JP6439411B2 - 包装袋 - Google Patents

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Description

本発明は、液状、ゲル状、固形状、粉末状等の食品や化粧品、洗剤、医薬製剤等を包装する包装袋に関するものである。
液状、ゲル状、固形状、粉末状等の食品や化粧品、洗剤、医薬製剤等を包装フィルムで密封する場合の包装形態としては、内面側に熱可塑性樹脂が積層された樹脂フィルムを用い、2辺または3辺をシールして形成されたフィルム袋の半製品の未シール部から内容物を充填した後、充填口をシールする包装形態が用いられる。
これらの包装形態では、フィルム端縁のシール部に形成された開封用の切り込み(ノッチ)の両側を把持してフィルムを引き裂くことで包装袋を開封し、内容物を取り出すようになっている。
例えば特許文献1及び2には、包装袋を構成する積層体の一方の外層と他方の外層に、それぞれ異なる形状の切目線を形成した包装袋が開示されている。これらの構成によれば、包装袋を引裂き開口して内容物を取り出す際に、包装袋の開口端の表面側と裏面側とに形成された段差を指で摘んで開口を広げ易くなる。
特許文献1、2のように易開封加工が施された包装袋に内容物を充填する場合、3方シール型や4方シール型の包装袋では、易開封加工がなされた上辺と反対側の底辺の未シール部から内容物を充填した後、未シール部をシールして封止すれば良い。しかしながら、前後の壁面フィルム の下部の間に底面フィルムを内側に折り返して接着する自立性袋(スタンディングパウチ)の場合、包装袋の底部を先に形成するため、易開封加工がなされた上辺の未シール部から内容物を充填する必要がある。
そのため、上辺の未シール部を開口ユニット(バキューム装置等)で広げる際に易開封加工部(切目線)に負荷が加わり、易開封加工部を起点として包装袋が破損するという問題点があった。特に、開閉用チャック(咬合具)を備えた再封止機能を有する包装袋では、成形時に咬合している開閉用チャックの雄部材と雌部材とを離間させて開口部を広げた状態で内容物を充填する必要があるため、易開封加工部に相当な負荷が加わり包装袋がより破損し易くなる。
そこで、特許文献3には、包装袋を構成する前壁シートと後壁シートに、それぞれ第1切目線と第2切目線とを形成し、包装袋の中央部分における第1切目線と第2切目線の深度を他の部分に比べて浅くすることにより、包装袋の中央部分の引裂強度を高めて内容物を充填する際に破損を生じないスタンディングタイプの包装袋が開示されている。
特開2012−91857号公報 特開2014−46924号公報 特開2013−216334号公報
しかしながら、特許文献3の包装袋では、包装袋の中央部分における引裂強度を部分的に高めているため、端部から勢いよく開封した場合に中央部分の引裂抵抗によって破断線が第1切目線または第2切目線から逸脱したり、開封後の開口縁が波打ったりして円滑に開封できない場合があった。また、包装袋の両端部における引裂強度が小さいため、内容物を充填する際に包装袋の側端部を挟持(チャッキング)する工程において包装袋に破れが発生するおそれもあった。
本発明は上記問題点に鑑み、易開封加工により容易に引き裂き開封可能であり、且つ内容物の充填時における易開封加工部の破損も防止できる包装袋を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、外層と、バリア層と、中間層と、熱接着性樹脂からなる内層と、を少なくとも有する第1フィルムおよび第2フィルムの前記内層同士を重ね合わせて形成され、左右両側の端縁部を閉鎖する一対の側部シール部と、底部の端縁部を閉鎖する底部シール部と、前記側部シール部および前記底部シール部で囲まれた内容物が封入される収納部と、を備え、前記底部シール部と対向する上部の端縁部には、内容物を充填する際に充填口として使用し、内容物の充填後にヒートシールして内容物を封入するための未シール状態の開口部を備える包装袋であって、前記側部シール部の前記開口部近傍に形成される開封開始手段と、該開封開始手段に隣接して前記収納部を横断するように前記第1フィルムの前記外層に形成される第1切目線および前記第2フィルムの前記外層に形成される第2切目線と、を有し、前記中間層は、前記第1切目線および前記第2切目線による開封方向の引裂伝播抵抗値が40mN以上75mN以下の延伸フィルムで形成されることを特徴としている。
また本発明は、上記構成の包装袋において、前記第1フィルムの外層に、一方の前記側部シール部の外縁よりも内側に後退した位置を起点とし、該起点と前記側部シール部に平行する上下方向の位置を同じくする他方の前記側部シール部の外縁よりも内側に後退した位置を終点として連続する前記第1切目線を形成し、前記第2フィルムの外層に、一方の前記側部シール部の外縁よりも内側に後退した位置を起点とし、該起点と前記側部シール部に平行する上下方向の位置を同じくする他方の前記側部シール部の外縁よりも内側に後退した位置を終点として連続する前記第2切目線を形成し、前記第1切目線と前記第2切目線の前記起点および前記終点の上下方向の位置を略同じにするとともに、前記起点から前記終点までの軌跡を異なるものとすることで、前記第1切目線と前記第2切目線に沿って包装袋の上端側を前記左右の側部シール部に直交する方向に破断して開口部を形成する際に、前記第1フィルムおよび前記第2フィルムの一方の切断面の外縁と他方の切断面の外縁とに段差を生じさせることを特徴としている。
また本発明は、上記構成の包装袋において、前記第1切目線は、前記包装袋の下端側に膨らむ下側切目線と上端側に膨らむ上側切目線とに分岐しており、前記第2切目線は、前記下側切目線と前記上側切目線との間に位置する直線状であることを特徴としている。
また本発明は、上記構成の包装袋において、前記第1切目線および前記第2切目線は、前記包装袋の下端側に膨らむ下側切目線と上端側に膨らむ上側切目線とに分岐しており、それぞれ複数対の前記下側切目線と前記上側切目線を有することを特徴としている。
また本発明は、上記構成の包装袋において、前記第1フィルムの外層に、一方の前記側部シール部の外縁よりも内側に後退した位置を起点とし、該起点と前記側部シール部に平行する上下方向の位置を同じくする他方の前記側部シール部の外縁よりも内側に後退した位置を終点として連続する直線状の前記第1切目線を形成し、前記第2フィルムの外層に、一方の前記側部シール部の外縁よりも内側に後退した位置を起点とし、該起点と前記側部シール部に平行する上下方向の位置を同じくする他方の前記側部シール部の外縁よりも内側に後退した位置を終点として連続する直線状の前記第2切目線を形成したことを特徴としている。
また本発明は、上記構成の包装袋において、前記第1切目線および前記第2切目線は、炭酸ガスレーザー照射により形成されることを特徴としている。
また本発明は、上記構成の包装袋において、前記第1切目線および前記第2切目線は、カッターを用いて物理的に形成されることを特徴としている。
また本発明は、上記構成の包装袋において、前記第1切目線および前記第2切目線は、左右の前記側部シール部の外縁よりも内側に後退した2箇所から前記側部シール部の内縁に向かう方向に進行して前記側部シール部の内縁よりも外側で収斂し、前記直線状切目線に連続する一対の収斂状切目線を有することを特徴としている。
また本発明は、上記構成の包装袋において、前記第1フィルムおよび前記第2フィルムの内面には、前記第1切目線および前記第2切目線よりも下端側の対向する位置に、相互に咬合し合う凸条の雄部材と凹条の雌部材とからなる合成樹脂製の咬合具が設けられており、前記雄部材と前記雌部材とを咬合することで再封止機能を備えることを特徴としている。
また本発明は、上記構成の包装袋において、前記包装袋は、前記外層と前記内層とを少なくとも有する底面フィルムを、前記内層を外向きにして中央で山折りし、前記第1フィルムと前記第2フィルムの前記内層と前記底面フィルムの前記内層とが対向するように前記第1フィルムと前記第2フィルムの下端部に挿入し、前記第1フィルムおよび前記第2フィルムの前記内層と前記底面フィルムの前記内層とを前記底面フィルムの周縁部にてヒートシールして前記底部シール部を形成し、前記底部シール部より上側に位置する前記第1フィルムと前記第2フィルムの内層同士を重ね合わせて、左右両側の端縁部を閉鎖する一対の前記側部シール部を形成してなる自立性袋用途の包装袋であることを特徴としている。
本発明の第1の構成によれば、第1切目線、第2切目線が形成された包装袋の上端部の未シール部を広げて内容物を充填する際の、第1フィルムおよび第2フィルムの破断を効果的に抑制することができる。また、包装袋を第1切目線、第2切目線に沿って引き裂き開封する際の開封性も確保することができる。
また、本発明の第2の構成によれば、上記第1の構成の包装袋において、第1切目線と第2切目線に沿って包装袋の上端側を左右の側部シール部に直交する方向に破断して開口部を形成する際に、第1フィルムおよび第2フィルムの一方の切断面の外縁と他方の切断面の外縁とに段差が生じるため、内容物を取り出す際に段差を指で摘んで開口を広げ易くなる。
また、本発明の第3の構成によれば、上記第2の構成の包装袋において、第1切目線を、包装袋の下端側に膨らむ下側切目線と上端側に膨らむ上側切目線とに分岐しており、第2切目線は、下側切目線と上側切目線との間に位置する直線状であることにより、下側切目線または上側切目線に沿って破断される第1フィルムの切断面の外縁と、直線状の第2切目線に沿って破断される第2フィルムの切断面の外縁とに確実に段差を形成することができる。
また、本発明の第4の構成によれば、上記第2の構成の包装袋において、第1切目線および第2切目線がそれぞれ複数対の下側切目線と上側切目線とに分岐しているため、第1フィルムの切断面の外縁と第2フィルムの切断面の外縁とにより一層確実に段差を形成することができる。
また、本発明の第5の構成によれば、上記第1の構成の包装袋において、第1フィルムおよび第2フィルムの外層に、それぞれ直線状の第1切目線および第2切目線を形成することにより、包装袋の上端を第1切目線および第2切目線に沿って切り取って簡単に開封することができる。
また、本発明の第6の構成によれば、上記第1乃至第5のいずれかの構成の包装袋において、第1切目線および第2切目線を炭酸ガスレーザー照射により形成することにより、複雑な形状の第1切目線および第2切目線を簡単に形成することができる。
また、本発明の第7の構成によれば、上記第1又は第5の構成の包装袋において、カッターを用いて第1切目線および第2切目線を物理的に形成することにより、第1切目線および第2切目線が直線状である場合に、第1切目線および第2切目線の深度を一定に保持しつつ容易に形成することができる。
また、本発明の第8の構成によれば、上記第1乃至第7のいずれかの構成の包装袋において、第1切目線および第2切目線は、左右の側部シール部の外縁よりも内側に後退した2箇所から側部シール部の内縁に向かう方向に進行して側部シール部の内縁よりも外側で収斂し、直線状切目線に連続する一対の収斂状切目線を有することにより、開封開始手段により引き裂かれて形成された破断線が開封開始手段の内側に隣接する一対の収斂状切目線のいずれかと交叉するため、破断線を確実に第1切目線および第2切目線に案内することができる。
また、本発明の第9の構成によれば、上記第1乃至第8のいずれかの構成の包装袋において、第1フィルムおよび第2フィルムの内面の、第1切目線と第2切目線よりも下端側の対向する位置に、相互に咬合し合う凸条の雄部材と凹条の雌部材とからなる合成樹脂製の咬合具を設けることにより、雄部材と雌部材とを咬合することで粘着テープやクリップ等を用いずに包装袋を簡単に再封止することができる。また、内容物の充填時に咬合している雄部材と雌部材とを離間させる際の負荷による第1フィルムおよび第2フィルムの破断を効果的に抑制することができる。
また、本発明の第10の構成によれば、上記第1乃至第9のいずれかの構成の包装袋において、外層と内層とを少なくとも有する底面フィルムを、内層を外向きにして中央で山折りし、第1フィルムと第2フィルムの内層と底面フィルムの内層とが対向するように第1フィルムと第2フィルムの下端部に挿入し、第1フィルムおよび第2フィルムの内層と底面フィルムの内層とを底面フィルムの周縁部でヒートシールして底部シール部を形成した自立性袋用途の包装袋としたので、第1切目線および第2切目線が形成された上端の未シール部から内容物を充填せざるを得ない自立性袋において、内容物を充填する際の破袋抑制効果と引き裂き開封する際の易開封効果との両立を図ることができる。
本発明の第1実施形態に係る包装袋1を表面側フィルム3a側から見た平面図 第1実施形態の包装袋1における上部シール部5付近の部分断面図 第1実施形態の包装袋1が開封された状態を示す開口縁周辺の部分平面図 本発明の第2実施形態に係る包装袋1を表面側フィルム3a側から見た平面図 第2実施形態の包装袋1を裏面側フィルム3b側から見た平面図 第2実施形態の包装袋1において、表面側フィルム3aが下側切目線20cに沿って破断されて開封された開口縁周辺を表面側フィルム3a側から見た部分平面図 第2実施形態の包装袋1において、表面側フィルム3aが上側切目線20dに沿って破断されて開封された開口縁周辺を裏面側フィルム3b側から見た部分平面図 第2実施形態の変形例の包装袋1を表面側フィルム3a側から見た平面図 第2実施形態の変形例の包装袋1を裏面側フィルム3b側から見た平面図
以下、図面を参照しながら本発明の包装袋について説明する。図1および図2は、それぞれ本発明の第1実施形態に係る包装袋1を表面側フィルム3a側および裏面側フィルム3b側から見た概略平面図、図3は、図1に示した包装袋1の上部シール部5付近の断面図(図1のAA′矢視断面図)である。なお、図1に示す包装袋1は、レトルト用自立性袋(スタンディングパウチ)を例示している。
包装袋1は、底部2が、表面側フィルム3a 、裏面側フィルム3b の下部の間に、底面フィルム3cを内側に折り返して、底面フィルム折り返し部4まで挿入してなるガセット部5を有する形式で形成されている。ガセット部5は、包装袋1の内側が両側から中央部にかけて円弧状に凹状となるシールパターンでヒートシールして底部シール部6が形成され、表面側フィルム3a 、裏面側フィルム3bの両側端縁部をヒートシールして側部シール部7を形成し、収納部(胴部)8が形成されている。
包装袋1の上部の開封位置には、両端の側部シール部7に開封開始手段として開封用ノッチ(Iノッチ)10が設けられている。開封用ノッチ10は、左右の側部シール部7の外縁から内縁には達しない位置までの間に、表面側フィルム3a、裏面側フィルム3bをまとめて貫通するように設けられており、左右の開封用ノッチ10は、包装袋1の上下方向における位置(上部シール部5の外縁からの距離)が同じである。なお、ここでは開封用ノッチ10をIノッチで形成したが、Iノッチに代えてVノッチやUノッチとすることもできる。また、開封用ノッチ10に代えて、側部シール部7に複数の微細な突き刺し孔からなる傷痕群領域を設けることもできる。
表面側フィルム3aと裏面側フィルム3bの外層には、それぞれ第1切目線20、第2切目線21が形成されている。第1切目線20は、左右の側部シール部7の外縁よりも内側(右側)に後退した2箇所から側部シール部7の内縁に向かう方向に進行して側部シール部7の内縁にまで達しない位置で収斂する2対の収斂状切目線20aと、収斂状切目線20aの収斂した点からそれぞれ左右の側部シール部7に直交する方向に包装袋1の内側に進行する直線状切目線20bと、から構成される。
第2切目線21は、左右の側部シール部7の外縁よりも内側(右側)に後退した2箇所から側部シール部7の内縁に向かう方向に進行して側部シール部7の内縁にまで達しない位置で収斂する2対の収斂状切目線21aと、収斂状切目線21aの収斂した点からそれぞれ左右の側部シール部7に直交する方向に包装袋1の内側に進行する直線状切目線21bと、から構成される。開封用ノッチ10は、第1切目線20、第2切目線21を構成する収斂状切目線20a、21aで囲まれた領域に形成されている。
開封用ノッチ10の下方近傍には、熱可塑性樹脂で形成された開閉用チャック9が設けられている。開閉用チャック9は、上チャック(雌部材)9aと下チャック(雄部材)9bから成り、それぞれ一方の側部シール部7から他方の側部シール部7までの表面側フィルム3a、裏面側フィルム3bの内面に沿って、収納部8を横断するように熱融着されている。
なお、包装袋1の上部の端縁部は、上部シール部11でヒートシールされるが、この部分は、内容物の充填口に使用するため、内容物の充填前は未シールの開口部とし、内容物の充填後にヒートシールして密封される。
次に、表面側フィルム3aおよび裏面側フィルム3bの積層構成について詳細に説明する。図3に示すように、表面側フィルム3aおよび裏面側フィルム3bは、外層12と、バリア層13と、中間層14と、熱接着性樹脂層(熱可塑性樹脂層)からなる内層15とを積層した積層体である。なお、底面フィルム3c(図1参照)についても全く同様の構成であるため説明を省略する。
外層12としては、包装袋1を構成する基本素材となることから、機械的、物理的、化学的等において優れた性質を有する合成樹脂製フィルムを用いることができ、例えば、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリプロピレン系等の樹脂を用いることができる。また、これらの樹脂を用いたフィルムとしては、二軸方向に延伸した延伸フィルムが好適である。この理由としては、通常、外層12には印刷層(後述)が形成されることが多く、印刷適性が求められるからである。また、外層12を構成するフィルムの厚さとしては、コスト等を勘案して決定すればよいが、概ね12〜25μm程度が適当である。
本発明に用いられる外層12の具体例としては、2軸延伸ナイロンフィルム、2軸延伸ポリプロピレンフィルム、2軸延伸ポリエステル系樹脂フィルム等の単体ないしそれらの積層体が用いられ、2軸延伸ポリエステル系樹脂フィルムが特に好適に用いられる。2軸延伸ポリエステル系樹脂フィルムの具体的な材質としては、例えばポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレン−2、6−ナフタレート樹脂、ポリブチレン−2、6−ナフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート樹脂等の各種のポリエステル系樹脂を使用することができる。
外層12には、文字、図形、記号、模様等の所望の印刷模様を付加する印刷層を形成しても良い。印刷層の形成方法としては、通常のインキビヒクルの1種ないし2種以上を主成分とし、必要に応じて可塑剤、安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、硬化剤、架橋剤、滑剤、帯電防止剤、充填剤等の添加剤の1種または2種以上を任意に添加し、更に、染料・顔料等の着色剤を添加し、溶媒、希釈剤等で充分に混練してインキ組成物を調整する。そして、このインキ組成物を用いてグラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、スクリーン印刷、転写印刷、フレキソ印刷等の印刷方式により外層12の裏面に所望の印刷模様を印刷して印刷層を形成する。
バリア層13は、封入される内容物が水分や酸素により変質し易い場合、包装袋1に高い水蒸気バリア性、ガスバリア性を付与するものである。バリア層13としては、基本的には、金属箔や、金属または金属酸化物を蒸着した蒸着膜であれば使用可能である。好ましいものとしては、アルミニウム箔、ケイ素酸化物を蒸着したシリカ蒸着膜等を挙げることができる。バリア層13に用いるアルミニウム箔としては、焼鈍処理されたアルミニウム箔が適当であり、その厚みとしては6〜15μm程度が適当である。
中間層14は、包装袋1に必要とされる物性、例えば、機械的強靭性、耐屈曲性、耐突き刺し(耐ピンホール)性、耐衝撃性、耐寒性、耐熱性、耐薬品性等の物性を付与するものである。中間層14としては、例えば、ポリエステル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン等の延伸フィルムを用いることができる。
内層15は、熱可塑性樹脂から成る層であり、熱によって溶融して表面側フィルム3a、裏面側フィルム3b、及び底面フィルム3cを相互に融着するものである。内層15に用いられる熱可塑性樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレンとアクリル酸エステルとのエステルコポリマー、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、フマール酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂等から選ばれた1種ないし2種以上を使用することができる。好ましいものとしては、未延伸ポリプロピレンを挙げることができる。内層15の形成方法としては、上記の熱接着性樹脂を溶融押出し法により積層する方法や、熱可塑性の単層ないし多層フィルムを積層する方法が用いられる。内層15の層厚としては、要求される物性(ヒートシール性)とコスト等を考慮して適宜決定すればよく、10μm〜100μm程度、特に15μm〜50μm程度であることが好ましい。
次に、本発明の包装袋1の製造方法について説明する。図3に示したような積層構成の場合、先ず、外層12の表面に必要に応じて印刷層を形成し、サンドイッチラミネーション法、ドライラミネーション法等の周知の積層方法を適宜用いてバリア層13、中間層14、内層15を積層して表面側フィルム3a、裏面側フィルム3b、及び底面フィルム3cを製造する。表面側フィルム3a、裏面側フィルム3bには、予め第1切目線20および第2切目線21(ハーフカットライン)を形成しておく。
第1切目線20および第2切目線21の形成は、ロータリーダイカッターを用いて物理的に形成してもよいが、好ましくはパルス発振型レーザー等を用いて積層フィルムとした後に外層12に形成する。第1切目線20および第2切目線21の形成に用いるレーザーとしては、炭酸ガスレーザー、YAGレーザー、半導体レーザー、アルゴンイオンレーザー等が使用可能であり、特に限定するものではない。特に、後述する第2実施形態のように曲線状の第1切目線20および第2切目線21を形成する場合は炭酸ガスレーザーを使用することが好ましい。また、第1切目線20および第2切目線21の形成位置は、印刷層と同時に形成される位置合わせマーク(トンボ)をセンサで検知することにより所定の位置に形成することができる。
図1に示した包装袋1は、例えばバッチ式に製造することができる。その場合、内層15が対向するように表面側フィルム3a、裏面側フィルム3bを重ね、上チャック9aと下チャック9bから成る開閉用チャック9を表面側フィルム3aと裏面側フィルム3bとの間の所定位置(包装袋1の上部シール部11が形成される側)に挟み込み、下部に底面フィルム3cを、内層15を外向きにして折り返して挟み込む。なお、上チャック9aと下チャック9bの間に断熱板を介在させることにより、上チャック9aと下チャック9bの熱融着を防止する。
その後、底部シール部6、側部シール部7を形成することにより、内容物を収納する収納部8が形成される。同時に、開閉用チャック9の上チャック9aが表面側フィルム3aに、下チャック9bが裏面側フィルム3bにヒートシールされる。表面側フィルム3aおよび裏面側フィルム3bにヒートシールされた上チャック9aおよび下チャック9bは表裏方向からの加圧により再び咬合い状態とされる。次に、側部シール部7に開封用ノッチ10を形成することにより、包装袋1の半製品を製造する。
上記のようにして製造された包装袋1の半製品を充填機にセットし、側部シール部7を挟持装置により保持した状態で、残りの一辺(上端)の未シール部を吸盤や開口用治具、バキューム装置等の開口ユニットで広げて上チャック9aと下チャック9bの咬合いを解除しながら開口を形成し、開口から内容物を所定量充填する。最後に未シール部をヒートシールして上部シール部11を形成する。
ヒートシールの方法としては、例えば、バーシール、回転ロールシール、ベルトシール、インパルスシール、高周波シール、超音波シール等の公知の方法で行うことができる。
次に、本実施形態の包装袋1の開封方法について説明する。先ず、開封用ノッチ10の上部(図1の左上端部)を把持して手前側(図1の紙面手前側)に引き裂くと、破断線が開封用ノッチ10の先端に対して内側に隣接する一対の収斂状切目線20a、21aのいずれかと交叉し、収斂状切目線20a、21aのうち破断線と交叉した収斂状切目線20aとが一致するように一体的に引き裂かれて起点側の収斂点に達するか、或いは破断線が直接起点側の収斂点に達する。
そして、表面側フィルム3aおよび裏面側フィルム3bが収斂状切目線20a、21aの収斂点に連続する第1切目線20、第2切目線21に沿って直線的に一体的に引き裂かれ、上部シール部5を含む包装袋1の上端部分をきれいに切り取ることができる。上部シール部5を含む包装袋1の上端部分が完全に切り取られ、包装袋1が開封された状態を図4に示す。
本実施形態の包装袋1は、表面側フィルム3aおよび裏面側フィルム3bを構成するバリア層13と内層15との間に中間層14を積層して表面側フィルム3aおよび裏面側フィルム3bの強度を高めている。これにより、第1切目線20、第2切目線21が形成された包装袋1の上端部の未シール部を広げて内容物を充填する際に、開閉用チャック9の咬合いを解除して表面側フィルム3aおよび裏面側フィルム3bを広げるための負荷が第1切目線20、第2切目線21に加わったとしても、表面側フィルム3aおよび裏面側フィルム3bの破断を効果的に抑制することができる。
ここで、中間層14の引裂強度が強すぎると、包装袋1を第1切目線20、第2切目線21(図1参照)に沿って引き裂き開封する際の開封性が低下する。また、中間層14の強度が弱すぎると、内容物の充填時に第1切目線20および第2切目線21に負荷が加わると包装袋1が破損するおそれがある。
そこで、本実施形態では、中間層14として開封方向(図1の左右方向)、即ち第1切目線20、第2切目線21の延在方向の伝播抵抗値が40mN以上75mN以下の延伸フィルムを用いている。これにより、内容物の充填時における包装袋1の破損を防止するとともに、包装袋1を第1切目線20、第2切目線21に沿って引き裂き開封する際の開封性も確保することができる。なお、本明細書中の伝播抵抗値は、日本工業規格(JISK7128)の引裂強さ試験法による測定値をいう。
従って、本実施形態の包装袋1は、内容物の取り出し性、製造性等の優れた特性を有することから、使用性及びコスト等を著しく改良した液状、ゲル状、固形状、粉末状等の食品や化粧品、洗剤、医薬製剤の包装材を提供できる。
図5は、本発明の第2実施形態に係る包装袋1を表面側フィルム3a側から見た概略平面図である。包装袋1の裏面側フィルム3b側の構成は図2に示した第1実施形態と同様である。また、包装袋1を構成する表面側フィルム3a、裏面側フィルム3b、底面フィルム3cの積層構成、包装袋1の製造方法についても第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
本実施形態の包装袋1は、表面側フィルム3aに形成された第1切目線20は、2対の収斂状切目線20aと、収斂状切目線20aの収斂した点から包装袋1の内側に進行する直線状切目線20bと、直線状切目線20bの終点から包装袋1の下端側に膨らむ下側切目線20cおよび上端側に膨らむ上側切目線20dと、から構成される。
下側切目線20cおよび上側切目線20dは、直線状切目線20bから徐々に離間する(立ち上がり角度が大きくなる)ように湾曲する曲線状であり、直線状切目線20bが接線となるように直線状切目線20bの終点に連結している。
次に、本実施形態の包装袋1の開封方法について説明する。なお、本明細書中でいう引き切りとは、切目線よりも上側の部分を把持し、把持部分を手前側に引いて切ることを意味し、押し切りとは、切目線よりも上側の部分を把持し、把持部分を奥側に押して切ることを意味する。
先ず、表面側フィルム3aを正面に向けた状態で引き切りする場合について説明する。開封用ノッチ10の上部(図5の左上端部)を把持して手前側(図5の紙面手前側)に引き裂くと、破断線が開封用ノッチ10の先端に対して内側に隣接する一対の収斂状切目線20a、21aのいずれかと交叉し、収斂状切目線20a、21aのうち破断線と交叉した収斂状切目線20aとが一致するように一体的に引き裂かれて起点側の収斂点に達するか、或いは破断線が直接起点側の収斂点に達する。
そして、表面側フィルム3aおよび裏面側フィルム3bが収斂状切目線20a、21aの収斂点に連続する直線状切目線20b、21bに沿って直線的に一体的に引き裂かれていく。表面側フィルム3aでは、破断線が下端側に膨らむ下側切目線20cおよび上端側に膨らむ上側切目線20dの分岐点に至る。
表面側フィルム3aを正面に向けた状態で引き切りする場合は、開封する際の力が包装袋1の下方向に加わるため、下側切目線20cと上側切目線20dとの分岐点において下側切目線20cが選択され、表面側フィルム3aは下側切目線20cに沿って破断される。また、第2切目線21の形成された裏面側フィルム3bにおいては、直線状の第2切目線21が下側切目線20cよりも上部に形成されているため、開封時に第2切目線21に沿って引っ掛かりなく破断される。
また、裏面側フィルム3bを正面に向けて押し切りした場合も、開封する際の力が下方向に加わるため、表面側フィルム3aは下側切目線20cに沿って、裏面側フィルム3bは直線状の第2切目線21に沿って引っ掛かりなく破断される。
上記のようにして、第1切目線20、第2切目線21に沿って上部シール部5を含む包装袋1の上端部分をきれいに切り取ることができる。包装袋1の表面側フィルム3aが下側切目線20cに沿って破断されて開封された状態を図6に示す。図6に示すように、上端部分が切り取られた包装袋1の開口縁は、第1切目線20(下側切目線20c)に沿って切り取られた表面側フィルム3aの切断面の外縁、および第2切目線21(直線状切目線21b)に沿って切り取られた裏面側フィルム3bの切断面の外縁に段差が形成されており、段差を摘んで開口縁を容易に広げることができる。
一方、開封する際の力が包装袋1の上方向に加えられた場合は、下側切目線20cと上側切目線20dとの分岐点において上側切目線20dが選択され、表面側フィルム3aは上側切目線20dに沿って破断される。また、第2切目線21の形成された裏面側フィルム3bは、直線状切目線21bに沿って破断される。
包装袋1の表面側フィルム3aが上側切目線20dに沿って破断されて開封された状態を図7に示す。図7に示すように、上端部分が切り取られた包装袋1の開口縁は、第1切目線20(上側切目線20d)に沿って切り取られた表面側フィルム3aの切断面の外縁、および第2切目線21(直線状切目線21b)に沿って切り取られた裏面側フィルム3bの切断面の外縁に段差が形成されており、段差を摘んで開口縁を容易に広げることができる。
本実施形態の包装袋1においても、第1実施形態と同様に、表面側フィルム3aおよび裏面側フィルム3bを構成するバリア層13と内層15との間に中間層14を積層し、中間層14として、第1切目線20、第2切目線21の延在方向の伝播抵抗値が40mN以上75mN以下の延伸フィルムを用いている。本実施形態では、第1切目線20が下側切目線20cと上側切目線20dとに分かれているため、中間層14として包装袋1の左右方向、および上下方向の引裂伝播抵抗値が共に40mN以上75mN以下の延伸フィルムを用いる必要がある。
これにより、第1切目線20、第2切目線21が形成された包装袋1の上端部の未シール部を広げて内容物を充填する際の、表面側フィルム3aおよび裏面側フィルム3bの破断を効果的に抑制することができる。また、包装袋1を第1切目線20、第2切目線21に沿って引き裂き開封する際の開封性も確保することができる。
なお、本実施形態では包装袋1の表面側フィルム3aに一対の下側切目線20cと上側切目線20dを有する第1切目線20を形成した構成について示したが、複数対の下側切目線20cと上側切目線20dを有する第1切目線20を形成しても良い。また、表面側フィルム3aに加えて裏面側フィルム3bにも複数対の下側切目線と上側切目線を有する第2切目線21を形成しても良い。
図8および図9は、それぞれ第2実施形態の包装袋1の変形例を表面側フィルム3a側および裏面側フィルム3b側から見た概略平面図である。包装袋1を構成する表面側フィルム3a、裏面側フィルム3b、底面フィルム3cの積層構成、包装袋1の製造方法については第1および第2実施形態と同様であるため説明を省略する。
包装袋1を構成する表面側フィルム3aに形成された第1切目線20は、左右の側部シール部7の外縁よりも内側(右側)に後退した2箇所から側部シール部7の内縁に向かう方向に進行して側部シール部7の内縁にまで達しない位置で収斂する2対の収斂状切目線20aと、収斂状切目線20aの収斂した点からそれぞれ左右の側部シール部7に直交する方向に包装袋1の内側に進行する直線状切目線20bと、直線状切目線20bの終点から包装袋1の下端側に膨らむ連続する3対の下側切目線20cおよび上端側に膨らむ連続する3対の上側切目線20dと、から構成される。
裏面側フィルム3bに形成された第2切目線21は、左右の側部シール部7の外縁よりも内側(右側)に後退した2箇所から側部シール部7の内縁に向かう方向に進行して側部シール部7の内縁にまで達しない位置で収斂する2対の収斂状切目線21aと、収斂状切目線21aの収斂した点からそれぞれ左右の側部シール部7に直交する方向に包装袋1の内側に進行する直線状切目線21bと、直線状切目線21bの終点から包装袋1の下端側に膨らむ連続する3対の下側切目線21cおよび上端側に膨らむ連続する3対の上側切目線21dと、から構成される。
本実施形態の包装袋1においても、第2実施形態と同様に、表面側フィルム3aおよび裏面側フィルム3bを構成するバリア層13と内層15との間に、中間層14として、開封方向(図8の左右方向)の伝播抵抗値が40mN以上75mN以下の延伸フィルムを積層することにより、第1切目線20、第2切目線21が形成された包装袋1の上端部の未シール部を広げて内容物を充填する際の、表面側フィルム3aおよび裏面側フィルム3bの破断を効果的に抑制することができる。包装袋1を第1切目線20、第2切目線21に沿って引き裂き開封する際の開封性も確保することができる。
また、表面側フィルム3aおよび裏面側フィルム3bに、それぞれ複数対(ここでは3対)の下側切目線20c、21cおよび上側切目線20d、21dを有する第1切目線20、第2切目線21を形成することにより、第2実施形態に比べて第1切目線20に沿って切り取られた表面側フィルム3aの切断面の外縁、および第2切目線21に沿って切り取られた裏面側フィルム3bの切断面の外縁に段差が形成され易くなる。
その他本発明は、上記各実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、図3に示した表面側フィルム3a、裏面側フィルム3b(積層体)の積層構造は好ましい一例であり、少なくとも外層12、バリア層13、中間層14、内層15を含む積層構造であれば良い。また、上記各実施形態では、包装袋1として自立性袋(スタンディングパウチ)を例にあげて説明したが、他のタイプの包装袋にも同様に適用可能である。例えば、1枚のフィルムを二つ折りして3方をシールする3方シール型の包装袋1で、折り返し部分を包装袋1の底辺として上辺の未シール部から内容物を充填する場合は本発明の構成が有効となる。
また、上記の製造方法は好ましい一例に過ぎず、例えば表面側フィルム3a、裏面側フィルム3bの製造方法として、通常の包装材料を製造するときに使用する積層法、例えば、ウエットラミネーション法、無溶剤ラミネーション法、共押出ラミネーション法、インフレーション法、その他の方法を用いることもできる。
また、必要ならば上記各層の積層を行う際に、被積層基材の表面に、例えばアンカーコート処理、コロナ放電処理、オゾン処理、フレーム処理、ブラスト処理等の前処理を任意に施すことができる。以下、実施例を用いて本発明の効果を更に具体的に説明する。
(1)外層12として、厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(E5104、東洋紡社製)を使用し、この外層12の表面にグラビア印刷により印刷層を形成し、印刷層にドライラミネート層を積層した後、バリア層13として厚さ7μmのアルミニウム箔を積層した。次に、バリア層13の表面にドライラミネート層を積層した後、中間層14として、MD方向(縦方向:Machine Direction)の引裂伝播抵抗値が67、TD方向(横方向:Transverse Direction)の引裂伝播抵抗値が64である厚さ14μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを積層した。そして、中間層14の表面にドライラミネート層を積層した後、内層15として厚さ60μmの低密度ポリエチレンフィルム(V−1、タマポリ社製)を積層して積層フィルムを製造した。
(2)上記(1)で製造した積層フィルム、および低密度ポリエチレン樹脂で形成された開閉用チャック9(LL−12SP、出光ユニテック社製)を用い、包装袋1の半製品(上端部が未シール部)を製造した。包装袋1は、縦170mm、幅110mmであり、側部シール部7には開封用ノッチ10を形成し、表面側フィルム3aおよび裏面側フィルム3bにはそれぞれ第1切目線20、第2切目線21を形成した。
バリア層13として、厚さ7μmのアルミニウム箔に代えて、外層12の裏面側にシリカ蒸着膜を形成し、シリカ蒸着膜の表面に印刷層を形成した以外は実施例1と同様の方法により包装袋1の半製品を製造した。
中間層14として、MD方向の引裂伝播抵抗値が40、TD方向の引裂伝播抵抗値が42である厚さ14μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを積層した以外は実施例1と同様の方法により包装袋1の半製品を製造した。
[比較例1]
中間層14を積層しない以外は実施例1と同様の方法により包装袋1の半製品を製造した。
[比較例2]
中間層14として、MD方向の引裂伝播抵抗値が94、TD方向の引裂伝播抵抗値が91である厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(E5204、東洋紡社製)を積層した以外は実施例1と同様の方法により包装袋1の半製品を製造した。
[比較例3]
バリア層13と中間層14の積層順序を入れ替えた以外は比較例2と同様の方法により包装袋1の半製品を製造した。
[比較例4]
中間層14として、MD方向の引裂伝播抵抗値が36、TD方向の引裂伝播抵抗値が35である厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを積層した以外は実施例1と同様の方法により包装袋1の半製品を製造した。
[試験例]
実施例1〜3および比較例1〜4で製造した包装袋1の開封性および内容物の充填性について評価した。試験方法は、図1、図2に示した第1実施形態の形状(形状1)、図5に示した第2実施形態の形状(形状2)、図8、図9に示した第2実施形態の変形例の形状(形状3)の第1切目線20および第2切目線21をそれぞれの包装袋1の半製品に形成した。
開封性の評価は、包装袋1の表面側フィルム3aを正面に向けた状態で、左側の開封用ノッチ10から引き切りした場合の開封性を、形状1〜形状3の第1切目線20および第2切目線21が形成された各包装袋1をそれぞれ10袋ずつ開封したときの開封部の目視により評価した。評価基準は、10袋全てが切目線の形状に沿って開封された場合を○、1袋以上が切目線の形状に沿って開封されなかった場合を×とした。
内容物の充填性の評価は、充填機(GP2000LIT、ゼネラルパッカー社製)を用いて60袋/分の充填速度で各包装袋1に内容物(粒状物)を充填する際に、挟持(チャッキング)装置が第1切目線20および第2切目線21に接触するように、また、充填機への包装袋1の給袋時、および包装袋1の上端の未シール部の開口時に用いる吸盤が第1切目線20および第2切目線21に接触するように充填機にセットしてそれぞれ100袋ずつ充填したときの破袋の発生を評価した。なお、充填性の評価には、形状3の第1切目線20および第2切目線21が形成された包装袋1を使用した。評価基準は、100袋全てに破袋が発生しなかった場合を○、1袋以上破袋が発生した場合を×とした。評価結果を表1に示す。
Figure 0006439411
表1から明らかなように、中間層14として、MD方向の引裂伝播抵抗値が67、TD方向の引裂伝播抵抗値が64である二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを積層した実施例1、2の包装袋1、およびMD方向の引裂伝播抵抗値が40、TD方向の引裂伝播抵抗値が42である二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを積層した実施例3では、形状1〜形状3の第1切目線20、第2切目線21が形成された包装袋1において、10袋全てが第1切目線20、第2切目線21の形状に沿って円滑に開封され、開封性は良好であった。また、内容物の充填時における包装袋1の破袋も発生しなかった。
これに対し、中間層14を積層しなかった比較例1の包装袋1では、開封性は良好であったものの、内容物の充填時に多数(100袋中35袋)の破袋が発生した。また、中間層14として、MD方向の引裂伝播抵抗値が94、TD方向の引裂伝播抵抗値が91である二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを積層した比較例2の包装袋1では、内容物の充填時における破袋は発生しなかったものの、形状2、形状3の第1切目線20および第2切目線21を形成した場合に切目線の形状に沿って開封されなかった。
また、比較例2のバリア層13と中間層14の積層順序を入れ替えた比較例3の包装袋1では、形状3の第1切目線20および第2切目線21を形成した場合に切目線の形状に沿って開封されなかった。また、比較例1の包装袋1よりは少なかったものの、内容物の充填時に相当数(100袋中18袋)の破袋が発生した。
さらに、中間層14として、MD方向の引裂伝播抵抗値が36、TD方向の引裂伝播抵抗値が35である二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを積層した比較例4の包装袋1では、開封性は良好であったものの、内容物の充填時に若干数(100袋中5袋)の破袋が発生した。
本発明は、内容物として液状、ゲル状、固形状、粉末状等の食品や化粧品、洗剤、医薬製剤等を包装する包装袋に利用可能である。本発明の利用により、易開封加工による開封性を損なうことなく、且つ内容物の充填時における包装袋の破損も防止できる包装袋を提供することができる。
1 包装袋
2 底部
3a 表面側フィルム(第1フィルム)
3b 裏面側フィルム(第2フィルム)
3c 底面フィルム
5 ガゼット部
6 底部シール部
7 側部シール部
8 収納部
9 開閉用チャック(咬合具)
10 開封用ノッチ(開封開始手段)
11 上部シール部
12 外層
13 バリア層
14 中間層
15 内層
20 第1切目線
20a 収斂状切目線(第1切目線)
20b 直線状切目線(第1切目線)
20c 下側切目線(第1切目線)
20d 上側切目線(第1切目線)
21 第2切目線
21a 収斂状切目線(第2切目線)
21b 直線状切目線(第2切目線)
21c 下側切目線(第2切目線)
21d 上側切目線(第2切目線)

Claims (10)

  1. 外層と、バリア層と、中間層と、熱接着性樹脂からなる内層と、を少なくとも有する第1フィルムおよび第2フィルムの前記内層同士を重ね合わせて形成され、左右両側の端縁部を閉鎖する一対の側部シール部と、底部の端縁部を閉鎖する底部シール部と、前記側部シール部および前記底部シール部で囲まれた内容物が封入される収納部と、を備え、前記底部シール部と対向する上部の端縁部には、内容物を充填する際に充填口として使用し、内容物の充填後にヒートシールして内容物を封入するための未シール状態の開口部を備える包装袋であって、
    前記側部シール部の前記開口部近傍に形成される開封開始手段と、
    該開封開始手段に隣接して前記収納部を横断するように前記第1フィルムの前記外層に形成される第1切目線および前記第2フィルムの前記外層に形成される第2切目線と、
    を有し、
    前記中間層は、前記第1切目線および前記第2切目線による左右方向および上下方向の引裂伝播抵抗値が共に40mN以上75mN以下の延伸フィルムで形成されることを特徴とする包装袋。
  2. 前記第1フィルムの外層に、一方の前記側部シール部の外縁よりも内側に後退した位置を起点とし、該起点と前記側部シール部に平行する上下方向の位置を同じくする他方の前記側部シール部の外縁よりも内側に後退した位置を終点として連続する前記第1切目線を形成し、
    前記第2フィルムの外層に、一方の前記側部シール部の外縁よりも内側に後退した位置を起点とし、該起点と前記側部シール部に平行する上下方向の位置を同じくする他方の前記側部シール部の外縁よりも内側に後退した位置を終点として連続する前記第2切目線を形成し、
    前記第1切目線と前記第2切目線の前記起点および前記終点の上下方向の位置を略同じにするとともに、前記起点から前記終点までの軌跡を異なるものとすることで、前記第1切目線と前記第2切目線に沿って包装袋の上端側を前記左右の側部シール部に直交する方向に破断して開口部を形成する際に、前記第1フィルムおよび前記第2フィルムの一方の切断面の外縁と他方の切断面の外縁とに段差を生じさせることを特徴とする請求項1に記載の包装袋。
  3. 前記第1切目線は、前記包装袋の下端側に膨らむ下側切目線と上端側に膨らむ上側切目線とに分岐しており、前記第2切目線は、前記下側切目線と前記上側切目線との間に位置する直線状であることを特徴とする請求項2に記載の包装袋。
  4. 前記第1切目線および前記第2切目線は、前記包装袋の下端側に膨らむ下側切目線と上端側に膨らむ上側切目線とに分岐しており、それぞれ複数対の前記下側切目線と前記上側切目線を有することを特徴とする請求項2に記載の包装袋。
  5. 前記第1フィルムの外層に、一方の前記側部シール部の外縁よりも内側に後退した位置を起点とし、該起点と前記側部シール部に平行する上下方向の位置を同じくする他方の前記側部シール部の外縁よりも内側に後退した位置を終点として連続する直線状の前記第1切目線を形成し、
    前記第2フィルムの外層に、一方の前記側部シール部の外縁よりも内側に後退した位置を起点とし、該起点と前記側部シール部に平行する上下方向の位置を同じくする他方の前記側部シール部の外縁よりも内側に後退した位置を終点として連続する直線状の前記第2切目線を形成したことを特徴とする請求項1に記載の包装袋。
  6. 前記第1切目線および前記第2切目線は、炭酸ガスレーザー照射により形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の包装袋。
  7. 前記第1切目線および前記第2切目線は、カッターを用いて物理的に形成されることを特徴とする請求項1又は請求項5に記載の包装袋。
  8. 前記第1切目線および前記第2切目線は、左右の前記側部シール部の外縁よりも内側に後退した2箇所から前記側部シール部の内縁に向かう方向に進行して前記側部シール部の内縁よりも外側で収斂し、前記直線状切目線に連続する一対の収斂状切目線を有することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の包装袋。
  9. 前記第1フィルムおよび前記第2フィルムの内面には、前記第1切目線および前記第2切目線よりも下端側の対向する位置に、相互に咬合し合う凸条の雄部材と凹条の雌部材とからなる合成樹脂製の咬合具が設けられており、
    前記雄部材と前記雌部材とを咬合することで再封止機能を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の包装袋。
  10. 前記包装袋は、前記外層と前記内層とを少なくとも有する底面フィルムを、前記内層を外向きにして中央で山折りし、前記第1フィルムと前記第2フィルムの前記内層と前記底面フィルムの前記内層とが対向するように前記第1フィルムと前記第2フィルムの下端部に挿入し、前記第1フィルムおよび前記第2フィルムの前記内層と前記底面フィルムの前記内層とを前記底面フィルムの周縁部にてヒートシールして前記底部シール部を形成し、前記底部シール部より上側に位置する前記第1フィルムと前記第2フィルムの内層同士を重ね合わせて、左右両側の端縁部を閉鎖する一対の前記側部シール部を形成してなる自立性袋用途の包装袋であることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の包装袋。
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