JP6436411B2 - 連続貝係止具とロール状連続貝係止具 - Google Patents

連続貝係止具とロール状連続貝係止具 Download PDF

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Description

本発明は帆立貝、真珠貝、牡蠣、その他の貝(以下、まとめて「貝」という。)の養殖に使用される貝係止具(業界では「ピン」と呼ばれている。)を一定間隔で連結して樹脂成型した連続貝係止具とそれをロール状に巻いたロール状連続貝係止具に関するものである。
帆立貝の養殖方法の一つとして耳吊養殖がある。これは海面近くに横に張った横ロープに、多数の帆立貝を取付けた縦ロープを縦向きに取り付けて海中に吊るす方法である。この場合、図9に示すように、縦ロープCへの貝Bの取り付けには貝係止具Aが使用されている。貝係止具Aは樹脂成型されており、細長い基材(業界では「幹」と呼ばれることもある。)Dの両端に貝止め突起(業界では「アゲ」と呼ばれている。)Gがあり、基材Dの中央部に二本のロープ止め突起Eがある。貝係止具Aは一本ずつ縦ロープCに差し込み、それを貝Bにあけた孔に差し込む。
貝係止具Aには、一本ずつバラにしてある貝係止具(業界では「バラピン」と呼ばれている。)と、多数本(数千本〜数万本)の貝係止具Aが連結材で一定間隔に連結された連続貝係止具(通称「連続ピン」。)がある(特許文献1)。
特開2009−100778号公報
特許文献1の連続貝係止具はロール状に巻くことができるため運搬し易く、保管に便利である。使用時には自動切断差し込み機(通称「ピンセッター」。)にロール状のままセットし、ロールの巻き終端部側から貝係止具を引き出して、貝係止具を自動的に一本ずつ切断しながら縦ロープに差し込むことができ、作業性が良いという利点がある。
本発明は、従来の連続貝係止具のロープ止め突起と連結材を兼用にした連続貝係止具と、それをロール状に巻いたロール状連続貝係止具を提供することにある。
本発明の連続貝係止具は、ロープと貝の孔に差し込んで貝をロープに吊下げる貝係止具が、多数本連続して樹脂成型された連続貝係止具において、夫々の貝係止具はロープ及び貝の孔に差し込み可能な細長の基材と、基材の軸方向外側に突出する貝係止め突起を備え、多数本の貝係止具は間隔をあけて平行(略平行を含む。)に配置され、当該貝係止具の基材の貝止め突起間が基材の軸方向左右に離れた二本以上のロープ止め兼用連結材で連結されて樹脂で一体成型され、そのロープ止め兼用連結材は連続成型された多数本の貝係止具をロール状に巻くことのできる可撓性があり、切断して貝係止具を一本ずつに分離することができ、基材の周方向に突出するように切り残されたロープ止め兼用連結材の切り残し片が、ロープから貝係止具が抜けるのを防止するロープ止め突起となるようにしたものである。この場合、ロープ止め兼用連結材の間隔を前記ロープの直径或いは横幅よりも広くすると、ロープに差し込んだ貝係止具の切り残し片がロープの両外側に位置するため(図1(b))、貝係止具がロープから抜けにくくなり、ロープが安定する。
前記貝係止具の軸方向左右のロープ止め兼用連結材は二本以上を一組として、各組の二本以上のロープ止め兼用連結材を貝係止具の軸方向に接近して設けることもできる(図3(b))。この場合、内側のロープ止め兼用連結材を外側のロープ止め兼用連結材よりも太い径にしたり(図3(b))、幅の広いテープ状にしたり(図4(b))、これらの逆にしたり、同じ太さ、同じ幅にしたりすることもできる(図3(c))。ロープ止め兼用連結材を左右夫々に二本以上ずつ設ける場合は、一本の太さを、左右夫々に一本だけ設ける場合よりも細くすることもできる。ロープ止め兼用連結材の間隔は、ロープの直径よりも広くすることができる。
本発明ではロープ止め兼用連結材の外側で、基材の寝床の内側に、整列用連結材を設けることもできる(図5(a)(b))。整列用連結材は、ロープ止め兼用連結材により平行に配置連結された多数本の貝係止具が横方向に捩じれたり傾いたりし難くなって、多数本の貝係止具が平行のままロール状に巻かれたり、引き出されたりし易くなるようにするものである。前記整列用連結材は基材の軸方向に離れて二列に設けることができ、ロープ止め兼用連結材の両外側対称位置に設けてある。より具体的には、ロープ止め兼用連結材と基材の寝床の略中間位置に設けるとか(図5(a))、それよりも内側又は外側に設けることができる。この整列用連結材はロープ止め兼用連結材と同様に、連結された多数本の貝係止具と樹脂で一体に成型され、ロール状に巻くことのできる可撓性を備える。その太さ、広さ等はロープ止め兼用連結材と同じであってもよいが、それより太くても広くてもよく、逆に、細くても狭くてもよい。
前記ロープ止め兼用連結材も整列用連結材も、丸紐や薄いテ―プ状以外の形状であってもよく、例えば、断面形状、三角形、四角形、多角形の細紐であってもよい。ロープ止め兼用連結材と整列用連結材は同じ形状でも異なる形状でもよい。
間隔をあけて平行に配置された多数本の貝係止具の左右両端の貝止め突起は、向きが逆向きであっても、逆向き以外の異なる向きであってもよい。前記連続貝係止具はロール状に巻いてロール状連続貝係止具とすることもできる。
本発明の連続貝係止具は次のような効果がある。
1.多数本の貝係止具が樹脂でロープ止め兼用連結材と一体に成型されて連結され、ロープ止め兼用連結材がロール状に巻取り可能な可撓性があるため、連続成型された多数本の貝係止具をロール状に巻いて保管、搬送することができ、取り扱いに便利である。
2.ロープ止め兼用連結材の切り残し片がロープ止め突起となるため、従前のように、連結材とロープ止め突起の双方を設ける必要がなく、成型に必要な樹脂使用量が少なくてすみ、コスト低減に役立つ。
3.整列用連結材を設けると、連結された多数本の貝係止具が横方向に捩じれ難くなり、ロール状に巻くときも、ロールから引き出すときも平行に保持されるため、ロール状に巻くときに貝係止具同士が絡まり難くなって巻き易くなり、引き出し時に真っ直ぐに引き出されて引き出し易くなり、ロープ止め兼用連結材と整列用連結材をピンセッターで確実に切断することができ、ピンセッターの切断刃が貝係止具の基材(幹)に当たることがなく、基材に傷付くこともない。
4.ロープ止め兼用連結材を二本以上設ければ、いずれかのロープ止め兼用連結材が折れても、他のロープ止め兼用連結材が残るため、ロープに差し込まれた貝係止具がロープから抜け落ち難くなり、養殖する貝の歩留まりが向上する。
(a)は本発明の連続貝係止具の一例を示すもので、ロープ止め兼用連結材が丸紐状の場合の平面図、(b)は(a)の連続貝係止具から切断した一本の貝係止具の斜視図。 (a)は本発明の連続貝係止具の一例を示すもので、ロープ止め兼用連結材がテ―プ状の場合の平面図、(b)は(a)の連続貝係止具から切断した一本の貝係止具の斜視図。 (a)は本発明の連続貝係止具の他例であり、太い丸紐状のロープ止め兼用連結材の外側に、細い丸紐状のロープ止め兼用連結材を設けた場合の平面図、(b)は(a)の連続貝係止具から切断した一本の貝係止具の斜視図、(c)は同じ太さのロープ止め兼用連結材を二本一組として設けた場合の斜視図。 (a)は本発明の連続貝係止具の他例であり、広いテープ状のロープ止め兼用連結材の外側に、狭いテープ状のロープ止め兼用連結材を設けた場合の平面図、(b)は(a)の連続貝係止具から切断した一本の貝係止具の斜視図。 (a)は本発明の連続貝係止具の他例を示すものであり、整列用連結材をロープ止め兼用連結材と基材の寝床のほぼ中間に設けた場合の一例を示す平面図、(b)は(a)の連続貝係止具から切断した一本の貝係止具の斜視図。 本発明の連続貝係止具から切断した一本の貝係止具の、切り残し片を基材の上下両側に残した場合の斜視図。 本発明の連続貝係止具から切断した一本の貝係止具の、ロープ止め突起付近の斜視図。 (a)は従来の連続貝係止具をロール状に巻いた説明図、(b)は従来の連続貝係止具をボビンにロール状に巻いた説明図。 従来の貝係止具をロープへ差し込んで貝を係止した状態の使用説明図。
(既存の貝係止具)
既存の貝係止具を帆立貝に使用する場合の一例を、図9を参照して説明する。この貝係止具Aは、海中に吊るす縦ロープCと、帆立貝Bの耳にあけた孔に差し込み可能な細長い基材(業界では「幹」とも呼ばれている。)Dのほぼ中央部にロープ止め突起Eが「ハ」字状に突設され、基材Dの両端側(差し込み端側)に貝の抜けを防止する貝止め突起(業界では「アゲ」とも呼ばれている。)Gが突設され、これら基材D、ロープ止め突起E、貝止め突起Gが樹脂で一体成型されている。
(本発明の連続貝係止具の実施形態)
本発明の連続貝係止具は、縦ロープC(図9)と帆立貝B(図9)の孔に差し込んで帆立貝Bを縦ロープCに吊下げる貝係止具1(図1(a))が多数本、ロープ止め兼用連結材により連続して樹脂で一体に成型されたものである。夫々の貝係止具1は縦ロープC(図9)及び帆立貝B(図9)の孔に差し込み可能な細長の基材2と、基材2の軸方向外側に突出する貝止め突起3を備えている。多数本の貝係止具1は貝止め突起3を同じ向きにして間隔をあけて平行に配置され、それら貝係止具1の貝止め突起3間が、二本のロープ止め兼用連結材4で一体に樹脂成型されている。図1のロープ止め兼用連結材4は丸紐状である。ロープ止め兼用連結材4の成型位置は、既存の貝係止具(図9)のロープ止め突起Eがある位置と同じ位置又はほぼ同じ位置が適する。
図示した基材2は既存の貝係止具と同様に両端部6を先細りに成型して帆立貝Bの孔に差し込み易くしてある。基材2のうち貝止め突起3と対向する面(基材内面)には、基材2の中央部外周面よりも一段低い凹部(寝床)7を設けて、貝係止具1を帆立貝Bの孔に差し込むときに貝止め突起3が寝床7に押し倒されて縦ロープC内を貫通し易くなるようにしてある。差し込み時に倒れた貝止め突起3は縦ロープCを貫通し終えたときも、帆立貝Bの孔を貫通し終えたときも自己の弾性と復元力で自動的に起立して倒伏する前の元の状態に復元できる。
前記ロープ止め兼用連結材4は丸紐状であり、連続成型された多数本の貝係止具1をロール状に巻くことのできる可撓性がある。また、切断して図1(b)に示すように、貝係止具1を一本ずつに分離することができる。ロープ止め兼用連結材4は切断時に図1(b)に示すようにその一部を基材2の周方向に突出するように切り残すと、その切り残し片5(図1(b))がロープ止突起となって、縦ロープCに差し込まれた貝係止具1が縦ロープCから抜けるのを防止できるようにしてある。図1(b)の切り残し片5は、基材2の上側のみであるが、切り残し片5は基材2の上下に残すことも、基材2の下側のみに残すこともできる。
ロープ止め兼用連結材4の切り残し片5は、ロープ止め突起としての機能を備える必要があるため、ロープ止め兼用連結材4は既存のロープ止め突起と同じ(ほぼ同じ)位置に設けて、既存のピンセッター(貝係止具自動切断差し込み機)の切断刃で切断できるようにしてある。ロープ止め兼用連結材4を切断して一本ずつに分離した貝係止具1は縦ロープCに差し込むことができる。ロープ止め兼用連結材4は、切り残し片5の強度、硬さ、長さ等がこれまでのロープ止め突起と同様になるように設計することができる。
ロープ止め兼用連結材4の太さは、成型樹脂の材質や基材2の太さによって太くしたり細くしたりすることができる。基材2の太さφ1.0mm〜1.7mmの場合、丸紐状のロープ止め兼用連結材4の太さφは0.6〜1.2mm前後、望ましくは1.0mm程度であり、左右のロープ止め兼用連結材4の間隔はロープC(図9)の直径(通常6mm〜10mm)よりも多少広めが望ましく、例えば7.0mm〜15mmにして、貝係止具1をロープCに差し込んだとき、二本の切り残し片5がロープCの両外側に位置するようにするのが望ましい。
(ロープ止め兼用連結材の形状)
左右のロープ止め兼用連結材4は三角形、四角形、多角形といった各種形状にすることができる。図2(a)、(b)にテープ状の場合を示す。テープ状の場合は、厚さ0.3mm〜0.7mm、望ましくは0.5mm程度が適し、横幅0.3mm〜1.3mm、望ましくは1.0mm程度が適する。
(ロープ止め兼用連結材の本数)
左右のロープ止め兼用連結材4は、図3(a)〜(c)に示すように二本一組としたり、図示しないが、三本以上の複数本を一組としたりすることもできる。二本以上を一組とする場合は、それらロープ止め兼用連結材4を基材2の軸方向に接近して設けることができる。この場合、内側のロープ止め兼用連結材4を外側のロープ止め兼用連結材4よりも太い径にしたり(図3(b))、これと逆にしたり、同じ太さにしたりする(図3(c))ことができる。二本以上のロープ止め兼用連結材4を一組とする場合は、個々のロープ止め兼用連結材4の直径φを、既存の「ハ」字状のロープ止め突起E(図9)よりも細くして、一組の数本で既存の「ハ」字状のロープ止め突起と同じ強度を備えるようにすることもできる。
ロープ止め兼用連結材4がテープ状の場合(図4(a)、(b))も、左右のロープ止め兼用連結材4は二本一組としたり、三本以上の複数本を一組としたりすることができ、それらを基材2の軸方向に離して設けることができる。この場合、内側のロープ止め兼用連結材4を外側のロープ止め兼用連結材4よりも幅広にしたり、厚くしたり、これと逆にしたり、同じ広さや厚さにすることもできる。同じ広さや厚さにする場合は、個々のロープ止め兼用連結材4の横幅、厚さを一本の場合より薄くしたり、狭くしたりして、一組の数枚で同じ強度を備えるようにすることもできる。
(ロープ止め兼用連結材の間隔)
複数のロープ止め兼用連結材4を一組とする場合は、ロープ止め兼用連結材4の配列、間隔等は任意に設計することができる。例えば、図3(b)、(c)、図4(b)に示すように、二本以上を一組とする場合は、間隔Lを紐状のロープ止め兼用連結材4の太さ或いはテープ状のロープ止め兼用連結材4の横幅の一本〜四本分程度にすることができ、その範囲で設計できる。一本では既存のロープ止め突起E(図9)の強度よりは弱いが、二本以上では既存のロープ止め突起の強度と同等又はそれよりも強くなるように設計するのが望ましい。
(整列用連結材)
本発明の連続貝係止具は、ロープ止め兼用連結材4の他に、整列用連結材8(図5(a)、(b))を設けることもできる。整列用連結材8は連結された多数本の貝係止具1が横方向に捩じれたり、傾いたりし難くなって、平行に配置連結された多数本の貝係止具1が平行のままロール状に巻かれたり(図8(a))、引き出されたりし易くするものである。図5(a)に示す整列用連結材8は、ロープ止め兼用連結材4の両外側であって、ロープ止め兼用連結材4とその外側の寝床7とのほぼ中間位置に設けるとか、それよりも内側又は外側に設けることができる。この整列用連結材8は多数本の貝係止具1と樹脂で一体に成型されて、ロール状に巻くことのできる可撓性を備え、ロープ止め兼用連結材4と同様に、ピンセッターで切断することができるようにしてある。この場合、必要であれば、ピンセッターに、ロープ止め兼用連結材4を切断する切断刃とは別に、整列用連結材8を切断するための切断刃を設けることもできる。
整列用連結材8はロープ止め兼用連結材4の外側片側に二本以上ずつ設けることもできる。その形状も細紐、テ―プ状の他、断面形状が三角形、四角形、多角形といった各種形状にすることができ、ロープ止め兼用連結材4と同じ形状或いは異なる形状にすることができる。細紐状の場合はロープ止め兼用連結材4と同じ太さであってもよいが、それより細くても、太くてもよい。テ―プ状の場合は、横幅を広くすると横に捩じれ難くなって、連結されている多数本の貝係止具1を平行に維持し易い。厚過ぎたり横幅が広過ぎたりすると、貝係止具1を縦ロープCに差し込む際の抵抗が大きくなって差し込みにくくなるため、縦ロープCに差し込み難くならない程度の厚さ、横幅にするのが望ましい。
(貝止め突起)
連続成型される多数本の貝係止具1の左右の貝止め突起3の形状は、帆立貝Bの孔に差し込み易く、差し込んでからは抜けにくい形状のものが望ましい。一例として図7に示すものは貝止め突起3の根元10側から先端11に向けて円弧状に立ち上げ、内面に薄肉部12を設けて先端11を下向きにしてある。貝止め突起3の形状はそれ以外であってもよく、例えば、前記薄肉部12を設けずに、先端部を「へ」字状に曲げたもの、その他の形状、構造とすることができる。
図1に示す左右の貝止め突起3は同じ向きにしてあるが、貝止め突起3の向きは逆向きにすることも、逆向き以外の異なる向きにすることもできる。
(成型用樹脂)
本発明の連続貝係止具の成型に使用する樹脂(成型用樹脂)は、既存の貝係止具の成型に使用されている用樹脂と同じものであっても、異なるものであってもよい。
(ロール状連続貝係止具)
本発明の連続貝係止具は図8(a)のようにロール状に巻くことができる。この場合、連続貝係止具に帯状のシートやフィルム(以下「シート」という。)13を挟んでロール状に巻くことができる。シート13には障子紙のような帯状の紙とか、コピー用紙のような質、厚さの紙を帯状に長くしたものとか、帯状に長くした樹脂製のシートを使用することができるが、使用後の廃棄処分の容易さから紙を使用するのが好ましい。シート13の幅は連続貝係止具の幅と同程度かそれよりも広めのものが好ましい。シート13を介在させずに巻くこともできる。
本発明の連続貝係止具は図8(b)のように、巻胴14の両端に鍔15を備えたボビン16の巻胴14にロール状に巻くこともできる。ボビン16は肉厚の紙製、樹脂製、木製等とすることができる。紙製の場合は使い捨てに適し、樹脂製、木製等の場合は再使用するのに適する。ボビン16に巻く連続貝係止具の間にはシート13を介在させても介在させなくともよい。
本発明の連続貝係止具の使用方法は種々あるが、一例としてはロール状に巻いた連続貝係止具をピンセッターにロール状のままセットし、ロールの一端をほどいて引き出して、引き出した側から貝係止具1を一本ずつ切断して縦ロープCに差し込み、ロープ止め兼用連結材4の切り残し片5で縦ロープCから抜けないようにする。縦ロープCに差し込んだ貝係止具1の軸方向一端を帆立貝Bの孔に差し込んで、貝止め突起3をその孔を貫通させて帆立貝Bを貝止め突起3で抜けないように係止する。同様に、貝係止具1の長手方向他端を、帆立貝Bの孔に差し込んで貝止め突起3で抜けないように係止する。
ロープ止め兼用連結材4は図1〜図5の各図の(b)に示すように一本ずつ切断してロ−プCに差し込む。この場合、ロープ止め兼用連結材4は図1〜図5の各図の(b)に示すように、切り残し片5が貝止め突起3と同じ方向に突出するように切断すると、ロープに差し込み易くなるが、可能であれば、図6に示すように、切り残し片9が貝止め突起3と反対方向にも突出するように切断することもできる。この場合は、貝止め突起3と同じ方向に突出する切り残し片5が第一ロープ止め、切り残し片9が第二ロープ止めとなって、第一ロープ止めだけの場合よりも、縦ロープCからの貝係止具の抜け防止が確実になる。ロープ止め兼用連結材4は、切り残し片9のみを残して切断することもできる。
1 貝係止具
2 基材
3 貝止め突起
4 ロープ止め兼用連結材
5 切り残し片
6 基材の端部
7 寝床
8 整列用連結材
9 第ロープ止め
10 貝止め突起の根元
11 貝止め突起の先端
12 薄肉部
13 シート
14 巻胴
15 鍔
16 ボビン
A 貝係止具
B 貝(帆立貝)
C 縦ロープ
D 基材
E ロープ止め突起
G 貝止め突起
L (ロープ止め兼用連結材の)間隔

Claims (4)

  1. ロープと貝の孔に差し込んで貝をロープに吊下げることができる貝係止具が、多数本連続して樹脂成型された連続貝係止具において、
    夫々の貝係止具はロープ及び貝の孔に差し込み可能な細長の基材と、貝が基材から抜け落ちるのを防止可能な貝止め突起と、基材を貝に差し込むときに貝止め突起が倒伏できる凹状の寝床を備え、ハ字状のロープ止め突起は備えず、貝止め突起と寝床は基材の外周面に設けられており、前記構成の多数本の基材がロープ止め兼用連結材で連結され、
    前記貝止め突起は基材の軸方向先端側にあり、基材の外周面から寝床の上方まで外側広がりに突出しており、基材をその軸方向先端側から貝の孔に差し込むと貝を係止できるようにしてあり、
    前記多数本の貝係止具は貝止め突起の向きを同じにして、間隔をあけて平行又は略平行に揃っており、それら多数本の貝係止具の基材が当該基材と一体に樹脂成型された二組のロープ止め兼用連結材で連結されており、
    前記各組のロープ止め兼用連結材は二本一組としてあり、
    前記各組の二本のロープ止め兼用連結材は、前記寝床よりも基材の軸方向内側二箇所であって当該軸方向の略中央部付近に間隔をあけて平行又は略平行に並んで設けられており、
    各組の二本のロープ止め兼用連結材は紐状又は基材の軸方向に幅の広いテープ状であり、貝係止具の基材と直交又は略直交する方向に真っ直ぐ又は略真っ直ぐな直線状であって互いに平行又は略平行であり、各組の内側のロープ止め兼用連結材間の間隔は前記基材を差し込むロープの直径よりも広い間隔であり、
    前記各組の二本ロープ止め兼用連結材は、連続された貝係止具をロール状に巻くことのできる可撓性があり、切断して貝係止具を一本ずつに分離することができ、切断時に前記寝床側に突出する切り残し片を残して切断すると、切り残し片が貝係止具の基材直交又は略直交する方向に真っ直ぐ又は略真っ直ぐに突出してロープに差し込んだ貝係止具がロープから抜けるのを防止できるロープ止め突起となるようにした、
    ことを特徴とする連続貝係止具。
  2. 請求項1記載の連続貝係止具において、
    各組の二本のロープ止め兼用連結材は、基材の軸方向外側のロープ止め兼用連結材が内側のロープ止め兼用連結材と同じ又は略同じ幅又は同じ又は略同じ直径であり、
    各組の内側のロープ止め兼用連結材の切り残し片がロープ止め突起となる、
    ことを特徴とする連続貝係止具。
  3. 請求項1記載の連続貝係止具において、
    各組の二本のロープ止め兼用連結材は、基材の軸方向外側のロープ止め兼用連結材が内側のロープ止め兼用連結材よりも広い幅又は大きい直径であり、
    各組の内側のロープ止め兼用連結材の切り残し片がロープ止め突起となる、
    ことを特徴とする連続貝係止具。
  4. 請求項1から請求項のいずれか1項に記載の連続貝係止具が、ロール状に巻かれた、
    ことを特徴とするロール状連続貝係止具。
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