以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
本実施形態の生タイヤモデルの作成方法(以下、単に「作成方法」ということがある。)は、評価対象の生タイヤをモデル化した生タイヤモデルを、コンピュータを用いて作成するための方法である。
図1は、本実施形態の作成方法、及び、生タイヤの変形シミュレーション方法(以下、単に「シミュレーション方法」ということがある。)を実行するコンピュータ1を示している。コンピュータ1は、本体1a、キーボード1b、マウス1c及びディスプレイ装置1dが含まれる。この本体1aには、演算処理装置(CPU)、ROM、作業用メモリー、磁気ディスクなどの記憶装置及びディスクドライブ装置1a1、1a2などが設けられている。なお、記憶装置には、本実施形態の作成方法及びシミュレーション方法を実行するための処理手順(プログラム)が予め記憶されている。
図2は、評価対象の生タイヤ2を示す断面図である。図3(a)は、カーカスプライの部分斜視図である。図3(b)は、ベルトプライの部分斜視図である。図2及び図3に示されるように、本実施形態の生タイヤ2は、複数本のコード11が未加硫のゴム12で被覆された補強材3を有している。本実施形態の補強材3は、トレッド部2aからサイドウォール部2bをへてビード部2cのビードコア5に至るカーカス6と、カーカス6のタイヤ半径方向外側かつトレッド部2aの内部に配されたベルト層7とを含んでいる。
図2に示されるように、カーカス6は、少なくとも1枚以上、本実施形態では1枚のカーカスプライ6Aで構成されている。このカーカスプライ6Aは、トレッド部2aからサイドウォール部2bを経てビード部2cのビードコア5に至る本体部6aと、この本体部6aに連なりビードコア5の廻りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返された折返し部6bとを含んでいる。
図3(a)に示されるように、カーカスプライ6Aは、タイヤ赤道Cに対して、例えば75〜90度の角度θ1で配列されたカーカスコード6cと、これらのカーカスコード6cを被覆する未加硫のゴム(トッピングゴム)6dとを含んで構成されている。カーカスコード6cは、一対のビードコア5、5(図2に示す)間をのびている。
図2に示されるように、ベルト層7は、少なくとも2枚、本実施形態ではタイヤ半径方向で重ね合わされた内側ベルトプライ7Aと、外側ベルトプライ7Bとを含む2枚のベルトプライから構成されている。
図3(b)に示されるように、ベルトプライ7A、7Bは、タイヤ周方向に対して、例えば10〜40度の角度θ2で傾斜するベルトコード7c、7cと、これらのベルトコード7cを夫々被覆する未加硫のゴム(トッピングゴム)7d、7dとを含んで構成されている。これらのベルトプライ7A、7Bのベルトコード7c、7cは、互いに交差する向きに重ね合わされている。ベルトコード7c、7cは、カーカスコード6c(図3(a)に示す)のタイヤ半径方向外側かつトレッド部2a(図2に示す)の内部に配されている。
図2に示されるように、生タイヤ2には、ベルト層7のタイヤ半径方向外側に配される未加硫のトレッドゴム4a、及び、カーカス6のタイヤ軸方向外側に配されるサイドウォールゴム4bが設けられている。また、生タイヤ2には、カーカス6の内側に配されるインナーライナーゴム4c、及び、本体部6aと折返し部6bとの間にビードコア5からトレッドゴム4a側にのびるビードエーペックスゴム4dが設けられている。
図4は、生タイヤ2の成形方法を説明する断面図である。本実施形態の成形方法では、従来の成形方法と同様に、先ず、円筒状のドラム(図示省略)に、未加硫のインナーライナーゴム4c、カーカスプライ6A、ビードコア5、未加硫のビードエーペックスゴム4d、及び、未加硫のサイドウォールゴム4bが巻回される。これにより、円筒状のケーシング13(2点鎖線で示す)が形成される。次に、成形方法では、例えば、ケーシング13を形成するドラムよりも大きな径を有するドラム(図示省略)に、未加硫のトレッドゴム4aとベルトプライ7A、7Bとが巻回される。これにより、円筒状のトレッドリング14が形成される。
次に、生タイヤ2の成形方法では、ビードコア5を把持するビード保持部15によって、ビードコア5、5の軸方向距離を減じながら、ケーシング13がトロイド状に膨出(シェーピング)される。
このケーシング13の外周面には、その半径方向外側に予め待機させたトレッドリング14の内周面が貼り付けられる。そして、トレッドリング14の外周面14oに、ステッチングローラ(図示省略)が押し付けられることにより、ケーシング13の外周面とトレッドリング14の内周面とが密着される。これにより、図2に示した生タイヤ2が形成される。
図5は、生タイヤ2の加硫工程を説明する断面図である。加硫工程では、先ず、従来のタイヤの製造方法と同様に、生タイヤ2が加硫金型16に投入される。次に、弾性体からなるブラダー17によって、加硫金型16に投入された生タイヤ2が、加硫金型16の成形面16sへ押圧されて加熱される。これにより、生タイヤ2が加硫成形され、タイヤ(図示省略)が製造される。
図6は、本実施形態の作成方法の具体的な処理手順を示すフローチャートである。本実施形態の作成方法では、先ず、コンピュータに、図2に示した補強材3を、有限個の要素でモデル化した補強材モデル29が入力される(補強材モデル入力工程S1)。本実施形態の補強材モデル29は、カーカスプライ6Aをモデル化したカーカスプライモデルと、ベルトプライ7A、7Bをモデル化したベルトプライモデルとが含まれる。図7は、補強材モデル入力工程S1の処理手順の一例を示すフローチャートである。
本実施形態の補強材モデル入力工程S1では、先ず、図2に示したカーカスプライ6Aを、有限個の要素でモデル化したカーカスプライモデルが入力される(カーカスプライモデル入力工程S11)。図8は、カーカスプライモデル入力工程S11の処理手順の一例を示すフローチャートである。図9は、本実施形態のカーカスプライモデルの一部を示す分解斜視図である。
本実施形態のカーカスプライモデル入力工程S11では、先ず、コンピュータ1に、各カーカスコード6c(図3(a)に示す)をビーム要素Fiでモデル化したカーカスコードモデル21(コードモデル20)が入力される(工程S111)。
本実施形態の工程S111では、先ず、ドラム(図示省略)に巻回されたカーカスプライ6A(図4に示す)の設計データ(例えば、CADデータ)が、コンピュータ1に入力される。この設計データには、図3(a)に示したカーカスコード6cの配列や、未加硫のゴム6dの輪郭に関する数値データが含まれている。
次に、工程S111では、設計データのカーカスコード6c(図3(a)に示す)の配列に基づいて、複数のビーム要素Fiが、カーカスコード6cに沿って割り当てられる。これにより、工程S111では、カーカスプライ6Aのカーカスコード6cをそれぞれモデル化したカーカスコードモデル21が設定される。このようなビーム要素Fiの割り当ては、例えば、メッシュ化ソフトウェアを用いることにより、容易に行うことができる。
ビーム要素Fiは、線状に定義された1次元要素である。ビーム要素は、数値解析法により取り扱い可能なものである。数値解析法としては、例えば、有限要素法、有限体積法、差分法又は境界要素法を適宜採用することができる。本実施形態では、有限要素法が採用されている。このようなビーム要素では、2次元のシェル要素や3次元のソリッド要素とは異なり、各コード11(図3に示す)に作用する長手方向の引張や圧縮を計算することができる。
ビーム要素Fiは、節点23の座標値、及び、カーカスコード6cの材料特性(例えば密度、引張剛性、圧縮剛性、せん断剛性、曲げ剛性、又は、捩り剛性)等を含む数値データが定義される。このようなカーカスコードモデル21は、コンピュータに記憶される。
次に、カーカスプライモデル入力工程S11では、コンピュータ1に、カーカスプライ6Aの未加硫のゴム(トッピングゴム)6dを有限個の要素でモデル化した未加硫ゴムモデルが入力される(工程S112)。
本実施形態の工程S112では、工程S111で入力されたカーカスプライ6Aの設計データ(輪郭等)に基づいて、未加硫のゴム6d(図3(a)に示す)が数値解析法により取り扱い可能な有限個の要素Giでモデル化(離散化)される。これにより、工程S112では、カーカスプライ6Aの未加硫のゴム6dをモデル化した未加硫ゴムモデル22が設定される。数値解析法としては、ビーム要素Fiの数値解析法と同一のもの(本実施形態では、有限要素法)が採用される。
本実施形態の工程S112では、カーカスコード6cに対してタイヤ半径方向内側に配置される未加硫のゴムと、カーカスコード6cに対してタイヤ半径方向外側に配置される未加硫のゴムとに分けて、未加硫ゴムモデル22がモデル化されている。これにより、未加硫ゴムモデル22は、内側の未加硫のゴムをモデル化した第1未加硫ゴムモデル22a、及び、外側の未加硫のゴムをモデル化した第2未加硫ゴムモデル22bを含んで構成される。
要素Giとしては、例えば、3次元のソリッド要素が採用されている。ソリッド要素は、精度がよく、接触面の設定が容易な6面体要素が好ましいが、複雑な形状を表現するのに適した4面体要素でもよく、これ以外にもソフトウェアで使用可能な3次元ソリッド要素が採用されてもよい。また、各要素Giには、要素番号、節点24の番号、節点24の座標値、及び、カーカスプライ6Aの未加硫のゴム6dの材料特性などの数値データが定義される。このような未加硫ゴムモデル22は、コンピュータ1に記憶される。
次に、カーカスプライモデル入力工程S11では、カーカスコードモデル21(コードモデル20)と、未加硫ゴムモデル22とが一体化される(工程S113)。この工程S113では、第1未加硫ゴムモデル22aと、第2未加硫ゴムモデル22bとの間に、カーカスコードモデル21が配置される。
第1未加硫ゴムモデル22aとカーカスコードモデル21との間、及び、第2未加硫ゴムモデル22bとカーカスコードモデル21との間には、すり抜けを防ぐ接触条件や、固定条件を含む境界条件が設定される。カーカスコードモデル21と各未加硫ゴムモデル22a、22bとの間の固定条件は、図3(a)に示した実際のカーカスコード6cと未加硫のゴム6dと接着力に基づいて定義される。このため、固定条件は、第1未加硫ゴムモデル22aとカーカスコードモデル21との間、及び、第2未加硫ゴムモデル22bとカーカスコードモデル21との間の相対移動を許容するものである。これにより、カーカスプライモデル入力工程S11では、カーカスコードモデル21と、未加硫ゴムモデル22とを一体化して、カーカスプライ6Aを高い精度でモデル化したカーカスプライモデル25(補強材モデル29)を設定することができる。このようなカーカスプライモデル25は、コンピュータ1に記憶される。
図7に示されるように、補強材モデル入力工程S1では、ベルトプライ7A、7Bを、有限個の要素でモデル化したベルトプライモデルが入力される(ベルトプライモデル入力工程S12)。図10は、ベルトプライモデル入力工程S12の処理手順の一例を示すフローチャートである。図11は、本実施形態のベルトプライモデルの一部を示す分解斜視図である。
本実施形態のベルトプライモデル入力工程S12では、先ず、コンピュータ1に、各ベルトコード7c(図3(b)に示す)をビーム要素Fiでモデル化したベルトコードモデル27(コードモデル20)が入力される(工程S121)。
本実施形態の工程S121では、先ず、ドラム(図示省略)に巻回されたベルトプライ7A、7B(図4に示す)の設計データ(例えば、CADデータ)が、コンピュータ1に入力される。この設計データには、内側ベルトプライ7A及び外側ベルトプライ7Bのベルトコード7c、7c(図3(b)に示す)の配列や、未加硫のゴム7d(図3(b)に示す)の輪郭に関する数値データが含まれている。
次に、工程S121では、図3(b)に示した内側ベルトプライ7Aのベルトコード7cの配列に基づいて、複数のビーム要素Fiが、ベルトコード7cに沿って割り当てられる。これにより、工程S121では、内側ベルトプライ7Aの各ベルトコード7cをそれぞれモデル化した内側ベルトコードモデル27aが設定される。
さらに、工程S121では、図3(b)に示した外側のベルトプライ7Bのベルトコード7cの配列に基づいて、複数のビーム要素Fiが、ベルトコード7cに沿って割り当てられる。これにより、工程S121では、外側ベルトプライ7Bの各ベルトコード7cをそれぞれモデル化した外側ベルトコードモデル27bが設定される。
ビーム要素Fiは、図9に示したカーカスコードモデル21に用いられたビーム要素Fiと同様のものが採用されている。ビーム要素Fiには、節点23の座標値、及び、ベルトコード7c、7cの材料特性等を含む数値データが定義される。このようなベルトコードモデル27a、27bは、コンピュータ1に記憶される。
次に、ベルトプライモデル入力工程S12では、コンピュータ1に、図3(b)に示したベルトプライ7A、7Bの未加硫のゴム(トッピングゴム)7dをモデル化した未加硫ゴムモデル28が入力される(工程S122)。
本実施形態の工程S122では、先ず、工程S121で入力された内側ベルトプライ7Aの設計データ(輪郭等)に基づいて、未加硫のゴム7dが数値解析法により取り扱い可能な有限個の要素Giでモデル化(離散化)される。これにより、工程S122では、内側ベルトプライ7Aの未加硫のゴム7dをモデル化した内側未加硫ゴムモデル28Aが設定される。
本実施形態の工程S122では、内側ベルトプライ7Aのベルトコード7cに対してタイヤ半径方向内側に配置される未加硫のゴムと、ベルトコード7cに対してタイヤ半径方向外側に配置される未加硫のゴムとに分けて、内側未加硫ゴムモデル28Aがモデル化されている。これにより、内側未加硫ゴムモデル28Aは、ベルトコード7cに対して内側の未加硫のゴムをモデル化した第1未加硫ゴムモデル28Aa、及び、ベルトコード7cに対して外側の未加硫のゴムをモデル化した第2未加硫ゴムモデル28Abが含まれる。
さらに、工程S122では、工程S121で入力された外側ベルトプライ7Bの設計データ(輪郭等)に基づいて、未加硫のゴム7dが数値解析法により取り扱い可能な有限個の要素Giでモデル化(離散化)される。これにより、工程S122では、外側ベルトプライ7Bの未加硫のゴム7dをモデル化した外側未加硫ゴムモデル28Bが設定される。本実施形態の外側未加硫ゴムモデル28Bは、内側未加硫ゴムモデル28Aと同様に、第1未加硫ゴムモデル28Ba及び第2未加硫ゴムモデル28Bbが含まれている。
要素Giは、カーカスプライモデル25の未加硫ゴムモデル22の要素Giと同様のものが採用されている。この要素Giには、節点24の座標値、及び、図3(b)に示したベルトプライ7A、7Bの未加硫のゴム7dの材料特性等を含む数値データとして定義される。このような未加硫ゴムモデル28は、コンピュータ1に記憶される。
次に、ベルトコードモデル27(コードモデル20)と、未加硫ゴムモデル28とが一体化される(工程S123)。
この工程S123では、先ず、内側未加硫ゴムモデル28Aの第1未加硫ゴムモデル28Aa及び第2未加硫ゴムモデル28Abの間に、内側ベルトコードモデル27aが配置される。第1未加硫ゴムモデル28Aaと内側ベルトコードモデル27aとの間、及び、第2未加硫ゴムモデル28Abと内側ベルトコードモデル27aとの間には、カーカスプライモデル25の境界条件と同様に、すり抜けを防ぐ接触条件や、固定条件を含む境界条件が設定される。これにより、工程S123では、内側ベルトコードモデル27aと内側未加硫ゴムモデル28Aとを一体化して、内側ベルトプライ7Aを高い精度でモデル化した内側ベルトプライモデル30A(補強材モデル29)を設定することができる。
さらに、工程S123では、内側未加硫ゴムモデル28Aと同様に、外側未加硫ゴムモデル28Bの第1未加硫ゴムモデル28Ba及び第2未加硫ゴムモデル28Bbの間に、外側ベルトコードモデル27bが配置されて、境界条件が設定される。これにより、工程S123では、外側ベルトコードモデル27bと外側未加硫ゴムモデル28Bと一体化して、外側ベルトプライ7Bを高い精度でモデル化した外側ベルトプライモデル30B(補強材モデル29)を設定することができる。これらのベルトプライモデル30A、30Bは、コンピュータ1に記憶される。
次に、本実施形態の作成方法では、コンピュータ1に、カーカスプライモデル25と一体化したケーシングモデルが設定される(ケーシングモデル設定工程S2)。図12は、本実施形態のケーシングモデル設定工程S2の処理手順を示すフローチャートである。図13は、本実施形態のケーシングモデルの部分斜視図である。
本実施形態のケーシングモデル設定工程S2では、先ず、コンピュータ1に、図2に示した未加硫のサイドウォールゴム4bを含むゴム部材4及びビードコア5をモデル化した、生ゴムモデル31及びビードコアモデル32が入力される(工程S21)。本実施形態のゴム部材4には、未加硫のサイドウォールゴム4b、未加硫のインナーライナーゴム4c、及び、未加硫のビードエーペックスゴム4dが含まれる。
本実施形態の工程S21では、先ず、ドラム(図示省略)に巻回された未加硫のケーシング13(図4に示す)の設計データ(例えば、CADデータ)が、コンピュータ1に入力される。そして、この設計データに含まれる未加硫のサイドウォールゴム4b、未加硫のインナーライナーゴム4c、未加硫のビードエーペックスゴム4d、及び、ビードコア5の輪郭に基づいて、有限個の要素Giでモデル化(離散化)される。
これにより、工程S21では、未加硫のサイドウォールゴム4b、未加硫のインナーライナーゴム4c、未加硫のビードエーペックスゴム4d及びビードコア5をモデル化したサイドウォールゴムモデル31b、インナーライナーゴムモデル31c、ビードエーペックスゴムモデル31d及びビードコアモデル32が設定される。本実施形態のサイドウォールゴムモデル31b、インナーライナーゴムモデル31c、ビードエーペックスゴムモデル31d及びビードコアモデル32は、各要素Giの節点24を共有してモデル化されている。このため、本実施形態の生ゴムモデル31は、サイドウォールゴムモデル31b、インナーライナーゴムモデル31c、ビードエーペックスゴムモデル31d及びビードコアモデル32を一体としてモデル化される。
要素Giは、カーカスプライモデル25の未加硫ゴムモデル22の要素Gi(図9に示す)と同様のものが採用されている。この要素Giには、節点24の座標値、及び、各部材の材料特性等を含む数値データが定義される。このような生ゴムモデル31及びビードコアモデル32は、コンピュータ1に記憶される。
次に、ケーシングモデル設定工程S2では、生ゴムモデル31及びビードコアモデル32に、カーカスプライモデル25を一体化させる(工程S22)。この工程S22では、未加硫のケーシング13の設計データに基づいて、サイドウォールゴムモデル31b、インナーライナーゴムモデル31c、ビードエーペックスゴムモデル31d及びビードコアモデル32の内部に、カーカスプライモデル25が配置される。
サイドウォールゴムモデル31b、インナーライナーゴムモデル31c、ビードエーペックスゴムモデル31d及びビードコアモデル32と、カーカスプライモデル25との間には、すり抜けを防ぐ接触条件や、固定条件を含む境界条件が設定される。これにより、工程S22では、サイドウォールゴムモデル31b、インナーライナーゴムモデル31c、ビードエーペックスゴムモデル31d及びビードコアモデル32と、カーカスプライモデル25とが一体化した円筒状のケーシングモデル36を設定することができる。このようなケーシングモデル36は、コンピュータ1に記憶される。
次に、本実施形態の作成方法では、コンピュータ1に、未加硫のトレッドゴム4aをモデル化して、ベルトプライモデル30A、30Bと一体化したトレッドリングモデルが設定される(トレッドリングモデル設定工程S3)。図14は、本実施形態のトレッドリングモデル設定工程S3の処理手順を示すフローチャートである。図15は、本実施形態のトレッドリングモデルの部分斜視図である。
本実施形態の工程S3では、先ず、コンピュータ1に、未加硫のトレッドゴム4a(図4に示す)をモデル化したトレッドゴムモデル31aが入力される(工程S31)。本実施形態の工程S31では、ドラム(図示省略)に巻回された未加硫のトレッドリング14(図4に示す)の設計データ(例えば、CADデータ)が、コンピュータ1に入力される。そして、この設計データに含まれる未加硫のトレッドゴム4aの輪郭に基づいて、有限個の要素Giでモデル化(離散化)される。これにより、工程S31では、未加硫のトレッドゴム4aをモデル化したトレッドゴムモデル31aが設定される。
要素Giは、カーカスプライモデル25の未加硫ゴムモデル22の要素Gi(図9に示す)と同様のものが採用されている。この要素Giには、節点24の座標値、及び、未加硫のトレッドゴム4aの材料特性等を含む数値データが定義される。このようなトレッドゴムモデル31aは、コンピュータ1に記憶される。
次に、トレッドリングモデル設定工程S3では、トレッドゴムモデル31aと、ベルトプライモデル30A、30Bとが一体化される(工程S32)。本実施形態の工程S32では、トレッドゴムモデル31aの半径方向の内面に、外側ベルトプライモデル30Bの半径方向の外面が配置される。さらに、外側ベルトプライモデル30Bの半径方向の内面に、内側ベルトプライモデル30Aの半径方向の外面が配置される。
トレッドゴムモデル31aと外側ベルトプライモデル30Bとの間、及び、外側ベルトプライモデル30Bと内側ベルトプライモデル30Aとの間には、すり抜けを防ぐ接触条件や、固定条件を含む境界条件が設定される。これにより、工程S32では、トレッドゴムモデル31aと、ベルトプライモデル30A、30Bとを一体化した円筒状のトレッドリングモデル39を設定することができる。このようなトレッドリングモデル39は、コンピュータ1に記憶される。
次に、本実施形態の作成方法では、コンピュータ1に、ケーシングモデル36のタイヤ半径方向の外面36oと、トレッドリングモデル39のタイヤ半径方向の内面39iとの接触を定義した境界条件が設定される(工程S4)。これにより、ケーシングモデル36の外面36oと、トレッドリングモデル39の内面39iとが接触しても、互いにすり抜けるのを防ぐことができる。このような境界条件は、コンピュータ1に記憶される。
次に、本実施形態の作成方法では、コンピュータ1が、ケーシングモデル36の外面36oと、トレッドリングモデル39の内面39iとを接触させる(シェーピング工程S5)。図16は、本実施形態のシェーピング工程S5の処理手順を示すフローチャートである。図17は、本実施形態のシェーピング工程S5を説明する図である。
本実施形態のシェーピング工程S5では、先ず、トレッドリングモデル39が、ケーシングモデル36の外側に配置される(工程S51)。トレッドリングモデル39、及び、ケーシングモデル36の半径方向の位置は、図4に示した実際のトレッドリング14、及び、膨出前のケーシング13(2点鎖線で示す)の半径方向の位置に基づいて設定される。
次に、本実施形態のシェーピング工程S5では、コンピュータが、ケーシングモデル36を半径方向外側に膨出させる変形計算を実施する(工程S52)。この工程S52では、先ず、ケーシングモデル36の内面36iに等分布荷重w1が定義される。この等分布荷重w1は、図4に示したケーシング13を膨出させる高圧空気の圧力に相当するものである。
さらに、工程S52では、ケーシングモデル36のビード部36b、36bのタイヤ軸方向の距離W1を減じる変形計算が実施される。この距離W1は、図4に示した膨出したケーシング13のビード部13b、13bのタイヤ軸方向の距離に基づいて設定される。これにより、工程S52では、ケーシングモデル36を半径方向外側に膨出させる変形計算を実施することができる。このケーシングモデル36の膨出により、ケーシングモデル36の外面36oと、トレッドリングモデル39の内面39iとを接触させることができる。
ケーシングモデル36やトレッドリングモデル39等の変形計算は、各要素Fi、Gi(図13及び図15に示す)の形状及び材料特性などに基づいて、微小時間(単位時間Tx(x=0、1、…))ごとに実施される。このような変形計算は、例えば、JSOL社製のLS-DYNAなどの市販の有限要素解析アプリケーションソフトを用いて計算することができる。
次に、シェーピング工程S5では、ケーシングモデル36の外面36oと、トレッドリングモデル39の内面39iとが接触した後に、トレッドリングモデル39をケーシングモデル36側に変形させる(工程S53)。この工程S53では、トレッドリングモデル39の外面39oに、等分布荷重w2が定義される。この等分布荷重w2は、図4に示したトレッドリング14の外周面14oを押し付けるステッチングローラ(図示省略)の圧力に基づいて設定される。これにより、工程S53では、トレッドリングモデル39の内面39iが、ケーシングモデル36の外面36oに沿うように、トレッドリングモデル39の変形計算を実施することができる。
次に、シェーピング工程S5では、ケーシングモデル36の外面36oと、トレッドリングモデル39の内面39iとの相対移動を防ぐ境界条件が設定される(工程S54)。これにより、シェーピング工程S5では、図9及び図11に示した各要素Fi、Giの節点23、24の共有を考慮することなく、ケーシングモデル36とトレッドリングモデル39とを一体化させることができる。
次に、シェーピング工程S5では、ケーシングモデル36及びトレッドリングモデル39の各等分布荷重w1、w2の定義が削除される(工程S55)。これにより、シェーピング工程S5では、図1に示した生タイヤ2をモデル化した生タイヤモデル40を設定することができる。このような生タイヤモデル40は、コンピュータ1に記憶される。
シェーピング工程S5では、ケーシングモデル36及びトレッドリングモデル39の変形により、カーカスプライモデル25(図9に示す)及びベルトプライモデル30A、30B(図11に示す)も変形する。本実施形態のカーカスコードモデル21及びベルトコードモデル27a、27bは、ビーム要素Fiでそれぞれモデル化されている。このため、カーカスコードモデル21及びベルトコードモデル27a、27bは、2次元のシェル要素等でモデル化された従来のモデルとは異なり、それぞれ独立して変形することができる。従って、生タイヤモデル40は、生タイヤ成形時の補強材3の変形に伴うコード11(図3に示す)の角度又は間隔の変化を再現することができる。
本実施形態のシェーピング工程S5では、ケーシングモデル36及びトレッドリングモデル39の双方を変形させるものが例示されたが、これに限定されるわけではない。例えば、工程S52において、トレッドリングモデル39の輪郭が、図2に示した生タイヤ2のトレッドリング14の輪郭に予め一致している場合には、ケーシングモデル36のみを変形させてもよい。また、ケーシングモデル36の輪郭が、生タイヤ2のケーシング13の輪郭に予め一致している場合には、トレッドリングモデル39のみを変形させるものでもよい。これにより、シェーピング工程S5では、計算時間を短縮することができる。
次に、生タイヤモデル40を用いたシミュレーション方法について説明する。本実施形態のシミュレーション方法は、図5に示した加硫金型16及びブラダー17を用いた加硫工程での生タイヤ2の変形を、コンピュータ1を用いて評価するための方法である。図18は、本実施形態のシミュレーション方法の処理手順を示すフローチャートである。図19は、本実施形態のブラダー変形工程を説明する図である。図20は、本実施形態の加硫シミュレーション工程を説明する図である。
本実施形態のシミュレーション方法では、先ず、コンピュータ1に、図5に示した加硫金型16を有限個の要素Gi(図示省略)でモデル化した金型モデル43が入力される(工程S6)。図20に示されるように、本実施形態の金型モデル43は、一対のサイド成形型モデル44、44、トレッド成形型モデル45、アッパーリングモデル46、及び、一対のブラダー保持モデル47、47を含んで構成されている。本実施形態の各モデル44乃至47は、タイヤ周方向にのびる薄板状に設定され、分解可能に定義されている。このような金型モデル43は、例えば、加硫金型16の成形面16sの輪郭を含む設計データに基づいて設定される。
一対のサイド成形型モデル44、44は、生タイヤモデル40のサイドウォール部40bを成形するサイドウォール成形面44s、及び、ビード部40cを成形するビード成形面44tが設定されている。トレッド成形型モデル45は、生タイヤモデル40のトレッド部40aを成形するトレッド成形面45sが設定されている。アッパーリングモデル46は、後述するブラダーモデル50の外面50oの一部が当接されるブラダー当接面46sが設定されている。一対のブラダー保持モデル47、47は、ブラダーモデル50の内面50iの一部が当接されるブラダー保持面47sを有している。金型モデル43は、各モデル44、45、46及び47が組み立てられることにより、各成形面44s、44t、45sを連続させることができる。これにより、金型モデル43の内面43iには、加硫金型16の成形面16s(図5に示す)が再現される。
要素Gi(図示省略)は、カーカスプライモデル25の未加硫ゴムモデル22の要素Gi(図9に示す)と同様に、ソリッド要素が採用されている。この要素Giには、例えば、節点(図示省略)の座標値、及び、加硫金型16(図5に示す)の材料特性等を含む数値データが定義される。このような金型モデル43は、コンピュータ1に記憶される。
次に、本実施形態のシミュレーション方法では、コンピュータ1に、図5に示したブラダー17を有限個の要素でモデル化したブラダーモデル50が入力される(工程S7)。本実施形態の工程S7では、ブラダー17の設計データ(輪郭等)に基づいて、ブラダー17が数値解析法により取り扱い可能な有限個の要素Gi(図示省略)でモデル化(離散化)される。
要素Gi(図示省略)は、カーカスプライモデル25の未加硫ゴムモデル22の要素Gi(図9に示す)と同様に、ソリッド要素が採用されている。この要素Giには、例えば、節点24の座標値、及び、ブラダー17の材料特性等を含む数値データが定義される。このようなブラダーモデル50は、コンピュータ1に記憶される。
次に、本実施形態のシミュレーション方法では、図19に示されるように、コンピュータ1に、ブラダーモデル50の半径方向の外面50oと、生タイヤモデル40の半径方向の内面40iとの接触を定義した境界条件が設定される(工程S8)。これにより、ブラダーモデル50の外面50oと、生タイヤモデル40の内面40iとが接触しても、互いにすり抜けるのを防ぐことができる。このような境界条件は、コンピュータ1に記憶される。
次に、本実施形態のシミュレーション方法では、図20に示されるように、コンピュータ1に、生タイヤモデル40のタイヤ半径方向の外面40oと、金型モデル43のタイヤ半径方向の内面43iとの接触を定義した境界条件が設定される(工程S9)。これにより、生タイヤモデル40の外面40oと、金型モデル43の内面43iとが接触しても、互いにすり抜けるのを防ぐことができる。このような境界条件は、コンピュータ1に記憶される。
次に、本実施形態のシミュレーション方法では、図9に示されるように、コンピュータ1が、ブラダーモデル50の外面50oと、生タイヤモデル40の内面40iとを接触させる(ブラダー変形工程S10)。図21は、本実施形態のブラダー変形工程S10の処理手順を示すフローチャートである。
本実施形態のブラダー変形工程S10では、先ず、ブラダーモデル50の端部50tを金型モデル43に把持させる(工程S41)。この工程S41では、先ず、ブラダーモデル50が、一対のサイド成形型モデル44、44のタイヤ軸方向内側に配置される。次に、ブラダーモデル50の外面50oに、アッパーリングモデル46が配置される。そして、一対のブラダー保持モデル47、47が、ブラダーモデル50の内面50iに配置される。これにより、ブラダーモデル50の端部50t、50tは、サイド成形型モデル44、アッパーリングモデル46、及び、一対のブラダー保持モデル47、47に把持される。
次に、ブラダー変形工程S10では、ブラダーモデル50の半径方向外側に、生タイヤモデル40が配置される(工程S42)。生タイヤモデル40は、一対のサイド成形型モデル44、44よりもタイヤ軸方向内側に配置される。
次に、ブラダー変形工程S10では、ブラダーモデル50の半径方向の内面50iに、等分布荷重w3が定義される(工程S43)。この等分布荷重w3は、図5に示したブラダー17を膨出させる高圧空気の圧力に相当するものである。これにより、工程S43では、ブラダーモデル50を半径方向外側に膨出させる変形計算を実施することができる。このブラダーモデル50の膨出によって、ブラダーモデル50の外面50oと、生タイヤモデル40の内面50iとを接触させることができる。
本実施形態のブラダー変形工程S10では、ブラダーモデル50を変形させて、ブラダーモデル50の外面50oと、生タイヤモデル40の内面40iとを接触させるものが例示されたが、これに限定されるわけではない。例えば、生タイヤモデル40のみ、又は、生タイヤモデル40及びブラダーモデル50の双方を変形させて、ブラダーモデル50の外面50oと、生タイヤモデル40の内面40iとを接触させてもよい。
次に、本実施形態のシミュレーション方法では、コンピュータ1が、生タイヤモデル40の外面40oを、金型モデル43の内面43iに接触させる(加硫シミュレーション工程S20)。図22は、本実施形態の加硫シミュレーション工程S20の処理手順を示すフローチャートである。
本実施形態の加硫シミュレーション工程S20では、先ず、生タイヤモデル40の半径方向外側に、金型モデル43が配置される(工程S61)。この工程S61では、図19及び図20に示されるように、生タイヤモデル40の外側に、上側のサイド成形型モデル44及びトレッド成形型モデル45が配置される。このとき、上側のサイド成形型モデル44は、タイヤ軸方向外側に膨出したブラダーモデル50及び生タイヤモデル40を、内側(図において下側)に押し付けて、アッパーリングモデル46に接続される。これにより、生タイヤモデル40のビード部40c、40cのタイヤ軸方向の距離が減じられる。
次に、加硫シミュレーション工程S20では、ブラダーモデル50の内面50iに定義された等分布荷重w3に基づいて、ブラダーモデル50及び生タイヤモデル40を半径方向外側に膨出(膨張変形)させる(工程S62)。この生タイヤモデル40の膨出により、工程S62では、生タイヤモデル40の外面40oと、金型モデル43の内面43iとを接触させることができる。生タイヤモデル40は、ブラダーモデル50の等分布荷重w3により、金型モデル43の内面43iに押圧される。このため、加硫シミュレーション工程S20では、加硫成形中の生タイヤ2(図5に示す)の変形状態を計算することができるため、加硫時の生タイヤ2の形状を精度よく再現することができる。
また、ブラダー変形工程S10及び加硫シミュレーション工程S20では、ケーシングモデル36及びトレッドリングモデル39の変形により、カーカスプライモデル25及びベルトプライモデル30A、30Bが変形する。本実施形態のカーカスコードモデル21(図9に示す)及びベルトコードモデル27a、27b(図11に示す)は、ビーム要素Fiでそれぞれモデル化されている。このため、カーカスコードモデル21及びベルトコードモデル27a、27bは、2次元のシェル要素等でモデル化された従来のモデルとは異なり、それぞれ独立して変形することができる。従って、生タイヤモデル40は、加硫中の補強材3の変形に伴うコード11(図3に示す)の角度又は間隔の変化を、精度よく再現することができる。
次に、本実施形態のシミュレーション方法では、生タイヤモデル40の変形状態が良好である否かが判断される(工程S30)。この工程S30では、生タイヤモデル40の変形状態が良好であると判断された場合、生タイヤモデル40に基づいて、生タイヤ2が製造される(工程S40)。一方、生タイヤモデル40の変形状態が不良であると判断された場合、生タイヤ2の設計因子が変更され(工程S50)、生タイヤモデル40を作成する工程S60(図6に示したS1〜S5)、及び、シミュレーション方法(S6〜S30)が再度実施される。このように、本実施形態のシミュレーション方法では、生タイヤモデル40の変形状態が良好になるまで、生タイヤモデル40の設計因子が変更されるため、成形精度が優れるタイヤを効率よく設計することができる。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
図6に示す処理手順に従って、カーカスコード及びベルトコードをビーム要素でモデル化したカーカスコードモデル及びベルトコードモデルが設定され、生タイヤモデルが作成された(実施例)。比較のために、コードの剛性の異方性が定義されたシェル要素を含むカーカスプライモデル及びベルトプライモデルが設定された生タイヤモデルが作成された(比較例)。図18に示す処理手順に従って、実施例の生タイヤモデル、及び、比較例の生タイヤモデルの変形計算が実施され、加硫成形中の生タイヤの変形状態が評価された。なお、共通仕様は、以下のとおりである。
タイヤサイズ:195/65R15
シミュレーションソフトウェア:JSOL社製のLS-DYNA
今回のテストでは、加硫シミュレーション工程直前において、実施例の生タイヤモデルの形状と、比較例の生タイヤモデルの形状とが比較された。図23には、加硫シミュレーション工程直前の実施例の生タイヤモデルが示されている。図24には、加硫シミュレーション工程直前の比較例の生タイヤモデルが示されている。
テストの結果、実施例の生タイヤモデルは、実際の生タイヤと同様に、全体が自然に膨らんだ形状に計算された。この形状は、実際の生タイヤの形状に近似している。一方、比較例の生タイヤモデルでは、実施例の生タイヤモデルに比べて、トレッド部が半径方向内側に窪むとともに、サイドウォール部が軸方向外側にせり出す形状に計算された。従って、実施例の生タイヤモデルは、比較例の生タイヤモデルに比べて、実際の生タイヤの形状に近似しうることが確認できた。