JP3545398B1 - 貝係止具と、集合貝係止具と、連続貝係止具と、ロール状連続貝係止具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 貝係止具の細長の基材に、ロープからの基材の抜けを規制する第一のロープ止め突起と、第二のロープ止め突起とを突設し、基材のうち第二のロープ止め突起が突設された部分に、第一のロープ止め突起側に窪んだ凹陥部を形成した貝係止具。前記貝係止具を多数本並べて一枚にした。前記貝係止具を多数本連続した。前記貝係止具を多数本連続したものをロール状に巻いた。
【選択図】 図1
Description
1.第一のロープ止め突起と第二のロープ止め突起が基材の周方向反対側に設けてあるので、ロープに差し込まれた貝係止具が、第二のロープ止め突起によっても位置ずれが防止され、貝係止具がスライドしてロープ止め突起が縦ロープに当たることがない。このため、ロープ止め突起が縦ロープに当たる衝撃でロープ止め突起が欠損することが無く、養殖中の貝の脱落も無い。
2.第二のロープ止め突起を第一のロープ止め突起よりも基材の軸方向内側に突設したので、図21(b)のように第一のロープ止め突起の傾斜角度θを小さくして、ロープ止め突起Hの根元間の間隔Mを図21(a)の間隔mより広くしても、差し込まれた縦ロープとの遊び(左右へのずれ幅)が第二のロープ止め突起により規制されて小さくなって、縦ロープに差し込まれた貝係止具が位置ずれしにくくなる。貝係止具が位置ずれしにくくなると、貝係止具に係止された貝が縦ロープに接触しにくくなり、貝が擦れて貝にストレスが発生することがなく、貝が変形せず、不良品の発生が少なくなる。更に、縦ロープと貝係止具との遊びが小さいため、縦ロープへのロープ止め突起の衝突がなく、第一のロープ止め突起が衝撃を受けず、ロープ止め突起が折れることもない。このため、貝が落下することがなく、養殖の歩留まりが向上する。
3.基材のうち第二のロープ止め突起の部分に凹陥部を形成して、第二のロープ止め突起が凹陥部から突出しないか、突出しても僅かしか突出しないようにしてあるため、貝係止具がロープへ差し込む案内針にセットされても、第一のロープ止め突起が案内針から大幅に突出することがなく、ロープに差し込み易くなる。ちなみに、凹陥部がないと、第二のロープ止め突起の分だけ第一のロープ止め突起が案内針から余計に突出し、ロープに差し込みにくくなるが、そのようなことがない。
4.第二のロープ止め突起を第一のロープ止め突起よりも短くしたので、貝係止具をロープへ差し込む案内針にセットしても、第一のロープ止め突起が案内針から大幅に突出することがなく、ロープに差し込み易くなる。
1.保管や運搬に便利である。
2.ピンセッターなどの自動機器にセットして一本ずつ分離してロープに差し込む作業を連続して行うことができ、作業能率が向上する。
3.隣接する貝係止具の基材が連結材で連結されている場合は、ピンセッターなどの自動機器にセットして一本ずつ切断するときに、連結貝係止具を引いてピンセッターに引き込んでも連続貝係止具が変形せず、一本ずつ確実に切断して分離され、分離された貝係止具のロープへの差し込みが確実になる。
1.数十m以上も長く連続成型された連続貝係止具は、保管や運搬の仕方によっては、貝係止具のロープ止め突起同士が絡まったり、貝止め突起同士が絡まったり、基材の端部が曲がったりして、引き出しにくいとか、一本ずつ分離しにくくなることがあるが、多数の貝係止具同士が絡まり合うことがなく、連続貝係止具の巻き戻し(引き出し)がスムースになり、自動ピンセッターなどへのセットが容易になり、使い易くなる。
2.保護シートがあるため、きつく巻いてロールを硬くすることができ、ロール状に巻いた連続貝係止具を基材の端部が上下になるように立てて保管したり、運送したりすることができるため、連続貝係止具の扱いが容易になる。
3.シートを介在させてあるため、ロール状に巻いた連続貝係止具を基材の端部を上下にして立てておいても、基材の端部が曲がらない。このため、自動ピンセッターでの処理が円滑に行われる。
4.シートを紙にすれば、廃棄処分が容易になる。
5.連続貝係止具をボビンにロール状に巻いてあるため、ロール状貝係止具の扱いがより一層容易になる。
本発明の貝係止具の第1の実施形態を図1(a)に基づいて説明する。図1(a)の貝係止具1は樹脂成型品であり、ロープと貝に開けた孔に差し込み可能な細長の基材2に、第一のロープ止め突起3と第二のロープ止め突起4とが基材2の反対側に突設され、基材2のうち第一、第二のロープ止め突起3、4よりも軸方向外側に貝止め突起5が突設されている。基材2は軸方向両端部(差し込み端部)7が先端に向けて次第に細くなっている。
本発明の集合貝係止具の第3の例を図7に示す。これは図1(a)の貝係止具1を間隔を開けて多数本(20本)並べ、それら貝係止具1の基材2の両端の差し込み端部7を細長連結体8により連結し、更に、第一のロープ止め突起3と第二のロープ止め突起4とをロープ止め連結材9を介して連結して一枚に集合して成型したものである。ロープ止め連結材9は切断し易くするため薄片にしてある。ロープ止め連結材9は細いピン状にしたり、他の形状としたりすることもできる。連結する貝係止具1の本数も任意に選択することができる。図9(c)に示すように第一のロープ止め突起3の先端部3aと第二のロープ止め突起4の先端部4aとを円弧状にして直結(連結)しても、連結部25の切断が容易になる。
本発明の集合貝係止具の第2の例を図8に示す。これは図1(a)の貝係止具1を間隔をあけて多数本並べ、それら貝係止具1の両端の差し込み端部7を細長連結体8で連結したものである。この場合、細長連結体8と貝係止具1の基材2の差し込み端部7との間に、基材2の差し込み端部7の外形よりも大きな外形の丸い突起を成型することもできる。この突起は集合貝係止具を自動切断差し込み機にセットし、貝係止具を一本ずつ切断してロープに差し込むときに、送り用として使用することができる。この突起は成型時には樹脂を流れ易くするための機能をも有する。突起の大きさ、長さ、形状等は所望に応じて選択できる。
本発明の連続貝係止具の第1の例を図9に示す。これは図1(a)の貝係止具を多数本連続成型したものであり、隣接する貝係止具1の第一のロープ止め突起3と第二のロープ止め突起4を直結して成型してある。この連続貝係止具14には図18(a)(b)のようにロール状に巻き取ることができる程度の可撓性を持たせてある。そのために、個々の貝係止具1を可撓性のあるものにしたり、第一のロープ止め突起3と第二のロープ止め突起4の連結部25(図9c)に可撓性をもたせる等してある。この連続貝係止具14は図9(b)のように一本ずつ分離して使用される。この場合、連結されている両ロープ止め突起3、4の連結部25を切断する。また、図9(c)に示すように第一のロープ止め突起3の先端部3aと第二のロープ止め突起4の先端部4aとを円弧状にして直結(連結)すれば、連結部25からロール状に巻き易くなり、連結部25の切断も容易になる。
本発明の連続貝係止具の第2の例を図10に示す。これも図1(a)の貝係止具を多数本連続成型したものであり、基本的には図9(a)の連結貝係止具と同じ形状であり、異なるのは、第一のロープ止め突起3の先端側を外側に向けて湾曲させたものである。この連続貝係止具14も図18(a)(b)のようにロール状に巻き取ることができる程度の可撓性がある。そのために、個々の貝係止具1を可撓性のあるものにしたり、第一のロープ止め突起3と第二のロープ止め突起4の連結部25に可撓性をもたせる等してある。この連続貝係止具14も両ロープ止め突起3、4の連結部25を切断して、図10(b)のように一本ずつ分離して使用される。この場合も図10(c)に示すように第一のロープ止め突起3の先端部3aと第二のロープ止め突起4の先端部4aとを円弧状にして直結(連結)すれば、連結部25からロール状に巻き易くなり、連結部25の切断も容易になる。
本発明の連続貝係止具の第3の例を図11に示す。これも図1(a)の貝係止具を多数本連続成型したものであり、隣接する貝係止具1の第一のロープ止め突起3と第二のロープ止め突起4を可撓性のあるロープ止め連結材9で連結してある。ロープ止め連結材9は横に幅の広い薄片とか細いピンや紐等にして、連続成型された貝係止具を図18(a)(b)のようにロール状に巻くことができるように可撓性を持たせてある。ロープ止め連結材9の薄片は両ロープ止め突起3、4と同じ材料で一体に成型されている。その厚さは0.3〜0.4mm程度、幅1mm程度、長さ1mm程度が適する。
本発明の連続貝係止具の第4の例を図12に示す。これも図1(a)の貝係止具を多数本連続成型したものであり、基本的には図11(a)の連続貝係止具と同じ形状であり、異なるのは、第一のロープ止め突起3の先端側を外側に向けて湾曲させたものである。この連続貝係止具14もロール状に巻くことができるように可撓性を持たせてある。また、ロープ止め連結材9を切断して、図12(b)のように一本ずつ分離して使用される。
本発明の連続貝係止具の第5の実施例を図13(a)に基づいて説明する。この連続貝係止具14の基本的構造は図11(a)の連続貝係止具と同じであり、異なるのは隣接する基材2を左右の第一のロープ止め突起3間と、左右の第二のロープ止め突起4間において基材連結材13によって連結し、基材連結材13を可撓性のある紐としたことである。紐の直径は0.3〜0.4mm程度が良い。基材連結材13は図14(a)(b)のように可撓性のある薄片にしたり、可撓性のあるテープ状片とすることもできる。この場合の基材連結材13の肉厚は0.3〜0.4mm程度、幅は4〜5mm前後とするのが良い。このようにすると基材連結材13が曲がり易くなり、連続貝係止具14をロール状に巻き易くなり、刃物で切断もし易くなる。
本発明の連続貝係止具の第6の実施例を図15に基づいて説明する。この連続貝係止具の基本的構造は図13(a)の連続貝係止具14と同じであり、異なるのは隣接する基材2を両ロープ止め突起3、4の外側で且つ貝止め突起5の内側において基材連結材13によって連結し、基材連結材13を可撓性のある紐としたことである。この紐の直径も0.3〜0.4mm程度が良い。基材連結材13は図14のように可撓性のある薄片にしたり、可撓性のあるテープ状片としたりすることもできる。この場合の基材連結材13の肉厚も0.3〜0.4mm程度、幅は4〜5mm前後として、基材連結材13を曲がり易くし、連続貝係止具14をロール状に巻き易くし、刃物で切断し易くしてある。
本発明の連続貝係止具14の第7の実施例を図17に基づいて説明する。この連続貝係止具14の基本的構造は図11(a)の連続貝係止具と同じであり、異なるのは、隣接する基材2の両先端部7を基材連結材13によって連結し、基材連結材13を可撓性のある紐としたことである。紐の直径は0.3〜0.4mm程度が良い。基材連結材13は可撓性のある紐薄片又は可撓性のあるテープ状片とすることもできる。その場合の基材連結材13の肉厚は0.3〜0.4mm程度、幅は1〜3mm程度とするのが良い。このようにすると連続貝係止具14をロール状に巻き易くなる。
本発明のロール状貝係止具は、前記した各種実施形態の連続貝係止具14(図9〜図17)を図18(a)のようにロール状に巻いたものである。この場合、連続貝係止具14に帯状のシートやフィルム15を添わせてロール状に巻いて、連続貝係止具14の巻き層間にシート15を介在させてある。シート15には障子紙のような帯状の紙とか、コピー用紙のような質、厚さの紙を帯状に長くしたものとか、帯状に長くした樹脂製のシート等を使用することができるが、使用後の廃棄処分のし易さの面から、紙を使用するのが好ましい。シート15は、幅、長さ、共に連続貝係止具14と同程度のものが好ましいが、それより短いものを足しながら使用することもできる。本発明のロール状貝係止具はシート15を介在させずに巻くことも出来る。
2 基材
3 第一のロープ止め突起
4 第二のロープ止め突起
5 貝止め突起
6 凹陥部
7 差し込み端部
8 細長連結材
9 ロープ止め連結材
10 突起
11 凹部
12 凸部
14 連続貝係止具
15 シート
16 巻胴
17 鍔
18 ボビン
25 第一、第二のロープ止めの連結部
Claims (16)
- ロープと、貝に開けた孔とに差し込み可能な細長の基材(2)に、二本の第一のロープ止め突起(3)と、二本の第二のロープ止め突起(4)が突設され、両ロープ止め突起(3、4)は基材(2)の反対側に突設され、二本の第一のロープ止め突起(3)も、二本の第二のロープ止め突起(4)も基材(2)の軸方向に離して突設され、基材(2)のうち第二のロープ止め突起(4)が突設された部分に、第一のロープ止め突起(3)側に突出する凹陥部(6)が形成され、二本の第二のロープ止め突起(4)は凹陥部(6)の内側において二本の第一のロープ止め突起(3)よりも基材の軸方向内側に突設されたことを特徴とする貝係止具。
- 請求項1記載の貝係止具において、二本の第二のロープ止め突起(4)の間隔が、二本の第一のロープ止め突起(3)の間隔よりも狭いことを特徴とする貝係止具。
- 請求項1又は請求項2記載の貝係止具において、第二のロープ止め突起(4)を第一のロープ止め突起(3)よりも短くし、第二のロープ止め突起(4)が凹陥部(6)より外側まで突出しないか僅かに突出する長さであることを特徴とする貝係止具。
- 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の貝係止具において、第一のロープ止め突起(3)の軸と、第二のロープ止め突起(4)の軸の方向が異なることを特徴とする貝係止具。
- 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の貝係止具において、貝止め突起(5)が基材(2)の軸方向両端側に一本ずつ又は二本ずつ突設され、二本ずつ突設された場合は、互いに基材(2)の反対側に突設されたことを特徴とする貝係止具。
- 請求項1乃至請求項5記載のいずれかに記載の貝係止具(1)が多数本並べられ、それら貝係止具(1)の基材(2)の軸方向両端部(7)が、細長連結体(8)により連結されて一枚に成型されたことを特徴とする集合貝係止具。
- 請求項6記載の集合貝係止具において、隣接する貝係止具(1)の第一のロープ止め突起(3)と第二のロープ止め突起(4)とが、直接またはロープ止め連結材(9)を介して連結されて一枚に成型されたことを特徴とする集合貝係止具。
- 請求項6又は請求項7記載の集合貝係止具において、細長連結体(8)と貝係止具(1)の端部(7)との間に、端部(7)の外形よりも大きな外形の突起(10)が形成されて一枚に成型されたことを特徴とする集合貝係止具。
- 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の貝係止具(1)が多数本並べられ、隣接する貝係止具(1)の第一のロープ止め突起(3)と第二のロープ止め突起(4)とが直接又はロープ止め連結材(9)を介して連結されて多数本の貝係止具(1)が連続成型され、連結された多数本の貝係止具(1)は、第一のロープ止め突起(3)と第二のロープ止め突起(4)とが直接連結された場合はその連結部(25)を、ロープ止め連結材(9)で連結された場合はそのロープ止め連結材(9)を可撓性のあるものとすることにより当該ロープ止め連結材(9)から、ロール状に巻き取り可能であることを特徴とする連続貝係止具。
- 請求項9記載の連続貝係止具において、ロープ止め連結材(9)が、可撓性のある薄片又は可撓性のある紐であることを特徴とする連続貝係止具。
- 請求項9又は請求項10記載の連続貝係止具において、隣接する貝係止具(1)の基材(2)のうち第一のロープ止め突起(3)と第二のロープ止め突起(4)の内側が基材連結材(13)によって連結されて連続成型され、基材連結材(13)が可撓性のある薄片又は可撓性のある紐であることを特徴とする連続貝係止具。
- 請求項9又は請求項10記載の連続貝係止具において、隣接する貝係止具(1)の基材(2)のうち第一のロープ止め突起(3)と貝止め突起(5)との間が基材連結材(13)によって連結されて連続成型され、基材連結材(13)が可撓性のある薄片又は可撓性のある紐であることを特徴とする連続貝係止具。
- 請求項9又は請求項10記載の連続貝係止具において、隣接する貝係止具(1)の基材(2)の両端部が基材連結材(13)によって連結され、基材連結材(13)が、連結された多数本の貝係止具(1)をロール状に巻き取り可能な可撓性のある薄片又は可撓性のある紐であることを特徴とする連続貝係止具。
- 請求項9乃至請求項13のいずれかに記載の連続貝係止具(14)がロール状に巻かれたことを特徴とするロール状連続貝係止具。
- 請求項9乃至請求項13のいずれかに記載の連続貝係止具(14)がシート(15)をあてがってロール状に巻かれて、巻層間にシート(15)が介在されたことを特徴とするロール状連続貝係止具。
- 請求項13又は請求項14記載のロール状連続貝係止具において、連続貝係止具(14)が巻胴(16)と鍔(17)を備えたボビン(18)にロール状に巻かれたことを特徴とするロール状連続貝係止具。
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