JP2017137382A - 新規化合物及びそれを含む光電変換素子 - Google Patents

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由治 久保
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Shogen Kaneko
昌厳 金子
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Abstract

【課題】新規なジベンゾピロメテン化合物、及びそれを用いた、熱耐久性に優れた光電変換素子及びそれを用いた太陽電池の開発。【解決手段】式(1)で表されるジベンゾピロメテン化合物、及び基板上に設けられた酸化物半導体微粒子の薄膜に該化合物を担持させた光電変換素子。(m1は1〜4の整数;MはB等の半金属原子;Y1〜Y3は夫々独立にH又は芳香族残基;Z1及びZ2は夫々独立にハロゲン原子;Ar1及びAr2は夫々独立に芳香環;X1は芳香環Ar1及び/又はAr2上の置換基で、不飽和二重結合を有す基又は5員のヘテロアリール基)【選択図】なし

Description

本発明は特定の構造を有する新規化合物、該化合物を増感色素として含む光電変換素子及び該光電変換素子を備えてなる太陽電池に関する。
石油、石炭等の化石燃料に代わるエネルギー資源として太陽光を利用する太陽電池が注目されている。現在、結晶又はアモルファスのシリコンを用いたシリコン太陽電池、あるいはガリウム、ヒ素等を含む化合物半導体太陽電池等について、盛んに開発検討がなされている。しかしながら、それらの製造には多大なエネルギーが必要なため、結果として製造コストが未だ割高であるという問題点がある。その一方で、色素で増感した半導体微粒子を用いて作製される光電変換素子、あるいはこれを備える太陽電池が知られており、増感色素、半導体微粒子等の材料、素子及び電池の製造技術について種々の開示がなされている(特許文献1、非特許文献1、非特許文献2を参照)。この色素増感光電変換素子には、酸化チタン等の比較的安価な酸化物半導体が用いられており、従来のシリコン等を用いた太陽電池に比べてコストの低い光電変換素子が得られる可能性があり、またカラフルな太陽電池が得られることなどから注目を集めている。しかしながら、変換効率の高い素子を得るために増感色素として用いられているルテニウム系の錯体自体のコストが高く、またその安定供給にも問題が残っている。そのため増感色素として有機色素を用いる試みも既に行われているが、変換効率、安定性 、耐久性が低いなどの問題が解決されていないことから未だ実用化には至っておらず、これらの諸特性の更なる向上が望まれている(特許文献2を参照)。この点、本出願人は、特定の構造を有する新規化合物を色素増感剤として用いる事で、変換効率を向上した光電変換素子を提案している(特許文献3乃至5)。
特開平01−220380号公報 国際公開特許WO2002/011213号公報 国際公開特許WO2014/136710号公報 国際公開特許WO2007/100033号公報 国際公開特許WO2013/147145号公報
B.O'Regan and M.Graetzel Nature, 第353巻, 737頁 (1991年) M.K.Nazeeruddin, A.Kay, I.Rodicio, R.Humphry-Baker, E.Muller, P.Liska, N.Vlachopoulos, M.Graetzel, J.Am.Chem.Soc., 第115巻, 6382頁 (1993年) Yuji Kubo, Kazuki Watanabe, Ryuhei Nishiyabu, Reiko Hata, Akinori Murakami, Takayuki Shoda, and Hitoshi Ota, Org. Lett., Vol. 13, No.17,2011. W.Kubo, K.Murakoshi, T.Kitamura, K.Hanabusa, H.Shirai, and S.Yanagida, Chem.Lett., 1241頁(1998年)
しかしながら、色素増感剤は、太陽電池の構成要素として直射日光下等の高温状態で使用されることがあるため耐熱性も要求されるところ、特許文献3に記載の化合物等、従来の色素増感剤は、耐熱性の点で改善の余地があった。従って、本発明は、色素で増感された酸化物半導体微粒子を含む光電変換素子において、変換効率が高く、且つ耐熱性に優れる光電変換素子を提供することを目的とする。
本発明者等は上記の課題を解決すべく鋭意努力した結果、特定の構造を有する新規化合物を用いて半導体微粒子の薄膜を増感し、光電変換素子を作成することにより、熱耐久性の高い光電変換素子が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、
(1)下記式(1)で表される化合物
(式(1)中、mは1乃至4の整数を表す。Mは半金属原子を表す。Y、Y及びYはそれぞれ独立に水素原子又は芳香族残基を表す。Z及びZはそれぞれ独立にハロゲン原子を表す。Ar及びArはそれぞれ独立に芳香環を表す。Xは芳香環Ar及び/又はAr上の置換基であって、下記式(2)及び(3)

(式(2)中、Dはカルボキシル基、水酸基、リン酸基、スルホン酸基、これらの酸性基の塩、及びこれらの少なくとも1つ以上を置換基として有する芳香族残基を表す。A及びAはそれぞれ独立に水素原子、脂肪族炭化水素残基、ハロゲン原子又はアルコキシル基を表す。また、A及びAは互いに連結して環を形成してもよい。nは0乃至5の整数を表す。nが2以上の場合、複数のAは互いに同じか又は異なっていてもよく、複数のAは互いに同じか又は異なっていてもよい。
式(3)中、Dはカルボキシル基、水酸基、リン酸基、スルホン酸基、これらの酸性基の塩、又はこれらの少なくとも1つ以上を置換基として有する芳香族残基を表す。A及びAはそれぞれ独立に水素原子、脂肪族炭化水素残基、ハロゲン原子又はアルコキシル基を表し、或いはA及びAは互いに連結して環を形成してもよい。Qは酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を表す。nは1乃至5の整数を表す。nが2以上の場合、複数のAは互いに同じか又は異なっていてもよく、複数のAは互いに同じか又は異なっていてもよく、複数のQは互いに同じか又は異なっていてもよい。)からなる群より選ばれる一種又は二種以上の置換基を表す。)、
(2)式(1)におけるAr及びArがベンゼン環である(1)に記載の化合物、
(3)式(1)におけるY及びYがそれぞれ独立に芳香族残基であり、かつYが水素原子である(1)又は(2)に記載の化合物、
(4)式(1)におけるMがホウ素原子である(1)乃至(3)のいずれか一項に記載の化合物、
(5)式(1)におけるXは式(3)の一種又は二種以上の置換基であり、式(3)におけるDがカルボキシル基である(1)乃至(4)のいずれか一項に記載の化合物、
(6)下記式(4)で表される(1)に記載の化合物
(式(4)中、Z及びZはそれぞれ独立にハロゲン原子を表す。Qは酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を表し、Dはカルボキシル基、水酸基、リン酸基、スルホン酸基、これらの酸性基の塩、又はこれらの少なくとも1つ以上を置換基として有する芳香族残基を表す。A及びAはそれぞれ独立に水素原子、脂肪族炭化水素残基、ハロゲン原子又はアルコキシル基を表し、或いはA及びAは互いに連結して環を形成してもよい。nは0乃至5の整数を表す。nが2以上の場合、複数のQは互いに同じか又は異なっていてもよく、複数のAは互いに同じか又は異なってもよく、複数のAは互いに同じか又は異なってもよい。Qは酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を表す。Dはカルボキシル基、水酸基、リン酸基、スルホン酸基、これらの酸性基の塩、又はこれらの少なくとも1つ以上を置換基として有する芳香族残基を表す。A及びAはそれぞれ独立に水素原子、脂肪族炭化水素残基、ハロゲン原子又はアルコキシル基を表し、或いはA及びAは互いに連結して環を形成してもよい。nは0乃至5の整数を表す。nが2以上の場合、複数のAは互いに同じか又は異なってもよく、複数のAは互いに同じか又は異なってもよく、複数のQは互いに同じか又は異なっていてもよい。A及びA10はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、脂肪族炭化水素残基又はアルコキシル基を表す。)、
(7)式(4)におけるD及びDはカルボキシル基である(6)に記載の化合物、
(8)下記式(5)で表される(1)に記載の化合物、

(9)下記式(6)で表される(1)に記載の化合物、
(式(6)中、Z及びZはそれぞれ独立にハロゲン原子を表す。Qは酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を表す。Dはカルボキシル基、水酸基、リン酸基、スルホン酸基、これらの酸性基の塩、又はこれらの少なくとも1つ以上を置換基として有する芳香族残基を表す。A11及びA12はそれぞれ独立に水素原子、脂肪族炭化水素残基、ハロゲン原子又はアルコキシル基を表す。また、A11及びA12は互いに連結して環を形成してもよい。nは0乃至5の整数を表す。nが2以上の場合、複数のA11は、互いに同じか又は異なってもよく、複数のA12は互いに同じか又は異なってもよく、複数のQは互いに同じか又は異なっていてもよい。Qは酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を表し、Dはカルボキシル基、水酸基、リン酸基、スルホン酸基、これらの酸性基の塩、又はこれらの少なくとも1つ以上を置換基として有する芳香族残基を表す。A13及びA14はそれぞれ独立に水素原子、脂肪族炭化水素残基、ハロゲン原子又はアルコキシル基を表し、或いはA13及びA14は互いに連結して環を形成してもよい。nは0乃至5の整数を表す。nが2以上の場合、複数のA13は互いに同じか又は異なってもよく、複数のA14は互いに同じか又は異なってもよく、複数のQは互いに同じか又は異なっていてもよい。Q及びQはそれぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、又はセレン原子を表す。A15及びA16はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、脂肪族炭化水素残基又はアルコキシル基を表す。)、
(10)式(6)におけるD及びDはカルボキシル基である(9)に記載の化合物、
(11)下記式(7)で表される前項(1)に記載の化合物

(12)基板上の酸化物半導体微粒子の薄膜に、(1)乃至(11)のいずれか一項に記載の化合物を担持させた光電変換素子、
(13)基板上の酸化物半導体微粒子の薄膜に、更に、式(1)以外の構造を有する増感色素化合物を担持させた(12)に記載の光電変換素子、
(14)酸化物半導体微粒子が、二酸化チタン、酸化亜鉛又は酸化スズを含有する(12)又は(13)に記載の光電変換素子、
(15)(12)乃至(14)のいずれか一項に記載の光電変換素子を備えてなる太陽電池、
に関する。
式(1)で表される特定の構造を有する化合物(本明細書においては、単に「本発明の化合物」と表記することがある。)を増感色素として用いることにより、熱耐久性が高い色素増感太陽電池を提供することが出来た。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の化合物は、下記式(1)で表される構造を有する。
式(1)中、Mは半金属を表す。本発明における半金属とは、金属と非金属の中間の性質を示す物質を示し、ホウ素原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子、アンチモン原子が挙げられ、ホウ素原子であることが好ましい。mは1乃至4の整数を表し、1乃至2であることが好ましく、2であることがより好ましく、ArとArがそれぞれ1個のXで置換されていることが特に好ましい。
、Y及びYはそれぞれ独立に水素原子又は芳香族残基を表す。Y、Y及びYが表す芳香族残基とは芳香環から水素原子1個を除いた基を意味し、該芳香環の具体例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナンスレン環、ピレン環、ペリレン環及びテリレン環等の芳香族炭化水素環;インデン環、アズレン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピラゾール環、ピラゾリジン環、チアゾリジン環、オキサゾリジン環、ピラン環、クロメン環、ピロール環、ピロリジン環、ベンゾイミダゾール環、イミダゾリン環、イミダゾリジン環、イミダゾール環、ピラゾール環、トリアゾール環、トリアジン環、ジアゾール環、インドリン環、チオフェン環、チエノチオフェン環、フラン環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、チアジン環、チアゾール環、インドール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾチアジアゾール環、ナフトチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、ナフトオキサゾール環、インドレニン環、ベンゾインドレニン環、ピラジン環、キノリン環及びキナゾリン環等の複素芳香環;並びにフルオレン環及びカルバゾール環等の縮合型芳香環等が挙げられる。芳香族残基としては、炭素数5乃至16の芳香環(芳香環及び芳香環を含む縮合環を含む)の残基が好ましい。
式(1)におけるY及びYとしては、それぞれ独立に芳香族残基であることが好ましく、それぞれ独立にベンゼン環、ナフタレン環又はチオフェン環の残基であることがより好ましく、ベンゼン環の残基であることが更に好ましい。また、式(1)におけるYとしては、水素原子であることが好ましい。
、Y及びYが表す芳香族残基は、置換基を有していてもよい。そのような置換基としては、特に限定されないが、例えば、スルホン酸基、スルファモイル基、シアノ基、イソシアノ基、チオシアナト基、イソチオシアナト基、ニトロ基、ニトロシル基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、リン酸基、リン酸エステル基、置換もしくは非置換アミノ基、置換もしくは非置換メルカプト基、アミド基、アルコキシル基、アリールオキシ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アシル基、アルデヒド基、カルボニル基、芳香族残基及び脂肪族炭化水素残基等が挙げられる。
該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられ、フッ素原子、臭素原子又は塩素原子が好ましい。
該リン酸エステル基としては、リン酸(C1〜C4)アルキルエステル基等が挙げられる。その具体例としては、リン酸メチル基、リン酸エチル基、リン酸(n−プロピル)基及びリン酸(n−ブチル)基が挙げられる。
該アミノ基としては、非置換アミノ基;モノ又はジメチルアミノ基、モノ又はジエチルアミノ基並びにモノ又はジ(n−プロピル)アミノ基等のアルキル置換アミノ基;モノ又はジフェニルアミノ基並びにモノ又はジナフチルアミノ基等の芳香族残基で置換したアミノ基;モノアルキルモノフェニルアミノ基等のアルキル基と芳香族残基で一つずつ置換したアミノ基;ベンジルアミノ基、アセチルアミノ基、フェニルアセチルアミノ基等が挙げられる。ここで芳香族残基は、前述と同じ意味を表す。
該メルカプト基としては、非置換メルカプト基;メチルメルカプト基、エチルメルカプト基、n−プロピルメルカプト基、イソプロピルメルカプト基、n−ブチルメルカプト基、イソブチルメルカプト基、sec−ブチルメルカプト基、及びt−ブチルメルカプト基等のC1〜C4アルキルメルカプト基;並びにフェニルメルカプト基等が挙げられる。
該アミド基としては、ホルムアミド基、アセトアミド基、N−メチルアミド基、N−エチルアミド基、N−(n−プロピル)アミド基、N−(n−ブチル)アミド基、N−イソブチルアミド基、N−(sec−ブチルアミド)基、N−(t−ブチル)アミド基、N,N−ジメチルアミド基、N,N−ジエチルアミド基、N,N−ジ(n−プロピル)アミド基、N,N−ジ(n−ブチル)アミド基、N,N−ジイソブチルアミド基、N−メチルアセトアミド基、N−エチルアセトアミド基、N−(n−プロピル)アセトアミド基、N−(n−ブチル)アセトアミド基、N−イソブチルアセトアミド基、N−(sec−ブチル)アセトアミド基、N−(t−ブチル)アセトアミド基、N,N−ジメチルアセトアミド基、N,N−ジエチルアセトアミド基、N,N−ジ(n−プロピル)アセトアミド基、N,N−ジ(n−ブチル)アセトアミド基、N,N−ジイソブチルアセトアミド基、フェニルアミド基、ナフチルアミド基、フェニルアセトアミド基及びナフチルアセトアミド基等が挙げられる。
該アルコキシル基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基及びt−ブトキシ基等が挙げられる。
該アリールオキシ基としては、フェノキシ基及びナフトキシ基等が挙げられ、これらはフェニル基又はメチル基を置換基として有していてもよい。
該アシル基としては、炭素数1乃至10のアルキルカルボニル基やアリールカルボニル基(通常、単環式、二環式もしくは三環式アリールを有する)等が挙げられ、好ましくは炭素数1乃至4のアルキルカルボニル基及び単環式もしくは二環式アリールカルボニル基である。具体的にはアセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基及びナフトイル基等が挙げられる。アシル基は、例えばハロゲンで置換されてもよく、このような置換アシル基としては、トリフルオロメチルカルボニル基、及びペンタフルオロエチルカルボニル基が挙げられる。
該カルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、n−ペントキシカルボニル基、n−ヘキシルオキシカルボニル基、n−ヘプチルオキシカルボニル基、n−ノニルオキシカルボニル基及びn−デシルオキシカルボニル基等が挙げられる。
該脂肪族炭化水素残基としては、飽和又は不飽和の、直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基が挙げられ、直鎖又は分岐鎖のアルキル基の炭素数は1乃至36が好ましく、3乃至18がより好ましい。また、環状のアルキル基としては、例えば炭素数3乃至8のシクロアルキルが挙げられる。これら脂肪族炭化水素残基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、シクロヘキシル基、ビニル基、プロペニル基、ペンチニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、ヘキサジエニル基、イソプロペニル基、イソへキセニル基、シクロへキセニル基、シクロペンタジエニル基、エチニル基、プロピニル基、ペンチニル基、へキシニル基、イソへキシニル基及びシクロへキシニル基等が挙げられる。特に好ましくは上記炭素数が3乃至18の直鎖のアルキル基である。
これらの脂肪族炭化水素残基は置換基を有していてもよく、該置換基としては、Y、Y及びYが表す芳香族残基が有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。
置換基が芳香族残基の場合、この置換基の例としては、Y、Y及びYが表す芳香族残基と同様のものが挙げられる。また、該芳香族残基は置換基を有していてもよく、該置換基としては、Y、Y及びYが表す芳香族残基が有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。
式(1)中、Z及びZはそれぞれ独立にハロゲン原子を表す。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられ、フッ素原子、臭素原子又は塩素原子が好ましく、フッ素原子が特に好ましい。
また、式(1)中のZ及びY、並びにZ及びYは、互いに連結して環を形成してもよく、また、Y及びYが芳香族残基の場合、Z及びYが表す芳香族残基上の置換基、並びにZ及びYが表す芳香族残基上の置換基は、互いに連結して環を形成してもよい。
式(1)中、Ar及びArはそれぞれ独立に芳香環を表す。該芳香環の具体例としては、Y、Y及びYが表す芳香族残基の説明部分に具体例として記載した芳香環と同様のものが挙げられ、それぞれ独立にベンゼン環、ナフタレン環又はチオフェン環であることが好ましく、ベンゼン環であることがより好ましい。
式(1)中、Xは芳香環Ar及び/又はAr上の置換基であって、下記式(2)及び(3)からなる群より選ばれる一種又は二種以上の置換基を表す。
式(2)中、Dはカルボキシル基、水酸基、リン酸基、スルホン酸基、これらの酸性基の塩、及びこれらの少なくとも1つ以上を置換基として有する芳香族残基を表す。
としては、カルボキシル基、カルボキシル基の塩、又はこれらの少なくとも1つ以上を置換基として有する芳香族残基が好ましく、カルボキシル基又は少なくとも1つ以上のカルボキシル基を置換基として有する芳香族残基がより好ましく、カルボキシル基が更に好ましい。
また、該芳香族残基としては、下記式(1001)乃至(1033)のいずれかで表される基が好ましい。

また、カルボキシル基の塩としては、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩などが挙げられる。
式(2)中、A及びAはそれぞれ独立に水素原子、脂肪族炭化水素残基、ハロゲン原子又はアルコキシル基を表す。該脂肪族炭化水素残基、ハロゲン原子及びアルコキシル基としては、Y、Y及びYが表す芳香族残基が有していてもよい置換基としての脂肪族炭化水素残基、ハロゲン原子及びアルコキシル基と同様のものが挙げられる。また、AとAとが互いに結合して環を形成してもよい。形成される環としては、芳香環、環状の脂肪族炭化水素などが挙げられ、これら環は置換基を有していてもよい。該芳香環及び環状の脂肪族炭化水素の具体例としては、Y、Y及びYが表す芳香族残基の説明部分に具体例として記載したもの、並びに芳香族残基が有していてもよい置換基として記載したものが挙げられる。これらが有してもよい置換基としては、Y、Y及びYが表す芳香族残基が有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。
及びAとしては、それぞれ独立に水素原子又は脂肪族炭化水素残基が好ましく、水素原子又は炭素数1乃至10の脂肪族炭化水素残基がより好ましく、水素原子又は炭素数1乃至6の直鎖飽和脂肪族炭化水素残基が更に好ましく、水素原子が特に好ましい。
式(2)中、nは0乃至5の整数を表し、0乃至4であることが好ましく、0乃至1であることが更に好ましく、0であることが特に好ましい。
が2以上の場合、複数のAは互いに同じか又は異なっていてもよく、複数のAも互いに同じか又は異なっていてもよい。また、隣接するA同士、A同士、又はAとAとが互いに結合して環を形成してもよい。形成される環としては、芳香環、環状の脂肪族炭化水素などが挙げられ、これら環は置換基を有していてもよい。
該芳香環及び環状の脂肪族炭化水素の具体例としては、Y、Y及びYが表す芳香族残基の説明部分に具体例として記載したもの、並びに芳香族残基が有していてもよい置換基として記載したものが挙げられる。これらが有してもよい置換基としては、Y、Y及びYが表す芳香族残基が有していてもよい置換基が挙げられる。
式(3)中、Dはカルボキシル基、水酸基、リン酸基、スルホン酸基、これらの酸性基の塩、及びこれらの少なくとも1つ以上を置換基として有する芳香族残基を表す。
としては、カルボキシル基、カルボキシル基の塩、又はこれらの少なくとも1つ以上を置換基として有する芳香族残基であることが好ましく、カルボキシル基又はカルボキシル基を少なくとも1つ以上置換基として有する芳香族残基であることがより好ましく、カルボキシル基であることが更に好ましい。また、該芳香族残基の具体例としては、上記式(1001)乃至(1033)のいずれかで表される基であることがより好ましい。
式(3)中、A及びAはそれぞれ独立に水素原子、脂肪族炭化水素残基、ハロゲン原子又はアルコキシル基を表し、該脂肪族炭化水素残基、ハロゲン原子及びアルコキシル基としては、Y、Y及びYが表す芳香族残基が有していてもよい置換基としての脂肪族炭化水素残基、ハロゲン原子及びアルコキシル基と同様のものが挙げられる。また、AとAとが互いに結合して環を形成してもよい。形成される環としては、芳香環、環状の脂肪族炭化水素などが挙げられ、これらは置換基を有していてもよい。
該芳香環及び環状の脂肪族炭化水素としては、Y、Y及びYが表す芳香族残基の説明部分に具体例として記載したもの、並びに芳香族残基が有していてもよい置換基として記載したものが挙げられる。これらが有してもよい置換基としては、Y、Y及びYが表す芳香族残基が有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。
及びAとしては、それぞれ独立に水素原子又は脂肪族炭化水素残基が好ましく、水素原子又は炭素数1乃至10の脂肪族炭化水素残基がより好ましく、水素原子又は炭素数1乃至6の直鎖飽和脂肪族炭化水素残基が更に好ましく、水素原子が特に好ましい。
式(3)中、Qは酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を表し、酸素原子又は硫黄原子が好ましく、硫黄原子がより好ましい。
式(3)中、nは1乃至5の整数を表し、1乃至2であることが好ましく、1であることが更に好ましい。nが2以上の場合、複数のAは互いに同じか又は異なっていてもよく、複数のAも互いに同じか又は異なっていてもよく、複数のQも互いに同じか又は異なっていてもよい。また、隣接するA同士、A同士、又はAとAとが互いに結合して環を形成してもよい。
本発明の化合物としては、下記式(4)で表される構造を有するものが好ましい。
式(4)中、Z及びZはそれぞれ独立にハロゲン原子を表し、該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられ、フッ素原子、臭素原子又は塩素原子であることが好ましく、フッ素原子がより好ましい。
式(4)中、Qは酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を表し、酸素原子又は硫黄原子が好ましく、硫黄原子がより好ましい。
式(4)中、Dはカルボキシル基、水酸基、リン酸基、スルホン酸基、これらの酸性基の塩、又はこれらの少なくとも1つ以上を置換基として有する芳香族残基を表す。
としては、カルボキシル基、カルボキシル基の塩、又はこれらの少なくとも1つ以上を置換基として有する芳香族残基が好ましく、カルボキシル基又はカルボキシル基を少なくとも1つ以上置換基として有する芳香族残基がより好ましく、カルボキシル基が更に好ましい。また、該芳香族残基としては、上記式(1001)乃至(1033)のいずれかで表される基が好ましい。また、カルボキシル基の塩としては、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩が好ましい。
式(4)中、A及びAはそれぞれ独立に水素原子、脂肪族炭化水素残基、ハロゲン原子又はアルコキシル基を表し、該脂肪族炭化水素残基、ハロゲン原子及びアルコキシル基としては、Y、Y及びYが表す芳香族残基が有していてもよい置換基として説明した脂肪族炭化水素残基、ハロゲン原子及びアルコキシル基が挙げられる。また、A及びAとが互いに結合して環を形成してもよい。形成される環としては、芳香環、環状の脂肪族炭化水素などが挙げられ、これら環は置換基を有していてもよい。該芳香環及び環状の脂肪族炭化水素としては、Y、Y及びYが表す芳香族残基の説明部分に具体例として記載したもの、並びに芳香族残基が有していてもよい置換基として記載したものが挙げられる。これらが有してもよい置換基としては、Y、Y及びYが表す芳香族残基が有していてもよい置換基として説明したものが挙げられる。
及びAとしては、それぞれ独立に水素原子又は脂肪族炭化水素残基が好ましく、水素原子又は炭素数1乃至10の脂肪族炭化水素残基がより好ましく、水素原子又は炭素数1乃至6の直鎖飽和脂肪族炭化水素残基が更に好ましく、水素原子が特に好ましい。
式(4)中、nは0乃至5の整数を表し、1乃至4であることが好ましく、1であることが更に好ましい。nが2以上の場合、複数のQは互いに同じか又は異なっていてもよく、複数のAは互いに同じか又は異なってもよく、複数のAは互いに同じか又は異なってもよい。
式(4)中、Qは酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を表し、酸素原子又は硫黄原子が好ましく、硫黄原子がより好ましい。
式(4)中、Dはカルボキシル基、水酸基、リン酸基、スルホン酸基、これらの酸性基の塩、又はこれらの少なくとも1つ以上を置換基として有する芳香族残基を表す。
としては、カルボキシル基、カルボキシル基の塩、又はこれらの少なくとも1つ以上を置換基として有する芳香族残基が好ましく、カルボキシル基又はカルボキシル基を少なくとも1つ以上置換基として有する芳香族残基がより好ましく、カルボキシル基が更に好ましい。また、該芳香族残基としては、上記式(1001)乃至(1033)のいずれかで表される基が好ましい。また、酸性基の塩としては、リチウム塩、ナトリウム塩、又はカリウム塩が好ましい。
式(4)中、A及びAはそれぞれ独立に水素原子、脂肪族炭化水素残基、ハロゲン原子又はアルコキシル基を表し、A及びAが表す脂肪族炭化水素残基、ハロゲン原子及びアルコキシル基としては、Y、Y及びYが表す芳香族残基が有していてもよい置換基としての脂肪族炭化水素残基、ハロゲン原子及びアルコキシル基と同様のものが挙げられる。また、A及びAが互いに結合して環を形成してもよい。形成される環としては、芳香環、環状の脂肪族炭化水素などが挙げられ、これら環は置換基を有していてもよい。
形成される芳香環、及び環状の脂肪族炭化水素としては、Y、Y及びYが表す芳香族残基の説明部分に具体例として記載したものが挙げられる。これら環が有してもよい置換基としては、Y、Y及びYが表す芳香族残基が有していてもよい置換基として説明したものが挙げられる。
式(4)におけるA及びAとしては、それぞれ独立に水素原子又は脂肪族炭化水素残基であることが好ましく、水素原子又は炭素数1乃至10の脂肪族炭化水素残基がより好ましく、水素原子又は炭素数1乃至6の直鎖飽和脂肪族炭化水素残基が更に好ましく、水素原子が特に好ましい。
式(4)中、nは0乃至5の整数を表し、1乃至4であることが好ましく、1であることが更に好ましい。nが2以上の場合、複数のQは互いに同じか又は異なっていてもよく、複数のAは互いに同じか又は異なってもよく、複数のAは互いに同じか又は異なってもよい。
式(4)中、A及びA10はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、脂肪族炭化水素残基又はアルコキシル基を表す。該ハロゲン原子、脂肪族炭化水素残基及びアルコキシル基としては、Y、Y及びYが表す芳香族残基が有していてもよい置換基として説明した脂肪族炭化水素残基、ハロゲン原子及びアルコキシル基が挙げられる。A及びA10としては、それぞれ独立に水素原子、脂肪族炭化水素残基又はアルコキシル基が好ましく、アルコキシル基がより好ましく、炭素数1乃至10のアルコキシル基が更に好ましく、炭素数1乃至4のアルコキシル基がより更に好ましく、メトキシ基が特に好ましい。
より具体的には、Z及びZがフッ素原子、臭素原子又は塩素原子であり、n及びnが1乃至4であり、Q及びQが酸素原子又は硫黄原子であり、D及びDがそれぞれ独立にカルボキシル基又はカルボキシル基を少なくとも1つ以上置換基として有する芳香族残基であり、A及びAがそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1乃至6の直鎖飽和脂肪族炭化水素残基であり、A及びAが水素原子又は炭素数1乃至6の直鎖飽和脂肪族炭化水素残基であり、かつA及びA10が炭素数1乃至4のアルコキシル基である式(4)で表される化合物が好ましく、Z及びZがフッ素原子であり、n及びnが1の整数であり、Q及びQが硫黄原子であり、Dがカルボキシル基であり、Dがカルボキシル基であり、A及びAが水素原子であり、A及びAが水素原子であり、かつA及びA10がメトキシ基である式(4)で表される化合物が特に好ましい。
尚、式(4)で表される化合物は、式(4)中に2ヶ所存在するインドール環の部分構造における5位に、それぞれ式(3)で表される置換基を有するものであるが、本発明の化合物としては、該インドール環の6位に、それぞれ式(3)で表される置換基を有する化合物も好ましい。
本発明の化合物としては、下記式(6)で表される構造を有するものも好ましい。
式(6)中、Z及びZはそれぞれ独立にハロゲン原子を表し、該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられ、フッ素原子、臭素原子又は塩素原子であることが好ましく、フッ素原子がより好ましい。
式(6)中、Qは酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を表し、式(6)におけるQとしては、酸素原子又は硫黄原子であることが好ましく、硫黄原子であることがより好ましい。
式(6)中、Dはカルボキシル基、水酸基、リン酸基、スルホン酸基、これらの酸性基の塩、及びこれらの少なくとも1つ以上を置換基として有する芳香族残基を表す。
としては、カルボキシル基、カルボキシル基の塩、又はこれらの少なくとも1つ以上を置換基として有する芳香族残基であることが好ましく、カルボキシル基又はカルボキシル基を少なくとも1つ以上置換基として有する芳香族残基であることがより好ましく、カルボキシル基であることが更に好ましい。また、該芳香族残基としては、上記式(1001)乃至(1033)のいずれかで表される基が好ましい。また、カルボキシル基の塩としては、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩が好ましい。
式(6)中、A11及びA12はそれぞれ独立に水素原子、脂肪族炭化水素残基、ハロゲン原子又はアルコキシル基を表し、該脂肪族炭化水素残基、ハロゲン原子及びアルコキシル基としては、Y、Y及びYが表す芳香族残基が有していてもよい置換基として説明した脂肪族炭化水素残基、ハロゲン原子及びアルコキシル基が挙げられる。また、A11及びA12とが互いに結合して環を形成してもよい。形成される環としては、芳香環、環状の脂肪族炭化水素などが挙げられ、これら環は置換基を有していてもよい。形成される芳香環及び環状の脂肪族炭化水素としては、Y、Y及びYが表す芳香族残基の説明部分に具体例として記載したもの、並びに芳香族残基が有していてもよい置換基として記載したものが挙げられる。これらが有してもよい置換基としては、Y、Y及びYが表す芳香族残基が有していてもよい置換基が挙げられる。
11及びA12としては、それぞれ独立に水素原子又は脂肪族炭化水素残基が好ましく、水素原子又は炭素数1乃至10の脂肪族炭化水素残基がより好ましく、水素原子又は炭素数1乃至6の直鎖飽和脂肪族炭化水素残基が更に好ましく、水素原子が特に好ましい。
式(6)中、nは0乃至5の整数を表し、1乃至4であることが好ましく、1であることが更に好ましい。nが2以上の場合、複数のQは互いに同じか又は異なっていてもよく、複数のA11は互いに同じか又は異なってもよく、複数のA12は互いに同じか又は異なってもよい。
式(6)中、Qは酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を表し、酸素原子又は硫黄原子が好ましく、硫黄原子がより好ましい。
式(6)中、Dはカルボキシル基、水酸基、リン酸基、スルホン酸基、これらの酸性基の塩、又はこれらの少なくとも1つ以上を置換基として有する芳香族残基を表す。
としては、カルボキシル基、カルボキシル基の塩、又はこれらの少なくとも1つ以上を置換基として有する芳香族残基が好ましく、カルボキシル基又は少なくとも1つ以上のカルボキシル基を置換基として有する芳香族残基がより好ましく、カルボキシル基が更に好ましい。また、該芳香族残基の具体例としては、上記式(1001)乃至(1033)のいずれかで表される基が好ましい。また、酸性基の塩としては、リチウム塩、ナトリウム塩、又はカリウム塩が好ましい。
式(6)中、A13及びA14はそれぞれ独立に水素原子、脂肪族炭化水素残基、ハロゲン原子又はアルコキシル基を表し、該脂肪族炭化水素残基、ハロゲン原子及びアルコキシル基としては、Y、Y及びYが表す芳香族残基が有していてもよい置換基として説明した脂肪族炭化水素残基、ハロゲン原子及びアルコキシル基が挙げられる。また、A13及びA14が互いに結合して環を形成してもよい。形成される環としては、芳香環、環状の脂肪族炭化水素などが挙げられ、これら環は置換基を有していてもよい。形成される芳香環及び環状の脂肪族炭化水素としては、Y、Y及びYが表す芳香族残基の説明部分に具体例として記載したもの、並びに芳香族残基が有していてもよい置換基として記載したものが挙げられる。これらが有してもよい置換基としては、Y、Y及びYが表す芳香族残基が有していてもよい置換基として説明したものが挙げられる。
式(6)におけるA13及びA14としては、それぞれ独立に水素原子又は脂肪族炭化水素残基が好ましく、水素原子又は炭素数1乃至10の脂肪族炭化水素残基がより好ましく、水素原子又は炭素数1乃至6の直鎖飽和脂肪族炭化水素残基が更に好ましく、水素原子が得に好ましい。
式(6)中、nは0乃至5の整数を表し、1乃至4であることが好ましく、1であることが更に好ましい。nが2以上の場合、複数のQは互いに同じか又は異なっていてもよく、複数のA13は互いに同じか又は異なってもよく、複数のA14は互いに同じか又は異なってもよい。
式(6)中、Qは酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を表し、酸素原子又は硫黄原子が好ましく、硫黄原子がより好ましい。
15は水素原子、ハロゲン原子、脂肪族炭化水素残基又はアルコキシル基を表し、該ハロゲン原子、脂肪族炭化水素残基及びアルコキシル基としては、Y、Y及びYが表す芳香族残基が有していてもよい置換基として説明したハロゲン原子、脂肪族炭化水素残基及びアルコキシル基が挙げられる。A15としては、アルキル基が好ましく、炭素数1乃至8のアルキル基であることがより好ましく、炭素数4乃至6のアルキル基であることが更に好ましく、ヘキシル基であることが特に好ましい。
式(6)中、Qは酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を表し、酸素原子又は硫黄原子が好ましく、硫黄原子がより好ましい。
16は水素原子、ハロゲン原子、脂肪族炭化水素残基又はアルコキシル基を表し、該ハロゲン原子、脂肪族炭化水素残基及びアルコキシル基としては、Y、Y及びYが表す芳香族残基が有していてもよい置換基として説明したハロゲン原子、脂肪族炭化水素残基及びアルコキシル基が挙げられる。A16としては、アルキル基が好ましく、炭素数1乃至8のアルキル基がより好ましく、炭素数4乃至6のアルキル基が更に好ましく、ヘキシル基が特に好ましい。
より具体的には、Z及びZがフッ素原子、臭素原子又は塩素原子であり、n及びnが1乃至4であり、Q及びQが酸素原子又は硫黄原子であり、D及びDがそれぞれ独立にカルボキシル基又はカルボキシル基を少なくとも1つ以上置換基として有する芳香族残基であり、A11及びA12がそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1乃至6の直鎖飽和脂肪族炭化水素残基であり、A13及びA14が水素原子又は炭素数1乃至6の直鎖飽和脂肪族炭化水素残基であり、Q及びQが酸素原子又は硫黄原子であり、かつA15及びA16が炭素数1乃至8のアルキル基である式(6)で表される化合物が好ましく、式(6)で表される化合物としては、Z及びZがフッ素原子であり、n及びnが1の整数であり、Q及びQが硫黄原子であり、Dがカルボキシル基であり、Dがカルボキシル基であり、A11及びA12が水素原子であり、A13及びA14が水素原子であり、Q及びQが硫黄原子であり、かつA15及びA16がヘキシル基であるものが特に好ましい。
尚、式(6)で表される化合物は、式(6)中に2ヶ所存在するインドール環の部分構造における5位に、それぞれ式(3)で表される置換基を有するものであるが、本発明の化合物としては、該インドール環の6位に、それぞれ式(3)で表される置換基を有する化合物も好ましい。
本発明の式(1)で表される化合物は、例えば、非特許文献3記載のScheme1における化合物番号2の合成方法に準じて中間体となる化合物を合成し、該中間体となる化合物に、ホルミル化やクロスカップリングなどにより置換基Xを導入することにより得ることができる。但し、本発明はこれらの合成法に限定されるものではない。
以下に具体的な反応スキームの一例を例示する。原料である化合物aと化合物bを、例えばアルコール等の適当な溶媒中で反応させ、化合物cを得ることができる。次に化合物cを、例えばテトラヒドロフラン等の適当な溶媒中で、四酢酸鉛で処理し、化合物dを得ることが出来る(芳香環ArとArが環成分として異なる場合は、上記と同様に、原料である化合物eと化合物fの反応により化合物gを、更に化合物hを得ることができる)。次に化合物dを、例えば適当なアルコールと酢酸混合溶媒中、アンモニア水を加えて室温で反応させることで、化合物iを得ることができる。このとき、芳香環ArとArの環成分が異なる場合は、化合物dと化合物hとを反応させる。次いで、化合物iを三フッ化ホウ素類と反応させて、化合物jを得ることができる。更に、この化合物jと、化合物kをクロスカップリング等により結合させることで一般式(1)の化合物を得ることができる。なお、一般式(1)のYは、必要に応じてグリニャール反応などにより水素原子以外の置換基を導入することができる。

上記反応スキームの各化合物において、Ar、Ar、Y、Y、Y、Z、Z、及びXは、式(1)で説明した通りである。
以下に、式(4)で表される化合物の具体例を挙げる。
以下に式(6)で表される化合物の具体例を挙げる。
上記式(4)、式(6)で表させない、式(1)の化合物の具体例を下記する。

上述した本発明の化合物を、基板上に設けられた酸化物半導体微粒子の薄膜に担持させることで、光電変換素子とすることが出来る。
本発明で酸化物半導体微粒子の薄膜を設ける基板としてはその表面が導電性であるものが好ましいが、そのような基板は市場にて容易に入手可能である。例えば、ガラス又はポリエチレンテレフタレート若しくはポリエーテルスルフォン等の透明性のある高分子材料等の表面にインジウム、フッ素、アンチモンをドープした酸化スズなどの導電性金属酸化物や銅、銀、金等の金属の薄膜を設けたものを基板として用いることが出来る。その導電性としては通常1000Ω以下であればよく、特に100Ω以下のものが好ましい。
また、酸化物半導体の微粒子としては金属酸化物が好ましく、その具体例としてはチタン、スズ、亜鉛、タングステン、ジルコニウム、ガリウム、インジウム、イットリウム、ニオブ、タンタル、バナジウムなどの酸化物が挙げられる。これらのうちチタン、スズ、亜鉛、ニオブ、インジウム等の酸化物が好ましく、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズが最も好ましい。これらの酸化物半導体は単一で使用することも出来るが、混合したり、半導体の表面にコーティングして使用してもよい。酸化物半導体の微粒子の粒径は、平均粒径で通常1〜500nmで、好ましくは1〜100nmである。またこの酸化物半導体の微粒子は大きな粒径のものと小さな粒径のものを混合したり、多層にして用いることも出来る。
酸化物半導体微粒子の薄膜は酸化物半導体微粒子をスプレイ噴霧などで直接前記基板上に半導体微粒子の薄膜として形成する方法、基板を電極として電気的に半導体微粒子を薄膜状に析出させる方法、半導体微粒子のスラリー又は半導体アルコキサイド等の半導体微粒子の前駆体を加水分解することにより得られた微粒子を含有するペーストを基板上に塗布した後、乾燥、硬化もしくは焼成する等によって製造することが出来る。酸化物半導体を用いる電極の性能上、スラリーを用いる方法が好ましい。この方法の場合、スラリーは2次凝集している酸化物半導体微粒子を常法により分散媒中に平均1次粒子径が1〜200nmになるように分散させることにより得られる。
スラリーを分散させる分散媒としては半導体微粒子を分散させ得るものであれば何でも良く、水;エタノール等のアルコール;アセトン及びアセチルアセトン等のケトン;ヘキサン等の炭化水素等が用いられ、これらは混合して用いても良く、また水を用いることはスラリーの粘度変化を少なくするという点で好ましい。また酸化物半導体微粒子の分散状態を安定化させる目的で分散安定剤を用いることが出来る。用いうる分散安定剤の例としては例えば酢酸、塩酸、硝酸等の酸、又はアセチルアセトン、アクリル酸、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール等の有機溶媒等が挙げられる。
スラリーを塗布した基板は焼成してもよく、その焼成温度は通常100℃以上、好ましくは200℃以上で、かつ上限は概ね基材の融点(軟化点)以下であり、通常上限は900℃であり、好ましくは600℃以下である。また焼成時間には特に限定はないが概ね4時間以内が好ましい。基板上の薄膜の厚みは通常1〜200μmであり、好ましくは1〜50μmである。
酸化物半導体微粒子の薄膜に2次処理を施してもよい。例えば、半導体と同一の金属のアルコキサイド、塩化物、硝化物、硫化物等の溶液に直接、基板ごと薄膜を浸積させて乾燥もしくは再焼成することにより半導体微粒子の薄膜の性能を向上させることもできる。金属アルコキサイドとしてはチタンエトキサイド、チタンイソプロポキサイド、チタンt−ブトキサイド、n−ジブチル−ジアセチルスズ等が挙げられ、それらのアルコール溶液が用いられる。塩化物としては例えば四塩化チタン、四塩化スズ、塩化亜鉛等が挙げられ、その水溶液が用いられる。このようにして得られた酸化物半導体薄膜は酸化物半導体の微粒子から成っている。
次に酸化物半導体微粒子の薄膜に、本発明の化合物を担持させる方法について説明する。担持方法としては、該化合物を溶解しうる溶媒に溶解して得た溶液、又は溶解性の低い場合は、該化合物を分散せしめて得た分散液に、上記酸化物半導体微粒子の薄膜の設けられた基板を浸漬する方法が挙げられる。溶液又は分散液中の濃度は担持する本発明の化合物によって適宜決める。その溶液中に基板上に作製した半導体微粒子の薄膜を浸す。浸漬温度は概ね常温から溶媒の沸点迄であり、また浸漬時間は1分間〜48時間程度である。本発明の化合物を溶解又は分散させる際に使用し得る溶媒の具体例として、メタノール、エタノール、イソプロパノール、テトラヒドロフラン(THF)、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトン、n−プロパノール、n−ブタノール、t−ブタノール、水、n−ヘキサン、クロロホルム、ジクロロメタン、及びトルエン等が挙げられ、本発明の化合物の溶解度等に合わせて、単独または複数を混合して用いることができる。溶液中の化合物濃度は通常1×10−6M〜1Mが良く、好ましくは1×10−5M〜1×10−1Mである。浸漬が終わったあと、風乾又は必要により加熱して溶媒を除去する。この様にして本発明の化合物で増感された酸化物半導体微粒子の薄膜を有した本発明の光電変換素子が得られる。
担持する本発明の化合物は1種類でもよいし、数種類混合してもよい。また、混合する場合は本発明の化合物同士でも良いし、本発明の化合物に本発明の化合物以外の化合物(色素)を混合してもよい。特に吸収波長の異なる色素と混合することにより、幅広い吸収波長を利用することが出来、変換効率の高い太陽電池が得られる。混合し得る本発明の化合物以外の色素には特に制限は無いが、非特許文献2に示されているルテニウム錯体やその4級アンモニウム塩化合物、フタロシアニン、ポルフィリン、無金属のフタロシアニン、ポルフィリン、シアニン、メロシアニン、オキソノール、トリフェニルメタン系、特許文献2に示されるアクリル酸系色素、キサンテン系、アゾ系、アンスラキノン系、ペリレン系等の色素が挙げられ、ルテニウム錯体、メロシアニン、アクリル酸系色素等であることが好ましく、ルテニウム錯体、アクリル酸系色素であることが更に好ましく、シアノ酢酸系色素であることが特に好ましい。本発明の化合物を含む複数の化合物を用いる場合は、それぞれを半導体微粒子の薄膜に順次担持させても、混合溶解して担持させても良い。
本発明の化合物を含む複数の化合物を混合して用いる場合の比率に特に限定は無く、最適化条件が適宜選択されるが、一般には等モルずつの混合から、1つの化合物又は色素につき、10%モル程度以上使用するのが好ましい。2種以上の化合物を溶解又は分散した溶液を用いて、酸化物半導体微粒子の薄膜に吸着させる場合、溶液中の化合物の合計の濃度は1種類のみ担持する場合と同様でよい。複数の化合物を混合して使用する場合にも前記の溶媒が使用可能であり、単一の溶媒を用いてもよいし、化合物毎に異なった溶媒を用いてもよい。
酸化物半導体微粒子の薄膜に本発明の化合物を担持する際、化合物同士の会合を防ぐために、包摂化合物の共存下、担持することが効果的である。ここで包摂化合物としてはコール酸等のステロイド系化合物、クラウンエーテル、シクロデキストリン、カリックスアレン、ポリエチレンオキサイドなどが挙げられるが、好ましいものの具体例としてはデオキシコール酸、デヒドロデオキシコール酸、ケノデオキシコール酸、ウルソデオキシコール酸、リトコール酸、ヒオデオキシコール酸、コール酸メチルエステル、コール酸ナトリウム等のコール酸類、ポリエチレンオキサイド等が挙げられる。又、化合物及び色素を担持させた後、4−t−ブチルピリジン等のアミン化合物、酢酸、プロピオン酸等の酸で半導体微粒子の薄膜を処理してもよい。処理の方法は例えば、アミン化合物又は酸を添加したエタノール溶液に化合物及び色素を担持した半導体微粒子の薄膜の設けられた基板を浸す方法等が採られる。
上記酸化物半導体微粒子の薄膜に、本発明の化合物を担持させた光電変換素子を一方の電極とし、対極、レドックス電解質又は正孔輸送材料又はp型半導体等を用いて太陽電池を製造することができる。レドックス電解質、正孔輸送材料、p型半導体等の形態としては、液体、凝固体(ゲル及びゲル状)、固体などそれ自体公知のものが使用出来る。液状のものとしてはレドックス電解質、溶融塩、正孔輸送材料、p型半導体等をそれぞれ溶媒に溶解させたものや常温溶融塩などが、凝固体(ゲル及びゲル状)の場合は、これらをポリマーマトリックスや低分子ゲル化剤等に含ませたもの等がそれぞれ挙げられる。固体のものとしてはレドックス電解質、溶融塩、正孔輸送材料、p型半導体等を用いることができる。正孔輸送材料としてはアミン誘導体やポリアセチレン、ポリアニリン、ポリチオフェンなどの導電性高分子、トリフェニレン系化合物などが挙げられる。また、p型半導体としてはCuI、CuSCN等が挙げられる。対極としては導電性を持っており、レドックス電解質の還元反応を触媒的に作用するものが好ましい。例えばガラス又は高分子フィルムに白金、カーボン、ロジウム、ルテニウム等を蒸着したり、導電性微粒子を塗り付けたものが用い得る。
上記太陽電池に用いるレドックス電解質としてはハロゲンイオンを対イオンとするハロゲン化合物及びハロゲン分子からなるハロゲン酸化還元系電解質、フェロシアン酸塩−フェリシアン酸塩やフェロセン−フェリシニウムイオン、コバルト錯体などの金属錯体等の金属酸化還元系電解質、アルキルチオール−アルキルジスルフィド、ビオロゲン色素、ヒドロキノン−キノン等の有機酸化還元系電解質等をあげることができるが、ハロゲン酸化還元系電解質が好ましい。ハロゲン化合物−ハロゲン分子からなるハロゲン酸化還元系電解質におけるハロゲン分子としては、例えばヨウ素分子や臭素分子等があげられ、ヨウ素分子が好ましい。又、ハロゲンイオンを対イオンとするハロゲン化合物としては、例えばLiBr、NaBr、KBr、LiI、NaI、KI、CsI、CaI、MgI、CuI等のハロゲン化金属塩あるいはテトラアルキルアンモニウムヨーダイド、イミダゾリウムヨーダイド、ピリジニウムヨーダイドなどのハロゲンの有機4級アンモニウム塩等があげられるが、ヨウ素イオンを対イオンとする塩類が好ましい。また、上記ヨウ素イオンの他にビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオン、ジシアノイミドイオン等のイミドイオンを対イオンとする電解質を用いることも好ましい。
また、レドックス電解質はそれを含む溶液の形で構成されている場合、その溶媒には電気化学的に不活性なものが用いられる。例えばアセトニトリル、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、3−メトキシプロピオニトリル、メトキシアセトニトリル、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、γ−ブチロラクトン、ジメトキシエタン、ジエチルカーボネート、ジエチルエーテル、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキサイド、1,3−ジオキソラン、メチルフォルメート、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチル−オキサゾリジン−2−オン、スルフォラン、テトラヒドロフラン、水等が挙げられ、これらの中でも、特に、アセトニトリル、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、3−メトキシプロピオニトリル、メトキシアセトニトリル、エチレングリコール、3−メチル−オキサゾリジン−2−オン、γ−ブチロラクトン等が好ましい。これらは単独もしくは2種以上組み合わせて用いても良い。ゲル状電解質の場合は、オリゴマ−及びポリマー等のマトリックスに電解質あるいは電解質溶液を含有させたものや、非特許文献4に記載の低分子ゲル化剤等に同じく電解質あるいは電解質溶液を含有させたもの等が挙げられる。レドックス電解質の濃度は通常0.01〜99重量%で、好ましくは0.1〜90重量%程度である。
上記太陽電池は、基板上の酸化物半導体微粒子の薄膜に化合物を担持した光電変換素子の電極に、それを挟むように対極を配置する。その間にレドックス電解質を含んだ溶液を充填することにより得られる。
以下に実施例に基づき、本発明を更に詳細に説明するが、本発明がこれらの実施例に限定されるものではない。実施例中、部は特に指定しない限り質量部を表す。溶液の濃度を表すMは、mol/Lを表す。又、化合物番号は前記の具体例における化合物番号である。極大吸収波長は紫外可視分光光度計(UV−3100PC、島津製作所製)により測定した。核磁気共鳴は、JNM−ECS400(日本電子社製)により、内部標準としてテトラメチルシランを用い測定した。
実施例1
非特許文献3に記載の方法に準じて合成した下記式(701)で表される化合物600mg(0.91mmol)、3−カルボキシチオフェン−2−ボロン酸372mg(2.2mmol)を1,2−ジメトキシエタン30mlに溶解させた。得られた溶液にPd(PPh31mg(0.027mmol)、NaCOの2M水溶液3.0mlを加えて3時間還流させた。3−カルボキシチオフェン−2−ボロン酸372mg(2.2mmol)、Pd(PPh31mg(0.027mmol)を追加し、さらに3時間還流させた。反応終了後、反応混合物をジクロロメタン−水で抽出、ジクロロメタン相を濃縮後、カラムクロマト(ジクロロメタン−エタノール)で分離、精製し、下記式(702)で表される化合物(表1の化合物1)56mgを濃緑色固体として得た。
この式(702)で表される化合物の極大吸収波長及び核磁気共鳴装置における測定値は次のとおりである。
極大吸収波長;λmax=634nm(1.4×10-5M、エタノール溶液)
核磁気共鳴の測定値;1H-NMR(PPM:DMSO-d6):3.69(s,3H),3.75(s,3H),7.02(t,1H),7.08(t,1H),7.18(d,1H),7.21(d,1H),7.33(s,2H),7.43(m,3H),7.49(m,3H),7.59(d,2H),7.67(dd,2H),8.18(dd,2H),8.77(s,1H)
実施例2及び比較例1
上記式(702)で表される化合物(表1の化合物1)のメチン系色素及び比較例色素A(特許文献3記載の式(5a)で表される化合物13)をそれぞれ1.6×10-4M、ウルソデオキシコール酸を1×10-2Mとなるようにアセトンに溶解した。この溶液中に多孔質基板(透明導電性ガラス電極上に多孔質酸化チタンを450℃にて30分間焼結した半導体薄膜電極)を40℃で3日間浸漬し色素を担持せしめ、溶剤で洗浄、乾燥させ、コール酸類処理色素増感半導体薄膜を得た。得られた半導体薄膜層と、表面に白金がスパッタされた導電性ガラスの白金層を対向配置して固定し、その空隙に電解質を含む溶液を注入した。電解液は、3−メトキシプロピオニトリルにヨウ素/ヨウ化リチウム/1−メチル−3−n−プロピルイミダゾリウムアイオダイド/ブチルチオコリンアイオダイドをそれぞれ0.1M/0.2M/1.2M/0.2Mになるように溶解したものを使用した。
測定する電池の大きさは実効部分を12cm2とした。熱耐久試験は、耐熱試験機(PL−2KP、エスペック社製)を用いて85℃で1000時間行った。光電変換特性は、500Wキセノンランプを光源に用いて、AM(大気圏通過空気量)1.5フィルターを通して100mW/cm2とした。変換効率はポテンシオ・ガルバノスタットを用いて測定し、初期値(0h)に対する変換効率保持率を図1に示した。変換効率はポテンシオ・ガルバノスタットを用いて測定し、初期値(0h)に対する変換効率保持率を表20に示した。
表20より、一般式(1)で表されるメチン系の色素によって増感された光電変換素子を用いることにより、耐熱性に優れた太陽電池が得られることは明らかである。
特定の構造を有する本発明の化合物を増感色素として用いることにより、熱耐久性が高い色素増感太陽電池を提供することが出来る。

Claims (15)

  1. 下記式(1)で表される化合物

    (式(1)中、mは1乃至4の整数を表す。Mは半金属原子を表す。Y、Y及びYはそれぞれ独立に水素原子又は芳香族残基を表す。Z及びZはそれぞれ独立にハロゲン原子を表す。Ar及びArはそれぞれ独立に芳香環を表す。Xは芳香環Ar及び/又はAr上の置換基であって、下記式(2)及び(3)

    (式(2)中、Dはカルボキシル基、水酸基、リン酸基、スルホン酸基、これらの酸性基の塩、及びこれらの少なくとも1つ以上を置換基として有する芳香族残基を表す。A及びAはそれぞれ独立に水素原子、脂肪族炭化水素残基、ハロゲン原子又はアルコキシル基を表し、或いはA及びAは互いに連結して環を形成してもよい。nは0乃至5の整数を表す。nが2以上の場合、複数のAは互いに同じか又は異なっていてもよく、複数のAは互いに同じか又は異なっていてもよい。式(3)中、Dはカルボキシル基、水酸基、リン酸基、スルホン酸基、これらの酸性基の塩、又はこれらの少なくとも1つ以上を置換基として有する芳香族残基を表す。A及びAはそれぞれ独立に水素原子、脂肪族炭化水素残基、ハロゲン原子又はアルコキシル基を表し、或いはA及びAは互いに連結して環を形成してもよい。Qは酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を表す。nは1乃至5の整数を表す。nが2以上の場合、複数のAは互いに同じか又は異なっていてもよく、複数のAは互いに同じか又は異なっていてもよく、複数のQは互いに同じか又は異なっていてもよい。)からなる群より選ばれる一種又は二種以上の置換基を表す。)。
  2. 式(1)におけるAr及びArがベンゼン環である請求項1に記載の化合物。
  3. 式(1)におけるY及びYがそれぞれ独立に芳香族残基であり、かつYが水素原子である請求項1又は2に記載の化合物。
  4. 式(1)におけるMがホウ素原子である請求項1乃至3のいずれか一項に記載の化合物。
  5. 式(1)におけるXは式(3)の一種又は二種以上の置換基であり、式(3)におけるDがカルボキシル基である請求項1乃至4のいずれか一項に記載の化合物。
  6. 下記式(4)で表される請求項1に記載の化合物。

    (式(4)中、Z及びZはそれぞれ独立にハロゲン原子を表す。Qは酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を表し、Dはカルボキシル基、水酸基、リン酸基、スルホン酸基、これらの酸性基の塩、又はこれらの少なくとも1つ以上を置換基として有する芳香族残基を表す。A及びAはそれぞれ独立に水素原子、脂肪族炭化水素残基、ハロゲン原子又はアルコキシル基を表し、或いはA及びAは互いに連結して環を形成してもよい。nは0乃至5の整数を表す。nが2以上の場合、複数のQは互いに同じか又は異なっていてもよく、複数のAは互いに同じか又は異なってもよく、複数のAは互いに同じか又は異なってもよい。Qは酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を表す。Dはカルボキシル基、水酸基、リン酸基、スルホン酸基、これらの酸性基の塩、又はこれらの少なくとも1つ以上を置換基として有する芳香族残基を表す。A及びAはそれぞれ独立に水素原子、脂肪族炭化水素残基、ハロゲン原子又はアルコキシル基を表し、或いはA及びAは互いに連結して環を形成してもよい。nが2以上の場合、複数のAは互いに同じか又は異なってもよく、複数のAは互いに同じか又は異なってもよく、複数のQは互いに同じか又は異なっていてもよい。A及びA10はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、脂肪族炭化水素残基又はアルコキシル基を表す。)。
  7. 式(4)におけるD及びDはカルボキシル基である請求項6に記載の化合物。
  8. 下記式(5)で表される前項(1)に記載の化合物。
  9. 下記式(6)で表される前項(1)に記載の化合物。

    (式(6)中、Z及びZはそれぞれ独立にハロゲン原子を表す。Qは酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を表す。Dはカルボキシル基、水酸基、リン酸基、スルホン酸基、これらの酸性基の塩、又はこれらの少なくとも1つ以上を置換基として有する芳香族残基を表す。A11及びA12はそれぞれ独立に水素原子、脂肪族炭化水素残基、ハロゲン原子又はアルコキシル基を表し、或いはA11及びA12は互いに連結して環を形成してもよい。nは0乃至5の整数を表す。nが2以上の場合、複数のA11は互いに同じか又は異なってもよく、複数のA12は互いに同じか又は異なってもよく、複数Qは互いに同じか又は異なっていてもよい。Qは酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を表し、Dはカルボキシル基、水酸基、リン酸基、スルホン酸基、これらの酸性基の塩、又はこれらの少なくとも1つ以上を置換基として有する芳香族残基を表す。A13及びA14はそれぞれ独立に水素原子、脂肪族炭化水素残基、ハロゲン原子又はアルコキシル基を表し、或いはA13及びA14は互いに連結して環を形成してもよい。nは0乃至5の整数を表す。nが2以上の場合、複数のA13は互いに同じか又は異なってもよく、複数のA14は互いに同じか又は異なってもよく、複数のQは互いに同じか又は異なっていてもよい。Q及びQはそれぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、又はセレン原子を表す。A15及びA16はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、脂肪族炭化水素残基又はアルコキシル基を表す。)。
  10. 式(6)におけるD及びDはカルボキシル基である請求項9に記載の化合物。
  11. 下記式(7)で表される請求項1に記載の化合物。
  12. 基板上の酸化物半導体微粒子の薄膜に、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の化合物を担持させた光電変換素子。
  13. 基板上の酸化物半導体微粒子の薄膜に、更に、式(1)以外の構造を有する増感色素化合物を担持させた請求項12に記載の光電変換素子。
  14. 酸化物半導体微粒子が、二酸化チタン、酸化亜鉛又は酸化スズを含有する請求項12又は13に記載の光電変換素子。
  15. 請求項12乃至14のいずれか一項に記載の光電変換素子を備えてなる太陽電池。
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