JP5464046B2 - 金属微粒子、導電性金属ペースト、および金属膜 - Google Patents

金属微粒子、導電性金属ペースト、および金属膜 Download PDF

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Description

本発明は、金属微粒子、導電性金属ペースト、および金属膜に関し、更に詳しくは、表面がアミン化合物を含む保護剤で覆われた金属微粒子、この金属微粒子を含有する導電性金属ペースト、およびこの導電性金属ペーストを用いて形成される金属膜に関するものである。
導電性金属ペーストとは、金属微粒子、金属微粒子の表面を被覆する保護剤、溶剤組成物から構成されるペースト状の組成物であり、焼成することで高導電性を発現する材料である。
金属微粒子とは、粒径1〜100nm程度の微細な金属粒子であり、金属粒子の粒子体積に対する表面積の急激な増加により、融点が降下する現象が知られている。そのため、金属微粒子はバルク金属の融点よりも低い温度で粒子界面における拡散が生じ、融着が進行することで金属結合を形成する(非特許文献1)。
金属微粒子はそれ単体では非常に不安定であり、室温付近においても金属微粒子どうしの凝集や融着が進行する。そのため、金属微粒子の表面に対して吸着性を示す保護剤と呼ばれる有機物で覆うことで、金属微粒子の凝集や融着を抑制することが必須であり、導電性金属ペースト中に使用される金属微粒子もその表面は保護剤に覆われている(非特許文献1)。
保護剤の多くは、その化学構造中に硫黄原子(S)、窒素原子(N)、酸素原子(O)などの原子を含んだ官能基を有している。S、N、Oなどの原子は非共有電子対を持っており、その非共有電子対の効果によって金属に対して配位的に吸着が可能となる。具体的には、チオール基(−SH)、アミン基(−NH)、カルボキシ基(−COOH)などの官能基を有する構造の化合物が保護剤として使用されている。
保護剤で覆われた金属微粒子と溶剤組成物とからなる導電性金属ペーストは、金属微粒子の融点降下現象により、低温の焼成で導電膜(金属膜)の形成が可能となる。しかし、導電膜中には保護剤や溶剤組成物に由来する有機物が残存しやすいという問題がある。特に金属微粒子表面に保護剤が残存していると、金属微粒子の接触および融着を妨げるため、金属膜の導電性を著しく低下させてしまう。金属微粒子の保護剤は、高温で長時間焼成を続けることで、脱離あるいは燃焼して金属膜中から放出させることが可能であるが、一般に導電性金属ペーストは、低温短時間の焼成で金属膜を作製するために利用されるものであり、保護剤の残存は問題となる。
この保護剤が残存する問題を克服するために、次に挙げる従来技術が存在する。保護剤を積極的に除去するために、アミン系保護剤に対して反応性を有する酸無水物や有機酸を添加するという手段がある(特許文献1)。また、金属微粒子の合成時にアミン化合物およびカルボキシル化合物の両方を保護剤として用いて、金属微粒子表面を被覆するという手段がある(特許文献2、3)。これら従来技術の設計思想は、焼成時にアミン化合物を、酸無水物や有機酸あるいはカルボキシル化合物と反応させ、アミドなどを生成させることで金属微粒子表面から保護剤を積極的に除去しようというものである。
WO2002−035554号公報 特開2007−63580号公報 特開2009−62611号公報
金属ナノ粒子ペーストのインクジェット微細配線、シーエムシー出版、2006年
しかしながら、上記従来技術の問題点は、必ずしも十分な高導電性が得られないということである。その理由は、アミン系保護剤と有機酸(酸無水物やカルボキシル化合物を含む)の反応によって生成するアミド化合物(アミド構造・結合:−CONH−)が金属微粒子表面から十分に脱離しないためである。アミド構造中には非共有電子対を持つNやOが存在するため、若干のアミド化合物が金属微粒子表面に吸着したまま残存してしまう。つまり、上記従来技術の化学反応では、保護剤が反応した際にNやOが非共有電子対を持った化合物を形成するため、金属微粒子表面から保護剤成分を除去するのが本質的に困難となる。
本発明の目的は、低温かつ短時間の焼成によって保護剤であるアミン化合物を速やかに脱離可能な金属微粒子、この金属微粒子を含有する導電性金属ペースト、及びこの導電性金属ペーストによって形成される金属膜を提供することにある。
本発明の第1の態様は、金属微粒子の表面が、少なくとも、1種類以上のアミン化合物と、前記アミン化合物をアルキル化する作用を示す1種類以上の化合物と、によって被覆されている金属微粒子である。
本発明の第2の態様は、第1の態様の金属微粒子において、前記アミン化合物をアルキル化する作用を示す前記化合物は、ハロゲン化アルキル化合物である。
本発明の第3の態様は、第1又は第2の態様の金属微粒子において、前記ハロゲン化アルキル化合物は、ヨードメタン、ヨードエタン、1−ヨードプロパン、2−ヨードプロパン、1−ヨードブタン、1−ヨード−2−メチルプロパン、1−ヨードペンタン、1−ヨード−3−メチルブタン、1−ヨードヘキサン、1−ヨードヘプタン、1−ヨードオクタン、1−ヨードノナン、1−ヨードデカン、1−ヨードウンデカン、1−ヨードドデカン、1−ヨードトリデカン、1−ヨードテトラデカン、1−ヨードペンタデカン、1−ヨードヘキサデカン、1−ヨードヘプタデカン、1−ヨードオクタデカン、1−ヨードノナデカン、及び1−ヨードエイコサンのうち、少なくとも1種類以上からなる。
本発明の第4の態様は、第1〜第3の態様のいずれかに記載の金属微粒子と、溶剤組成物とを含有する導電性金属ペーストである。
本発明の第5の態様は、第1〜第3の態様のいずれかに記載の金属微粒子と、酸化銀粒子と、溶剤組成物とを含有する導電性金属ペーストである。
本発明の第6の態様は、第4又は第5の態様に記載の導電性金属ペーストによって形成される金属膜である。
本発明によれば、低温かつ短時間の焼成によって保護剤であるアミン化合物を速やかに脱離可能な金属微粒子、およびこの金属微粒子を含有する導電性金属ペーストを提供できる。また、本発明の導電性金属ペーストによって高導電性の金属膜を形成できる。
(a)は実施例の金属微粒子の構成、導電性金属ペーストの成分、並びに金属膜の焼成条件及び特性を一覧表示し、(b)は比較例の金属微粒子の構成、導電性金属ペーストの成分、並びに金属膜の焼成条件及び特性を一覧表示した図である。
本発明者は、金属微粒子表面を覆うアミン保護剤をアルキル化することによって、金属微粒子表面からアミン保護剤を除去することが可能であり、かつ当該金属微粒子を含んでなる導電性金属ペーストによって形成される金属膜が、従来の導電性金属ペーストによって形成される金属膜と比べて、低抵抗となることを見出し、以下の発明を完成させた。
(一実施形態)
以下に、本発明に係る金属微粒子、導電性金属ペーストおよび金属膜の一実施形態を説明する。
本実施形態の金属微粒子は、金属微粒子の表面が、少なくとも、1種類以上のアミン化合物と、前記アミン化合物をアルキル化する作用を示す1種類以上の化合物と、によって被覆されている。金属微粒子の表面は、アミン化合物(保護剤)で覆われると共に、アミン化合物をアルキル化する作用を示す化合物(アルキル化剤)によっても被覆されているので、焼成の加熱によって、アミン化合物がアルキル化し、金属微粒子表面から保護剤であるアミン化合物が容易に脱離する。
特に、アミン化合物をアルキル化する作用を示す化合物として、ハロゲン化アルキル化合物を用いた場合、アミン化合物はアルキル化反応を経て最終的にアンモニウム塩を形成する。アンモニウム塩のN原子は、非共有電子対を持たないため、形成されたアンモニウム塩が再び金属微粒子表面に吸着する虞がない。
従って、本実施形態の金属微粒子と溶剤組成物とを混合した導電性金属ペーストを、電子基板などの対象物に塗布などした後に、低温・短時間の焼成を行うことによって、保護剤であるアミン化合物を速やかに且つ確実に脱離でき、従来の導電性金属ペーストを用いて形成される金属膜と比較して、より低抵抗な金属膜を形成することができる。
本実施形態の金属微粒子、導電性金属ペーストは、電子回路形成やはんだ材料用、めっき材料用、電線シールド層形成用などの用途に使用される。
(金属微粒子)
上記金属微粒子の金属の種類としては、Au、Ag、Cu、Pt、Pd、Rh、Ru、Os、Ir、Al、Zn、Sn、Co、Ni、Fe、In、Mg、W、Ti、Ta、Mnのうち1種類以上の金属から選択することが可能である。また、複数種類の金属の金属微粒子を組み合わせて構成される金属微粒子や、合金からなる金属微粒子も使用可能である。
金属微粒子の平均粒子径は、lnm〜1000nmの範囲から選択できるが、1nm〜100nmの範囲にあることがより望ましい。平均粒子径100nm以下では金属微粒子の融点降下現象が特に顕著となり、導電性金属ペーストとして低温で焼成しやすくなる。他方、平均粒子径がl000nmを超えると、融点はバルク金属と同じ値であり、ある程度の凝集や焼結は起こるものの、原理的に低温での焼成が困難となるため、好ましくない。また、金属微粒子の形状に関しては特に制限はなく、球状、柱状、それら以外の形状で
あってもよい。金属微粒子の融点降下現象を考慮すると、どのような形状の金属微粒子であっても、その最大径は1000nmを超えない範囲にあることがより望ましい。
導電性金属ペースト内における金属微粒子の含有量は、導電性金属ペーストの全質量に対して5〜90質量%の範囲で選択することが可能である。金属微粒子の含有量が90質量%よりも大きくなると、導電性金属ペーストの粘度が非常に高くなり、塗布性に支障をきたす虞がある。他方、5質量%未満の含有量では、金属ペーストを焼成した際に、割れや空孔の少ない平滑な金属膜を得るのが困難となる虞があり、好ましくない。金属微粒子の含有量については、作製する金属膜の厚さやペースト粘度に応じて適宜調整することが可能である。焼成した際の溶剤組成物や保護剤の除去に伴う体積収縮が少なく、平滑な金属膜が得られ易い、30〜80質量%の範囲であることがより望ましい。
(アミン化合物)
上記金属微粒子表面を覆う保護剤としては、金属微粒子に対して配位的な吸着が可能な化合物であるアミン化合物を用いるのがよい。アミン化合物は、N原子の非共有電子対を利用して金属表面に対して配位的に吸着する。金属微粒子に対する吸着の強度は、アミンのN原子上の非共有電子対の電子密度に依存するため、非共有電子対の電子密度の高い構造を有するアミン化合物が望ましい。具体的には、電子供与基であるアルキル基がN原子と2つ以上結合した第2級アミン(NHR)ないしは第3級アミン(NR)が望ましい(R、R、Rはアルキル基である)。さらに焼成時にアミンをアルキル化反応によって除去することを考慮した場合、既にN原子の3つの結合のすべてがアルキル基と結合している第3級アミン(NR)がより望ましい。級数の大きなアミンを用いることで、アルキル化の為に加えるハロゲン化アルキル化合物などの化合物の量を減らすことが可能となる。
アミン化合物のアルキル基の長さとしては、炭素数が2〜16のものが好適である。炭素数が16を超えると、アミン化合物の沸点や分解温度も上昇するため、低温で焼成するのが比較的困難となる。また、アルキル基は疎水性であり、このアルキル基の長さによって、金属微粒子の有機溶剤中における分散性や安定性が変わってくる。導電性金属ペーストには比較的低極性の溶剤を用いることが多く、これを考慮すると、炭素数2〜8程度のアルキル基を持ち、さらに側鎖構造を有する、第2級アミンあるいは第3級アミンがより望ましい。具体的には、ビス(2−エチルヘキシル)アミン、トリヘキシルアミンなどが挙げられる。
金属微粒子表面を覆う保護剤の添加量は、保護剤の種類にもよるが、金属微粒子質量に対して0.1質量%〜10質量%の範囲にあることが望ましい。0.1質量%未満であると、金属微粒子表面を覆う被覆率が低下し、金属微粒子どうしが凝集しやすくなる。他方、保護剤の添加量が10質量%を超えると、金属微粒子表面が十分に保護剤によって被覆されるものの、これら過剰な保護剤を除去するために添加するアルキル化剤の量も増え、導電性金属ペーストとしたときの塗布性が著しく悪化する虞がある。導電性ペースト中での分散性が高くなり、かつ保護剤と反応するアルキル化剤を加えても塗布性を悪化させない保護剤の添加量として、1質量%〜5質量%であることがより望ましい。
(アルキル化剤)
アミン化合物に対してアルキル化の作用を示す化合物としては、ハロゲン化アルキル化合物を好適に用いることができる。ハロゲン化アルキルによるアミン化合物のアルキル化反応は次のように進行する。金属微粒子表面のアミン化合物と、ハロゲン化アルキル化合物とが、焼成時の加熱によって反応し、アミンがアルキル化されて、より級数の高いアミン化合物あるいは第四級アミン塩を生成する。より級数の高いアミン化合物を形成する途中、あるいは、最終的に第四級アミン塩を形成することで、金属微粒子表面からアミンが
脱離すると考えられる。
ハロゲン化アルキルは、ハロゲンの種類や級数によってアミン化合物との反応性が変化する。ハロゲンの種類によるアミン化合物との反応性の高さは、ヨウ化アルキル > 臭化アルキル > 塩化アルキル > フッ化アルキルの順序となる。また、ハロゲン化アルキルの級数の違いによるアミンとの反応性の高さは、第1級ハロゲン化アルキル > 第2級ハロゲン化アルキル > 第3級ハロゲン化アルキルの順序となる。アミンとの反応性、さらにはハロゲン化アルキル自体の安全性を考慮して、1級構造のヨウ化アルキルがより好適に使用できる。
ヨウ化アルキルとしては、ヨードメタン、ヨードエタン、1−ヨードプロパン、2−ヨードプロパン、1−ヨードブタン、1−ヨード−2−メチルプロパン、1−ヨードペンタン、1−ヨード−3−メチルブタン、1−ヨードヘキサン、1−ヨードヘプタン、1−ヨードオクタン、1−ヨードノナン、1−ヨードデカン、1−ヨードウンデカン、1−ヨードドデカン、1−ヨードトリデカン、1−ヨ−ドテトラデカン、1−ヨードペンタデカン、1−ヨードヘキサデカン、1−ヨードヘプタデカン、1−ヨードオクタデカン、1−ヨードノナデカン、1−ヨードエイコサンなどが挙げられる。
ハロゲン化アルキルの適切な添加量は、次のように考えればよい。すなわち、金属微粒子表面に存在しているアミン化合物のN原子に結合するH原子をアルキル化し、さらにN原子の非共有電子対にアルキル基が配位結合するとして、使用されるアルキル基の物質量(mol)が算出される。使用されるアルキル基と等mol量のハロゲン化アルキルを加えればよいが、金属微粒子表面からのアミン保護剤の効果的な除去のためには、1〜3倍のmol量を加えるとよい。また、あまり過剰量を加えると、焼成以前にアミン保護剤と反応する虞や、導電性金属ペーストの塗布性を損なう虞がある。
(溶剤組成物)
上記溶剤組成物(溶剤)の種類としては、水、アルコール類、アルデヒド類、アミン類、チオール類、単糖類、多糖類、直鎖の炭化水素類、脂肪酸類、芳香族類の群から選択することが可能であり、複数の溶剤を組み合わせて使用することも可能である。上記の群の中から、金属微粒子を覆うアミン保護剤と親和性のある溶剤を選択することが望ましい。金属微粒子に対して、非共有電子対によって吸着したアミン保護剤は、吸着に関わるN原子以外の構造の効果によって溶剤中に分散する。このため、N原子以外の構造が親水性の場合は水や極性溶剤に分散しやすく、N原子以外の構造が疎水性の場合は低極性溶剤、非極性溶剤に分散しやすい。これらを考慮し、適宜溶剤を選択することが可能である。
また、アミン保護剤と親和性の高すぎる溶剤の場合、金属微粒子の表面に吸着していたアミン保護剤が溶剤中に溶解してしまうことがあり、その結果、金属微粒子と溶剤が分離するため好ましくない。また、アミン保護剤と溶剤が化学反応を示し、それぞれが別の化合物に変化してしまうような組み合わせも、金属微粒子の凝集の原因となるので避けるべきである。
導電性金属ペーストをコーティング可能な適正な粘度に調整でき、また室温で容易に蒸発しない、比較的高沸点な低極性溶剤あるいは非極性溶剤であることが望ましく、具体的には、炭素数10〜16個のノルマルの炭化水素、トルエン、キシレン、1−デカノール、テルピネオールなどを溶剤組成物(溶剤)として好適に用いることができる。また、導電性ペーストの成型性、粘度などを調節する目的で、溶剤中にワックスや樹脂を添加剤として微量に加えることも可能である。
(酸化銀粒子)
上記金属微粒子および溶剤組成物を混合することで得られる導電性金属ペーストに対して、さらに酸化銀粒子を添加して使用することも可能である。酸化銀粒子を加えることの効果は2つある。1つ目は、アミン塩の分解の促進である。導電性金属ペーストを焼成す
ると、アミン保護剤がアルキル化されていき、最終的にはアミン塩が生成されるが、このアミン塩は酸化銀存在下では、アミンやアルケンなどへ変化するホフマン脱離反応を示す。このため、酸化銀を添加することでアミン塩を積極的に分解し、より導電性に優れた金属膜を得やすくなる。2つ目は、金属膜が形成される基材と金属膜との密着性の向上である。導電性金属ペーストを加熱していくと、酸化銀はある温度で分解し、金属銀と酸素を生じる。この分解の際、酸化銀は熱を発生し、酸化銀周囲は加熱温度よりも高温となる。この高温は、金属膜の基材に対する密着性を向上する効果がある。密着性の向上は、金属膜と基材との間に密着性を向上させるような新たな層を形成すること、あるいは金属微粒子を基材へ拡散してアンカーを形成することなどが理由と考えられる。
酸化銀の添加量は、生成するアミン塩と等mol量、より望ましくはやや過剰量を加えるのがよい。これは、アミン塩との反応以外にも発熱の効果も期待できるためである。一般的に酸化銀は大気中では160℃付近で分解を始め、250℃で急速に分解する。しかし、還元性の溶媒中ではこの分解温度がさらに低下する傾向がある。このため、酸化銀を添加する導電性金属ペーストの溶剤には、弱い還元性の溶剤が含まれていることが望ましい。具体的には、1−デカノールやテルピネオールなどのアルコール系の化合物が溶剤として好適に使用できる。
次に、本発明の具体的な実施例を説明する。
実施例及び比較例における各物性の測定は、次のようにして実施した。
(1)金属膜の膜厚および体積抵抗率の測定
金属膜の膜厚測定には、FE−SEM(電界放射型走査電子顕微鏡、日立製S−5000)を用いた。金属膜の体積抵抗率の測定には、4探針電気抵抗測定装置を用いた。
(2)金属膜の密着性の測定
マイクロスクラッチ試験により、Cu基板上の金属膜の密着性を評価した。
(実施例1)
アミン化合物としてのビス(2−エチルヘキシル)アミンが、およそ1質量%吸着した平均粒子径9nmのAgナノ粒子の粉末l0gを、100mLのトルエン溶媒中に分散させ、さらにアルキル化剤としての1−ヨードヘキサンを0.264g添加し、この溶液を
60℃に保ちながら30分間攪拌した。攪拌後、トルエンを減圧蒸留操作により除去し、ビス(2−エチルヘキシル)アミンと1−ヨードヘキサンが吸着したAgナノ粒子を合成した。このAgナノ粒子を、溶剤組成物としてのテトラデカン溶剤中に金属含有率が50質量%となるよう分散し、導電性金属ペーストを作製した。この導電性金属ペーストを、1%の希硫酸液で表面を洗浄したCu基板(1cm×1cm)に対してスピンコー卜法によって塗布した後、250℃、30分間電気炉にて焼成を行い、Cu基板上にAgの金属膜を形成した。焼成後の金属膜の膜厚は、約0.20μmであった。金属膜の抵抗率測定
を行ったところ、3μΩcmであった。マイクロスクラッチ試験法の結果、金属膜の密着性は12mNであった。
(比較例1)
比較例1では、アミン保護剤のアルキル化剤が被覆されず、アミン保護剤のみが被覆された金属微粒子を溶剤中に分散した導電性金属ペーストを作製し、実施例1に対する比較実験を実施した。
ビス(2−エチルヘキシル)アミンがおよそ1質量%吸着した平均粒子径9nmのAgナノ粒子粉末を、テトラデカン溶剤中に金属含有率が50質量%となるよう分散し、導電性金属ペーストを作製した。1%の希硫酸液で表面を洗浄したCu基板(1cm×1cm)に対してスピンコート法により導電性金属ペーストを塗布し、250℃、30分間電気炉にて焼成を行った。焼成後の金属膜厚は、約0.20μmであった。金属膜の抵抗率測
定を行ったところ、8μΩcmであった。マイクロスクラッチ試験法の結果、膜密着性は7mNであった。
実施例1では、金属微粒子にアミン保護剤をアルキル化するアルキル化剤を被覆したため、焼成時にアミン保護剤の脱離・除去が速やかに且つ十分になされ、その結果、実施例1の金属膜の抵抗率は、比較例1の金属膜の抵抗率に比べて大幅に低減したものと考えられる。また、実施例1の金属膜は、比較例1の金属膜よりも、膜密着性も大きく向上している。
なお、図1(a)に、実施例1〜8における金属微粒子の構成、導電性金属ペーストの成分、並びに金属膜の焼成条件及び特性をまとめて示し、図1(b)に、比較例1〜4における金属微粒子の構成、導電性金属ペーストの成分、並びに金属膜の焼成条件及び特性をまとめて示す。
(比較例2)
比較例2では、従来技術として知られている、アミン保護剤とアミン保護剤のアミド化反応物質とが被覆された金属微粒子を溶剤中に分散した導電性金属ペーストを作製し、実施例1に対する比較実験を実施した。
ビス(2−エチルヘキシル)アミンがおよそ1質量%吸着した平均粒子径9nmのAgナノ粒子粉末10gを、100mLのトルエン溶媒中に分散させ、さらにアミド化反応物質としてノネニルこはく酸無水物を0.093g添加し、この溶液を60℃に保ちながら
30分間攪拌した。攪拌後、トルエンを減圧蒸留操作により除去し、ビス(2−エチルヘキシル)アミンとノネニルこはく酸無水物が吸着したAgナノ粒子を合成した。このAgナノ粒子をテトラデカン溶剤中に金属含有率が50質量%となるよう分散し、導電性金属ペーストを作製した。1%の希硫酸液で表面を洗浄したCu基板(lcm×lcm)に対してスピンコート法により導電性金属ペーストを塗布し、250℃、30分間電気炉にて焼成を行った。焼成後の金属膜厚は、約0.20μmであった。金属膜の抵抗率測定を行
ったところ、6μΩcmであった。マイクロスクラッチ試験法の結果、膜密着性は12mNであった。
比較例2では、金属微粒子にノネニルこはく酸無水物(アミド化反応物質)を被覆したため、アミン保護剤の除去が比較例1よりも改善されているものの、実施例1と比べて金属膜の抵抗率が未だ大きい。
(実施例2)
実施例2では、実施例1の導電性金属ペーストに酸化銀粒子を更に加えると共に、溶剤組成物としてテトラデカンに1−デカノールを更に加えた。
実施例1と同様の手順でビス(2−エチルヘキシル)アミンと1−ヨードヘキサンとが吸着したAgナノ粒子を合成した。溶剤組成物として、テトラデカンと1−デカノールを、テトラデカン90質量%、1−デカノール10質量%となるよう混合した。この混合溶剤中にAgナノ粒子粉末と酸化銀粒子(平均粒子径約1μm)を分散し、導電性金属ペーストを作製した。導電性金属ペーストの全質量に対して、Agナノ粒子粉末は50質量%、酸化銀粒子は3質量%、混合溶剤成分は47質量%となっている。1%の希硫酸液で表面を洗浄したCu基板(lcm×lcm)に対してスピンコー卜法により導電性金属ペーストを塗布し、250℃、30分間電気炉にて焼成を行った。焼成後の金属膜厚は、約0.22μmであった。金属膜の抵抗率測定を行ったところ、2.2μΩcmであった。マイクロスクラッチ試験法の結果、膜密着性は15mNであった。
実施例2では、実施例1の導電性金属ペーストに更に酸化銀粒子を加えているため、ビス(2−エチルヘキシル)アミンが1−ヨードヘキサンによってアルキル化され最終的に生成されるアミン塩に対する分解の促進と、酸化銀の分解発熱による金属膜の密着性の向上とが図られ、その結果、実施例1の金属膜よりも、抵抗率が低下し、密着性も向上している。
(実施例3)
実施例3では、実施例1のアミン化合物であるビス(2−エチルヘキシル)アミンをトリヘキシルアミンに変更した。
アミン化合物としてのトリヘキシルアミンが、およそ1質量%吸着した平均粒子径9nmのAgナノ粒子の粉末10gを、100mLのトルエン溶媒中に分散させ、さらに1−ヨードヘキサンを0.157g添加し、この溶液を60℃に保ちながら30分間攪拌した
。攪拌後、トルエンを減圧蒸留操作により除去し、トリヘキシルアミンと1−ヨードヘキサンが吸着したAgナノ粒子を合成した。このAgナノ粒子をテトラデカン溶剤中に金属含有率が50質量%となるよう分散し、導電性金属ペーストを作製した。1%の希硫酸液で表面を洗浄したCu基板(lcm×lcm)に対してスピンコー卜法により導電性金属ペーストを塗布し、250℃、30分間電気炉にて焼成を行った。焼成後の金属膜厚は、約0.20μmであった。金属膜の抵抗率測定を行ったところ、2.8μΩcmであった。マイクロスクラッチ試験法の結果、膜密着性は12mNであった。実施例3でも、実施例1と同様な優れた抵抗率及び膜密着性の金属膜が得られた。
(実施例4)
実施例4では、実施例3の導電性金属ペーストに酸化銀粒子を更に加えると共に、溶剤組成物としてテトラデカンに1−デカノールを更に加えた。
実施例3と同様の手順でトリヘキシルアミンと1−ヨードヘキサンが吸着したAgナノ粒子を合成した。テトラデカンと1−デカノールを、テトラデカン90質量%、1−デカノール10質量%となるよう混合した。この混合溶剤中にAgナノ粒子粉末と酸化銀粒子(平均粒子径約1μm)を分散し、導電性金属ペーストを作製した。導電性金属ペーストの全質量に対して、Agナノ粒子粉末は50質量%、酸化銀粒子は3質量%、混合溶剤成分は47質量%とした。1%の希硫酸液で表面を洗浄したCu基板(lcm×lcm)に対してスピンコート法により導電性金属ペーストを塗布し、250℃、30分間電気炉にて焼成を行った。焼成後の金属膜厚は、約0.22μmであった。金属膜の抵抗率測定を
行ったところ、2.1μΩcmであった。マイクロスクラッチ試験法の結果、膜密着性は
19mNであった。
実施例4では、酸化銀粒子を加えた実施例2と同様に、実施例1の金属膜よりも金属膜の抵抗率が低下し、金属膜の密着性は、ビス(2−エチルヘキシル)アミンを用いた実施例2の金属膜よりも更に向上している。
(実施例5)
実施例5では、金属微粒子の金属の種類を、実施例1のAg(銀)からAu(金)に変更した(なお、実施例6〜8でも金属微粒子としてAuナノ粒子を用いた)。
ビス(2−エチルヘキシル)アミンがおよそ1質量%吸着した平均粒子径9nmのAuナノ粒子粉末10gを、100mLのトルエン溶媒中に分散させ、さらに1−ヨードヘキサンを0.264g添加し、この溶液を60℃に保ちながら30分間攪拌した。攪拌後、
トルエンを減圧蒸留操作により除去し、ビス(2−エチルヘキシル)アミンと1−ヨードヘキサンが吸着したAuナノ粒子を合成した。このAuナノ粒子をテトラデカン溶剤中に金属含有率が50質量%となるよう分散し、導電性金属ペーストを作製した。1%の希硫酸液で表面を洗浄したCu基板(1cm×1cm)に対してスピンコー卜法により導電性金属ペーストを塗布し、250℃、30分間電気炉にて焼成を行った。焼成後の金属膜厚は、約0.20μmであった。金属膜の抵抗率測定を行ったところ、4μΩcmであった
。マイクロスクラッチ試験法の結果、膜密着性は10mNであった。実施例5では、金属微粒子としてAuナノ粒子を用いたが、Agナノ粒子を用いた実施例1と同様な優れた抵抗率及び膜密着性の金属膜が得られた。
(比較例3)
比較例3では、アミン保護剤のアルキル化剤が被覆されず、アミン保護剤のみが被覆さ
れたAu微粒子を溶剤中に分散した導電性金属ペーストを作製し、実施例5に対する比較実験を実施した。
ビス(2−エチルヘキシル)アミンがおよそ1質量%吸着した平均粒子径9nmのAuナノ粒子粉末を、テトラデカン溶剤中に金属含有率が50質量%となるよう分散し、導電性金属ペーストを作製した。1%の希硫酸液で表面を洗浄したCu基板(1cm×1cm)に対してスピンコー卜法により導電性金属ペーストを塗布し、250℃、30分間電気炉にて焼成を行った。焼成後の金属膜厚は、約0.20μmであった。金属膜の抵抗率測
定を行ったところ、10μΩcmであった。マイクロスクラッチ試験法の結果、膜密着性は9mNであった。比較例3では、比較例1と同様に金属微粒子にアミン保護剤をアルキル化するアルキル化剤が被覆されていないため、実施例5に比較して金属膜の抵抗率が大きい。
(比較例4)
比較例4では、アミン保護剤とアミン保護剤のアミド化反応物質とが被覆された金属微粒子を溶剤中に分散した導電性金属ペーストを作製し、実施例5に対する比較実験を実施した。
ビス(2−エチルヘキシル)アミンがおよそ1質量%吸着した平均粒子径9nmのAuナノ粒子粉末10gを、100mLのトルエン溶媒中に分散させ、さらにアミド化反応物質としてノネニルこはく酸無水物を0.093g添加し、この溶液を60℃に保ちながら
30分間攪拌した。攪拌後、トルエンを減圧蒸留操作により除去し、ビス(2−エチルヘキシル)アミンとノネニルこはく酸無水物が吸着したAuナノ粒子を合成した。このAuナノ粒子をテトラデカン溶剤中に金属含有率が50質量%となるよう分散し、導電性金属ペーストを作製した。1%の希硫酸液で表面を洗浄したCu基板(1cm×1cm)に対してスピンコート法により導電性金属ペーストを塗布し、250℃、30分間電気炉にて焼成を行った。焼成後の金属膜厚は、約0.20μmであった。金属膜の抵抗率測定を行
ったところ、8μΩcmであった。マイクロスクラッチ試験法の結果、膜密着性は13mNであった。
比較例4では、金属微粒子にノネニルこはく酸無水物(アミド化反応物質)を被覆したため、アミン保護剤の除去が比較例3よりも改善されているものの、実施例5と比べて金属膜の抵抗率が未だ大きい。
(実施例6)
実施例6では、実施例5の導電性金属ペーストに酸化銀粒子を更に加えると共に、溶剤組成物としてテトラデカンに1−デカノールを更に加えた。
実施例5と同様の手順でビス(2−エチルヘキシル)アミンと1−ヨードヘキサンが吸着したAuナノ粒子を合成した。テトラデカンと1−デカノールを、テトラデカン90質量%、1−デカノール10質量%となるよう混合した。この混合溶剤中に、Agナノ粒子粉末と酸化銀粒子(平均粒子径約1μm)を分散し、導電性金属ペーストを作製した。導電性金属ペースト全質量に対して、Auナノ粒子粉末は50質量%、酸化銀粒子は3質量%、混合溶剤成分は47質量%となっている。1%の希硫酸液で表面を洗浄したCu基板(lcm×lcm)に対してスピンコー卜法により導電性金属ペーストを塗布し、250℃、30分間電気炉にて焼成を行った。焼成後の金属膜厚は、約0.22μmであった。
金属膜の抵抗率測定を行ったところ、3.3μΩcmであった。マイクロスクラッチ試験
法の結果、膜密着性は18mNであった。
実施例6では、実施例5の導電性金属ペーストに酸化銀粒子を更に加えているため、実施例5の金属膜よりも金属膜の抵抗率が低下し、金属膜の密着性も向上している。
(実施例7)
実施例7では、実施例5のアミン化合物であるビス(2−エチルヘキシル)アミンをトリヘキシルアミンに変更した。
トリヘキシルアミンがおよそ1質量%吸着した平均粒子径9nmのAuナノ粒子粉末10gを、100mLのトルエン溶媒中に分散させ、さらに1−ヨードヘキサンを0.15
7g添加し、この溶液を60℃に保ちながら30分間攪拌した。攪拌後、トルエンを減圧蒸留操作により除去し、トリヘキシルアミンと1−ヨードヘキサンが吸着したAuナノ粒子を合成した。このAuナノ粒子をテトラデカン溶剤中に金属含有率が50質量%となるよう分散し、導電性金属ペーストを作製した。1%の希硫酸液で表面を洗浄したCu基板(1cm×1cm)に対してスピンコー卜法により導電性金属ペーストを塗布し、250℃、30分間電気炉にて焼成を行った。焼成後の金属膜厚は、約0.20μmであった。
金属膜の抵抗率測定を行ったところ、3.9μΩcmであった。マイクロスクラッチ試験
法の結果、膜密着性は12mNであった。実施例7でも、実施例5と同様な優れた抵抗率及び膜密着性の金属膜が得られた。
(実施例8)
実施例では、実施例7の導電性金属ペーストに酸化銀粒子を更に加えると共に、溶剤組成物としてテトラデカンに1−デカノールを更に加えた。
実施例7と同様の手順でトリヘキシルアミンと1−ヨードヘキサンが吸着したAuナノ粒子を合成した。テトラデカンと1−デカノールを、テトラデカン90質量%、1−デカノール10質量%となるよう混合した。この混合溶剤中に、Auナノ粒子粉末と酸化銀粒子(平均粒子径約1μm)を分散し、導電性金属ペーストを作製した。導電性金属ペースト全質量に対して、Auナノ粒子粉末は50質量%、酸化銀粒子は3質量%、混合溶剤成分は47質量%となっている。1%の希硫酸液で表面を洗浄したCu基板(1cm×1cm)に対してスピンコー卜法により導電性金属ペーストを塗布し、250℃、30分間電気炉にて焼成を行った。焼成後の金属膜厚は、約0.22μmであった。金属膜の抵抗率測定を行ったところ、3.1μΩcmであった。マイクロスクラッチ試験法の結果、膜密着性は21mNであった。
実施例8では、酸化銀粒子を加えた実施例6と同様に、実施例5の金属膜よりも金属膜の抵抗率が低下し、金属膜の密着性は、ビス(2−エチルヘキシル)アミンを用いた実施例6の金属膜よりも更に向上している。


Claims (6)

  1. 金属微粒子の表面が、少なくとも、1種類以上のアミン化合物と、前記アミン化合物をアルキル化する作用を示す1種類以上の化合物と、によって被覆されていることを特徴とする金属微粒子。
  2. 前記アミン化合物をアルキル化する作用を示す前記化合物は、ハロゲン化アルキル化合物であることを特徴とする請求項1に記載の金属微粒子。
  3. 前記ハロゲン化アルキル化合物は、ヨードメタン、ヨードエタン、1−ヨードプロパン、2−ヨードプロパン、1−ヨードブタン、1−ヨード−2−メチルプロパン、1−ヨードペンタン、1−ヨード−3−メチルブタン、1−ヨードヘキサン、1−ヨードヘプタン、1−ヨードオクタン、1−ヨードノナン、1−ヨードデカン、1−ヨードウンデカン、1−ヨードドデカン、1−ヨードトリデカン、1−ヨードテトラデカン、1−ヨードペンタデカン、1−ヨードヘキサデカン、1−ヨードヘプタデカン、1−ヨードオクタデカン、1−ヨードノナデカン、及び1−ヨードエイコサンのうち、少なくとも1種類以上からなることを特徴とする請求項2に記載の金属微粒子。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の金属微粒子と、溶剤組成物とを含有することを特徴とする導電性金属ペースト。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の金属微粒子と、酸化銀粒子と、溶剤組成物とを含有することを特徴とする導電性金属ペースト。
  6. 請求項4または5に記載の導電性金属ペーストによって形成されることを特徴とする金属膜。
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