JP6440296B2 - 色素増感太陽電池用増感剤としてのトリフェニルアミン結合型ジベンゾピロメテン系色素 - Google Patents

色素増感太陽電池用増感剤としてのトリフェニルアミン結合型ジベンゾピロメテン系色素 Download PDF

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Description

本発明は特定の構造を有する新規化合物、該化合物を用いた光電変換素子及び該光電変換素子を備えてなる太陽電池に関する。
石油、石炭等の化石燃料に代わるエネルギー資源として太陽光を利用する太陽電池が注目されている。現在、結晶又はアモルファスのシリコンを用いたシリコン太陽電池、あるいはガリウム、ヒ素等を用いた化合物半導体太陽電池等について、盛んに開発検討がなされている。しかしながら、それらの製造には多大なエネルギーが必要なため、結果として製造コストが未だ割高であるという問題点がある。その一方で、色素で増感した半導体微粒子を用いた光電変換素子及びこれを有する太陽電池が開発されており、これを製造するための材料及び方法が種々の文献で報告されている(特許文献1、非特許文献1、非特許文献2を参照)。この色素増感光電変換素子には、酸化チタン等の比較的安価な酸化物半導体が用いられており、従来のシリコン等を用いた太陽電池に比べてコストの安い光電変換素子が得られる可能性があり、またカラフルな太陽電池が得られることなどから注目を集めている。しかしながら、変換効率の高い素子を得るために増感色素として用いられているルテニウム系の錯体は高価であり、その安定供給の点でも問題がある。これに対して、増感色素として有機色素を用いる試みも既に行われているが(特許文献2)、ルテニウム系の錯体と比較して光電変換可能な波長領域が狭いことが指摘されており、より幅広い波長領域で効率よく発電できる有機色素の開発が望まれている。
特開平01−220380号公報 国際公開特許WO2002/011213号公報 特開平2010−184880号公報 特開平2010−199541号公報
B.O'Regan and M.Graetzel Nature, 第353巻, 737頁 (1991年) M.K.Nazeeruddin, A.Kay, I.Rodicio, R.Humphry-Baker, E.Muller, P.Liska, N.Vlachopoulos, M.Graetzel, J.Am.Chem.Soc., 第115巻, 6382頁 (1993年) Yuji Kubo, Kazuki Watanabe, Ryuhei Nishiyabu, Reiko Hata, Akinori Murakami, Takayuki Shoda, and Hitoshi Ota, Org. Lett., Vol. 13, No.17,2011. Y.Kubo, K.Murakoshi, T.Kitamura, K.Hanabusa, H.Shirai, and S.Yanagida, Chem.Lett., 1241頁(1998年) Yuji Kubo, Daichi Eguchi, Asaki Matsumoto, Ryuhei Nishiyabu, Hidenori Yakushiji, Koichiro Shigaki and Masayoshi Kaneko, J. Mater. Chem. A, 5204頁(2014年) Norio Miyaura and Akira Suzuki, Chem. Rev., 第95巻,2457頁(1995)
従って、本発明は、有機色素で増感された酸化物半導体微粒子を有する光電変換素子において、幅広い波長領域で効率よく発電できる実用性の高い光電変換素子を提供することを目的とする。
本発明者等は上記の課題を解決すべく鋭意努力した結果、特定の構造を有する新規化合物を担持した半導体微粒子の薄膜を有する光電変換素子では、幅広い波長領域で効率よく発電できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、
(1)下記式(1)で表される化合物
(式(1)中、n1及びn2はそれぞれ独立に1乃至5の整数を表す。Mは半金属原子を表す。Y、Y及びYはそれぞれ独立に水素原子又は芳香族残基を表す。Z及びZはそれぞれ独立にハロゲン原子を表す。Ar及びArはそれぞれ独立に芳香環を表す。A及びAはそれぞれ独立に水素原子、カルボキシル基、シアノ基、リン酸基又はスルホン酸基を表し、A及びAは互いに結合して環を形成してもよい。A、A、A、A、A及びAはそれぞれ独立に水素原子、脂肪族炭化水素残基、ハロゲン原子又はアルコキシ基を表し、n1が2以上でA及びAが複数存在する場合、それぞれのA及びそれぞれのAは互いに同じか異なっていてもよく、n2が2以上でA及びAが複数存在する場合、それぞれのA及びそれぞれのAは互いに同じか異なっていてもよい。また、A及びAは互いに結合して環を形成してもよく、A及びAは互いに結合して環を形成してもよい。A及びA10は、一方が下記式(3001)又は(3003)
(式(3001)又は(3003)中、R、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、芳香族残基又は脂肪族炭化水素残基を表す。R、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、芳香族残基、脂肪族炭化水素残基、シアノ基、アシル基、アミド基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基又はベンゼンスルフォニル基(−S(O)Ph)を表す。)で表される基を表し、他方が水素原子、芳香族残基、脂肪族炭化水素残基、シアノ基、アシル基、アミド基、アルコキシカルボニル基又はベンゼンスルフォニル基を表す。Q及びQはそれぞれ独立に酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を表し、n1が2以上でQが複数存在する場合、それぞれのQは互いに同じか異なっていてもよく、n2が2以上でQが複数存在する場合、それぞれのQは互いに同じか異なっていてもよい。)、
(2)式(1)におけるAr及びArがベンゼン環である前項(1)に記載の化合物、
(3)式(1)におけるY及びYがそれぞれ独立に芳香族残基であり、かつYが水素原子である前項(1)又は(2)に記載の化合物、
(4)式(1)におけるMがホウ素原子である前項(1)乃至(3)のいずれか一項に記載の化合物、
(5)式(1)におけるA及びA10の一方が式(3003)で表される基である前項(1)乃至(4)のいずれか一項に記載の化合物、
(6)式(3003)におけるR及びRがそれぞれ独立に芳香族残基である前項(5)に記載の化合物、
(7)式(1)におけるQ及びQが硫黄原子である前項(1)乃至(6)のいずれか一項に記載の化合物、
(8)式(1)におけるA及びAの一方がカルボキシル基で他方がカルボキシル基、シアノ基又はアシル基である前項(1)乃至(7)のいずれか一項に記載の化合物、
(9)式(1)におけるA及びAが水素原子であり、かつA及びAが脂肪族炭化水素残基である前項(1)乃至(8)のいずれか一項に記載の化合物、
(10)式(1)中、n1及びn2が1乃至3の整数であり、Mがホウ素原子であり、Y及びYがベンゼン環、ナフタレン環又はチオフェン環から水素原子1個を除いた基であり、Yが水素原子であり、Z及びZがフッ素原子であり、Ar及びArがベンゼン環又はナフタレン環であり、A及びAがそれぞれ独立にカルボキシル基又はシアノ基であり、A、A、A及びAが水素原子であり、A及びAが脂肪族炭化水素残基であり、A及びA10の一方が水素原子で他方が下記式(3101)〜(3114):
のいずれかで表される基であり、Q及びQが酸素原子又は硫黄原子である前項(1)乃至(9)のいずれか一項に記載の化合物、
(11)下記式(105)
で表される前項(1)に記載の化合物、
(12) 基板上の酸化物半導体微粒子の薄膜に、前項(1)乃至(11)の何れか一項に記載の式(1)で表される化合物を担持させた光電変換素子、
(13)酸化物半導体微粒子が、二酸化チタン、酸化亜鉛又は酸化スズを含有する前項(12)に記載の光電変換素子、
(14)前項(12)又は(13)に記載の光電変換素子を備える太陽電池、
に関する。
式(1)で表される特定の構造を有する本発明の化合物(本明細書においては、単に「本発明の化合物」とも表記することがある。)を増感色素として有することによって、長波長領域の光を効率的に吸収し得る、光変換効率に優れた色素増感太陽電池を提供することが出来た。
実施例2及び比較例1で得られた太陽電池の300乃至900nmにおけるたIPCEスペクトルを示す。図中、「1」は、実施例2で化合物番号1の化合物を用いて作製した太陽電池の測定結果を示し、「101」は、比較例1で式(101)で表される化合物を用いて作製した比較用太陽電池の測定結果を示す。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の化合物は、下記式(1)で表される構造を有する。
式(1)中、n1及びn2はそれぞれ独立に1乃至5の整数を表し、それぞれ独立に1乃至3であることが好ましく、両者が1であることがより好ましい。Mは半金属を表す。本発明における半金属とは、金属と非金属の中間の性質を示す物質を意味し、具体的にはホウ素原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子、及びアンチモン原子が挙げられ、ホウ素原子であることが好ましい。Y、Y及びYはそれぞれ独立に水素原子又は芳香族残基を表し、該芳香族残基は置換基を有していてもよい。
、Y及びYが表す芳香族残基とは芳香環から水素原子1個を除いた基を意味し、該芳香環としては芳香族炭化水素環、複素芳香環及び縮合型芳香環等が挙げられ、その具体例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナンスレン環、ピレン環、ペリレン環、テリレン環、インデン環、アズレン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピラゾール環、ピラゾリジン環、チアゾリジン環、オキサゾリジン環、ピラン環、クロメン環、ピロール環、ピロリジン環、ベンゾイミダゾール環、イミダゾリン環、イミダゾリジン環、イミダゾール環、ピラゾール環、トリアゾール環、トリアジン環、ジアゾール環、インドリン環、チオフェン環、チエノチオフェン環、フラン環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、チアジン環、チアゾール環、インドール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾチアジアゾール環、ナフトチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、ナフトオキサゾール環、インドレニン環、ベンゾインドレニン環、ピラジン環、キノリン環、キナゾリン環、フルオレン環及びカルバゾール環等が挙げられ、炭素数5乃至16の芳香族炭化水素環、複素芳香環又は縮合型芳香環が好ましい。
式(1)におけるY及びYとしては、それぞれ独立に芳香族残基であることが好ましく、それぞれ独立にベンゼン環、ナフタレン環又はチオフェン環から水素原子1個を除いた基であることがより好ましく、ベンゼン環から水素原子1個を除いた基であることが更に好ましい。また、式(1)におけるYとしては、水素原子であることが好ましい。
、Y及びYが表す芳香族残基が有していてもよい置換基は特に限定されないが、例えば、スルホン酸基、スルファモイル基、シアノ基、イソシアノ基、チオシアナト基、イソチオシアナト基、ニトロ基、ニトロシル基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、リン酸基、リン酸エステル基、アミノ基、メルカプト基、アミド基、アルコキシ基、アリールオキシ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アシル基、アルデヒド基、カルボニル基、芳香族残基及び脂肪族炭化水素残基等が挙げられる。
、Y及びYが表す芳香族残基が有していてもよい置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられ、フッ素原子、臭素原子又は塩素原子が好ましい。
、Y及びYが表す芳香族残基が有していてもよい置換基としてのリン酸エステル基としては、リン酸(炭素数1乃至4)アルキルエステル基等が挙げられる。その具体例は、リン酸メチル基、リン酸エチル基、リン酸n−プロピル基及びリン酸n−ブチル基である。
、Y及びYが表す芳香族残基が有していてもよい置換基としてのアミノ基としては、非置換アミノ基;モノ又はジメチルアミノ基、モノ又はジエチルアミノ基並びにモノ又はジn−プロピルアミノ基等の炭素数1乃至4のアルキル置換アミノ基;モノ又はジフェニルアミノ基並びにモノ又はジナフチルアミノ基等の芳香環置換アミノ基;モノアルキルモノフェニルアミノ基等の炭素数1乃至4のアルキル基と芳香族残基で一つずつ置換したアミノ基;並びにベンジルアミノ基、アセチルアミノ基、及びフェニルアセチルアミノ基等が挙げられる。ここで芳香環及び芳香族残基とは、前述と同じ意味を表す。
、Y及びYが表す芳香族残基が有していてもよい置換基としてのメルカプト基としては、非置換メルカプト基;メチルメルカプト基、エチルメルカプト基、n−プロピルメルカプト基、イソプロピルメルカプト基、n−ブチルメルカプト基、イソブチルメルカプト基、sec−ブチルメルカプト基、及びt−ブチルメルカプト基等の炭素数1乃至4のアルキルメルカプト基;並びにフェニルメルカプト基等のアリールメルカプト基が挙げられる。
、Y及びYが表す芳香族残基が有していてもよい置換基としてのアミド基としては、例えば、非置換アミド基、炭素数1乃至8のアルキルアミド基、炭素数6乃至10のアリールアミド基、アセトアミド基、炭素数2乃至9のアルキルアセトアミド基、炭素数7乃至11のアリールアセトアミド基等を挙げられる。具体的には、非置換アミド基、アセトアミド基、N−メチルアミド基、N−エチルアミド基、N−(n−プロピル)アミド基、N−(n−ブチル)アミド基、N−イソブチルアミド基、N−(sec−ブチルアミド)基、N−(t−ブチル)アミド基、N,N−ジメチルアミド基、N,N−ジエチルアミド基、N,N−ジ(n−プロピル)アミド基、N,N−ジ(n−ブチル)アミド基、N,N−ジイソブチルアミド基、N−メチルアセトアミド基、N−エチルアセトアミド基、N−(n−プロピル)アセトアミド基、N−(n−ブチル)アセトアミド基、N−イソブチルアセトアミド基、N−(sec−ブチル)アセトアミド基、N−(t−ブチル)アセトアミド基、N,N−ジメチルアセトアミド基、N,N−ジエチルアセトアミド基、N,N−ジ(n−プロピル)アセトアミド基、N,N−ジ(n−ブチル)アセトアミド基、N,N−ジイソブチルアセトアミド基、フェニルアミド基、ナフチルアミド基、フェニルアセトアミド基及びナフチルアセトアミド基等が挙げられる。
、Y及びYが表す芳香族残基が有していてもよい置換基としてのアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基及びt−ブトキシ基等の(炭素数1乃至4)アルコキシ基が挙げられる。
、Y及びYが表す芳香族残基が有していてもよい置換基としてのアリールオキシ基としては、フェノキシ基及びナフトキシ基等の単環式、二環式又は三環式の炭素数5乃至16のアリールオキシ基が挙げられ、これらはフェニル基又はメチル基を置換基として有していてもよい。
、Y及びYが表す芳香族残基が有していてもよい置換基としてのアシル基としては、F,Cl等のハロゲンで置換されてもよい炭素数1乃至10のアルキルカルボニル基及びアリールカルボニル基等が挙げられ、好ましくはハロゲンで置換されてもよい炭素数1乃至4のアルキルカルボニル基であり、具体的にはアセチル基、プロピオニル基、トリフルオロメチルカルボニル基、ペンタフルオロエチルカルボニル基、ベンゾイル基及びナフトイル基等が挙げられる。
、Y及びYが表す芳香族残基が有していてもよい置換基としてのカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、n−ペントキシカルボニル基、n−ヘキシルオキシカルボニル基、n−ヘプチルオキシカルボニル基、n−ノニルオキシカルボニル基及びn−デシルオキシカルボニル基等の炭素数1乃至10のアルコキシカルボニル基が挙げられる。
、Y及びYが表す芳香族残基が有していてもよい置換基としての芳香族残基としては、Y、Y及びYが表す芳香族残基と同じものが挙げられる。また、該芳香族残基は置換基を有していてもよく、該置換基としては、Y、Y及びYが表す芳香族残基が有していてもよい置換基と同じもの(但し、芳香族残基を除く)が挙げられる。
、Y及びYが表す芳香族残基が有していてもよい置換基としての脂肪族炭化水素残基としては、飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、或いは環状アルキル基が挙げられ、直鎖又は分岐鎖のアルキル基の炭素数は1乃至36が好ましく、炭素数が3乃至18であることがより好ましい。また、環状のアルキル基としては、例えば炭素数3乃至8のシクロアルキルなどが挙げられる。これら脂肪族炭化水素残基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、isoo−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、シクロヘキシル基、ビニル基、プロペニル基、ペンチニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、ヘキサジエニル基、イソプロペニル基、イソへキセニル基、シクロへキセニル基、シクロペンタジエニル基、エチニル基、プロピニル基、ペンチニル基、へキシニル基、イソへキシニル基及びシクロへキシニル基等が挙げられる。特に好ましくは上記炭素数が3乃至18の直鎖のアルキル基である。
これらの脂肪族炭化水素残基は置換基を有していてもよく、該置換基としては、Y、Y及びYが表す芳香族残基が有していてもよい置換基と同じものが挙げられる。
、Y及びYが表す芳香族残基が有していてもよい置換基としては、炭素数1乃至4のアルコキシ基であることが好ましく、炭素数1乃至2のアルコキシ基であることがより好ましく、メトキシ基であることが更に好ましい。
式(1)中、Z及びZはそれぞれ独立にハロゲン原子を表す。該ハロゲン原子としては、Y、Y及びYが表す芳香族残基が有していてもよい置換基としてのハロゲン原子と同じものが挙げられ、フッ素原子であることが好ましい。
また、式(1)中のZ及びY、並びにZ及びYは、互いに結合して環を形成してもよく、また、Y及びYが芳香族残基の場合、Z及びYが表す芳香族残基上の置換基、並びにZ及びYが表す芳香族残基上の置換基は、互いに結合して環を形成してもよい。

式(1)中、Ar及びArはそれぞれ独立に芳香環を表す。該芳香環としては、Y、Y及びYが表す芳香族残基の説明部分に具体例として記載した芳香環と同じものが挙げられ、それぞれ独立にベンゼン環又はナフタレン環であることが好ましく、ベンゼン環であることがより好ましい。
式(1)中、A及びAはそれぞれ独立に水素原子、カルボキシル基、シアノ基、リン酸基、スルホン酸基又は芳香族残基を表し、或いは互いに結合して環を形成してもよい。
及びAが表す芳香族残基としては、Y、Y及びYが表す芳香族残基と同じものが挙げられる。該芳香族残基は置換基を有していてもよく、該置換基としては、Y、Y及びYが表す芳香族残基が有していてもよい置換基と同じものが挙げられる。
及びAが表す芳香族残基としては、カルボキシル基、水酸基、リン酸基、スルホン酸基、及びこれらの酸性基の塩からなる群より選択される基を少なくとも1つ以上置換基として有する芳香族残基であることが好ましく、下記式(1001)乃至(1033)のいずれかで表される基であることがより好ましい。
とAとで互いに結合して形成する芳香環としては、Y、Y及びYが表す芳香族残基の説明部分に具体例として記載した芳香環と同じものが挙げられ、これらは置換基を有していてもよい。また、該置換基としては、Y、Y及びYが表す芳香族残基が有していてもよい置換基と同じものが挙げられる。
とAとで互いに結合して形成する複素環としては、例えば、S、N及びO等のヘテロ原子を含む4乃至7員環の複素環が好ましく、下記式(2001)乃至(2017)のいずれかで表される環であることがより好ましく、式(2007)又は(2012)で表される環であることが更に好ましく、式(2007)で表される環であることが特に好ましい。尚、式(2001)乃至(2017)中の*印は、式(1)においてA及びAの両者が結合している炭素原子を表す。
式(1)におけるA及びAとしては、それぞれ独立にカルボキシル基又はシアノ基であることが好ましく、A及びAのいずれか一方がカルボキシル基で他方がカルボキシル基又はシアノ基であることがより好ましく、A及びAのいずれか一方がカルボキシル基で他方がシアノ基であることが更に好ましい。
式(1)中、A、A、A、A、A及びAはそれぞれ独立に水素原子、脂肪族炭化水素残基、ハロゲン原子又はアルコキシ基を表し、n1が2以上でA及びAが複数存在する場合、それぞれのA及びそれぞれのAは互いに同じか異なっていてもよく、n2が2以上でA及びAが複数存在する場合、それぞれのA及びそれぞれのAは互いに同じか異なっていてもよい。
、A、A、A、A及びAが表す脂肪族炭化水素残基、ハロゲン原子及びアルコキシ基としては、Y、Y及びYが表す芳香族残基が有していてもよい置換基としての脂肪族炭化水素残基、ハロゲン原子及びアルコキシ基と同じものが挙げられる。
また、A及びAは互いに結合して環を形成してもよく、A及びAは互いに結合して環を形成してもよい。これらが形成する環としては、Y、Y及びYが表す芳香族残基の説明部分に具体例として記載した芳香環と同じものが挙げられる。
及びAは互いに結合して形成する環、及びA及びAが互いに結合して形成する環は置換基を有していてもよく、該置換基としてはY、Y及びYが表す芳香族残基が有していてもよい置換基と同じものが挙げられる。
式(1)におけるA、A、A、A、A及びAとしては、それぞれ独立に水素原子又は脂肪族炭化水素残基であることが好ましく、A、A、A及びAが水素原子でA及びAが脂肪族炭化水素残基であることがより好ましく、A、A、A及びAが水素原子でA及びAが炭素数3乃至18の直鎖のアルキル基であることが更に好ましく、A、A、A及びAが水素原子でA及びAが炭素数3乃至8の直鎖のアルキル基であることが特に好ましく、A、A、A及びAが水素原子でA及びAがn−ヘキシル基であることが最も好ましい。
式(1)中、A及びA10は、一方が下記式(3001)又は(3003)で表される基を表し、他方が水素原子、芳香族残基、脂肪族炭化水素残基、シアノ基、アシル基、アミド基、アルコキシカルボニル基又はベンゼンスルフォニル基を表す。
式(3001)又は(3003)中、R、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、芳香族残基又は脂肪族炭化水素残基を表す。
、R、R及びRが表す芳香族残基としては、Y、Y及びYが表す芳香族残基と同じものが挙げられる。該芳香族残基は置換基を有していてもよく、該置換基としては、スルファモイル基、シアノ基、イソシアノ基、チオシアナト基、イソチオシアナト基、ニトロ基、ニトロシル基、ハロゲン原子、リン酸エステル基、アミノ基、メルカプト基、アミド基、アルコキシ基、アリールオキシ基、カルバモイル基、アシル基、アルデヒド基、カルボニル基、芳香族残基及び脂肪族炭化水素残基等が挙げられる。
、R、R及びRが表す脂肪族炭化水素残基としては、Y、Y及びYが表す芳香族残基が有していてもよい置換基としての脂肪族炭化水素残基と同じものが挙げられる。
式(3001)におけるR及びRとしては、それぞれ独立に水素原子又は脂肪族炭化水素残基であることが好ましく、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基であることがより好ましく、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基であることが更に好ましく、両者が同一の炭素数1〜8の直鎖アルキル基であることが特に好ましい。
式(3003)におけるR及びRとしては、それぞれ独立に芳香族残基であることが好ましく、それぞれ独立にフェニル基又は式(3001)で表される基であることがより好ましく、両者が同一のフェニル基又は式(3001)で表される基であることが更に好ましく、両者がフェニル基であることが特に好ましい。尚、R及び/又はRが式(3001)で表される基の場合、該式(3001)で表される基中のR及びRは、A及びA10のいずれか一方が表す式(3001)で表される基におけるのと同じであり、好ましいものもまた同じである。
式(3003)中、R、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、芳香族残基、脂肪族炭化水素残基、シアノ基、アシル基、アミド基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基又はベンゼンスルフォニル基を表す。
、R、R及びRが表す芳香族残基としては、R、R、R及びRが表す芳香族残基と同じものが挙げられる。該芳香族残基は置換基を有していてもよく、該置換基としては、R、R、R及びRが表す芳香族残基が有していてもよい置換基と同じものが挙げられる。
、R、R及びRが表す脂肪族炭化水素残基、アシル基、アミド基及びアルコキシ基としては、Y、Y及びYが表す芳香族残基が有していてもよい置換基としての脂肪族炭化水素残基、アシル基、アミド基及びアルコキシ基と同じものが挙げられる。
、R、R及びRが表すアルコキシカルボニル基としては、例えば炭素数1〜10のアルコキシカルボニル基等が挙げられる。その具体例としてはメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、iso−プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、iso−ブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、n−ペントキシカルボニル基、n−ヘキシルオキシカルボニル基、n−ヘプチルオキシカルボニル基、n−ノニルオキシカルボニル基及びn−デシルオキシカルボニル基等が挙げられる。
式(3003)におけるR、R、R及びRとしては、それぞれ独立に水素原子又はアルコキシ基であることが好ましく、水素原子又は炭素数1〜4のアルコキシ基であることがより好ましく、水素原子であることが更に好ましい。
従って、式(3003)で表される基としては、R及びRがフェニル基又は式(3001)で表される基であって、該式(3001)中のR及びRが水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基であり、かつR乃至Rがそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜4のアルコキシ基であることが好ましく、R及びRがフェニル基であり、かつR乃至Rが水素原子であることがより好ましい。
より具体的には、式(3001)又は(3003)で表される基としては、下記式(3101)〜(3114)の何れかで表される基であることが好ましく、下記式(3102)、(3103)、(3107)、(3108)、(3110)、(3111)(3113)又は(3114)で表される基であることがより好ましく、下記式(3103)、(3107)又は(3111)で表される基であることが更に好ましく、下記式(3103)又は(3107)で表される基であることが特に好ましく、下記式(3107)であることが最も好ましい。
及びA10のどちらか一方が表す芳香族残基としては、R、R、R及びRが表す芳香族残基と同じものが挙げられる。該芳香族残基は置換基を有していてもよく、該置換基としては、R、R、R及びRが表す芳香族残基が有していてもよい置換基と同じものが挙げられる。
及びA10のどちらか一方が表す脂肪族炭化水素残基、アシル基及びアミド基としては、Y、Y及びYが表す芳香族残基が有していてもよい置換基としての脂肪族炭化水素残基、アシル基及びアミド基と同じものが挙げられる。
及びA10のどちらか一方が表すアルコキシカルボニル基としては、R、R、R及びRが表すアルコキシカルボニル基と同じものが挙げられる。
式(1)におけるA及びA10としては、一方が水素原子で他方が式(3101)〜(3114)の何れかで表される基であることが好ましく、一方が水素原子で他方が式(3102)、(3103)、(3107)、(3108)、(3110)、(3111)(3113)及び(3114)のいずれかで表される基であることがより好ましく、一方が水素原子で他方が式(3103)、(3107)及び(3111)のいずれかで表される基であることが更に好ましく、一方が水素原子で他方が式(3103)又は(3107)で表される基であることが特に好ましく、一方が水素原子で他方が式(3107)で表される基であることが最も好ましい。
式(1)中、Q及びQはそれぞれ独立に酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を表し、n1が2以上でQが複数存在する場合、それぞれのQは互いに同じか異なっていてもよく、n2が2以上でQが複数存在する場合、それぞれのQは互いに同じか異なっていてもよい。
式(1)におけるQ及びQとしては、それぞれ独立に酸素原子又は硫黄原子であることが好ましく、硫黄原子であることがより好ましい。
式(1)で表されるメチン系色素がカルボキシル基、リン酸基、ヒドロキシル基及びスルホン酸基等の酸性基を置換基として有する場合は、それぞれ塩を形成してもよく、塩としては例えばリチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、又はマグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属などとの塩、或いは有機塩基、例えばテトラメチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、ピリジニウム、イミダゾリウム、ピペラジニウム、ピペリジニウムなどの4級アンモニウム塩のような塩を挙げることができる。
式(1)で表されるメチン系色素は、シス体、トランス体、ラセミ体等の構造異性体をとり得るが、特に限定されず、いずれの異性体も本発明における光増感用色素として良好に使用しうるものである。
式(1)におけるn1、n2、M、Y、Y、Y、Z、Z、Ar、Ar、A〜A10、Q並びにQの好ましい組合せは、上記のn1、n2、M、Y、Y、Y、Z、Z、Ar、Ar、A〜A10、Q並びにQのそれぞれにおいて好ましいとされるもの同士の組み合わせであり、より好ましい組み合わせは以下の通りである。
すなわち、n1及びn2が1乃至3の整数、Mがホウ素原子、Y及びYがベンゼン環、ナフタレン環又はチオフェン環から水素原子1個を除いた基、Yが水素原子、Z及びZがフッ素原子、Ar及びArがベンゼン環又はナフタレン環、A及びAがそれぞれ独立にカルボキシル基又はシアノ基、A、A、A及びAが水素原子、A及びAが脂肪族炭化水素残基、A及びA10の一方が水素原子であって他方が上記式(3101)〜(3114)のいずれかで表される基、Q及びQが酸素原子又は硫黄原子である式(1)の化合物がより好ましい。
また、n1及びn2が1、Mがホウ素原子、Y及びYがベンゼン環から水素原子1個を除いた基、Yが水素原子、Z及びZがフッ素原子、Ar及びArがベンゼン環、A及びAの一方がカルボキシル基で他方がカルボキシル基又はシアノ基、A、A、A及びAが水素原子、A及びAが炭素数3乃至8の直鎖アルキル基、A及びA10の一方が水素原子であって他方が上記式(3101)又は(3107)で表される基、Q及びQが硫黄原子である式(1)の化合物が更に好ましい。
本発明の式(1)で表される化合物は、例えば、以下に記載する合成経路で得ることが可能である。
原料である式(a)で表される化合物と式(b)で表される化合物を、例えばアルコール等の適当な溶媒中で反応させ、式(c)で表される化合物を得ることができる。次に式(c)で表される化合物を、例えばテトラヒドロフラン等の適当な溶媒中で、四酢酸鉛で処理し、式(d)で表される化合物を得ることが出来る。上記と同様に、原料である式(e)で表される化合物と式(f)で表される化合物の反応により式(g)で表される化合物を、更に式(h)で表される化合物を得ることができる。次に式(d)で表される化合物と式(h)で表される化合物とを、例えば適当なアルコールと酢酸混合溶媒中、アンモニア水を加えて室温で反応させることで、式(i)で表される化合物を得ることができる。次いで、式(i)で表される化合物を三フッ化ホウ素類と反応させて、式(j)で表される化合物を得ることができる。より詳細な説明は、非特許文献5に記載されており、その内容の全体を参照により本明細書に組み込む。
次いで、前記で得られた式(j)で表される化合物と式(k)で表される化合物を、例えばテトラヒドロフラン等の適当な溶媒中で触媒の存在下反応させて式(m)で表される化合物を得る。次いで式(n)で表される化合物を同様に反応させて式(o)で表される化合物を得る。更に式(p)で表される化合物を反応させることにより本発明の式(1)で表される化合物が得られる。尚、式(j)で表される化合物と式(k)で表される化合物との反応、及び式(m)で表される化合物と式(n)で表される化合物との反応の詳細な説明は、非特許文献6に記載されており、その内容の全体を参照により本明細書に組み込む。
以下に、下記式(1−1)で表される化合物の具体例を挙げる。
各表において、Phはフェニル基を、Npはナフチル基をそれぞれ意味する。(1001)〜(1033)と表記した置換基は、それぞれ上記式(1001)〜(1033)に対応する。(2001)〜(2017)と表記した置換基は、AとAが結合して形成する環を表し、それぞれ上記式(2001)〜(2017)に対応する。また、(3101)〜(3114)と表記したものは、それぞれ上記式(3101)〜(3114)に対応する。
本発明の式(1)で表される化合物を、基板上に設けられた酸化物半導体微粒子の薄膜に担持させることで、光電変換素子とすることが出来る。
本発明で酸化物半導体微粒子の薄膜を設ける基板としてはその表面が導電性であるものが好ましいが、そのような基板は市場にて容易に入手可能である。例えば、ガラス又はポリエチレンテレフタレート若しくはポリエーテルスルフォン等の透明性のある高分子材料等の表面にインジウム、フッ素、アンチモンをドープした酸化スズなどの導電性金属酸化物や銅、銀、金等の金属の薄膜を設けたものを基板として用いることが出来る。その導電性としては通常1000Ω以下であれば良く、特に100Ω以下のものが好ましい。
また、酸化物半導体の微粒子としては金属酸化物が好ましく、その具体例としてはチタン、スズ、亜鉛、タングステン、ジルコニウム、ガリウム、インジウム、イットリウム、ニオブ、タンタル、バナジウムなどの酸化物が挙げられる。これらのうち、チタン、スズ、亜鉛、ニオブ、インジウム等の酸化物が好ましく、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズが最も好ましい。これらの酸化物半導体は単一で使用することも出来るが、混合したり、半導体の表面にコーティングさせて使用することも出来る。また酸化物半導体の微粒子の粒径は平均粒径として、通常1〜500nmで、好ましくは1〜100nmである。またこの酸化物半導体の微粒子は大きな粒径のものと小さな粒径のものを混合したり、多層にして用いることも出来る。
酸化物半導体微粒子の薄膜は、酸化物半導体微粒子をスプレイなどで前記基板上に噴霧して直接薄膜を形成する方法、基板を電極として電気的に半導体微粒子を薄膜状に析出させる方法、半導体微粒子のスラリー又は半導体アルコキサイド等の半導体微粒子の前駆体を加水分解することにより得られた微粒子を含有するペーストを基板上に塗布した後、乾燥、硬化又は焼成する方法等によって形成することが出来る。酸化物半導体を用いる電極の性能上、スラリーを用いる方法が好ましい。この方法の場合、スラリーは2次凝集している酸化物半導体微粒子を常法により分散媒中に平均1次粒子径が1〜200nmになるように分散させることにより得られる。
スラリーを分散させる分散媒としては半導体微粒子を分散させ得るものであれば何でもよく、水;エタノール等のアルコール;アセトン及びアセチルアセトン等のケトン;ヘキサン等の炭化水素等が用いられ、これらは単独で用いても混合してもよい。また、水はスラリーの粘度変化を少なくするという点で好ましい。また、酸化物半導体微粒子の分散状態を安定化させる目的で分散安定剤を用いることが出来る。分散安定剤の例としては、例えば酢酸、塩酸、硝酸等の酸、又はアセチルアセトン、アクリル酸、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール等の有機溶媒等が挙げられる。
スラリーを塗布した基板は焼成してもよく、その焼成温度は通常100℃以上、好ましくは200℃以上で、かつ概ね基材の融点(軟化点)以下であり、通常は900℃以下であり、好ましくは600℃以下である。また焼成時間は、特に限定はないが、概ね4時間以内が好ましい。基板上の薄膜の厚みは通常1〜200μmで、好ましくは1〜50μmである。
酸化物半導体微粒子の薄膜に2次処理を施してもよい。例えば、半導体と同一の金属のアルコキサイド、塩化物、硝化物、硫化物等の溶液に直接、基板ごと薄膜を浸積させて乾燥又は再焼成することにより半導体微粒子の薄膜の性能を向上させることもできる。金属アルコキサイドとしては、チタンエトキサイド、チタンイソプロポキサイド、チタンt−ブトキサイド、n−ジブチル−ジアセチルスズ等が挙げられ、それらのアルコール溶液が用いられる。塩化物としては、例えば四塩化チタン、四塩化スズ、塩化亜鉛等が挙げられ、それらの水溶液が用いられる。このようにして得られた酸化物半導体薄膜は酸化物半導体の微粒子から成っている。
次に、酸化物半導体微粒子の薄膜に、本発明の化合物を担持させる方法について説明する。担持方法としては、該化合物を溶解しうる溶媒に溶解して得た溶液、又は溶解性の低い場合は、該化合物を分散せしめて得た分散液に、上記酸化物半導体微粒子の薄膜を有する基板を浸漬する方法が挙げられる。浸漬温度は概ね常温から溶媒の沸点迄であり、また浸漬時間は1分間から48時間程度である。本発明の化合物を溶解又は分散させる際に使用し得る溶媒の具体例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、テトラヒドロフラン(THF)、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトン、n−プロパノール、n−ブタノール、t−ブタノール、水、n−ヘキサン、クロロホルム、ジクロロメタン、及びトルエン等が挙げられ、本発明の化合物の溶解度等に応じて、単独又は複数を混合して用いることができる。溶液又は分散液中の本発明の化合物の濃度は、化合物によって適宜決めればよいが、通常1×10−6M〜1Mであり、好ましくは1×10−5M〜1×10−1Mである。浸漬が終わったあと、風乾又は必要により加熱して溶媒を除去する。この様にして本発明の化合物で増感された酸化物半導体微粒子の薄膜を有した本発明の光電変換素子が得られる。
担持する本発明の増感色素化合物は1種類でもよいし、数種類混合してもよい。また、混合する場合は本発明の増感色素化合物同士でもよいし、本発明の増感色素化合物に本発明の化合物以外の増感色素化合物を混合してもよい。特に吸収波長の異なる増感色素化合物と混合することにより、幅広い吸収波長を利用することが出来、変換効率の高い太陽電池が得られる。混合し得る本発明の化合物以外の増感色素化合物は、特に制限は無いが、非特許文献2に示されているルテニウム錯体若しくはその4級アンモニウム塩化合物、フタロシアニン、ポルフィリン、無金属のフタロシアニン、ポルフィリン、シアニン、メロシアニン、オキソノール、トリフェニルメタン系、特許文献2に示されるアクリル酸系色素、キサンテン系、アゾ系、アンスラキノン系、ペリレン系等が挙げられ、ルテニウム錯体、メロシアニン、アクリル酸系増感色素化合物等であることが好ましく、ルテニウム錯体、アクリル酸系増感色素化合物であることが更に好ましく、シアノ酢酸系増感色素化合物であることが特に好ましい。本発明の化合物を含む複数の化合物を用いる場合は、それぞれを半導体微粒子の薄膜に順次担持させても、混合溶解して担持させても良い。
本発明の化合物を含む複数の増感色素化合物を混合する場合の比率については特に限定は無く、最適化条件が適宜選択されうるが、一般には等モルずつの混合から、1つの増感色素化合物につき10%モル程度以上とする範囲で使用するのが好ましい。2種以上の増感色素化合物を溶解又は分散した溶液を用いて、酸化物半導体微粒子の薄膜に吸着させる場合、溶液中の増感色素化合物の合計の濃度は1種類のみ担持する場合と同様でよい。複数の増感色素化合物を混合して使用する場合にも前記の溶媒が使用可能であり、単一の溶媒を用いてもよいし、化合物毎に異なった溶媒を用いてもよい。
酸化物半導体微粒子の薄膜に本発明の化合物を担持する際、化合物同士の会合を防ぐために、包摂化合物の共存下、担持することが効果的である。包摂化合物としてはコール酸等のステロイド系化合物、クラウンエーテル、シクロデキストリン、カリックスアレン、ポリエチレンオキサイドなどが挙げられるが、好ましい具体例としては、デオキシコール酸、デヒドロデオキシコール酸、ケノデオキシコール酸、ウルソデオキシコール酸、リトコール酸、ヒオデオキシコール酸、コール酸メチルエステル、コール酸ナトリウム等のコール酸類、ポリエチレンオキサイド等が挙げられる。また、本発明の化合物及び任意で他の色素化合物を担持させた後、4−t−ブチルピリジン等のアミン化合物、及び/又は酢酸、プロピオン酸等の酸で半導体微粒子の薄膜を処理してもよい。処理の方法は、例えばアミン化合物又は酸を添加したエタノール溶液に増感色素化合物を担持した半導体微粒子の薄膜を有する基板を浸す方法等が挙げられる。
上記酸化物半導体微粒子の薄膜に、本発明の化合物を担持させた光電変換素子を一方の電極とし、更に対極、及びレドックス電解質、正孔輸送材料又はp型半導体等を用いて太陽電池を製造することができる。レドックス電解質、正孔輸送材料及びp型半導体等の形態には、液体、凝固体(ゲル及びゲル状)、固体などがあり、それぞれ形態において公知の材料を使用出来る。液体のものとしては、レドックス電解質、溶融塩、正孔輸送材料、又はp型半導体等を溶媒に溶解したものや、常温溶融塩などがある。凝固体(ゲル及びゲル状)のものとしては、これらをポリマーマトリックスや低分子ゲル化剤等に含ませたもの等が挙げられる。固体のものとしては、レドックス電解質、溶融塩、正孔輸送材料、又はp型半導体等それ自体が挙げられる。
正孔輸送材料としては、アミン誘導体;ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリチオフェン等の導電性高分子;トリフェニレン系化合物などが挙げられる。また、p型半導体としてはCuI、CuSCN等が挙げられる。対極としては導電性を持っており、レドックス電解質の還元反応を触媒的に作用するものが好ましい。例えばガラス又は高分子フィルムに白金、カーボン、ロジウム、ルテニウム等を蒸着したり、導電性微粒子を塗り付けたものが用い得る。
上記太陽電池に用いるレドックス電解質としては、ハロゲンイオンを対イオンとするハロゲン化合物及びハロゲン分子からなるハロゲン酸化還元系電解質;フェロシアン酸塩−フェリシアン酸塩若しくはフェロセン−フェリシニウムイオン;コバルト錯体などの金属錯体等の金属酸化還元系電解質;及びアルキルチオール−アルキルジスルフィド、ビオロゲン色素、ヒドロキノン−キノン等の有機酸化還元系電解質などを挙げることができるが、ハロゲン酸化還元系電解質が好ましい。ハロゲン化合物−ハロゲン分子からなるハロゲン酸化還元系電解質におけるハロゲン分子としては、例えばヨウ素分子、臭素分子などが挙げられ、ヨウ素分子が好ましい。また、ハロゲンイオンを対イオンとするハロゲン化合物としては、例えばLiBr、NaBr、KBr、LiI、NaI、KI、CsI、CaI、MgI、CuI等のハロゲン化金属塩、或いはテトラアルキルアンモニウムヨーダイド、イミダゾリウムヨーダイド、ピリジニウムヨーダイド等のハロゲンの有機4級アンモニウム塩などが挙げられるが、ヨウ素イオンを対イオンとする塩類が好ましい。また、上記ヨウ素イオンの他にビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオン、ジシアノイミドイオン等のイミドイオンを対イオンとする電解質を用いることも好ましい。
また、レドックス電解質はそれを含む溶液の形態の場合、その溶媒には電気化学的に不活性なものが用いられる。例えばアセトニトリル、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、3−メトキシプロピオニトリル、メトキシアセトニトリル、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、γ−ブチロラクトン、ジメトキシエタン、ジエチルカーボネート、ジエチルエーテル、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキサイド、1,3−ジオキソラン、メチルフォルメート、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチル−オキサゾリジン−2−オン、スルフォラン、テトラヒドロフラン、水等が挙げられ、これらの中でも、特に、アセトニトリル、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、3−メトキシプロピオニトリル、メトキシアセトニトリル、エチレングリコール、3−メチル−オキサゾリジン−2−オン、γ−ブチロラクトン等が好ましい。これらは単独で若しくは2種以上組み合わせて用いることができる。ゲル状電解質の場合は、オリゴマー及びポリマー等のマトリックスに電解質又は電解質溶液を含有させたものや、非特許文献4に記載の低分子ゲル化剤等に同じく電解質又は電解質溶液を含有させたもの等が挙げられる。レドックス電解質の濃度は通常0.01〜99質量%で、好ましくは0.1〜90質量%程度である。
上記太陽電池は、基板上の酸化物半導体微粒子の薄膜に化合物を担持した光電変換素子の電極に、それを挟むように対極を配置する。その間にレドックス電解質を含んだ溶液を充填することにより得られる。
以下に実施例に基づき、本発明を更に詳細に説明するが、本発明がこれらの実施例に限定されるものではない。実施例中、部は特に指定しない限り質量部を表す。溶液の濃度を表すMは、mol/Lを表す。また、化合物番号は前記の具体例における化合物番号である。核磁気共鳴はBruker Advance 500型核磁気共鳴装置(500MHz)を用い、内部標準としてテトラメチルシランを用い測定した。また、質量分析はJEOL JMS-700型質量分析計(日本電子株式会社製)を用いて測定した。
合成例1
非特許文献5に記載の方法で合成した下記式(101)で表される化合物224.1mg(0.2334mmol)及び炭酸カリウム127.1mg(0.9197mmol)をジメチルホルムアミド10mLに溶解し、ヨウ化メチル0.1mL(1.6mmol)を滴下して50℃で一晩撹拌した。水10mLでクエンチしジクロロメタン10mLにより分液処理をおこなった。有機層を水10mLで洗浄し、硫酸ナトリウムにより乾燥させ、溶媒を留去した。カラムクロマトグラフィー(順相SiO、CHCl)により精製し下記式(102)で表される化合物を116.6mg得た。
式(102)で表される化合物の核磁気共鳴及び質量分析の測定値は以下のとおりであった。
合成例2
窒素雰囲気下、ジメチルホルムアミド5mLに、合成例1で得られた式(102)で表される化合物を323.2mg(0.3318mmol)、炭酸カリウムを141.4mg(1.0231mmol)及び18−クラウン−6を11.6mg(0.0439mmol)溶解し、そこにジメチルホルムアミド3mLに下記式(103)で表されるホスホニウム塩を301.0mg(0.5012mmol)溶解した溶液を滴下した後、室温で一晩撹拌した。水20mLでクエンチしジクロロメタン50mLにより分液処理を行った。有機層を水50mLで洗浄し硫酸ナトリウムにより乾燥した。溶媒を留去し、カラムクロマトグラフィーカラムクロマトグラフィー(順相SiO、ジクロロメタン:ヘキサン=3:1(v/v)→ジクロロメタン:ヘキサン=5:1(v/v))により精製し、下記式(104)で表される化合物を64.8mg得た。
式(104)で表される化合物の核磁気共鳴、質量分析の測定値は以下のとおりであった。
実施例1
グローブバック内で、合成例2で得られた式(104)で表される化合物を65.2mg(0.0536mmol)と、ヨウ化リチウム250mg(1.8678mmol)を酢酸エチル3mLに溶解して、窒素雰囲気下、一晩還流した。2N塩酸10mLでクエンチし、ジクロロメタン20mLで分液処理を行った。有機層を水20mLで洗浄し、硫酸ナトリウムによる乾燥後、溶媒を減圧留去した。ジクロロメタン:ヘキサン(1mL:10mL)で再沈殿をおこない下記式(105)で表される本発明の化合物(化合物番号1の化合物)を58.9mg得た。
式(105)で表される化合物の核磁気共鳴、質量分析の測定値は以下のとおりであった。
実施例2及び比較例1
実施例1で得られた化合物番号1の化合物を、1.6×10−4Mになるようにアセトンに溶解した。なお、包摂化合物としてデオキシコール酸を40mM添加し、担持溶液(I)とした。また、非特許文献5に記載の前記式(101)で表される化合物を1.6×10−4Mになるようにアセトンに溶解し、包摂化合物としてケノデオキシコール酸を10mM添加し、担持溶液(II)とした。これらの担持溶液中に多孔質基板(透明導電性ガラス電極上に多孔質酸化チタンを500℃にて1時間焼結した半導体の薄膜)を室温(20℃)で12時間浸漬し、浸漬終了後、多孔質基板を担持液から取り出し、アセトンで洗浄、乾燥し、それぞれ化合物を担持した半導体微粒子の薄膜からなる本発明の光電変換素子及び比較例の光電変換素子を得た。このようにして得られた、光電変換素子の半導体微粒子の薄膜側と、白金でスパッタした導電性ガラスのスパッタ面とを20μmの空隙を設けて対峙させて固定し、その空隙に電解質を含む溶液(電解液)を注入し、空隙を満たした。電解液としては、ヨウ素0.1M、ヨウ化リチウム0.1M、メチルブチルイミダゾリウムアイオダイド0.6Mをメトキシプロピオニトリルに溶解したものを用いた。
(太陽電池のIPCE測定)
実施例2及び比較例1で得られた太陽電池の300乃至900nmにおけるIPCEを分光計器株式会社製 SM−25YDを用いてDC法で測定し、得られたIPCEスペクトルを図1に示した。図1中、「1」は実施例2で得られた本発明の太陽電池の測定結果を、「101」は上記式(101)で表される化合物を用いて得られた比較用太陽電池の測定結果をそれぞれ表す。
図1に示す通り、本発明の化合物を増感色素に用いた太陽電池は、比較用の太陽電池に比べて長波長領域の光をより多く利用することが可能であり、広範囲の可視光を効果的に電気に変換できる。
実施例2で得られた太陽電池について、測定する電池の大きさは実効部分を0.25cmとし、光源には500Wキセノンランプを用いて、AM(大気圏通貨空気量)1.5フィルターを通して100mW/cmとし、ソーラシミュレータWXS−115S−10、AM1.5G(株式会社ワコム電創製)を用いて光電変換特性を測定した結果、短絡電流16.27mA/cm、開放電圧0.54V、変換効率5.34%であった。
特定の構造を有する本発明の化合物を増感色素として用いることにより、広範囲の可視光を効果的に電気に変換可能な光電変換素子及び太陽電池を提供することが出来る。

Claims (12)

  1. 下記式(1)で表される化合物

    (式(1)中、n1及びn2はそれぞれ独立に1乃至5の整数を表す。Mはホウ素原子を表す。Y、Y及びYはそれぞれ独立に水素原子又は芳香族残基を表す。Z及びZはフッ素原子を表す。Ar及びAr はベンゼン環を表す。A及びAはそれぞれ独立に水素原子、カルボキシル基、シアノ基、リン酸基又はスルホン酸基を表し、A及びAは互いに結合して環を形成してもよい。A、A、A、A、A及びAはそれぞれ独立に水素原子、脂肪族炭化水素残基、ハロゲン原子又はアルコキシル基を表し、n1が2以上でA及びAが複数存在する場合、それぞれのA及びそれぞれのAは互いに同じか異なっていてもよく、n2が2以上でA及びAが複数存在する場合、それぞれのA及びそれぞれのAは互いに同じか異なっていてもよい。また、A及びAは互いに結合して環を形成してもよく、A及びAは互いに結合して環を形成してもよい。A及びA10は、一方が下記式(3001)又は(3003)

    (式(3001)又は(3003)中、R、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、芳香族残基又は脂肪族炭化水素残基を表す。R、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、芳香族残基、脂肪族炭化水素残基、シアノ基、アシル基、アミド基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基又はベンゼンスルフォニル基を表す。)で表される基を表し、他方が水素原子、芳香族残基、脂肪族炭化水素残基、シアノ基、アシル基、アミド基、アルコキシカルボニル基又はベンゼンスルフォニル基を表す。Q及びQ は硫黄原子を表し、n1が2以上でQが複数存在する場合、それぞれのQは互いに同じか異なっていてもよく、n2が2以上でQが複数存在する場合、それぞれのQは互いに同じか異なっていてもよい。)。
  2. 式(1)におけるY及びYがそれぞれ独立に芳香族残基であり、かつYが水素原子である請求項1に記載の化合物。
  3. 式(1)におけるMがホウ素原子である請求項1又は2に記載の化合物。
  4. 式(1)におけるA及びA10の一方が式(3003)で表される基である請求項1乃至のいずれか一項に記載の化合物。
  5. 式(3003)におけるR及びRがそれぞれ独立に芳香族残基である請求項に記載の化合物。
  6. 式(1)におけるA及びAの一方がカルボキシル基で他方がカルボキシル基、シアノ基又はアシル基である請求項1乃至のいずれか一項に記載の化合物。
  7. 式(1)におけるA及びAが水素原子であって、かつA及びAが脂肪族炭化水素残基である請求項1乃至のいずれか一項に記載の化合物。
  8. 式(1)中、n1及びn2が1乃至3の整数であり、Mがホウ素原子であり、Y及びYがベンゼン環、ナフタレン環又はチオフェン環から水素原子1個を除いた基であり、Yが水素原子であり、Z及びZがフッ素原子であり、Ar及びArがベンゼン環であり、A及びAがそれぞれ独立にカルボキシル基又はシアノ基であり、A、A、A及びAが水素原子であり、A及びAが脂肪族炭化水素残基であり、A及びA10の一方が水素原子で他方が下記式(3101)〜(3114):

    のいずれかで表される基であり、Q及びQ が硫黄原子である請求項1乃至のいずれか一項に記載の化合物。
  9. 下記式(105)

    で表される請求項1に記載の化合物。
  10. 基板上の酸化物半導体微粒子の薄膜に、請求項1乃至のいずれか一項に記載の化合物を担持させた光電変換素子。
  11. 前記酸化物半導体微粒子が、二酸化チタン、酸化亜鉛又は酸化スズを含有する請求項10に記載の光電変換素子。
  12. 請求項10又は11に記載の光電変換素子を備えてなる太陽電池。
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