JP5841391B2 - タイヤモデルの作成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、シミュレーションの精度を向上しうるタイヤモデルの作成方法に関する。
近年、コンピュータを用いることにより、例えば、任意の条件で転動する空気入りタイヤの状態を数値計算するシミュレーション方法が種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。このシミュレーション方法では、先ず、評価対象となるタイヤを、有限個の要素を用いて分割することにより、タイヤモデルが作成される。そして、これらの要素には、例えば、タイヤを構成するゴムやコード材の弾性等の特性が定義される。
特開2003−127622号公報
しかしながら、従来のタイヤモデルでは、ベルトプライのベルトコードの角度が、経験的に決定されていたため、実際のタイヤの測定値と、タイヤモデルの数値計算結果との間にバラつきが生じやすく、シミュレーションの精度を十分に向上できないという問題があった。
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、ベルトプライのベルトコードのタイヤ周方向に対する角度Φ(x)を、所定の式で定義することを基本として、シミュレーションの精度を向上しうるタイヤモデルの作成方法を提供することを主たる目的としている。
本発明のうち請求項1記載の発明は、トレッド部からサイドウォール部を経てビード部のビードコアに至るカーカスと、このカーカスのタイヤ半径方向外側かつ前記トレッド部の内部に配された少なくとも1枚のベルトプライを有するベルト層とを具えたタイヤモデルを、コンピュータを用いて作成する方法であって、前記コンピュータが、前記ベルトプライのベルトコードのコード配列体を、複数の膜要素に要素分割するベルトモデル化ステップを含み、前記ベルトプライの膜要素は、前記ベルトコードのタイヤ周方向に対する角度Φ(x)が、下記式(1)で定義され、前記下記式(1)で求められる計算値をx軸、実測値をy軸とする散布図に、同一の条件で求められる計算値x及び実測値yを、少なくとも3個以上プロットして、その分布の近似直線の傾きから、前記下記式(1)の定数α1を求めるステップを含むことを特徴とする。



ここで
x:タイヤ赤道からのタイヤ軸方向距離(mm)
D(x):加硫金型内でのベルトプライの直径(mm)
D(0):加硫金型内でのタイヤ赤道におけるベルトプライの直径(mm)
d:生タイヤ成形時のベルトプライの直径(mm)
θ:生タイヤ成形時のベルトコードの角度(度)
α1〜α3:定数

また、請求項2記載の発明は、トレッド部からサイドウォール部を経てビード部のビードコアに至るカーカスと、このカーカスのタイヤ半径方向外側かつ前記トレッド部の内部に配された少なくとも1枚のベルトプライを有するベルト層とを具えたタイヤモデルを、コンピュータを用いて作成する方法であって、前記コンピュータが、前記ベルトプライのベルトコードのコード配列体を、複数の膜要素に要素分割するベルトモデル化ステップを含み、前記ベルトプライの膜要素は、前記ベルトコードのタイヤ周方向に対する角度Φ(x)が、下記式(2)で定義され、前記下記式(2)で求められる計算値をx軸、実測値をy軸とする散布図に、同一の条件で求められる計算値x及び実測値yを、少なくとも3個以上プロットして、その分布の近似直線の傾きから、前記下記式(2)の定数βを求めるステップを含むことを特徴とする。

ここで
x:タイヤ赤道からのタイヤ軸方向距離(mm)
Φcent:加硫金型内でのタイヤ赤道におけるベルトコードのタイヤ周方向に対する角度(度)
D(0):加硫金型内でのタイヤ赤道におけるベルトプライの直径(mm)
d:生タイヤ成形時のベルトプライの直径(mm)
θ:生タイヤ成形時のベルトコードの角度(度)
β:定数

また、請求項3記載の発明は、トレッド部からサイドウォール部を経てビード部のビードコアに至るカーカスと、このカーカスのタイヤ半径方向外側かつ前記トレッド部の内部に配された少なくとも1枚のベルトプライを有するベルト層とを具えたタイヤモデルを、コンピュータを用いて作成する方法であって、前記コンピュータが、前記ベルトプライのベルトコードのコード配列体を、複数の膜要素に要素分割するベルトモデル化ステップを含むとともに、前記ベルトプライを、タイヤ赤道を中心とするタイヤ軸方向の幅の1/2の幅領域に配されるセンターベルトプライと、該センターベルトプライのタイヤ軸方向両側に配される一対のショルダーベルトプライとに区分し、前記ショルダーベルトプライのベルトコードのタイヤ周方向に対する角度φedgeを、下記式(3)で定義し、前記下記式(3)で求められる計算値をx軸、実測値をy軸とする散布図に、同一の条件で求められる計算値x及び実測値yを、少なくとも3個以上プロットして、その分布の近似直線の傾きから、前記下記式(3)の定数γを求めるステップを含むことを特徴とする。

ここで
Φcent:センターベルトプライのベルトコードのタイヤ周方向に対する角度(度)
D(0):加硫金型内でのタイヤ赤道におけるベルトプライの直径(mm)
d:生タイヤ成形時のベルトプライの直径(mm)
γ:定数
本発明のタイヤモデルの作成方法は、トレッド部からサイドウォール部を経てビード部のビードコアに至るカーカスと、このカーカスのタイヤ半径方向外側かつ前記トレッド部の内部に配された少なくとも1枚のベルトプライを有するベルト層とを具えたタイヤモデルを、コンピュータを用いて作成する。この作成方法では、コンピュータが、ベルトプライのベルトコードのコード配列体を、複数の膜要素に要素分割するベルトモデル化ステップを含む。
前記ベルトプライの膜要素には、ベルトコードのタイヤ周方向に対する角度Φが、上記式(1)、(2)又は(3)で定義される。これにより、タイヤモデルは、そのベルトコードの角度が、加硫工程におけるベルトプライの拡張による変化を考慮して定められるため、経験的に決定されていた従来に比べて、実タイヤに近似させることができ、シミュレーションの精度を向上しうる。
本実施形態の処理を行なうコンピュータ装置の斜視図である。 本実施形態でモデリングされる空気入りタイヤを示す断面図である。 タイヤモデルを視覚化して示す斜視図である。 (a)はカーカスプライの部分斜視図、(b)は(a)をモデル化したシェル要素を示す部分斜視図である。 (a)はベルトプライの部分斜視図、(b)は(a)をモデル化したシェル要素を示す部分斜視図である。 本実施形態の作成方法を示すフローチャートである。 (a)は生タイヤ成形工程を示す断面図、(b)は加硫工程を示す断面図である。 (a)は生タイヤ成形時のベルトプライを示す平面図、(b)は加硫時のベルトプライを示す平面図である。 ベルトコードの角度φ(x)を示すグラフである。 トレッド部の曲率半径をシミュレーションした結果を示すグラフである。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
本実施形態のタイヤモデルの作成方法(以下、単に「作成方法」ということがある)では、数値解析が可能な要素で、図2に示される空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」ということがある。)2をモデリングしたタイヤモデル3(図3に示す)を、コンピュータ1を用いて作成する方法である。
前記数値解析が可能とは、例えば有限要素法、有限体積法、差分法又は境界要素法といった数値解析法にて取り扱い可能なことを意味し、本実施形態では有限要素法及び有限体積法が採用される。
図1に示されるように、前記コンピュータ1は、本体1a、キーボード1b、マウス1c及びディスプレイ装置1dを含む。この本体1aには、演算処理装置(CPU)、ROM、作業用メモリー、磁気ディスクなどの記憶装置及びディスクドライブ装置1a1、1a2などが設けられる。なお、記憶装置には、本実施形態の作成方法を実行するための処理手順(プログラム)が予め記憶される。
図2に示されるように、前記タイヤ2は、トレッド部2aからサイドウォール部2bを経てビード部2cのビードコア2dに至るカーカス6と、このカーカス6のタイヤ半径方向外側かつトレッド部2aの内部に配されたベルト層7とを具える。
前記カーカス6は、少なくとも1枚以上、本実施形態では1枚のカーカスプライ6Aで構成される。このカーカスプライ6Aは、トレッド部2aからサイドウォール部2bを経てビード部2cのビードコア2dに至る本体部6aと、この本体部6aに連なりビードコア2dの廻りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返された折返し部6bとを含む。この本体部6aと折返し部6bとの間には、ビードコア2dからタイヤ半径方向外側にのびるビードエーペックス2eが配される。
また、カーカスプライ6Aは、図4(a)に示されるように、タイヤ赤道Cに対して、例えば65〜90度の角度δで配列されたカーカスコード6cのコード配列体11と、このコード配列体11を被覆するトッピングゴム12とからなる。
前記ベルト層7は、図2に示されるように、カーカス6のタイヤ半径方向外側、かつトレッド部2aの内部に配された少なくとも1枚、本実施形態ではタイヤ半径方向に内、外2枚のベルトプライ7A、7Bからなる。
前記ベルトプライ7A、7Bは、図5(a)に示されるように、タイヤ周方向に対して傾斜するベルトコード7cのコード配列体13a、13bと、このコード配列体13a、13bを被覆するトッピングゴム14a、14bとからなる。これらのベルトプライ7A、7Bのベルトコード7c、7cは、互いに交差する向きに重ね合わせて配置される。
図3に示されるように、本実施形態のタイヤモデル3は、コンピュータ1が解析しようとするタイヤ2(図2に示す)を、有限個の小さな要素(ラグランジュ要素)3Aを用いて表すことによりモデリングされる。
このようなタイヤモデル3の実体は、前記コンピュータ1で取り扱いが可能な数値データである。具体的には、各要素3Aの節点座標値、要素番号、節点番号及び材料特性(例えば密度、ヤング率及び/又は減衰係数等)などが定義される。
また、本実施形態のタイヤモデル3には、トレッド部の外面に、縦溝及び横溝等を含んだトレッドパターンが設定されているが、トレッドパターンが省略されたスムーズモデルで設定されても良い。
図6には、本実施形態の作成方法のフローチャートが示される。
この作成方法では、コンピュータ1が、タイヤ2を構成しているゴム部材をモデリングするゴム部材モデル化ステップS1と、カーカスプライ6Aをモデリングするカーカスモデル化ステップS2と、ベルトプライ7A、7Bをモデリングするベルトモデル化ステップS3とが含まれる。
前記ゴム部材モデル化ステップS1では、図3に示されるように、コンピュータ1が、タイヤ2(図2に示す)を構成しているゴム部分を、主として3次元のソリッド要素16に要素分割する。この3次元のソリッド要素16としては、例えば、複雑な形状を表現するのに適した4面体ソリッド要素が好ましいが、これ以外にも5面体又は6面体ソリッド要素などが用いられても良いのは言うまでもない。
前記カーカスモデル化ステップS2では、図4(a)、(b)に示されるように、コンピュータ1が、カーカスプライ6Aの前記コード配列体11を、例えば四辺形の膜要素17aに要素分割するとともに、前記トッピングゴム12を、薄板状のソリッド要素17b、17bに要素分割する。そして、これらの膜要素17a及びソリッド要素17b、17bは、厚さ方向に積層されて、カーカスプライ6Aのシェル要素17が構成される。
前記膜要素17aには、カーカスコード6cの直径や、カーカスコード6cのタイヤ周方向に対する角度δ等が定義される。一方、前記ソリッド要素17b、17bには、体積変化が生じない超粘弾性が定義される。
前記ベルトモデル化ステップS3では、図5(a)、(b)に示されるように、コンピュータ1が、ベルトプライ7A、7Bの各コード配列体13a、13bを、膜要素18a、18bに要素分割するとともに、トッピングゴム14a、14bを、ソリッド要素19a、19b、19cに要素分割する。そして、これらの膜要素18a、18b及びソリッド要素19a、19b、19cは、厚さ方向に積層され、ベルトプライ7A、7Bのシェル要素20が構成される。
前記膜要素18a、18bには、ベルトコード7cの直径や、ベルトコード7cのタイヤ周方向に対する角度φ等が定義される。さらに、前記ソリッド要素18bには、カーカスモデル化ステップS2と同様に、超粘弾性が定義される。
ところで、本実施形態のタイヤ2は、図7(a)、(b)に示されるように、円筒状のドラム21に、カーカスプライ6A、ベルトプライ7A、7B、トレッドゴム24、及びサイドウォールゴム25等が巻回されて生タイヤ2Lを形成する生タイヤ成形工程と、該生タイヤ2Lを加硫金型22とブラダー23を用いて加硫する加硫工程とを経て製造される。
図8(a)、(b)に示されるように、ベルトプライ7A、7Bは、加硫工程においてタイヤ半径方向外側に拡張されて、タイヤ周方向に引き伸ばされる。これにより、伸縮性のないベルトコード7cは、パンタグラフ効果により、タイヤ周方向に対する角度φ(図8(b)に示す)が、生タイヤ成形時の角度θ(図8(a)に示す)よりも小さくなる。なお、この角度φは、ベルトプライ7A、7Bの拡張が大きくなるほど小さくなる傾向がある。
また、加硫金型22のトレッド成形面22sは、図7(b)に示されるように、トレッド成形面22sの直径L1が、タイヤ赤道Cからトレッド端2t側に向かって漸減する。これにより、ベルトプライ7A、7Bの各直径Dも、タイヤ赤道Cからトレッド端2tにかけて漸減し、前記直径Dが相対的に大きくなるタイヤ赤道C側ほど、ベルトコード7c(図8(b)に示す)の角度φが小さくなる。
このように、ベルトコード7cの角度φは、生タイヤ成形時のベルトコード7cの角度θ(図8(a)に示す)から複雑に変化するため、タイヤモデル3の前記膜要素18a、18bに、実際のタイヤ2に近似させたベルトコード7cの角度を具体的に定義するのが難しいという問題があった。
このため、従来では、前記角度φが経験的に定義されていたが、実際のタイヤ2とタイヤモデル3との間で、ベルト層7による拘束力に差異が生じやすい。この差異が内圧充填時におけるトレッド部2aの外面の曲率半径に現れ、シミュレーションの精度を十分に向上できないという問題があった。
本実施形態では、タイヤ赤道Cからのタイヤ軸方向距離xにおけるタイヤモデル3の各ベルトプライ7A、7Bのベルトコード7cの角度φ(x)が、下記式(1)で定義される。
…(1)



ここで
x:タイヤ赤道からのタイヤ軸方向距離(mm)
D(x):加硫金型内でのベルトプライの直径(mm)
D(0):加硫金型内でのタイヤ赤道におけるベルトプライの直径(mm)
d:生タイヤ成形時のベルトプライの直径(mm)
θ:生タイヤ成形時のベルトコードの角度(度)
α1〜α3:定数
上記式(1)では、ベルトコード7cが生タイヤ成形時と加硫時とで伸縮しないと仮定して計算されている。このcosθは、ベルトコード7cの長手方向の長さを1としたときの、生タイヤ成形時におけるタイヤ周方向の長さを示している。
また、D(x)/dは、図7(a)、(b)に示されるように、加硫時のベルトプライ7A、7Bの周長さ2πD(x)と生タイヤ成形時のベルトプライ7A、7Bの周長さ2πdとの比、即ち加硫時のベルトプライ7A、7Bの拡張比を示している。この直径D(x)の定数α2及びα3は、加硫金型22のトレッド成形面22sに基づいて設定される。
そして、この生タイヤ成形時のベルトコード7cの周方向の長さcosθと、ベルトプライ7A、7Bの拡張比D(x)/dとを積算することにより、加硫時のベルトコード7cの周方向の長さが求められる。この加硫時の周方向の長さcosθ×D(x)/dと、ベルトコード7cの長さ(1)を逆余弦し、さらに定数α1を積算することにより、角度φ(x)が求められる。
また、前記定数α1は、タイヤの成形方法や、加硫時のゴム流れにより生じる誤差を補正するのに設定されている。この定数α1は、成形方法やゴム部材の種類によって適宜定められる。具体的には、上記式(1)で求められる計算値をx軸、実測値をy軸とする散布図に同一の条件で求められる計算値x及び実測値yを、少なくとも3個以上プロットし、その分布の近似直線の傾きから、定数α1を求めることができる。
図9には、実際のタイヤ2、前記角度φ(x)を上記式(1)で定義したタイヤモデル3(実施例1)、及び前記角度φ(x)を24度(一定値)に定義した従来のタイヤモデル(比較例)の各角度φ(x)を表示したグラフが示される。なお、これらのタイヤサイズは、195/65 R15である。
このグラフより、実施例1は、比較例よりも、実際のタイヤ2の実測値に近似しうることが確認できる。
また、上記した実施例1及び比較例のタイヤモデル3を、下記リムにリム組みし、下記内圧を充填した状態をシミュレーションした。図10には、タイヤ赤道Cにおけるトレッド部2aの外面の曲率半径TR1と、トレッド端2tからタイヤ軸方向内側に、トレッド半幅0.5TWの1/3の距離L2を隔てた位置P(図2に示す)における曲率半径TR2とを測定し、これらの曲率半径TR1、TR2を、同一条件でリム組みされた実際のタイヤ2の各曲率半径TR1、TR2を100とする指数で表したグラフが示される。なお、トレッド半幅0.5TWは、タイヤ赤道Cとトレッド端2tとのタイヤ軸方向距離である。
リム:15×6J
内圧230kPa
このグラフより、実施例1は、比較例に比べて、実際のタイヤの各曲率半径TR1、TR2に近似しうることが確認できる。
このように、上記式(1)は、タイヤモデル3のベルトコード7cの角度φ(x)を、上記のような加硫工程におけるベルトプライ7A、7Bの拡張による変化を考慮して具体的に定めることができる。しかも、本実施形態のタイヤモデル3は、ベルトコード7cの角度が経験的に定義されていた従来に比べて、実際のタイヤ2に近似させることができ、シミュレーションの精度を大幅に向上しうる。
また、前記角度φ(x)は、下記式(2)で定義されてもよい。
…(2)
ここで
x:タイヤ赤道からのタイヤ軸方向距離(mm)
Φcent:加硫金型内でのタイヤ赤道におけるベルトコードのタイヤ周方向に対する角度(度)
D(0):加硫金型内でのタイヤ赤道におけるベルトプライの直径(mm)
d:生タイヤ成形時のベルトプライの直径(mm)
θ:生タイヤ成形時のベルトコードの角度(度)
β:定数
上記式(2)では、前記角度φ(x)が、タイヤ赤道Cからトレッド端2tに向かうに従って線形に増加すると仮定し、その増加分を、生タイヤ成形時の角度θ、前記D(x)/d、タイヤ赤道Cからの前記距離x、及び定数βを積算して求めている。なお、定数βは、上記式(1)の定数α1と同様に、成形方法やゴム部材の種類によって適宜定められる。
図9に示されるように、前記角度φ(x)を上記式(2)で定義したタイヤモデル3(実施例2)は、比較例よりも、実際のタイヤ2の実測値に近似しうることが確認できる。さらに、図10に示されるように、実施例2のタイヤモデルは、比較例よりも、実際のタイヤの各曲率半径TR1、TR2に近似しうることが確認できる。
このように、上記式(2)も、そのベルトコード7cの角度φ(x)を、加硫工程におけるベルトプライ7A、7Bの拡張による変化を考慮して、具体的に定めることができ、シミュレーションの精度を向上しうる。
しかも、上記式(2)は、上記式(1)のように、加硫金型内でのベルトプライ7A、7Bの直径D(x)を別途求める必要がないため、計算を簡素化でき、処理時間を短縮しうる。
図2に示されるように、ベルトプライ7A、7Bを、タイヤ赤道Cを中心とするベルト層7の最大幅W1の1/2の幅領域T1に配されるセンターベルトプライ7Aa、7Baと、該センターベルトプライ7Aa、7Baのタイヤ軸方向両側に配される一対のショルダーベルトプライ7Ab、7Bbとにそれぞれ区分し、ショルダーベルトプライ7Ab、7Bbのベルトコード7cの角度φedgeを、下記式(3)で定義してもよい。
…(3)
ここで
Φcent:センターベルトプライのベルトコードのタイヤ周方向に対する角度(度)
D(0):加硫金型内でのタイヤ赤道におけるベルトプライの直径(mm)
d:生タイヤ成形時のベルトプライの直径(mm)
γ:定数
上記式(3)では、ショルダーベルトプライ7Ab、7Bbの前記角度φedgeが、センターベルトプライ7Aa、7Baの前記角度Φcentよりも増加すると仮定し、その増加分を、D(0)/d、前記角度φcent、及び定数γを積算して求めている。なお、定数γは、前記定数α1、βと同様に、成形方法やゴム部材の種類によって適宜定められる。
図9に示されるように、前記角度φcent、及びφedgeを上記式(3)で定義したタイヤモデル3(実施例3)は、比較例よりも、実際のタイヤ2の実測値に近似しうることが確認できる。さらに、図10に示されるように、実施例3のタイヤモデルは、比較例よりも、実際のタイヤの各曲率半径TR1、TR2に近似しうることが確認できた。
このような上記式(3)も、ベルトコード7cの各角度φcent、及びφedgeを具体的に定めて、シミュレーションの精度を向上させうる。また、上記式(3)は、上記式(1)、及び上記式(2)に比べて、モデル作成や計算をより簡易化でき、処理時間を短縮しうる。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
1 コンピュータ
3 タイヤモデル
7 ベルト層
7A ベルトプライ
7c ベルトコード
13 コード配列体
18a 膜要素

Claims (3)

  1. トレッド部からサイドウォール部を経てビード部のビードコアに至るカーカスと、このカーカスのタイヤ半径方向外側かつ前記トレッド部の内部に配された少なくとも1枚のベルトプライを有するベルト層とを具えたタイヤモデルを、コンピュータを用いて作成する方法であって、
    前記コンピュータが、前記ベルトプライのベルトコードのコード配列体を、複数の膜要素に要素分割するベルトモデル化ステップを含み、
    前記ベルトプライの膜要素は、前記ベルトコードのタイヤ周方向に対する角度Φ(x)が、下記式(1)で定義され
    前記下記式(1)で求められる計算値をx軸、実測値をy軸とする散布図に、同一の条件で求められる計算値x及び実測値yを、少なくとも3個以上プロットして、その分布の近似直線の傾きから、前記下記式(1)の定数α1を求めるステップを含むことを特徴とするタイヤモデルの作成方法。



    ここで
    x:タイヤ赤道からのタイヤ軸方向距離(mm)
    D(x):加硫金型内でのベルトプライの直径(mm)
    D(0):加硫金型内でのタイヤ赤道におけるベルトプライの直径(mm)
    d:生タイヤ成形時のベルトプライの直径(mm)
    θ:生タイヤ成形時のベルトコードの角度(度)
    α1〜α3:定数

  2. トレッド部からサイドウォール部を経てビード部のビードコアに至るカーカスと、このカーカスのタイヤ半径方向外側かつ前記トレッド部の内部に配された少なくとも1枚のベルトプライを有するベルト層とを具えたタイヤモデルを、コンピュータを用いて作成する方法であって、
    前記コンピュータが、前記ベルトプライのベルトコードのコード配列体を、複数の膜要素に要素分割するベルトモデル化ステップを含み、
    前記ベルトプライの膜要素は、前記ベルトコードのタイヤ周方向に対する角度Φ(x)が、下記式(2)で定義され
    前記下記式(2)で求められる計算値をx軸、実測値をy軸とする散布図に、同一の条件で求められる計算値x及び実測値yを、少なくとも3個以上プロットして、その分布の近似直線の傾きから、前記下記式(2)の定数βを求めるステップを含むことを特徴とするタイヤモデルの作成方法。

    ここで
    x:タイヤ赤道からのタイヤ軸方向距離(mm)
    Φcent:加硫金型内でのタイヤ赤道におけるベルトコードのタイヤ周方向に対する角度(度)
    D(0):加硫金型内でのタイヤ赤道におけるベルトプライの直径(mm)
    d:生タイヤ成形時のベルトプライの直径(mm)
    θ:生タイヤ成形時のベルトコードの角度(度)
    β:定数

  3. トレッド部からサイドウォール部を経てビード部のビードコアに至るカーカスと、このカーカスのタイヤ半径方向外側かつ前記トレッド部の内部に配された少なくとも1枚のベルトプライを有するベルト層とを具えたタイヤモデルを、コンピュータを用いて作成する方法であって、
    前記コンピュータが、前記ベルトプライのベルトコードのコード配列体を、複数の膜要素に要素分割するベルトモデル化ステップを含むとともに、
    前記ベルトプライを、タイヤ赤道を中心とするタイヤ軸方向の幅の1/2の幅領域に配されるセンターベルトプライと、該センターベルトプライのタイヤ軸方向両側に配される一対のショルダーベルトプライとに区分し、
    前記ショルダーベルトプライのベルトコードのタイヤ周方向に対する角度φedgeを、下記式(3)で定義し、
    前記下記式(3)で求められる計算値をx軸、実測値をy軸とする散布図に、同一の条件で求められる計算値x及び実測値yを、少なくとも3個以上プロットして、その分布の近似直線の傾きから、前記下記式(3)の定数γを求めるステップを含むことを特徴とするタイヤモデルの作成方法。

    ここで
    Φcent:センターベルトプライのベルトコードのタイヤ周方向に対する角度(度)
    D(0):加硫金型内でのタイヤ赤道におけるベルトプライの直径(mm)
    d:生タイヤ成形時のベルトプライの直径(mm)
    γ:定数

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