JP2018046012A - 負極活物質、負極、及び非水電解質蓄電素子 - Google Patents
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Abstract
Description
LiMxBi(1−x)O2 ・・・(1)
(式(1)中、Mは、Mg、Al、V、Fe、Co、Ni、Cu、Zn又はこれらの組み合わせである。0.2≦x≦0.9である。)
y=A/(1+(x−x0)2/w2) ・・・(2)
式(2)中、Aはピークの高さ、x0はピーク位置、wはピークの半値半幅を表す。
なお、上記式(1)で表される複合酸化物において、x≧0.67の場合、フィッティングに用いる関数を「バックグラウンド+ピーク1(一次関数と上記式(2)で表される関数との和で表される関数)」とすることができ、x<0.67の場合、フィッティングに用いる関数を「バックグラウンド+ピーク1+ピーク2+ピーク3(一次関数と、それぞれ上記式(2)で表される3つの関数との和で表される関数)」とすることができる。
本発明の一実施形態に係る非水電解質蓄電素子用の負極活物質は、リチウム(Li)と、ビスマス(Bi)と、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、バナジウム(V)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)又はこれらの組み合わせである金属元素(M)とを含む複合酸化物を含有する。
LiMxBi(1−x)O2 ・・・(1)
(式(1)中、Mは、Mg、Al、V、Fe、Co、Ni、Cu、Zn又はこれらの組み合わせである。0.2≦x≦0.9である。)
(式(1’)中、M’は、Mg、Al、V、Fe、Co、Cu、Zn又はこれらの組み合わせである。0.2≦x≦0.9である。0<y≦1である。)
本発明の一実施形態に係る非水電解質蓄電素子用の負極は、上記負極活物質を含有する。当該負極は、上記負極活物質を含有するため、適当な電位範囲での使用によって非水電解質蓄電素子のエネルギー密度を高めることができる。
本発明の非水電解質蓄電素子の一実施形態として、以下に非水電解質二次電池(以下、単に「二次電池」ともいう。)について説明する。当該二次電池は、正極、負極及び非水電解質を備える非水電解質二次電池であって、上記負極が、上述した負極である。当該二次電池は、上記負極活物質を含有する負極を備えるため、適当な電位範囲での使用によって高いエネルギー密度を発揮することなどができる。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、上記態様の他、種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。上記実施の形態においては、非水電解質蓄電素子が非水電解質二次電池である形態を説明したが、その他の非水電解質蓄電素子であってもよい。その他の非水電解質蓄電素子としては、非水電解質を用いたキャパシタ(電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ)などが挙げられる。
炭酸リチウム(Li2CO3)、酸化ニッケル(NiO)及び酸化ビスマス(Bi2O3)をLi:Ni:Bi=10:9:1のモル比で混合した。具体的には、これらを助剤としてのエタノールと共に直径5mmのジルコニア製ボールが90g(約250個)入った内容積80mLのジルコニア製ポットに投入し、蓋をした。これを遊星型ボールミル(FRITSCH社の「pulverisette 5」)にセットし、公転回転数300rpmで1時間湿式混合した。この混合物を乾燥機で75℃雰囲気下3時間以上乾燥し、前駆体を調製した。次いで、この前駆体を容量150mLのアルミナ製るつぼに載置し、このるつぼを卓上真空・ガス置換炉(デンケン・ハイデンタル社の「KDF75」)に設置した。次いで、空気流中、常圧下、10時間で常温から700℃まで昇温し、この温度で4時間保持した後、室温まで自然放冷した。このようにして、複合酸化物(LiNi0.90Bi0.10O2:x=0.90)である実施例1の負極活物質を得た。
Li2CO3、NiO及びBi2O3の混合比をLi:Ni:Bi(モル比)で、それぞれ以下の通りとしたこと以外は実施例1と同様の操作をして、複合酸化物である実施例2〜7及び比較例1の負極活物質を得た。
6:5:1(実施例2:LiNi0.83Bi0.17O2:x=0.83)
4:3:1(実施例3:LiNi0.75Bi0.25O2:x=0.75)
3:2:1(実施例4:LiNi0.67Bi0.33O2:x=0.67)
2:1:1(実施例5:LiNi0.50Bi0.50O2:x=0.50)
5:2:3(実施例6:LiNi0.40Bi0.60O2:x=0.40)
10:3:7(実施例7:LiNi0.30Bi0.70O2:x=0.30)
1:1:0(比較例1:LiNiO2:x=1)
Li2CO3、NiO、Bi2O3及びMgOをLi:Ni:Bi:Mg=3:1:1:1のモル比で混合したこと以外は実施例1と同様の操作により、複合酸化物(LiNi0.33Mg0.33Bi0.33O2)である実施例8の負極活物質を得た。
Li2CO3、NiO、Bi2O3及びCuOをLi:Ni:Bi:Cu=3:1:1:1のモル比で混合したこと以外は実施例1と同様の操作により、複合酸化物(LiNi0.33Cu0.33Bi0.33O2)である実施例9の負極活物質を得た。
Li2CO3、NiO、Bi2O3及びZnOをLi:Ni:Bi:Zn=3:1:1:1のモル比で混合したこと以外は実施例1と同様の操作により、複合酸化物(LiNi0.33Zn0.33Bi0.33O2)である実施例10の負極活物質を得た。
まず、以下のSSR法により複合酸化物を合成した。炭酸リチウム(Li2CO3)、酸化ニッケル(NiO)及び酸化ビスマス(Bi2O3)をLi:Ni:Bi=10:9:1のモル比で混合した。具体的には、これらを助剤としてのエタノールと共に直径5mmのジルコニア製ボールが90g(約250個)入った内容積80mLのジルコニア製ポットに投入し、蓋をした。これを遊星型ボールミル(FRITSCH社の「pulverisette 5」)にセットし、公転回転数300rpmで1時間湿式混合した。この混合物を乾燥機で75℃雰囲気下3時間以上乾燥し、前駆体を調製した。次いで、この前駆体を容量150mLのアルミナ製るつぼに載置し、このるつぼを卓上真空・ガス置換炉(デンケン・ハイデンタル社の「KDF75」)に設置した。次いで、空気流中、常圧下、10時間で常温から700℃まで昇温し、この温度で4時間保持した後、室温まで自然放冷した。
上記のSSR法により得られた複合酸化物を直径5mmのタングステンカーバイド製ボールが250g(約250個)入った内容積80mLのタングステンカーバイド製ポットに投入し、アルゴン雰囲気を維持したグローブボックス中で蓋をした。これを遊星型ボールミル(FRITSCH社の「pulverisette 5」)にセットし、公転回転数400rpmで4時間処理を行った。このようなMC法により、複合酸化物(LiNi0.90Bi0.10O2:x=0.90)である実施例11の負極活物質を得た。
Li2CO3、NiO及びBi2O3の混合比をLi:Ni:Bi(モル比)で、それぞれ以下の通りとしたこと以外は実施例11と同様の操作をして、複合酸化物である実施例12〜15の負極活物質を得た。
3:2:1(実施例12:LiNi0.67Bi0.33O2:x=0.67)
5:2:3(実施例13:LiNi0.40Bi0.60O2:x=0.40)
10:3:7(実施例14:LiNi0.30Bi0.70O2:x=0.30)
5:1:4(実施例15:LiNi0.20Bi0.80O2:x=0.20)
LiOH・H2O及びAl2O3をLi/Al=1.00のモル比で混合した。具体的には、これらを助剤としてのアセトンと共に直径5mmのジルコニア製ボールが90g(約250個)入った内容積80mLのジルコニア製ポットに投入し、蓋をした。これを遊星型ボールミル(FRITSCH社の「pulverisette 5」)にセットし、公転回転数300rpmで1時間湿式混合した。この混合物を乾燥機で75℃雰囲気下3時間以上乾燥し、前駆体を調製した。次いで、この前駆体を容量30mLのアルミナ製るつぼに載置し、このるつぼを卓上真空・ガス置換炉(デンケン・ハイデンタル社の「KDF75」)に設置した。次いで、空気流中、常圧下、10時間で常温から750℃まで昇温し、この温度で4時間保持した後、室温まで自然放冷し、酸化物(LiAlO2)を得た。
Li2CO3及びBi2O3をLi/Bi=1.00のモル比で混合した。具体的には、これらを助剤としてのエタノールと共に直径5mmのジルコニア製ボールが90g(約250個)入った内容積80mLのジルコニア製ポットに投入し、蓋をした。これを遊星型ボールミル(FRITSCH社の「pulverisette 5」)にセットし、公転回転数300rpmで1時間湿式混合した。この混合物を乾燥機で75℃雰囲気下3時間以上乾燥し、前駆体を調製した。次いで、この前駆体を容量30mLのアルミナ製るつぼに載置し、このるつぼを卓上真空・ガス置換炉(デンケン・ハイデンタル社の「KDF75」)に設置した。次いで、空気流中、常圧下、10時間で常温から750℃まで昇温し、この温度で4時間保持した後、室温まで自然放冷し、酸化物(LiBiO2)を得た。
上記のSSR法により得られたLiAlO2とLiBiO2とを1:1のモル比で混合した。この混合物を直径5mmのタングステンカーバイド製ボールが250g(約250個)入った内容積80mLのタングステンカーバイド製ポットに投入し、アルゴン雰囲気を維持したグローブボックス中で蓋をした。これを遊星型ボールミル(FRITSCH社の「pulverisette 5」)にセットし、公転回転数400rpmで4時間処理を行った。このようなMC法により、複合酸化物(LiAl0.50Bi0.50O2:x=0.50)である実施例16の負極活物質を得た。
Li2CO3及びV2O3をLi/V=1.03のモル比で混合した。具体的には、これらを助剤としてのアセトンと共に直径5mmのジルコニア製ボールが90g(約250個)入った内容積80mLのジルコニア製ポットに投入し、蓋をした。これを遊星型ボールミル(FRITSCH社の「pulverisette 5」)にセットし、公転回転数300rpmで1時間湿式混合した。この混合物を乾燥機で75℃雰囲気下3時間以上乾燥し、前駆体を調製した。次いで、この前駆体を容量30mLのアルミナ製るつぼに載置し、このるつぼを卓上真空・ガス置換炉(デンケン・ハイデンタル社の「KDF75」)に設置した。次いで、窒素流中、常圧下、100分で常温から1050℃まで昇温し、この温度で10分間保持した後、室温まで自然放冷し、酸化物(LiVO2)を得た。
上記実施例16と同様の方法にて、酸化物(LiBiO2)を得た。
上記のSSR法により得られたLiVO2とLiBiO2とを1:1のモル比で混合した混合物を用いたこと以外は、実施例16と同様のMC法による処理をして、複合酸化物(LiV0.50Bi0.50O2:x=0.50)である実施例17の負極活物質を得た。
Li2CO3及びFe2O3をLi/Fe=1.00のモル比で混合した。具体的には、これらを助剤としてのエタノールと共に直径5mmのジルコニア製ボールが90g(約250個)入った内容積80mLのジルコニア製ポットに投入し、蓋をした。これを遊星型ボールミル(FRITSCH社の「pulverisette 5」)にセットし、公転回転数300rpmで1時間湿式混合した。この混合物を乾燥機で75℃雰囲気下3時間以上乾燥し、前駆体を調製した。次いで、この前駆体を容量30mLのアルミナ製るつぼに載置し、このるつぼを卓上真空・ガス置換炉(デンケン・ハイデンタル社の「KDF75」)に設置した。次いで、空気流中、常圧下、10時間で常温から950℃まで昇温し、この温度で4時間保持した後、室温まで自然放冷し、酸化物(LiFeO2)を得た。
上記実施例16と同様の方法にて、酸化物(LiBiO2)を得た。
上記のSSR法により得られたLiFeO2とLiBiO2とを1:1のモル比で混合した混合物を用いたこと以外は、実施例16と同様のMC法による処理をして、複合酸化物(LiFe0.50Bi0.50O2:x=0.50)である実施例18の負極活物質を得た。
Li2CO3及びCo3O4をLi/Co=1.00のモル比で混合した。具体的には、これらを助剤としてのエタノールと共に直径5mmのジルコニア製ボールが90g(約250個)入った内容積80mLのジルコニア製ポットに投入し、蓋をした。これを遊星型ボールミル(FRITSCH社の「pulverisette 5」)にセットし、公転回転数300rpmで1時間湿式混合した。この混合物を乾燥機で75℃雰囲気下3時間以上乾燥し、前駆体を調製した。次いで、この前駆体を容量30mLのアルミナ製るつぼに載置し、このるつぼを卓上真空・ガス置換炉(デンケン・ハイデンタル社の「KDF75」)に設置した。次いで、空気流中、常圧下、10時間で常温から650℃まで昇温し、この温度で4時間保持した後、室温まで自然放冷し、酸化物(LiCoO2)を得た。
上記実施例16と同様の方法にて、酸化物(LiBiO2)を得た。
上記のSSR法により得られたLiCoO2とLiBiO2とを1:1のモル比で混合した混合物を用いたこと以外は、実施例16と同様のMC法による処理をして、複合酸化物(LiCo0.50Bi0.50O2:x=0.50)である実施例19の負極活物質を得た。
上記実施例16と同様の方法にて、酸化物(LiBiO2)を得た。この固相法により得られたLiBiO2を直径5mmのタングステンカーバイド製ボールが250g(約250個)入った内容積80mLのタングステンカーバイド製ポットに投入し、アルゴン雰囲気を維持したグローブボックス中で蓋をした。これを遊星型ボールミル(FRITSCH社の「pulverisette 5」)にセットし、公転回転数400rpmで4時間処理を行い、複合酸化物(LiBiO2)である比較例2の負極活物質を得た。但し、後述するように、前述の処理では、反応は生じず、微粉化したのみであった。
市販品の酸化ビスマス(Bi2O3)を比較例3の負極活物質として用意した。
実施例1〜19及び比較例1〜2で得られた複合酸化物について、以下の方法にて粉末X線回折測定を行った。X線回折装置(Rigaku社の「MiniFlex II」)を用い、線源はCuKα線、管電圧は30kV、管電流は15mAとした。回折X線は厚み30μmのKβフィルターを通し高速一次元検出器(型番:D/teX Ultra 2)にて検出した。サンプリング幅は0.01°、スキャンスピードは5°/min、発散スリット幅は0.625°、受光スリット幅は13mm(OPEN)、散乱スリット幅は8mmとした。実施例4より得られたX線回折データについて、上記「RIETAN2000」プログラムを用いてリートベルト解析を実施した。
実施例4で得られた複合酸化物は、リートベルト解析により、空間群C2/mに帰属可能な結晶構造を有することがわかった。図3に実施例2(x=0.83)、実施例4(x=0.67)及び実施例5(x=0.50)に係る複合酸化物のX線回折図を示す。また、図4に実施例4(LiNi0.67Bi0.33O2)、実施例8(LiNi0.33Mg0.33Bi0.33O2)、実施例9(LiNi0.33Cu0.33Bi0.33O2)及び実施例10(LiNi0.33Zn0.33Bi0.33O2)に係る複合酸化物のX線回折図を示す。なお、実施例4、8〜10の複合酸化物はLiNi0.33M0.33Bi0.33O2で表すことができる。このとき、実施例4はM=Ni、実施例8はM=Mg、実施例9はM=Cu、実施例10はM=Znである。
実施例11〜15のMC法により得られた複合酸化物(LiNixBi(1−x)O2)は、リートベルト解析により、空間群Fm−3mに帰属可能な結晶構造を有することがわかった。図5に実施例11(x=0.90)、実施例12(x=0.67)及び実施例13(x=0.40)に係る複合酸化物のX線回折図を示す。
実施例1〜10及び比較例1、3で得られた各複合酸化物を活物質として用い、以下の要領で非水電解質二次電池を作製した。合成した各複合酸化物の粉末2.275gとアセチレンブラック(AB)0.700gとをそれぞれ秤取した。これらを直径5mmのジルコニア製ボールが90g(約250個)入った内容積80mLのジルコニア製ポットに投入した。このポットにさらに助剤としてエタノール10mLを投入し、蓋をした。これを遊星型ボールミル(FRITSCH社の「pulverisette 5」)にセットし、公転回転数300rpmで1時間混合した。この混合物を乾燥機で75℃雰囲気下3時間以上乾燥し、混合粉体を調製した。この混合粉体2.55g、PVDFの12質量%N−メチルピロリドン(NMP)溶液及びNMPを所定のプラスチック容器に入れ、空気中で蓋をした。なお、上記PVDFの12質量%N−メチルピロリドン(NMP)溶液及びNMPは、PVDF0.45g及びNMP4.3gを含有している。これを撹拌脱泡装置(シンキー社の「あわとり練太郎」)にセットし、2000rpmで5分混練した。さらに、NMPを0.5g加え、撹拌脱泡装置を用いて回転数2000rpmで5分間混練する操作を計6回繰り返すことで、NMPを分散媒とするスラリーを調整した。スラリー中の活物質、AB及びPVDFの質量比は65:20:15である。このスラリーを厚さ20μmの銅箔集電体の片面に塗布した。これを80℃のホットプレート上で60分乾燥して分散媒を蒸発させた後、ロールプレスを行うことで電極を得た。
以下の試験は作用極と対極との間で電圧制御を行ったが、対極における金属リチウムの溶解・析出反応抵抗が極めて低いことから、充放電中の端子間電圧は、金属リチウムを用いた参照極に対する作用極の電位と等しいとみなすことができる。また、以下の試験では、リチウムニッケルビスマス複合酸化物等を負極活物質として評価することを目的としているため、上記リチウムニッケルビスマス複合酸化物等に対して電気化学的にリチウムイオンが吸蔵される反応である還元方向に通電する操作から開始した。
(エネルギー密度)=(3.9−負極活物質の平均放電電位)×(負極活物質の放電容量)×(負極活物質の真密度)
各化合物の真密度は、各化合物のPDFカードに記載された格子定数より算出した。x≧0.67の場合は(Li0.3Ni0.7O+Li2CO3)−Li3Ni2BiO6系として、x<0.67の場合はLi3Ni2BiO6−LiBiO2系として、加重平均をとって算出した。すなわち、Li0.3Ni0.7O+Li2CO3の真密度は、Li0.3Ni0.7O及びLi2CO3のモル比5:1の混合物として、PDFカード(番号01−075―0543及び01−083−1454)に記載の格子定数から求めたLi0.3Ni0.7O及びLi2CO3の真密度より5.05gcm−3と算出した。Li3Ni2BiO6の真密度は、上記リートベルト解析の結果より6.24gcm−3とした。LiBiO2の真密度は、PDFカード(番号00−001−1067)記載の格子定数より7.09gcm−3と算出した。LiAlO2の真密度は、PDFカード(番号00−001−1001)記載の格子定数より2.61gcm−3と算出した。LiVO2の真密度は、PDFカード(番号01−073−2047)記載の格子定数より4.36gcm−3と算出した。LiFeO2の真密度は、PDFカード(番号01−074−2284)記載の格子定数より4.38gcm−3と算出した。LiCoO2の真密度は、PDFカード(番号00−000−3172)記載の格子定数より5.06gcm−3と算出した。これらの値を用いて、実施例1〜10及び比較例1の真密度を、以下の計算式より算出した。
x≧0.67のとき
(真密度)=(6.24×7(1−x)+5.05×12(3x−2))/(29x−17)
x<0.67のとき
(真密度)=(6.24×x+7.09×(2−3x))/(2−2x)
また、実施例8〜10の真密度は、文献(W.L.Schmidt,“Synthesis and Investigation of Layered Oxides with Honeycomb Ordering,“(Ph.D.diss.,Oregon State University,2014)、88−113.)記載の格子定数より算出した。
また、実施例16〜19の真密度は、MC処理前の前駆体(LiBiO2、LiAlO2、LiVO2、LiFeO2、LiCoO2)の真密度の加重平均をとることにより算出した。
なお、充放電ヒステリシスとは、充電時の平均閉回路電位と放電時の平均閉回路電位との差を示す。また、容量維持率は、2サイクル目の放電容量に対する10サイクル目の放電容量の割合(%)を示す。
実施例1〜7及び比較例1で得られた二次電池を使用し、充電下限電位を1.1V vs.Li/Li+としたこと以外は、上記充放電試験(0.0−3.0V)と同様にして、充放電試験(1.1−3.0V)を行った。この充放電サイクル試験における2サイクル目の放電容量、エネルギー密度、2サイクル目における充放電ヒステリシス及び容量維持率を表1及び表2に示す。
実施例1〜7及び比較例1で得られた二次電池を使用し、放電終止電位を1.5V vs.Li/Li+としたこと以外は、上記充放電試験(0.0−3.0V)と同様にして、充放電試験(0.0−1.5V)を行った。この充放電サイクル試験における2サイクル目の放電容量、エネルギー密度、2サイクル目における充放電ヒステリシス及び容量維持率を表1及び表2に示す。
実施例1〜4、6、7及び比較例1で得られた二次電池を使用し、放電終止電位を1.0V vs.Li/Li+としたこと以外は、上記充放電試験(0.0−3.0V)と同様にして、充放電試験(0.0−1.0V)を行った。この充放電サイクル試験における2サイクル目の放電容量、エネルギー密度、2サイクル目における充放電ヒステリシス及び容量維持率を表1及び表2に示す。
複合酸化物の代わりに黒鉛を用いた二次電池を用い、充電下限電位を0.01V vs.Li/Li+、放電終止電位を1.2V vs.Li/Li+、電流密度を35mAg−1としたこと以外は、上記充放電試験(0.0−3.0V)と同様にして、充放電試験を行った。この充放電サイクル試験における2サイクル目の放電容量、及びエネルギー密度を表1及び表2に示す。
上記の電位範囲0.0−3.0Vの充放電試験の結果を基に、上記した方法により実施例1〜10及び比較例1の負極活物質における充電時のdQ/dVプロットを得た。ピークはローレンツ関数を用いた最小二乗法でフィッティングを実施した。また、バックグラウンドは一次関数で近似した。なお、上記式(1)において、x≧0.67の場合、フィッティングに用いた関数を「バックグラウンド+ピーク1」とし、x<0.67の場合、フィッティングに用いた関数を「バックグラウンド+ピーク1+ピーク2+ピーク3」とした。なお、Bi2O3及びNiOにおいては、0.4〜0.6V vs.Li/Li+にピークを有さないことを確認した。また、CuO、ZnO等においても、0.4〜0.6V vs.Li/Li+にピークを有さない。
実施例11〜19及び比較例2、3で得られた二次電池を使用し、上記充放電試験(0.0−1.5V)と同様にして、充放電試験(0.0−1.5V)を行った。実施例11〜19の充放電サイクル試験における2サイクル目の放電容量、エネルギー密度及び容量維持率を表5に示す。なお、表5には、比較のため実施例1〜10及び黒鉛を用いた二次電池の結果も再掲する。
図12に、実施例4(M=Ni、x=0.67、SSR)、実施例8(M=Ni0.5Mg0.5、x=0.67、SSR)、実施例9(M=Ni0.5Cu0.5、x=0.67、SSR)、実施例10(M=Ni0.5Zn0.5、x=0.67、SSR)、実施例12(M=Ni、x=0.67、MC)及び比較例2(LiBiO2)の2サイクル目の充電曲線(電位範囲0.0−1.5V)を示す。また、図13に、実施例16(M=Al、x=0.50、MC)、実施例17(M=V、x=0.50、MC)、実施例18(M=Fe、x=0.50、MC)、実施例19(M=Co、x=0.50、MC)及び比較例2(LiBiO2)の2サイクル目の充電曲線(電位範囲0.0−1.5V)を示す。
(1)短絡の抑制
比較例2(LiBiO2)及び比較例3(Bi2O3)で得られた二次電池を使用し、上記充放電試験(0.0−3.0V)を試みた。しかし、0.0V充電後の3.0V放電の際に、短絡とみられる現象が生じた。一方、各実施例で得られた二次電池においては、このような現象は生じなかった。上記短絡の原因としては、Biの溶出が推測される。実施例の各二次電池においては、Biの溶出に基づく活物質の劣化や短絡発生が抑制され、好ましいと言える。
図14に、実施例1(M=Ni、x=0.90、SSR)、実施例4(M=Ni、x=0.67、SSR)、実施例6(M=Ni、x=0.40、SSR)、比較例2(LiBiO2)及び比較例3(Bi2O3)の、横軸をSOCとした放電曲線(電位範囲0.0−1.5V)を示す。比較例2(LiBiO2)及び比較例3(Bi2O3)の放電曲線は、SOC範囲20〜80%において、電位平坦部を有する。この電位平坦部は、反応分布の緩和及びSOC検知の点から不利になる。なお、この電位平坦部の度合いは、横軸をSOCとした放電曲線におけるd(SOC)/dVの最大値で評価することができる。各実施例〜19、比較例2、3及び参考例におけるこのd(SOC)/dVの最大値を表6に示す。d(SOC)/dVの最大値が小さいほど、電位平坦部が小さいことを示す。表6に示されるように、実施例の各二次電池においては、d(SOC)/dVの最大値が800V−1以下であり、電位平坦部が小さい、あるいはほぼ存在しないことがわかる。
2 電極群
3 電池容器
4 正極端子
4’ 正極リード
5 負極端子
5’ 負極リード
20 蓄電ユニット
30 蓄電装置
Claims (10)
- リチウムと、
ビスマスと、
マグネシウム、アルミニウム、バナジウム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛又はこれらの組み合わせである金属元素(M)と
を含む複合酸化物を含有する非水電解質蓄電素子用の負極活物質。 - 上記金属元素(M)がニッケルを含み、上記金属元素(M)におけるニッケルの含有量が50モル%以上である請求項1の負極活物質。
- 上記複合酸化物におけるビスマスと上記金属元素(M)との合計含有量に対する上記金属元素(M)の含有量が20モル%以上90モル%以下である請求項1又は請求項2の負極活物質。
- 上記複合酸化物が下記式(1)で表される請求項1、請求項2又は請求項3の負極活物質。
LiMxBi(1−x)O2 ・・・(1)
(式(1)中、Mは、Mg、Al、V、Fe、Co、Ni、Cu、Zn又はこれらの組み合わせである。0.2≦x≦0.9である。) - dQ/dVプロットにおいて、0.4〜0.6V vs.Li/Li+にピークを有する請求項1から請求項4のいずれか1項の負極活物質。
- 充電時における0.8〜0.6V vs.Li/Li+の電気量Aと、0.6〜0.4V vs.Li/Li+の電気量Bとの比(A/B)が、3以下である請求項1から請求項5のいずれか1項の負極活物質。
- 上記金属元素(M)がニッケルを含み、上記複合酸化物が空間群Fm−3mに帰属可能な結晶構造を有する請求項1から請求項6のいずれか1項の負極活物質。
- 上記金属元素(M)がアルミニウム、バナジウム、鉄、コバルト又はこれらの組み合わせを含み、上記複合酸化物が非晶質相を含む請求項1から請求項7のいずれか1項の負極活物質。
- 請求項1から請求項8のいずれか1項の負極活物質を含有する非水電解質蓄電素子用の負極。
- 請求項9に記載の負極を備える非水電解質蓄電素子。
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