもできる。フィラーの配合量としては、重合性アクリル系化合物100重量部に対し0.5〜40重量部が好ましく、特には1.0〜30重量部が好ましい。
フィラーとしては、例えば、フッ素ゴム、黒鉛やグラファイトにフッ素が結合したフッ化炭素及びポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体等のフッ素含有樹脂の粉末、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、シリコーンエラストマー等のシリコーン系の粉末、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル樹脂、ナイロン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂粉末、シリカ、アルミナ、酸化チタン及び酸化マグネシウム等の無機粉末などが挙げられる。これらのフィラーは、塗工剤中への分散性を向上させるために表面処理を施しても良く、単独または併用して使用することもできる。
[画像形成装置用転写ベルトの層構成]
本発明の画像形成装置用転写ベルトは、基材層、あるいは基材層と弾性層とからなる積層体の表面に、上述した電離放射線硬化型アクリル系塗工剤を塗布、硬化させてなる表面層を有するものであり、一般に、基材層/表面層あるいは基材層/弾性層/表面層という構成を有するものである。
[画像形成装置用転写ベルトの基材層]
基材層に用いられる材料としては特に制限はないが、例えば、フッ素系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリイミド系樹脂などを挙げることができ、これらを単独で、または2種以上の材料をブレンドして用いても良く、更には、多層にして用いてもよい。なお、引張り弾性率を上げるために、平板状フィラー、ウィスカー等の補強材を添加することもできる。また、基材層の厚みは、上記性能を満たすように50〜300μmが好ましく、75〜200μmがより好ましい。
これらの中で、フッ素系樹脂は、他の樹脂とは異なりそれ自身が難燃性を有し、且つ押出し成形が容易であり、防汚性、離型性をも有しているので、画像形成装置に用いられる転写ベルトに好適である。このようなフッ素系樹脂としては、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリヘキサフルオロプロピレン、エチレン−フッ化ビニリデン共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体などが挙げられる。
画像形成装置用転写ベルトには、プリンター等の高速化に対応して、転写ベルト駆動時に転写ベルトが伸びて、転写位置の変動がないように比較的高い引張弾性率が要求されている。この観点より、基材層の引張弾性率は700MPa以上であることが好ましく、さらには1,000MPa以上が特に好ましい。
[画像形成装置用転写ベルトの弾性層]
弾性層はショアA硬度が80以下である材料で形成されているのが好ましい。弾性層に用いることができる材料としては、熱可塑性エラストマー、ゴムなど上記性能を満たせば、必要に応じて適宜選択することができる。
熱可塑性エラストマーとしては、ポリアミド系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、ジエン系エラストマー、ポリ塩化ビニル系エラストマー、熱可塑性樹脂とゴムとの混合物等が例示できる。これらの熱可塑性エラストマーは単独でも、必要に応じて2種以上を混合使用してもよい。
ゴムとしては、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、EPDM、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム、エピクロロヒドリンゴム、ノルボルネンゴム等が挙げられる。
これら弾性層に用いられる熱可塑性エラストマーやゴムは、ショアA硬度80以下のものが好ましく、ショアA硬度70以下のものがさらに好ましい。弾性層の硬度が高すぎる場合は、厚さ方向の圧縮弾性率が高いため転写時のニップ幅が十分に得られず、トナー転写時にトナーへかかる圧力が高くなり、弾性層を形成させた効果が小さくなる。弾性層の厚みは、80μm〜600μmが好ましく、さらに200〜500μmが好ましい。
[画像形成装置用転写ベルトの体積抵抗]
本発明の画像形成装置用転写ベルトは体積抵抗率が105〜1013Ω・cmであることが好ましく、特には107〜1012Ω・cmであることが好ましい。転写ベルトの体積抵抗率を上記の範囲に制御するために、本発明の目的を妨げない範囲で基材層及び/又は弾性層に導電性材料を配合することができる。導電性材料には電子伝導性材料とイオン伝導性材料があり、電子伝導性材料としては、例えば、カーボンブラック、グラファイト、カーボンナノチューブなどのカーボン系材料、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリアセチレンなどの導電性高分子、導電性無機粒子が挙げられる。
導電性無機粒子としては、例えばアルミニウム・亜鉛酸化物、アンチモン・スズ酸化物、インジウム・スズ酸化物、カーボンブラック等で表面処理を行った無機粒子などが挙げられる。
イオン伝導性材料としては、例えば、ポリエーテルエステルアミド、ポリエーテルエステル、ポリエーテルアミド、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレンオキサイド共重合体、部分架橋ポリエチレンオキサイド共重合体、イオン電解質等があげられ、これらを単独で、あるいは二種類以上併用することができる。さらに、イオン電解質としては、アルカリ金属のチオシアン酸塩、リン酸塩、硫酸塩、ハロゲン含有酸素酸塩、テトラアルキルアンモニウム塩を単独、あるいは、複数種組合せて用いることができ、これらのうち特に、過塩素酸リチウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カリウム、チオシアン酸リチウム、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸カリウムが好ましい。
[画像形成装置用転写ベルトの製造方法]
以下に、本発明の画像形成装置用転写ベルトの製造方法を説明する。
まず、画像形成装置用転写ベルトの基材層、あるいは基材層と弾性層からなる積層体は、例えば、押出成形法、遠心成形法、ディッピング法などで製造することができる。押出し法について具体的に説明すると、環状ダイを装着した押出し機を用い、基材層用の樹脂組成物をチューブ状に押出した後、得られたチューブを所定長さにカットすることにより画像形成装置用転写ベルトの原反を得ることができる。また、基材層と弾性層からなる画像形成装置用転写ベルトの場合は、2台以上の押出し機に多層の環状ダイを装着し、基材層を形成する樹脂組成物と弾性層を形成する樹脂組成物とを、基材層を最内層としてチューブ状に共押出しし、得られたチューブを所定長さにカットすることにより画像形成装置用転写ベルト用原反を得ることができる。
次いで、得られた上記画像形成装置用転写ベルト用原反の表面に、上述した電離放射線硬化型アクリル系塗工剤をロールコート、バーコート、ディップコート、スプレーコート等、好ましくはロールコート、スプレーコートにより塗布し、溶剤を含有する場合は乾燥後、電離放射線を照射して硬化させることによって表面層を形成する。
なお、電離放射線としては特に制限がなく、例えば、紫外線、電子線、アルファ線、ベータ線、ガンマ線、エックス線、中性子線が挙げられ、その照射量は、紫外線の場合、通常100〜15,000mJ/cm2、好ましくは300〜8,000mJ/cm2である。
本発明においては塗工剤を室温で電離放射線を照射して硬化させるので、加熱硬化の場合のように100℃以上の高温で長時間加熱する必要がなく、熱による画像形成装置用転写ベルトへのダメージがないという利点を有している。
なお、表面層の硬化後の膜厚は、0.2μm以上1.4μm以下が好ましく、さらには0.4μm以上1.2μm以下であることが好ましい。表面層の膜厚が薄すぎると耐久性に問題が生じ、逆に厚すぎると画像形成装置用転写ベルトに割れが発生し、耐屈曲性が悪くなるため好ましくない。
以下、本発明について、実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[製造例1]
ポリフッ化ビニリデン100重量部(引張弾性率が1,400MPaのもの)に対して、ポリエチレンオキサイド共重合体5重量部、過塩素酸リチウム0.5重量部を混合し、二軸混練機で混練、ペレット化し、基材用樹脂組成物を得た。
シリンダー径50mmの押出機の先端に環状ダイを装着した装置を用い、基材層用樹脂組成物を押出してチューブ状に成形後、長さ400mmにカットし、基材層の厚さ100μm、周長850mm、幅400mmを有する画像形成装置用転写ベルト用原反を得た。ここで、体積抵抗率は、株式会社ダイヤインスツルメンツ製ハイレスタUPを用い、URSプローブにて、印加電圧500V、印加時間10秒の条件で測定した。測定環境は温度23℃、相対湿度50%であった。
実施例、および比較例で作製した画像形成装置用転写ベルトは、以下の項目について評価し、その結果を表1に示す。
(1) 光沢度
光沢度は、(株)堀場製作所製光沢度計グロスチェッカIG−320を使用し、入射角60°、受光角60°に設定したときの測定値である。円周方向に等間隔で6分割した領域内で任意の6点の平均値を使用した。
(2) 光学センサーからの光に対する反射光の強度のばらつき(干渉縞)
光学センサーからの光に対する反射光の強度のばらつきを、転写ベルトの干渉縞で評価した。
干渉縞の発生について、以下の基準で示した。
◎・・・干渉縞の発生なし
○・・・ベルトの端部周辺のみ干渉縞が発生
×・・・ベルトの面積の約半分以上に干渉縞が発生もしくはベルト全面に干渉縞が発生
(3)耐折性
転写ベルトを表面層面へ90°屈曲させ、しわ・割れの発生度合いを以下の基準で示した。
○・・・しわ、割れなし
△・・・屈曲時のみしわが発生
×・・・屈曲時にしわが発生し、屈曲時以外でも一度しわが入るとしわが残る
××・・・割れが発生
[実施例1]
電離放射線硬化型アクリル系化合物として、分子量70,000、(メタ)アクリル基1個当たりの分子量(以下、(メタ)アクリル当量という)1,380のウレタンアクリレートオリゴマー(根上工業製)を97重量部、光重合開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン2.85重量部、シリコーン系撥水剤0.15重量部、アゾ染料(オリエント化学工業製OIL BLACK 860)10重量部に溶剤であるメチルイソブチルケトンを1000重量部加え均一に溶解して、表面層用の電離放射線硬化型アクリル系塗工剤を調製した。
得られた塗工剤をディッピング法にて製造例1の画像形成装置用転写ベルト用原反の表面に塗布し、乾燥後、紫外線を3,000mJ/cm2照射して厚さ1.0μmの表面層を形成した。次いで、幅350mmにカットして画像形成装置用転写ベルトを得た。得られた転写ベルトの評価結果を表1に示す。
[実施例2]
電離放射線硬化型アクリル系化合物として、分子量70,000、(メタ)アクリル当量という)1,380のウレタンアクリレートオリゴマー(根上工業製)を97重量部、光重合開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン2.85重量部、シリコーン系撥水剤0.15重量部、アゾ染料(オリエント化学工業製OIL BLACK 860)20重量部に溶剤であるメチルイソブチルケトンを1000重量部加え均一に溶解して、表面層用の電離放射線硬化型アクリル系塗工剤を調製した。
得られた塗工剤をディッピング法にて製造例1の画像形成装置用転写ベルト用原反の表面に塗布し、乾燥後、紫外線を3,000mJ/cm2照射して厚さ1.0μmの表面層を形成した。次いで、幅350mmにカットして画像形成装置用転写ベルトを得た。得られた転写ベルトの評価結果を表1に示す。
[実施例3]
電離放射線硬化型アクリル系化合物として、分子量70,000、(メタ)アクリル当量1,380のウレタンアクリレートオリゴマー(根上工業製)を97重量部、光重合開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン2.85重量部、シリコーン系撥水剤0.15重量部、アゾ染料(オリエント化学工業製OIL BLACK 860)30重量部に溶剤であるメチルイソブチルケトンを1000重量部加え均一に溶解して、表面層用の電離放射線硬化型アクリル系塗工剤を調製した。
得られた塗工剤をディッピング法にて製造例1の画像形成装置用転写ベルト用原反の表面に塗布し、乾燥後、紫外線を3,000mJ/cm2照射して厚さ1.0μmの表面層を形成した。次いで、幅350mmにカットして画像形成装置用転写ベルトを得た。得られた転写ベルトの評価結果を表1に示す。
[実施例4]
電離放射線硬化型アクリル系化合物として、分子量70,000、(メタ)アクリル当量1,380のウレタンアクリレートオリゴマー(根上工業製)を97重量部、光重合開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン2.85重量部、シリコーン系撥水剤0.15重量部、アゾ染料(オリエント化学工業製OIL BLACK 860)40重量部に溶剤であるメチルイソブチルケトンを1000重量部加え均一に溶解して、表面層用の電離放射線硬化型アクリル系塗工剤を調製した。
得られた塗工剤をディッピング法にて製造例1の画像形成装置用転写ベルト用原反の表面に塗布し、乾燥後、紫外線を3,000mJ/cm2照射して厚さ1.0μmの表面層を形成した。次いで、幅350mmにカットして画像形成装置用転写ベルトを得た。得られた転写ベルトの評価結果を表1に示す。
[実施例5]
電離放射線硬化型アクリル系化合物として、分子量70,000、(メタ)アクリル当量1,380のウレタンアクリレートオリゴマー(根上工業製)を97重量部、光重合開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン2.55重量部、シリコーン系撥水剤0.45重量部、アゾ染料(オリエント化学工業製OIL BLACK 860)20重量部に溶剤であるメチルイソブチルケトンを1000重量部加え均一に溶解して、表面層用の電離放射線硬化型アクリル系塗工剤を調製した。
得られた塗工剤をディッピング法にて製造例1の画像形成装置用転写ベルト用原反の表面に塗布し、乾燥後、紫外線を3,000mJ/cm2照射して厚さ1.0μmの表面層を形成した。次いで、幅350mmにカットして画像形成装置用転写ベルトを得た。得られた転写ベルトの評価結果を表1に示す。
[比較例1]
電離放射線硬化型アクリル系化合物として、分子量70,000、(メタ)アクリル当量1,380のウレタンアクリレートオリゴマー(根上工業製)を97重量部、光重合開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン2.85重量部、シリコーン系撥水剤0.15重量部に溶剤であるメチルイソブチルケトンを1000重量部加え均一に溶解して、表面層用の電離放射線硬化型アクリル系塗工剤を調製した。
得られた塗工剤をディッピング法にて製造例1の画像形成装置用転写ベルト用原反の表面に塗布し、乾燥後、紫外線を3,000mJ/cm2照射して厚さ1.0μmの表面層を形成した。次いで、幅350mmにカットして画像形成装置用転写ベルトを得た。得られた転写ベルトの評価結果を表1に示す。
[比較例2]
電離放射線硬化型アクリル系化合物として、分子量70,000、(メタ)アクリル当量1,380のウレタンアクリレートオリゴマー(根上工業製)を97重量部、光重合開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン2.85重量部、シリコーン系撥水剤0.15重量部、フッ素系レベリング剤1重量部に溶剤であるメチルイソブチルケトンを1000重量部加え均一に溶解して、表面層用の電離放射線硬化型アクリル系塗工剤を調製した。
得られた塗工剤をディッピング法にて製造例1の画像形成装置用転写ベルト用原反の表面に塗布し、乾燥後、紫外線を3,000mJ/cm2照射して厚さ1.0μmの表面層を形成した。次いで、幅350mmにカットして画像形成装置用転写ベルトを得た。得られた転写ベルトの評価結果を表1に示す。
[比較例3]
電離放射線硬化型アクリル系化合物として、分子量70,000、(メタ)アクリル当量1,380のウレタンアクリレートオリゴマー(根上工業製)を97重量部、光重合開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン2.85重量部、シリコーン系撥水剤0.15重量部、フッ素系レベリング剤10重量部に溶剤であるメチルイソブチルケトンを1000重量部加え均一に溶解して、表面層用の電離放射線硬化型アクリル系塗工剤を調製した。
得られた塗工剤をディッピング法にて製造例1の画像形成装置用転写ベルト用原反の表面に塗布し、乾燥後、紫外線を3,000mJ/cm2照射して厚さ1.0μmの表面層を形成した。次いで、幅350mmにカットして画像形成装置用転写ベルトを得た。得られた転写ベルトの評価結果を表1に示す。
[比較例4]
電離放射線硬化型アクリル系化合物として、分子量70,000、(メタ)アクリル当量1,380のウレタンアクリレートオリゴマー(根上工業製)を97重量部、光重合開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン2.85重量部、シリコーン系撥水剤0.15重量部、顔料(カーボンブラック)5重量部に溶剤であるメチルイソブチルケトンを1000重量部加え均一に溶解して、表面層用の電離放射線硬化型アクリル系塗工剤を調製した。
得られた塗工剤をディッピング法にて製造例1の画像形成装置用転写ベルト用原反の表面に塗布し、乾燥後、紫外線を3,000mJ/cm2照射して厚さ1.0μmの表面層を形成した。次いで、幅350mmにカットして画像形成装置用転写ベルトを得た。得られた転写ベルトの評価結果を表1に示す。
[比較例5]
電離放射線硬化型アクリル系化合物として、分子量70,000、(メタ)アクリル当量1,380のウレタンアクリレートオリゴマー(根上工業製)を97重量部、光重合開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン2.85重量部、シリコーン系撥水剤0.15重量部、顔料(カーボンブラック)10重量部に溶剤であるメチルイソブチルケトンを1000重量部加え均一に溶解して、表面層用の電離放射線硬化型アクリル系塗工剤を調製した。
得られた塗工剤をディッピング法にて製造例1の画像形成装置用転写ベルト用原反の表面に塗布し、乾燥後、紫外線を3,000mJ/cm2照射して厚さ1.0μmの表面層を形成した。次いで、幅350mmにカットして画像形成装置用転写ベルトを得た。得られた転写ベルトの評価結果を表1に示す。
[比較例6]
電離放射線硬化型アクリル系化合物として、分子量70,000、(メタ)アクリル当量1,380のウレタンアクリレートオリゴマー(根上工業製)を97重量部、光重合開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン2.85重量部、シリコーン系撥水剤0.15重量部、顔料(カーボンブラック)20重量部に溶剤であるメチルイソブチルケトンを1000重量部加え均一に溶解して、表面層用の電離放射線硬化型アクリル系塗工剤を調製した。
得られた塗工剤をディッピング法にて製造例1の画像形成装置用転写ベルト用原反の表面に塗布し、乾燥後、紫外線を3,000mJ/cm2照射して厚さ1.0μmの表面層を形成した。次いで、幅350mmにカットして画像形成装置用転写ベルトを得た。得られた転写ベルトの評価結果を表1に示す。
[比較例7]
電離放射線硬化型アクリル系化合物として、分子量70,000、(メタ)アクリル当量1,380のウレタンアクリレートオリゴマー(根上工業製)を97重量部、光重合開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン2.55重量部、シリコーン系撥水剤0.45重量部、ニグロシン染料(中央合成化学製、品名:CCA)20重量部に溶剤であるメチルイソブチルケトンを1000重量部加え均一に溶解して、表面層用の電離放射線硬化型アクリル系塗工剤を調製したが、溶解せず塗布液として使用できなかった。
Figure 0006808478
表1に示す通り、本発明にかかる実施例1〜5の画像形成装置用転写ベルトは、油溶性染料であるアゾ系染料を配合した表面層を形成しており、光沢度が高く、干渉縞の発生がなく、耐折性が良好な画像形成装置用転写ベルトが得られた。
それに対し、比較例1は染料を含有していない表面層を形成した画像形成装置用転写ベルトは、耐折性が良好なものの、光沢度が低く、干渉縞が発生したため、光学センサーを使用する画像形成装置用転写ベルトとして不適であった。比較例2、3は、表面層の厚みムラを改善する目的でレベリング剤を含有した表面層を形成した画像形成装置用転写ベルトは、耐折性が良好なものの、光沢度がやや低く、干渉縞も一部発生したため、光学センターを使用する画像形成装置用転写ベルトとして不適であった。さらに、比較例4、5は表面層を黒くするため黒色顔料を配合して表面層を形成した画像形成装置用転写ベルトであり、顔料の配合量を増加させると干渉縞の発生は少なくなるが、光沢度が減少する傾向にあり、顔料を配合して表面層を形成した画像形成装置用転写ベルトでは、光学センサーを使用する画像形成装置用転写ベルトとしては充分ではなかった。比較例6は表面層に黒色顔料を配合した表面層を形成した画像形成装置用転写ベルトであり、光沢度が大幅に低い(光沢度:43.70%)ため、光学センサーを使用する画像形成装置用転写ベルトとしては充分ではなかった。
なお、顔料は染料と違い、表面層中に粒子として存在するため、表面層から突出した部分については表面が凹凸形状となることで、光沢度が格段に低下する。一方、染料であれば、溶剤に溶解するため、表面形状は染料を含有する前と変わらないが、光沢度が低下することはなく光沢度が向上することが分かった。



Claims (7)

  1. 電離放射線硬化型アクリル系化合物と黒色の油溶性染料とを含有した表面層を有する転
    写ベルトであり、
    前記黒色の油溶性染料が前記表面層を形成する組成物100重量部に対して10重量部
    から40重量部であることを特徴とする画像形成装置用転写ベルト。
  2. 前記油溶性染料が、アゾ系染料もしくはアントラキノン系染料であることを特徴とする
    請求項1記載の画像形成装置用転写ベルト。
  3. 前記電離放射線硬化型アクリル系化合物が、ウレタンアクリレートオリゴマーを含有す
    ることを特徴とする請求項1乃至2のいずれか記載の画像形成装置用転写ベルト。
  4. 前記ウレタンアクリレートオリゴマーが、下記条件を満足する化合物であることを特徴
    とする請求項3記載の画像形成装置用転写ベルト。
    (a)分子量:4,000以上
    (b)(メタ)アクリル基1個当たりの分子量:850〜15,000
    但し、(メタ)アクリル基1個当たりの分子量=分子量/分子中の(メタ)アクリル
    基の個数
  5. 前記表面層が、さらにシリコーン系撥水剤を含有することを特徴とする請求項1乃至4
    のいずれか記載の画像形成装置用転写ベルト。
  6. 画像形成装置用転写ベルトが基材層、表面層の構成を有するものであって、前記基材層
    の引張弾性率が700MPa以上であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか記載の
    画像形成装置用転写ベルト。
  7. 画像形成装置用転写ベルトが基材層、弾性層、表面層の構成を有するものであって、前
    記弾性層がショアA硬度80以下の熱可塑性エラストマーからなることを特徴とする請求
    項1乃至6のいずれか記載の画像形成装置用転写ベルト。

JP2016253204A 2016-12-27 2016-12-27 画像形成装置用転写ベルトおよび画像形成装置用転写ベルトの製造方法 Active JP6808478B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016253204A JP6808478B2 (ja) 2016-12-27 2016-12-27 画像形成装置用転写ベルトおよび画像形成装置用転写ベルトの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016253204A JP6808478B2 (ja) 2016-12-27 2016-12-27 画像形成装置用転写ベルトおよび画像形成装置用転写ベルトの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018106036A JP2018106036A (ja) 2018-07-05
JP6808478B2 true JP6808478B2 (ja) 2021-01-06

Family

ID=62784574

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016253204A Active JP6808478B2 (ja) 2016-12-27 2016-12-27 画像形成装置用転写ベルトおよび画像形成装置用転写ベルトの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6808478B2 (ja)

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3612867B2 (ja) * 1996-06-27 2005-01-19 セイコーエプソン株式会社 カラー画像形成装置
JP2007015212A (ja) * 2005-07-07 2007-01-25 Fujifilm Holdings Corp 平版印刷用親水性基板
JP4834523B2 (ja) * 2005-11-30 2011-12-14 キヤノン株式会社 画像形成装置用エンドレスベルト、および、これを有する画像形成装置
JP4341640B2 (ja) * 2006-05-18 2009-10-07 東海ゴム工業株式会社 電子写真機器用導電性ロールおよびその製造方法
US7923186B2 (en) * 2008-10-15 2011-04-12 Xerox Corporation Imaging member exhibiting lateral charge migration resistance
JP5563234B2 (ja) * 2009-04-27 2014-07-30 大倉工業株式会社 画像形成装置用転写ベルト
JP6041695B2 (ja) * 2013-02-05 2016-12-14 キヤノン株式会社 電子写真用ベルト及び電子写真画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018106036A (ja) 2018-07-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5563234B2 (ja) 画像形成装置用転写ベルト
US9581941B2 (en) Belt for electrophotography and production method therefor, and electrophotographic image forming apparatus
JP5632396B2 (ja) 導電性エンドレスベルト
JP5742200B2 (ja) 画像形成装置用積層ベルト及びその製造方法並びに画像形成装置
JP6730006B2 (ja) 光学機器用遮光部材、及びその製造方法
JP5428598B2 (ja) 画像形成装置用積層ベルト及びその製造方法並びに画像形成装置
JP2017040871A (ja) 画像形成装置用積層ベルト及び画像形成装置
JP2007171273A (ja) シームレス状半導電性ベルト、該ベルトを用いた画像形成装置生成装置および画像形成装置を用いた電子写真装置
JP5202637B2 (ja) 帯電ローラ
JP6808478B2 (ja) 画像形成装置用転写ベルトおよび画像形成装置用転写ベルトの製造方法
US10670997B2 (en) Intermediate transfer body, method for manufacturing intermediate transfer body, and image forming device
JP6428337B2 (ja) 中間転写体およびそれを備えた画像形成装置
JP5209055B2 (ja) 帯電ローラ
JP5782060B2 (ja) ベルト用樹脂組成物およびそれを用いた導電性エンドレスベルト
JP5962813B2 (ja) 画像形成装置用積層ベルト及び画像形成装置
JP2022103641A (ja) 画像形成装置用ベルト、及びその製造方法
JP5882844B2 (ja) 導電性エンドレスベルト
JP2017042948A (ja) 電飾用インクジェット記録材料及び電飾用インクジェット記録材料の製造方法、電飾用画像の形成方法、並びに電飾看板
WO2019230316A1 (ja) 導電性エンドレスベルト
WO2013151132A1 (ja) 導電性エンドレスベルト
JP5930648B2 (ja) ハードコート用硬化性組成物及びそれを用いた電子写真用シームレスベルト
JP2953141B2 (ja) 導電性シームレスベルト
JP2020187263A (ja) キャリア層付きシームレスベルト、その製造方法及び画像形成装置用弾性層付き転写ベルトの製造方法
JPH06340185A (ja) 感熱転写記録方式の透過型被記録体およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190520

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200206

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200212

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200407

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20200818

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201014

C60 Trial request (containing other claim documents, opposition documents)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60

Effective date: 20201014

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20201028

C21 Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21

Effective date: 20201104

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20201201

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20201209

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6808478

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250