JP2017149694A - 新規化合物及びそれを用いた光電変換素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】安価で変換効率の良い光電気変換素子の増感色素に有用な新規化合物の提供。【解決手段】式(1)で表される化合物。(M1は半金属原子;Y1〜Y3はH等;Z1及びZ2はハロゲン原子;X1及びX2はH等;D1及びD2はチオフェン環等を含有する特定置換基)【選択図】なし
Description
本発明は特定の構造を有する新規化合物、該化合物を増感色素として含む光電変換素子及び該光電変換素子を備えてなる太陽電池に関する。
石油、石炭等の化石燃料に代わるエネルギー資源として太陽光を利用する太陽電池が注目されている。現在、結晶又はアモルファスのシリコンを用いたシリコン太陽電池、あるいはガリウム、ヒ素等を含む化合物半導体太陽電池等について、盛んに開発検討がなされている。しかしながら、それらの製造には多大なエネルギーが必要で、製造コストも高額となる等の問題点がある。その一方で、色素で増感した半導体微粒子を用いて作製される光電変換素子、あるいはこれを備える太陽電池が知られており、増感色素、半導体微粒子等の材料、及び素子や電池の製造技術について種々の開示がなされている(特許文献1、非特許文献1及び2を参照)。この色素増感光電変換素子には、酸化チタン等の比較的安価な酸化物半導体が用いられており、従来のシリコン等を用いた太陽電池に比べて低コストの光電変換素子が得られる可能性があり、またカラフルな太陽電池が得られること等から注目を集めている。しかしながら、高い変換効率の素子を得るために増感色素として用いられているルテニウム系の錯体自体のコストが高く、またその安定供給にも問題が残っている。そのため有機色素を増感色素に用いる試みが行われているが、変換効率、安定性、耐久性等の問題点は解決されていなことから、これらの特性の更なる向上を目的に、特定の構造を有する新規な色素増感化合物が開発され、変換効率を向上した光電変換素子も提案されているが、未だ実用化には至っていない(特許文献2乃至5を参照)。
B.O'Regan and M.Graetzel Nature,353,737(1991).
M.K.Nazeeruddin, A.Kay, I.Rodicio, R.Humphry-Baker, E.Muller, P.Liska, N.Vlachopoulos, M.Graetzel, J.Am.Chem.Soc.,115,6382(1993).
Yuji Kubo, Kazuki Watanabe, Ryuhei Nishiyabu, Reiko Hata, Akinori Murakami, Takayuki Shoda, and Hitoshi Ota, Org.Lett.,13,17,2011.
W.Kubo, K.Murakoshi, T.Kitamura, K.Hanabusa, H.Shirai, and S.Yanagida, Chem.Lett.,1241(1998).
A.Ozdemir, M.D.Altintop, Z.A.Kaplancikli, G.Turan-Zitouni, G.A.Ciftci and F.Demirci, Pharm.Chem.J.,48,603(2014).
色素で増感された酸化物半導体微粒子を用いた、安定かつ変換効率に優れた実用性の高い光電変換素子の開発が求められている。
本発明者等は上記の課題を解決すべく鋭意努力した結果、特定の構造を有する新規化合物を増感色素として用いて半導体微粒子の薄膜を増感し、光電変換素子を作成することにより、安定かつ変換効率の高い光電変換素子が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、
(1)下記式(1)で表される化合物
すなわち本発明は、
(1)下記式(1)で表される化合物
(式(1)中、M1は半金属原子を表す。Y1、Y2及びY3はそれぞれ独立に水素原子又は芳香族残基を表す。Z1及びZ2はそれぞれ独立にハロゲン原子を表す。X1及びX2はそれぞれ独立に水素原子、芳香族残基、脂肪族炭化水素残基、ハロゲン原子又はアルコキシル基を表す。D1及びD2はそれぞれ独立に、下記式(2)又は式(3)からなる群より選ばれる置換基を表す。
式(2)中、n1は0乃至5の整数を表す。A1及びA2はそれぞれ独立に水素原子、カルボキシル基、シアノ基、リン酸基又はスルホン酸基を表し、互いに連結して環を形成してもよい。A3は水素原子、脂肪族炭化水素残基、ハロゲン原子又はアルコキシル基を表す。A4及びA5はそれぞれ独立に水素原子、脂肪族炭化水素残基、ハロゲン原子又はアルコキシル基を表し、n1が2以上でA4及びA5がそれぞれ複数存在する場合、それぞれのA4及びそれぞれのA5は互いに同一又は異なっていてもよく、A4及びA5は互いに連結して環を形成してもよい。
式(3)中、n2は1乃至5の整数を表す。A6及びA7はそれぞれ独立に水素原子、カルボキシル基、シアノ基、リン酸基又はスルホン酸基を表し、互いに連結して環を形成してもよい。A8は水素原子、脂肪族炭化水素残基、ハロゲン原子又はアルコキシアルキル基を表す。A9及びA10はそれぞれ独立に水素原子、脂肪族炭化水素残基、ハロゲン原子又はアルコキシル基を表し、n2が2以上でA9及びA10がそれぞれ複数存在する場合、それぞれのA9及びそれぞれのA10は互いに同一又は異なっていてもよい。また、A9及びA10は互いに連結して環を形成してもよい。Q1は酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を表し、n2が2以上でQ1が複数存在する場合、それぞれのQ1は互いに同一又は異なっていてもよい。n3は0乃至5の整数を表す。A11乃至A14はそれぞれ独立に水素原子、脂肪族炭化水素残基、ハロゲン原子又はアルコキシル基を表し、n3が2以上でA11乃至A14がそれぞれ複数存在する場合、それぞれのA11乃至A14は互いに同一又は異なっていてもよい。また、A11乃至A14は互いに連結して環を形成してもよい。)、
(2)式(1)におけるY1及びY2がそれぞれ独立に芳香族残基であり、かつY3が水素原子である(1)に記載の化合物、
(3)式(1)におけるM1がホウ素原子である(1)又は(2)に記載の化合物、
(4)下記式(4)で表される(1)乃至(3)のいずれか一つに記載の化合物、
(2)式(1)におけるY1及びY2がそれぞれ独立に芳香族残基であり、かつY3が水素原子である(1)に記載の化合物、
(3)式(1)におけるM1がホウ素原子である(1)又は(2)に記載の化合物、
(4)下記式(4)で表される(1)乃至(3)のいずれか一つに記載の化合物、
(式(4)中、M2は半金属原子を表す。Y4、Y5及びY6はそれぞれ独立に水素原子又は芳香族残基を表す。Z3及びZ4はそれぞれ独立にハロゲン原子を表す。X3及びX4はそれぞれ独立に水素原子、芳香族残基、脂肪族炭化水素残基、ハロゲン原子又はアルコキシル基を表す。D3及びD4はそれぞれ独立に、上記式(2)又は式(3)からなる群より選ばれる置換基を表す。)
(5)下記式(5)で表される(4)に記載の化合物、
(5)下記式(5)で表される(4)に記載の化合物、
(6)基板上の酸化物半導体微粒子の薄膜に、(1)乃至(5)のいずれか一つに記載の化合物を担持させた光電変換素子、
(7)基板上の酸化物半導体微粒子の薄膜に、更に、式(1)以外の構造を有する増感色素化合物を担持させた(6)に記載の光電変換素子、
(8)酸化物半導体微粒子が、二酸化チタン、酸化亜鉛又は酸化スズを含有する(6)又は(7)に記載の光電変換素子、
(9)(6)乃至(8)のいずれか一つに記載の光電変換素子を備えてなる太陽電池、
に関する。
式(1)で表される特定の構造を有する化合物(以降、「本発明の化合物」と表記することがある。)を増感色素として用いることにより、安定かつ変換効率の高い光電変換素子が得られることを見出した。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の化合物は、下記式(1)で表される構造を有する。
本発明の化合物は、下記式(1)で表される構造を有する。
式(1)中、M1は半金属原子を表す。本発明における半金属原子とは、金属と非金属の中間の性質を示す物質を言い、ホウ素原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子、アンチモン原子が挙げられ、ホウ素原子であることが好ましい。
Y1、Y2及びY3は水素原子又は芳香族残基のいずれかを表す。Y1、Y2及びY3が表す芳香族残基とは芳香環から水素原子1個を除いた基を意味し、該芳香環の具体例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナンスレン環、ピレン環、ペリレン環及びテリレン環等の芳香族炭化水素環;インデン環、アズレン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピラゾール環、ピラゾリジン環、チアゾリジン環、オキサゾリジン環、ピラン環、クロメン環、ピロール環、ピロリジン環、ベンゾイミダゾール環、イミダゾリン環、イミダゾリジン環、イミダゾール環、ピラゾール環、トリアゾール環、トリアジン環、ジアゾール環、インドリン環、チオフェン環、チエノチオフェン環、フラン環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、チアジン環、チアゾール環、インドール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾチアジアゾール環、ナフトチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、ナフトオキサゾール環、インドレニン環、ベンゾインドレニン環、ピラジン環、キノリン環及びキナゾリン環等の複素芳香環;並びにフルオレン環及びカルバゾール環等の縮合型芳香環等が挙げられる。芳香族残基としては、炭素数5乃至16の芳香環(芳香環及び芳香環を含む縮合環を含む)の残基が好ましい。
式(1)におけるY1及びY2は、芳香族残基であることが好ましく、ベンゼン環、ナフタレン環又はチオフェン環の残基であることがより好ましく、下記式(3001)乃至(3009)のいずれかで表される基であることがより好ましく、下記式(3001)、(3005)又は(3007)で表される基であることが更に好ましい。また、式(1)におけるY3としては、水素原子であることが好ましい。
Y1、Y2及びY3が表す芳香族残基は、置換基を有していてもよい。該置換基としては、特に限定されないが、例えば、スルホン酸基、スルファモイル基、シアノ基、イソシアノ基、チオシアナト基、イソチオシアナト基、ニトロ基、ニトロシル基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、リン酸基、リン酸エステル基、置換もしくは非置換アミノ基、置換もしくは非置換メルカプト基、アミド基、アルコキシル基、アリールオキシ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アシル基、アルデヒド基、カルボニル基、芳香族残基及び脂肪族炭化水素残基等が挙げられる。
該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられ、フッ素原子、臭素原子又は塩素原子が好ましい。
該リン酸エステル基としては、リン酸(C1〜C4)アルキルエステル基等が挙げられる。その具体例としては、リン酸メチル基、リン酸エチル基、リン酸(n−プロピル)基及びリン酸(n−ブチル)基が挙げられる。
該アミノ基としては、非置換アミノ基;モノ又はジメチルアミノ基、モノ又はジエチルアミノ基並びにモノ又はジ(n−プロピル)アミノ基等のアルキル置換アミノ基;モノ又はジフェニルアミノ基並びにモノ又はジナフチルアミノ基等の芳香族残基で置換したアミノ基;モノアルキルモノフェニルアミノ基等のアルキル基と芳香族残基で一つずつ置換したアミノ基;ベンジルアミノ基、アセチルアミノ基、フェニルアセチルアミノ基等が挙げられる。ここで芳香族残基は、前述と同じ意味を表す。
該メルカプト基としては、非置換メルカプト基;メチルメルカプト基、エチルメルカプト基、n−プロピルメルカプト基、イソプロピルメルカプト基、n−ブチルメルカプト基、イソブチルメルカプト基、sec−ブチルメルカプト基、及びt−ブチルメルカプト基等のC1〜C4アルキルメルカプト基;並びにフェニルメルカプト基等が挙げられる。
該アミド基としては、ホルムアミド基、アセトアミド基、N−メチルアミド基、N−エチルアミド基、N−(n−プロピル)アミド基、N−(n−ブチル)アミド基、N−イソブチルアミド基、N−(sec−ブチルアミド)基、N−(t−ブチル)アミド基、N,N−ジメチルアミド基、N,N−ジエチルアミド基、N,N−ジ(n−プロピル)アミド基、N,N−ジ(n−ブチル)アミド基、N,N−ジイソブチルアミド基、N−メチルアセトアミド基、N−エチルアセトアミド基、N−(n−プロピル)アセトアミド基、N−(n−ブチル)アセトアミド基、N−イソブチルアセトアミド基、N−(sec−ブチル)アセトアミド基、N−(t−ブチル)アセトアミド基、N,N−ジメチルアセトアミド基、N,N−ジエチルアセトアミド基、N,N−ジ(n−プロピル)アセトアミド基、N,N−ジ(n−ブチル)アセトアミド基、N,N−ジイソブチルアセトアミド基、フェニルアミド基、ナフチルアミド基、フェニルアセトアミド基及びナフチルアセトアミド基等が挙げられる。
該アルコキシル基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基及びt−ブトキシ基等が挙げられる。
該アリールオキシ基としては、フェノキシ基及びナフトキシ基等が挙げられ、これらはフェニル基又はメチル基を置換基として有していてもよい。
該アシル基としては、炭素数1乃至10のアルキルカルボニル基やアリールカルボニル基(通常、単環式、二環式もしくは三環式アリールを有する)等が挙げられ、好ましくは炭素数1乃至4のアルキルカルボニル基及び単環式もしくは二環式アリールカルボニル基である。具体的にはアセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基及びナフトイル基等が挙げられる。アシル基は、例えばハロゲンで置換されてもよく、このような置換アシル基としては、トリフルオロメチルカルボニル基、及びペンタフルオロエチルカルボニル基が挙げられる。
該カルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、n−ペントキシカルボニル基、n−ヘキシルオキシカルボニル基、n−ヘプチルオキシカルボニル基、n−ノニルオキシカルボニル基及びn−デシルオキシカルボニル基等が挙げられる。
該脂肪族炭化水素残基としては、飽和又は不飽和の、直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基が挙げられ、直鎖又は分岐鎖のアルキル基で炭素数1〜36が好ましく、炭素数3〜18がより好ましく、炭素数3〜18の直鎖のアルキル基が特に好ましい。また、環状のアルキル基としては、例えば炭素数3乃至8のシクロアルキルが挙げられる。これらの脂肪族炭化水素残基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、シクロヘキシル基、ビニル基、プロペニル基、ペンチニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、ヘキサジエニル基、イソプロペニル基、イソへキセニル基、シクロへキセニル基、シクロペンタジエニル基、エチニル基、プロピニル基、ペンチニル基、へキシニル基、イソへキシニル基及びシクロへキシニル基等が挙げられる。
これらの脂肪族炭化水素残基は置換基を有していてもよく、該置換基としては、Y1、Y2及びY3が表す芳香族残基が有していてもよい置換基と同義である。
該置換基が芳香族残基の場合、具体例としては、Y1、Y2及びY3が表す芳香族残基と同義である。また、該芳香族残基は置換基を有していてもよく、該置換基としては、Y1、Y2及びY3が表す芳香族残基が有していてもよい置換基と同義である。
式(1)中、Z1及びZ2はハロゲン原子を表す。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられ、フッ素原子、塩素原子又は臭素原子が好ましく、フッ素原子が特に好ましい。
また、式(1)中のZ1及びY1、並びにZ2及びY2は、互いに連結して環を形成してもよく、Y1及びY2が芳香族残基の場合、Z1及びY1が表す芳香族残基上の置換基、並びにZ2及びY2が表す芳香族残基上の置換基は、互いに連結して環を形成してもよい。
また、式(1)中のZ1及びY1、並びにZ2及びY2は、互いに連結して環を形成してもよく、Y1及びY2が芳香族残基の場合、Z1及びY1が表す芳香族残基上の置換基、並びにZ2及びY2が表す芳香族残基上の置換基は、互いに連結して環を形成してもよい。
式(1)中、X1及びX2は水素原子、芳香族残基、脂肪族炭化水素残基、ハロゲン原子又はアルコキシル基のいずれかを表し、水素原子、芳香族残基、脂肪族炭化水素残基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。
式(1)中、D1及びD2は、下記式(2)及び式(3)からなる群より選ばれる置換基を表す。
式(2)中、n1は0乃至5の整数を表し、0乃至4であることが好ましく、0であることがより好ましい。
式(2)中、A1及びA2は水素原子、カルボキシル基、シアノ基、リン酸基、スルホン酸基又は芳香族残基のいずれかを表し、また、A1とA2とで互いに結合して環を形成してもよい。
A1及びA2が表す芳香族残基の具体例としては、Y1、Y2及びY3が表す芳香族残基と同義である。該芳香族残基は置換基を有していてもよく、該置換基としては、Y1、Y2及びY3が表す芳香族残基が有していてもよい置換基と同義である。
A1及びA2が表す芳香族残基としては、カルボキシル基、水酸基、リン酸基、スルホン酸基、及びこれらの酸性基の塩からなる群より選択される基を少なくとも1つ以上置換基として有する芳香族残基であることが好ましく、下記式(1001)乃至(1033)のいずれかで表される基であることがより好ましい。
A1及びA2が表す芳香族残基の具体例としては、Y1、Y2及びY3が表す芳香族残基と同義である。該芳香族残基は置換基を有していてもよく、該置換基としては、Y1、Y2及びY3が表す芳香族残基が有していてもよい置換基と同義である。
A1及びA2が表す芳香族残基としては、カルボキシル基、水酸基、リン酸基、スルホン酸基、及びこれらの酸性基の塩からなる群より選択される基を少なくとも1つ以上置換基として有する芳香族残基であることが好ましく、下記式(1001)乃至(1033)のいずれかで表される基であることがより好ましい。
A1とA2が互いに結合して形成する環としては、芳香環、複素環等が挙げられ、これらの環は置換基を有していてもよい。
A1とA2が互いに結合して形成する芳香環の具体例としては、Y1、Y2及びY3が表す芳香族残基の具体例として上記に挙げた芳香環と同義である。
A1とA2が互いに結合して形成する複素環としては、例えば、4乃至7員環のヘテロ原子を含む複素環であり、下記式(2001)乃至(2017)で表される環であることが好ましく、式(2007)又は(2012)で表される環であることがより好ましく、式(2007)で表される環であることが更に好ましい。
A1とA2が互いに結合して形成する環が有していてもよい置換基としては、Y1、Y2及びY3が表す芳香族残基が有していてもよい置換基と同義である。
なお、下記式(2001)乃至(2017)中の*印は、式(2)においてA1及びA2の両者が結合している炭素原子を表す。
A1とA2が互いに結合して形成する芳香環の具体例としては、Y1、Y2及びY3が表す芳香族残基の具体例として上記に挙げた芳香環と同義である。
A1とA2が互いに結合して形成する複素環としては、例えば、4乃至7員環のヘテロ原子を含む複素環であり、下記式(2001)乃至(2017)で表される環であることが好ましく、式(2007)又は(2012)で表される環であることがより好ましく、式(2007)で表される環であることが更に好ましい。
A1とA2が互いに結合して形成する環が有していてもよい置換基としては、Y1、Y2及びY3が表す芳香族残基が有していてもよい置換基と同義である。
なお、下記式(2001)乃至(2017)中の*印は、式(2)においてA1及びA2の両者が結合している炭素原子を表す。
式(2)中、A1及びA2は、カルボキシル基又はシアノ基であることが好ましく、A1及びA2のいずれか一方がカルボキシル基で他方がカルボキシル基又はシアノ基であることがより好ましく、A1及びA2のいずれか一方がカルボキシル基で他方がシアノ基であることが更に好ましい。
式(2)中、A3は水素原子、脂肪族炭化水素残基、ハロゲン原子又はアルコキシル基のいずれかを表し、これらはY1、Y2及びY3が表す芳香族残基が有していてもよい置換基としての脂肪族炭化水素残基、ハロゲン原子及びアルコキシル基と同義である。式(2)におけるA3としては、それぞれ独立に水素原子又は脂肪族炭化水素残基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。
式(2)中、A4及びA5は水素原子、脂肪族炭化水素残基、ハロゲン原子又はアルコキシル基のいずれかを表し、n1が2以上でA4及びA5がそれぞれ複数存在する場合、それぞれのA4及びそれぞれのA5は互いに同一又は異なっていてもよい。A4及びA5が表す脂肪族炭化水素残基、ハロゲン原子及びアルコキシル基としては、Y1、Y2及びY3が表す芳香族残基が有していてもよい置換基としての脂肪族炭化水素残基、ハロゲン原子及びアルコキシル基と同義である。
また、隣接するA4同士、A5同士又はA4とA5は互いに結合して環を形成してもよい。該形成する環としては、A1とA2が互いに結合して形成する環と同義であり、該形成する環は置換基を有していてもよい。該置換基としては、Y1、Y2及びY3が表す芳香族残基が有していてもよい置換基と同義である。
式(2)におけるA4及びA5は、水素原子又は脂肪族炭化水素残基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。
また、隣接するA4同士、A5同士又はA4とA5は互いに結合して環を形成してもよい。該形成する環としては、A1とA2が互いに結合して形成する環と同義であり、該形成する環は置換基を有していてもよい。該置換基としては、Y1、Y2及びY3が表す芳香族残基が有していてもよい置換基と同義である。
式(2)におけるA4及びA5は、水素原子又は脂肪族炭化水素残基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。
式(3)中、n2は1乃至5の整数を表し、1乃至4であることが好ましく、1であることが更に好ましい。
式(3)中、A6及びA7は水素原子、カルボキシル基、シアノ基、リン酸基、スルホン酸基又は芳香族残基のいずれかを表し、またA6とA7は互いに結合して環を形成してもよい。
A6及びA7が表す芳香族残基の具体例としては、Y1、Y2及びY3が表す芳香族残基と同義である。該芳香族残基は置換基を有していてもよく、該置換基としては、Y1、Y2及びY3が表す芳香族残基が有していてもよい置換基と同義である。
A6及びA7が表す芳香族残基としては、カルボキシル基、水酸基、リン酸基、スルホン酸基、又はこれらの酸性基の塩からなる群より選択される基を少なくとも1つ以上置換基として有する芳香族残基であることが好ましく、上記式(1001)乃至(1033)のいずれかで表される基であることがより好ましい。
A6及びA7が表す芳香族残基の具体例としては、Y1、Y2及びY3が表す芳香族残基と同義である。該芳香族残基は置換基を有していてもよく、該置換基としては、Y1、Y2及びY3が表す芳香族残基が有していてもよい置換基と同義である。
A6及びA7が表す芳香族残基としては、カルボキシル基、水酸基、リン酸基、スルホン酸基、又はこれらの酸性基の塩からなる群より選択される基を少なくとも1つ以上置換基として有する芳香族残基であることが好ましく、上記式(1001)乃至(1033)のいずれかで表される基であることがより好ましい。
A6とA7が互いに結合して形成する環としては、芳香環、複素環等が挙げられ、これらの環は置換基を有していてもよい。
A6とA7が互いに結合して形成する芳香環の具体例としては、Y1、Y2及びY3が表す芳香族残基の説明部分に具体例として記載した芳香環と同義である。
A6とA7が互いに結合して形成する複素環の具体例としては、4乃至7員環のヘテロ原子を含む複素環であり、上記式(2001)乃至(2017)で表される環であることが好ましく、式(2007)又は(2012)で表される環であることがより好ましく、式(2007)で表される環であることが更に好ましい。
A6とA7が互いに結合して形成する環が有していてもよい置換基としては、Y1、Y2及びY3が表す芳香族残基が有していてもよい置換基と同義である。
なお、A6とA7が互いに結合して形成する複素環が上記式(2001)乃至(2017)で表される環の場合、式(2001)乃至(2017)中の*印は、式(3)においてA6及びA7の両者が結合している炭素原子を表す。
A6とA7が互いに結合して形成する芳香環の具体例としては、Y1、Y2及びY3が表す芳香族残基の説明部分に具体例として記載した芳香環と同義である。
A6とA7が互いに結合して形成する複素環の具体例としては、4乃至7員環のヘテロ原子を含む複素環であり、上記式(2001)乃至(2017)で表される環であることが好ましく、式(2007)又は(2012)で表される環であることがより好ましく、式(2007)で表される環であることが更に好ましい。
A6とA7が互いに結合して形成する環が有していてもよい置換基としては、Y1、Y2及びY3が表す芳香族残基が有していてもよい置換基と同義である。
なお、A6とA7が互いに結合して形成する複素環が上記式(2001)乃至(2017)で表される環の場合、式(2001)乃至(2017)中の*印は、式(3)においてA6及びA7の両者が結合している炭素原子を表す。
式(3)におけるA6及びA7としては、カルボキシル基又はシアノ基であることが好ましく、A6又はA7のいずれか一方がカルボキシル基で他方がカルボキシル基又はシアノ基であることがより好ましく、A6又はA7のいずれか一方がカルボキシル基で他方がシアノ基であることが更に好ましい。
式(3)中、A8は水素原子、脂肪族炭化水素残基、ハロゲン原子又はアルコキシル基を表す。A8が表す脂肪族炭化水素残基、ハロゲン原子及びアルコキシル基としては、Y1、Y2及びY3が表す芳香族残基が有していてもよい置換基におけるのと同義であり、水素原子又は脂肪族炭化水素残基のいずれかであることが好ましく、水素原子がより好ましい。
式(3)中、A9及びA10は水素原子、脂肪族炭化水素残基、ハロゲン原子又はアルコキシル基のいずれかを表し、n2が2以上でA9及びA10がそれぞれ複数存在する場合、それぞれのA9及びそれぞれのA10は互いに同一又は異なっていてもよい。A9及びA10が表す脂肪族炭化水素残基、ハロゲン原子及びアルコキシル基としては、Y1、Y2及びY3が表す芳香族残基が有していてもよい置換基としての脂肪族炭化水素残基、ハロゲン原子及びアルコキシル基と同義である。
また、A9とA10は互いに結合して環を形成してもよい。該形成する環としては、A1とA2が互いに結合して形成する環と同義であり、該形成する環は置換基を有していてもよい。該置換基としては、Y1、Y2及びY3が表す芳香族残基が有していてもよい置換基と同義である。
式(3)におけるA9及びA10は、水素原子又は脂肪族炭化水素残基であることが好ましく、A9が水素原子でA10が脂肪族炭化水素残基であることがより好ましく、A9が水素原子でA10がn−ヘキシル基であることが更に好ましい。
また、A9とA10は互いに結合して環を形成してもよい。該形成する環としては、A1とA2が互いに結合して形成する環と同義であり、該形成する環は置換基を有していてもよい。該置換基としては、Y1、Y2及びY3が表す芳香族残基が有していてもよい置換基と同義である。
式(3)におけるA9及びA10は、水素原子又は脂肪族炭化水素残基であることが好ましく、A9が水素原子でA10が脂肪族炭化水素残基であることがより好ましく、A9が水素原子でA10がn−ヘキシル基であることが更に好ましい。
式(3)中、Q1は酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を表し、n2が2以上でQ1が複数存在する場合、それぞれのQ1は互いに同一又は異なっていてもよい。式(3)におけるQ1としては、酸素原子又は硫黄原子であることが好ましく、硫黄原子であることがより好ましい。
式(3)中、n3は0乃至5の整数を表し、0乃至4であることが好ましく、0又は1であることが更に好ましい。
式(3)中、A11乃至A14は水素原子、脂肪族炭化水素残基、ハロゲン原子又はアルコキシル基のいずれかを表し、n3が2以上でA11乃至A14がそれぞれ複数存在する場合、それぞれのA11乃至A14は互いに同一又は異なっていてもよい。A11乃至A14が表す脂肪族炭化水素残基、ハロゲン原子及びアルコキシル基としては、Y1、Y2及びY3が表す芳香族残基が有していてもよい置換基としての脂肪族炭化水素残基、ハロゲン原子及びアルコキシル基と同義である。
また、A11乃至A14は互いに結合して環を形成してもよい。該形成する環としては、A1とA2が互いに結合して形成する環と同義であり、該形成する環は置換基を有していてもよい。該置換基としては、Y1、Y2及びY3が表す芳香族残基が有していてもよい置換基と同義である。
式(3)におけるA11乃至A14としては、水素原子、脂肪族炭化水素残基又はアルコキシル基が好ましく、水素原子又はアルコキシル基がより好ましく、水素原子であることが更に好ましい。
また、A11乃至A14は互いに結合して環を形成してもよい。該形成する環としては、A1とA2が互いに結合して形成する環と同義であり、該形成する環は置換基を有していてもよい。該置換基としては、Y1、Y2及びY3が表す芳香族残基が有していてもよい置換基と同義である。
式(3)におけるA11乃至A14としては、水素原子、脂肪族炭化水素残基又はアルコキシル基が好ましく、水素原子又はアルコキシル基がより好ましく、水素原子であることが更に好ましい。
本発明の化合物は、下記式(4)で表される構造を有するものが好ましい。
式(4)中、M2は式(1)のM1と同義であり、好ましい条件も同じである。
式(4)中、Z3及びZ4は式(1)のZ1及びZ2とそれぞれ同義であり、好ましい条件もそれぞれ同じである。
式(4)中、X3及びX4は式(1)のX1及びX2とそれぞれ同義であり、好ましい条件もそれぞれ同じである。
式(4)中、Y4、Y5及びY6は式(1)のY1、Y2及びY3とそれぞれ同義であり、好ましい条件もそれぞれ同じである。
式(4)中、D3及びD4は式(1)のD1及びD2とそれぞれ同義であり、好ましい条件もそれぞれ同じである。
本発明の化合物としては、下記式(5)で表される構造を有するものがより好ましい。
式(5)中、Z5及びZ6は式(1)のZ1及びZ2とそれぞれ同義であり、好ましい条件もそれぞれ同じである。
式(5)中、Y7及びY8は式(1)のY1及びY2とそれぞれ同義であり、好ましい条件もそれぞれ同じである。
式(5)中、n4は0乃至5の整数を表し、0乃至4であることが好ましく、0又は1であることが更に好ましい。
式(5)中、n5は1乃至5の整数を表し、1乃至4であることが好ましく、1であることが更に好ましい。
式(5)中、A15、A16、A17及びA18は式(3)のA9及びA10とそれぞれ同義である。n5が2以上でA15、A16、A17及びA18が複数存在する場合、それぞれのA15、A16、A17及びA18は互いに同一又は異なっていてもよい。
式(5)におけるA15、A16、A17及びA18は、水素原子又は脂肪族炭化水素残基であることが好ましく、A16及びA18が水素原子でありA15及びA17が脂肪族炭化水素残基であることがより好ましく、A16及びA18が水素原子でありA15及びA17がn−ヘキシル基であることが更に好ましい。
式(5)におけるA15、A16、A17及びA18は、水素原子又は脂肪族炭化水素残基であることが好ましく、A16及びA18が水素原子でありA15及びA17が脂肪族炭化水素残基であることがより好ましく、A16及びA18が水素原子でありA15及びA17がn−ヘキシル基であることが更に好ましい。
式(5)中、A19及びA20、又はA21及びA22は式(3)中のA6及びA7とそれぞれ同義であり、好ましい条件もそれぞれ同じである。
式(5)中、Q2及びQ3は酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を表し、n5は2以上でQ2及びQ3が複数存在する場合、それぞれのQ2及びQ3は互いに同一又は異なっていてもよい。
式(5)におけるQ2及びQ3は、酸素原子又は硫黄原子のいずれかであることが好ましく、硫黄原子であることがより好ましい。
式(5)におけるQ2及びQ3は、酸素原子又は硫黄原子のいずれかであることが好ましく、硫黄原子であることがより好ましい。
より具体的には、Z5及びZ6はフッ素原子、臭素原子又は塩素原子のいずれかであり、Y7及びY8は式(3001)乃至(3009)のいずれかで表される基であり、n4は0乃至4であり、n5は1乃至4であり、Q2及びQ3は酸素原子又は硫黄原子のいずれかであり、A16及びA18は水素原子でありA15及びA17は炭素数1〜6の直鎖飽和脂肪族脂肪族炭化水素残基であり、A19及びA20のいずれか一方はカルボキシル基で他方はカルボキシル基又はシアノ基であり、A21及びA22のいずれか一方はカルボキシル基で他方はカルボキシル基又はシアノ基である式(5)で表される化合物が好ましく、Z5及びZ6はフッ素原子であり、Y7及びY8は式(3001)、(3005)又は(3007)で表される基であり、n4は0乃至1であり、n5は1乃至2であり、Q2及びQ3は硫黄原子であり、A16及びA18は水素原子でありA15及びA17はn−ヘキシル基であり、A19及びA20のいずれか一方はカルボキシル基で他方はシアノ基であり、A21及びA22のいずれか一方はカルボキシル基で他方はシアノ基である式(5)で表される化合物が特に好ましい。
本発明の式(4)で表される化合物は、例えば、非特許文献3に記載のScheme1における化合物番号2の合成方法に準じて中間体となる化合物を合成し、該中間体となる化合物に、ホルミル化やクロスカップリング等により置換基X1を導入することにより得ることができる。但し、本発明はこれらの合成法に限定されるものではない。
以下に具体的な反応スキームを例示する。原料である化合物aと化合物bを、例えばアルコール等の適当な溶媒中で反応させ、化合物cを得ることができる。次に化合物cを、例えばテトラヒドロフラン等の適当な溶媒中で、四酢酸鉛で処理し、化合物dを得ることが出来る(芳香環Ar1とAr2が異なる環構造である場合は、原料である化合物eと化合物fの反応により化合物g、更に化合物hを得ることができる)。次に化合物dを、例えば適当なアルコールと酢酸混合溶媒中、アンモニア水を加えて室温で反応させることで、化合物iを得ることができる。このとき、芳香環Ar1とAr2が異なる環構造である場合は、化合物dと化合物hとを反応させる。次いで、化合物iを三フッ化ホウ素化合物と反応させて、化合物jを得ることができる。更に、化合物jと化合物kをクロスカップリング等により結合させることで上記一般式(1)で表される化合物を得ることができる。なお、一般式(1)のY3は、必要に応じてグリニャール反応等により導入することができる。なお、下記反応スキームの各化合物における、D3、D4、X3、X4、Y4、Y5、Y6、Z3、Z4、及びM2は、上記式(4)と同義である。
以下に、上記式(5)で表される化合物の具体例を挙げる。
式(1)で表される化合物のその他の具体例を以下に列挙する。
上記の本発明の化合物を、基板上に設けられた酸化物半導体微粒子の薄膜に担持させることで、光電変換素子とすることが出来る。
本発明で酸化物半導体微粒子の薄膜を設ける基板としてはその表面が導電性であるものが好ましいが、そのような基板は市場にて容易に入手可能である。例えば、ガラス、ポリエチレンテレフタレート又はポリエーテルスルフォン等の透明性のある高分子材料等の表面にインジウム、フッ素、アンチモンをドープした酸化スズ等の導電性金属酸化物や銅、銀、金等の金属の薄膜を設けたものを基板として用いることが出来る。その導電性は通常1000Ω以下であればよく、100Ω以下のものが特に好ましい。
また、酸化物半導体の微粒子としては金属酸化物が好ましく、その具体例としてはチタン、スズ、亜鉛、タングステン、ジルコニウム、ガリウム、インジウム、イットリウム、ニオブ、タンタル、バナジウム等の酸化物が挙げられる。これらのうちチタン、スズ、亜鉛、ニオブ、インジウム等の酸化物が好ましく、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズが特に好ましい。これらの酸化物半導体は単一で使用することも出来るが、混合したり、半導体の表面にコーティングして使用してもよい。酸化物半導体の微粒子の粒径は、平均粒径で通常1〜500nmで、好ましくは1〜100nmである。またこの酸化物半導体の微粒子は大きな粒径のものと小さな粒径のものを混合したり、多層にして用いることも出来る。
また、酸化物半導体の微粒子としては金属酸化物が好ましく、その具体例としてはチタン、スズ、亜鉛、タングステン、ジルコニウム、ガリウム、インジウム、イットリウム、ニオブ、タンタル、バナジウム等の酸化物が挙げられる。これらのうちチタン、スズ、亜鉛、ニオブ、インジウム等の酸化物が好ましく、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズが特に好ましい。これらの酸化物半導体は単一で使用することも出来るが、混合したり、半導体の表面にコーティングして使用してもよい。酸化物半導体の微粒子の粒径は、平均粒径で通常1〜500nmで、好ましくは1〜100nmである。またこの酸化物半導体の微粒子は大きな粒径のものと小さな粒径のものを混合したり、多層にして用いることも出来る。
酸化物半導体微粒子の薄膜は、前記の基板上に酸化物半導体微粒子をスプレイ等で直接に噴霧して形成する方法;基板を電極として電気的に半導体微粒子を薄膜状に析出させる方法;半導体微粒子のスラリー又は半導体アルコキサイド等の半導体微粒子の前駆体を加水分解することにより得られた微粒子を含有するペーストを基板上に塗布した後、乾燥、硬化もしくは焼成する方法、等によって製造することが出来る。中でも、酸化物半導体を用いる電極の性能上、後者の半導体微粒子のスラリーを用いる方法が好ましい。この方法の場合、スラリーは二次凝集している酸化物半導体微粒子を常法により分散媒中に平均一次粒子径が1〜200nmになるように分散させることにより得られる。
スラリーを分散させる分散媒としては半導体微粒子を分散出来るものであれば特に制限されず、例えば水;エタノール等のアルコール;アセトン及びアセチルアセトン等のケトン;ヘキサン等の炭化水素化合物等が用いられ、これらは混合して用いても良く、また水を用いることはスラリーの粘度変化を少なくするという点で好ましい。また、酸化物半導体微粒子の分散状態を安定化させる目的で分散安定剤を用いることが出来る。用いられる分散安定剤としては、例えば酢酸、塩酸、硝酸等の酸化合物、又はアセチルアセトン、アクリル酸、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール等が挙げられる。
スラリーを塗布した基板は焼成してもよく、その焼成温度は通常100℃以上、好ましくは200℃以上で、かつ上限は概ね基材の融点(軟化点)以下であり、通常上限は900℃であり、好ましくは600℃以下である。また、焼成時間には特に制限はないが、概ね4時間以内が好ましい。基板上の薄膜の厚みは通常1〜200μmであり、好ましくは1〜50μmである。
酸化物半導体微粒子の薄膜に二次処理を施してもよい。例えば、半導体と同じ金属のアルコキサイド、塩化物、硝化物、硫化物等の溶液に直接、基板ごとに薄膜を浸積させて乾燥もしくは再焼成することにより半導体微粒子の薄膜の性能を向上させることもできる。金属アルコキサイドとしてはチタンエトキサイド、チタンイソプロポキサイド、チタンt−ブトキサイド、n−ジブチル−ジアセチルスズ等が挙げられ、これらのアルコール溶液が用いられる。塩化物としては例えば四塩化チタン、四塩化スズ、塩化亜鉛等が挙げられ、その水溶液が用いられる。このようにして得られた酸化物半導体薄膜は酸化物半導体の微粒子から成っている。
次に酸化物半導体微粒子の薄膜に、本発明の化合物を担持させる方法について説明する。担持方法としては、該化合物を溶解できる溶媒に溶解して得られた溶液、又は溶解性の低い場合は、該化合物を分散せしめて得られた分散液に、上記の酸化物半導体微粒子の薄膜が設けられた基板を浸漬する方法等が挙げられる。溶液又は分散液中の濃度は担持する本発明の化合物によって適宜決められる。その溶液中に基板上に作製した半導体微粒子の薄膜を浸す。浸漬温度は概ね常温から溶媒の沸点迄であり、また浸漬時間は1分間〜48時間程度である。本発明の化合物を溶解又は分散させるために使用できる溶媒は、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、テトラヒドロフラン(THF)、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトン、n−プロパノール、n−ブタノール、t−ブタノール、水、n−ヘキサン、クロロホルム、ジクロロメタン、及びトルエン等が挙げられ、本発明の化合物の溶解度等に合わせて、単独又は複数を混合して用いることができる。溶液中、本発明の化合物濃度は通常1×10−6M〜1Mであり、1×10−5M〜1×10−1Mが好ましい。浸漬完了後は、風乾又は必要により加熱して溶媒を除去する。この様にして本発明の化合物で増感された酸化物半導体微粒子の薄膜を有した本発明の光電変換素子は得られる。
担持する本発明の化合物は1種類でもよく、複数を混合してもよい。また、混合する場合は本発明の化合物同士でも良く、本発明の化合物と本発明の化合物以外の化合物(色素)を混合しても良い。特に吸収波長の異なる色素と混合することにより、幅広い吸収波長を利用することが出来、高い変換効率の太陽電池が得られる。混合できる本発明の化合物以外の色素は特に制限されないが、非特許文献2に記載のルテニウム錯体やその4級アンモニウム塩化合物、フタロシアニン、ポルフィリン、無金属のフタロシアニン、ポルフィリン、シアニン、メロシアニン、オキソノール、トリフェニルメタン系、特許文献2に記載のアクリル酸系、キサンテン系、アゾ系、アンスラキノン系、ペリレン系等の色素が挙げられ、ルテニウム錯体、メロシアニン、アクリル酸系色素等が好ましく、ルテニウム錯体、アクリル酸系色素が更に好ましく、シアノ酢酸系色素が特に好ましい。本発明の化合物を含む複数の化合物を用いる場合は、それぞれを半導体微粒子の薄膜に順次担持させても、混合溶解して担持させても良い。
本発明の化合物を含む複数の化合物を混合して用いる場合、各化合物の混合比率に特に制限はないが、最適化条件が適宜選択され、一般的には等モルずつの混合から、1つの化合物又は色素に対して、10モル%程度以上使用するのが好ましい。2種類以上の化合物を溶解又は分散した溶液を用いて、酸化物半導体微粒子の薄膜に吸着させる場合、溶液中の化合物の合計の濃度は1種類のみ担持する場合と同じでもよい。複数の化合物を混合して使用する場合も前記の溶媒が使用でき、単一の溶媒を用いてもよく、化合物毎に異なった溶媒を用いてもよい。
酸化物半導体微粒子の薄膜に本発明の化合物を担持する場合、化合物同士の会合を防ぐために、包摂化合物の共存下、担持させることが効果的である。用いられる包摂化合物としては、例えば、コール酸等のステロイド系化合物、クラウンエーテル、シクロデキストリン、カリックスアレン、ポリエチレンオキサイド等が挙げられるが、好ましいものの具体例としてはデオキシコール酸、デヒドロデオキシコール酸、ケノデオキシコール酸、ウルソデオキシコール酸、リトコール酸、ヒオデオキシコール酸、コール酸メチルエステル、コール酸ナトリウム等のコール酸類、ポリエチレンオキサイド等が挙げられる。又、化合物及び色素を担持させた後、4−t−ブチルピリジン等のアミン化合物、酢酸やプロピオン酸等の有機酸で半導体微粒子の薄膜を処理しても良い。処理方法は、例えば、アミン化合物又は有機酸を添加したエタノール溶液に化合物及び色素を担持した半導体微粒子の薄膜を設けた基板を浸す方法等が採用される。
上記の酸化物半導体微粒子の薄膜に、本発明の化合物を担持させた光電変換素子を一方の電極とし、対極、レドックス電解質又は正孔輸送材料又はp型半導体等を用いて太陽電池を製造することができる。レドックス電解質、正孔輸送材料、p型半導体等の形態としては、液体、凝固体(ゲル及びゲル状)、固体等、それ自身公知のものが使用出来る。液状のものとしてはレドックス電解質、溶融塩、正孔輸送材料、p型半導体等をそれぞれ溶媒に溶解させたものや常温溶融塩等が、凝固体(ゲル及びゲル状)の場合は、これらをポリマーマトリックスや低分子ゲル化剤等に含ませたもの等がそれぞれ挙げられる。固体のものとしてはレドックス電解質、溶融塩、正孔輸送材料、p型半導体等を用いることができる。正孔輸送材料としてはアミン誘導体やポリアセチレン、ポリアニリン、ポリチオフェン等の導電性高分子、トリフェニレン系化合物等が挙げられる。また、p型半導体としてはCuI、CuSCN等が挙げられる。対極としては導電性を有する、レドックス電解質の還元反応を触媒的に作用するものが好ましく、例えば、ガラス又は高分子フィルムに白金、カーボン、ロジウム、ルテニウム等を蒸着したり、導電性微粒子を塗布したものが用いられる。
上記の太陽電池に用いられるレドックス電解質としては、ハロゲンイオンを対イオンとするハロゲン化合物及びハロゲン分子からなるハロゲン酸化還元系電解質、フェロシアン酸塩−フェリシアン酸塩やフェロセン−フェリシニウムイオン、コバルト錯体等の金属錯体等の金属酸化還元系電解質、アルキルチオール−アルキルジスルフィド、ビオロゲン色素、ヒドロキノン−キノン等の有機酸化還元系電解質等を挙げることができるが、ハロゲン酸化還元系電解質が好ましい。ハロゲン化合物−ハロゲン分子からなるハロゲン酸化還元系電解質におけるハロゲン分子としては、例えばヨウ素分子や臭素分子等が挙げられ、ヨウ素分子が好ましい。又、ハロゲンイオンを対イオンとするハロゲン化合物としては、例えばLiBr、NaBr、KBr、LiI、NaI、KI、CsI、CaI2、MgI2、CuI等のハロゲン化金属塩、又はテトラアルキルアンモニウムヨーダイド、イミダゾリウムヨーダイド、ピリジニウムヨーダイド等のハロゲン化有機4級アンモニウム塩等が挙げられるが、ヨウ素イオンを対イオンとする塩化合物が好ましい。また、上記のヨウ素イオンの他にビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオン、ジシアノイミドイオン等のイミドイオンを対イオンとする電解質も好適に用いられる。
また、レドックス電解質がそれを含む溶液で構成されている場合、その溶媒には電気化学的に不活性なものが用いられる。例えばアセトニトリル、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、3−メトキシプロピオニトリル、メトキシアセトニトリル、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、γ−ブチロラクトン、ジメトキシエタン、ジエチルカーボネート、ジエチルエーテル、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキサイド、1,3−ジオキソラン、メチルフォルメート、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチル−オキサゾリジン−2−オン、スルフォラン、テトラヒドロフラン、水等が挙げられ、中でも、アセトニトリル、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、3−メトキシプロピオニトリル、メトキシアセトニトリル、エチレングリコール、3−メチル−オキサゾリジン−2−オン、γ−ブチロラクトン等が特に好ましい。これらは単独又は2種以上組み合わせて用いても良い。ゲル状電解質の場合は、オリゴマ−及びポリマー等のマトリックスに電解質又は電解質溶液を含有させたものや、非特許文献4に記載の低分子ゲル化剤等に同じく電解質又は電解質溶液を含有させたもの等が挙げられる。レドックス電解質の濃度は通常0.01〜99質量%であり、0.1〜90質量%が好ましい。
上記の太陽電池は、基板上の酸化物半導体微粒子の薄膜に化合物を担持した光電変換素子の電極に、それを挟むように対極を配置し、その間にレドックス電解質を含んだ溶液を充填することにより容易に得られる。
本発明を実施例に基づき、以下の通り更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例中、部は特に指定しない限り質量部、溶液の濃度を表すMはmol/Lを表す。又、化合物番号は前記の具体例における化合物番号に対応する。紫外可視吸収スペクトルはUV−3600型分光光度計(島津製作所製)により、核磁気共鳴スペクトルはBruker Avance 500型核磁気共鳴装置(500MHz)を用い、内部標準として1H−NMRではテトラメチルシランを、19F−NMRではヘキサフルオロベンゼンを用いて測定した。質量分析はJEOL JMS−700型質量分析計(日本電子株式会社製)を用いてFAB−MS(マトリックスは3−ニトロベンジルアルコール)を、Bruker micro TOFII−SDT1を用いてAPCI MSを測定した。元素分析はCE−440F Element Analyzer分析計(Exeter Analytical,Inc.製)を用いて測定した。
[合成例1]
非特許文献5に記載の方法に準じて合成した下記式(701)で表される化合物4.90g(16.7mmol)、 ニトロ酢酸エチル4.80ml(25.2mmol)のエタノール(37ml)溶液にトリエチルアミン0.33ml(2.38mmol)を加えた。その反応液を12時間還流させ、室温まで放冷した。水とジクロロメタンで分液処理し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去することで下記式(702)で表される化合物7.76gを薄橙色固体として得た。
非特許文献5に記載の方法に準じて合成した下記式(701)で表される化合物4.90g(16.7mmol)、 ニトロ酢酸エチル4.80ml(25.2mmol)のエタノール(37ml)溶液にトリエチルアミン0.33ml(2.38mmol)を加えた。その反応液を12時間還流させ、室温まで放冷した。水とジクロロメタンで分液処理し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去することで下記式(702)で表される化合物7.76gを薄橙色固体として得た。
上記の式(702)で表される化合物の核磁気共鳴スペクトル及び質量分析の測定値は以下の通りであった。
1H-NMR (CDCl3, 500MHz) δ(ppm): 7.71 (1H, dd, J=3.82 and 0.98Hz), 7.64 (1H, dd, J=4.90 and 1.08Hz), 7.43 (2H, d, J=8.50Hz), 7.19 (2H, d, J=8.55Hz), 7.12 (1H, dd, J=4.80 and 3.85Hz), 5.50 (1H, d, J=8.45Hz), 4.42(1H, td, J=8.82 and 4.03Hz), 4.14-4.09 (2H, m), 3.58 (1H, dd, J=17.0 and 9.38Hz), 3.42 (1H, dd, J=17.0 and 4.18Hz), 1.12 (3H, t, J=7.13Hz).
FAB-MS: m/z 426 [M+H]+.
1H-NMR (CDCl3, 500MHz) δ(ppm): 7.71 (1H, dd, J=3.82 and 0.98Hz), 7.64 (1H, dd, J=4.90 and 1.08Hz), 7.43 (2H, d, J=8.50Hz), 7.19 (2H, d, J=8.55Hz), 7.12 (1H, dd, J=4.80 and 3.85Hz), 5.50 (1H, d, J=8.45Hz), 4.42(1H, td, J=8.82 and 4.03Hz), 4.14-4.09 (2H, m), 3.58 (1H, dd, J=17.0 and 9.38Hz), 3.42 (1H, dd, J=17.0 and 4.18Hz), 1.12 (3H, t, J=7.13Hz).
FAB-MS: m/z 426 [M+H]+.
[合成例2]
上記の式(702)で表される化合物11.1g(26.0mmol)、ホルムアミジンスルフィン酸14.1g(130mmol)の乾燥2−プロパノール(200ml)溶液にトリエチルアミン3.25ml(23.4mmol)を加えた。その反応液を窒素雰囲気下で14時間還流させ、室温まで放冷した。その後、減圧留去により溶媒を濃縮し、水とジクロロメタンで分液処理をした。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去、THF/メタノールで再沈殿することで下記式(703)で表される化合物1.92gを薄橙色固体として得た。
上記の式(702)で表される化合物11.1g(26.0mmol)、ホルムアミジンスルフィン酸14.1g(130mmol)の乾燥2−プロパノール(200ml)溶液にトリエチルアミン3.25ml(23.4mmol)を加えた。その反応液を窒素雰囲気下で14時間還流させ、室温まで放冷した。その後、減圧留去により溶媒を濃縮し、水とジクロロメタンで分液処理をした。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去、THF/メタノールで再沈殿することで下記式(703)で表される化合物1.92gを薄橙色固体として得た。
上記の式(703)で表される化合物の核磁気共鳴スペクトル及び質量分析の測定値は以下の通りであった。
1H-NMR (CDCl3, 500MHz) δ(ppm): 9.16 (1H, s), 7.50 (2H, d, J=8.60Hz), 7.45 (2H, d, J=8.60Hz), 7.29 (1H, dd, J=5.05 and 1.10Hz, Hc), 7.23 (1H, dd, J=3.65 and 1.08Hz, Ha), 7.08 (1H, dd, J=5.05 and 3.70Hz), 6.48 (1H, d, J=3.10Hz), 4.29 (2H, q, J=7.13Hz), 1.28 (3H, t, J=7.15Hz).
FAB-MS: m/z 375 [M]+.
1H-NMR (CDCl3, 500MHz) δ(ppm): 9.16 (1H, s), 7.50 (2H, d, J=8.60Hz), 7.45 (2H, d, J=8.60Hz), 7.29 (1H, dd, J=5.05 and 1.10Hz, Hc), 7.23 (1H, dd, J=3.65 and 1.08Hz, Ha), 7.08 (1H, dd, J=5.05 and 3.70Hz), 6.48 (1H, d, J=3.10Hz), 4.29 (2H, q, J=7.13Hz), 1.28 (3H, t, J=7.15Hz).
FAB-MS: m/z 375 [M]+.
[合成例3]
上記の式(703)で表される化合物3.50g(9.31mmol)のエタノール(126ml)溶液に2M水酸化ナトリウム水溶液(32ml)を加えた。その反応液を2時間還流させ、室温まで放冷した。その後、2N塩酸とジクロロメタンで分液処理をした。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去し、THF/ヘキサンで再沈殿することにより下記式(704)で表される化合物3.03gを薄緑色固体として得た。
上記の式(703)で表される化合物3.50g(9.31mmol)のエタノール(126ml)溶液に2M水酸化ナトリウム水溶液(32ml)を加えた。その反応液を2時間還流させ、室温まで放冷した。その後、2N塩酸とジクロロメタンで分液処理をした。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去し、THF/ヘキサンで再沈殿することにより下記式(704)で表される化合物3.03gを薄緑色固体として得た。
上記の式(704)で表される化合物の核磁気共鳴スペクトル及び質量分析の測定値は以下の通りであった。
1H-NMR (DMSO-d6, 500MHz) δ(ppm): 7.69 (1H, dd, J=3.60, 1.18Hz), 7.56-7.46 (5H, m), 7.09 (1H, dd, J=5.05 and 3.60Hz), 6.49 (1H, d, J=2.60Hz).
FAB-MS: m/z 347 [M]+.
1H-NMR (DMSO-d6, 500MHz) δ(ppm): 7.69 (1H, dd, J=3.60, 1.18Hz), 7.56-7.46 (5H, m), 7.09 (1H, dd, J=5.05 and 3.60Hz), 6.49 (1H, d, J=2.60Hz).
FAB-MS: m/z 347 [M]+.
[合成例4]
上記の式(704)で表される化合物0.647g(1.86mmol)にトリフルオロ酢酸(14ml)を加え、反応液を窒素雰囲気下、50℃で撹拌した。40分後、同温下でオルトぎ酸トリメチル7.5ml(68.6mmol)を加えて一晩撹拌した後、室温まで放冷した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて中和し、水とジクロロメタンで分液処理をした。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去してカラムクロマトグラフィー(順相シリカゲル、ジクロロメタン/テトラヒドロフラン)で精製することにより下記式(705)で表される化合物0.347gを薄紺色固体として得た。
上記の式(704)で表される化合物0.647g(1.86mmol)にトリフルオロ酢酸(14ml)を加え、反応液を窒素雰囲気下、50℃で撹拌した。40分後、同温下でオルトぎ酸トリメチル7.5ml(68.6mmol)を加えて一晩撹拌した後、室温まで放冷した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて中和し、水とジクロロメタンで分液処理をした。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去してカラムクロマトグラフィー(順相シリカゲル、ジクロロメタン/テトラヒドロフラン)で精製することにより下記式(705)で表される化合物0.347gを薄紺色固体として得た。
上記の式(705)で表される化合物の核磁気共鳴スペクトル及び質量分析の測定値は以下のとおりであった。
1H-NMR (DMSO-d6, 500MHz) δ(ppm): 12.6 (1H, s), 9.55 (1H, s), 7.77 (1H, dd, J=3.65 and 1.08Hz), 7.64 (2H, d, J=8.50Hz), 7.60 (1H, dd, J=5.10 and 1.05Hz), 7.57 (2H, d, J=8.50Hz), 7.15 (1H, dd, J=5.05 and 3.80Hz), 6.73 (1H, d, J=2.55Hz).
FAB-MS: m/z 331 [M]+, 333 [M+2]+.
1H-NMR (DMSO-d6, 500MHz) δ(ppm): 12.6 (1H, s), 9.55 (1H, s), 7.77 (1H, dd, J=3.65 and 1.08Hz), 7.64 (2H, d, J=8.50Hz), 7.60 (1H, dd, J=5.10 and 1.05Hz), 7.57 (2H, d, J=8.50Hz), 7.15 (1H, dd, J=5.05 and 3.80Hz), 6.73 (1H, d, J=2.55Hz).
FAB-MS: m/z 331 [M]+, 333 [M+2]+.
[合成例5]
上記の式(705)で表される化合物0.343g(1.03mmol)及び上記式(704)で表される化合物0.357g(1.02mmol)の乾燥ジクロロメタン(4ml)溶液にトリフルオロ酢酸0.1ml(1.31mmol)を加えた。その反応液を窒素雰囲気下で4時間還流させ、室温まで放冷した後、反応液を−80℃に冷却した。その後、トリエチルアミン0.5ml(3.61mmol)、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体1.1ml(8.91mmol)を滴下し、反応液を室温に戻した後、一晩還流した。水とジクロロメタンで分液処理をし、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去しジクロロメタン/ヘキサンで再結晶により黄緑色固体0.555gを得た。この固体を乾燥ジクロロメタン(58ml)に溶解させ、トリエチルアミン1.8ml(13.0mmol)を加え、窒素雰囲気下で還流した。30分後、反応液に三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体1.75ml(14.2mmol)を滴下し、一晩還流した。反応溶液は水とジクロロメタンで分液処理され、得られた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去してカラムクロマトグラフィー(順相シリカゲル、ヘキサン/ジクロロメタン/テトラヒドロフラン)で精製することにより下記式(706)で表される化合物0.426gを深緑色固体として得た。
上記の式(705)で表される化合物0.343g(1.03mmol)及び上記式(704)で表される化合物0.357g(1.02mmol)の乾燥ジクロロメタン(4ml)溶液にトリフルオロ酢酸0.1ml(1.31mmol)を加えた。その反応液を窒素雰囲気下で4時間還流させ、室温まで放冷した後、反応液を−80℃に冷却した。その後、トリエチルアミン0.5ml(3.61mmol)、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体1.1ml(8.91mmol)を滴下し、反応液を室温に戻した後、一晩還流した。水とジクロロメタンで分液処理をし、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去しジクロロメタン/ヘキサンで再結晶により黄緑色固体0.555gを得た。この固体を乾燥ジクロロメタン(58ml)に溶解させ、トリエチルアミン1.8ml(13.0mmol)を加え、窒素雰囲気下で還流した。30分後、反応液に三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体1.75ml(14.2mmol)を滴下し、一晩還流した。反応溶液は水とジクロロメタンで分液処理され、得られた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去してカラムクロマトグラフィー(順相シリカゲル、ヘキサン/ジクロロメタン/テトラヒドロフラン)で精製することにより下記式(706)で表される化合物0.426gを深緑色固体として得た。
上記の式(706)で表される化合物の核磁気共鳴スペクトルの測定値は以下の通りであった。
1H-NMR(CDCl3, 500MHz) δ(ppm): 8.26 (2H, dd, J=3.90 and 0.98Hz), 7.61 (4H, d, J=8.40Hz), 7.53 (2H, dd, J=5.31 and 0.98Hz), 7.34 (4H, d, J=8.35Hz), 7.23 (2H, dd, J=5.00 and 3.88Hz), 7.18 (1H, s), 6.90 (2H, s).
19F-NMR(CDCl3, 470Hz) δ(ppm): -140.4 (q, J=33.0Hz).
1H-NMR(CDCl3, 500MHz) δ(ppm): 8.26 (2H, dd, J=3.90 and 0.98Hz), 7.61 (4H, d, J=8.40Hz), 7.53 (2H, dd, J=5.31 and 0.98Hz), 7.34 (4H, d, J=8.35Hz), 7.23 (2H, dd, J=5.00 and 3.88Hz), 7.18 (1H, s), 6.90 (2H, s).
19F-NMR(CDCl3, 470Hz) δ(ppm): -140.4 (q, J=33.0Hz).
[合成例6]
上記の式(706)で表される化合物0.426g(0.640mmol)及び下記式(707)で表される化合物0.898g(2.20mmol)のテトラヒドロフラン(33ml)溶液に2M炭酸カリウム水溶液(6ml)を加え、3回凍結脱気した。グローブバッグ内でPd(PPh3)40.47g(0.407mmol)を加え、その反応液を窒素雰囲気下で一晩還流させた後、室温まで放冷した。その後、水とジクロロメタンで分液処理し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去した。生成物はカラムクロマトグラフィー(順相シリカゲル、ヘキサン/ジクロロメタン)で精製することにより下記式(708)で表される化合物0.435gを深緑色固体として得た。
上記の式(706)で表される化合物0.426g(0.640mmol)及び下記式(707)で表される化合物0.898g(2.20mmol)のテトラヒドロフラン(33ml)溶液に2M炭酸カリウム水溶液(6ml)を加え、3回凍結脱気した。グローブバッグ内でPd(PPh3)40.47g(0.407mmol)を加え、その反応液を窒素雰囲気下で一晩還流させた後、室温まで放冷した。その後、水とジクロロメタンで分液処理し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去した。生成物はカラムクロマトグラフィー(順相シリカゲル、ヘキサン/ジクロロメタン)で精製することにより下記式(708)で表される化合物0.435gを深緑色固体として得た。
上記の式(708)で表される化合物の核磁気共鳴スペクトル及び質量分析の測定値は以下の通りであった。
1H-NMR (CDCl3, 500MHz) δ(ppm): 8.27 (2H, dd, J=3.75 and 0.93Hz), 7.55-7.50 (10H, m), 7.45 (1H, s), 7.23 (2H, dd, J=5.00 and 3.88Hz), 7.04 (2H, s), 6.95 (2H, s), 5.61 (2H, s), 3.77 (4H, d, J=11.2Hz), 3.65 (4H, d, J=10.7Hz), 2.62 (4H, t,J=7.88Hz), 1.60 (4H, q, J=7.65Hz), 1.29-1.21 (18H, m), 0.83-0.81 (12H, m).
FAB-MS: m/z 1069 [M+H]+.
1H-NMR (CDCl3, 500MHz) δ(ppm): 8.27 (2H, dd, J=3.75 and 0.93Hz), 7.55-7.50 (10H, m), 7.45 (1H, s), 7.23 (2H, dd, J=5.00 and 3.88Hz), 7.04 (2H, s), 6.95 (2H, s), 5.61 (2H, s), 3.77 (4H, d, J=11.2Hz), 3.65 (4H, d, J=10.7Hz), 2.62 (4H, t,J=7.88Hz), 1.60 (4H, q, J=7.65Hz), 1.29-1.21 (18H, m), 0.83-0.81 (12H, m).
FAB-MS: m/z 1069 [M+H]+.
[合成例7]
p−トルエンスルホン酸0.151g(0.796mmol)の水(8ml)溶液を上記式(708)で表される化合物0.435g(0.407mmol)のテトラヒドロフラン(40ml)溶液に加え、その反応液を40℃で一晩撹拌させた後、室温まで放冷した。その後、水とジクロロメタンで分液処理し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去した。生成物はジクロロメタン/メタノールで再沈殿することにより精製し、下記式(709)で表される化合物0.356gを濃赤色固体として得た。
p−トルエンスルホン酸0.151g(0.796mmol)の水(8ml)溶液を上記式(708)で表される化合物0.435g(0.407mmol)のテトラヒドロフラン(40ml)溶液に加え、その反応液を40℃で一晩撹拌させた後、室温まで放冷した。その後、水とジクロロメタンで分液処理し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去した。生成物はジクロロメタン/メタノールで再沈殿することにより精製し、下記式(709)で表される化合物0.356gを濃赤色固体として得た。
上記の式(709)で表される化合物の核磁気共鳴スペクトル及び質量分析の測定値は以下の通りであった。
1H-NMR (CDCl3, 500MHz) δ(ppm): 9.88 (2H, s), 8.29 (2H, dd, J=3.80 and 0.85Hz), 7.68 (2H, s, Hm), 7.60 (4H, d, J=8.45Hz), 7.56 (4H, d, J=8.40Hz), 7.55 (2H, dd, J=3.58 and 0.93Hz), 7.40 (1H, s), 7.24 (2H, dd, J=5.02 and 3.88Hz), 2.70 (4H, t, =7.83Hz), 1.64 (4H, q, J=7.66Hz), 1.32-1.22 (12H, m), 0.83 (6H, t, J=6.98Hz).
FAB-MS: m/z 896 [M]+.
1H-NMR (CDCl3, 500MHz) δ(ppm): 9.88 (2H, s), 8.29 (2H, dd, J=3.80 and 0.85Hz), 7.68 (2H, s, Hm), 7.60 (4H, d, J=8.45Hz), 7.56 (4H, d, J=8.40Hz), 7.55 (2H, dd, J=3.58 and 0.93Hz), 7.40 (1H, s), 7.24 (2H, dd, J=5.02 and 3.88Hz), 2.70 (4H, t, =7.83Hz), 1.64 (4H, q, J=7.66Hz), 1.32-1.22 (12H, m), 0.83 (6H, t, J=6.98Hz).
FAB-MS: m/z 896 [M]+.
[実施例1]
上記の式(709)で表される化合物0.326g(0.364mmol)の乾燥テトラヒドロフラン(10ml)溶液にピペリジン0.22mlを加え、その反応液を1時間還流させ、室温まで放冷した。同時に別のフラスコでシアノ酢酸0.110g(1.30mmol)の乾燥テトラヒドロフラン(5ml)溶液にピペリジン0.22mlを加え、その反応液を1時間還流させ、室温まで放冷した。上記式(709)で表される化合物を含むフラスコにシアノ酢酸溶液を加え、再び還流した。薄層クロマトグラフィーで反応の進行を確認し、40時間の反応終了までシアノ酢酸0.110g(1.30mmol)の乾燥テトラヒドロフラン(5ml)溶液を更に4回加えた。反応終了後、塩酸でクエンチし、水とジクロロメタン分液処理をした。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去し、生成物をカラムクロマトグラフィー(順相シリカゲル、ジクロロメタン/メタノール)で精製することにより下記式(710)で表される本発明の化合物(表1の化合物8)0.0699gを深緑色固体として得た。
上記の式(709)で表される化合物0.326g(0.364mmol)の乾燥テトラヒドロフラン(10ml)溶液にピペリジン0.22mlを加え、その反応液を1時間還流させ、室温まで放冷した。同時に別のフラスコでシアノ酢酸0.110g(1.30mmol)の乾燥テトラヒドロフラン(5ml)溶液にピペリジン0.22mlを加え、その反応液を1時間還流させ、室温まで放冷した。上記式(709)で表される化合物を含むフラスコにシアノ酢酸溶液を加え、再び還流した。薄層クロマトグラフィーで反応の進行を確認し、40時間の反応終了までシアノ酢酸0.110g(1.30mmol)の乾燥テトラヒドロフラン(5ml)溶液を更に4回加えた。反応終了後、塩酸でクエンチし、水とジクロロメタン分液処理をした。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去し、生成物をカラムクロマトグラフィー(順相シリカゲル、ジクロロメタン/メタノール)で精製することにより下記式(710)で表される本発明の化合物(表1の化合物8)0.0699gを深緑色固体として得た。
上記の式(710)で表される化合物(表1の化合物8)の核磁気共鳴スペクトル、質量分析、元素分析及び紫外可視吸収スペクトルの測定値は以下のとおりであった。
1H-NMR (500MHz, DMSO-d6,) δ(ppm): 8.46 (2H, s), 8.18 (2H, d, J = 3.75 and 0.75 Hz), 7.98 (2H, s), 7.97 (4H, d, J = 5.30 and 1.15Hz), 7.89 (4H, d, J = 8.20 Hz), 7.68 (4H, d, J = 8.25 Hz), 7.50 (1H, s), 7.37 (2H, s), 7.34 (2H, dd, J = 4.90 and 4.05 Hz), 2.68 (4H, t, J = 7.60 Hz), 1.55 (4H, quint, J = 7.40 Hz), 1.19 (8H, quint, J = 7.41 Hz), 1.10 (4H, sext, J = 3.64Hz), 0.70 (6H, t, J = 7.00 Hz).
APCI MS: m/z 942 [M-2CO2]−.
Elemental analysis: Calc. For C57H49BF2N4O4S4・2H2O: C, 64.15; H, 5.01; N, 5.25, Found: C, 64.35; H, 4.70; N, 5.28.
UV/Vis: λmax(nm) [εmax(M−1 cm−1)]; 379(48444), 644(80700).
1H-NMR (500MHz, DMSO-d6,) δ(ppm): 8.46 (2H, s), 8.18 (2H, d, J = 3.75 and 0.75 Hz), 7.98 (2H, s), 7.97 (4H, d, J = 5.30 and 1.15Hz), 7.89 (4H, d, J = 8.20 Hz), 7.68 (4H, d, J = 8.25 Hz), 7.50 (1H, s), 7.37 (2H, s), 7.34 (2H, dd, J = 4.90 and 4.05 Hz), 2.68 (4H, t, J = 7.60 Hz), 1.55 (4H, quint, J = 7.40 Hz), 1.19 (8H, quint, J = 7.41 Hz), 1.10 (4H, sext, J = 3.64Hz), 0.70 (6H, t, J = 7.00 Hz).
APCI MS: m/z 942 [M-2CO2]−.
Elemental analysis: Calc. For C57H49BF2N4O4S4・2H2O: C, 64.15; H, 5.01; N, 5.25, Found: C, 64.35; H, 4.70; N, 5.28.
UV/Vis: λmax(nm) [εmax(M−1 cm−1)]; 379(48444), 644(80700).
[実施例2乃至5]
上記の式(710)で表される化合物(表1の化合物8)のメチン系色素を1.6×10-4Mアセトンに溶解し、コール酸類(ケノデオキシコール酸(実施例2)及びリトコール酸(実施例3))を1×10-2Mとなるように添加した。この溶液中に多孔質基板(透明導電性ガラス電極上に多孔質酸化チタンを450℃にて30分間焼結した半導体薄膜電極)を40℃で3日間浸漬し色素を担持せしめ、溶剤で洗浄、乾燥させ、色素増感半導体薄膜を得た。得られた半導体薄膜層と、表面に白金がスパッタされた導電性ガラスの白金層を対向配置して固定し、その空隙に電解質を含む溶液(電解液)を注入した。電解液は、A(ヨウ素0.1M、ヨウ化リチウム0.1M、メチルプロピルイミダゾリウムアイオダイド0.6Mを3−メトキシプロピオニトリルに溶解)及びB(ヨウ素0.1M、ヨウ化リチウム0.1M、メチルブチルイミダゾリウムアイオダイド0.6Mを3−メトキシプロピオニトリルに溶解)の2種を使用し、実施例3及び4にそれぞれ用いた。
測定する電池の大きさは実効部分を0.25cm2とした。短絡電流、解放電圧、変換効率はポテンシオ・ガルバノスタットで測定した。光源はAM(大気圏通過空気量)1.5フィルターを接続したキセノンランプ(500W)を用い、光量は100mW/cm2に調節した。
上記の式(710)で表される化合物(表1の化合物8)のメチン系色素を1.6×10-4Mアセトンに溶解し、コール酸類(ケノデオキシコール酸(実施例2)及びリトコール酸(実施例3))を1×10-2Mとなるように添加した。この溶液中に多孔質基板(透明導電性ガラス電極上に多孔質酸化チタンを450℃にて30分間焼結した半導体薄膜電極)を40℃で3日間浸漬し色素を担持せしめ、溶剤で洗浄、乾燥させ、色素増感半導体薄膜を得た。得られた半導体薄膜層と、表面に白金がスパッタされた導電性ガラスの白金層を対向配置して固定し、その空隙に電解質を含む溶液(電解液)を注入した。電解液は、A(ヨウ素0.1M、ヨウ化リチウム0.1M、メチルプロピルイミダゾリウムアイオダイド0.6Mを3−メトキシプロピオニトリルに溶解)及びB(ヨウ素0.1M、ヨウ化リチウム0.1M、メチルブチルイミダゾリウムアイオダイド0.6Mを3−メトキシプロピオニトリルに溶解)の2種を使用し、実施例3及び4にそれぞれ用いた。
測定する電池の大きさは実効部分を0.25cm2とした。短絡電流、解放電圧、変換効率はポテンシオ・ガルバノスタットで測定した。光源はAM(大気圏通過空気量)1.5フィルターを接続したキセノンランプ(500W)を用い、光量は100mW/cm2に調節した。
上記の表9の結果から、本発明の化合物によって増感された光電変換素子を用いることにより、異なる種類の電解液又はコール酸類を用いても、疑似太陽光を効果的に電気に変換できることが分かった。
特定の構造を有する本発明の化合物を増感色素として用いることにより、変換効率及び安定性に優れた色素増感太陽電池を提供することが出来る。
Claims (9)
- 下記式(1)で表される化合物
- 式(1)におけるY1及びY2がそれぞれ独立に芳香族残基であり、かつY3が水素原子である請求項1に記載の化合物。
- 式(1)におけるM1がホウ素原子である請求項1又は2に記載の化合物。
- 下記式(4)で表される請求項1乃至3のいずれか一項に記載の化合物。
- 下記式(5)で表される請求項4に記載の化合物。
- 基板上の酸化物半導体微粒子の薄膜に、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の化合物を担持させた光電変換素子。
- 基板上の酸化物半導体微粒子の薄膜に、更に、式(1)以外の構造を有する増感色素化合物を担持させた請求項6に記載の光電変換素子。
- 酸化物半導体微粒子が、二酸化チタン、酸化亜鉛又は酸化スズを含有する請求項6又は7に記載の光電変換素子。
- 請求項6乃至8のいずれか一項に記載の光電変換素子を備えてなる太陽電池。
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JP2016035073A JP2017149694A (ja) | 2016-02-26 | 2016-02-26 | 新規化合物及びそれを用いた光電変換素子 |
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CN111755255A (zh) * | 2020-07-07 | 2020-10-09 | 佛山科学技术学院 | 一种增强型二氧化钛基薄膜电池 |
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2016
- 2016-02-26 JP JP2016035073A patent/JP2017149694A/ja active Pending
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CN111755255B (zh) * | 2020-07-07 | 2021-07-06 | 佛山科学技术学院 | 一种增强型二氧化钛基薄膜电池 |
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