JP2012169132A - 電極材料、蓄電デバイスおよび蓄電デバイスの使用方法 - Google Patents
電極材料、蓄電デバイスおよび蓄電デバイスの使用方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2012169132A JP2012169132A JP2011028739A JP2011028739A JP2012169132A JP 2012169132 A JP2012169132 A JP 2012169132A JP 2011028739 A JP2011028739 A JP 2011028739A JP 2011028739 A JP2011028739 A JP 2011028739A JP 2012169132 A JP2012169132 A JP 2012169132A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- storage device
- electrode material
- electrode
- layered polysilane
- lithium
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
Landscapes
- Secondary Cells (AREA)
- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
Abstract
【課題】シリコンを含むものにおいて、体積変化をより抑制することができる電極材料、蓄電デバイス、蓄電デバイスの使用方法を提供する。
【解決手段】
コイン型電池20は、カップ形状の電池ケース21と、正極活物質を有しこの電池ケース21の下部に設けられた正極22と、負極活物質を有し正極22に対してセパレータ24を介して対向する位置に設けられた負極23と、絶縁材により形成されたガスケット25と、電池ケース21の開口部に配設されガスケット25を介して電池ケース21を密封する封口板26と、を備えている。このコイン型電池20は、正極22と負極23との空間にリチウム塩を含む非水電解液が満たされている。ここでは、正極22は、活性点として層状ポリシランのSi−H結合に由来するSiラジカルを有する電極材料を含んでいる。
【選択図】図2
【解決手段】
コイン型電池20は、カップ形状の電池ケース21と、正極活物質を有しこの電池ケース21の下部に設けられた正極22と、負極活物質を有し正極22に対してセパレータ24を介して対向する位置に設けられた負極23と、絶縁材により形成されたガスケット25と、電池ケース21の開口部に配設されガスケット25を介して電池ケース21を密封する封口板26と、を備えている。このコイン型電池20は、正極22と負極23との空間にリチウム塩を含む非水電解液が満たされている。ここでは、正極22は、活性点として層状ポリシランのSi−H結合に由来するSiラジカルを有する電極材料を含んでいる。
【選択図】図2
Description
本発明は、電極材料、蓄電デバイスおよび蓄電デバイスの使用方法に関する。
リチウム二次電池の電極として、シリコンは室温において約3600mAh/gという高いエネルギー密度を有することが知られており、近年、リチウム二次電池の電極材料として注目されている。しかしながら、シリコンは、理論容量が高いものの、充放電過程での体積膨張率が非常に大きいことがある。この体積変化により、例えば、活物質粒子の割れ、活物質と集電体との接触不良等が生じ、充放電サイクル寿命が短くなるという問題があった。また、同じ原因により、不可逆容量が著しく大きくなり、電池容量の低減を招くことがあった。こうしたことから、シリコンを活物質として利用するものの改良についていくつか報告されている。
例えば、特許文献1では、Liを可逆的に吸蔵および放出でき、Siを含み、電子スピン共鳴法によって測定したスピン密度が1×1015cm-3以上である電極材料が提案されている。このようにスピン密度が1×1015cm-3以上であれば、電極材料中の原子オーダーの空隙が多く、充放電に伴う体積変化を抑制できるとされている。特許文献1では、このような電極材料の製造方法として、例えば、基板上にSiを含む材料の薄膜を形成し、そこに光を照射することによってスピン密度を増加させることが提案されている。
また、非特許文献1では、層状ポリシランを活物質として用いたリチウム二次電池が提案されている。この特許文献1では、0V近傍まで電極を還元して電極を用いた場合、Si粒子を活物質とするものでは結晶性のLi15Si4が生成し充放電によってLi15Si4と非晶質LixSi(xは任意の数)とが可逆的に変化することが説明されている。そして、層状ポリシランを活物質とすれば、非晶質LixSiの構造を保持可能なため、充放電に伴う体積変化がより少ないとされている。
Journal of Power Sources 196(2011)1503-1507
しかしながら、上述の特許文献1のものでは、電極材料中の原子オーダーの空隙を多くすることができるが、まだ十分ではなく、充放電に伴う体積変化をより抑制することが望まれていた。また、非特許文献1のものでは、一度非晶質LixSiとなると、その構造を保持するため、充放電に伴う体積変化が少ないが、非晶質LixSiとなる過程で体積変化が生じることがあった。このように、特許文献1のものや、非特許文献1のものでは、電極材料の体積変化を抑制しているものの、電極材料の体積変化をより抑制することが望まれていた。
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、シリコンを含むものにおいて、体積変化をより抑制することができる電極材料、蓄電デバイスおよび蓄電デバイスの使用方法を提供することを主目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明者らは、電極材料に層状ポリシランを用い、リチウム基準で0.3Vを下回らないような電位範囲(電位窓)で充放電を行ったところ、層状ポリシランのSi−H結合に由来するSiラジカルが特異的に発生することを見いだした。そして、このSi−H結合に由来するSiラジカルが活性点となって充放電が行われることで、体積変化をより抑制できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の電極材料は、活性点として層状ポリシランのSi−H結合に由来するSiラジカルを有するものである。
また、本発明の蓄電デバイスは、上述した電極材料を有する電極と、
前記電極と接触しリチウムイオンを伝導するイオン伝導媒体と、
を備えたものである。
前記電極と接触しリチウムイオンを伝導するイオン伝導媒体と、
を備えたものである。
また、本発明の蓄電デバイスの使用方法は、上述した蓄電デバイスの使用方法であって、放電電位がリチウム基準で0.3Vを下回らないように充放電を行うものである。
この電極材料、蓄電デバイスおよび蓄電デバイスの使用方法では、シリコンを含むものにおいて、体積変化をより抑制することができる。このような効果が得られる理由は定かではないが、層状ポリシランのSi−Si結合が切断されず、層状ポリシランの層状構造が維持されているためと考えられる。また、層状ポリシランの層間がリチウムより十分大きいため、リチウムの挿入脱離による体積変化も生じにくいためと考えられる。
本発明の電極材料は、層状ポリシランのSi−H結合に由来するSiラジカルを有するものである。このような電極材料を用いると、シリコン(Si)を含むものにおいて体積変化をより抑制することができる。ここで、層状ポリシランとは、図1に示すように、ケイ素原子で構成された六員環が複数連なった構造を基本骨格としたものであり、ケイ素原子は、六員環を構成するケイ素原子同士のSi−Si結合の他に水素原子とのSi−H結合を有している。また、ここで、Si−H結合に由来するSiラジカルとは、上述したSi−H結合が切断されて生じたSiラジカルをいう。層状ポリシランを電極材料に用いた場合、リチウム基準で0.3Vを下回るような電位範囲での充放電によってSi−Si結合が切断されて生じたSiラジカルが生じることがあるが、これとは異なるものである。0.3V以上を電位窓とする本発明の電極材料では、層状ポリシランのSi−H結合に由来するSiラジカルが主な活性点となる。ここで、活性点とは、充放電反応に関与する部位、すなわち、電子の授受が行われる部位をいうものとすることができる。なお、上述の説明では、Si−H結合は、Si−Si結合と区別するために便宜上Si−H結合としたが、Siの一部は水素原子以外と結合していてもよく、例えば、他の元素や官能基と結合したもの(以下まとめてSi−R結合とも称する)を含む概念としてもよい。官能基としては、例えば、炭化水素基などが挙げられ、炭化水素基としては、アルキル基やアルコキシ基などが挙げられる。
本発明の電極材料は、電子スピン共鳴法(ESR:Electron Spin Resonance)によって測定したスピン密度がSi重量あたり1×1018spin/g以上であることが好ましい。こうすれば、シリコンを含むものにおいて充放電容量を増加することができる。スピン密度は、5×1018spin/g以上がより好ましく、1×1019spin/g以上が更に好ましい。
本発明の電極材料は、X線回折における2θが13.5°以上16.5°以下の範囲にピークの頂点を有することが好ましい。このピークは、層状ポリシランの基本骨格の(001)面に由来するものであり、ケイ素原子がSi−Si結合により六員環を構成し、層状ポリシランの層周期構造を維持していることを示している。このピークの半価幅は、2°以下であることが好ましく、1.5°以下であることがより好ましい。均一な層間が維持されていると考えられるからである。
なお、この電極材料は、正極に用いた場合には、充電時にはリチウムを放出した状態となり、放電時にはリチウムを吸蔵した状態となる。一方、負極に用いた場合には、充電時にはリチウムを吸蔵した状態となり、放電時にはリチウムを放出した状態となる。また、この電極材料は、具体的構造は不明ではあるが、層状ポリシランに近い構造や特性などを有しているものと推察される。
本発明の電極材料に用いられる層状ポリシランは、ラマン分光分析において、360cm-1以上2200cm-1以下の範囲に複数のピークを示すものとしてもよい。このラマン分光分析におけるピークは、370cm-1近傍、490cm-1近傍、630cm-1近傍、730cm-1近傍、840cm-1近傍及び2100cm-1近傍に存在するものとしてもよい。また、この層状ポリシランは、29Si−NMR測定において、−90ppm以上−110ppm以下の範囲に頂点が存在するピークを示すものとしてもよい。この29Si−NMRスペクトルのピークは、−100ppm近傍に頂点が存在するものとしてもよい。
本発明の蓄電デバイスは、上述の電極材料を有する電極と、この電極と接触しリチウムイオンを伝導するイオン伝導媒体と、を備えたものである。具体的には、本発明の蓄電デバイスは、リチウムを吸蔵・放出可能な正極活物質を含む正極と、上述の電極材料を有する負極と、正極と負極との間に介在しリチウムイオンを伝導するイオン伝導媒体と、を備えているものとしてもよい。また、本発明の蓄電デバイスは、上述の電極材料を有する正極と、リチウムを吸蔵・放出可能な負極活物質を含む負極と、正極と負極との間に介在しリチウムイオンを伝導するイオン伝導媒体と、を備えているものとしてもよい。即ち、本発明の電極材料は、正極活物質としてもよいし負極活物質としてもよい。このうち、正極活物質とすることがより好ましい。詳細については後述するが、層状ポリシランを正極に用いた蓄電デバイスを構成し、これを、リチウム基準で0.3Vを下回らないような電位で放電すれば、より容易に、活性点として層状ポリシランのSi−H結合に由来するSiラジカルを有する電極材料とすることができるからである。
本発明の蓄電デバイスにおいて、電極は、例えば活物質と導電材と結着材とを混合し、適当な溶剤を加えてペースト状の電極材としたものを、集電体の表面に塗布乾燥あるいは圧着し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成してもよい。導電材は、電池性能に悪影響を及ぼさない電子伝導性材料であれば特に限定されず、例えば、天然黒鉛(鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛)や人造黒鉛などの黒鉛、アセチレンブラック、カーボンブラック、ケッチェンブラック、カーボンウィスカ、ニードルコークス、炭素繊維、金属(銅、ニッケル、アルミニウム、銀、金など)などの1種又は2種以上を混合したものを用いることができる。これらの中で、導電材としては、電子伝導性及び塗工性の観点より、カーボンブラック及びアセチレンブラックが好ましい。結着材は、活物質粒子及び導電材粒子を繋ぎ止める役割を果たすものであり、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、或いはポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、エチレン−プロピレン−ジエンマー(EPDM)、スルホン化EPDM、天然ブチルゴム(NBR)等を単独で、あるいは2種以上の混合物として用いることができる。活物質、導電材、結着材を分散させる溶剤としては、例えばN−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、アクリル酸メチル、ジエチルトリアミン、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、エチレンオキシド、テトラヒドロフランなどの有機溶剤を用いることができる。また、水に分散剤、増粘剤等を加え、SBRなどのラテックスで活物質をスラリー化してもよい。増粘剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロースなどの多糖類を単独で、あるいは2種以上の混合物として用いることができる。塗布方法としては、例えば、アプリケータロールなどのローラコーティング、スクリーンコーティング、ドクターブレイド方式、スピンコーティング、バーコータなどが挙げられ、これらのいずれかを用いて任意の厚さ・形状とすることができる。電極の集電体には、銅、ニッケル、ステンレス鋼、チタン、アルミニウム、焼成炭素、導電性高分子、導電性ガラス、Al−Cd合金などのほか、接着性、導電性及び耐還元性向上の目的で、例えば銅などの表面をカーボン、ニッケル、チタンや銀などで処理したものも用いることができる。これらについては、表面を酸化処理することも可能である。集電体の形状については、箔状、フィルム状、シート状、ネット状、パンチ又はエキスパンドされたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の形成体などが挙げられる。集電体の厚さは、例えば1〜500μmのものが用いられる。
本発明の電極材料を負極に用いる場合において、本発明の蓄電デバイスの正極は、例えば正極活物質と導電材と結着材とを混合し、適当な溶剤を加えてペースト状の正極材としたものを、集電体の表面に塗布乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成してもよい。正極活物質としては、遷移金属元素を含む硫化物や、リチウムと遷移金属元素とを含む酸化物などを用いることができる。具体的には、TiS2、TiS3、MoS3、FeS2などの遷移金属硫化物、Li(1-x)MnO2(0<x<1など、以下同じ)、Li(1-x)Mn2O4などのリチウムマンガン複合酸化物、Li(1-x)CoO2などのリチウムコバルト複合酸化物、Li(1-x)NiO2などのリチウムニッケル複合酸化物、LiV2O3などのリチウムバナジウム複合酸化物、V2O5などの遷移金属酸化物などを用いることができる。これらのうち、リチウムの遷移金属複合酸化物、例えば、LiCoO2、LiNiO2、LiMnO2、LiV2O3などが好ましい。また、正極に用いられる導電材、結着材、溶剤などは、それぞれ上述した電極で例示したものを用いることができる。正極の集電体としては、アルミニウム、チタン、ステンレス鋼、ニッケル、鉄、焼成炭素、導電性高分子、導電性ガラスなどのほか、接着性、導電性及び耐酸化性向上の目的で、アルミニウムや銅などの表面をカーボン、ニッケル、チタンや銀などで処理したものを用いることができる。これらについては、表面を酸化処理することも可能である。集電体の形状は、上述した電極で例示したいずれかとすることができる。
本発明の電極材料を正極に用いる場合において、本発明の蓄電デバイスの負極は、例えば負極活物質を集電体に形成したものとしてもよい。負極活物質としては、リチウム、リチウム合金、スズ化合物などが挙げられる。このうち、リチウム(金属リチウム)が好ましい。負極の集電体には、銅、ニッケル、ステンレス鋼、チタン、アルミニウム、焼成炭素、導電性高分子、導電性ガラス、Al−Cd合金などのほか、接着性、導電性及び耐還元性向上の目的で、例えば銅などの表面をカーボン、ニッケル、チタンや銀などで処理したものも用いることができる。これらについては、表面を酸化処理することも可能である。集電体の形状は、上述した電極と同様のものを用いることができる。
本発明の蓄電デバイスのイオン伝導媒体としては、支持塩を含む非水系電解液や非水系ゲル電解液などを用いることができる。非水電解液の溶媒としては、カーボネート類、エステル類、エーテル類、ニトリル類、フラン類、スルホラン類及びジオキソラン類などが挙げられ、これらを単独又は混合して用いることができる。具体的には、カーボネート類としてエチレンカーボネートやプロピレンカーボネート、ビニレンカーボネート、ブチレンカーボネート、クロロエチレンカーボネートなどの環状カーボネート類や、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチル−n−ブチルカーボネート、メチル−t−ブチルカーボネート、ジ−i−プロピルカーボネート、t−ブチル−i−プロピルカーボネートなどの鎖状カーボネート類、γ−ブチルラクトン、γ−バレロラクトンなどの環状エステル類、ギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酪酸メチルなどの鎖状エステル類、ジメトキシエタン、エトキシメトキシエタン、ジエトキシエタンなどのエーテル類、アセトニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル類、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、などのフラン類、スルホラン、テトラメチルスルホランなどのスルホラン類、1,3−ジオキソラン、メチルジオキソランなどのジオキソラン類などが挙げられる。このうち、環状カーボネート類と鎖状カーボネート類との組み合わせが好ましい。この組み合わせによると、充放電の繰り返しでの電池特性を表すサイクル特性が優れているばかりでなく、電解液の粘度、得られる電池の電気容量、電池出力などをバランスの取れたものとすることができる。
本発明の蓄電デバイスに含まれている支持塩は、例えば、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiCF3SO3、LiN(CF3SO2)2、LiC(CF3SO2)3、LiSbF6、LiSiF6、LiAlF4、LiSCN、LiClO4、LiCl、LiF、LiBr、LiI、LiAlCl4などが挙げられる。このうち、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiClO4などの無機塩、及びLiCF3SO3、LiN(CF3SO2)2、LiC(CF3SO2)3などの有機塩からなる群より選ばれる1種又は2種以上の塩を組み合わせて用いることが電気特性の点から見て好ましい。この支持塩は、非水電解液中の濃度が0.1mol/L以上5mol/L以下であることが好ましく、0.5mol/L以上2mol/L以下であることがより好ましい。支持塩の濃度が0.1mol/L以上では、十分な電流密度を得ることができ、5mol/L以下では、電解液をより安定させることができる。また、この非水電解液には、リン系、ハロゲン系などの難燃剤を添加してもよい。
また、液状のイオン伝導媒体の代わりに、固体のイオン伝導性ポリマーをイオン伝導媒体として用いることもできる。イオン伝導性ポリマーとしては、例えば、アクリロニトリル、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、メチルメタクリレート、ビニルアセテート、ビニルピロリドン、ポリフッ化ビニリデンなどのポリマーと支持塩とで構成されるポリマーゲルを用いることができる。更に、イオン伝導性ポリマーと非水系電解液とを組み合わせて用いることもできる。また、イオン伝導媒体としては、イオン伝導性ポリマーのほか、無機固体電解質あるいは有機ポリマー電解質と無機固体電解質の混合材料、若しくは有機バインダーによって結着された無機固体粉末などを利用することができる。
本発明の蓄電デバイスは、負極と正極との間にセパレータを備えていてもよい。セパレータとしては、蓄電デバイスの使用範囲に耐えうる組成であれば特に限定されないが、例えば、ポリプロピレン製不織布やポリフェニレンスルフィド製不織布などの高分子不織布、ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂の薄い微多孔膜が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。
本発明の蓄電デバイスの形状は、特に限定されないが、例えばコイン型、ボタン型、シート型、積層型、円筒型、偏平型、角型などが挙げられる。また、電気自動車等に用いる大型のものなどに適用してもよい。この蓄電デバイスの一例を図2に示す。図2は、コイン型電池20の構成の概略を表す断面図である。このコイン型電池20は、カップ形状の電池ケース21と、正極活物質を有しこの電池ケース21の下部に設けられた正極22と、負極活物質を有し正極22に対してセパレータ24を介して対向する位置に設けられた負極23と、絶縁材により形成されたガスケット25と、電池ケース21の開口部に配設されガスケット25を介して電池ケース21を密封する封口板26と、を備えている。このコイン型電池20は、正極22と負極23との空間にリチウム塩を含む非水電解液が満たされている。ここでは、正極22は、活性点として層状ポリシランのSi−H結合に由来するSiラジカルを有する電極材料を含んでいる。また、負極23は、リチウム金属を用いている。
本発明の蓄電デバイスの使用方法は、上述した蓄電デバイスの使用方法であって、放電電位がリチウム基準で0.3Vを下回らないように充放電を行うものである。このように充放電を行うことで、体積変化をより抑制することができる。この理由は以下のように推察される。本発明の電極材料に用いる層状ポリシランがリチウムイオンを吸脱着する機構は、以下のように考えられる。なお、ここでは、本発明の電極材料を正極材料として用いた場合について特に説明する。まず、層状ポリシランを正極材料に用いた蓄電デバイスの放電を行うと、層状ポリシランのSi−H結合に由来するSiラジカルを主な活性点としてリチウムを吸着する反応が進行する。具体的には、式(2)のように層状ポリシランのSi−H結合が切断されてSi−H結合に由来するSiラジカルが発生し、式(3)のようにSi−H結合に由来するSiラジカルが活性点となってLiイオンを吸着する。さらに放電を行い、放電電位がリチウム基準で0.3Vを下回ると、層状ポリシランのSi−Si結合に由来するSiラジカルを活性点としてリチウムを吸着する反応が進行する。具体的には、式(4)のように層状ポリシランのSi−Si結合が切断されてSi−Si結合に由来するSiラジカルが発生し、式(5)のようにSi−Si結合に由来するSiラジカルが活性点となってLiイオンを吸着する。続いて、充電を行うと、式(5)のLiイオンの脱着を経て、式(4)のようにSi−Si結合が再び生成し、さらに、式(3)のようなリチウムの脱着が生じる。続く放電・充電のサイクルでは、式(3)〜式(5)の反応を繰り返す。このように、層状ポリシランを電極材料に用いた蓄電デバイスを0.3Vを下回って充放電を行うと、Si−Si結合に由来するSiラジカルが活性点となるリチウムの吸脱着が進行する。このときSi−Si結合の切断と再結合が繰り返されるため、層状ポリシランの基本骨格が崩れ、層周期構造や層間が維持されにくい。これに対して、0.3Vを下回らないように充放電を行うと、Si−Si結合の切断が生じず、層状ポリシランの基本骨格を維持することができ、層周期構造や層間が維持されやすい。これにより、活物質の割れや活物質と集電体との接触不良をより抑制でき、サイクル特性をより良好なものとすることができる。このように、リチウム基準で0.3Vを下回らないように充放電を行うものとすれば、電極材料は、層状ポリシランのSi−Si結合に由来するSiラジカルを活性点としてリチウムを吸脱着するのではなく、Si−H結合に由来するSiラジカルを活性点としてリチウムを吸脱着するものとなる。このように充放電を行えば、蓄電デバイスに用いた電極材料を、Si−H結合に由来するSiラジカルを有するものとすることができる。また、ESRによって測定したスピン密度がSi重量あたり1×1018spin/g以上のものとすることができる。また、X線回折における2θが13.5°以上16.5°以下の範囲にピークの頂点を有するものとすることができる。
このような蓄電デバイスの使用方法において、低電流での充放電を行うことが好ましい。低電流とは、例えば、電極材料(活物質)あたり500mA/g以下をいうものとすることができる。このうち、300mA/g以下が好ましく、200mA/g以下がより好ましく、100mA/g以下がさらに好ましい。このような電流で充放電を行うと、容量をより高めることができる。特に、充放電の初期においてこのような定電流での充放電を行った後に例えば500mA/g以上などの大電流で充放電を行うと、初めから大電流で充放電を行った場合と比較して容量を高めることができる。この理由としては、低電流での充放電をすることで、より大量のSiを活性化することができ(上述した式(2)の反応を充分に進行させることができ)、ダングリングボンド(未結合手、不対電子)が多く発生するためと考えられる。
以上詳述した本実施形態の蓄電デバイスおよびその使用方法によれば、層状ポリシランのSi−H結合に由来するSiラジカルを活性点として充放電反応が進行する。このため、シリコンを有するものにおいて体積変化をより抑制することができ、電池特性をより高めることができると考えられる。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
以下には、本発明の電極材料および蓄電デバイスを具体的に作製した例を実施例として説明する。
(1)層状ポリシランの合成
層状ポリシラン(Si6H6)の合成は、以下の条件で行った。この合成は、−30℃に冷却した濃塩酸100ml中へケイ化カルシウム(CaSi2)3gを添加し、1週間、−30℃の暗室で静置した。この処理で、黒色のケイ化カルシウムは黄色へ変化した。この黄色固体をAr雰囲気下で加圧ろ過し、脱気塩酸(−30℃)で洗浄し、脱気HF(フッ化水素)水溶液(−30℃)で洗浄し、さらに脱気アセトン(−30℃)で洗浄し、110℃で一晩減圧乾燥して層状ポリシランを合成した。合成した層状ポリシランを実施例とした。この層状ポリシランの合成の化学反応式を以下の式(1)に示す。
3CaSi2+6HCl→Si6H6+3CaCl2 …(1)
(2)電極の性能評価
電池用電極としての性能評価を以下のように行った。まず、得られた層状ポリシラン(活物質)と、導電性カーボンブラック(ライオン社製ECP)と、4フッ化エチレン樹脂(ダイキン社製F−104)とを、活物質/ECP/F104=70/25/5の重量比となるようにメノウ乳鉢に入れ、クロロホルムを粉体が浸かる程度に加え、クロロホルムが自然蒸発するまで混練して、これをフィルム化して電極合材とした。これを10mg分取して直径15mmのステンレス製メッシュに圧着し、電極を作製した。この電極を作用極とし、金属リチウムを対極とし、ポリエチレン製微多孔質膜をセパレータとし、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とを3:7の体積比で混合した溶媒に1MのLiPF6を溶解したものを電解液として、日本トムセル製2極式セルを用いて評価セルを作製した。この評価セルを充放電装置(北斗電工社製HJR−1010SM8)にセットして充放電試験を行った。充放電試験は、0.7mA、3.5mAの印加で0.33〜3Vの範囲での放電と充電を10サイクル繰り返し、その際の充放電容量を測定した。なお、充放電容量はSi重量当たりの値とした。
層状ポリシラン(Si6H6)の合成は、以下の条件で行った。この合成は、−30℃に冷却した濃塩酸100ml中へケイ化カルシウム(CaSi2)3gを添加し、1週間、−30℃の暗室で静置した。この処理で、黒色のケイ化カルシウムは黄色へ変化した。この黄色固体をAr雰囲気下で加圧ろ過し、脱気塩酸(−30℃)で洗浄し、脱気HF(フッ化水素)水溶液(−30℃)で洗浄し、さらに脱気アセトン(−30℃)で洗浄し、110℃で一晩減圧乾燥して層状ポリシランを合成した。合成した層状ポリシランを実施例とした。この層状ポリシランの合成の化学反応式を以下の式(1)に示す。
3CaSi2+6HCl→Si6H6+3CaCl2 …(1)
(2)電極の性能評価
電池用電極としての性能評価を以下のように行った。まず、得られた層状ポリシラン(活物質)と、導電性カーボンブラック(ライオン社製ECP)と、4フッ化エチレン樹脂(ダイキン社製F−104)とを、活物質/ECP/F104=70/25/5の重量比となるようにメノウ乳鉢に入れ、クロロホルムを粉体が浸かる程度に加え、クロロホルムが自然蒸発するまで混練して、これをフィルム化して電極合材とした。これを10mg分取して直径15mmのステンレス製メッシュに圧着し、電極を作製した。この電極を作用極とし、金属リチウムを対極とし、ポリエチレン製微多孔質膜をセパレータとし、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とを3:7の体積比で混合した溶媒に1MのLiPF6を溶解したものを電解液として、日本トムセル製2極式セルを用いて評価セルを作製した。この評価セルを充放電装置(北斗電工社製HJR−1010SM8)にセットして充放電試験を行った。充放電試験は、0.7mA、3.5mAの印加で0.33〜3Vの範囲での放電と充電を10サイクル繰り返し、その際の充放電容量を測定した。なお、充放電容量はSi重量当たりの値とした。
図3は、充電電流を変えたときの充電容量比を示すグラフである。ここで、充電容量比(%)は、0.7mA測定10サイクル目の充電容量に対する、3.5mA測定10サイクル目の充電容量の割合を示す値である。図3には、比較のため、層状ポリシランを用いて0〜1Vの範囲で充放電を行ったものや、層状ポリシランの代わりにSi粒子(粒径100nm以下、アルドリッチ製)を用いて0〜1Vの範囲で充放電を行ったものの充電容量比も示した。図3に示すように、層状ポリシランを用い0.33〜3Vの範囲で充放電を行った実施例のものでは充電容量比が25%であり、0〜1Vの範囲で充放電を行ったものでは充電容量比が15%であり、Si粒子を用いたものものでは充電容量比が13%であった。このように、実施例のものでは、他のものと比較して充電容量比が高いことが分かった。このことから、実施例のものは、大電流追随性が良好であることが分かった。このため、例えば、キャパシタ用電極としても好適に用いることができるものと推察された。
このように、大電流追随性が良好となる理由は、以下のように推察された。リチウム基準で0.3Vを下回らないように充放電を行うと、層状ポリシランのSi−H結合に由来するSiラジカルを活性点としてリチウムを吸脱着する反応が生じる。この反応では、上述した式(2)の反応によって一度Si−H結合に由来するSiラジカルが発生すると、その後の充放電では、式(3)に示すSiラジカルとリチウムイオンとの反応がメインとなる。これに対して、リチウム基準で0.3Vを下回るような電位範囲で充放電を行うと、まず、式(4)のようにSi−Si結合を切断し、その後に式(5)に示すSiラジカルとリチウムイオンとの反応が生じ、式(4)と式(5)の反応を繰り返すこととなる。このため、0.3Vを下回らないような充放電を行うと、0.3Vを下回るような充放電を行った場合と比較して反応エネルギーが小さくなると考えられる。また、式(4)式(5)の反応が進行しないような、リチウム基準で0.3Vを下回らない電位範囲で充放電を行うと、層構造が崩壊しないためリチウムイオンの出入りが容易であり、大電流への追随性が良好になると推察された。
図4は、0.33〜3Vの電位窓で測定したときの充放電サイクル数と放電容量との関係を示すグラフである。図4には、0.7mA(電極材料あたり100mA/g)測定を行った場合、0.7mA測定10サイクル後のものを用いて3.5mA(電極材料あたり500mA/g)測定を行った場合、初期から3.5mA測定を行った場合におけるサイクル毎の放電容量を示した。図4には、比較のため、層状ポリシランの代わりにSi粒子を用いた場合の結果も示した。0.7mA測定を行った場合、0.7mA測定後のものを用いて3.5mA測定を行った場合、ともに容量はSi粒子を用いたものよりも層状ポリシランを用いたものの方が大きかった。このことから、層状ポリシランを用い0.33〜3Vの範囲で充放電を行った実施例のものでは、Si粒子を用いたものと比較して容量が大きいことが分かった。また、充放電後の容量も大きいことから、サイクル特性も良好であることが分かった。図4には、さらに、0.7mAで0〜1Vの範囲で放電と充電を3サイクル繰り返したもの(0−1V充放電品)を用いた場合の結果も示した。0.3V以下の充放電を経験していない層状ポリシランを用いた実施例のものでは、層状ポリシランの0−1V充放電品と比較して容量が大きく、サイクル特性が良好であった。このことから、0−1V充電品では、0.3Vを下回る電位範囲で充放電を行うことによって、Si−Si結合が切断され、層周期構造が崩壊し、リチウムの吸蔵放出が困難になったものと推察された。以上より、本発明の電極材料は0.3Vを下回る電位範囲での充放電を経験しないことが好ましいと推察された。
このように、層状ポリシランを用い0.33〜3Vの範囲で充放電を行った実施例のもので、容量をより高め、サイクル特性をより高めることができる理由は、以下のように体積変化をより小さくできるためと推察された。Si−H結合に由来するSiラジカルを活性点としてリチウムを吸脱着する反応のみが進行し、Si−Si結合に由来するSiラジカルを活性点としてリチウムを吸脱着する反応が進行しない電位窓においては、層状ポリシランの層周期構造は維持されていると考えられる。この層周期構造は、リチウムの大きさに対して十分な層間を有しているため、リチウムの吸蔵放出に伴う体積変化が小さい。また、不対電子が多く存在するため、空隙がより多くなり、リチウムの吸蔵放出に伴う体積変化がより小さくなる。なお、層周期構造が維持されている点については、後述するXRDで確認された。
また、層状ポリシランを初期から3.5mA測定を行ったものと0.7mA測定後のものを用いて3.5mA測定を行ったものを比較すると、容量は後者の方が大きかった。これは、0.33Vとなるまで印加するのに低電流であるほうが大量のSiを活性化することができ(上述した式(2)の反応を充分に進行させることができ)、ダングリングボンドが多く発生したためと推察された。このことから、実施例の蓄電デバイスは、初期に低電流で用いることが好ましいことが分かった。
次に、層状ポリシランを用い0.7mAで10サイクル充放電したものについて、充放電前後で膜厚を測定し、初期品に対するサイクル後の膜厚の増加率を求めた。層状ポリシランを用いて0.33V〜3Vの範囲で充放電を行った実施例のものでは、膜厚の増加率は109%であった。さらに、比較のため、層状ポリシランを用いて0〜1Vの範囲で充放電を行ったものや、層状ポリシランの代わりにSi粒子を用いて0〜1Vの範囲で充放電を行った場合の膜厚の増加率も求めた。層状ポリシランを用いて0〜1Vの範囲で充放電を行ったものでは150%であり、Si粒子を用いて0〜1Vの範囲で充放電を行ったものでは156%であった。このことから、実施例のものでは、充放電に伴う体積変化が小さいことが分かった。
(3)電子スピン共鳴測定(ESR)
層状ポリシランの電子状態について、Xバンドにて電子スピン共鳴測定を行った。ESRには、ESP300E(BULKER社製)を用いた。また、測定は常温で行った。測定には、A:調製したままの電極、B:0.7mAで0.33Vまで放電した電極、C:0.7mAで0〜1V充放電2サイクル後の電極を用いた。
層状ポリシランの電子状態について、Xバンドにて電子スピン共鳴測定を行った。ESRには、ESP300E(BULKER社製)を用いた。また、測定は常温で行った。測定には、A:調製したままの電極、B:0.7mAで0.33Vまで放電した電極、C:0.7mAで0〜1V充放電2サイクル後の電極を用いた。
図5は、ESRの測定結果のシグナルを示すグラフである。また、図6は、シグナルから算出したスピン密度を示すグラフである。スピン密度の算出は、図5を積分し、ピーク面積を求め、これを濃度標準試料(Aldrich製,1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジン)の測定結果と比較することにより求めた。図5,6より、調整したままのもの(A)では、スピン密度が8.3×1017spin/gであり、ほとんど不対電子を持たないことが分かった。また、0.33Vまで放電したもの(B)では、スピン密度が3.5×1019spin/gであり、ラジカル量が最大となることが分かった。なお、このBのものは強度が非常に大きいため、図5では、振幅を0.15倍した結果を示した。このBのものはシグナルの半価幅が小さかった。このことから、Si−H結合に由来する均一な環境のラジカルサイトが形成されていることが分かった。また、0.7mAで0〜1V充放電2サイクル後のもの(C)は0.33Vを超えて0Vまで放電された経験を持つものであるが、シグナルがブロードであった。このことから、複数種の環境のラジカルサイトが形成されていることが分かった。具体的には、Si−H結合由来のラジカルサイトに加えて層状構造の一部が壊れてSi−Si結合が切断された結果生じたラジカルサイトなどが含まれ、これによりラジカルの異方性が高くなったためと推察された。また、Si−Si結合間で切断、再結合を繰り返すことで層状構造がこわれ、また、不均一なラジカルサイトが生じたものと推察された。このCのものは、スピン密度が8.4×1017spin/gであり、ラジカル量がBのものと比較して少なかった。これは、Si−Si結合が切断されてラジカルが生じても、近くにあるSiラジカルと再結合しやすく、ラジカルが少なくなるためと推察された。
(4)XRD回折
層状ポリシランを電極に用いて、上述した電極の性能評価のセルを作製し、0.7mAで0.4V、0.33V、0Vまで放電したものと、0Vまで放電後3Vまで充電したものをそれぞれAr雰囲気のグローブボックス中でセルを解体して電極を取り出しDECで洗浄後乾燥したものと、as−prepared(初期)のものとの構造をXRDで比較した。測定にはリガク社製RINT−TTRを用いた。測定条件は、線源にCuKαを用い、電圧50kV、電流300mA、発散スリット(DS)0.5°、散乱スリット(SS)0.5°、受光スリット(RS)0.15mmとした。試料ホルダは不活性ガス封入ホルダを用いた。図7は、XRD測定結果を示すグラフである。図7より、初期のもの、0.4Vまで放電したもの、0.33Vまで放電したものからは14.5°に層状ポリシランの(001)面に帰属するピークが検出された。このピークはC軸方向である面間隔の周期性を示すものでありこれらの半価幅はすべて同じ1.37°であることから、初期から0.33Vまではほとんど構造変化がないことが確認できた。一方、0Vまで放電すると14.5°のピークが消失し、周期構造が崩壊したことが分かった。また、0Vまで放電した後に充電を行っても、周期構造は修復されないことが分かった。以上のことから、ダングリングボンドが発生する0.33Vまでの放電では、層状ポリシランの周期構造が維持できることがわかった。なお、このXRD測定結果から、初期の層状ポリシランの層は、0.61nm周期であると推察された。また、化学構造式作画ソフトのChemDraw(登録商標)を用いて計算したところ、ポリシラン層の厚さは0.43nmであると計算された。これらのことより、層状ポリシランの層間空間は、0.18nmであると計算された。リチウムイオンは、直径が0.146nmであることから、層状ポリシランの層間にリチウムイオンが挿入・脱離することによる体積変化は小さいことが予想された。以上のことは、層状ポリシランが周期構造を保ったままリチウムイオンを挿入・脱離することが可能であることを裏付けるものである。
層状ポリシランを電極に用いて、上述した電極の性能評価のセルを作製し、0.7mAで0.4V、0.33V、0Vまで放電したものと、0Vまで放電後3Vまで充電したものをそれぞれAr雰囲気のグローブボックス中でセルを解体して電極を取り出しDECで洗浄後乾燥したものと、as−prepared(初期)のものとの構造をXRDで比較した。測定にはリガク社製RINT−TTRを用いた。測定条件は、線源にCuKαを用い、電圧50kV、電流300mA、発散スリット(DS)0.5°、散乱スリット(SS)0.5°、受光スリット(RS)0.15mmとした。試料ホルダは不活性ガス封入ホルダを用いた。図7は、XRD測定結果を示すグラフである。図7より、初期のもの、0.4Vまで放電したもの、0.33Vまで放電したものからは14.5°に層状ポリシランの(001)面に帰属するピークが検出された。このピークはC軸方向である面間隔の周期性を示すものでありこれらの半価幅はすべて同じ1.37°であることから、初期から0.33Vまではほとんど構造変化がないことが確認できた。一方、0Vまで放電すると14.5°のピークが消失し、周期構造が崩壊したことが分かった。また、0Vまで放電した後に充電を行っても、周期構造は修復されないことが分かった。以上のことから、ダングリングボンドが発生する0.33Vまでの放電では、層状ポリシランの周期構造が維持できることがわかった。なお、このXRD測定結果から、初期の層状ポリシランの層は、0.61nm周期であると推察された。また、化学構造式作画ソフトのChemDraw(登録商標)を用いて計算したところ、ポリシラン層の厚さは0.43nmであると計算された。これらのことより、層状ポリシランの層間空間は、0.18nmであると計算された。リチウムイオンは、直径が0.146nmであることから、層状ポリシランの層間にリチウムイオンが挿入・脱離することによる体積変化は小さいことが予想された。以上のことは、層状ポリシランが周期構造を保ったままリチウムイオンを挿入・脱離することが可能であることを裏付けるものである。
(5)IR測定
合成した層状ポリシランについて、IRスペクトルを測定した。測定装置はニコレー社製Magna760型フーリエ赤外分光計、Nic−Plan型赤外顕微鏡を用いた。図8は、層状ポリシランのIRスペクトル測定結果である。図8に示すように、初期の層状ポリシランでは、Si−H伸縮に由来する2100cm-1付近のピークと、Si−OH伸縮に由来する1100cm-1のピークとが観測された。このことから六員環を形成するケイ素原子は、Si−H結合を有していると推察された。なお、層状ポリシランでSi−OH伸縮に由来するピークが検出された理由であるが、大気中で測定した際に水分の影響で発生したものと推測された。
合成した層状ポリシランについて、IRスペクトルを測定した。測定装置はニコレー社製Magna760型フーリエ赤外分光計、Nic−Plan型赤外顕微鏡を用いた。図8は、層状ポリシランのIRスペクトル測定結果である。図8に示すように、初期の層状ポリシランでは、Si−H伸縮に由来する2100cm-1付近のピークと、Si−OH伸縮に由来する1100cm-1のピークとが観測された。このことから六員環を形成するケイ素原子は、Si−H結合を有していると推察された。なお、層状ポリシランでSi−OH伸縮に由来するピークが検出された理由であるが、大気中で測定した際に水分の影響で発生したものと推測された。
(6)ラマンスペクトル測定
合成した層状ポリシランについて、ラマンスペクトルを測定した。測定装置は日本分光製NRS−3300型レーザーラマン分光計を用いた。また、励起波長は532nm、対物レンズは20倍、露光時間は30秒、レーザーパワーは2.2mWとし、石英セル(不活性ガス雰囲気)中で測定した。図9は、層状ポリシランのラマンスペクトル測定結果である。ラマンスペクトルのSi−H由来のピークは、層状ポリシランのラマンスペクトルにつき、Hartree−Fock/6−31G(d)を用いたシミュレーション(モデル構造はSi24H36)を行うことにより同定した。その結果、370,490,630cm-1のピークはSi主鎖の振動、730cm-1は隣り合うSi−H同士の首振り振動、840cm-1のピークはH−Si−H変角、2100cm-1はSi−H伸縮であることが推察された。
合成した層状ポリシランについて、ラマンスペクトルを測定した。測定装置は日本分光製NRS−3300型レーザーラマン分光計を用いた。また、励起波長は532nm、対物レンズは20倍、露光時間は30秒、レーザーパワーは2.2mWとし、石英セル(不活性ガス雰囲気)中で測定した。図9は、層状ポリシランのラマンスペクトル測定結果である。ラマンスペクトルのSi−H由来のピークは、層状ポリシランのラマンスペクトルにつき、Hartree−Fock/6−31G(d)を用いたシミュレーション(モデル構造はSi24H36)を行うことにより同定した。その結果、370,490,630cm-1のピークはSi主鎖の振動、730cm-1は隣り合うSi−H同士の首振り振動、840cm-1のピークはH−Si−H変角、2100cm-1はSi−H伸縮であることが推察された。
(7)NMRスペクトル測定
合成した層状ポリシランについて、NMRスペクトルを測定した。測定装置は日本電子製の超伝導フーリエ変換核磁気共鳴装置(JNM−LA500)を用い、29Si−NMRを測定した。図10は、層状ポリシランのNMRスペクトル測定結果である。図10に示すように、層状ポリシランの29Si−NMRスペクトルでは、−90ppm以上−110ppm以下の範囲に頂点が存在するピークが得られた。このピークは、RHF/6−31G(d)を用いた量子化学計算により、層状ポリシランのHSi(Si)3であると推察された。
合成した層状ポリシランについて、NMRスペクトルを測定した。測定装置は日本電子製の超伝導フーリエ変換核磁気共鳴装置(JNM−LA500)を用い、29Si−NMRを測定した。図10は、層状ポリシランのNMRスペクトル測定結果である。図10に示すように、層状ポリシランの29Si−NMRスペクトルでは、−90ppm以上−110ppm以下の範囲に頂点が存在するピークが得られた。このピークは、RHF/6−31G(d)を用いた量子化学計算により、層状ポリシランのHSi(Si)3であると推察された。
20 コイン型電池、21 電池ケース、22 正極、23 負極、24 セパレータ、25 ガスケット、26 封口板。
Claims (6)
- 活性点として層状ポリシランのSi−H結合に由来するSiラジカルを有する、電極材料。
- 電子スピン共鳴法によって測定したスピン密度がSi重量あたり1×1018spin/g以上である、請求項1に記載の電極材料。
- 前記電極材料は、X線回折における2θが13.5°以上16.5°以下の範囲にピークの頂点を示す、請求項1又は2に記載の電極材料。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の電極材料を有する電極と、
前記電極と接触しリチウムイオンを伝導するイオン伝導媒体と、
を備えた蓄電デバイス。 - 請求項4に記載の蓄電デバイスの使用方法であって、
放電電位がリチウム基準で0.3Vを下回らないように充放電を行う、
蓄電デバイスの使用方法。 - 前記充放電は、前記電極材料あたり500mA/g以下の電流で行う、
請求項5に記載の蓄電デバイスの使用方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011028739A JP2012169132A (ja) | 2011-02-14 | 2011-02-14 | 電極材料、蓄電デバイスおよび蓄電デバイスの使用方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011028739A JP2012169132A (ja) | 2011-02-14 | 2011-02-14 | 電極材料、蓄電デバイスおよび蓄電デバイスの使用方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012169132A true JP2012169132A (ja) | 2012-09-06 |
Family
ID=46973108
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011028739A Pending JP2012169132A (ja) | 2011-02-14 | 2011-02-14 | 電極材料、蓄電デバイスおよび蓄電デバイスの使用方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2012169132A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014080608A1 (ja) * | 2012-11-21 | 2014-05-30 | 株式会社豊田自動織機 | ナノシリコン材料及び負極活物質とその製造方法及び蓄電装置 |
JP2014118333A (ja) * | 2012-12-18 | 2014-06-30 | Toyota Industries Corp | ナノシリコン材料とその製造方法 |
JP2014123537A (ja) * | 2012-11-21 | 2014-07-03 | Toyota Industries Corp | 負極活物質とその製造方法及び蓄電装置 |
WO2015097974A1 (ja) * | 2013-12-25 | 2015-07-02 | 株式会社豊田自動織機 | 負極活物質とその製造方法及び蓄電装置 |
WO2017073063A1 (ja) * | 2015-10-29 | 2017-05-04 | 株式会社豊田自動織機 | シリコン材料の製造方法 |
JPWO2015182116A1 (ja) * | 2014-05-29 | 2017-05-25 | 株式会社豊田自動織機 | ナノシリコン材料とその製造方法及び二次電池の負極 |
JP2018046012A (ja) * | 2016-09-12 | 2018-03-22 | 株式会社Gsユアサ | 負極活物質、負極、及び非水電解質蓄電素子 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004213905A (ja) * | 2002-12-26 | 2004-07-29 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 非水電解質二次電池用電極材料とその製造方法、ならびにそれを用いた非水電解質二次電池 |
WO2006009073A1 (ja) * | 2004-07-16 | 2006-01-26 | Kabushiki Kaisha Toyota Chuo Kenkyusho | シリコンナノシート、ナノシート溶液及びその製造方法、ナノシート含有複合体、並びに、ナノシート凝集体 |
JP2010132640A (ja) * | 2008-10-28 | 2010-06-17 | Toyota Central R&D Labs Inc | シリコンナノシート、その製法及びリチウムイオン二次電池 |
-
2011
- 2011-02-14 JP JP2011028739A patent/JP2012169132A/ja active Pending
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004213905A (ja) * | 2002-12-26 | 2004-07-29 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 非水電解質二次電池用電極材料とその製造方法、ならびにそれを用いた非水電解質二次電池 |
WO2006009073A1 (ja) * | 2004-07-16 | 2006-01-26 | Kabushiki Kaisha Toyota Chuo Kenkyusho | シリコンナノシート、ナノシート溶液及びその製造方法、ナノシート含有複合体、並びに、ナノシート凝集体 |
JP2010132640A (ja) * | 2008-10-28 | 2010-06-17 | Toyota Central R&D Labs Inc | シリコンナノシート、その製法及びリチウムイオン二次電池 |
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
JPN6014020919; Yoko Kumai et al.: 'Characteristics and structural change of layered polysilane (Si6H6) anode for lithium ion batteries' Journal of Power Sources 196, 20100821, 1503-1507 * |
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014080608A1 (ja) * | 2012-11-21 | 2014-05-30 | 株式会社豊田自動織機 | ナノシリコン材料及び負極活物質とその製造方法及び蓄電装置 |
JP2014123537A (ja) * | 2012-11-21 | 2014-07-03 | Toyota Industries Corp | 負極活物質とその製造方法及び蓄電装置 |
US9527748B2 (en) | 2012-11-21 | 2016-12-27 | Kabushiki Kaisha Toyota Jidoshokki | Production process for nanometer-size silicon material |
JP2014118333A (ja) * | 2012-12-18 | 2014-06-30 | Toyota Industries Corp | ナノシリコン材料とその製造方法 |
WO2015097974A1 (ja) * | 2013-12-25 | 2015-07-02 | 株式会社豊田自動織機 | 負極活物質とその製造方法及び蓄電装置 |
JPWO2015097974A1 (ja) * | 2013-12-25 | 2017-03-23 | 株式会社豊田自動織機 | 負極活物質とその製造方法及び蓄電装置 |
JPWO2015182116A1 (ja) * | 2014-05-29 | 2017-05-25 | 株式会社豊田自動織機 | ナノシリコン材料とその製造方法及び二次電池の負極 |
WO2017073063A1 (ja) * | 2015-10-29 | 2017-05-04 | 株式会社豊田自動織機 | シリコン材料の製造方法 |
JPWO2017073063A1 (ja) * | 2015-10-29 | 2018-08-16 | 株式会社豊田自動織機 | シリコン材料の製造方法 |
JP2018046012A (ja) * | 2016-09-12 | 2018-03-22 | 株式会社Gsユアサ | 負極活物質、負極、及び非水電解質蓄電素子 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5471284B2 (ja) | リチウム二次電池用電極及びそれを備えたリチウム二次電池 | |
JP6361599B2 (ja) | 蓄電デバイス | |
JP5897971B2 (ja) | 電極活物質、非水系二次電池用電極、非水系二次電池及び非水系二次電池用電極の製造方法 | |
JP6530071B2 (ja) | 非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法、非水電解質二次電池用負極の製造方法、及び非水電解質二次電池の製造方法 | |
JP2012169132A (ja) | 電極材料、蓄電デバイスおよび蓄電デバイスの使用方法 | |
JP2011165433A (ja) | 二次電池 | |
JP5509627B2 (ja) | 蓄電デバイス | |
JP2012221885A (ja) | 蓄電デバイス | |
JP5749882B2 (ja) | リチウム二次電池 | |
JP2012022924A (ja) | シリコン化合物、蓄電デバイス用負極及び蓄電デバイス | |
CN114026729B (zh) | 锂电池和基于脲的添加剂作为其中的电解质添加剂的用途 | |
JP2021028957A (ja) | 蓄電デバイス及び電極 | |
JP5942716B2 (ja) | リチウム内包炭素化合物の製法、リチウム内包炭素化合物粉末、負極活物質及びリチウムイオン二次電池 | |
JP5272810B2 (ja) | キャパシタ | |
JP2014022210A (ja) | 金属空気二次電池用炭素材料並びにこれを用いた金属空気二次電池用正極部材及び金属空気二次電池 | |
JP6127817B2 (ja) | 非水電解質二次電池用電極及びそれを用いた非水電解質二次電池 | |
JP2012221886A (ja) | 蓄電デバイス及び蓄電デバイス用負極の製造方法 | |
JP6607211B2 (ja) | 蓄電デバイス用電極及び蓄電デバイス | |
JP5504853B2 (ja) | リチウム二次電池の使用方法 | |
JP4029273B2 (ja) | 電気化学セル用電極材料およびそれを用いた電気化学セル | |
JP2008257888A (ja) | 電気化学素子の電極用炭素材料及びその製造方法、並びに電気化学素子用電極 | |
JP6831180B2 (ja) | 蓄電デバイス及びその製造方法 | |
JP6011166B2 (ja) | シリコン化合物の製造方法 | |
JP2014195018A (ja) | 蓄電デバイス | |
JP6011077B2 (ja) | 非水系電池 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20131113 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20140516 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140527 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20141007 |