JP6430715B2 - オイル供給システム - Google Patents
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Description
また、他のオイル供給システムとしては、図12に示すように、作動ユニットとしてのエンジン1´にオイルを供給するべく、エンジン1´、供給通路2´、回収通路3´、回収部4、多段式トロコイドポンプPを備え、1段目トロコイドポンプP1で吐出される気泡含有のオイルを、回収通路3´から回収部(オイルパン)4に直接戻すようにした、オイルポンプが知られている(例えば、特許文献2を参照)。
また、1段目トロコイドポンプと2段目トロコイドポンプは、共通の回転軸すなわち同一の駆動源(例えば、エンジンのクランクシャクト)の駆動力により駆動されるため、気泡の含有量が少ない運転条件下においても、1段目トロコイドポンプが駆動されることで無駄な動力の消費を招くものであり、さらに、1段目トロコイドポンプでの気泡含有のオイルの排出を考慮して、2段目トロコイドポンプにおけるオイルの理論吐出量を大きく設定すると、ポンプ全体の消費動力の増加を招くことになる。
この構成によれば、作動ユニットが通常の運転領域にある場合、メインポンプが作動ユニットの駆動に連動して(例えば、作動ユニットがエンジンの場合にクランクシャクトに連動して、又、作動ユニットがエンジンに連結されるCVTユニットの場合にその駆動側シャフトに連動して)駆動され、オイル溜め部内のオイルがメイン供給通路を通してメインポンプにより吸入されつつ加圧されて作動ユニットに供給され、一方、作動ユニットが所定条件の運転領域(例えば、オイル内に気泡が多く含まれるようになるエンジンの高回転領域)にある場合、メインポンプが作動ユニットの駆動に連動して駆動され、オイル溜め部内のオイルがメイン供給通路を通してメインポンプにより吸入されつつ加圧されて作動ユニットに供給されると共に、サブポンプが専用の駆動源により駆動され、オイル溜め部内のオイルがサブ供給通路を通してサブポンプにより吸入されて加圧されつつ気泡を含有したオイルがオイル溜め部に向けて直接排出されると共に残りの残留オイルが加圧されてメインポンプにのみ供給される。
このように、オイル内の気泡の含有量が多くなる所定条件の運転領域においてのみ、サブポンプを駆動して気泡の少ないオイルをメインポンプにのみ供給することにより、消費動力を低減しつつ、全体として気泡の少ないオイルを作動ユニットに供給することができ、又、サブポンプがメインポンプとは独立した駆動源により駆動されるため、作動ユニットにおける損失トルクを低減することができる。
また、メインポンプがメイン供給通路を通してオイル溜め部からオイルを吸入し、サブポンプがサブ供給通路を通してオイル溜め部からオイルを吸入する構造であるため、圧力損失あるいは通路損失、流れ損失等を抑制することができ、メインポンプ及びサブポンプに対して効率よくオイルを導くことができる。
この構成によれば、オイル溜め部からメインポンプにオイルを供給するメイン供給通路を画定するパイプ等の部品が既存品として存在する場合に、サブポンプとサブ供給通路を画定するパイプ等の部品を追加するだけで、既存の部品を流用又は一部加工を施しつつ、本発明のオイル供給システムを構築することができ、低コスト化等を達成することができる。
この構成によれば、上流側メイン供給通路を画定するパイプ等の部品が既存品として存在する場合に、下流側サブ供給通路を画定するパイプ等の部品を追加することにより、既存の部品を流用又は一部加工を施しつつ、本発明のオイル供給システムを構築することができ、低コスト化等を達成することができる。
この構成によれば、下流サブ供給通路をメインポンプ(の吸入口)に直接接続するため、損失の少ない接続形態とすることにより、下流側サブ供給通路を下流側メイン供給通路の途中に接続する場合のような合流に伴う圧力損失あるいは通路損失、流れ損失等を抑制することができ、メインポンプに対して効率よくオイルを導くことができる。
この構成によれば、電動モータを電気的に制御するだけで、サブポンプを駆動させることができるため、所定条件の運転領域に対応させたサブポンプの駆動制御を容易に行うことができると共に、電動モータを電気的に制御する配線等を設けることで容易に対応でき、構造を簡素化することができる。
また、上記構成において、メインポンプは、ベーンロータを含むベーンポンプであり、サブポンプは、トロコイドロータを含むトロコイドポンプである、構成を採用することができる。
この構成によれば、メインポンプとして、加圧したオイルの洩れが少ない(ベーンがカムリング(ケーシング)の内周面に常時密接して摺動するため洩れが少ない)ベーンポンプを用いることにより、高圧オイルを効率よく被供給ユニットに供給することができ、又、サブポンプとして、気泡含有のオイルから気泡を効率よく分離できる(オイル吸入→気泡含有オイルの排出→残留オイルの加圧及び吐出の行程を容易に構成できる)トロコイドポンプを用いることにより、気泡の少ないオイルを効率よくメインポンプに供給することができる。
この実施形態に係るオイル供給システムは、エンジン連結されるCVTユニット(無段変速装置)に対して、作動油及び潤滑油としてのオイルを供給するオイル供給システムを示すものであり、図1に示すように、オイルが供給される作動ユニットとしての無段変速を行うCVTユニット10、作動油又は潤滑油としてのオイルを溜めるオイル溜め部20、オイル溜め部20内のオイルを吸入しつつ加圧してCVTユニット10に向けて供給するメインポンプ30、オイル溜め部20からメインポンプ30を経てCVTユニット10にオイルを供給するメイン供給通路40(上流側メイン供給通路41、下流側メイン供給通路42)、オイル溜め部20からオイルを吸入して加圧しつつ気泡を含有したオイルをオイル溜め部20に向けて排出しかつ残りの残留オイルを加圧してメインポンプ30の上流側に供給するサブポンプ50、オイル溜め部20からサブポンプ50を経て(メイン供給通路40の一部をなす)上流側メイン供給通路41の途中にオイルを供給するサブ供給通路60(上流側サブ供給通路61、下流側サブ供給通路62)、サブポンプ50から排出される気泡含有のオイルをオイル溜め部20に戻す戻し通路70等を備えている。
そして、ケーシングには、オイル溜め部20、メインポンプ30、メイン供給通路40、サブポンプ50、サブ供給通路60、戻し通路70等が所定の位置に取り付けられ(又は一体的に形成され)ている。
吸入口31cは、オイル溜め部20からオイルを導く上流側メイン供給通路41を画定する配管(オイルストレーナ等)を接続するように形成されている。
吐出口31fは、吐出されるオイルをCVTユニット10のオイル供給領域に導く下流側メイン供給通路42を画定する配管(又はケーシングに形成された通路)に接続するように形成されている。
戻し通路31gは、制御弁36を開閉自在に収容するように形成されている。
すなわち、回転軸32は、CVTユニット10の駆動に連動して駆動されるようになっている。
サイドプレート34は、カムリング33に隣接してハウジング31の内周面31bに回動不能に嵌め込まれ、上記膨張空間及び圧縮空間を分離して画定すると共にオイルの吸入通路あるいは吐出通路の一部を画定するように形成されている。
そして、図9に示すように、吐出されるオイルの吐出量Qが所定以上の吐出量Q1になると、制御弁36が開弁して、戻し通路31gを経て加圧されたオイルの一部が吸入通路31dに戻されるようになっている。
このように、メインポンプ30として、加圧したオイルの洩れが少ない、すなわち、ベーン35bがカムリング33の内周面33aに常時密接して摺動するため洩れが少ないベーンロータ35を含むベーンポンプを用いることにより、高圧オイルを効率よくCVTユニット10に供給することができる。
上流側メイン供給通路41は、例えば、メインポンプ30の吸入口31cに連通すると共にオイル溜め部20内に浸漬されるようにして、ハウジング31に取り付けられた配管(オイルストレーナ)等により画定されるものである。
下流側メイン供給通路42は、例えば、メインポンプ30の吐出口31fに連通すると共にCVTユニット10のオイル供給領域に連通するようにして、CVTユニット10のケーシングに加工された通路又はケーシングに取り付けられた配管等により画定されるものでる。
吸入口51cは、オイル溜め部20からオイルを導く上流側サブ供給通路61を画定する配管(オイルストレーナ等)を接続するように形成されている。
排出口51fは、気泡含有のオイルをオイル溜め部20に戻す戻し通路70を画定する配管を接続するように形成されている。
吐出口51hは、吐出されるオイルをメインポンプ30の上流側に導くべく、上流側メイン供給通路41の途中に連通する下流側サブ供給通路62を画定する配管を接続するように形成されている。
インナーロータ52aは、駆動軸53aを嵌合させる嵌合孔52a´を有すると共にその外周に4つの山及び谷(凹み)をもつ外歯車として形成されている。
アウターロータ52bは、ハウジング51の内周面51bに摺動自在に嵌合される外周面52b´を有すると共にその内周においてインナーロータ52aの4つの山(外歯)及び谷(凹み)と噛み合う5つの山(内歯)及び谷(凹み)をもつ内歯車として形成されている。
そして、インナーロータ52aが駆動軸53aと一緒に図7中の反時計回りに回転すると、アウターロータ52bが連動して図7中の反時計回りに回転することで、両者により画定されるポンプ室の容積が変化し、オイルが吸入口51cから吸い込まれ、続いて加圧され、加圧過程で気泡含有のオイルが排出口51fから排出され、続いて残りの加圧された残留オイルが吐出口51hから(メインポンプ30の上流側に接続された)上流側メイン供給通路41に向けて吐出され、この行程が連続的に繰り返されるようになっている。
また、オイル内の気泡の含有量が多くなる所定条件の運転領域においてのみ、サブポンプ50を駆動して気泡の少ないオイルをメインポンプ30に供給することにより、消費動力を低減しつつ、全体として気泡の少ないオイルをCVTユニット10に供給することができ、又、サブポンプ50がメインポンプ30とは独立した駆動源(電動モータ53)により駆動されるため、CVTユニット10における損失トルクを低減することができる。
さらに、サブポンプ50として、気泡含有のオイルから気泡を効率よく分離できる(オイル吸入→気泡含有オイルの排出→残留オイルの加圧及び吐出の行程を容易に構成できる)トロコイドロータ52を含むトロコイドポンプを用いることにより、気泡の少ないオイルを効率よくメインポンプ30に供給することができる。
上流側サブ供給通路61は、例えば、サブポンプ50の吸入口51cに連通すると共にオイル溜め部20内に浸漬されるようにして、ハウジング51に取り付けられた配管(オイルストレーナ)等により画定されるものである。
下流側サブ供給通路62は、例えば、サブポンプ50の吐出口51hに連通すると共に上流側メイン供給通路41に連通するように、ハウジング51(吐出口51h)と上流側メイン通路41を画定する配管とを接続する配管等により画定されるものでる。
このように、下流側サブ供給通路62が、サブポンプ50から吐出される残留オイルを(メインポンプ30の上流側に接続された)上流側メイン供給通路41の途中に供給するように接続された構成を採用することにより、オイル溜め部20からメインポンプ30にオイルを供給する(メイン供給通路40を画定する)パイプ等の配管部品が既存品として存在する場合に、サブポンプ50とサブ供給通路60を画定するパイプ等の配管部品を追加するだけで、既存の部品を流用又は一部加工を施しつつ、このオイル供給システムを構築することができ、低コスト化等を達成することができる。
ここでは、エンジンにCVTユニット10が連結され、CVTユニット10に対して作動油又は潤滑油としてのオイルを供給する場合について説明する。
先ず、図9に示すように、エンジンの回転数Nが0〜N2の範囲にある運転領域において、電動モータ53が起動されずサブポンプ50は停止している。
この状態において、メインポンプ30がCVTユニット10の駆動側シャフトの駆動に連動して駆動され、オイル溜め部20内のオイルが、図1に示すように、上流側メイン供給通路41を経て、メインポンプ30の吸入口31cに導かれ、ベーンロータ35のポンプ作用により吸入されつつ加圧されて、吐出口31fから下流側メイン通路42に向けて吐出される。
ここで、吐出されるオイルの吐出量Qが、図9に示すように吐出量Q1(このとき、エンジンの回転数NはN1、N1<N2)を超えると、制御弁36が開弁して加圧されたオイルの一部が吸入通路31dに戻され、残りのオイルが下流側メイン通路42に向けて吐出される。
そして、下流側メイン通路42により導かれたオイルは、CVTユニット10のオイル供給領域(駆動側プーリ及び従動側プーリの溝幅を油圧制御する油圧回路又は潤滑を要する可動部材の摺動領域等)に供給され、その後、オイルは還流通路を経てオイル溜め部20に戻される。
すなわち、サブポンプ50が電動モータ53により駆動されてトロコイドロータ52が回転し、オイル溜め部20内のオイルが、図1に示すように、上流側サブ供給通路61を経て、サブポンプ50の吸入口51cに導かれ、トロコイドロータ52のポンプ作用により吸入されて加圧されつつ気泡を含有したオイルが排出口51fから戻し通路70を通してオイル溜め部20に向けて排出されると共に、残りの残留オイルが加圧されて吐出口51hから下流側サブ供給通路62を経て(メインポンプ30の上流側に接続された)上流側メイン通路41の途中に向けて吐出される。
仮に、エンジンの回転数NがN2を超える運転領域において、メインポンプ30のみを作動させた場合、吐出されるオイルの中には、気泡が多く含まれるため、図9中の点線で示すように実オイル量が低下し、所望される量のオイルをオイル供給領域に十分に供給できなくなる虞があるが、ここでは、エンジンの回転数NがN2を超える運転領域において、サブポンプ50も作動させることにより、図9中の実線で示すように、高回転負荷時においても十分な量のオイルを供給することができる。
また、サブポンプ50がメインポンプ30とは独立した駆動源(電動モータ53)により駆動されるため、CVTユニット10における損失トルクを低減することができる。
すなわち、この実施形態において、サブ供給通路60は、図10に示すように、オイル溜め部20内のオイルをサブポンプ50に供給する上流側サブ供給通路61、サブポンプ50から吐出されるオイルをメインポンプ30に直接供給する下流側サブ供給通路62´により形成されている。
下流側サブ供給通路62´は、例えば、サブポンプ50の吐出口51hに連通すると共にメインポンプ30のハウジング31に二つの吸入口31cが形成され、一方の吸入口31cに直接連通するように、ハウジング51(の吐出口51h)とハウジング31(の吸入口31c)とを接続する配管等により画定されるものでる。
このように、下流側サブ供給通路62´をメインポンプ30(の吸入口31c)に直接接続するため、損失の少ない接続形態とすることにより、下流側サブ供給通路62を(メインポンプ30の上流側に接続された)上流側メイン供給通路41の途中に接続する場合のような合流に伴う圧力損失あるいは通路損失、流れ損失等を抑制することができ、メインポンプ30に対して効率よくオイルを導くことができる。
上記実施形態においては、メインポンプとして、ベーンロータ35を含むベーンポンプを採用し、サブポンプとして、トロコイドロータ52を含むトロコイドポンプを採用した場合を示したが、これに限定されるものではなく、その他の形態をなすポンプを採用してもよい。
上記実施形態においては、サブポンプ50を作動させる所定条件の運転領域として、CVTユニット10が連結されるエンジンの回転数Nを適用したが、これに限定されるものではなく、CVTユニット10の作動条件やその他の種々の条件を上記の所定条件として適用して、サブポンプを作動させるようにしてもよい。
上記実施形態においては、CVTユニットとして、駆動側プーリ及び従動側プーリに巻回されるベルトを備えたベルト式無段変速機を示したが、これに限定されるものではなく、トロイダル式の無段変速機あるいはその他の形態をなす無段変速機を採用してもよい。
20 オイル溜め部
30 メインポンプ
31 ハウジング
31c 吸入口
31f 吐出口
32 回転軸
33 カムリング
34 サイドプレート
35 ベーンロータ
35a ロータ
35b ベーン
36 制御弁
40 メイン供給通路
41 上流側メイン供給通路
42 下流側メイン供給通路
50 サブポンプ
51 ハウジング
51c 吸入口
51f 排出口
51h 吐出口
52 トロコイドロータ
52a インナーロータ
52b アウターロータ
53 電動モータ(駆動源)
53a 駆動軸
60 サブ供給通路
61 上流側サブ供給通路
62、62´ 下流側サブ供給通路
70 戻し通路
Claims (6)
- オイル溜め部に溜められたオイルを作動ユニットに供給するオイル供給システムであって、
前記作動ユニットの駆動に連動して駆動され前記オイル溜め部からメイン供給通路を通してオイルを吸入しつつ加圧して前記作動ユニットに向けてオイルを吐出するメインポンプと、
駆動及び非駆動の制御が可能な専用の駆動源により駆動され、前記オイル溜め部からサブ供給通路を通してオイルを吸入して加圧しつつ気泡を含有したオイルを前記オイル溜め部に向けて直接排出すると共に、残りの残留オイルを加圧して前記メインポンプにのみ供給するサブポンプと、を含む、
ことを特徴とするオイル供給システム。 - 前記サブ供給通路は、前記オイル溜め部内のオイルを前記サブポンプに供給する上流側サブ供給通路と、前記サブポンプから吐出される前記残留オイルを前記メインポンプに供給する下流側サブ供給通路とを含み、
前記メイン供給通路は、前記オイル溜め部内のオイルを前記メインポンプに供給する上流側メイン供給通路と、前記メインポンプから吐出されるオイルを前記作動ユニットに供給する下流側メイン供給通路とを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のオイル供給システム。 - 前記下流側サブ供給通路は、前記上流側供給通路に連通するように接続されている、
ことを特徴とする請求項2に記載のオイル供給システム。 - 前記メインポンプは、二つの吸入口を含み、
前記下流側サブ供給通路は、前記メインポンプの一方の吸入口に直接連通するように接続されている、
ことを特徴とする請求項2に記載のオイル供給システム。 - 前記サブポンプの駆動源は、電動モータである、
ことを特徴とする請求項1ないし4いずれか一つに記載のオイル供給システム。 - 前記メインポンプは、ベーンロータを含むベーンポンプであり、
前記サブポンプは、トロコイドロータを含むトロコイドポンプである、
ことを特徴とする請求項1ないし5いずれか一つに記載のオイル供給システム。
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