JP6429642B2 - 可塑性油脂組成物及び可塑性油脂組成物が添加された食品 - Google Patents

可塑性油脂組成物及び可塑性油脂組成物が添加された食品 Download PDF

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Description

本発明は、可塑性油脂組成物及び可塑性油脂組成物が添加された食品に関する。
セルロースエーテルは、焼成品をはじめとする様々な食品に保水性等を付与できるという性質を有している。
特許文献1には、パン生地にセルロースエーテルを添加し、次いで水を添加して製造される焼成品が記載されている。特許文献2には、穀粉類と、水と、セルロースエーテルとを混合して製造される焼成品が開示されている。
特開2013−215158号公報 特開2005−218409号公報
しかしながら、特許文献1、2の焼成品は、歯切れが十分でない。
他方、焼成品には、マーガリン等の可塑性油脂組成物が従来より添加されて使用されている。可塑性油脂組成物を焼成品に使用する場合、可塑性油脂組成物は1飽和−2不飽和型トリグリセリド及び3不飽和型トリグリセリド等の低融点トリグリセリドに起因する液状油の染みだしの生じにくさや生地への分散性や生地の伸展性が良好であることが求められ、焼成品は、口溶けのみならず、歯切れが求められ、特に、トーストやレンジアップ等の再加熱時においても、歯切れが良好であることが求められる。
本発明は、以上の実情に鑑みてなされたものであり、液状油の染みだしが生じにくく、再加熱時の焼成品に優れたバランスの歯切れ、口溶けを付与可能な、新規な可塑性油脂組成物、及びこのような可塑性油脂組成物が添加された食品を提供することを目的とする。
本発明者らは、セルロースエーテルを可塑性油脂組成物に配合し、かつ、油脂を所定のトリグリセリド組成で構成することで、再加熱時の焼成品に、優れたバランスの歯切れ、口溶けを付与可能であり、液状油の染みだしが生じにくいことを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
(1) 2飽和−1不飽和型トリグリセリドと3飽和型トリグリセリドとの合計含有量が、油脂全体の質量に対して35〜65質量%であり、
SSU型トリグリセリドに対するSUS型トリグリセリドの質量比が0.3〜1.5であり、
セルロースエーテルを含有する可塑性油脂組成物。
(2) 製菓又は製パン用である、(1)に記載の可塑性油脂組成物。
(3) 前記セルロースエーテルは、ゲル化温度が50〜95℃であるセルロースエーテルを含む、(1)又は(2)に記載の可塑性油脂組成物。
(4) 前記油脂組成物全体の質量に対する油相の含有量が、55質量%以上である、(1)から(3)のいずれかに記載の可塑性油脂組成物。
(5) 有機酸モノグリセリン脂肪酸エステルを更に含有する、(1)から(4)のいずれかに記載の可塑性油脂組成物。
(6) (1)から(5)のいずれかに記載の可塑性油脂組成物が添加された食品。
本発明によれば、液状油の染みだしが生じにくく、再加熱時の焼成品に優れたバランスの歯切れ、口溶けを付与可能な、新規な可塑性油脂組成物、及びこのような可塑性油脂組成物が添加された食品を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<可塑性油脂組成物>
本発明の可塑性油脂組成物は、2飽和−1不飽和型トリグリセリドと3飽和型トリグリセリドとの合計含有量が、油脂全体の質量に対して35〜65質量%であり、SSU型トリグリセリドに対するSUS型トリグリセリドの質量比が0.3〜1.5であり、セルロースエーテルを含有する。これにより、本発明の可塑性油脂組成物は、再加熱時の焼成品に、優れたバランスの歯切れ、口溶けを付与することができ、液状油の染みだしが生じにくい。また、本発明の可塑性油脂組成物は、生地への分散性にも優れ、特にロールイン用として用いる場合、生地の伸展性においても優れる。本発明の可塑性油脂組成物は、油脂を所定のトリグリセリド組成で構成し、セルロースエーテルを可塑性油脂組成物中に分散した状態で配合しているため、染みだしが起こりにくく、生地への分散性、生地の伸展性、再加熱時の焼成品の歯切れ、口溶けに優れるものと推測される。なお、本発明において、焼成品の「再加熱」とは、製造後の冷えた焼成品をトーストやレンジアップ等により再度加熱すること意味し、生地から焼成品を製造する際の最初の加熱とは、明確に異なる。
(油脂)
本発明の可塑性油脂組成物に含まれる油脂は、2飽和−1不飽和型トリグリセリドと3飽和型トリグリセリドとの合計含有量が、油脂全体の質量に対して35〜65質量%であり、SSU型トリグリセリドに対するSUS型トリグリセリドの質量比が0.3〜1.5である。
本発明において、油脂中のトリグリセリドとは、1分子のグリセロールに、3分子の脂肪酸がエステル結合した構造を有するものである。トリグリセリドの1、2、3位とは、脂肪酸が結合した位置を表す。すなわち、上記「SUS型トリグリセリド」は、1位及び3位に飽和脂肪酸Sが結合し、かつ2位に不飽和脂肪酸Uが結合したトリグリセリドである。また、上記「SSU型トリグリセリド」は、1位及び2位に飽和脂肪酸Sが結合し、かつ3位に不飽和脂肪酸Uが結合したトリグリセリドである。なお、本発明の油脂は、「SUS型トリグリセリド」と、「SSU型トリグリセリド」以外のトリグリセリドを含んでもよく、含まなくてもよい。このようなトリグリセリドとしては、特に限定されないが、例えば、1位、2位、及び3位の全てに飽和脂肪酸Sが結合した「SSS型トリグリセリド」等が挙げられる。
飽和脂肪酸Sは、油脂中に含まれる全ての種類の飽和脂肪酸を意味する。飽和脂肪酸Sとしては、特に限定されないが、例えば、酪酸(4)、カプロン酸(6)、カプリル酸(8)、カプリン酸(10)、ラウリン酸(12)、ミリスチン酸(14)、パルミチン酸(16)、ステアリン酸(18)、アラキジン酸(20)、ベヘン酸(22)、リグノセリン酸(24)等が挙げられる。なお、上記数値表記は、各脂肪酸の炭素数である。本発明の油脂中に含まれる各トリグリセリドを構成する飽和脂肪酸Sは、同一の飽和脂肪酸であってもよいし、異なる飽和脂肪酸であってもよい。
不飽和脂肪酸Uは、油脂中に含まれる全ての種類の不飽和脂肪酸を意味する。不飽和脂肪酸Uとしては、特に限定されないが、例えば、ミリストレイン酸(14:1)、パルミトレイン酸(16:1)、ヒラゴン酸(16:3)、オレイン酸(18:1)、リノール酸(18:2)、リノレン酸(18:3)、エイコセン酸(20:1)、エルカ酸(22:1)、セラコレイン酸(24:1)等が挙げられる。なお、上記数値表記は、脂肪酸の炭素数と二重結合数である。本発明の油脂中に含まれる各トリグリセリドを構成する不飽和脂肪酸Uは、同一の不飽和脂肪酸であってもよいし、異なる不飽和脂肪酸であってもよい。
本発明における、2飽和−1不飽和型トリグリセリドと3飽和型トリグリセリドとの合計含有量は、油脂全体の質量に対して35〜65質量%であれば特に限定されないが、多い方が、液状油の染みだしが生じにくく、再加熱時の焼成品の歯切れに優れることから、40質量%以上であることが好ましく、45質量%以上であることがより好ましく、50質量%以上であることが更に好ましい。他方、2飽和−1不飽和型トリグリセリドと3飽和型トリグリセリドとの合計含有量が多すぎると、生地への分散性、生地の伸展性、焼成品の口溶けが低下する。この観点で、2飽和−1不飽和型トリグリセリドと3飽和型トリグリセリドとの合計含有量は、60質量%以下であることが好ましく、55質量%以下であることが好ましく、50質量%以下であることが更に好ましい。特に、本発明の可塑性油脂組成物をロールイン用として用いる場合、2飽和−1不飽和型トリグリセリドと3飽和型トリグリセリドとの合計含有量は、油脂全体の質量に対して40〜60質量%で用いることが好ましい。
本発明の可塑性油脂組成物における、SSU型トリグリセリドに対するSUS型トリグリセリドの質量比は、0.3〜1.5であり、好ましくは0.4〜1.3であり、より好ましくは0.4〜1.0である。SSU型トリグリセリドに対するSUS型トリグリセリドの質量比がこの範囲内であると、液状油の染みだしが生じにくく、生地への分散性、生地の伸展性に優れる。
SSU型トリグリセリドの油脂全体の質量に対する質量は、特に限定されないが、焼成品に優れた口溶けを付与可能であり、生地への分散性、生地の伸展性とのバランスにおいても優れることから、10〜30質量%であることが好ましく、12〜25質量%であることがより好ましい。SUS型トリグリセリドの油脂全体の質量に対する質量は、特に限定されないが、焼成品に優れた口溶けを付与可能であり、生地への分散性、生地の伸展性とのバランスにおいても優れることから、3〜30質量%であることが好ましく、5〜25質量%であることが更に好ましい。
本発明の可塑性油脂組成物は、構成脂肪酸の総炭素数が40〜48であるトリグリセリドの割合が5.0〜30質量%の範囲内であるのが好ましく、より好ましくは5.0〜25質量%の範囲内である。構成脂肪酸の総炭素数が40〜48であるトリグリセリドの割合がこの範囲内にあると、これを用いた可塑性油脂組成物を配合した焼成品の歯切れと口溶けに優れ、また、この割合が5.0質量%以上であると可塑性油脂組成物を配合した焼成品の口溶けがよくなり、30質量%以下であると高温(35℃)で、液状油が染みだすことを抑制できる。構成脂肪酸の総炭素数が40〜48であるトリグリセリドは、特に限定されないが、例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等の脂肪酸を構成脂肪酸として1種以上含み、これらの総炭素数が40〜48であってもよい。
本発明の可塑性油脂組成物は、ロールイン用である場合、構成脂肪酸の総炭素数が40〜48であるトリグリセリドの割合が5.0〜30質量%であることが好ましく、10〜30質量%の範囲内であることがより好ましく、10〜25質量%の範囲内であることが更に好ましい。構成脂肪酸の総炭素数が40〜48であるトリグリセリドの割合がこの範囲内にあると、ロールインした生地の伸展性、焼成品の歯切れ、口溶けが良好となる。
本発明において、トリグリセリドの構成脂肪酸の分析は、ガスクロマトグラフ法(基準油脂分析試験法(公益社団法人日本油化学会)の「2.4.2.2−2013 脂肪酸組成(FID昇温ガスクロマトグラフ法)」と「奨2−2013 2位脂肪酸組成」)により行う。
(セルロースエーテル)
本発明の可塑性油脂組成物に含まれるセルロースエーテルは、再加熱時の焼成品の歯切れや口溶けを向上させるものである。
セルロースエーテルは、特に限定されないが、本発明の可塑性油脂組成物に含まれるセルロースエーテルは、再加熱時の焼成品に優れたバランスの歯切れ、口溶けを付与する。また、焼成の際、ゲル化温度が澱粉の糊化温度や蛋白質の変性温度以上であると、焼成品のボリュームを損ねないため、ゲル化温度が高いセルロースエーテルを用いることが好ましく、より具体的には、ゲル化温度が50〜95℃であるセルロースエーテルを用いることが好ましく、ゲル化温度が60〜95℃であるセルロースエーテルを用いることがより好ましく、ゲル化温度が70〜95℃であるセルロースエーテルを用いることが更に好ましい。これらゲル化温度が高いセルロースエーテルは、可塑性油脂組成物に含まれるセルロースエーテル全体の質量に対して、多く含まれることが好ましい。より具体的には、ゲル化温度が50〜95℃であるセルロースエーテル、ゲル化温度が60〜95℃であるセルロースエーテル、又はゲル化温度が70〜95℃であるセルロースエーテルが、可塑性油脂組成物に含まれるセルロースエーテル全体の質量に対して、70質量%以上含まれることが好ましく、80質量%以上含まれることがより好ましく、90質量%以上含まれることが更に好ましく、100質量%含まれることが最も好ましい。このようなセルロースエーテルの市販品としては、例えば、メチルセルロースであるメトセルA15(ゲル化温度55.7℃ ダウ・ケミカル社製)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースであるメトセルF4M(ゲル化温度63.6℃ ダウ・ケミカル社製)、メトセルF50(ゲル化温度65.7℃ ダウ・ケミカル社製)、メトセルK4M(ゲル化温度77.4℃ ダウ・ケミカル社製)、メトセルK100M(ゲル化温度72.1℃ ダウ・ケミカル社製)が例示される。
本発明におけるセルロースエーテルのゲル化温度は、MCR300(Anton−Paar社製)を用いて測定する。測定に使用するコーンは、CP50−1(直径50mm、傾き1°)であり、セルロースエーテルを溶解させた水溶液の粘度を、昇温速度約2℃/分、コーン回転速度20rpmの条件で測定し、粘度変化の変曲点をゲル化温度とする。
他方、セルロースエーテルは、水に対する溶解温度が高い方が、焼成品の製造時において可塑組成油脂組成物を水と混合して生地を作製する際に、容易にセルロースエーテルが生地になじみやすくなるため、製造が容易になり、更に、得られる焼成品の再加熱時の歯切れが優れる。このことから、セルロースエーテルは、水に対する溶解温度が5〜30℃のセルロースエーテルを用いることが好ましく、水に対する溶解温度が15〜30℃のセルロースエーテルを用いることがより好ましく、水に対する溶解温度が20〜30℃のセルロースエーテルを用いることが更に好ましい。
本発明におけるセルロースエーテルの水に対する溶解温度は、MCR300(Anton−Paar社製)を用いて測定する。セルロースエーテルをゲル化温度以上の熱水に分散させ、その粘度を降温条件下で測定し、粘度変化が小さくなった温度を溶解温度とする。
セルロースエーテルは、上記のとおり、ゲル化温度が澱粉の糊化温度や蛋白質の変性温度より高いものや、溶解温度が高いものを用いることが好ましい。このように、ゲル化温度が高く、溶解温度がより高くなることから、セルロースエーテルは、メチルエーテル基、ヒドロキシプロピル基を有することが好ましい。セルロースエーテル全体の質量のうち、メチルエーテル基の含有量は、19〜33質量%であることが好ましく、19〜30質量%であることがより好ましく、19〜24質量%であることが更に好ましい。セルロースエーテル全体の質量のうち、ヒドロキシプロピル基の含有量は、3〜12質量%であることが好ましく、4〜12質量%であることがより好ましい。
セルロースエーテルの具体例としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース(MC)、エチルヘキシルエチルセルロース(EHEC)、ヒドロキシブチルメチルセルロース(HBMC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース(HEMC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)等が挙げられるが、これらに限定されない。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。このようなセルロースエーテルの市販品としては、例えば、メチルセルロースであるメトローズMCE(信越化学工業株式会社製)、メトセルA15(ダウ・ケミカル社製)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースであるメトローズSFE(信越化学工業株式会社製)、メトローズSE(信越化学工業株式会社製)、メトローズNE(信越化学工業株式会社製)、メトセルF4M(ダウ・ケミカル社製)、メトセルF50(ダウ・ケミカル社製)、メトセルK4M(ダウ・ケミカル社製)、メトセルK100M(ダウ・ケミカル社製)が挙げられる。
セルロースエーテルは、加熱により可逆的にゲル化可能なものを用いることが好ましい。その理由は、加熱により可逆的にゲル化可能なセルロースエーテルが可塑性油脂組成物に配合され、分散された状態にあると、常温においては、ソフトで口溶けの良好な焼成品が得られ、再加熱時においては、歯切れと口溶けが良好な焼成品が得られるからである。このような加熱により可逆的にゲル化可能なセルロースエーテルは、特に限定されないが、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等が挙げられる。
セルロースエーテルのうち、ゲル化温度が高く、再加熱時の焼成品に優れたバランスの歯切れ、口溶けを付与可能であることから、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース等を用いることが好ましく、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを用いることが最も好ましい。他方、セルロースエーテルのうち、水に対する溶解温度が高く、焼成品の製造が容易であり、得られる焼成品の再加熱時の歯切れが優れることから、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース等を用いることが好ましく、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを用いることが最も好ましい。
セルロースエーテルの平均分子量は、特に限定されず、セルロースエーテルの種類や他の成分とのバランスを考慮して適宜設定することができるが、例えば、平均分子量が40000以上が好ましく、50000以上がより好ましく、60000以上が更に好ましい。
本発明の可塑性油脂組成物に含まれるセルロースエーテルの含有量は、特に限定されず、例えば、組成物全体の質量に対して0.01〜10.0質量%であってもよいが、生地への分散性、生地の伸展性、再加熱時の焼成品の歯切れや口溶けが優れることから、0.03〜10.0質量%であることが好ましく、0.05〜7.0質量%であることがより好ましく、0.1〜5.0質量%であることが更に好ましく、1.0〜3.0質量%であることが最も好ましい。
本発明の可塑性油脂組成物が水を含む場合、セルロースエーテルは、可塑性油脂組成物を構成する油相又は水相のいずれに含まれてもよいが、油相にセルロースエーテルが含まれる場合、油脂中にセルロースエーテルが多く分散することになり、再加熱時の焼成品の歯切れ、口溶けがより良好となるため、セルロースエーテルは、油相に含まれることが好ましい。この観点で、セルロースエーテルは油相に含まれる量が多い方が好ましく、具体的には、可塑性油脂組成物に含まれるセルロースエーテル全体のうち、60質量%以上が油相に含まれるのが好ましく、70質量%以上が油相に含まれるのがより好ましく、80質量%以上が油相に含まれるのがより一層好ましく、90質量%以上が油相に含まれるのが更に好ましく、95質量%以上が油相に含まれるのが最も好ましい。
本発明において、可塑性油脂組成物に含まれるセルロースエーテルの含有量は、HPLCにより測定される。
(有機酸モノグリセリン脂肪酸エステル)
本発明の可塑性油脂組成物は、乳化剤として有機酸モノグリセリン脂肪酸エステルを更に含有することにより、焼成品の歯切れが向上することから、有機酸モノグリセリン脂肪酸エステルを含有することが好ましい。
有機酸モノグリセリン脂肪酸エステルの種類は、特に限定されないが、例えば、コハク酸モノグリセリン脂肪酸エステル、クエン酸モノグリセリン脂肪酸エステル、酢酸モノグリセリン脂肪酸エステル、ジアセチル酒石酸モノグリセリン脂肪酸エステル、乳酸モノグリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。これらにうち、コハク酸モノグリセリン脂肪酸エステル、クエン酸モノグリセリン脂肪酸エステルを用いることが好ましい。有機酸モノグリセリン脂肪酸エステルは、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
可塑性油脂組成物中の有機酸モノグリセリン脂肪酸エステルの含有量は、特に限定されないが、焼成品の歯切れがより良好となることから、組成物全体の質量に対して0.05〜5.0質量%であることが好ましく、0.1〜3.0質量であることが好ましく、0.3〜1.5質量%であることが更に好ましい。
本発明において、有機酸モノグリセリン脂肪酸エステルの分析は、HPLC−MS/MSにより行う。
(その他)
本発明の可塑性油脂組成物は、上記以外の従来の公知の成分を含んでもよく、含まなくてもよい。
本発明の可塑性油脂組成物は、水相を実質的に含有しない形態と、水相を含有する形態のいずれの形態であってもよい。水相を含有する形態の場合、本発明の可塑性油脂組成物は、特に限定されないが、例えば、マーガリン類であってもよい。また、水相を含有する乳化形態は、特に限定されないが、例えば、油中水型、水中油型、油中水中油型、水中油中水型等が挙げられる。この場合の油相の含有量は、可塑性油脂組成物の全体の質量に対して、好ましくは55〜99.95質量%であり、より好ましくは60〜99.4質量%であり、より好ましくは65〜98質量%である。また、水相の含有量は、可塑性油脂組成物の全体の質量に対して、好ましくは0.5〜45質量%であり、より好ましくは、0.6〜40質量%であり、更に好ましくは、2〜35質量%である。乳化形態は、特に再加熱時の焼成品の歯切れ、口溶け、液状油の染みだしの生じにくさ、生地への分散性、生地の伸展性に優れる点で、油中水型が好ましい。
マーガリン類とは、マーガリン又はファットスプレッドのことを指す。マーガリンは、油脂を80質量%以上含み、ファットスプレッドは、油脂を80質量%未満含む。
水相を実質的に含有しない形態としては、ショートニングが挙げられる。本発明において、「実質的に含有しない」とは、水分(揮発分を含む。)の含有量が0.5質量%以下であることである。
本発明の可塑性油脂組成物は、有機酸モノグリセリン脂肪酸エステル以外の乳化剤を含んでもよく、含まなくてもよいが、そのような乳化剤としては、例えば、レシチン、トリグリセリンモノ脂肪酸エステル、ペンタグリセリンモノ脂肪酸エステル等のポリグリセリン脂肪酸エステルの他、モノグリセリンモノ脂肪酸エステル(モノグリセリンモノステアリン酸エステル等)、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。本発明の可塑性油脂組成物が練り込み用である場合、焼成品のソフトさが維持されるため、モノグリセリンモノ脂肪酸エステルを用いることが好ましい。
本発明の可塑性油脂組成物は、上記成分以外に、従来の公知の成分を含んでもよく、含まなくてもよい。そのような公知の成分としては、特に限定されないが、例えば、乳、乳製品、蛋白質、糖質、塩類、卵加工品、酸味料、pH調整剤、抗酸化剤、調味料、コンソメ・ブイヨン等の植物及び動物エキス、ウイスキー・ウォッカ・ブランデー等の蒸留酒、ワイン・日本酒・ビール等の醸造酒、各種リキュール、乳製品を酵素処理した呈味剤、香辛料、着色成分、香料等の食品素材や食品添加物が挙げられる。乳としては、例えば、牛乳等が挙げられる。乳製品としては、脱脂乳、クリーム、チーズ(ナチュラルチーズ、プロセスチーズ等)、発酵乳、濃縮乳、脱脂濃縮乳、無糖れん乳、加糖れん乳、無糖脱脂れん乳、加糖脱脂れん乳、全粉乳、脱脂粉乳、クリームパウダー、ホエイパウダー、タンパク濃縮ホエイパウダー、ホエイ蛋白コンセントレート(WPC)、ホエイ蛋白アイソレート(WPI)、バターミルクパウダー、トータルミルクプロテイン、カゼインナトリウム、カゼインカリウム等が挙げられる。蛋白質としては、大豆蛋白、エンドウ豆蛋白、小麦蛋白等の植物蛋白等が挙げられる。糖質としては、単糖(グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース等)、二糖類(ラクトース、スクロース、マルトース、トレハロース等)、オリゴ糖、糖アルコール、デンプン、デンプン分解物、多糖類等が挙げられる、抗酸化剤としては、例えば、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸誘導体、トコフェロール、トコトリエノール、リグナン、ユビキノン類、キサンチン類、オリザノール、植物ステロール、カテキン類、ポリフェノール類、茶抽出物等が挙げられる。香辛料としては、例えば、カプサイシン、アネトール、オイゲノール、シネオール、ジンゲロン等が挙げられる。着色成分としては、例えば、カロテン、アスタキサンチン、アナトー等が挙げられる。香料としては、バターフレーバー、ミルクフレーバー等が挙げられる。
本発明の可塑性油脂組成物の用途は特に限定されず、製菓又は製パン用、バタークリーム用、スプレッド用に用いることができる。特に、本発明の可塑性油脂組成物は、再加熱時の焼成品の歯切れが向上することから、製菓又は製パン用として用いることが好ましい。製菓又は製パン用としては、ロールイン用、練り込み用等が挙げられる。
<可塑性油脂組成物の製造方法>
本発明の可塑性油脂組成物は、公知の方法により製造することができる。例えば、本発明の可塑性油脂組成物が、油相中にセルロースエーテルを含む場合、まず、油脂とセルロースエーテルを混合し、油脂中にセルロースエーテルを分散させて、油相を作製する。可塑性油脂組成物が水相を含有する形態(マーガリン類等)である場合、本発明の油脂組成物を含む油相と水相とを、適宜に加熱し混合して乳化した後、コンビネーター、パーフェクター、ボテーター、ネクサス等の冷却混合機により急冷捏和し、必要に応じて熟成(テンパリング)し得ることができる。ロールイン用である場合、例えば、シート状、ブロック状、円柱状、直方体状、ペンシル状等の様々な形状とすることができる。その中でも、加工が容易である点等から、シート状とすることが好ましい。ロールイン用可塑性油脂組成物をシート状とした場合のサイズは、特に限定されないが、例えば、幅50〜1000mm、長さ50〜1000mm、厚さ1〜50mmとすることができる。水相を含有しない形態のもの(ショートニング)は、本発明の油脂組成物を含む油相を加熱した後、コンビネーター、パーフェクター、ボテーター、ネクサス等の冷却混合機により急冷捏和し、必要に応じて熟成(テンパリング)し得ることができる。
本発明の可塑性油脂組成物の製造に用いられる油脂としては、特に限定されないが、パーム系油脂、ラウリン系油脂、豚脂(ラード)、牛脂、菜種油、大豆油、綿実油、ヒマワリ油、米油、サフラワー油、オリーブ油、ゴマ油、乳脂、それらの分別油又はそれらの加工油(硬化及びエステル交換反応のうち1つ以上の処理がなされたもの)等が挙げられる。油脂中のSSU型トリグリセリド及びSUS型トリグリセリドの合計含有量のバランスを適宜調整するために、これらの油脂としては、1種あるいは2種以上を選択して含有させることが好ましい。上記油脂に融点が50℃以上の極度硬化油を含有させる場合、極度硬化油の添加量が油脂全体の質量に対して、5質量%以下であると、可塑性油脂組成物の口溶けを損なわない。この点で、可塑性油脂組成物の製造に用いられる油脂は、融点が50℃以上の極度硬化油を、油脂全体の質量に対して5質量%以下含有することが好ましい。パーム系油脂とは、パーム油、パーム油の分別油又はそれらの加工油(硬化及びエステル交換反応のうち1つ以上の処理がなされたもの)であればいずれでもよく、具体的には、1段分別油であるパームオレイン(パーム分別軟質油)、パームステアリン、パームオレインの2段分別油であるパームオレイン(パームスーパーオレイン)及びパームミッドフラクション、パームステアリンの2段分別油であるパームステアリン(ソフトステアリン)、パームステアリン(スーパーステアリン)等が挙げられる。また、ラウリン系油脂としては、特に限定されないが、ヤシ油やパーム核油、それらの分別油又はそれらの加工油(硬化及びエステル交換反応のうち1つ以上の処理がなされたもの)等が挙げられる。
上記油脂のうち、本発明の可塑性油脂組成物の製造には、エステル交換油脂を使用することが好ましく、エステル交換油脂の中でも、ラウリン系油脂とパーム系油脂とをエステル交換反応したものが好ましい。特に、高温や経時による液状油の染みだしや長期保存による硬さ変化が少なく、可塑性油脂組成物の保形性に優れるという点で、ラウリン系油脂とパーム系油脂のエステル交換油脂を含有することが好ましく、ラウリン系油脂5質量%以上30質量%未満と、パーム系油脂70質量%超95質量%以下とをエステル交換反応したものが好ましく、更に好ましくは、ラウリン系油脂10〜28質量%と、パーム系油脂72〜90質量%とをエステル交換反応したものである。ラウリン系油脂とパーム系油脂の質量%が、この範囲内であると、可塑性油脂組成物の口溶けがよくなり、低温から高温までの広温度域において可塑性を有する可塑性油脂組成物を得ることができる。
可塑性油脂組成物の口溶けに優れるという点で、上記エステル交換油脂は、油脂配合中に5〜50質量%含有することが好ましい。上記エステル交換油脂中の構成脂肪酸の総炭素数40〜46であるトリグリセリド量は、5〜40質量%が好ましく、10〜40質量%がより好ましく、10〜35質量%がより好ましい。
可塑性油脂組成物の口溶けがよく、低温から高温までの広温度域において可塑性を有する可塑性油脂組成物を得ることができる点で、上記エステル交換油脂のヨウ素価は、20〜45の範囲内であるのが好ましく、更に好ましくは、20〜40の範囲内である。これらの範囲内のヨウ素価を持つ上記エステル交換油脂は、結晶核となりやすく、他の油脂との相溶性が極めてよいため、上記エステル交換油脂を原料に用いると、長期保存しても液状油の染みだしや硬さの変化等の極めて少ない安定性に優れた可塑性油脂を得ることができる。
<可塑性油脂組成物が添加された食品>
本発明は、上記可塑性油脂組成物が添加された食品を包含する。
食品は、特に限定されないが、焼成品であることが好ましい。焼成品は、特に限定されないが、例えば、製菓(例えば、パイ、ケーキ(パウンドケーキ等)、クッキー、ビスケット、クラッカー、ワッフル、スコーン、シュー、ドーナツ等)、製パン(食パン、菓子パン、クロワッサン、デニッシュ、ベーグル、ロールパン、コッペパン等)等が挙げられる。
<可塑性油脂組成物及び焼成品の製造>
(エステル交換油脂の製造)
[エステル交換油脂1]
パーム核極度硬化油25質量%、パーム分別軟質油45質量%、パーム油極度硬化油30質量%を混合し、触媒としてナトリウムメチラート添加し、減圧下で、エステル交換反応した。エステル交換反応後、水洗、脱水、脱色しエステル交換油脂1を得た。エステル交換油脂1のSUS含量は14.0質量%、SSU含量は28.0質量%、ヨウ素価は26であった。
[エステル交換油脂2]
パーム核極度硬化油20質量%、パーム分別軟質油55質量%、パーム油極度硬化油25質量%を混合し、触媒としてナトリウムメチラート添加し、減圧下で、エステル交換反応した。エステル交換反応後、水洗、脱水、脱色しエステル交換油脂2を得た。エステル交換油脂2のSUS含量は14.7質量%、SSU含量は29.4質量%、ヨウ素価は32であった。
[エステル交換油脂3]
パーム分別軟油を用いて、エステル交換反応した。エステル交換反応後、水洗、脱水、脱色、脱臭しエステル交換油脂3を得た。エステル交換油脂3のSUS含量は11.1質量%、SSU含量は22.3質量%、ヨウ素価は56であった。
(練り込み用マーガリンの製造)
後述する表1に示す油脂配合で調合した油脂82.5質量%に、表1に示す量となるように、乳化剤を添加し、実施例1〜10、比較例4〜7については、更にセルロースエーテルを添加して混合し、75℃に調温して油相とした。一方、マーガリン全体が100質量%となるように水の量を適宜調整し、脱脂粉乳1.5質量%を添加し、85℃で加熱殺菌して水相を得た。次に、該油相に該水相を添加し、プロペラ攪拌機で攪拌して、油中水型に乳化した後、コンビネーターによって急冷捏和し、可塑性油脂組成物である、実施例1〜10、比較例1〜7に係る練り込み用マーガリンを製造した。
(練り込み用ショートニングの製造)
後述する表2に示す油脂配合で調合した油脂に、表2に示す量となるように、乳化剤を添加し、実施例11〜20、比較例11〜14については更にセルロースエーテルを添加して混合し、75℃に調温した後、コンビネーターによって急冷捏和して、可塑性油脂組成物である、実施例11〜20、比較例8〜14に係る練り込み用ショートニングを製造した。
(ロールイン用マーガリンの製造)
後述する表3に示す油脂配合で調合した油脂82.5質量%に、実施例21、22、30、31、比較例16については乳化剤を添加し、実施例21〜32、比較例17〜20については、更にセルロースエーテルを添加して混合し、75℃に調温して油相とした。一方、マーガリン全体が100質量%となるように水の量を適宜調整し、脱脂粉乳2.0質量%、食塩1.0質量%を添加し、85℃で加熱殺菌して水相を得た。次に、該油相に該水相を添加し、プロペラ攪拌機で攪拌して、油中水型に乳化した後、コンビネーターによって急冷捏和し25cm×21cm×1cmのシート状に成型して、可塑性油脂組成物である、実施例21〜32、比較例15〜20に係るロールイン用マーガリンを得た。
(乳化剤)
上記実施例、比較例の油脂組成物の作製に用いたセルロースエーテル、乳化剤を以下に示す。配合割合は、後述する表1〜3に記載されたとおりである。
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(メトセルK4M、ゲル化温度77.4℃、ダウ・ケミカル社製)
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(メトセルK100M、ゲル化温度72.1℃、 ダウ・ケミカル社製)
メチルセルロース(メトセルA15、ゲル化温度55.7℃、ダウ・ケミカル社製)
モノグリセリンモノステアリン脂肪酸エステル(エマルジーMS、理研ビタミン株式会社製)
コハク酸モノグリセリン脂肪酸エステル(ポエムB−10、理研ビタミン株式会社製)
クエン酸モノグリセリン脂肪酸エステル(ポエムK−30、理研ビタミン株式会社製)
(食パンの製造)
後述する表1、2に示す実施例1〜10及び比較例1〜8に係る練り込み用マーガリン、実施例11〜20、比較例8〜14に係る練り込み用ショートニングを用いて、食パンを製造した。具体的には、まず、イーストを分散させた水、イーストフード、及び強力粉をミキサーボールに投入し、フックを使用し、低速4分、中低速1分でミキシングを行った。捏上げ温度は24℃であった。その後、27℃、湿度75%の条件で4時間発酵を行った。発酵の終点温度は29℃であり、発酵後、中種生地を得た。その後、マーガリン又はショートニング以外の材料及び中種生地を、低速3分、中高速3分でミキシングした後、マーガリン又はショートニングを投入し、更に低速3分、中低速4分でミキシングしパン生地を得た。捏上温度は28℃であった。その後、室温で20分フロアタイムをとった後、成型して、38℃、湿度80%のホイロで45分発酵させた後、200℃で40分間焼成して、実施例1〜20及び比較例1〜14に係る食パンを得た。焼成した食パンを室温で放冷させた後、20℃の恒温槽に保存した。以上で述べた食パンの配合は下記に示す。なお、比較例3、比較例10に係る食パンについては、ミキシングの際に、後述する表1、表2に示す量となるように、生地にセルロースエーテルを添加した。
[食パンの配合]
・中種配合
強力粉 70質量部
イースト 2.5質量部
イーストフード 0.1質量部
水 40質量部
・本捏配合
強力粉 30質量部
上白糖 6質量部
食塩 1.8質量部
脱脂粉乳 2質量部
本発明の練り込み用マーガリン又はショートニング 5質量部
水 25質量部
(デニッシュの製造)
下記の配合及び製造条件でデニッシュを製造した。具体的には、後述する表3に示す実施例21〜32及び比較例15〜20に係るロールイン用マーガリン、及び市販の練り込み用マーガリン以外の材料をミキサーに投入し、低速3分、中低速5分ミキシングを行った後、市販の練り込み用マーガリンを入れ低速2分、中低速4分ミキシングを行い、生地を得た。この生地を、フロアタイムをとった後、0℃で一晩リタードさせた。この生地にロールイン用マーガリンを折り込み、3つ折り2回を加え−10℃にて30分リタードし、3つ折り1回を加え−10℃にて60分リタードさせた。その後シーターゲージ厚3mmまで延ばし、10cm角(10cm×10cm)にカットし、ホイロ後、焼成してデニッシュを得た。
[デニッシュの配合]
強力粉 90質量部
薄力粉 10質量部
上白糖 8質量部
食塩 1.8質量部
全卵(正味) 5質量部
脱脂粉乳 3質量部
市販の練り込み用マーガリン
(アドフリー700ミヨシ油脂製乳化剤無添加マーガリン) 8質量部
イースト 4質量部
イーストフード 0.1質量部
水 57質量部
本発明のロールイン用マーガリン 生地100質量部に対して20質量部

[デニッシュの製造条件]
ミキシング: 低速3分、中低速5分、(市販の練り込み用マーガリン投入)、低速2分
、中低速4分
捏上温度: 25℃
フロアタイム:27℃ 75% 30分
リタード: 0℃ 一晩
ロールイン: 3つ折×2回 −10℃にてリタード30分
3つ折×1回 −10℃にてリタード60分
成型: シーターゲージ厚3mm
ホイロ: 35℃ 75% 60分
焼成: 200℃ 15分
<評価>
製造したマーガリン、ショートニング及びそれぞれ添加された焼成品(食パン又はデニッシュ)に関して、それぞれ、マーガリン又はショートニングからの液状油の染みだし、再加熱時の焼成品の歯切れ及び口溶けについて、評価を行った。また、練り込み用である実施例1〜10、比較例1〜7に係るマーガリン、及び実施例11〜20、比較例7〜14に係るショートニングについては、生地への分散性を評価した。ロールイン用である実施例21〜32、比較例15〜20に係るマーガリンについては、生地の伸展性を評価した。
(液状油の染みだしの評価)
液状油の染みだしについては、マーガリン又はショートニングを3×3×3cm角にカットし、35℃の恒温槽にて3日保存したときの液状油の染みだしを目視にて評価した。評価基準は、全く染みだしがない場合、「5」とし、若干染みだしがある場合、「4」とし、染みだしがある場合、「3」とし、染みだしが多くある場合、「2」とし、染みだしが大きく広がっている場合、「1」とした。
(生地への分散性の評価)
生地への分散性については、生地に添加したときのマーガリン又はショートニングの塊がなくなる時間を目視により評価した。評価基準は、1分超〜1分30秒以内で分散した場合、「5」とし、1分30秒超〜2分以内で分散した場合、「4」とし、2分超〜2分30秒以内で分散した場合、「3」とし、2分30秒超〜3分以内で分散した場合、「2」とし、3分超で分散した場合、「1」とした。
(生地の伸展性の評価)
生地の伸展性については、約2kgの生地にロールイン用マーガリン400gをのせ、折り込み時のロールイン用マーガリンの伸展性を評価した。評価基準は、生地中で油脂が均一に伸び、伸展性が非常に良好である場合、「5」とし、生地中で油脂が均一に伸び、伸展性が良好である場合、「4」とし、生地中で油脂がやや不均一に伸びるが、伸展性が良好である場合、「3」とし、生地中で油脂が不均一に伸び、やや油脂切れがある場合、「2」とし、平均点が1.5未満である場合、「1」とした。
(再加熱時の焼成品の歯切れの評価)
再加熱時の焼成品の歯切れについては、食パン(12mm厚にスライスしたもの)又はデニッシュを電子レンジ(500W、15秒間)で加熱後、パネル12名により喫食し、官能評価を行った。評価基準は、12名中10名以上が良好であると評価した場合、「5」とし、12名中8〜9名が良好であると評価した場合、「4」とし、12名中6〜7名が良好であると評価した場合、「3」とし、12名中4〜5名が良好であると評価した場合、「2」とし、12名中3名以下が良好であると評価した場合、「1」とした。
(再加熱時の焼成品の口溶けの評価)
再加熱時の焼成品の口溶けについては、食パン(12mm厚にスライスしたもの)又はデニッシュを電子レンジ(500W、15秒間)で加熱後、パネル12名により喫食し、官能評価を行った。評価基準は、12名中10名以上が良好であると評価した場合、「5」とし、12名中8〜9名が良好であると評価した場合、「4」とし、12名中6〜7名が良好であると評価した場合、「3」とし、12名中4〜5名が良好であると評価した場合、「2」とし、12名中3名以下が良好であると評価した場合、「1」とした。
<評価結果>
練り込み用マーガリンについての実施例1〜10及び比較例1〜7の組成及び評価結果について、下記の表1に示す。なお、表中の「HPMC」は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、「MC」は、メチルセルロースのことを指す。
Figure 0006429642
練り込み用ショートニングについての実施例11〜20及び比較例8〜14の組成及び評価結果について、下記の表2に示す。
Figure 0006429642
ロールイン用マーガリンについての実施例21〜32及び比較例15〜20の組成及び評価結果について、下記の表3に示す。
Figure 0006429642
実施例1〜32に係る可塑性油脂組成物は、2飽和−1不飽和型トリグリセリドと3飽和型トリグリセリドとの合計含有量が、油脂全体の質量に対して35〜65質量%であり、SSU型トリグリセリドに対するSUS型トリグリセリドの質量比が0.3〜1.5であり、セルロースエーテルを含有するものである。これら実施例1〜32に係る可塑性油脂組成物は、液状油の染みだし、生地への分散性又は生地の伸展性、再加熱時の焼成品の歯切れ、及び再加熱時の焼成品の口溶けの全ての評価のバランスが優れていた。これに対し、比較例1〜20に係る可塑性油脂組成物で、液状油の染みだし、生地への分散性又は生地の伸展性、再加熱時の焼成品の歯切れ、及び再加熱時の焼成品の口溶けの全てのバランスが優れているものはなかった。この結果から、実施例1〜32に係る可塑性油脂組成物は、2飽和−1不飽和型トリグリセリドと3飽和型トリグリセリドとの合計含有量が、油脂全体の質量に対して35〜65質量%であり、SSU型トリグリセリドに対するSUS型トリグリセリドの質量比が0.3〜1.5であり、セルロースエーテルを含有することによって、液状油の染みだし、生地への分散性又は生地の伸展性、再加熱時の焼成品の歯切れ、及び再加熱時の焼成品の口溶けのバランスに優れることが示された。
それぞれの比較例について具体的に検討すると、比較例1、2、8、9、15及び16に係る可塑性油脂組成物は、いずれも再加熱時の焼成品の歯切れの評価が低かった。これらは、2飽和−1不飽和型トリグリセリドと3飽和型トリグリセリドとの合計含有量が、油脂全体の質量に対して35〜65質量%であり、SSU型トリグリセリドに対するSUS型トリグリセリドの質量比が0.3〜1.5であるが、セルロースエーテルを含有しない。これにより、セルロースエーテルを含むことにより、再加熱時の焼成品の歯切れが向上することが示された。他方、比較例3、比較例10に係る食パンは、セルロースエーテルを含むにもかかわらず、再加熱時の焼成品の歯切れの評価が低かった。実施例1〜32は、油脂中にセルロースエーテルが添加されたのに対し、比較例3、比較例10は、食パンの生地に直接添加されたものである。この結果により、再加熱時の焼成品の歯切れが向上するためには、可塑性油脂組成物中にセルロースエーテルを含むことが重要であり、生地に添加しても再加熱時の焼成品の歯切れが向上しないことが示された。
比較例4、11、17に係る可塑性油脂組成物は、SSU型トリグリセリドに対するSUS型トリグリセリドの質量比が0.3未満であり、液状油の染みだし、及び生地への分散性又は生地の伸展性の評価が低かった。この結果により、SSU型トリグリセリドに対するSUS型トリグリセリドの質量比が0.3以上であることにより、液状油の染みだしが生じにくく、生地への分散性又は生地の伸展性が優れることが示された。
比較例5、12及び18に係る可塑性油脂組成物は、SSU型トリグリセリドに対するSUS型トリグリセリドの質量比が1.5超であり、液状油の染みだし、及び生地への分散性又は生地の伸展性の評価が低かった。この結果により、SSU型トリグリセリドに対するSUS型トリグリセリドの質量比が1.5以下であることにより、液状油の染みだしが生じにくく、生地への分散性又は生地の伸展性が優れることが示された。
比較例6、13及び19に係る可塑性油脂組成物は、2飽和−1不飽和型トリグリセリドと3飽和型トリグリセリドとの合計含有量が、油脂全体の質量に対して65質量%超であり、生地への分散性又は生地の伸展性、及び再加熱時の焼成品の口溶けの評価が低かった。この結果により、2飽和−1不飽和型トリグリセリドと3飽和型トリグリセリドとの合計含有量が、油脂全体の質量に対して65質量%以下であることにより、生地への分散性又は生地の伸展性、及び再加熱時の焼成品の口溶けが優れることが示された。
比較例7、14及び20に係る可塑性油脂組成物は、2飽和−1不飽和型トリグリセリドと3飽和型トリグリセリドとの合計含有量が、油脂全体の質量に対して35質量%未満であり、液状油の染みだし、生地への分散性又は生地の伸展性、及び再加熱時の焼成品の歯切れの評価が低かった。この結果により、2飽和−1不飽和型トリグリセリドと3飽和型トリグリセリドとの合計含有量が、油脂全体の質量に対して35質量%以上であることにより、液状油の染みだしが生じにくくなり、生地への分散性又は生地の伸展性、及び再加熱時の焼成品の歯切れが優れることが示された。
実施例1、2、11、12、21、及び22に係る可塑性油脂組成物は、有機酸モノグリセリン脂肪酸エステルを含み、再加熱時の焼成品の歯切れの評価が「5」であった。有機酸モノグリセリン脂肪酸エステルを含む実施例に係る可塑性油脂組成物は、有機酸モノグリセリン脂肪酸エステルを含まない他の実施例に係る可塑性油脂組成物より、再加熱時の焼成品の歯切れの評価が高かった。この結果により、本発明の可塑性油脂組成物は、有機酸モノグリセリン脂肪酸エステルを更に含有することで、再加熱時の焼成品の歯切れが向上することが示唆された。なお、実施例8、9、18、19、30及び31に係る可塑性油脂組成物は、有機酸モノグリセリン脂肪酸エステルを含有するにもかかわらず、有機酸モノグリセリン脂肪酸エステルを含まない他の実施例に係る可塑性油脂組成物と焼成品の歯切れが同等であるのは、セルロースエーテルの量が比較的少ないか、多いためであると推測される。

Claims (6)

  1. 2飽和−1不飽和型トリグリセリドと3飽和型トリグリセリドとの合計含有量が、油脂全体の質量に対して35〜65質量%であり、
    SSU型トリグリセリドに対するSUS型トリグリセリドの質量比が0.3〜1.5であり、
    セルロースエーテルを含有する可塑性油脂組成物。
  2. 製菓又は製パン用である、請求項1に記載の可塑性油脂組成物。
  3. 前記セルロースエーテルは、ゲル化温度が50〜95℃であるセルロースエーテルを含む、請求項1又は2に記載の可塑性油脂組成物。
  4. 前記油脂組成物全体の質量に対する油相の含有量が、55質量%以上である、請求項1から3のいずれかに記載の可塑性油脂組成物。
  5. 有機酸モノグリセリン脂肪酸エステルを更に含有する、請求項1から4のいずれかに記載の可塑性油脂組成物。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の可塑性油脂組成物が添加された食品。
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