JP2016138175A - 新規化合物及び該化合物を用いた色素増感光電変換素子 - Google Patents

新規化合物及び該化合物を用いた色素増感光電変換素子 Download PDF

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Abstract

【課題】有機色素で増感された酸化物半導体微粒子を用いた光電変換素子及び太陽電池を開発に使用する安価な有機色素の提供。
【解決手段】例えば2,3−ジブロモチオフェン、5−ホルミル−2−チオフェンボロン酸から、ビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム触媒でカップリングさせて得たポリチオフェン化合物(800)より6工程で合成した4つのチオフェン環、2つのトリアリールアミン置換基、及び2つのメチン部位を持つ有機色素。
Figure 2016138175

【選択図】なし

Description

本発明は有機色素で増感された半導体微粒子の薄膜を有する光電変換素子及びそれを用いた太陽電池に関し、詳しくは酸化物半導体微粒子の薄膜に特定の構造を有する化合物(色素)を担持させた光電変換素子及びそれを利用した太陽電池に関する。
石油、石炭等の化石燃料に代わるエネルギー資源として太陽光を利用する太陽電池が注目されている。現在、結晶又はアモルファスのシリコンを用いたシリコン太陽電池、あるいはガリウム、ヒ素等を用いた化合物半導体太陽電池等について、盛んに開発検討がなされている。しかしながら、それらの製造には多大なエネルギー及びコストが必要なため、汎用的に使用するのが困難であるという問題点がある。その一方で、色素で増感した半導体微粒子を用いて作製される光電変換素子、又はこれを備える太陽電池が知られており、これを作成する材料、及び製造技術が開示されている(特許文献1、非特許文献1、非特許文献2を参照)。この光電変換素子は酸化チタン等の比較的安価な酸化物半導体が用いられており、従来のシリコン等を用いた太陽電池に比べコストの安い光電変換素子が得られる可能性があり、またカラフルな太陽電池が得られること等から注目を集めている。しかしながら、変換効率の高い素子を得るために増感色素として用いられているルテニウム系の錯体自体が高価であり、またその安定供給にも問題が残っている。そのため、増感色素として有機色素を用いる試みも既に行われているが、変換効率、安定性、耐久性が低い等の問題点は充分に解決されていないため、実用化には至っていないというのが現状であり、更なる変換効率の向上が望まれている(特許文献2を参照)。
特許第2664194号公報 WO2002/011213号公報
B.O'Regan and M.Graetzel, Nature, 第353巻, 737頁 (1991年) M.K.Nazeeruddin, A.Kay, I.Rodicio, R.Humphry-Baker, E.Muller, P.Liska, N.Vlachopoulos, M.Graetzel, J.Am.Chem.Soc., 第115巻, 6382頁 (1993年)
有機色素で増感された酸化物半導体微粒子を用いた光電変換素子において、安価な有機色素を用い、耐久性及び変換効率が高く実用性の高い光電変換素子の開発が求められている。
本発明者等は上記の課題を解決すべく鋭意努力した結果、特定の構造を有する化合物を用いて半導体微粒子の薄膜を増感し、光電変換素子を作成する事により安定かつ変換効率の高い光電変換素子が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、
(1)下記式(1)
Figure 2016138175
(式(1)中、a、c及びhはそれぞれ独立に0乃至6の整数を、b、d及びfはそれぞれ独立に1乃至3の整数を、e及びgはそれぞれ独立に0乃至3の整数を表す。
1及びY1はそれぞれ独立に水素原子、芳香族残基、脂肪族炭化水素残基、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基、シアノ基、アシル基、アミド基、アルコキシカルボニル基又はベンゼンスルフォニル基を表す。また、X1とY1は互いに結合して環を形成してもよい。
1、Z2、Z3、Z4、Z5及びZ6はそれぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はNR11を表す。R11は水素原子、芳香族残基又は脂肪族炭化水素残基を表す。b、d、e、f及びgのいずれか少なくとも一つが2以上で、Z1、Z2、Z4、Z5及びZ6のいずれかが複数存在する場合、Z1、Z2、Z4、Z5及びZ6はそれぞれ同一か又は異なっていてもよい。
1、A2、A3、A6、A7、A8、A17及びA18はそれぞれ独立に水素原子、芳香族残基、脂肪族炭化水素残基、シアノ基、ハロゲン原子、カルボンアミド基、アミド基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールカルボニル基又はアシル基を表す。また、a、c及びhのいずれか少なくとも一つが2以上で、A2、A3、A7、A8、A17及びA18のいずれかが複数存在する場合には、A2、A3、A7、A8、A17及びA18はそれぞれ同一か又は異なっていてもよい。また、aが0以外の場合、A1、A2及びA3のいずれか複数個で環を形成してもよく、cが0以外の場合、A6、A7及びA8のいずれか複数個で環を形成してもよい。
4、A5、A9、A10、A12、A13、A15及びA16はそれぞれ独立に水素原子、脂肪族炭化水素残基、シアノ基、ハロゲン原子、カルボンアミド基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基又はアシル基を表す。b、d、e及びgのいずれか少なくとも一つが2以上でA4、A5、A9、A10、A12、A13、A15及びA16のいずれかが複数存在する場合、A4、A5、A9、A10、A12、A13、A15及びA16はそれぞれ同一か又は異なっていてもよい。
11及びA14はそれぞれ独立に水素原子、脂肪族炭化水素残基、シアノ基、ハロゲン原子、カルボンアミド基、アルコキシ基、アミド基、アルコキシカルボニル基又はアシル基を表す。fが2以上でA14が複数存在する場合、それぞれのA14は同一か又は異なっていてもよい。
1は下記式(3001)又は(3003)
Figure 2016138175
(式(3001)又は(3003)中、R12、R13、R14及びR15は、それぞれ独立に水素原子、芳香族残基又は脂肪族炭化水素残基を表す。R16、R17、R18及びR19は、それぞれ独立に水素原子、芳香族残基、脂肪族炭化水素残基、シアノ基、アシル基、アミド基、アルコキシル基、アルコキシカルボニル基又はベンゼンスルフォニル基を表す。)で表される置換基を表す。fが2以上でR1が複数存在する場合、それぞれのR1は同一か又は異なっていてもよい。
2は前記式(3001)又は(3003)で表される置換基、水素原子、脂肪族炭化水素残基を表す。また、hが0以外の場合、A17、A18及びR2のいずれか複数個で環を形成しても良い。)で表される化合物、
(2)式(1)におけるa、c及びhが0である前項(1)に記載の化合物、
(3)式(1)におけるe及びgが0である前項(1)に記載の化合物、
(4)式(1)におけるZ1乃至Z6が硫黄原子である前項(1)に記載の化合物、
(5)式(1)におけるX1及びY1のいずれか一方がカルボキシル基で他方がカルボキシル基、シアノ基又はアシル基である前項(1)に記載の化合物、
(6)式(1)におけるX1及びY1のいずれか一方がカルボキシル基で他方がシアノ基である前項(5)に記載の化合物、
(7)式(1)におけるR1が、下記式(3101)乃至(3114)
Figure 2016138175
のいずれかで表される基である前項(1)に記載の化合物、
(8)式(1)におけるR1が、式(3102)、(3103)、(3107)、(3108)、(3110)、(3111)、(3113)又は(3114)のいずれかで表される基である前項(7)に記載の化合物、
(9)式(1)におけるR1が、式(3103)又は(3107)で表される基である前項(8)に記載の化合物、
(10)式(1)におけるR2が、前項(7)に記載の式(3101)乃至(3114)のいずれかで表される基である前項(9)に記載の化合物、
(11)式(1)におけるR2が、式(3107)、(3108)、(3110)、(3111)、(3113)又は(3114)のいずれかで表される基である前項(10)に記載の化合物、
(12)式(1)におけるR2が、式(3107)又は(3111)で表される基である前項(11)に記載の化合物、
(13)下記式(814)
Figure 2016138175
で表される前項(1)に記載の化合物、
(14)基板上に設けられた酸化物半導体微粒子の薄膜に、前項(1)に記載の式(1)で表される化合物を担持させてなる光電変換素子、
(15)酸化物半導体微粒子が、二酸化チタン、酸化亜鉛又は酸化スズを含有する前項(14)に記載の光電変換素子、
(16)前項(14)又は(15)に記載の光電変換素子を備えてなる太陽電池、
に関する。
式(1)で表される特定の構造を有する本発明の化合物を増感色素として用いることにより、変換効率が高く安定性の高い色素増感太陽電池を提供することが出来る。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の化合物は、下記式(1)で表される構造を有する。
Figure 2016138175
式(1)中、a及びcはそれぞれ独立に0乃至6の整数を表し、両者が同じ整数であることが好ましく、両者が0であることがより好ましい。
式(1)中、b及びdはそれぞれ独立に1乃至3の整数を表し、両者が同じ整数であることが好ましく、両者が1又は2であることがより好ましく、両者が1であることが更に好ましい。
式(1)中、e及びgはそれぞれ独立に0乃至3の整数を表し、それぞれ独立に0乃至2であることが好ましく、それぞれ独立に0乃至1であることがより好ましく、0であることが更に好ましい。
式(1)中、fは1乃至3の整数を表し、1又は2であることが好ましく、1であることがより好ましい。
式(1)中、hは0乃至6の整数を表し、0であることが好ましい。
式(1)中、X1及びY1は、それぞれ独立に水素原子、芳香族残基、脂肪族炭化水素残基、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基、シアノ基、アシル基、アミド基、アルコキシカルボニル基又はベンゼンスルフォニル基を表す。式(1)中、2つのX1は同一であっても異なってもよく、また2つのY1は同一であっても異なってもよい。
1及びY1が表す芳香族残基とは、芳香環(芳香環及び芳香環を含む縮合環)から水素原子1個を除いた基を意味し、該芳香族残基は置換基を有していてもよい。芳香環の具体例としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナンスレン、ピレン、ペリレン及びテリレン等の芳香族炭化水素環、インデン、アズレン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピラゾール、ピラゾリジン、チアゾリジン、オキサゾリジン、ピラン、クロメン、ピロール、ピロリジン、ベンゾイミダゾール、イミダゾリン、イミダゾリジン、イミダゾール、トリアゾール、トリアジン、ジアゾール、インドリン、チオフェン、チエノチオフェン、フラン、オキサゾール、オキサジアゾール、チアジン、チアゾール、インドール、ベンゾチアゾール、ベンゾチアジアゾール、ナフトチアゾール、ベンゾオキサゾール、ナフトオキサゾール、インドレニン、ベンゾインドレニン、キノリン及びキナゾリン等の複素芳香環、フルオレン及びカルバゾール等の縮合型芳香環等が挙げられ、炭素数4乃至20の芳香環(芳香環及び芳香環を含む縮合環)から水素原子1個を除いた基であることが好ましい。
1及びY1が表す芳香族残基が有していてもよい置換基に特に制限はないが、例えば、スルホン酸基、スルファモイル基、シアノ基、イソシアノ基、チオシアナト基、イソチオシアナト基、ニトロ基、ニトロシル基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、リン酸基、リン酸エステル基、置換もしくは非置換アミノ基、メルカプト基、アミド基、アルコキシ基、アリールオキシ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アシル基、アルデヒド基、並びにアルコキシカルボニル基及びアリールカルボニル基等の置換カルボニル基の他に芳香族残基、脂肪族炭化水素残基等が挙げられる。
1及びY1が表す芳香族残基が有していてもよい置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられ、臭素原子又は塩素原子であることが好ましい。
1及びY1が表す芳香族残基が有していてもよい置換基としてのリン酸エステル基としては、リン酸(炭素数1乃至4)アルキルエステル基等が挙げられ、リン酸メチル、リン酸エチル、リン酸(n−プロピル)又はリン酸(n−ブチル)であることが好ましい。
1及びY1が表す芳香族残基が有していてもよい置換基としての置換もしくは非置換アミノ基としては、アミノ基;モノ又はジメチルアミノ基、モノ又はジエチルアミノ基、モノ又はジ(n−プロピル)アミノ基等のアルキル置換アミノ基;モノ又はジフェニルアミノ基、モノ又はジナフチルアミノ基等の芳香族置換アミノ基;モノアルキルモノフェニルアミノ基等のアルキル基と芳香族残基が一つずつ置換したアミノ基、並びにベンジルアミノ基、アセチルアミノ基、フェニルアセチルアミノ基等が挙げられる。
1及びY1が表す芳香族残基が有していてもよい置換基としてのメルカプト基としては、メルカプト基;メチルメルカプト基、エチルメルカプト基、n−プロピルメルカプト基、イソプロピルメルカプト基、n−ブチルメルカプト基、イソブチルメルカプト基、sec−ブチルメルカプト基、t−ブチルメルカプト基等の炭素数1乃至4のアルキルメルカプト基:並びにフェニルメルカプト基等が挙げられる。
1及びY1が表す芳香族残基が有していてもよい置換基としてのアミド基としては、アミド基、アセトアミド基、アルキルアミド基が挙げられ、具体的に好ましいものはアミド基、アセトアミド基、N−メチルアミド基、N−エチルアミド基、N−(n−プロピル)アミド基、N−(n−ブチル)アミド基、N−イソブチルアミド基、N−(sec−ブチルアミド)基、N−(t−ブチル)アミド基、N,N−ジメチルアミド基、N,N−ジエチルアミド基、N,N−ジ(n−プロピル)アミド基、N,N−ジ(n−ブチル)アミド基、N,N−ジイソブチルアミド基、N−メチルアセトアミド基、N−エチルアセトアミド基、N−(n−プロピル)アセトアミド基、N−(n−ブチル)アセトアミド基、N−イソブチルアセトアミド基、N−(sec−ブチル)アセトアミド基、N−(t−ブチル)アセトアミド基、N,N−ジメチルアセトアミド基、N,N−ジエチルアセトアミド基、N,N−ジ(n−プロピル)アセトアミド基、N,N−ジ(n−ブチル)アセトアミド基、N,N−ジイソブチルアセトアミド基が挙げられ、又はアリールアミド基、具体的に好ましくはフェニルアミド基、ナフチルアミド基、フェニルアセトアミド基、ナフチルアセトアミド基等が挙げられる。
1及びY1が表す芳香族残基が有していてもよい置換基としてのアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基及びt−ブトキシ基等の炭素数1乃至4のアルコキシ基が挙げられる。
1及びY1が表す芳香族残基が有していてもよい置換基としてのアリールオキシ基としては、フェノキシ基、ナフトキシ基等が挙げられる。
1及びY1が表す芳香族残基が有していてもよい置換基としてのアシル基としては、例えば炭素数1乃至10のアルキルカルボニル基、アリールカルボニル基等が挙げられ、好ましくは炭素数1乃至4のアルキルカルボニル基で、具体的にはアセチル基、プロピオニル基、トリフルオロメチルカルボニル基、ペンタフルオロエチルカルボニル基、ベンゾイル基及びナフトイル基等が挙げられる。
1及びY1が表す芳香族残基が有していてもよい置換基としてのアルコキシカルボニル基としては、例えば炭素数1乃至10のアルコキシカルボニル基等が挙げられる。その具体例としてはメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、n−ペントキシカルボニル基、n−ヘキシルオキシカルボニル基、n−ヘプチルオキシカルボニル基、n−ノニルオキシカルボニル基及びn−デシルオキシカルボニル基である。
1及びY1が表す芳香族残基が有していてもよい置換基としてのアリールカルボニル基としては、例えばベンゾフェノン、ナフトフェノン等のアリール基とカルボニル基が連結した置換基である。
1及びY1が表す芳香族残基が有していてもよい置換基としての芳香族残基としては、式(1)のX1及びY1が表す芳香族残基の項で述べたものと同じものが挙げられる。
1及びY1が表す芳香族残基が有していてもよい置換基としての脂肪族炭化水素残基としては、飽和又は不飽和の、直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基が挙げられる。脂肪族炭化水素残基としては、飽和のアルキル基であることが好ましく、飽和の直鎖アルキル基であることがより好ましい。また、脂肪族炭化水素残基が有する炭素数は1乃至36であることが好ましく、1乃至18であることがより好ましく、1乃至8であることが更に好ましい。これら脂肪族炭化水素残基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、シクロヘキシル基、ビニル基、プロペニル基、ペンチニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、ヘキサジエニル基、イソプロペニル基、イソへキセニル基、シクロへキセニル基、シクロペンタジエニル基、エチニル基、プロピニル基、ペンチニル基、へキシニル基、イソへキシニル基及びシクロへキシニル基等が挙げられる。また、環状のアルキル基としては、例えば炭素数3乃至8のシクロアルキル基等が挙げられる。特に好ましくは上記炭素数が1乃至8の直鎖のアルキル基である。
1及びY1が表す芳香族残基が有していてもよい置換基としての芳香族残基、脂肪族炭化水素残基、アミド基、アシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アリールカルボニル基及びアルコキシカルボニル基は置換基を有していてもよく、該置換基としてはX1及びY1が表す芳香族残基が有していてもよい置換基の項で述べたものと同じものが挙げられる。
1及びY1が表す芳香族残基としては、カルボキシル基、水酸基、リン酸基、スルホン酸基及びこれら酸性基の塩からなる群から選択される置換基を少なくとも一つ以上有する芳香族残基であることが好ましく、下記式(1001)乃至(1033)のいずれかであることがより好ましい。
Figure 2016138175
1及びY1が表す脂肪族炭化水素残基としては、式(1)のX1及びY1が表す芳香族残基が有していてもよい置換基の項で述べた脂肪族炭化水素残基と同じものが挙げられる。該脂肪族炭化水素残基は置換基を有していてもよく、該置換基としては、式(1)のX1及びY1が表す芳香族残基が有していてもよい置換基の項で述べたものと同じものが挙げられる。
1及びY1が表すアシル基としては、式(1)のX1及びY1が表す芳香族残基が有していてもよい置換基の項で述べたアシル基と同じものが挙げられる。該アシル基は置換基を有していてもよく、該置換基としては、式(1)のX1及びY1が表す芳香族残基が有していてもよい置換基の項で述べたものと同じものが挙げられる。
1及びY1が表すアミド基としては、式(1)のX1及びY1が表す芳香族残基が有していてもよい置換基の項で述べたアミド基と同じものが挙げられる。該アミド基は置換基を有していてもよく、該置換基としては、式(1)のX1及びY1が表す芳香族残基が有していてもよい置換基の項で述べたものと同じものが挙げられる。
1及びY1が表すアルコキシカルボニル基としては、式(1)のX1及びY1が表す芳香族残基が有していてもよい置換基の項で述べたアルコキシカルボニル基と同じものが挙げられる。該アルコキシカルボニル基は置換基を有していてもよく、該置換基としては、式(1)のX1及びY1が表す芳香族残基が有していてもよい置換基の項で述べたものと同じものが挙げられる。
また、式(1)におけるX1とY1は互いに結合して環を形成してもよい。但し、環は各々の炭化水素鎖の末端にあるX1とY1同士が形成するものであり、2つの炭化水素鎖の両端にあるX1とY1同士では環を形成するものではない。該形成してもよい環の具体例としては、式(1)のX1及びY1が表す芳香族残基の項に記載した芳香環と同じものが挙げられる。該形成してもよい環は置換基を有していてもよく、該置換基としては、式(1)のX1及びY1が表す芳香族残基が有していてもよい置換基の項で述べたものと同じものが挙げられる。X1とY1が互い結合して形成する環構造の具体例としては、下記式(2001)乃至(2044)で表される環構造が挙げられ、このうちカルボキシル基を置換基として有している環構造が好ましく、式(2007)又は(2012)で表される環構造がより好ましく、式(2007)で表される環構造が特に好ましい。
Figure 2016138175
上記式(2001)乃至(2044)中の*印は、式(1)においてX1とY1が結合している炭素原子を表す。
式(1)におけるX1及びY1としては、下記(i)乃至(iii)のいずれかであることが好ましい。
(i)それぞれ独立にカルボキシル基、リン酸基、シアノ基及びアシル基であることが好ましく、それぞれ独立にカルボキシル基、シアノ基又はアシル基であることがより好ましく、いずれか一方がカルボキシル基でかつ他方がカルボキシル基、シアノ基又はアシル基であることが更に好ましく、いずれか一方がカルボキシル基でかつ他方がシアノ基であることが特に好ましい。
(ii)X1又はY1のいずれか少なくとも一つ以上が、カルボキシル基、水酸基、リン酸基、スルホン酸基、及びこれらの酸性基の塩からなる群から選択される基を少なくとも一つ以上置換基として有する芳香族残基であることが好ましく、該芳香族残基が上記式(1001)乃至(1033)であることがより好ましい。
(iii)X1とY1が互いに結合して環構造を形成することが好ましく、該環構造が上記式(2001)乃至(2044)であることがより好ましく、該環構造がカルボキシル基を置換基として有しているものが更に好ましく、該環構造が式(2007)又は(2012)であることが最も好ましく、式(2007)であることが特に好ましい。
式(1)中、Z1、Z2、Z3、Z4、Z5及びZ6はそれぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はNR11を表し、R11は水素原子、芳香族残基又は脂肪族炭化水素残基を表す。
11が表す芳香族残基としては、式(1)のX1及びY1が表す芳香族残基の項で述べた芳香族残基と同じものが挙げられる。
11が表す脂肪族炭化水素残基としては、式(1)のX1及びY1が表す芳香族残基が有していてもよい置換基の項で述べた脂肪族炭化水素残基と同じものが挙げられる。
11が表す芳香族残基及び脂肪族炭化水素残基は置換基を有していてもよい。該置換基としては、X1及びY1が表す芳香族残基が有していてもよい置換基の項で述べたものと同じものが挙げられる。
式(1)におけるb、d、e、f及びgのいずれか少なくとも一つが2以上でZ1、Z2、Z4、Z5及びZ6のいずれかが複数存在する場合、Z1、Z2、Z4、Z5及びZ6はそれぞれ同一か又は異なっていてもよい。
式(1)におけるZ1、Z2、Z4、Z5及びZ6は、それぞれ独立に酸素原子、硫黄原子及びセレン原子であることが好ましく、いずれも硫黄原子であることがより好ましい。
式(1)中、A1、A2、A3、A6、A7、A8、A17及びA18は、それぞれ独立に水素原子、芳香族残基、脂肪族炭化水素残基、シアノ基、ハロゲン原子、カルボンアミド基、アミド基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールカルボニル基又はアシル基を表す。
1、A2、A3、A6、A7、A8、A17及びA18が表す芳香族残基としては、式(1)のX1及びY1が表す芳香族残基の項で述べたものと同じものが挙げられる。
1、A2、A3、A6、A7、A8、A17及びA18が表す脂肪族炭化水素残基、ハロゲン原子、アミド基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールカルボニル基及びアシル基としては、式(1)のX1及びY1が表す芳香族残基が有していてもよい置換基の項で述べた脂肪族炭化水素残基、ハロゲン原子、アミド基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールカルボニル基及びアシル基と同じものが挙げられる。
1、A2、A3、A6、A7、A8、A17及びA18が表す芳香族残基、脂肪族炭化水素残基、シアノ基、ハロゲン原子、カルボンアミド基、アミド基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールカルボニル基及びアシル基は置換基を有していてもよく、該置換基としては、式(1)のX1及びY1が表す芳香族残基が有していてもよい置換基の項で述べたものと同じものが挙げられる。
式(1)におけるa、c及びhのいずれか少なくとも一つが2以上で、A2、A3、A7、A8、A17及びA18のいずれかが複数存在する場合には、A2、A3、A7、A8、A17及びA18はそれぞれ同一か又は異なっていてもよい。
また、aが0以外の場合、A1、A2及びA3のいずれか複数個で環を形成してもよく、cが0以外の場合、A6、A7及びA8のいずれか複数個で環を形成してもよい。A1、A2及びA3のいずれか複数個で形成してもよい環、並びにA6、A7及びA8のいずれか複数個で形成してもよい環としては、不飽和炭化水素環又は複素環等が挙げられる。
上記不飽和炭化水素環の例としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナンスレン、ピレン、インデン、アズレン、フルオレン、シクロブテン、シクロヘキセン、シクロペンテン、シクロヘキサジエン、シクロペンタジエン等が挙げられ、複素環の例としては、ピラン、ピリジン、ピラジン、ピペリジン、インドリン、オキサゾール、チアゾール、チアジアゾール、オキサジアゾール、インドール、ベンゾチアゾール、ベンゾオキサゾール、キノリン、カルバゾール、ベンゾピラン等が挙げられる。これらのうちベンゼン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセンであることが好ましい。
これら不飽和炭化水素環及び複素環等は置換基を有してもよく、該置換基としては、式(1)のX1及びY1が表す芳香族残基が有していてもよい置換基の項で述べたものと同じものが挙げられる。
1、A2及びA3のいずれか複数個で形成してもよい環、並びにA6、A7及びA8のいずれか複数個で形成してもよい環が、カルボニル基、チオカルボニル基等の置換基を有する場合には、環状ケトン又は環状チオケトン等を形成しても良く、これらの環は更に置換基を有しても良い。その場合の置換基としては、式(1)のX1及びY1が表す芳香族残基が有していてもよい置換基の項で述べたものと同じものが挙げられる。
式(1)におけるA1、A2、A3、A6、A7、A8、A17及びA18としては、それぞれ独立に水素原子又は脂肪族炭化水素残基であることが好ましく、いずれも水素原子であることがより好ましい。
式(1)中、A4、A5、A9、A10、A12、A13、A15及びA16は、それぞれ独立に水素原子、脂肪族炭化水素残基、シアノ基、ハロゲン原子、カルボンアミド基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基又はアシル基を表す。
4、A5、A9、A10、A12、A13、A15及びA16が表す脂肪族炭化水素残基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基及びアシル基としては、式(1)のX1及びY1が表す芳香族残基が有していてもよい置換基の項で述べた脂肪族炭化水素残基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基及びアシル基と同じものが挙げられる。
4、A5、A9、A10、A12、A13、A15及びA16が表す脂肪族炭化水素残基、シアノ基、ハロゲン原子、カルボンアミド基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基又はアシル基は置換基を有していてもよく、該置換基としては、式(1)のX1及びY1が表す芳香族残基が有していてもよい置換基の項で述べたものと同じものが挙げられる。
式(1)におけるb、d、e及びgのいずれか少なくとも一つが2以上で、A4、A5、A9、A10、A12、A13、A15及びA16のいずれかが複数存在する場合、A4、A5、A9、A10、A12、A13、A15及びA16はそれぞれ同一か又は異なっていてもよい。
式(1)におけるA4、A5、A9、A10、A12、A13、A15及びA16としては、それぞれ独立に水素原子又は脂肪族炭化水素残基であることが好ましく、いずれも水素原子であることがより好ましい。
式(1)中、A11及びA14はそれぞれ独立に水素原子、脂肪族炭化水素残基、シアノ基、ハロゲン原子、カルボンアミド基、アルコキシ基、アミド基、アルコキシカルボニル基又はアシル基を表す。
11及びA14が表す脂肪族炭化水素残基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アミド基、アルコキシカルボニル基及びアシル基としては、式(1)のX1及びY1が表す脂肪族炭化水素残基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アミド基、アルコキシカルボニル基及びアシル基と同じものが挙げられる。
式(1)におけるfが2以上でA14が複数存在する場合、それぞれのA14は同一か又は異なっていてもよい。
式(1)におけるA11及びA14としては、それぞれ独立に水素原子又は脂肪族炭化水素残基であることが好ましく、いずれも水素原子であることがより好ましい。
式(1)中、R1は、下記式(3001)又は(3003)で表される置換基を表す。
Figure 2016138175
式(3001)又は(3003)中、R12、R13、R14及びR15はそれぞれ独立に水素原子、芳香族残基又は脂肪族炭化水素残基を表す。
12、R13、R14及びR15が表す芳香族残基としては、式(1)のX1及びY1が表す芳香族残基の項で述べたものと同じものが挙げられる。
12、R13、R14及びR15が表す脂肪族炭化水素残基としては、式(1)のX1及びY1が表す芳香族残基が有していてもよい置換基の項で述べた脂肪族炭化水素残基と同じものが挙げられる。
12、R13、R14及びR15が表す芳香族残基及び脂肪族炭化水素残基は置換基を有していてもよく、該置換基としては、式(1)のX1及びY1が表す芳香族残基が有していてもよい置換基の項で述べたものと同じものが挙げられる。
式(3001)におけるR12及びR13としては、それぞれ独立に水素原子又は脂肪族炭化水素残基であることが好ましく、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1乃至18のアルキル基であることがより好ましく、炭素数1乃至8のアルキル基であることが更に好ましく、炭素数1乃至8の直鎖アルキル基であることが特に好ましい。
式(3003)におけるR14及びR15としては、それぞれ独立に芳香族残基であることが好ましく、それぞれ独立にフェニル基又は式(3001)で表される基であることがより好ましく、両者が同一のフェニル基又は式(3001)で表される基であることが更に好ましい。尚、R14及びR15が表す式(3001)で表される基中のR12及びR13は前記と同様であり、また好ましいものも前記と同様である。
式(3003)中、R16、R17、R18及びR19は、それぞれ独立に水素原子、芳香族残基、脂肪族炭化水素残基、シアノ基、アシル基、アミド基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基又はベンゼンスルフォニル基を表す。
16、R17、R18及びR19が表す芳香族残基としては、式(1)のX1及びY1が表す芳香族残基の項で述べたものと同じものが挙げられる。
16、R17、R18及びR19が表す脂肪族炭化水素残基、アシル基、アミド基、アルコキシ基及びアルコキシカルボニル基としては、式(1)のX1及びY1が表す芳香族残基が有していてもよい置換基の項で述べた脂肪族炭化水素残基、アシル基、アミド基、アルコキシ基及びアルコキシカルボニル基と同じものが挙げられる。
16、R17、R18及びR19が表す芳香族残基、脂肪族炭化水素残基、アシル基、アミド基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基及びベンゼンスルフォニル基は置換基を有していてもよく、該置換基としては、式(1)のX1及びY1が表す芳香族残基が有していてもよい置換基の項で述べたものと同じものが挙げられる。
式(3003)におけるR16、R17、R18及びR19は、それぞれ独立に水素原子又はアルコキシ基であることが好ましく、水素原子又は炭素数1乃至4のアルコキシ基であることがより好ましく、いずれも水素原子であることが更に好ましい。
式(1)におけるfが2以上でR1が複数存在する場合には、それぞれのR1は同一か又は異なっていてもよい。
式(1)におけるR1としては、式(3001)で表される基であって、かつR12及びR13が水素原子又は炭素数1乃至8のアルキル基であるか、若しくは式(3003)で表される基であって、R14及びR15がフェニル基又は式(3001)で表される基であって、R12及びR13が水素原子又は炭素数1乃至8のアルキル基であって、かつR16乃至R19がそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1乃至4のアルコキシ基であることがより好ましく、式(3001)で表される基であって、かつR12及びR13が炭素数1乃至8のアルキル基であるか、若しくは式(3003)で表される基であって、R14及びR15がフェニル基であって、かつR16乃至R19が水素原子であることが更に好ましい。
また、より具体的には、下記式(3101)乃至(3114)のいずれかで表される基であることが好ましく、下記式(3102)、(3103)、(3107)、(3108)、(3110)、(3111)、(3113)又は(3114)のいずれかで表される基であることがより好ましく、下記式(3103)、(3107)又は(3111)のいずれかで表される基であることが更に好ましく、下記式(3103)又は(3107)で表される基であることが特に好ましい。
Figure 2016138175
式(1)中、R2は、前記式(3001)又は(3003)で表される置換基、水素原子、脂肪族炭化水素残基を表す。
2が表す脂肪族炭化水素残基としては、式(1)のX1及びY1が表す芳香族残基が有していてもよい置換基の項で述べた脂肪族炭化水素残基と同じものが挙げられる。
2が表す式(3001)で表される置換基中のR12及びR13、並びに式(3003)で表される置換基中のR14乃至R19としては、上記したR1が表す式(3001)で表される置換基及び式(3003)で表される置換基の項で述べたものと同じものが挙げられる。
式(1)におけるhが0以外の場合、A17、A18及びR2のいずれか複数個で環を形成してもよく、該形成してもよい環としては、A1、A2及びA3のいずれか複数個で形成してもよい環、並びにA6、A7及びA8のいずれか複数個で形成してもよい環と同じものが挙げられる。
該形成してもよい環は置換基を有してもよく、該置換基としては、式(1)のX1及びY1が表す芳香族残基が有していてもよい置換基の項で述べたものと同じものが挙げられる。
6、A7及びA8のいずれか複数個で形成してもよい環が、カルボニル基、チオカルボニル基等の置換基を有する場合には、環状ケトン又は環状チオケトン等を形成しても良く、これらの環は更に置換基を有しても良い。その場合の置換基としては、式(1)のX1及びY1が表す芳香族残基が有していてもよい置換基の項で述べたものと同じものが挙げられる。
式(1)におけるR2としては、式(3001)で表される基であって、かつR12及びR13が水素原子又は炭素数1乃至8のアルキル基であるか、若しくは式(3003)で表される基であって、R14及びR15がフェニル基又は式(3001)で表される基であって、R12及びR13が水素原子又は炭素数1乃至8のアルキル基であって、かつR16乃至R19がそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1乃至4のアルコキシ基であることがより好ましく、式(3003)で表される基であって、R14及びR15がフェニル基であって、かつR16乃至R19がそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1乃至4のアルコキシ基であるか、若しくは式(3003)で表される基であって、R14及びR15が式(3001)で表される基であって、R12及びR13が水素原子又は炭素数1乃至8のアルキル基であって、かつR16乃至R19がそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1乃至4のアルコキシ基であることが更に好ましい。
また、より具体的には、前記式(3101)乃至(3114)のいずれかで表される基であることが好ましく、前記式(3102)、(3103)、(3107)、(3108)、(3110)、(3111)、(3113)又は(3114)のいずれかで表される基であることがより好ましく、前記式(3103)、(3107)又は(3111)のいずれかで表される基であることが更に好ましく、前記式(3107)又は(3111)で表される基であることが特に好ましい。
式(1)で表される化合物がカルボキシル基、リン酸基、ヒドロキシル基及びスルホン酸基等の酸性基を置換基として有する場合は、それぞれ塩を形成してもよく、塩としては例えばリチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、又はマグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属等との塩、又は有機塩基、例えばテトラメチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、ピリジニウム、イミダゾリウム、ピペラジニウム、ピペリジニウム等の4級アンモニウム塩のような塩を挙げることができる。
式(1)で表される化合物は、シス体、トランス体、ラセミ体等の構造異性体をとり得るが、特に限定されず、いずれの異性体も本発明における光増感用色素として良好に使用しうるものである。
式(1)におけるa乃至h、X1、Y1、Z1乃至Z6、A1乃至A18、R1及びR2の好ましい組合せは、上記したa乃至h、X1、Y1、Z1乃至Z6、A1乃至A18、R1及びR2のそれぞれにおいて好ましいとされるものや、より好ましいとされるもの同士の組み合わせである。
上記式(1001)乃至(1017)、(1019)及び(1020)に示されるように、窒素原子の陽電荷を中和するための対イオンは分子間又は分子内のいずれで形成しても良い。分子間の好ましい対イオンとしてはヨウ素、過塩素酸、ビストリフルオロメチルスルホンイミド、トリストリフルオロメチルスルホニルメタン、6フッ化アンチモン酸、テトラフルオロホウ酸等の各アニオンが挙げられる。また分子内の好ましい対イオンとしては陽電荷を有する窒素原子に結合した酢酸−2−イル、プロピオン酸−3−イル、スルホエタン−2−イルの各アニオン等が挙げられる。
前記式(1)で表される化合物は、例えば、以下に示す反応式によって製造できるが、本発明はこれらの合成法に限定されるものではない。
式(2)で表される化合物と式(3)で表されるボロン酸類との反応により式(4)で表される化合物を得る。次いで式(4)で表される化合物を、N−ヨードこはく酸イミドで処理し、更に式(5)で表されるボロン酸類と反応させて式(6)で表される化合物を得る。
他方、前記の式(2)で表される化合物と式(3)で表される化合物を用いて式(6)で表される化合物を得たのと同様の手法で、式(7)で表される化合物と式(8)で表される化合物を用いて式(9)で表される化合物を得る。
Figure 2016138175
前記で得た式(6)で表される化合物と式(10)で表される化合物との反応により得られる式(11)で表される化合物に、更に前記で得た式(9)で表される化合物を反応させて式(12)で表される化合物を得る。尚、ここでは式(10)で表される化合物に、先ず式(6)で表される化合物を反応させ、次いで式(9)で表される化合物を反応させる手法を記載したが、式(10)で表される化合物中のハロゲン原子の組合せの異なる化合物を用いることにより、先ず式(9)で表される化合物を反応させ、次いで式(6)で表される化合物を反応させることも出来る。また、式(6)で表される化合物と式(9)で表される化合物が同一の場合には、式(10)で表される化合物中のハロゲン原子が同一の化合物を用いて、式(6)で表される化合物と式(9)で表される化合物を同時に反応させることも出来る。
次いで、式(12)で表される化合物を、N−ヨードコハク酸イミドで処理することにより、式(13)で表される化合物を得る。
Figure 2016138175
式(14)で表される化合物と前記式(5)で表されるボロン酸類との反応により、式(15)で表される化合物を得る。次いで式(15)で表される化合物と前記で得た式(13)で表される化合物との反応により得た式(16)で表される化合物を、N−ヨードこはく酸イミドで処理して式(17)で表される化合物を得る。
Figure 2016138175
前記で得た式(17)で表される化合物と式(18)で表される化合物との反応により得た式(19)で表される化合物に、式(20)で表されるボロン酸類を反応させて式(21)で表される化合物を得る。
この式(21)で表される化合物と式(22)で表される活性メチレンを有する化合物を、必要であれば苛性ソーダ、ナトリウムメチラート、酢酸ナトリウム、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ピペリジン、ピペラジン、ジアザビシクロウンデセン等の塩基性触媒の存在下、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類やジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等の非プロトン性極性溶媒やトルエン、無水酢酸、アセトニトリル等の溶媒中、20℃乃至180℃好ましくは50℃乃至150℃で縮合することにより本発明の式(1)で表される化合物(色素)が得られる。
尚、上記反応において、式(22)で表される活性メチレンを有する化合物がエステル基を有する場合、縮合反応後、加水分解等を行うことによりカルボン酸体を得ることも可能である。
Figure 2016138175
式(1−1)で表される化合物(式(1)におけるa、c及びhが0であって、fが1であって、A1、A6、A11、A12、A13、A14、A15及びA16がいずれも水素原子である化合物)の具体例を、表1乃至表13に示す。各表において、Phはフェニル基を意味する。(1001)乃至(1033)と表記したものは、上記式(1001)乃至(1033)に対応する。(2001)乃至(2044)と表記したものは、X1とY1が互いに結合して形成する環を表し、上記式(2001)乃至(2044)に対応する。また、(3101)乃至(3119)と表記したものは、上記式(3101)乃至(3119)に対応する。
Figure 2016138175
Figure 2016138175
Figure 2016138175
Figure 2016138175
Figure 2016138175
Figure 2016138175
Figure 2016138175
Figure 2016138175
Figure 2016138175
Figure 2016138175
Figure 2016138175
Figure 2016138175
Figure 2016138175
Figure 2016138175
式(1−2)で表される化合物(式(1)におけるe及びgが0であって、fが1であって、A1、A2、A3、A6、A7、A8、A11及びA14がいずれも水素原子であるメチン系色素化合物)の具体例を、表14乃至表24に示す。各表において、Phはフェニル基を意味する。(1001)乃至(1033)と表記したものは、上記式(1001)乃至(1033)に対応する。(2001)乃至(2044)と表記したものは、XとYが互いに結合して形成する環を表し、上記式(2001)乃至(2044)に対応する。また、(3101)乃至(3119)と表記したものは、上記式(3101)乃至(3119)に対応する。
Figure 2016138175
Figure 2016138175
Figure 2016138175
Figure 2016138175
Figure 2016138175
Figure 2016138175
Figure 2016138175
Figure 2016138175
Figure 2016138175
Figure 2016138175
Figure 2016138175
Figure 2016138175
本発明の光電変換素子は、例えば、酸化物半導体微粒子を用いて基板上に酸化物半導体微粒子の薄膜を設け、次いでこの薄膜に式(1)で表される化合物(色素)を担持させたものである。
酸化物半導体微粒子の薄膜を設ける基板としては、その表面が導電性であるものが好ましいが、そのような基板は市場にて容易に入手可能である。例えば、ガラス又はポリエチレンテレフタレート若しくはポリエーテルスルフォン等の透明性のある高分子材料等の表面にインジウム、フッ素、アンチモンをドープした酸化スズ等の導電性金属酸化物や銅、銀、金等の金属の薄膜を設けたものを基板として用いることが出来る。その導電性としては通常1000Ω以下であれば良く、特に100Ω以下のものが好ましい。
酸化物半導体の微粒子としては金属酸化物が好ましく、その具体例としてはチタン、スズ、亜鉛、タングステン、ジルコニウム、ガリウム、インジウム、イットリウム、ニオブ、タンタル、バナジウム等の酸化物が挙げられる。これらのうちチタン、スズ、亜鉛、ニオブ、インジウム等の酸化物が好ましく、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズが最も好ましい。これらの酸化物半導体は単一で使用することも出来るが、混合したり、半導体の表面にコーティングさせて使用することも出来る。
また、酸化物半導体の微粒子の粒径は、平均粒径として通常1乃至500nm、好ましくは1乃至100nmである。この酸化物半導体の微粒子は大きな粒径のものと小さな粒径のものを混合したり、多層にして用いることも出来る。
酸化物半導体微粒子の薄膜は酸化物半導体微粒子をスプレイ噴霧等で直接前記基板上に半導体微粒子の薄膜として形成する方法、基板を電極として電気的に半導体微粒子を薄膜状に析出させる方法、半導体微粒子のスラリー又は半導体アルコキサイド等の半導体微粒子の前駆体を加水分解することにより得られた微粒子を含有するペーストを基板上に塗布した後、乾燥、硬化もしくは焼成する等によって製造することが出来る。酸化物半導体を用いる電極の性能上、スラリーを用いる方法が好ましい。この方法の場合、スラリーは2次凝集している酸化物半導体微粒子を常法により分散媒中に平均1次粒子径が1乃至200nmになるように分散させることにより得られる。
スラリーを分散させる分散媒としては、半導体微粒子を分散させ得るものであれば何でも良く、水、エタノール等のアルコール、アセトン及びアセチルアセトン等のケトン、ヘキサン等の炭化水素等が用いられ、これらは混合して用いても良く、また水を用いることはスラリーの粘度変化を少なくするという点で好ましい。また酸化物半導体微粒子の分散状態を安定化させる目的で分散安定剤を用いることが出来る。用いられる分散安定剤の例としては例えば酢酸、塩酸、硝酸等の酸、又はアセチルアセトン、アクリル酸、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール等の有機溶媒等が挙げられる。
スラリーを塗布した基板は焼成してもよく、その焼成温度は通常100℃以上、好ましくは200℃以上で、かつ上限はおおむね基板材料の融点(軟化点)以下であり、通常上限は900℃であり、好ましくは600℃以下である。また焼成時間には特に限定はないが、概ね4時間以内が好ましい。基板上の薄膜の厚みは通常1乃至200μmで、好ましくは1乃至50μmである。
酸化物半導体微粒子の薄膜に2次処理を施してもよい。すなわち、例えば半導体と同一の金属のアルコキサイド、塩化物、硝化物、硫化物等の溶液に直接、基板ごと薄膜を浸積させて乾燥もしくは再焼成することにより半導体微粒子の薄膜の性能を向上させることもできる。金属アルコキサイドとしてはチタンエトキサイド、チタンイソプロポキサイド、チタンt−ブトキサイド、n−ジブチル−ジアセチルスズ等が挙げられ、それらのアルコール溶液が用いられる。塩化物としては例えば四塩化チタン、四塩化スズ、塩化亜鉛等が挙げられ、その水溶液が用いられる。このようにして得られた酸化物半導体薄膜は酸化物半導体の微粒子から成っている。
次に、酸化物半導体微粒子の薄膜に、本発明の前記式(1)で表される化合物(色素)を担持させる方法について説明する。
前記式(1)で表される化合物を担持させる方法としては、該化合物を溶解しうる溶媒にて化合物を溶解して得た溶液、又は溶解性の低い化合物にあっては化合物を分散せしめて得た分散液に上記酸化物半導体微粒子の薄膜の設けられた基板を浸漬する方法が挙げられる。溶液又は分散液中の濃度は化合物によって適宜決める。その溶液中に基板上に作成した半導体微粒子の薄膜を浸す。浸漬温度はおおむね常温から溶媒の沸点迄であり、また浸漬時間は1分間から48時間程度である。化合物を溶解させるのに用いられる溶媒の具体例として、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、テトラヒドロフラン(THF)、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトン、n−ブタノール、t−ブタノール、水、n−ヘキサン、クロロホルム、ジクロロメタン、トルエン等が挙げられ、化合物の溶解度等に合わせて、単独又は複数を混合して用いることができる。溶液の化合物濃度は通常1×10-6M乃至1Mであり、好ましくは1×10-5M乃至1×10-1Mである。
浸漬が終わったあと、風乾又は必要により加熱して溶媒を除去する。この様にして式(1)で表される化合物で増感された酸化物半導体微粒子の薄膜を有した本発明の光電変換素子が得られる。
担持する前記式(1)で表される化合物(色素)は1種類でも良いし、数種類混合しても良い。又、混合する場合は本発明の式(1)で表される化合物同士でも良いし、他の色素や金属錯体色素を混合しても良い。特に吸収波長の異なる色素と混合することにより、幅広い吸収波長を利用することが出来、変換効率の高い太陽電池が得られる。混合しうる金属錯体色素の例としては特に制限は無いが、非特許文献2に示されているルテニウム錯体やその4級アンモニウム塩化合物、フタロシアニン、ポルフィリン等が好ましく、混合利用する有機色素としては無金属のフタロシアニン、ポルフィリンやシアニン、メロシアニン、オキソノール、トリフェニルメタン系、特許文献2に示されるアクリル酸系色素等のメチン系色素や、キサンテン系、アゾ系、アンスラキノン系、ペリレン系等の色素が挙げられる。好ましくはルテニウム錯体やメロシアニン、アクリル酸系等のメチン系色素が挙げられる。色素を2種以上用いる場合は色素を半導体微粒子の薄膜に順次吸着させても、混合溶解して吸着させても良い。
混合する色素の比率に特に限定は無く、それぞれの色素について最適化条件が適宜選択されるが、一般的に等モルずつの混合から、1つの色素につき、10%モル程度以上使用するのが好ましい。2種以上の色素を溶解又は分散した溶液を用いて、酸化物半導体微粒子の薄膜に色素を吸着する場合、溶液中の色素合計の濃度は1種類のみ担持する場合と同様でよい。色素を混合して使用する場合の溶媒としては前記したような溶媒が使用可能であり、使用する溶媒は同一でも異なっていてもよい。
酸化物半導体微粒子の薄膜に色素を担持する際、色素同士の会合を防ぐために包摂化合物の共存下、色素を担持することが有利である。ここで包摂化合物としてはコール酸等のステロイド系化合物、クラウンエーテル、シクロデキストリン、カリックスアレン、ポリエチレンオキサイド等が挙げられるが、好ましいものの具体例としてはデオキシコール酸、デヒドロデオキシコール酸、ケノデオキシコール酸、コール酸メチルエステル、コール酸ナトリウム等のコール酸類、ポリエチレンオキサイド等が挙げられる。また、色素を担持させた後、4−t−ブチルピリジン等のアミン化合物で半導体微粒子の薄膜を処理しても良い。処理の方法は例えばアミン化合物のエタノール溶液に色素を担持した半導体微粒子の薄膜の設けられた基板を浸す方法等が採用される。
本発明の太陽電池は上記酸化物半導体微粒子の薄膜に色素を担持させた光電変換素子を一方の電極とし、対極、レドックス電解質又は正孔輸送材料又はp型半導体等から構成される。レドックス電解質、正孔輸送材料、p型半導体等の形態としては、液体、凝固体(ゲル及びゲル状)、固体等それ自体公知のものが使用出来る。液状のものとしてはレドックス電解質、溶融塩、正孔輸送材料、p型半導体等をそれぞれ溶媒に溶解させたものや常温溶融塩等が、凝固体(ゲル及びゲル状)の場合は、これらをポリマーマトリックスや低分子ゲル化剤等に含ませたもの等がそれぞれ挙げられる。固体のものとしてはレドックス電解質、溶融塩、正孔輸送材料、p型半導体等を用いることができる。正孔輸送材料としてはアミン誘導体やポリアセチレン、ポリアニリン、ポリチオフェン等の導電性高分子、トリフェニレン系化合物等が挙げられる。又、p型半導体としてはCuI、CuSCN等が挙げられる。対極としては導電性を持っており、レドックス電解質の還元反応を触媒的に作用するものが好ましい。例えばガラス又は高分子フィルムに白金、カーボン、ロジウム、ルテニウム等を蒸着したものや、導電性微粒子を塗り付けたものが用いられる。
本発明の太陽電池に用いるレドックス電解質としてはハロゲンイオンを対イオンとするハロゲン化合物及びハロゲン分子からなるハロゲン酸化還元系電解質、フェロシアン酸塩−フェリシアン酸塩やフェロセン−フェリシニウムイオン、コバルト錯体等の金属錯体等の金属酸化還元系電解質、アルキルチオール−アルキルジスルフィド、ビオロゲン色素、ヒドロキノン−キノン等の有機酸化還元系電解質等をあげることができるが、ハロゲン酸化還元系電解質が好ましい。ハロゲン化合物−ハロゲン分子からなるハロゲン酸化還元系電解質におけるハロゲン分子としては、例えばヨウ素分子や臭素分子等があげられ、ヨウ素分子が好ましい。又、ハロゲンイオンを対イオンとするハロゲン化合物としては、例えばLiBr、NaBr、KBr、LiI、NaI、KI、CsI、CaI2、MgI2、CuI等のハロゲン化金属塩あるいはテトラアルキルアンモニウムヨーダイド、イミダゾリウムヨーダイド、ピリジニウムヨーダイド等のハロゲンの有機4級アンモニウム塩等があげられるが、ヨウ素イオンを対イオンとする塩類が好ましい。また、上記ヨウ素イオンの他にビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオン、ジシアノイミドイオン等のイミドイオンを対イオンとする電解質を用いることも好ましい。
また、レドックス電解質はそれを含む溶液の形で構成されている場合、その溶媒には電気化学的に不活性なものが用いられる。例えばアセトニトリル、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、3−メトキシプロピオニトリル、メトキシアセトニトリル、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、γ−ブチロラクトン、ジメトキシエタン、ジエチルカーボネート、ジエチルエーテル、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキサイド、1,3−ジオキソラン、メチルフォルメート、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチル−オキサゾリジン−2−オン、スルフォラン、テトラヒドロフラン、水等が挙げられ、これらの中でも、アセトニトリル、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、3−メトキシプロピオニトリル、メトキシアセトニトリル、エチレングリコール、3−メチル−オキサゾリジン−2−オン、γ−ブチロラクトン等が特に好ましい。これらは単独もしくは2種以上組み合わせて用いても良い。ゲル状電解質の場合は、オリゴマ−及びポリマー等のマトリックスに電解質あるいは電解質溶液を含有させたものや、低分子ゲル化剤等に同じく電解質あるいは電解質溶液を含有させたもの等が挙げられる。レドックス電解質の濃度は通常0.01乃至99質量%で、好ましくは0.1乃至90質量%程度である。
本発明の太陽電池は、基板上の酸化物半導体微粒子の薄膜に、本発明の式(1)で表される化合物(色素)を担持した光電変換素子の電極に、それを挟むように対極を配置する。その間にレドックス電解質を含んだ溶液を充填することにより得られる。
以下に実施例に基づき、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例中、部は特に指定しない限り質量部をあらわす。溶液の濃度を表すMは、mol/Lを表す。極大吸収波長は紫外可視分光光度計(UV−3100PC、島津製作所製)により測定した。核磁気共鳴は、JNM−ECS400(日本電子社製)により測定した。
合成例1
2,3−ジブロモチオフェン20部、5−ホルミル−2−チオフェンボロン酸31部、ビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム(0)1.7部、フッ化セシウム50部、水112部を1,4−ジオキサン516部に加え、80℃で3時間反応させた。反応混合物を、クロロホルム−水で抽出、クロロホルム相を濃縮後、カラムクロマト(クロロホルム−ヘキサン)で分離、精製し、下記式(800)で表される化合物21部を黄色固体として得た。
Figure 2016138175
合成例2
合成例1で得られた式(800)で表される化合物10部を酢酸210部とクロロホルム296部の混合液に溶解した溶液に、N−ヨードこはく酸イミド9部を加え、遮光下100℃で5時間攪拌した。反応混合物を、クロロホルム−水で抽出、クロロホルム相を濃縮後、カラムクロマト(クロロホルム−ヘキサン)で分離、精製し、下記式(801)で表される化合物13部を暗黄色固体として得た。
Figure 2016138175
合成例3
合成例2で得られた式(801)で表される化合物1.2部、3−クロロ−2−チオフェンボロン酸0.5部、ビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム(0)0.029部、フッ化セシウム0.851部、水3.8部を1,4−ジオキサン18部に加え、3時間還流させた。3−クロロ−2−チオフェンボロン酸0.25部、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)0.015部を追加し、さらに3時間還流させた。反応混合物を、トルエン/水で抽出、トルエン相を濃縮後、カラムクロマト(クロロホルム−ヘキサン)で分離、精製し、下記式(802)で表される化合物0.41部を黄色固体として得た。
Figure 2016138175
合成例4
合成例3で得られた式(802)で表される化合物0.82部を酢酸26部とクロロホルム37部の混合液に溶解した溶液に、N−ヨードこはく酸イミド0.54部を加え、遮光下3時間還流した。反応混合物を、クロロホルム−水で抽出、クロロホルム相を濃縮後、カラムクロマト(クロロホルム−ヘキサン)で分離、精製し、下記式(803)で表される化合物1部を黄褐色固体として得た。
Figure 2016138175
合成例5
[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)ジクロロメタン付加物1.6部、酢酸カリウム2部及びビス(ピナコラート)ジボロン2部をジメチルスルホキシド22部に加え、窒素雰囲気下攪拌した。9,9−ジブチル−N−(9,9−ジブチルフルオレン−2−イル)−N−(4−ヨードフェニル)フルオレン−2−アミン5部をジメチルスルホキシド66部に溶解させた溶液を加え、80℃で5時間攪拌した。反応混合物を、トルエン−水で抽出、トルエン相を濃縮後、カラムクロマト(クロロホルム−ヘキサン)で分離、精製し、下記式(804)で表される化合物3.5部を白色固体として得た。
Figure 2016138175
合成例6
合成例4で得られた式(803)で表される化合物1部、合成例5で得られた式(804)で表される化合物1.7部、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)0.062部及び2M炭酸ナトリウム水溶液6.4部を1,2−ジメトキシエタン49部に加え、還流下6時間反応させた。反応混合物を、トルエン−水で抽出、トルエン相を濃縮後、カラムクロマト(クロロホルム−ヘキサン)で分離、精製し、下記式(805)で表される化合物1.1部を朱色固体として得た。
Figure 2016138175
合成例7
4−(ジフェニルアミノ)フェニルボロン酸0.16部、合成例6で得られた式(805)で表される化合物0.107部、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)0.0046部、テトラフルオロほう酸トリ−tert−ブチルホスフィン0.0035部及びフッ化カリウム0.19部をテトラヒドロフラン1.8部に加え、室温で47時間撹拌した。テトラヒドロフラン1.8部、4−(ジフェニルアミノ)フェニルボロン酸0.16部、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)0.0046部、テトラフルオロほう酸トリ−tert−ブチルホスフィン0.0035部を追加し、還流下6時間反応させた。反応混合物を、クロロホルム−水で抽出、クロロホルム相を濃縮後、カラムクロマト(クロロホルム)で分離、精製し、下記式(806)で表される化合物0.014部を赤橙色固体として得た。
Figure 2016138175
実施例1
合成例7で得られた式(806)で表される化合物0.05部とシアノ酢酸0.02部をエタノール−トルエン(2:1)混合液10部に溶解させ、無水ピペラジン0.005部を加え、還流下1時間反応させた。シアノ酢酸0.02部を追加し、さらに3時間反応させた。シアノ酢酸0.02部を再度追加し、さらに3時間反応させた。反応混合物を、クロロホルム−水で抽出、クロロホルム相を濃縮後、カラムクロマト(クロロホルム−エタノール)で分離、精製した。濃縮後得られた赤褐色固体を、クロロホルム−ヘキサンから再結晶し、下記式(807)で表される本発明化合物0.01部を赤褐色固体として得た。
核磁気共鳴の測定値;1H-NMR(PPM:DMSO-d6):0.57(m.8H),0.66(t.12H),1.02(m.8H), 1.87(m.8H),7.05(m.12H),7.19(d.1H),7.21(d.2H),7.29(m.10H),7.40(m.4H),7.53(s.1H),7.64(m.4H),7.74(m.2H),7.77(d,2H),7.98(s,1H),7.99(s,1H)
Figure 2016138175
合成例8
9,9−ジブチル−2−ヨードフルオレン26部、3−チオフェンボロン酸10部、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)2.3部及び20%炭酸ナトリウム水溶液180部を1,2−ジメトキシエタン340部に加え、還流下5時間反応させた。反応混合物を、トルエン−水で抽出、トルエン相を濃縮後、カラムクロマト(トルエン−ヘキサン)で分離、精製し、下記化合物(808)15部を無色オイルとして得た。
Figure 2016138175
合成例9
化合物(808)15部を酢酸40部とクロロホルム60部の混合液に溶解し、N−ブロモこはく酸イミド5部を加え、還流下で攪拌した。1時間後、N−ブロモこはく酸イミド2.5部を追加し、還流下でさらに1時間攪拌した。反応混合物を、クロロホルム−水で抽出、クロロホルム相を濃縮後、カラムクロマト(ヘキサン)で分離、精製し、下記化合物(809)17部を無色オイルとして得た。
Figure 2016138175
合成例10
化合物(809)2.1部とジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)0.105部を1,4−ジオキサン21部に加え、窒素雰囲気下で撹拌した。ピナコールボラン1部、トリエチルアミン1.5部を加え、還流下で3時間攪拌した。反応混合物を、クロロホルム−水で抽出、クロロホルム相を濃縮後、カラムクロマト(ヘキサン)で分離、精製し、下記化合物(810)1.1部を無色タール状として得た。
Figure 2016138175
合成例11
合成例10で得られた式(810)で表される化合物1.1部、合成例2で得られた式(801)で表される化合物0.645部、ビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム(0)0.035部、フッ化セシウム0.456部、水1.9部を1,4−ジオキサン9部に加え、80℃で3.5時間反応させた。反応混合物を、クロロホルム/水で抽出、クロロホルム相を濃縮後、カラムクロマト(クロロホルム−ヘキサン)で分離、精製し、下記式(811)で表される化合物0.42部を黄色固体として得た。
Figure 2016138175
合成例12
合成例11で得られた式(811)で表される化合物0.42部を酢酸6.8部とクロロホルム9.6部の混合液に溶解した溶液に、N−ヨードこはく酸イミド0.142部を加え、遮光下50℃で反応させた。1時間後、N−ヨードこはく酸イミド0.072部を加え、さらに3時間反応させた。反応混合物を、クロロホルム−水で抽出、クロロホルム相を濃縮後、カラムクロマト(クロロホルム−ヘキサン)で分離、精製し、下記式(812)で表される化合物0.452部を黄色固体として得た。
Figure 2016138175
合成例13
合成例12で得られた式(812)で表される化合物0.452部、合成例5で得られた式(804)で表される化合物0.664部、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)0.020部及び2M炭酸ナトリウム水溶液2.5部を1,2−ジメトキシエタン35部に加え、還流下6時間反応させた。反応混合物を、クロロホルム−水で抽出、クロロホルム相を濃縮後、カラムクロマト(クロロホルム−ヘキサン)で分離、精製し、下記式(813)で表される化合物0.228部を赤橙色固体として得た。
Figure 2016138175
実施例2
合成例13で得られた式(813)で表される化合物0.228部とシアノ酢酸0.085部をエタノール−トルエン(1:1)混合液17部に溶解させ、無水ピペラジン0.005部を加え、還流下1.5時間反応させた。シアノ酢酸0.085部を追加し、さらに4時間反応させた。シアノ酢酸0.085部を再度追加し、さらに6時間反応させた。反応混合物を、クロロホルム−水で抽出、クロロホルム相を濃縮後、カラムクロマト(クロロホルム−エタノール)で分離、精製した。濃縮後得られた赤褐色固体を、クロロホルム−ヘキサンから再結晶し、下記式(814)で表される本発明化合物0.08部を赤褐色固体として得た。
核磁気共鳴の測定値;1H-NMR(PPM:DMSO-d6):0.56(m.30H),0.86(m.4H),1.00(m.8H),1.90(m.12H),7.04(m.4H),7.09(d.1H),7.19(d.2H),7.29(m.7H),7.40(m.3H),7.43(s.1H),7.47(m.1H),7.52(m.2H),7.56(m.1H),7.65(m,3H),7.72(m,2H),7.75(d,2H),7.82(m.1H),7.90(d,1H),7.94(s,1H),8.02(s,1H)
Figure 2016138175
実施例3及び比較例1
実施例2で得られた式(814)で表わされる本発明の化合物番号1又は下記式(E)によって表わされる国際公開特許WO2013/147145に記載の化合物(190)を0.8×10-4M、下記式(c)で表わされるコール酸を2×10-2Mとなるようにそれぞれクロロホルムに溶解した。
Figure 2016138175
Figure 2016138175
これらの溶液中にそれぞれ多孔質基板(透明導電性ガラス電極上に多孔質酸化チタンを450℃にて30分間焼結した半導体薄膜電極)を40℃で3日間浸漬し色素を担持せしめ、溶剤で洗浄、乾燥させ、コール酸類処理色素増感半導体薄膜を得た。多孔質基板の半導体薄膜側と対峙させて20μmの空隙を設けて、白金でスパッタした導電性ガラスのスパッタ面を固定し、その空隙に電解質を含む溶液を注入した。電解液は、3−メトキシプロピオニトリルにヨウ素/ヨウ化リチウム/1−メチル−3−n−プロピルイミダゾリウムアイオダイド/ブチリルチオコリンアイオダイドをそれぞれ0.1M/0.2M/1.2M/0.2Mになるように溶解したものを使用した。
測定する電池の大きさは実効部分を12cm2とした。光耐久試験は、電池の両面にUVカットフィルタ(UV400、美装社製)を貼りつけ、耐光試験機(ESC0405−F70、岩崎電気社製)を用いて1SUN、40℃で500時間行った。光電変換特性は、500Wキセノンランプを光源に用いて、AM(大気圏通過空気量)1.5フィルターを通して100mW/cm2とした。短絡電流、解放電圧、変換効率はポテンシオ・ガルバノスタットを用いて測定した。測定結果を表25に示す。
Figure 2016138175
表25に示す通り、一般式(1)で表されるメチン系の色素によって増感された光電変換素子を用いることにより、耐光性に優れ、高い変換効率を維持することができる太陽電池が得られることが実証された。
本発明の色素増感光電変換素子において、特定の部分構造を有する色素を用いることにより、光耐久性が高く、高い変換効率を維持することができる太陽電池を提供することができる。

Claims (16)

  1. 下記式(1)
    Figure 2016138175
    (式(1)中、a、c及びhはそれぞれ独立に0乃至6の整数を、b、d及びfはそれぞれ独立に1乃至3の整数を、e及びgはそれぞれ独立に0乃至3の整数を表す。
    1及びY1はそれぞれ独立に水素原子、芳香族残基、脂肪族炭化水素残基、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基、シアノ基、アシル基、アミド基、アルコキシカルボニル基又はベンゼンスルフォニル基を表す。また、X1とY1は互いに結合して環を形成してもよい。
    1、Z2、Z3、Z4、Z5及びZ6はそれぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はNR11を表す。R11は水素原子、芳香族残基又は脂肪族炭化水素残基を表す。b、d、e、f及びgのいずれか少なくとも一つが2以上で、Z1、Z2、Z4、Z5及びZ6のいずれかが複数存在する場合、Z1、Z2、Z4、Z5及びZ6はそれぞれ同一か又は異なっていてもよい。
    1、A2、A3、A6、A7、A8、A17及びA18はそれぞれ独立に水素原子、芳香族残基、脂肪族炭化水素残基、シアノ基、ハロゲン原子、カルボンアミド基、アミド基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールカルボニル基又はアシル基を表す。また、a、c及びhのいずれか少なくとも一つが2以上で、A2、A3、A7、A8、A17及びA18のいずれかが複数存在する場合には、A2、A3、A7、A8、A17及びA18はそれぞれ同一か又は異なっていてもよい。また、aが0以外の場合、A1、A2及びA3のいずれか複数個で環を形成してもよく、cが0以外の場合、A6、A7及びA8のいずれか複数個で環を形成してもよい。
    4、A5、A9、A10、A12、A13、A15及びA16はそれぞれ独立に水素原子、脂肪族炭化水素残基、シアノ基、ハロゲン原子、カルボンアミド基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基又はアシル基を表す。b、d、e及びgのいずれか少なくとも一つが2以上でA4、A5、A9、A10、A12、A13、A15及びA16のいずれかが複数存在する場合、A4、A5、A9、A10、A12、A13、A15及びA16はそれぞれ同一か又は異なっていてもよい。
    11及びA14はそれぞれ独立に水素原子、脂肪族炭化水素残基、シアノ基、ハロゲン原子、カルボンアミド基、アルコキシ基、アミド基、アルコキシカルボニル基又はアシル基を表す。fが2以上でA14が複数存在する場合、それぞれのA14は同一か又は異なっていてもよい。
    1は下記式(3001)又は(3003)
    Figure 2016138175
    (式(3001)又は(3003)中、R12、R13、R14及びR15は、それぞれ独立に水素原子、芳香族残基又は脂肪族炭化水素残基を表す。R16、R17、R18及びR19は、それぞれ独立に水素原子、芳香族残基、脂肪族炭化水素残基、シアノ基、アシル基、アミド基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基又はベンゼンスルフォニル基を表す。)で表される置換基を表す。fが2以上でR1が複数存在する場合、それぞれのR1は同一か又は異なっていてもよい。
    2は前記式(3001)又は(3003)で表される置換基、水素原子、脂肪族炭化水素残基を表す。また、hが0以外の場合、A17、A18及びR2のいずれか複数個で環を形成しても良い。)
    で表される化合物。
  2. 式(1)におけるa、c及びhが0である請求項1に記載の化合物。
  3. 式(1)におけるe及びgが0である請求項1に記載の化合物。
  4. 式(1)におけるZ1乃至Z6が硫黄原子である請求項1に記載の化合物。
  5. 式(1)におけるX1及びY1のいずれか一方がカルボキシル基で他方がカルボキシル基、シアノ基又はアシル基である請求項1に記載の化合物。
  6. 式(1)におけるX1及びY1のいずれか一方がカルボキシル基で他方がシアノ基である請求項5に記載の化合物。
  7. 式(1)におけるR1が、下記式(3101)乃至(3114)
    Figure 2016138175
    のいずれかで表される基である請求項1に記載の化合物。
  8. 式(1)におけるR1が、式(3102)、(3103)、(3107)、(3108)、(3110)、(3111)、(3113)又は(3114)のいずれかで表される基である請求項7に記載の化合物。
  9. 式(1)におけるR1が、式(3103)又は(3107)で表される基である請求項8に記載の化合物。
  10. 式(1)におけるR2が、請求項7に記載の式(3101)乃至(3114)のいずれかで表される基である請求項9に記載の化合物。
  11. 式(1)におけるR2が、式(3107)、(3108)、(3110)、(3111)、(3113)又は(3114)のいずれかで表される基である請求項10に記載の化合物。
  12. 式(1)におけるR2が、式(3107)又は(3111)で表される基である請求項11に記載の化合物。
  13. 下記式(814)
    Figure 2016138175
    で表される請求項1に記載の化合物。
  14. 基板上に設けられた酸化物半導体微粒子の薄膜に、請求項1に記載の式(1)で表される化合物を担持させてなる光電変換素子。
  15. 酸化物半導体微粒子が、二酸化チタン、酸化亜鉛又は酸化スズを含有する請求項14に記載の光電変換素子。
  16. 請求項14又は15に記載の光電変換素子を備えてなる太陽電池。
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