JP6436411B2 - 連続貝係止具とロール状連続貝係止具 - Google Patents
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Description
1.多数本の貝係止具が樹脂でロープ止め兼用連結材と一体に成型されて連結され、ロープ止め兼用連結材がロール状に巻取り可能な可撓性があるため、連続成型された多数本の貝係止具をロール状に巻いて保管、搬送することができ、取り扱いに便利である。
2.ロープ止め兼用連結材の切り残し片がロープ止め突起となるため、従前のように、連結材とロープ止め突起の双方を設ける必要がなく、成型に必要な樹脂使用量が少なくてすみ、コスト低減に役立つ。
3.整列用連結材を設けると、連結された多数本の貝係止具が横方向に捩じれ難くなり、ロール状に巻くときも、ロールから引き出すときも平行に保持されるため、ロール状に巻くときに貝係止具同士が絡まり難くなって巻き易くなり、引き出し時に真っ直ぐに引き出されて引き出し易くなり、ロープ止め兼用連結材と整列用連結材をピンセッターで確実に切断することができ、ピンセッターの切断刃が貝係止具の基材(幹)に当たることがなく、基材に傷付くこともない。
4.ロープ止め兼用連結材を二本以上設ければ、いずれかのロープ止め兼用連結材が折れても、他のロープ止め兼用連結材が残るため、ロープに差し込まれた貝係止具がロープから抜け落ち難くなり、養殖する貝の歩留まりが向上する。
既存の貝係止具を帆立貝に使用する場合の一例を、図9を参照して説明する。この貝係止具Aは、海中に吊るす縦ロープCと、帆立貝Bの耳にあけた孔に差し込み可能な細長い基材(業界では「幹」とも呼ばれている。)Dのほぼ中央部にロープ止め突起Eが「ハ」字状に突設され、基材Dの両端側(差し込み端側)に貝の抜けを防止する貝止め突起(業界では「アゲ」とも呼ばれている。)Gが突設され、これら基材D、ロープ止め突起E、貝止め突起Gが樹脂で一体成型されている。
本発明の連続貝係止具は、縦ロープC(図9)と帆立貝B(図9)の孔に差し込んで帆立貝Bを縦ロープCに吊下げる貝係止具1(図1(a))が多数本、ロープ止め兼用連結材により連続して樹脂で一体に成型されたものである。夫々の貝係止具1は縦ロープC(図9)及び帆立貝B(図9)の孔に差し込み可能な細長の基材2と、基材2の軸方向外側に突出する貝止め突起3を備えている。多数本の貝係止具1は貝止め突起3を同じ向きにして間隔をあけて平行に配置され、それら貝係止具1の貝止め突起3間が、二本のロープ止め兼用連結材4で一体に樹脂成型されている。図1のロープ止め兼用連結材4は丸紐状である。ロープ止め兼用連結材4の成型位置は、既存の貝係止具(図9)のロープ止め突起Eがある位置と同じ位置又はほぼ同じ位置が適する。
左右のロープ止め兼用連結材4は三角形、四角形、多角形といった各種形状にすることができる。図2(a)、(b)にテープ状の場合を示す。テープ状の場合は、厚さ0.3mm〜0.7mm、望ましくは0.5mm程度が適し、横幅0.3mm〜1.3mm、望ましくは1.0mm程度が適する。
左右のロープ止め兼用連結材4は、図3(a)〜(c)に示すように二本一組としたり、図示しないが、三本以上の複数本を一組としたりすることもできる。二本以上を一組とする場合は、それらロープ止め兼用連結材4を基材2の軸方向に接近して設けることができる。この場合、内側のロープ止め兼用連結材4を外側のロープ止め兼用連結材4よりも太い径にしたり(図3(b))、これと逆にしたり、同じ太さにしたりする(図3(c))ことができる。二本以上のロープ止め兼用連結材4を一組とする場合は、個々のロープ止め兼用連結材4の直径φを、既存の「ハ」字状のロープ止め突起E(図9)よりも細くして、一組の数本で既存の「ハ」字状のロープ止め突起と同じ強度を備えるようにすることもできる。
複数のロープ止め兼用連結材4を一組とする場合は、ロープ止め兼用連結材4の配列、間隔等は任意に設計することができる。例えば、図3(b)、(c)、図4(b)に示すように、二本以上を一組とする場合は、間隔Lを紐状のロープ止め兼用連結材4の太さ或いはテープ状のロープ止め兼用連結材4の横幅の一本〜四本分程度にすることができ、その範囲で設計できる。一本では既存のロープ止め突起E(図9)の強度よりは弱いが、二本以上では既存のロープ止め突起の強度と同等又はそれよりも強くなるように設計するのが望ましい。
本発明の連続貝係止具は、ロープ止め兼用連結材4の他に、整列用連結材8(図5(a)、(b))を設けることもできる。整列用連結材8は連結された多数本の貝係止具1が横方向に捩じれたり、傾いたりし難くなって、平行に配置連結された多数本の貝係止具1が平行のままロール状に巻かれたり(図8(a))、引き出されたりし易くするものである。図5(a)に示す整列用連結材8は、ロープ止め兼用連結材4の両外側であって、ロープ止め兼用連結材4とその外側の寝床7とのほぼ中間位置に設けるとか、それよりも内側又は外側に設けることができる。この整列用連結材8は多数本の貝係止具1と樹脂で一体に成型されて、ロール状に巻くことのできる可撓性を備え、ロープ止め兼用連結材4と同様に、ピンセッターで切断することができるようにしてある。この場合、必要であれば、ピンセッターに、ロープ止め兼用連結材4を切断する切断刃とは別に、整列用連結材8を切断するための切断刃を設けることもできる。
連続成型される多数本の貝係止具1の左右の貝止め突起3の形状は、帆立貝Bの孔に差し込み易く、差し込んでからは抜けにくい形状のものが望ましい。一例として図7に示すものは貝止め突起3の根元10側から先端11に向けて円弧状に立ち上げ、内面に薄肉部12を設けて先端11を下向きにしてある。貝止め突起3の形状はそれ以外であってもよく、例えば、前記薄肉部12を設けずに、先端部を「へ」字状に曲げたもの、その他の形状、構造とすることができる。
本発明の連続貝係止具の成型に使用する樹脂(成型用樹脂)は、既存の貝係止具の成型に使用されている用樹脂と同じものであっても、異なるものであってもよい。
本発明の連続貝係止具は図8(a)のようにロール状に巻くことができる。この場合、連続貝係止具に帯状のシートやフィルム(以下「シート」という。)13を挟んでロール状に巻くことができる。シート13には障子紙のような帯状の紙とか、コピー用紙のような質、厚さの紙を帯状に長くしたものとか、帯状に長くした樹脂製のシートを使用することができるが、使用後の廃棄処分の容易さから紙を使用するのが好ましい。シート13の幅は連続貝係止具の幅と同程度かそれよりも広めのものが好ましい。シート13を介在させずに巻くこともできる。
2 基材
3 貝止め突起
4 ロープ止め兼用連結材
5 切り残し片
6 基材の端部
7 寝床
8 整列用連結材
9 第ロープ止め
10 貝止め突起の根元
11 貝止め突起の先端
12 薄肉部
13 シート
14 巻胴
15 鍔
16 ボビン
A 貝係止具
B 貝(帆立貝)
C 縦ロープ
D 基材
E ロープ止め突起
G 貝止め突起
L (ロープ止め兼用連結材の)間隔
Claims (4)
- ロープと貝の孔に差し込んで貝をロープに吊下げることができる貝係止具が、多数本連続して樹脂成型された連続貝係止具において、
夫々の貝係止具はロープ及び貝の孔に差し込み可能な細長の基材と、貝が基材から抜け落ちるのを防止可能な貝止め突起と、基材を貝に差し込むときに貝止め突起が倒伏できる凹状の寝床を備え、ハ字状のロープ止め突起は備えず、貝止め突起と寝床は基材の外周面に設けられており、前記構成の多数本の基材がロープ止め兼用連結材で連結され、
前記貝止め突起は基材の軸方向先端側にあり、基材の外周面から寝床の上方まで外側広がりに突出しており、基材をその軸方向先端側から貝の孔に差し込むと貝を係止できるようにしてあり、
前記多数本の貝係止具は貝止め突起の向きを同じにして、間隔をあけて平行又は略平行に揃っており、それら多数本の貝係止具の基材が当該基材と一体に樹脂成型された二組のロープ止め兼用連結材で連結されており、
前記各組のロープ止め兼用連結材は二本を一組としてあり、
前記各組の二本のロープ止め兼用連結材は、前記寝床よりも基材の軸方向内側二箇所であって当該軸方向の略中央部付近に間隔をあけて平行又は略平行に並んで設けられており、
各組の二本のロープ止め兼用連結材は紐状又は基材の軸方向に幅の広いテープ状であり、貝係止具の基材と直交又は略直交する方向に真っ直ぐ又は略真っ直ぐな直線状であって互いに平行又は略平行であり、各組の内側のロープ止め兼用連結材間の間隔は前記基材を差し込むロープの直径よりも広い間隔であり、
前記各組の二本のロープ止め兼用連結材は、連続された貝係止具をロール状に巻くことのできる可撓性があり、切断して貝係止具を一本ずつに分離することができ、切断時に前記寝床側に突出する切り残し片を残して切断すると、切り残し片が貝係止具の基材と直交又は略直交する方向に真っ直ぐ又は略真っ直ぐに突出してロープに差し込んだ貝係止具がロープから抜けるのを防止できるロープ止め突起となるようにした、
ことを特徴とする連続貝係止具。 - 請求項1記載の連続貝係止具において、
各組の二本のロープ止め兼用連結材は、基材の軸方向外側のロープ止め兼用連結材が内側のロープ止め兼用連結材と同じ又は略同じ幅又は同じ又は略同じ直径であり、
各組の内側のロープ止め兼用連結材の切り残し片がロープ止め突起となる、
ことを特徴とする連続貝係止具。 - 請求項1記載の連続貝係止具において、
各組の二本のロープ止め兼用連結材は、基材の軸方向外側のロープ止め兼用連結材が内側のロープ止め兼用連結材よりも広い幅又は大きい直径であり、
各組の内側のロープ止め兼用連結材の切り残し片がロープ止め突起となる、
ことを特徴とする連続貝係止具。 - 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の連続貝係止具が、ロール状に巻かれた、
ことを特徴とするロール状連続貝係止具。
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