JP6422366B2 - 液体吐出ヘッド及び記録装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液体を吐出する液体吐出ヘッド及びそれを備える記録装置に関し、特に、記録媒体に対してインク滴を吐出して記録を行うインクジェット記録ヘッドに関する。
液体吐出ヘッドのうち、例えばインクジェット記録装置に用いられるインクジェット記録ヘッドは、インク滴を吐出するインク吐出口が設けられた記録素子基板と、該記録素子基板を支持する支持部材と、を備えている。記録素子基板には、吐出エネルギーを発生する記録素子がインク吐出口に対応して配設されており、記録素子としては、例えばヒーターのような発熱抵抗素子が使用されている。さらに、支持部材には、記録素子基板へインクを供給するインク供給路が設けられている。
上記インクジェット記録ヘッドでは、記録素子基板に設けられる記録素子の数が多くて、記録媒体に記録できる記録幅が長いほど高速な記録が可能となるため、記録素子数や記録幅の増大化が進められている。近年では、より高速かつ高画質な記録を実現するために、複数の記録素子基板を記録媒体の幅以上の長さにわたって直列に配置したもの(以下、ラインヘッドと呼ぶ。)が注目されている。
ラインヘッドの構成としては、上記のインクジェット記録ヘッドを複数個連結して構成したものや、支持部材を長尺化し、当該支持部材上に上記の記録素子基板を複数並べて構成したものなどが存在する。後者のラインヘッドにおいては、平面視で長方形の記録素子基板を、同種のインクを吐出するインク吐出口の列がすべての記録素子基板に渡って一直線に並ぶように直列に配列すると、隣接する記録素子基板間の境界が複数箇所にでき、各々の境界を挟んで隣り合う2つのインク吐出口の間隔を個々の記録素子基板内のインク吐出口の間隔に揃えることが各記録素子基板の製造誤差の影響で難しい。このため、すべての記録素子基板の同種のインク吐出口列から記録媒体に吐出されたインク滴の間隔に関して等しくならない部分が発生する。この問題を解決するために、長方形の記録素子基板を千鳥配列で並べ、かつ、該記録素子基板の並び方向と直角な方向(この方向は記録媒体の搬送方向に相当し、以下、「主走査方向」と呼ぶ。)から見て該各記録素子基板の長手方向端部の位置が重なるように配置した構成のラインヘッドが従来から提案されている。この千鳥配列の構成では、主走査方向から見たときの、全ての記録素子基板の同種のインク吐出口列から記録媒体に吐出されるインク滴の間隔を等しくすることが先の例に比べて容易なので、各記録素子基板の長手方向端部が重なる箇所での画像の品位低下を抑制できる。
さらに、上記した千鳥配列のラインヘッドよりも小型化を図るための構成として、上記の記録素子基板の外形形状を平面視で平行四辺形とし、該記録素子基板を長尺な支持部材の上に複数並べる際に、その並び方向に対して該記録素子基板の1組の対向辺が傾斜した斜辺となる向きで該記録素子基板を設置しつつ、各記録素子基板の斜辺どうしを密着させた構成(特許文献1参照)が提案されている。特に、当該構成では、各記録素子基板の斜辺どうしを密着させつつ、記録素子基板を主走査方向にずらしながら支持部材の長手方向の一端側から他端側へ設置することにより、主走査方向から見たときの、全ての記録素子基板の同種のインク吐出口列から記録媒体に吐出されるインク滴の間隔を等しくすることが可能となっている。この構成では、上記した千鳥配列のラインヘッドのように、隣り合う記録素子基板どうしを主走査方向に該記録素子基板の主走査方向の幅に相当する距離以上ずらす必要がないため、千鳥配列のラインヘッドよりも小型化が可能である。
また、ラインヘッドの小型化とともに、容易な製造を目的として、平面視で長方形の記録素子基板をキャリアに搭載して記録素子モジュールを構成し、該記録素子モジュールを支持部材上に直列に並べたものも提案されている(特許文献2参照)。
特許第4539549号 米国公表特許第2013/0083120号公報
ラインヘッドを製造する際、記録素子モジュールや記録素子基板などの記録素子部材は接着剤を使用して支持部材上に固着される。当該接着剤として熱硬化性接着剤を使用する場合には、支持部材上に熱硬化性接着剤を介して記録素子部材を配置し、その後、ラインヘッド全体を加熱して接着剤を硬化させる加熱工程が行われる。一般に記録素子部材と支持部材は材料が異なるものが使用され、互いの線膨張係数が異なるので、加熱工程を経て固着された支持部材と記録素子部材が加熱工程による高温状態から常温に戻るときに、支持部材と記録素子部材の間に熱収縮量の差が生じる。そして、当該熱収縮量差に起因して、支持部材と記録素子部材の間に存在する硬化した熱硬化性接着剤(以下、接着領域と呼ぶ。)に応力が働く。
ここで、記録素子部材を支持する支持部材の面にXY直交座標系を定義すると、上記の応力は、該座標系のX軸方向、Y軸方向それぞれに関して接着領域の中心線(接着領域の重心を通る線)を挟んで相対する向きの力で表すことができる。接着領域の中心線を挟んで相対する向きの力は、接着領域の形次第では接着領域の中心線に対して対称に働かない場合があり、この場合には、上述したようにラインヘッドの加熱工程後ヘッド温度が常温に戻る時に接着領域が回転してしまう。例えば、図1の(c1)に示すように、平面視で平行四辺形の記録素子基板4を支持部材2上に液室部材3を介して固定する場合、記録素子基板4と同じように液室部材3の外形が平行四辺形であると、支持部材2と液室部材3の間の接着領域も略平行四辺形となる。このように接着領域が平行四辺形となる場合は、図1(c1)に示すように、液室部材3の中心線Lxを挟んで相対する向きの力が中心線Lxに対して対称に働かない。さらに、液室部材3の中心線Lyを挟んで相対する向きの力も中心線Lyに対して対称に働かない。このため、液室部材3のX軸方向およびY軸方向それぞれの対向する2辺には前記の力が打ち消し合わない部分(図1の(c1)の実線矢印を参照)が存在し、液室部材3の回転が起こりうる。
前述したように接着領域の回転が起きるとその回転に伴い、接着領域上に固定された記録素子基板の位置も移動してしまう。従って、記録素子基板におけるインク吐出口の位置も所望の位置からずれてしまい、インク吐出口からのインク滴が記録媒体に着弾する位置(記録位置)も所望の位置からずれる。その結果、インクによって記録される画像の品位低下を招く。
そこで本発明の目的は、上述した課題に鑑み、上述した支持部材と記録素子基板を備えた液体吐出ヘッドにおいて、当該ヘッドの加熱工程後に記録素子基板が支持部材に対して回転してしまうことを抑制できる液体吐出ヘッドの構成を提供することにある。
本発明の一態様は、支持部材と、該支持部材の上に搭載された液室部材と、該液室部材の上に搭載され、かつ、液体を吐出するための吐出口と吐出エネルギーを発生する記録素子が複数個配列された記録素子基板と、を備えた液体吐出ヘッドに係る。支持部材は、液室部材と異なる線膨張係数を有している。この一態様において、液室部材は、記録素子基板が搭載されている記録素子基板搭載部と、該記録素子基板搭載部と一体的に形成された、記録素子基板が搭載されていない非搭載部と、を有している。
記録素子基板搭載部の平面視の外形は、対向する平行な一組の第1の辺と、該第1の辺に対して傾斜した、対向する一組の第2の辺と、を有する(例えば平行四辺形)。このような外形形状を有する記録素子基板搭載部では、前述したように、液体吐出ヘッドの加熱工程後の徐冷中に記録素子基板が支持部材に対して回転してしまう問題が生じる。これは、液室部材と支持部材の熱膨張係数差に起因して徐冷中に記録素子基板搭載部と支持基板の間の接着領域に働く応力が、該記録素子基板搭載部の中心線を挟んで対称とならない箇所が存在するためである。
そこで、本発明の一態様では、記録素子基板搭載部の両側もしくは片側に非搭載部を追加し、前記徐冷中に記録素子基板搭載部の回転、ひいては記録素子基板の回転が起き難くなるように、その非搭載部の外形形状を工夫している。特に、その非搭載部の平面視の外形は、第1の辺を共有する多角形からなり、かつ前記一組の第2の辺にそれぞれ連続する一組の第3の辺を有する。そして、前記第1の辺と第2の辺により形成される第1の角度が90度よりも大きな場合には、前記第1の辺と第3の辺により形成される第2の角度と前記第1の角度の和である第3の角度が180度よりも大きく、前記第1の角度が90度よりも小さな場合には、前記第3の角度が180度よりも小さくされている(例えば長方形または台形)。このような外形形状にすると、接着領域に働く応力が該記録素子基板搭載部の中心線を挟んで対称とならない箇所は、液室部材の平面視外形が平行四辺形の場合と比べて少なくなって、液室部材の回転が抑制される。
本発明の構成によれば、液体吐出ヘッドの加熱工程後に支持部材に対して液室部材が、ひいては記録素子基板が回転し難くなり、記録素子基板に形成された吐出口の位置ずれを抑制することができる。
第一の実施形態を説明するための図である。 図1(a)のX−X’断面であって、各種のインク流路構成を示した図である。 第一の実施形態の液室部材の外形形状を説明する図である。 各種の実施形態によって回転が抑制されることを説明する図である。 第一の実施形態の変形例によって回転が抑制されることを説明する図である。 第二の実施形態を説明するための図である。 第二の実施形態およびその変形例による液室部材の外形形状を説明する図である。
本発明の一実施形態で用いられる液体吐出ヘッドについて、一般的なインクジェット記録装置を例として簡単に説明する。
本明細書において「記録」とは、文字や図形など有意の情報を形成する場合のみならず、有意や無意を問わず、また人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わない。さらに、広く記録媒体上に画像、模様、パターンなどを形成する場合、または、媒体の加工を行う場合をも包含する。
また「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、布、プラスチックフィルム、金属板、ガラス、セラミック、木材、皮革など、インクを受容可能な物も包含する。
さらに、「インク」とは、上記「記録」の定義と同様に広く解釈されるべきであり、記録媒体に付与されることによって、画像、模様、パターンなどの形成または記録媒体の加工あるいはインクの処理に供され得る液体を含む。したがって、記録に関して用いることが可能なあらゆる液体を包含している。
本明細書では、特許文献1に記載されるような平面視で平行四辺形の外形を有する記録素子基板を使用して、特許文献2に記載されるような記録素子モジュールを作製し、複数の記録素子モジュールを支持部材上に直線状(インライン)に搭載してなる、ラインヘッドの構成を考える。ここで、「記録素子モジュール」とは、液室部材3上に記録素子基板4とFPC、TAB等といった電気配線部材6とを搭載し、記録素子基板4の電気接続用端子と電気配線部材6とをワイヤーやリード等で電気的に接続し、封止部材5により電気接続部の保護を行ったユニットである(図1,図2等参照)。ここで、液室部材3は記録素子基板4を支持する部材であり、かつ記録素子基板4に供給する液体を貯留する液室3aを備える。
当該ラインヘッドを製造する際、記録素子モジュールの最下部に位置する液室部材3が、接着剤を介して支持部材2上に固着される。当該接着剤として熱硬化性接着剤が使用される。この場合、支持部材2上に接着剤を介して記録素子モジュールを配置してなるラインヘッド全体を加熱して接着剤を硬化させる加熱工程が行われる。
液室部材3と支持部材2の線膨張係数が異なるとき、加熱工程を経て固着された支持部材2と液室部材3が加熱工程による高温状態から常温に戻るときに、支持部材2と液室部材3の間に熱収縮量の差が生じる。そして、該熱収縮量差に起因して、支持部材2と液室部材3の間に存在する接着領域(硬化した熱硬化性接着剤)に応力が働く。ここで、液室部材3を支持する支持部材2の面にXY直交座標系を定義すると、上記の応力は、該座標系のX軸方向、Y軸方向それぞれに関して接着領域の中心線(重心を通る線)を挟んで相対する向きの力で表すことができる。この力は、当該中心線から遠い接着領域の周縁部になるほど大きい。なお、X軸方向は複数の記録素子基板4を直列に並べる方向とする。
仮に特許文献2に開示されているように平面視で長方形の支持部材上に平面視で長方形の液室部材が固着された際には、支持部材と液室部材の間の接着領域も平面視で長方形となる。この場合は、接着領域のX軸方向およびY軸方向に関して、上記した接着領域の中心線を挟んで相対する向きの力は当該中心線に対して対称であるため、接着領域は、記録素子基板の吐出口が形成された面(以下、吐出口面と呼ぶ。)に対して垂直な方向に変形するだけである。
一方、平面視で長方形の支持部材2上に固着すべき液室部材3の外形を平面視で平行四辺形とすると、支持部材2と液室部材3の間の接着領域は平面視で略平行四辺形となる。この場合、既に述べたとおり、接着領域の中心線(接着領域の重心を通る線)を挟んで相対する向きの力が当該中心線に対して対称に働かず、接着領域のX軸方向およびY軸方向それぞれの対向する2辺では当該力が相殺されない部位が存在してしまう。結果、前述した吐出口面に垂直な方向の変形に加え、液室部材3の回転も起きてしまう(図1(c1)参照)。
このように液室部材3の回転が起きると、液室部材3上の記録素子基板4もその回転に倣い位置が移動してしまう。記録素子基板4の位置が移動することで、記録素子基板4におけるインク吐出口4aの位置も所望の位置からずれてしまい、インク吐出口4aからのインク滴が記録媒体に着弾する位置(記録位置)も所望の位置からずれる。その結果、インクによって記録される画像の品位低下を招くという問題が発生する。
(第一の実施形態)
本実施形態は上述した問題を解消するための構成であり、図1〜図3を参照しながら説明を行う。
図1(a)は第一の実施形態の液体吐出ヘッド1を模式的に表した図である。第一の実施形態の液体吐出ヘッド1は、液室部材3と記録素子基板4と封止部材5と電気配線部材6からなるユニットである記録素子モジュール7が支持部材2の上に直列(直線状)に複数個配列された構成となっている。記録素子基板4および、これを搭載する液室部材3の記録素子基板搭載部3bは、平面視で記録素子基板4と略同一の平行四辺形の外形を有している。記録素子モジュール7を平面視で長方形の長尺な支持部材2の上に複数並べる際に、その並び方向に対し記録素子基板4の1組の対向辺が傾斜した斜辺となる向きで記録素子基板4が配置されつつ、各記録素子基板4の斜辺どうしが近接している。なお、支持部材2と液室部材3は線膨張係数の異なる材料で構成されている。図1(b)が、記録素子モジュール7を支持部材2上に配列した構成について模式的に表した図である。記録素子基板4と電気配線部材6は、不図示のワイヤーやリード等で電気接続されている。
また、図1の(a)および図2の(a)〜(c)に示すように、各記録素子基板4の表側面(吐出口面)にはインク等の液体を吐出するための複数の吐出口4aが列状に形成されており、吐出口4aの列(吐出口列)は複数用意されている。記録素子基板4内には、吐出口列毎に各吐出口4aに連通する流路が形成され、各流路内に、吐出エネルギーを発生する記録素子(例えば電気熱変換素子、ピエゾ素子等)が配置されている。そして、記録素子基板4の吐出口面とは反対側の面には、吐出口列毎に形成された複数の流路に一括的にインク等の液体を供給する液体供給口4bが複数形成されている。液室部材3には、記録素子基板4の複数の液体供給口4bにそれぞれ連通する複数の液室3aが形成されている。さらに、支持部材2には、液室3aに連通する液体供給路2aが形成されている。液体供給路2aに関しては、図2の(a),(b)に示すように、複数の液室3aそれぞれに対応して複数の液体供給路2aが形成されていてもよいし、図2(c)に示すように、複数の液室3aに一括的に連通する一つの液体供給路2aが形成されていてもよい。図2の(a),(b)の構成は、記録素子基板4の吐出口面における複数の吐出口列をインクの種類毎(例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック等の染料インクもしくは顔料インク)に使用する場合に有効である。
図1の(a),(b),(c1),(c2)および図3に示すように、液室部材3は、その中央位置に、平面視で平行四辺形の記録素子基板4を搭載する記録素子基板搭載部3bを有する。記録素子基板搭載部3bは平面視で記録素子基板4と略同一の外形形状(平行四辺形)に形成されている。液室部材3の、記録素子基板搭載部3bを挟んで両側の部分は、記録素子基板4が搭載されない非搭載部3cである。このように非搭載部3cを記録素子基板搭載部3bの両側に設けることで、支持部材2と液室部材3とのY方向に関する相対的なずれを抑制できる。非搭載部3cは記録素子基板搭載部3bと一体的に、同一平面に形成されている。なお、非搭載部3cの上には、電気配線部材6および封止部材5が配設される。また、本実施形態の記録素子基板搭載部3bの外形形状は平行四辺形としたが、本発明ではこれに限られず、対向する実質的に平行な一組の第1の辺3b−1と、第1の辺3b−1に対して傾斜した対向する一組の第2の辺3b−2と、からなる四角形(例えば等脚台形以外の台形、菱型など)であればよい。
記録素子基板搭載部3bの領域は平面視で記録素子基板4と略同一の平行四辺形にされているため、記録素子基板搭載部3bの裏面と支持部材2の間の接着領域の外形も略平行四辺形となり、前述したように接着領域の回転が起こりやすい。図1(c1)の比較例に示すように、非搭載部3cの形状を、記録素子基板搭載部3bの一組の第2の辺3b−2(平行四辺形の斜辺)に沿って記録素子基板搭載部3bの外形を延長拡大した形状とすると、接着領域も平行四辺形のまま拡大されるだけであり、前述した接着領域の回転の発生は抑制されない。
そこで、本発明では、液室部材3の非搭載部3cの外形形状を工夫することによって、非搭載部3cを、液室部材3の回転を抑制するための回転抑制部として利用している。第一の実施形態の非搭載部3cの外形形状は、図1(c2)および図3に示すように、平面視で平行四辺形の記録素子基板搭載部3bの一組の第2の辺3b−2にそれぞれ連続する一組の第3の辺3c−1を有する形状とされ、該各第3の辺3c−1が記録素子基板搭載部3bの第1の辺3b−1に略垂直な方向(図中の中心線Lxに平行な方向)に延在する辺となっている。言い換えると、非搭載部3cの一組の第3の辺3c−1が比較例のように記録素子基板搭載部3bの一組の第2の辺3b−2それぞれの延長線Le上に存在している形状ではなく、辺3b−2の方向と辺3c−1の方向とは交差している。特に、本実施形態の非搭載部3cの外形形状は、記録素子基板搭載部3bの第1の辺3b−1を一つの長辺として共有する略長方形の形状とされている。これは、上述した接着領域に、比較例よりも応力ができるだけ対称に働くようにしたものである。なお、記録素子基板搭載部3bの中心線Lxは記録素子基板搭載部3bの表面に平行な面内において記録素子基板搭載部3bの形状の重心を通り、記録素子基板搭載部3bの第1の辺3b−1に略垂直な線である。
図3に示す本実施形態を別の観点で説明すると、液室部材3の記録素子基板4が固定される側の面は、記録素子基板4を固定するための接着剤が塗布される領域である記録素子基板搭載部(第1領域)3bと、第1領域3b以外の領域である非搭載部(第2領域)3cを有する。長方形形状の第2領域3cは、平行四辺形形状の第1領域3bの両側に配されている。また本実施形態においては、平行四辺形形状の記録素子基板4の一辺と電気配線部材6とが電気的に接続されており、電気配線部材6は2つある第2領域のうち一方のみに配されている。
図1の(c1),(c2)を用いて非搭載部3cの形状の違いによる回転抑制効果を説明する。但し、図1の(c1),(c2)では記録素子基板4を省略している。前述したとおり、液室部材3を支持する支持部材2の一面に平行なXY直交座標系を考えたとき、線膨張係数差によって支持部材2と液室部材3の間の接着領域に働く応力は、X軸方向に関しては液室部材3の中心線Lx(重心を通る線)を挟んで相対する向きの力で表され、Y軸方向に関しても液室部材3の中心線Ly(重心を通る線)を挟んで相対する向きの力で表される。この力は、当該X軸方向に関して中心線Lxから遠い液室部材3の周縁部になるほど大きく、Y軸方向に関しても中心線Lyから遠い液室部材3の周縁部になるほど大きい。前記接着領域と液室部材3は同一外形となるため、中心線Lxは前記接着領域の中心線でもある。なお、図1の(c1),(c2)は支持部材2の線膨張係数が液室部材3の線膨張係数よりも大きい場合の例(例えば支持部材2の線膨張係数は30ppm、液室部材3の線膨張係数は15ppm)として示しており、図1の(c1),(c2)中の実線矢印が、支持部材2が熱収縮によって液室部材3に及ぼす力、すなわち支持部材2と液室部材3の間の接着領域に働く力を表している。当該図中の点線矢印は、上記の接着領域に働く力のうち、互いに打ち消し合う力を表している。さらに、実線矢印および点線矢印の長短によって接着領域に働く力の大小を表している。
上記の応力は接着領域のX軸方向およびY軸方向それぞれに対して働くため、X軸方向の応力に基づく反時計回りの回転力と、Y軸方向の応力に基づく時計回りの回転力が発生する。このとき、図1の(c1),(c2)に示した液室部材3のようにX軸方向よりもY軸方向の方が長い外形形状では該X軸方向の応力に基づく回転力は該Y軸方向の応力に基づく回転力よりも小さいので、Y軸方向の応力により生じる時計回りの回転方向へ液室部材3は回転する。
図1の(c1),(c2)から分かるように、第一の実施形態による支持部材2と液室部材3の間の接着領域に働く応力については、比較例による支持部材2と液室部材3の間の接着領域のときと比べて、互いに打ち消し合う力が増加し、液室部材3に働く力が減少している。特にY軸方向にて打ち消し合う力が存在していない箇所が比較例よりも少なくなっている。よって、液室部材3の回転量が減少し、記録素子モジュール7の回転も減少する。
実際に第一の実施形態の液室部材3の形状について、比較例の形状と比べて回転が抑制されているかをシミュレーションした結果が図4(b)である。当該シミュレーションでは、支持部材2の線膨張係数が液室部材3の線膨張係数よりも15ppm大きく、上記ラインヘッドの加熱工程時の温度から75℃下がったという条件で行った。支持部材2と液室部材3とは、支持部材2に固定する液室部材3の底面全面に渡り固定されているという条件で上記シミュレーションを行うことで、接着領域の回転変位を確認している。
図4(a)中のY軸方向に沿った点線Xの位置を、液室部材3の変位を取得する位置(変位取得位置)としている。図4(b)のグラフの横軸は、液室部材3における変位取得位置の中心Xからの距離を表し、当該距離は中心Xを基準に図4(a)の右方向を正の値とし、それの反対の左方向を負の値としている。そして図4(b)のグラフの縦軸は、図4(a)の液室部材3の変位取得位置Xでの上下方向の変位量を表し、当該変位量は図4(a)の上方向を正の値としている。
比較例の結果を見ると、図4(a)の中心Xから左側の領域では図4(a)の上方向に、図4(a)の中心Xから右側方向では図4(a)の下方向にそれぞれ変位していることがわかる。これは、図1の(c2)中の矢印の通りに応力が働き、液室部材3が時計回りに回転していることを示している。一方、図4(b)中の第一の実施形態のグラフを見ると、液室部材3の変位量は比較例よりも減少していることから、液室部材3の回転を抑制する効果が表れている。なお、比較例と第一の実施形態とでは、支持部材2と液室部材3の間に存在する接着領域の面積が同一になるような形状で上記シミュレーションを実施している。
上述したとおり、図1の(c2)に示した外形形状を有する液室部材3(接着領域)を用いることにより、支持部材2と液室部材3の線膨張係数が異なる場合でも、液室部材3の回転、ひいては記録素子モジュール7の回転を抑制できる。
なお、図1の(a),(b)に示したラインヘッドでは、液室部材3の記録素子基板搭載部3bを挟んで両側に位置する2つの非搭載部3cのうちの一方のみに電気配線部材6および封止部材5が配置された構成を示した。しかし、図1(d)に示すように、電気配線部材6や封止部材5は上記2つの非搭載部3c各々に配置されていてもよい。
さらに、液室部材3については、記録素子基板搭載部3bを挟んで両側の位置に非搭載部3cを有する形状を説明してきた。しかし、図5(a)に示すように、非搭載部3cが記録素子基板搭載部3bの片側のみに存在する場合にも本発明の技術思想を適用可能である。その場合の液室部材3の詳細な形状を図5(b)に示す。
図4(b)に示したシミュレーションと同様の条件を用いて、図5(b)の形状で回転が抑制されているかのシミュレーションを行った結果を図5(c)に示す。
図5(c)のグラフの横軸は、液室部材3における変位取得位置の中心Xからの距離を表し、当該距離は中心Xを基準に図5(b)の右方向を正の値とし、それの反対の左方向を負の値としている。そして図5(c)のグラフの縦軸は、図5(b)の液室部材3の変位取得位置Xでの上下方向の変位量を表し、当該変位量は図5(b)の上方向を正の値としている。図5(c)を見て明らかなように、比較例と比べて、第一の実施形態の変形例では変位量が減少しており、液室部材3の回転は抑制されている。
また,第一の実施形態ではいずれも、1枚の液室部材3の上に直接記録素子基板4が搭載されているが,液室部材3が複数枚貼り合わせて構成されていてもよい。つまり、支持部材2と液室部材3との接着領域における互いの線膨張係数が異なれば上述した本発明の効果は得られる。また、液室部材3を複数層で形成する際に、各層(各部材)は同じ部材でも異なる部材でも良い。例えば液室部材3を、アルミナにより形成される部材と樹脂により形成される部材とを積層させた構成でも良い。この場合、液室部材3の、記録素子基板4と接合される側をアルミナの層とし、支持部材2側を樹脂の層とすることで、記録素子基板4の均熱化が図られるので印字品位の向上につながる。
(第二の実施形態)
次に、図6を用いて第二の実施形態について説明する。第二の実施形態は第一の実施形態よりもさらに液室部材3の回転を抑制する構成である。なお、図6では本実施形態に対する理解を助けるため、図6(a)〜(d)の各図からは電気配線部材6や封止部材5が省略されており、図6(b),(d)の図では記録素子基板4も省略されている。図6(a)は第二の実施形態の液体吐出ヘッドの模式図、図6(b)は第二の実施形態による回転抑制効果を説明する図である。図7(a)は第二の実施形態の液室部材3の外形形状を説明する図である。
第二の実施形態の液室部材3における非搭載部3cの外形形状は、図7(a)に示すように、記録素子基板搭載部3bの一組の第2の辺3b−1にそれぞれ連続する一組の第3の辺3c−1を有し、該各第3の辺3c−1が記録素子基板搭載部3bの第1の辺3b−1に垂直な方向(図中の中心線Lxに平行な方向)に延在する形状とされている点では第一の実施形態と同じである。しかし、第一の実施形態では一組の第3の辺3c−1の長さが同じにされているのに対し、第二の実施形態では、一組の第3の辺3c−1のそれぞれから中心線Lxまでの距離d1,d2を比較して、中心線Lxに近い方の一の辺3c−1(図の左側の辺)の長さが、中心線Lxから遠い方の他の辺3c−1(図の右側の辺)よりも長くされている。特に、第二の実施形態の非搭載部3cの外形形状は、それぞれの第3の辺3c−1の長さを変えつつ、記録素子基板搭載部3bの第1の辺3b−1を下底とする台形の形状とされている。
言い換えれば、非搭載部3cの、記録素子基板搭載部3bの中心線Lxから近い方の一の辺3c−1から記録素子基板搭載部3bの中心線Lxから遠い方の他の辺3c−1に向かうほど、非搭載部3cの記録素子基板搭載部3bからの長さが短くなっている。
さらに別の観点では、液室部材3の記録素子基板4が固定される側の面は、記録素子基板4を固定するための接着剤が塗布される領域である記録素子基板搭載部(第1領域)3bと、第1領域3b以外の領域である非搭載部(第2領域)3cを有する。台形形状の第2領域3cは、平行四辺形形状の第1領域3bの両側に配されている。
非搭載部3cの外形形状を前述したような形状とすることで、図6(b)に示すように、Y軸方向にて打ち消し合う力が存在していない箇所が比較例よりも少なくなって、液室部材3の回転がより抑制される。とりわけ本実施形態では、非搭載部3cの、記録素子基板搭載部3bの中心線Lxから近い方の一の辺3c−1から記録素子基板搭載部3bの中心線Lxから遠い方の他の辺3c−1にかけて、非搭載部3cの記録素子基板搭載部3bからの長さを短くしたことより、図1(c2)中の時計方向の回転に対して反対方向に回転する力が増す。結果、第一の実施形態と比べて、Y軸方向にて打ち消し合う力が存在していない箇所に対して働く力が弱まり、当該Y軸方向に力に基づく液室部材3の時計回りの回転が減少する。この事象は、図1(c2)と図6(b)の実線矢印を比較して分かる。
実際にシミュレーションを行った際の結果が図4(b)中の第二の実施形態のグラフである。このグラフから、第一の実施形態よりもさらに液室部材3の回転が抑制されていることが分かる。なお、当該シミュレーションを実施した液室部材3の外形形状は、支持部材2と液室部材3の間に存在する接着領域の面積が比較例および第一の実施形態と同一になるように設定されている。
また、第二の実施形態の変形例による液室部材3の外形形状を図6(c),(d)および図7(b)に示す。図6(a),図7(b)に示した外形形状を有する非搭載部3cでは、電気配線部材6の搭載面積が、電気配線部材6の長さ方向と幅方向で変化している。本変形例は、上述した回転抑制効果を持ちながら、電気配線部材6の搭載面積の変化を極力小さくしたい場合に好適な例である。
本変形例の液室部材3における非搭載部3cの外形形状は、図7(b)に示すように、記録素子基板搭載部3bの第2の辺3b−2にそれぞれ連続する一組の第3の辺3c−1を有し、該各辺3c−1が記録素子基板搭載部3bの第1の辺3b−1に垂直な方向(図中の中心線Lxに平行な方向)に延在する形状とされている点では第一の実施形態と同じである。但し、本変形例では、一組の第3の辺3c−1のそれぞれから中心線Lxまでの距離d1,d2を比較して、中心線Lxに近い方の一の辺3c−1(図の左側の辺)は中心線Lxに平行な直線の辺だけからなる。一方、中心線Lxから遠い方の他の辺3c−1(図の右側の辺)は、途中から段差Aを有して中心線Lx側に平行移動した直線の辺3c−1’に変更されている。
非搭載部3cの外形形状を前述した図7(b)の形状とすることで、図6(d)に示すように、Y軸方向にて打ち消し合う力が存在していない箇所が比較例よりも少なくなって、液室部材3の回転がより抑制される。とりわけ本変形例では、図7(d)のように非搭載部3cの、中心線Lxから遠い方の辺3c−1(図の右側の辺)の延長線近傍の部分が切り欠かれた形状であるため、図1(c2)中の時計方向に回転する力が小さくなる。結果、第一の実施形態と比べて、Y軸方向にて打ち消し合う力が存在していない箇所に対して働く力が弱まり、当該Y軸方向に力に基づく液室部材3の時計回りの回転が減少する。この事象は、図1(c2)と図6(d)の実線矢印を比較して分かる。さらに、中心線Lxから遠い方の辺3c−1とそれに段差Aを介して続く辺3c−1’とを合わせた長さを、中心線Lxから近い方の辺3c−1の長さと同じにしているので、図7(a)の形態と比べて、前述した電気配線部材6の搭載面積の変化を小さくすることができる。
図4(b)中には第二の実施形態の変形例についてシミュレーションを行った際の結果を示してある。第二の実施形態の変形例のグラフから分かるように、先の第二の実施形態よりもやや液室部材3の回転量が増加してしまうが、第一の実施形態よりも液室部材3の回転が抑制されている。もっとも、本変形例によれば、第二の実施形態と比べて、電気配線部材6の搭載面積に偏りを持たせずに、第一の実施形態よりも液室部材3の回転を抑えることができる。なお、当該シミュレーションを実施した液室部材3の外形形状は、支持部材2と液室部材3の間に存在する接着領域の面積が、比較例、第一の実施形態および第二の実施形態と同一になるように設定されている。
以上に説明した液体吐出ヘッド1では、支持部材2上に液室部材3を介して記録素子基板4を搭載する構成になっているが、本発明では液室部材3と記録素子基板4を完全に別体とする必要はなく、液室部材3の上面に記録素子やインク吐出口を作り込まれていてもよい。要するに、支持部材2上に接着固定される部材の外形形状が上述した各実施形態のようになっていれば、当該部材の構造は任意に変更可能である。
また、上述した実施形態の記録素子基板4の外形形状は平行四辺形であるが、本発明に適用される記録素子基板の外形は、任意の辺と、それぞれが該任意の辺に対して傾斜した、対向する2つの斜辺とを少なくとも有する形状であればよく、例えば等脚台形以外の台形や菱形であってもよい。さらに、当該外形を有する記録素子基板4を液室部材3の記録素子基板搭載部3bに搭載したときに該記録素子基板の2つの斜辺と、記録素子基板搭載部3bにおける傾斜した一組の第2の辺3b−2とが略合致するように、記録素子基板搭載部3bの外形を形成することが望ましい。記録素子モジュール7を長尺な支持部材2の上に複数並べる際には、その並び方向に対して、各記録素子基板4の斜辺どうしを近接、または密着させることが望ましい。
さらに、上述した各実施形態では、非搭載部3cの一組の第3の辺3c−1は記録素子基板搭載部3bの第1の辺3b−1に直交する辺になっているが、上述した比較例よりも液室部材3の回転抑制効果が得られるならば、そのような一組の第3の辺3c−1を持つ非搭載部3cの外形形状に本発明は限定されない。すなわち、本願発明では、図3に示すように、第1の辺3b−1と第2の辺3b−2により形成される第1の角度θ1と、第1の辺3b−1と第3の辺3c−1により形成される第2の角度θ2の和である第3の角度が、第1の角度θ1が90度よりも大きい角度をなす一方の第2の辺3b−2に対しては180度よりも大きく(図3の左側のθ1+θ2)、第1の角度θ1が90度よりも小さい角度をなす他方の第2の辺3b−2に対しては180度よりも小さく(図3の右側のθ1+θ2)されていれば、上述した比較例よりも液室部材3の回転抑制効果を得することができる。このような角度の条件を満たせば、非搭載部3の平面視の外形形状はいかなる多角形が含まれる。
1 液体吐出ヘッド
2 支持部材
3 液室部材
4 記録素子基板
4a インク吐出口

Claims (20)

  1. 支持部材と、該支持部材の上に接着剤を介して搭載された、液室を有する液室部材と、該液室部材の上に搭載され、かつ、液体を吐出するための吐出口と吐出エネルギーを発生する記録素子が設けられた記録素子基板と、を備えた液体吐出ヘッドであって、
    前記支持部材が、前記液室部材と異なる線膨張係数を有し、
    前記液室部材は、前記記録素子基板が搭載されている記録素子基板搭載部と、該記録素子基板搭載部と一体的に形成された、前記記録素子基板が搭載されていない非搭載部と、を有し、
    前記記録素子基板搭載部の平面視の外形は、対向する平行な一組の第1の辺と、該第1の辺に対して直交しない、対向する一組の第2の辺と、を有し、
    前記非搭載部の平面視の外形は、前記第1の辺を共有する多角形からなり、かつ前記一組の第2の辺にそれぞれ連続する一組の第3の辺を有し、
    前記第1の辺と第2の辺により形成される第1の角度が90度よりも大きな場合には、前記第1の辺と第3の辺により形成される第2の角度と前記第1の角度の和である第3の角度が180度よりも大きく、前記第1の角度が90度よりも小さな場合には、前記第3の角度が180度よりも小さくされていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 複数の前記液室部材が長尺な前記支持部材に配列され、複数の前記記録素子基板が複数の前記液室部材にそれぞれ搭載されていることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  3. 前記支持部材に搭載された複数の前記液室部材は直線状に並び、かつ、隣り合う2つの前記液室部材の前記第2の辺どうしが近接していることを特徴とする請求項2に記載の液体吐出ヘッド。
  4. 前記記録素子基板搭載部の平面視の外形が前記記録素子基板の平面視の外形と略同じであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  5. 前記第1の辺に直交する線であって前記記録素子基板搭載部の形状の重心を通る線を中心線として定義し、前記一組の第3の辺のうちの、前記中心線から近い方の一の辺と前記中心線から遠い方の他の辺を比べると、該他の辺の方が短いことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  6. 前記記録素子基板および前記記録素子基板搭載部の平面視の外形が平行四辺形であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  7. 前記支持部材には、前記液室部材と、前記記録素子基板と、前記記録素子基板と電気的に接続される電気配線部材と、を含む記録素子モジュールが複数配されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  8. 複数の前記記録素子モジュールは前記支持部材上に直線状に配列されていることを特徴とする請求項7に記載の液体吐出ヘッド。
  9. 前記電気配線部材は、前記記録素子基板の一辺と電気的に接続されていることを特徴とする請求項7または8に記載の液体吐出ヘッド。
  10. 支持部材と、該支持部材の上に接着剤を介して固定された、液体を貯留する液室を有する液室部材と、該液室部材の上に接着剤を介して固定され、液体を吐出するための吐出口と吐出エネルギーを発生する記録素子が設けられた記録素子基板と、を備えた液体吐出ヘッドであって、
    前記支持部材と前記液室部材とは異なる線膨張係数を有し、
    前記液室部材の前記記録素子基板側の面は、前記記録素子基板を固定するための接着剤が設けられている第1領域と、前記第1領域以外の領域である第2領域とを含み、前記第1領域は平行四辺形形状であり、前記第2領域は長方形形状であることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  11. 前記記録素子基板の平面視の形状は平行四辺形であることを特徴とする請求項10に記載の液体吐出ヘッド。
  12. 前記支持部材には、前記液室部材と、前記記録素子基板と、前記記録素子基板と電気的に接続される電気配線部材とを含む記録素子モジュールが複数配されていることを特徴とする請求項10または11に記載の液体吐出ヘッド。
  13. 複数の前記記録素子モジュールは前記支持部材上に直線状に配列されていることを特徴とする請求項12に記載の液体吐出ヘッド。
  14. 前記第2領域は、前記第1領域の両側に設けられていることを特徴とする請求項10から13のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  15. 前記電気配線部材は、前記第2領域の上に設けられていることを特徴とする請求項12または13に記載の液体吐出ヘッド。
  16. 前記電気配線部材は、複数の前記第2領域のうちの1つに設けられていることを特徴とする請求項14に記載の液体吐出ヘッド。
  17. 支持部材と、該支持部材の上に接着剤を介して固定された、液体を貯留する液室を有する液室部材と、該液室部材の上に接着剤を介して固定され、液体を吐出するための吐出口と吐出エネルギーを発生する記録素子が設けられた記録素子基板と、を備えた液体吐出ヘッドであって、
    前記支持部材と前記液室部材とは異なる線膨張係数を有し、
    前記液室部材の前記記録素子基板側の面は、前記記録素子基板を固定するための接着剤が設けられている第1領域と、前記第1領域以外の領域である第2領域とを含み、前記第1領域は平行四辺形形状であり、前記第2領域は台形形状であることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  18. 前記記録素子基板の平面視の形状は平行四辺形であることを特徴とする請求項17に記載の液体吐出ヘッド。
  19. 前記支持部材には、前記液室部材と、前記記録素子基板と、前記記録素子基板と電気的に接続される電気配線部材とを含む記録素子モジュールが複数配されていることを特徴とする請求項17または18に記載の液体吐出ヘッド。
  20. 請求項1から19のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドを備え、該液体吐出ヘッドの吐出口より記録媒体に液体を吐出して記録を行う記録装置。
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