JP6440195B2 - 圧着シート - Google Patents

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Description

本発明は、2つのシート部が、シート部上に印刷層が形成された後に接着剤層が形成され、この接着剤層によって剥離可能に接着される圧着シートに関する。
情報伝達媒体の1つであるはがきとして、伝達する情報の量を増やしたり、情報を隠蔽して送付したりするために、2つのシート部を剥離可能に接着した圧着はがきが利用されている。圧着はがきは、折り畳み可能に連接したはがきサイズの2つのシート部の少なくとも一方の面に、通常では接着力が発現せず、加圧することで接着力が発現する感圧接着剤を塗布しておき、感圧接着剤が塗布された面が内側となるように折り畳んで加圧することで、1枚のはがきの形態として送付することができる。
このような圧着はがきは、送付途中においては、2つのシート部が接着されていることにより、折り畳み状態にて内側となる面に印刷された情報を隠蔽することができる。また、圧着はがきの送付先において、2つのシート部が剥離されて見開かれることで情報が伝達されることにより、1枚のはがきよりも多くの情報を伝達することができる。
従来、いわゆる先糊タイプの圧着はがきが主流であったが、先糊タイプの圧着はがきは、感圧接着剤上に印刷が施されることになるため、例えばフルカラー印刷等のように接着面の全面に印刷が施される場合、印刷によって感圧接着剤による接着作用が妨げられてしまい、接着力が低下してしまうという問題点がある。
近年では、いわゆる後糊タイプの圧着はがきが多く利用されるようになってきている。例えば、特許文献1には、シート基材上にUV硬化型インクを用いて印刷を施した後、感圧接着剤を塗布し、シート基材を折り畳んで加圧することで剥離可能に接着する構成が開示されている。このような後糊タイプの圧着はがきは、シート部上に印刷が施された後に感圧接着剤が塗布されることになるため、先糊タイプの圧着はがきのように印刷によって感圧接着剤による接着力が低下してしまうことがなく、一定の接着力を発現させることができる。
ところで、特許文献2に記載のように、これらの圧着はがきでは、端部を強接着とするとともに他の領域を弱接着とし、強接着と弱接着との境界部分にミシン目を形成することにより、高い秘密保持性を保つとともに開封をしやすくしたものがある。
特開2005−213467号公報 特開平6−155967号公報
しかしながら、特許文献2に記載されたもののように、端部を強接着とするとともに他の領域を弱接着とする場合、強接着とする領域に用いる接着剤と、弱接着とする領域に用いる接着剤との2種類の接着剤を用いる必要があり、煩雑になってしまうという問題点がある。
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、強接着部を有する構成を1種類の接着剤を用いて実現することができる圧着シートを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、
剥離可能に接着される2つのシート部の接着面に印刷層が形成された後、前記印刷層が形成された面に水性エマルジョン型感圧接着剤により接着剤層が形成され、前記接着剤層によって前記2つのシート部が剥離可能に接着された圧着シートであって、
前記印刷層のうち前記接着剤層が形成された領域に強接着部を有し、
前記強接着部は、水性顔料インクを用いた50%以上の網点濃度の印刷によって前記印刷層が形成されている。
上記のように構成された本発明においては、2つのシート部が剥離可能に接着された構成において、2つのシート部の接着面に形成された印刷層のうちその上に接着剤層が形成された領域に設けられた強接着部の印刷層が、水性顔料インクを用いた50%以上の網点濃度の印刷によって形成されているが、いわゆる後糊タイプの圧着シートにおいて、印刷層を形成するインクとして水性顔料インクを用いた場合、UV硬化型インクとは異なり、接着剤層による接着力の低下が生じることがなく、却って印刷層による目止め効果が生じる。それにより、強接着部においては、接着剤層による接着力が、シート部に接着剤層が形成された他の領域以上のものとなり、1種類の接着剤を用いて強接着部を構成することができる。
また、印刷層が形成されていない領域を50%以上含めたり、印刷層をUV硬化型インクで形成したりすることにより、弱接着部を構成することも考えられる。
また、2つのシート部の互いに対向する領域のそれぞれに、上記同様の構成の強接着部を設けることで、強接着部の接着力をさらに強くすることもできる。
本発明によれば、2つのシート部が剥離可能に接着された構成において、2つのシート部の接着面に形成された印刷層のうちその上に接着剤層が形成された領域に設けられた強接着部の印刷層が、水性顔料インクを用いた50%以上の網点濃度の印刷によって形成されていることにより、強接着部においては、接着剤層による接着力が、シート部に接着剤層が形成された他の領域以上のものとなり、強接着部を有する構成を1種類の接着剤を用いて実現することができる。
本発明の圧着シートの第1の実施の形態を示す図であり、(a)は2つの紙片部の接着面の構成を示す図、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)は2つの紙片部の接着面とは反対側の面の構成を示す図である。 図1に示した圧着はがきの使用方法を説明するための図である。 図1に示した圧着はがきにおいて、紙基材上に、水性顔料インクを用いた印刷によって印刷層が形成され、その上に接着剤層が形成されていることによる作用を説明するための図である。 本発明の圧着シートの第2の実施の形態を示す図であり、(a)は2つの紙片部の接着面の構成を示す図、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)は2つの紙片部が接着された状態を一方の紙片部側から見た図、(d)は2つの紙片部が接着された状態を他方の紙片部側から見た図である。 図4に示した送付体の使用方法を説明するための図である。 本発明の圧着シートの第3の実施の形態を示す図であり、(a)は2つの紙片部の接着面の構成を示す図、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)は2つの紙片部が折り畳まれて接着された状態を示す図、(d)は(c)に示したA−A’断面図である。 図6に示した圧着はがきの使用方法を説明するための図である。
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の圧着シートの第1の実施の形態を示す図であり、(a)は2つの紙片部10,20の接着面の構成を示す図、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)は2つの紙片部10,20の接着面とは反対側の面の構成を示す図である。
本形態における圧着シートは図1に示すように、シート部となる2つの紙片部10,20が折り部30を介して折り畳み可能に連接して構成された圧着はがき5であって、これら紙片部10,20が折り部30を介して折り畳まれて接着されて構成される。
紙片部10,20はそれぞれ、折り部30とは反対側の辺に沿って強接着部4を有しており、その他の領域が、強接着部4よりも接着力が弱い弱接着部6となっている。紙片部10,20のそれぞれは、紙基材1の一方の面の強接着部4に印刷層3aが形成されており、印刷層3aが形成された状態のその面の全面に接着剤層2が形成されている。
紙片部10は、強接着部4の折り部30側に強接着部4に沿ってマイクロミシン12が形成されている。また、紙片部10のマイクロミシン12よりも折り部30側の領域には、接着剤層2が形成された面に通知情報41aが印刷されることでこの領域にも印刷層3bが形成されているとともに、その反対側の面に、この圧着はがき5の送付先の住所や氏名等の宛先情報43が印刷されることで印刷層(不図示)が形成されている。印刷層3a,3bは、水性顔料インクの印刷(印字)により形成される。水性顔料インクの印刷(印字)には、例えば、ミヤコシ社製のインクジェットプリンターであるMJPや、コダック社製のインクジェットプリンターであるプロスパーにて形成可能である。
紙片部20は、接着剤層2が形成された面のうち強接着部4以外の領域に、通知情報41bが印刷されることでこの領域にも印刷層3bが形成されている。
印刷層3aは、紙基材1上に、水性顔料インクを用いた網点濃度が100%のベタ印刷によって形成されている。
接着剤層2は、印刷層3a〜3cが形成された紙基材1上の全面に、水性エマルジョンタイプ型感圧接着剤が塗布されることによって形成され、感圧接着剤は、接着剤基剤、水、その他の成分を含み、接着剤基剤はゴムを主成分とするものが好ましい。具体的には、天然ゴム、天然ゴムを変性した変性ゴム、合成ゴム等が例示できる。水系である水性エマルジョン型感圧接着剤は、揮発性が低く、塗布量の調節が容易で、基材への塗布適性がより優れたものとなる。また、かかる感圧接着剤は、媒体が水であることで人体に無害であり、さらに引火性もなく、塗布工程や乾燥工程に防爆設備等の特殊設備が不要となる。天然ゴム系水性エマルジョン型の接着剤基剤としては、天然ゴム系粘着剤の基剤として公知のものが例示でき、具体的には、天然ゴムを主成分とするラテックス(天然ゴムラテックス);酸性ラテックス、解重合ラテックス、加硫ラテックス、グラフト化した天然ゴムラテックス等の、前記天然ゴムを変性した変性ゴムを主成分とする変性ラテックス;前記天然ゴムラテックスまたは変性ラテックスに対して、スチレンリッチSBRラテックス、ポリスチレンエマルジョン及びスチレン・アクリル共重合体エマルジョンからなる群から選択される一種以上を適当量配合した混合物等が例示できる。天然ゴムのグラフト化に用いるモノマーまたはオリゴマーは、重合性基を有するものであれば、目的に応じて任意に選択でき、モノマーであれば、(メタ)アクリル酸のアルキルエステル、スチレン等の重合性不飽和二重結合を有するものが例示できる。ここで、前記アルキルエステルは、メチルエステル又はエチルエステルであることが好ましい。天然ゴム系水性エマルジョン型の接着剤基剤としては、特に耐ブロッキング性、耐熱性、耐摩耗性等の観点から、天然ゴムにメタクリル酸メチル(MMA)をグラフト重合させて得られた変性ゴムを主成分とする変性ラテックス、天然ゴムにスチレンとメタクリル酸メチルとをグラフト重合させて得られた変性ゴムを主成分とする変性ラテックスが好ましい。天然ゴムにメタクリル酸メチルをグラフト重合させて得られた変性ゴムで好ましいものとしては、天然ゴム100質量部に対して、メタクリル酸メチルを10〜40質量部グラフト重合させたものが例示できる。天然ゴムにスチレンとメタクリル酸メチルとをグラフト重合させて得られた変性ゴムで好ましいものとしては、天然ゴム100質量部に対して、スチレン及びメタクリル酸メチルを合計で30〜70質量部重合させたものが例示できる。接着剤基剤は一種を単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合には、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて適宜選択すればよい。ただし、二種以上を併用する場合には、互いに同じ系のものを使用することが好ましい。前記感圧接着剤において、固形の配合成分の総量に対する接着剤基剤の配合量の割合は、50〜100質量%であることが好ましく、70〜100質量%であることがより好ましい。接着剤基剤の配合量の割合がこの範囲であることで、接着剤層2の接着力がより向上する。
上記のように構成された圧着はがき5は、接着剤層2が形成された面が内側となるように折り部30を介して折り畳まれ、2つの紙片部10,20が接着剤層2によって剥離可能に接着されることになるが、強接着部4は、紙基材1上に接着剤層2のみが形成された場合の紙片部10,20どうしの接着力以上の接着力を必要とする領域となっている。そして、紙片部10,20の弱接着部6に通知情報41a,41bが印刷されることで印刷層3bが形成されるとともに、強接着部4に印刷層3aが形成された後に接着剤層2が形成された、いわゆる後糊タイプの圧着はがき5である。
以下に、上記のように構成された圧着はがき5の使用方法について説明する。
図2は、図1に示した圧着はがき5の使用方法を説明するための図である。
図1に示した圧着はがき5は、図2(a)に示すように、接着剤層2が形成された面が内側となるように折り部30を介して折り畳まれ、2つの紙片部10,20が接着剤層2によって剥離可能に接着された状態で、宛先情報43に従ってその送付先に送付されていく。
その際、紙片部10,20の折り部30とは反対側の辺に沿う領域は、圧着はがき5の送付途中にて紙片部10,20が不用意に剥離しないように、その接着力が他の領域以上となる強接着部4とされる必要があり、そのために、紙基材1上に、水性顔料インクを用いた網点濃度が100%のベタ印刷によって印刷層3aが形成され、その上に接着剤層2が形成されている。
ここで、紙基材1上に、水性顔料インクを用いた印刷によって印刷層3aが形成され、その上に接着剤層2が形成されていることによる作用について説明する。
図3は、図1に示した圧着はがき5において、紙基材1上に、水性顔料インクを用いた印刷によって印刷層3aが形成され、その上に接着剤層2が形成されていることによる作用を説明するための図である。
図1に示した紙基材1上に、印刷層3aを形成せずに接着剤層2のみを形成した場合の紙片部10,20の剥離強度と、印刷層3aを形成した上に接着剤層2を形成した場合であって、印刷層3aとして紫外線硬化型インクと水性顔料インクを用いた場合のそれぞれの紙片部10,20の剥離強度を測定した。この際、接着剤層2を構成する水性エマルジョン型接着剤として、サイデン化学社製のMUX−111を用いた。
すると、図3に示すように、紙基材1上に印刷層3aを形成せずに接着剤層2のみを形成した場合の紙片部10,20の剥離強度は、2.0[N/6'']であった。
それに対して、図1に示した強接着部4のように、紙片部10,20のそれぞれに100%の網点濃度のベタ印刷で印刷層3aを形成した場合、紫外線硬化型インクを用いた場合では剥離強度が0.57[N/6'']と弱くなったものの、水性顔料インクを用いた場合では剥離強度が2.656[N/6'']と強くなった。
また、紙片部10,20のいずれか一方のみに、50%の網点濃度の印刷で印刷層3aを形成した場合、紫外線硬化型インクを用いた場合では剥離強度が1.59[N/6'']と弱くなったものの、水性顔料インクを用いた場合では剥離強度が2.338[N/6'']と強くなった。
また、紙片部10,20のいずれか一方のみに、100%の網点濃度のベタ印刷で印刷層3aを形成した場合、紫外線硬化型インクを用いた場合では剥離強度が0.90[N/6'']と弱くなったものの、水性顔料インクを用いた場合では剥離強度が2.634[N/6'']と強くなった。
なお、網点濃度とは、印刷層3aによる印刷の濃淡は、小さなドット(網点)の密度によって表現されるが、印刷領域におけるそのドットが占める割合を言い、印刷領域におけるドットが占める割合が100%のものを、網点濃度が100%のベタ印刷と言う。
このように、紙片部10,20の少なくとも一方の強接着部4に、水性顔料インクを用いた50%以上の網点濃度の印刷によって印刷層3aが形成された後、その上に接着剤層2が形成されていれば、接着剤層2による目止め効果が生じ、強接着部4における紙片部10,20どうしの接着力を、紙基材1上に接着剤層2のみが形成された場合の紙片部10,20どうしの接着力以上のものとすることができる。それにより、圧着はがき5の送付途中にて紙片部10,20が不用意に剥離することを回避できる。なお、網点濃度が100%のベタ印刷によって印刷層3aを形成すれば、印刷層3aによる目止め効果が向上し、水性顔料インクを用いた印刷による接着力が、紫外線硬化型インクを用いた印刷による接着力と比べてその差が顕著となる。
圧着はがき5が送付先に届けられると、図2(b)に示すように、マイクロミシン12が破断され、紙片部10,20のうち強接着部4以外の領域が剥離されていく。紙片部10,20のうち強接着部4以外の領域は、水性顔料インキを用いた網点濃度が100%のベタ印刷による印刷層3aが形成されていないことにより、容易に剥離することができる。
紙片部10,20が完全に剥離されて圧着はがき5が開封されると、図2(c)に示すように、紙片部10,20の接着面にそれぞれ印刷された通知情報41a,41bが視認可能となり、この通知情報41a,41bを圧着はがき5の送付先に通知することができる。
このように、通知情報41a,41bが印刷された後に接着剤層2が形成される、いわゆる後糊タイプの圧着はがき5において、紙片部10,20の折り部30とは反対側の辺に沿って強接着部4を設け、この強接着部4においては、水性顔料インクを用いた網点濃度が100%のベタ印刷によって印刷層3aを形成した後に接着剤層2が形成されることにより、圧着はがき5の送付途中において隠蔽すべき通知情報41a,41bを印刷しながらも、圧着はがき5の送付途中にて紙片部10,20が不用意に剥離することを回避でき、かつ、圧着はがき5の送付先においては、紙片部10,20を容易に剥離することができる。また、そのような構成を実現するために他の領域よりも紙片部10,20の接着力が強い強接着部4を有しているが、強接着部4を、水性顔料インクを用いた網点濃度が100%の印刷による印刷層3aを用いて構成していることで、強接着部4を有する構成を1種類の接着剤を用いて実現することができる。
また、上述したように、マイクロミシン12を破断することにより、紙片部10,20が剥離されるので、紙片部10,20が一度剥離されると、その痕跡が残ることとなり、例え紙片部10,20を再度接着したとしても、マイクロミシン12が破断していることによって圧着はがき5の不正な開封を検出することができる。
(第2の実施の形態)
図4は、本発明の圧着シートの第2の実施の形態を示す図であり、(a)は2つの紙片部の接着面の構成を示す図、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)は2つの紙片部が接着された状態を紙片部110側から見た図、(d)は2つの紙片部が接着された状態を紙片部120側から見た図である。
本形態は図4に示すように、シート部となる2つの紙片部110,120が折り部130を介して折り畳み可能に連接して構成された送付体105であって、これら紙片部110,120が折り部130を介して折り畳まれて接着されて構成される。
紙片部110は、折り部130に対向する辺の中央部に摘み部111が設けられている。すなわち、摘み部111は、紙片部110の折り部130に対向する端部の、折り部130に対向する辺の中央部に沿う領域に設けられている。摘み部111は、紙片部110の折り部130に対向する辺の中央部を中心として互いに所定の間隔を有して折り部130に向かって形成された2本のスリット111a,111bによって形成されている。スリット111a,111bは、折り部130に対向する辺上の端部が互いに向かい合うように丸みを帯びており、また、折り部130側の端部が互いに離れる方向に向かうように丸みを帯びている。スリット111a,111bの折り部130側の端部からは、それぞれ弧を描いて折り部130に対して垂直に到達するように切り離し線となるミシン目112a,112bが形成されている。すなわち、紙片部110に形成された2本のミシン目112a,112bは、摘み部111から折り部130に向かって互いの間隔が広がっていくように形成されていることになる。このミシン目112a,112b、摘み部111及び折り部130によって囲まれた領域が、紙片部110と紙片部120とが接着された後に紙片部120から剥離される見開き領域115となっている。
また、紙片部110のミシン目112a,112bの外側の領域には、紙片部120との接着面に印刷層103aが形成されており、紙片部110においても、紙片部110,120が接着された場合にこれに対向する領域に印刷層103aが形成されている。それにより、紙片部110のミシン目112a,112bの外側の領域には、この送付体105の送付途中にて紙片部110,120が不用意に剥離しないようにするための強接着部104が設けられており、また、紙片部120にも、紙片部110,120が接着された場合にこれに対向する領域に強接着部104が設けられている。
また、紙片部110のミシン目112a,112bの内側の領域には、紙片部110,120の互いの接着面に、通知情報141a及び組み合わせ情報142cが印刷されることによって印刷層103bが形成されている。この印刷層103bは、紙片部110のミシン目112a,112bの内側の領域の50%未満の領域に形成されており、それにより、この領域が、強接着部104よりも接着力が弱い弱接着部106となっている。
また、印刷層103a,103bが形成された紙基材101の、摘み部111及びミシン目112a,112bが形成された領域を除いた全面に接着剤層102が形成されている。そして、接着剤層102が形成されていない領域が、紙片部110,120が接着されない非接着部107となっている。
また、紙片部110,120の互いの接着面とは反対側の面には、通知情報141b、組み合わせ情報142a,142b及び宛先情報143がそれぞれ印刷されることによって印刷層(不図示)が形成されている。通知情報141bは紙片部110に印刷され、また、組み合わせ情報142a,142bは、紙片部110のミシン目112aを挟んで印刷されており、ミシン目112aが破断されていない状態にて1つの情報を表現している。宛先情報143は紙片部120に印刷され、この送付体105の宛先の住所や氏名等を示すものである。また、紙片部120の紙片部110との接着面に印刷された組み合わせ情報142cは、紙片部110に印刷された組み合わせ情報142aとは異なるものであって、ミシン目112a,112bが破断されて紙片部110の見開き領域115が紙片部120から剥離された場合に組み合わせ情報142bと組み合わされて1つの情報を表現するものである。
さらに、折り部130に対して垂直な辺の長さにおいては、紙片部110の方が紙片部120よりも短くなっており、それにより、図4(c)に示すように、折り部130にて折り畳まれた場合、紙片部120の一部が紙片部110と重なり合わない形状となっている。
上述した構成を有する送付体105は、接着剤層102が形成された面が内側となるように折り部130を介して折り畳まれ、2つの紙片部110,120が接着剤層102によって剥離可能に接着されて構成されることになるが、強接着部104は、上述したようにこの送付体105の送付途中にて紙片部110,120が不用意に剥離しないようにするためのものであるため、紙基材101上に接着剤層102のみが形成された場合の紙片部110,120どうしの接着力以上の接着力を必要とする領域となっている。
そこで、第1の実施の形態にて示した圧着はがき105と同様に、強接着部104においては、紙基材101上に、水性顔料インクを用いた網点濃度が100%のベタ印刷によって印刷層103aが形成され、その上に接着剤層102が形成されていることにより、紙片部110,120どうしの接着力が他の領域の接着力以上のものとなっている。
以下に、上記のように構成された送付体105の使用方法について説明する。
図5は、図4に示した送付体105の使用方法を説明するための図である。
図4に示した送付体105は、図5(a)に示すように、折り部130にて折り畳まれて紙片部110と紙片部120とが接着剤層102によって接着された状態で、紙片部120に印刷された宛先情報143に従って送付先に送付される。この状態においては、紙片部110に印刷された通知情報141bが外部から視認されるとともに、2つの組み合わせ情報142a,142bが組み合わされて1つの情報を表現している。
その際、強接着部104が、紙基材101上に、水性顔料インクを用いた網点濃度が100%のベタ印刷によって印刷層103aが形成され、その上に接着剤層102が形成されていることにより、紙片部110,120どうしの接着力が他の領域の接着力以上のものとなっていることで、送付途中において、紙片部110と紙片部120とがその周囲から剥離してしまうことが回避される。
送付体105が送付先に届けられた後、紙片部110,120の接着面に印刷された通知情報141aを閲覧する場合、図5(b)に示すように、紙片部110に設けられた摘み部111を摘んで引き上げる。この際、紙片部120の一部が紙片部110と重なり合わない形状となっているとともに、摘み部111が2本のスリット111a,111bによって形成され、かつ、摘み部111及び紙片部120のこれに対向する領域においては、接着剤層102が形成されておらず、2つの紙片部110,120が互いに接着されていない非接着部107となっているため、摘み部111を容易に摘んで引き上げることができる。
摘み部111を引き上げ、折り部130の方向に引っ張っていくと、図5(c)に示すように、スリット111a,111bに引き続き、ミシン目112a,112bが破断していく。ミシン目112a,112bが形成された領域においては、接着剤層102が形成されていない非接着部107となっているため、ミシン目112a,112bが容易に破断される。
ミシン目112a,112bが破断していくと、紙片部110の見開き領域115が他の領域から分離することになるが、見開き領域115は、水性顔料インキを用いた網点濃度が100%のベタ印刷による印刷層103aが形成されていないことにより、弱接着部106となっているため、容易に剥離することができる。この際、ミシン目112a,112bは、スリット111a,111bの折り部130側の端部から折り部130に向かってそれぞれ弧を描くように形成されているため、ミシン目112a,112bを破断しようとする力がミシン目112a,112bを破断していく方向に適切に作用し、それにより、ミシン目112a,112bが破断されていく途中で破断部がミシン目112a,112bから逸れてしまう可能性が低減する。また、スリット111a,111bとミシン目112a,112bとの接続部分においては、スリット111a,111bの形成方向に破断力が働くことになるが、スリット111a,111bのミシン目112a,112b側の端部が互いに離れる方向に向かうように丸みを帯びていることにより、ミシン目112a,112bの形成方向に破断力を働かせることができ、紙片部110がスリット111a,111bの端部からスリット111a,111bの形成方向に裂けてしまうことがなくなる。また、スリット111a,111bの折り部130に対向する辺上の端部が互いに向かい合うように丸みを帯びていることにより、摘み部111の中央にかけられた破断力が2本のスリット111a,111bに適切に分散されるとともに、スリット111a,111bにかかる破断力の勢いが弱まり、それによっても、紙片部110がスリット111a,111bの端部からスリット111a,111bの形成方向に裂けてしまうことが回避されている。
そして、摘み部111を折り部130の方向にさらに引っ張っていくと、図5(d)に示すように、ミシン目112a,112bが引き続き破断していくが、摘み部111を引っ張ることにより生じる破断力は、摘み部111から離れるにしたがって分散しやすくなる。そのため、ミシン目112a,112bを、折り部130に近づくにつれて折り部130に対して垂直になっていくような形状とすることにより、ミシン目112a,112bの摘み部111から離れた領域においても、破断部がミシン目112a,112bから逸れてしまうことが回避される。また、ミシン目112a,112bが形成された領域においては、接着剤層102が形成されていないため、ミシン目112a,112bが容易に破断される。
このようにして、ミシン目112a,112bが折り部130まで破断し、図5(e)に示すように、見開き領域115が他の領域から完全に分離され、送付体105が開封されることになる。
見開き領域115が紙片部110の他の領域から分離され、紙片部120から剥離して送付体105が開封された状態においては、紙片部110,120の接着面に印刷された通知情報141aが視認可能となるとともに、紙片部110に印刷された組み合わせ情報142bと、紙片部120の紙片部110との接着面に印刷された組み合わせ情報142cとが組み合わされて1つの情報が表現されることになる。ここで、紙片部110の見開き領域115に印刷された組み合わせ情報142aと、紙片部120の紙片部110との接着面に印刷された組み合わせ情報142cとは、上述したように、紙片部110に印刷された組み合わせ情報142bと組み合わされることにより1つの情報を表現するものであるものの、互いに異なる情報であるため、紙片部110の見開き領域115が紙片部120から剥離する前の状態にて表現される情報と、紙片部110の見開き領域115が紙片部120から剥離する後の状態にて表現される情報とを異なるものとすることができる。また、ミシン目112a,112bが、スリット111a,111bの折り部130側の端部からそれぞれ弧を描いて折り部130に対して垂直に到達するように形成されているため、組み合わせ情報142bを印刷するスペースを確保することができる。
このように、通知情報141aや組み合わせ情報142cが印刷された後に接着剤層102が形成される、いわゆる後糊タイプの送付体105において、紙片部110のミシン目112a,112bの外側の領域、並びに、紙片部120のこれに対向する領域に強接着部104を設け、この強接着部104においては、水性顔料インクを用いた網点濃度が100%のベタ印刷によって印刷層103aを形成した後に接着剤層102が形成されることにより、送付体105の送付途中において隠蔽すべき通知情報141aや、送付体105の送付先にて初めて視認可能としたい組み合わせ情報142cを印刷しながらも、送付体105の送付途中にて紙片部110,120が不用意に剥離することを回避でき、かつ、送付体105の送付先においては、紙片部110,120を容易に剥離することができる。
また、上述したように、ミシン目112a,112bを破断することにより、紙片部110,120が剥離されるので、紙片部110,120が一度剥離されると、その痕跡が残ることとなり、例え紙片部110,120を再度接着したとしても、ミシン目112a,112bが破断していることによって送付体105の不正な開封を検出することができる。
(第3の実施の形態)
図6は、本発明の圧着シートの第3の実施の形態を示す図であり、(a)は2つの紙片部210,220の接着面の構成を示す図、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)は2つの紙片部210,220が折り畳まれて接着された状態を示す図、(d)は(c)に示したA−A’断面図である。
本形態における圧着シートは図6に示すように、シート部となる2つの紙片部210,220が折り部230を介して折り畳み可能に連接して構成された圧着はがき205であって、これら紙片部210,220が折り部230を介して折り畳まれて接着されて構成される。
紙片部210,220はそれぞれ、折り部230を除く3周辺に沿って、紙基材201上に、水性顔料インクを用いた網点濃度が100%のベタ印刷244が施されることにより、印刷層203aが形成されている。また、印刷層203aと同一面において印刷層203aに囲まれた領域に、この圧着はがき205の送付先に通知したい印字情報241が水性顔料インクを用いて印字されることで印刷層203cが形成されるとともに、水性顔料インクを用いて模様印刷242が施されることで印刷層203bが形成されている。また、これら印刷層203a〜203cが形成された後に、印刷層203a〜203cが形成された面のうち、折り部230に一定幅を有して沿う領域を除いて接着剤層202が形成されている。なお、印刷層203b,203cは、印字情報241の印字がメインとなって形成されているものであるため、印刷層203aに囲まれた領域の50%未満の領域にしか形成されていない。
そして、印刷層203aが形成された領域が強接着部204となるとともに、接着剤層202が形成された領域のうち強接着部4以外の領域が弱接着部206となり、さらに、接着剤層202が形成されていない領域が、紙片部210と紙片部220とが接着されていない非接着部207となっている。なお、印刷層203b,203cが、印刷層203aに囲まれた領域の50%未満の領域にしか形成されていないことにより、弱接着部206は、印刷層203b,203cが形成されていない領域を50%以上含むことになる。
上記のように構成された圧着はがき5は、接着剤層2が形成された面が内側となるように折り部30を介して折り畳まれ、2つの紙片部10,20が接着剤層2によって剥離可能に接着されて構成されるが、強接着部4は、紙基材1上に接着剤層2のみが形成された場合の紙片部10,20どうしの接着力以上の接着力を必要とする領域となっている。そして、紙片部10,20にそれぞれ印字情報41が印字されることで印刷層3cが形成されるとともに、ベタ印刷44及び模様印刷42が施されることで印刷層3a,3bが形成された後に接着剤層2が形成された、いわゆる後糊タイプの圧着はがき5である。
以下に、上記のように構成された圧着はがき205の使用方法について説明する。
図7は、図6に示した圧着はがき205の使用方法を説明するための図である。
図6に示した圧着はがき205は、図7(a)に示すように、接着剤層202が形成された面が内側となるように折り部230を介して折り畳まれ、2つの紙片部210,220が接着剤層202によって剥離可能に接着された状態で、宛先情報243に従ってその送付先に送付されていく。
その際、紙片部210,220の折り部230を除く3周辺に沿う領域は、圧着はがき205の送付途中にて紙片部210,220が不用意に剥離しないように、その接着力が他の領域以上となる強接着部204とされる必要があり、そのために、紙基材201上に、水性顔料インクを用いた網点濃度が100%のベタ印刷244が施されることによって印刷層203aが形成され、その上に接着剤層202が形成されている。
これにより、強接着部204における紙片部210,220どうしの接着力を、紙基材201上に接着剤層202のみが形成された場合の紙片部210,220どうしの接着力以上のものとすることができる。それにより、圧着はがき205の送付途中にて紙片部210,220が不用意に剥離することを回避できる。
圧着はがき205が送付先に届けられると、図7(b)に示すように、紙片部210と紙片部220とが剥離されていく。紙片部210,220のうち折り部230を除く3周辺に沿う領域は、水性顔料インキを用いた網点濃度が100%のベタ印刷244が施されてなる強接着部204となっているものの、それ以外の領域は、ベタ印刷244による印刷層203aが形成されておらず、印字印刷241及び模様印刷242による印刷層203b,203cが形成されていない領域を50%以上含む弱接着部6、あるいは非接着部207となっているため、容易に剥離することができる。
紙片部210,220が完全に剥離されて圧着はがき205が開封されると、図7(c)に示すように、紙片部210,220の接着面にそれぞれ印刷された印字情報241及び模様印刷242が視認可能となり、この印字情報241を圧着はがき205の送付先に通知することができる。
このように、印字情報241が印字されるとともにベタ印刷244及び模様印刷242が施された後に接着剤層202が形成される、いわゆる後糊タイプの圧着はがき205において、紙片部210,220の折り部230を除く3周辺に沿って強接着部204を設け、この強接着部204においては、水性顔料インクを用いた網点濃度が100%のベタ印刷244を施すことによって印刷層203aを形成した後に接着剤層202が形成されることにより、圧着はがき205の送付途中において印字情報241を隠蔽可能としながらも、圧着はがき205の送付途中にて紙片部210,220が不用意に剥離することを回避でき、かつ、圧着はがき205の送付先においては、紙片部210,220を容易に剥離することができる。また、そのような構成を実現するために他の領域よりも紙片部210,220の接着力が強い強接着部204を有しているが、強接着部204を、水性顔料インクを用いた網点濃度が100%のベタ印刷244による印刷層203aを用いて構成していることで、強接着部204を有する構成を1種類の接着剤を用いて実現することができる。
なお、本形態においては、弱接着部206に印刷層203b,203cが形成されているが、印刷層203b,203cを非接着部207のみに形成し、弱接着部206には印刷層が形成されていない構成としてもよい。その場合でも、強接着部204の接着力は、ベタ印刷244による印刷層203aによって弱接着部6の接着力よりも強くなる。また、非接着部207を有さない構成であってもよい。
なお、上述した2つの実施の形態においては、弱接着部6,106が、印刷層3b,3c,103bが形成されていない領域を50%以上含む構成であることにより、弱接着部6,106の接着力が強接着部4,104よりも弱くなっているが、上述したように、UV硬化型インクを用いた場合の接着力が水性顔料インクを用いた場合よりも弱くなるため、弱接着部6,106に形成される印刷層3b,3c,103bを、UV硬化型インクによって形成することも考えられる。その場合においても、弱接着部6,106が、印刷層3b,3c,103bが形成されていない領域を50%以上含む構成としてもよい。
また、上述した3つの実施の形態における強接着部4,104,204においては、2つの紙片部10,20,110,120,210,220のそれぞれにおいて、水性顔料インクを用いた網点濃度が100%のベタ印刷による印刷層3a,103a,203aが形成されているが、2つの紙片部10,20,110,120,210,220のいずれか一方に、水性顔料インクを用いた50%以上の網点濃度の印刷による印刷層が形成されていれば、他の領域よりも接着力が強くなる強接着部4,104,204を構成することができる。
また、上述した3つの実施の形態においては、2つの紙片部が折り部を介して連接した圧着はがき5,205や送付体105を例に挙げて説明したが、本発明の圧着シートは、2つの紙片部が剥離可能に接着されるものであれば、2つの紙片部が連接していない構成であってもよい。
1,101,201 紙基材
2,102,202 接着剤層
3a,3b,103a,103b,203a〜203c 印刷層
4,104,204 強接着部
5,205 圧着はがき
6,106,206 弱接着部
107,207 非接着部
10,20,110,120,210,220 紙片部
12 マイクロミシン
30,130,230 折り部
41a,41b,141a,141b 通知情報
43,143,243 宛先情報
105 送付体
111 摘み部
111a,111b スリット
115 見開き領域
142a,142b 組み合わせ情報
112a,112b ミシン目
241 印字情報
242 模様印刷
244 ベタ印刷
105 送付体

Claims (4)

  1. 剥離可能に接着される2つのシート部の接着面に印刷層が形成された後、前記印刷層が形成された面に水性エマルジョン型感圧接着剤により接着剤層が形成され、前記接着剤層によって前記2つのシート部が剥離可能に接着された圧着シートであって、
    前記印刷層のうち前記接着剤層が形成された領域に強接着部を有し、
    前記強接着部は、水性顔料インクを用いた50%以上の網点濃度の印刷によって前記印刷層が形成された圧着シート。
  2. 請求項1に記載の圧着シートにおいて、
    前記接着剤層が形成された領域に、前記強接着部よりも接着力が弱い弱接着部を有し、
    前記弱接着部は、前記印刷層が形成されていない領域を50%以上含む圧着シート。
  3. 請求項1に記載の圧着シートにおいて、
    前記接着剤層が形成された領域に、前記強接着部よりも接着力が弱い弱接着部を有し、
    前記弱接着部は、前記印刷層がUV硬化型インクで形成されている圧着シート。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の圧着シートにおいて、
    前記強接着部は、前記2つのシート部の互いに対向する領域のそれぞれに、水性顔料インクを用いた50%以上の網点濃度の印刷によって前記印刷層が形成されている圧着シート。
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