JP6439490B2 - 蓄電デバイス - Google Patents

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Description

本発明は、配位構造体及び蓄電デバイスに関し、より詳しくは、アニオンを吸蔵放出する配位構造体及び蓄電デバイスに関する。
従来、この種の蓄電デバイスとしては、ケイ素原子で構成された六員環が複数連なった構造を基本骨格とするSi化合物を含む負極を備え、アニオンの移動により充放電するものが提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特開2012−221885号公報 特開2012−22924号公報
しかしながら、上述の特許文献1の蓄電デバイスでは、原料の合成、有機修飾のプロセスなど、多段階のプロセスが必要であった。新規な蓄電デバイスが求められていた。
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、アニオンを吸蔵放出する新規の配位構造体及び蓄電デバイスを提供することを主目的とする。
上述した目的を達成するために鋭意研究したところ、本発明者らは、金属イオンに窒素を含む非イオン性有機配位子を配位するものとすると、3次元の骨格を生成し、そこにアニオンが金属イオンに配位することなく存在することができることを見いだし、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の配位構造体は、
Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ag及びCdから選ばれる1以上の金属イオンと、窒素を含み前記金属イオンに配位する2以上の非イオン性配位部位を有する有機化合物と、を含み、前記金属イオンに前記有機化合物が配位した繰返し構造を備え、前記繰返し構造内にアニオンを吸蔵及び放出するものである。
本発明の蓄電デバイスは、
正極と、
上述した配位構造体を含む負極と、
前記正極と前記負極との間に介在し前記アニオンを伝導するイオン伝導媒体と、を備え、前記アニオンの移動により充放電するものである。
本発明は、アニオンを吸蔵放出する新規の配位構造体及び蓄電デバイスを提供することができる。この配位構造体は、金属イオンに窒素を含む非イオン性配位部位を有する有機化合物が配位した繰返し構造の3次元骨格を有している。この3次元骨格の中に、アニオンが金属イオンに配位することなく存在する。このため、アニオンの可逆的な移動が容易になるものと考えられる。
4,4’−ビピリジンを配位子とする配位構造体の一例を示す説明図。 1,2−ジ−4−ピリジルエチレンを配位子とする配位構造体の一例を示す説明図。 実施例1,2の配位構造体のIR測定結果。 実施例1の評価セルの充放電測定結果。 実施例2の評価セルの充放電測定結果。
本発明の配位構造体は、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ag及びCdから選ばれる1以上の金属イオンと、窒素を含み金属イオンに配位する2以上の非イオン性配位部位を有する有機化合物と、を含み、金属イオンに有機化合物が配位した繰返し構造を備え、繰返し構造内にアニオンを吸蔵及び放出するものである。この繰返し構造は、有機化合物の非イオン性配位部位が4配位四面体型に金属イオンに配位した構造であるものとしてもよい。この配位構造体は、3次元的なネットワーク構造を有し、例えば、空間群P-1に帰属される三斜晶型の結晶構造や、空間群P21/cに帰属される単斜晶型の結晶構造を有するものとすることが、構造的に安定であり、好ましい。
本発明の配位構造体において、金属イオンは、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ag及びCdから選ばれる1以上である。この金属イオンは、例えば、Ti(II)、Ti(III)、Ti(IV)、Ti(V)、V(II)、V(III)、V(IV)、V(V)、Cr(II)、Cr(III)、Cr(IV)、Cr(V)、Cr(VI)、Mn(II)、Mn(III)、Fe(II)、Fe(III)、Co(II)、Co(III)、Ni(II)、Cu(I)、Cu(II)、Zn(II)、Ag(I)及びCd(II)などが挙げられる。このうち、Cu(I)、Cu(II)、Co(II)及びAg(I)のうち1以上が好ましく、Cuイオンであることがより好ましい。
本発明の配位構造体において、有機化合物は、含窒素複素環を有する官能基を非イオン性配位部位として備えているものとしてもよい。この有機化合物は、ピリジル基(式1)、ピリミジル基(式2)及びピラジル基(式3)のうち1以上の官能基を非イオン性配位部位として有することが好ましい。この有機化合物は、炭素鎖の両端に非イオン性配位部位としての官能基が結合したものとしてもよい。この炭素鎖は、炭素数が1以上4以下の範囲とすることが好ましく、不飽和な炭素鎖としてもよい。このような有機化合物としては、例えば、4,4’−ビピリジン(bpy,式(4))や、1,2−ジ−4−ピリジルエチレン(dpe,式(5))、1,2−ビス(4−ピリジル)エタン、1,2−ビス(4−ピリジル)−1,2−エタンジオール、2,3−ジ(4−ピリジル)−2,3−ブタンジオール、1,2−ビス(4−ピリジル)−N,N’−1,2−ジメチルエチレンジアミンなどが挙げられる。このうち、bpyやdpeが好ましい。
本発明の配位構造体において、吸蔵及び放出されるアニオンは、金属イオンに配位していないことが好ましい。こうすれば、アニオンがより移動しやすく、好ましい。このアニオンは、例えば、テトラフルオロボレート(BF4 -)、ヘキサフルオロフォスフェート(PF6 -)、パークロレート(ClO4 -)、トリフルオロメタンスルホン酸(CF3SO3 -)、ビス(トリフルオロメタンスルホン)イミド(TFSI-)、ビス(パーフルオロエチルスルホニル)イミド(BETI-)、Br-、Cl-、F-などのうち1以上が挙げられる。このうち、BF4 -、PF6 -及びCF3SO3 -のうち1以上であることが好ましい。例えば、アニオンがBF4 -であれば、分子量が小さく、且つイオン伝導度が高いため負極活物質単位重量当たりの理論容量を高めることができ好ましい。また、PF6 -、CF3SO3 -であれば、BF4 -に比して分子量が大きく活物質単位重量当たりの理論容量が減少する反面、イオン伝導度が高く低温特性を高めることができると考えられる。
本発明の配位構造体は、例えば、上述した金属イオンと上述したアニオンとの塩と、上述した有機化合物とを溶媒に溶解させ、所定の反応温度で所定時間加熱反応させて得られた生成物を洗浄して得たものとしてもよい。溶媒としては、例えば、有機溶媒や水などが挙げられ、水が好ましい。また、反応温度は、例えば、80℃以上250℃以下の範囲とすることができ、120℃以上180℃以下の範囲がより好ましい。反応時間は、8時間以上120時間以下の範囲とすることができ、24時間以上72時間以下の範囲とすることがより好ましい。洗浄は、例えば、アルコールやアセトン、クロロホルムなどの有機溶媒を用いることが好ましい。
本発明の配位構造体は、具体的には、図1、2に示すものなどが挙げられる。図1は、金属イオンをCuとし、4,4’−ビピリジンを配位子とし、アニオンをBF4 -とする配位構造体(Cu(bpy)2(BF4))の一例を示す説明図である。図2は、金属イオンをCuとし、1,2−ジ−4−ピリジルエチレンを配位子とし、アニオンをBF4 -とする配位構造体(Cu(dpe)2(BF4))の一例を示す説明図である。図1、2に示すような配位構造体では、金属イオンに配位した有機化合物に空間が生じ、この空間にアニオンが吸蔵放出される。
本発明の蓄電デバイスは、正極と、上述したいずれかの配位構造体を含む負極と、正極と負極との間に介在しアニオンを伝導するイオン伝導媒体と、を備え、アニオンの移動により充放電するものである。この蓄電デバイスでは、放電時には負極にアニオンを吸蔵し、充電時には負極からアニオンを放出する。具体的には、例えば、放電時には金属イオンに有機化合物が配位した繰返し構造の空間にアニオンが結合して負極活物質が酸化され、充電時には金属イオンに有機化合物が配位した繰返し構造の空間からアニオンが脱離して負極活物質が還元されると考えられる。このとき、リザーブ型の反応を生じたり、電気二重層による静電容量を生じていてもよい。この蓄電デバイスでは、放電時には正極からアニオンが放出され、充電時には正極にアニオンを吸蔵するものとしてもよい。
本発明の蓄電デバイスにおいて、正極は、例えば正極活物質と導電材と結着材とを混合し、適当な溶剤を加えてペースト状の正極材としたものを、集電体の表面に塗布乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成してもよい。正極活物質は、アニオンを吸蔵放出可能なものであれば特に限定されず、例えば、炭素材料や金属酸化物などが挙げられる。炭素材料としては、黒鉛、カーボンブラック、活性炭などが挙げられ、黒鉛を主成分とするものであることが好ましい。ここで、「黒鉛を主成分とする」とは、黒鉛を50%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上含むものとすることができる。このようなものであれば、非晶質炭素を含んでいてもよいし、その他の活物質を含んでいてもよい。黒鉛としては、天然黒鉛(鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛)や人造黒鉛などが挙げられるが、人造黒鉛であれば、蓄電デバイスの電位をより高めることができ、エネルギー密度を高めることができる点で好ましい。更に、アルカリ賦活した人造黒鉛を用いると、黒鉛の層間が広がりイオンの出入りが容易となり出力特性が向上するため、好ましい。具体的には、NaやKなどのアルカリを黒鉛に添加し、不活性雰囲気中、600℃〜1000℃の高温で処理することにより、アルカリ賦活することができる。正極活物質として炭素材料を用いれば、アニオンを可逆的に吸蔵放出しやすく、好ましい。
導電材は、電極性能に悪影響を及ぼさない電子伝導性材料であれば特に限定されず、例えば、天然黒鉛(鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛)や人造黒鉛などの黒鉛、アセチレンブラック、カーボンブラック、ケッチェンブラック、カーボンウィスカ、ニードルコークス、炭素繊維、金属(銅、ニッケル、アルミニウム、銀、金など)などの1種又は2種以上を混合したものを用いることができる。これらの中で、導電材としては、電子伝導性及び塗工性の観点より、カーボンブラック及びアセチレンブラックが好ましい。結着材は、活物質粒子及び導電材粒子を繋ぎ止める役割を果たすものであり、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、或いはポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、エチレン−プロピレン−ジエンマー(EPDM)、スルホン化EPDM、天然ブチルゴム(NBR)等を単独で、あるいは2種以上の混合物として用いることができる。活物質、導電材、結着材を分散させる溶剤としては、例えばN−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、アクリル酸メチル、ジエチルトリアミン、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、エチレンオキシド、テトラヒドロフランなどの有機溶剤を用いることができる。また、水に分散剤、増粘剤等を加え、SBRなどのラテックスで活物質をスラリー化してもよい。増粘剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロースなどの多糖類を単独で、あるいは2種以上の混合物として用いることができる。塗布方法としては、例えば、アプリケータロールなどのローラコーティング、スクリーンコーティング、ドクターブレイド方式、スピンコーティング、バーコータなどが挙げられ、これらのいずれかを用いて任意の厚さ・形状とすることができる。正極の集電体としては、アルミニウム、チタン、ステンレス鋼、ニッケル、鉄、焼成炭素、導電性高分子、導電性ガラスなどのほか、接着性、導電性及び耐酸化性向上の目的で、アルミニウムや銅などの表面をカーボン、ニッケル、チタンや銀などで処理したものを用いることができる。これらについては、表面を酸化処理することも可能である。集電体の形状については、箔状、フィルム状、シート状、ネット状、パンチ又はエキスパンドされたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の形成体などが挙げられる。集電体の厚さは、例えば1〜500μmのものが用いられる。
本発明の蓄電デバイスにおいて、負極は、例えば負極活物質と導電材と結着材とを混合し、適当な溶剤を加えてペースト状の電極合材としたものを、集電体の表面に塗布乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成してもよい。負極活物質は、上述した配位構造体とする。負極に用いられる導電材、結着材、溶剤などは、それぞれ正極で例示したものを用いることができる。負極の集電体には、銅、ニッケル、ステンレス鋼、チタン、アルミニウム、焼成炭素、導電性高分子、導電性ガラス、Al−Cd合金などのほか、接着性、導電性及び耐還元性向上の目的で、例えば銅などの表面をカーボン、ニッケル、チタンや銀などで処理したものも用いることができる。これらについては、表面を酸化処理することも可能である。集電体の形状は、正極と同様のものを用いることができる。
本発明の蓄電デバイスのイオン伝導媒体としては、アニオンを伝導可能なものを用いることができ、支持塩を含む非水系電解液や非水系ゲル電解液などを用いることができる。このイオン伝導媒体は、イオン液体やカーボネート系などの有機溶媒を含むものとしてもよい。カーボネート系の有機溶媒を含むものとすれば、低温での凍結などを防止し、低温での出力特性などの低温特性をより良好にすることができる。また、カーボネート系の有機溶媒を添加すれば、粘度を低下させて出力特性を良好にすることができる。有機溶媒としては、例えば、エチレンカーボネートやプロピレンカーボネート、ビニレンカーボネート、ブチレンカーボネート、クロロエチレンカーボネートなどの環状カーボネート類や、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチル−n−ブチルカーボネート、メチル−t−ブチルカーボネート、ジ−i−プロピルカーボネート、t−ブチル−i−プロピルカーボネートなどの鎖状カーボネート類、γ−ブチルラクトン、γ−バレロラクトンなどの環状エステル類、ギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酪酸メチルなどの鎖状エステル類、ジメトキシエタン、エトキシメトキシエタン、ジエトキシエタンなどのエーテル類、アセトニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル類、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、などのフラン類、スルホラン、テトラメチルスルホランなどのスルホラン類、1,3−ジオキソラン、メチルジオキソランなどのジオキソラン類などが挙げられる。このうち、環状カーボネート類と鎖状カーボネート類との組み合わせが好ましい。
イオン液体は、常温で溶融しているカチオンとアニオンとの塩であるが、カチオンとしては、イミダゾリウム、アンモニウム、コリン、ピリジニウム、ピペリジニウムなどが挙げられる。イミダゾリウムとしては、1−(ヒドロキシエチル)−3−メチルイミダゾリウム、1−メチル−3−オクチルイミダゾリウム等が挙げられ、アンモニウムとしては、N,N−ジメチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム等が挙げられ、ピリジニウムとしては、1−ブチル−3−メチルピリジニウムや1−ブチルピリジニウム等が挙げられ、ピペリジニウムとしては、1−エチル−1−メチルピペリジニウム等が挙げられる。また、アニオンとしては、BF4 -、PF6 -、ClO4 -、CF3SO3 -、TFSI-、BETI-、Br-、Cl-、F-などのうち1以上が挙げられる。アニオンをBF4 -とするものとしては、具体的には、ジエチルメチル(2メトキシエチル)アンモニウム・BF4などが挙げられる。アニオンをTFSIとするものとしては、具体的には、N−メチル−N−プロピルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(PP13TFSI)、1−エチル−3−メチル−イミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(EMITFSI)、N,N,N−トリメチル−N−プロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(TMPATFSI)、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドなどが挙げられる。このうち、ジエチルメチル(2メトキシエチル)アンモニウム・BF4が好ましい。イオン液体と有機溶媒とを混合して用いる場合、イオン液体の濃度は、0.5M以上2.0M以下が望ましい。
本発明の蓄電デバイスに含まれている支持塩は、例えば、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiCF3SO3、LiN(CF3SO22、LiC(CF3SO23、LiSbF6、LiSiF6、LiAlF4、LiSCN、LiClO4、LiCl、LiF、LiBr、LiI、LiAlCl4などが挙げられる。この支持塩は、非水電解液中の濃度が0.1mol/L以上5mol/L以下であることが好ましく、0.5mol/L以上2mol/L以下であることがより好ましい。支持塩の濃度が0.1mol/L以上では、十分な電流密度を得ることができ、5mol/L以下では、電解液をより安定させることができる。なお、支持塩やイオン液体に含まれるアニオンは、配位構造体に含まれるアニオンと同種のものとしてもよいし、異種のものとしてもよい。また、この非水電解液には、リン系、ハロゲン系などの難燃剤を添加してもよい。
本発明の蓄電デバイスは、負極と正極との間にセパレータを備えていてもよい。セパレータとしては、蓄電デバイスの使用範囲に耐えうる組成であれば特に限定されないが、例えば、ガラス繊維製のガラスフィルタや、ポリプロピレン製不織布、ポリフェニレンスルフィド製不織布などの高分子不織布、ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂の薄い微多孔膜が挙げられる。このうち、ガラスフィルタであれば、例えばBF4系のイオン液体などの電解液との濡れ性が良好であり、アニオンの移動を円滑にすることができる。これらは単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。
本発明の蓄電デバイスの形状は、特に限定されないが、例えばコイン型、ボタン型、シート型、積層型、円筒型、偏平型、角型などが挙げられる。また、電気自動車等に用いる大型のものなどに適用してもよい。
以上詳述した本実施形態の配位構造体及び蓄電デバイスでは、アニオンが吸蔵放出され、アニオンの移動により充放電することができる。また、本発明の蓄電デバイスでは、アニオンをキャリアとして用いる蓄電デバイスであるため、例えばLiイオン電池などに比して、過負荷によるショートなどの発生を著しく低くすることができる。また、蓄電系はキャパシタ的な挙動でアニオンの出し入れを行うため、高出力が期待される。また構成される電極は、いずれも大気中で安定であるため、その製造過程も非常に容易である。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
以下には、本発明の配位構造体材料及び蓄電デバイスを具体的に作製した例を実施例として説明する。
[実施例1:Cu(bpy)2(BF4)]
テトラフルオロホウ酸銅(II)を0.99gと、4,4’−ビピリジンを0.65gと、水50mLとを加えて、150℃、72時間加熱した。生成物をろ過し、エタノールで洗浄後、乾燥し得られた粉末を実施例1の配位構造体材料とした(式(6))。
[実施例2:Cu(dpe)2(BF4)]
テトラフルオロホウ酸銅(II)を0.71gと、1,2−ジ−4−ピリジルエチレンを1.09gと、水を50mLとを加えて、150℃、72時間加熱した。生成物をろ過し、エタノールで洗浄後、乾燥し得られた粉末を実施例2の配位構造体材料とした(式(7))。
(構造解析)
理学Mercury70(Mo−Kα)を用いて、単結晶X線構造解析を行った。この構造解析では、特定の結晶ピークを示しており、実施例1,2の粉末は、結晶構造を有するものと推察された。測定により得られた格子定数を表1に示した。この結果より、実施例1の配位構造体は、図1に示す構造を有する3次元構造体であるものと推察された。また、実施例2の配位構造体は、図2に示す構造を有する3次元構造体であるものと推察された。なお、実施例1のCu−bpy配位構造体は、空間群P21/cに帰属される単斜晶型の結晶構造を有することがわかった。また、実施例2のCu−dpe配位構造体は、空間群P-1に帰属される三斜晶型の結晶構造を有することがわかった。
(IR測定)
Thermo Nicolet製AVATAR360 FT−IRを用いて、IRスペクトル測定を行った。図3は、実施例1、2の配位構造体のIR測定結果である。図3に示すように、1050cm-1にBF4 -と考えられる吸収が観察された。この結果から、配位構造体の内部において、アニオン(BF4 -)が、金属イオンに配位せずに存在しているものと推察された。
(電池特性の評価)
正極を作製した。まず、正極活物質としてのグラファイト(OMAL,0.95g)とポリテトラフルオロエチレン(PTFE,0.5g)とを混合し、得られた混合物を0.01g取り、正極材とした。負極活物質としての上記の配位構造体(銅錯体)を0.07gと、導電材としてのカーボンブラックを0.025gと、結着材としてのPTFEを0.005g混合し、得られた混合物を0.01g取り、負極材とした。電解液としてジエチルメチル(2メトキシエチル)アンモニウム・BF4を用いた。正極材を集電体に圧着すると共に、負極材を集電体に圧着し、電解液を介してこれらの電極を対向させて、評価セルを作製した。評価セルを用いて、充放電測定を行った。3.5Vまで充電したのち、0.1Vまで放電させるサイクルを10サイクル行った。
(評価結果と考察)
図4は、実施例1の評価セルの充放電測定結果である。図5は、実施例2の評価セルの充放電測定結果である。図4、5に示すように、実施例、1、2は、充放電することができることがわかった。このため、実施例1,2の配位構造体は、アニオンを可逆的に容易に移動させることができることがわかった。
なお、本発明は上述した実施例に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
本発明は、蓄電デバイスの技術分野に利用可能である。

Claims (5)

  1. 正極と、
    Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ag及びCdから選ばれる1以上の金属イオンと、窒素を含み前記金属イオンに配位する2以上の非イオン性配位部位を有する有機化合物と、を含み、前記金属イオンに前記有機化合物が配位した繰返し構造を備え、前記繰返し構造は、前記有機化合物の前記非イオン性配位部位が4配位四面体型に前記金属イオンに配位した構造であり、前記有機化合物は、含窒素複素環を有する官能基を前記非イオン性配位部位として両端に備えており、前記繰返し構造内にアニオンを吸蔵及び放出する、配位構造体を含む負極と、
    前記正極と前記負極との間に介在し前記アニオンを伝導するイオン伝導媒体と、を備え、前記アニオンの移動により充放電する、蓄電デバイス。
  2. 前記有機化合物は、ピリジル基、ピリミジル基及びピラジル基のうち1以上を有する、請求項に記載の蓄電デバイス
  3. 前記有機化合物は、式(1)、(2)のうち1以上の部位を有する、請求項1又は2に記載の蓄電デバイス
  4. 前記金属イオンは、Cu(I)、Cu(II)、Co(II)及びAg(I)のうち1以上である、請求項1〜のいずれか1項に記載の蓄電デバイス
  5. 前記アニオンは、BF4 -、PF6 -及びCF3SO3 -のうち1以上を含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の蓄電デバイス
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