JP6914645B2 - 液体吐出ヘッド及び液体吐出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液体を吐出する液体吐出ヘッド及び液体吐出装置に関する。
インクジェットプリンタのような液体吐出装置は、家庭用印刷に使用されるだけでなく、ビジネス用印刷やリテイルフォト用印刷等の業務用印刷や、電子回路描画やパネルディスプレイ製造等の産業用印刷等にも使用される。このような液体吐出装置では、特に業務用印刷の分野において、高速の印刷が強く要求されている。高速な印刷を可能にする技術としては、液体を吐出する液体吐出ヘッドの幅を被記録媒体の幅よりも長尺にし、液体の吐出口を従来よりも多く配置するライン型ヘッドが考えられている。
液体吐出ヘッドを長尺化する技術としては、吐出口を有する複数の記録素子基板を液体吐出ヘッドの長尺方向に並べたものが提案されている。
特許文献1には、記録素子基板を液体吐出ヘッドの長尺方向に1列に並べる技術が開示されている。
特許文献2には、記録素子基板とその記録素子基板を支持する支持部材とを有する吐出モジュールを複数用意し、その複数の吐出モジュールのそれぞれを個別に取り外し可能な状態で支持プレート上に搭載する方法が記載されている。この方法では、特定の吐出モジュールに不具合が生じても、その不具合が生じた吐出モジュールだけを交換することができる。
特許第4495762号明細書 特許第4824795号明細書
特許文献1及び2に記載の技術を用いて、吐出モジュールを個別に取り外し可能な状態で一列に並べると、互いに隣接する記録素子基板間の距離は、支持部材の加工精度や搭載位置合わせ精度が低いために、これらの精度によって制限されてしまう。このため、互いに隣接する記録素子基板間の距離を十分に短くすることができないことがある。
記録素子基板間の距離が長いと、互いに隣接する記録素子基板の隣接部において、各記録素子基板に設けられた吐出口列の走査方向のズレ幅が大きくなったり、各記録素子基板に設けられた吐出口列の長尺方向の間隔が間延びしたりする。このため、記録される画像における記録素子基板間の隣接部に対応する位置にムラ等が生じてしまうことがある。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、互いに隣接する記録素子基板間の距離を低減することが可能な液体吐出ヘッド及び液体吐出装置を提供することである。
本発明による液体吐出ヘッドは、
液体を吐出するために利用されるエネルギを発生する記録素子を備える第1及び第2記録素子基板と、
前記第1及び第2記録素子基板を夫々支持する第1及び第2支持部材と、
前記第1及び第2支持部材が並設される流路部材と、
を備える液体吐出ヘッドであって
前記第1記録素子基板は、液体を吐出する吐出口を備える吐出口形成部材と、前記記録素子を備える基板と、を含み、
前記基板は、前記記録素子に液体を供給するための液体供給路を備え、
前記第1記録素子基板の前記第1支持部材側の面には、前記液体供給路に連通する開口を備える蓋部材が設けられており、
前記第1記録素子基板の前記第2記録素子基板側の端部は、前記第1支持部材の前記第2支持部材側の端部よりも前記第2記録素子基板側に突出しており、
前記第1記録素子基板の前記突出している部分には、前記吐出口が形成されており、
前記蓋部材は、前記第1記録素子基板の前記突出している部分における前記第1支持部材側の面で、前記液体供給路の壁を形成していることを特徴とする。
本発明によれば、支持部材が並設された方向において、記録素子基板の端部は、その記録素子基板を支持する支持部材の端部よりも外側に突き出ている。このため、互いに隣接する記録素子基板間の距離は、記録素子基板の加工精度や搭載位置合わせ精度で規定することができる。したがって、互いに隣接する記録素子基板間の距離を低減することが可能になる。
本発明の適用例1に係る液体吐出装置の概略構成を示す図である。 本発明の適用例1に係る第1の循環経路を示す模式図である。 本発明の適用例1に係る第2の循環経路を示す模式図である。 本発明の適用例1に係る液体吐出ヘッドの概略構成を示す斜視図である。 本発明の適用例1に係る液体吐出ヘッドの分解斜視図である。 本発明の適用例1に係る流路部材の表面図である。 本発明の適用例1に係る流路部材内の流路の拡大透視図である。 図7のE−E線における断面を示した図である。 本発明の適用例1に係る吐出モジュールを示す模式図である。 本発明の適用例1に係る記録素子基板の平面図である。 図10(a)におけるB−B線における記録素子基板及び蓋部材の断面を示す斜視図である。 本発明の適用例1に係る記録素子基板の隣接部を部分的に拡大して示す平面図である。 本発明の適用例2に係る液体吐出ヘッドの概略構成を示す斜視図である。 本発明の適用例2に係る液体吐出ヘッドの分解斜視図である。 本発明の適用例2に係る流路部材の表面図である。 本発明の適用例2に係る記録素子基板と流路部材との液体の接続関係を示した透視図である。 図16のF−F線における断面を示した図である。 本発明の適用例2に係る吐出モジュールを示す模式図である。 本発明の適用例2に係る記録素子基板の平面図である。 本発明の適用例2に係る液体吐出装置の概略構成を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る液体吐出ヘッドの概略構成を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る液体吐出ヘッドの上面図である。 本発明の第1の実施形態に係る液体吐出ヘッドの吐出口列のズレを示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る記録素子基板間の隣接部の側面図である。 本発明の第1の実施形態に係る液体吐出ヘッドの効果を説明するための図である。 本発明の第4の実施形態に係る液体吐出ヘッドの概略構成を示す図である。 本発明の第4の実施形態に係る互いに隣接する記録素子基板の概略図である。 本発明の第5の実施形態の液体吐出ヘッドの製造工程を説明するためのフローチャートである。
以下、図面を用いて本発明の各適用例及び各実施形態の例を説明する。ただし、以下の記載は本発明の範囲を限定するものではない。以下の各実施形態の液体吐出ヘッドでは、発熱素子により気泡を発生させて液体を吐出するサーマル方式が採用されているが、ピエゾ方式または他の液体吐出方式が採用されても良い。なお、インク等の液体を吐出する本発明の液体吐出ヘッド及び液体吐出ヘッドを搭載した液体吐出装置は、プリンタ、複写機、通信システムを有するファクシミリ、プリンタ部を有するワードプロセッサなどの装置に適用可能である。さらには各種処理装置と複合的に組み合わせた産業記録装置に適用可能である。例えば、バイオチップ作製や電子回路印刷や半導体基板作製などの用途としても用いることができる。
以下の各実施形態の液体吐出装置では、インク等の液体をタンクと液体吐出ヘッド間で循環させる形態が採用されているが、他の形態が採用されても良い。例えば、液体吐出装置は、液体を循環せずに、液体吐出ヘッドの上流側と下流側に2つのタンクを設け、一方のタンクから他方のタンクへ液体を流すことで、圧力室内の液体を流動させる形態でも良い。
以下の各実施形態では、液体吐出ヘッドとして、被記録媒体の幅に対応した長さを有する、所謂ライン型(ページワイド型)の液体吐出ヘッドが採用されている。しかしながら、被記録媒体に対してスキャンを行いながら記録を行うための所謂シリアル型の液体吐出ヘッドが採用されても良い。シリアル型の液体吐出ヘッドとしては、例えば、ブラックインク用及びカラーインク用の記録素子基板を1つずつ搭載するものが挙げられるが、この例に限らない。シリアル型の液体吐出ヘッドは、例えば、数個の記録素子基板を、吐出口列方向に吐出口がオーバーラップするように配置した被記録媒体の幅よりも短いヘッドでもよい。
(適用例1)
(インクジェット記録装置の説明)
図1は、本発明を適用可能な構成の1つである適用例1に係る液体吐出装置の概略構成を示す図である。図1に示す液体吐出装置は、液体としてインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置1000(以下、記録装置とも称す)である。記録装置1000は、被記録媒体2を搬送する搬送部1と、被記録媒体2の搬送方向と略直交して配置されるライン型の液体吐出ヘッド3とを備え、被記録媒体2を連続的もしくは間欠的に搬送しながら1パスで連続記録を行うライン型記録装置である。被記録媒体2は、カット紙でも良いし、連続したロール紙でも良い。液体吐出ヘッド3は液体としてCMYK(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)インクを用いたフルカラー印刷が可能である。また、液体吐出ヘッド3は、後述するように液体を液体吐出ヘッドへ供給する供給路である液体供給手段、メインタンク及びバッファタンク(図2参照)が流体的に接続されている。また、液体吐出ヘッド3には、液体吐出ヘッド3へ電力及び論理信号を伝送する電気制御部が電気的に接続される。液体吐出ヘッド3内における液体経路及び電気信号経路については後述する。
(第1の循環経路の説明)
本適用例の記録装置に適用される、液体を循環させる循環経路について説明する。図2は、本適用例の記録装置に適用される循環経路の一形態である第1の循環経路を示す模式図である。図2において、液体吐出ヘッド3は、第1循環ポンプ(高圧側)1001、第1循環ポンプ(低圧側)1002、及びバッファタンク1003等と流体的に接続している。また、図2では、説明を簡略化するためにCMYKインクの内の一色のインクが流動する経路のみが示されているが、実際には4色分の循環経路が、液体吐出ヘッド3及び記録装置1000本体に設けられている。
サブタンクとして使用されるバッファタンク1003はメインタンク1006と接続される。バッファタンク1003は、そのタンクの内部と外部とを連通する大気連通口(不図示)を有し、インク中の気泡を外部に排出することが可能である。バッファタンク1003は、補充ポンプ1005とさらに接続されている。補充ポンプ1005は、液体吐出ヘッド3の吐出口から液体を吐出または排出する動作によって液体吐出ヘッド3で液体が消費された際に、消費された分のインクをメインタンク1006からバッファタンク1003へ移送する。液体を吐出または排出する動作としては、例えば、記録動作や吸引回復動作などが挙げられる。
2つの第1循環ポンプ1001及び1002は、液体吐出ヘッド3の液体接続部111から液体を引き出してバッファタンク1003へ流す機能を有する。第1循環ポンプとしては、定量的な送液能力を有する容積型ポンプが好ましい。具体的には、第1循環ポンプとしては、チューブポンプ、ギアポンプ、ダイヤフラムポンプ及びシリンジポンプ等が挙げられるが、例えば、一般的な定流量弁やリリーフ弁をポンプ出口に配して一定流量を確保する形態のものでもよい。液体吐出ヘッド3の駆動時には、第1循環ポンプ(高圧側)1001及び第1循環ポンプ(低圧側)1002によって、それぞれ共通供給流路211及び共通回収流路212内を一定量の液体が流れる。この液体の流量は、液体吐出ヘッド3内の各記録素子基板10間の温度差が、記録画像の画質に影響を与えない程度以上に設定されることが好ましい。しかしながら、あまりに大きな流量が設定されると、液体吐出ユニット300内の流路の圧損の影響により、各記録素子基板10間の負圧差が大きくなり過ぎ、画像に濃度ムラが生じてしまう。このため、各記録素子基板10間の温度差と負圧差を考慮しながら、流量を設定することが好ましい。
負圧制御ユニット230は、第2循環ポンプ1004と液体吐出ユニット300との間の経路上に設けられている。負圧制御ユニット230は、記録デューティ(Duty)の差によって循環経路内の流量が変動した場合でも、負圧制御ユニット230よりも下流側の圧力を予め設定した所望の圧力を中心とする一定範囲内に維持するように動作する。負圧制御ユニット230よりも下流側は、負圧制御ユニット230よりも液体吐出ユニット300に近い側である。負圧制御ユニット230は、互いに異なる制御圧が設定された2つの圧力調整機構を備えている。2つの圧力調整機構としては、それ自身よりも下流の圧力を、所望の設定圧を中心とする一定の範囲以下の変動で制御できるものであれば、特に限定されない。圧力調整機構は、例えば、所謂「減圧レギュレーター」を採用することができる。圧力調整機構として減圧レギュレーターを用いた場合、図2に示すように、第2循環ポンプ1004によって、液体供給ユニット220を介して負圧制御ユニット230の上流側を加圧させることが好ましい。この場合、バッファタンク1003の液体吐出ヘッド3に対する水頭圧の影響を抑制できるので、記録装置1000におけるバッファタンク1003のレイアウトの自由度を広げることができる。第2循環ポンプ1004としては、液体吐出ヘッド3の駆動時に使用するインク循環流量の範囲において、一定圧以上の揚程圧を有するものであればよく、ターボ型ポンプや容積型ポンプ等を使用できる。具体的には、第2循環ポンプ1004として、ダイヤフラムポンプ等が適用可能である。また第2循環ポンプ1004の代わりに、例えば負圧制御ユニット230に対して所定の水頭差を有するように配置された水頭タンクを適用することも可能である。
2つの圧力調整機構の内、相対的に高圧設定側の機構と相対的に低圧設定側の機構は、液体供給ユニット220内を経由して、液体吐出ユニット300内の共通供給流路211と共通回収流路212とにそれぞれ接続されている。相対的に高圧設定側の機構は、図2においてHで示され、相対的に低圧設定側の機構は、図2でLと示されている。液体吐出ユニット300には、共通供給流路211、共通回収流路212、及び各記録素子基板と連通する個別供給流路213a及び個別回収流路213bが設けられている。個別流路213(個別供給流路213a及び個別回収流路213b)は、共通供給流路211及び共通回収流路212と連通している。このため、共通供給流路211を流れる液体の一部が、共通供給流路211から記録素子基板10の内部流路を通過して共通回収流路212へと流れる流れ(図2の矢印)が発生する。これは、共通供給流路211には高圧設定側の圧力調整機構Hが接続され、共通回収流路212には低圧設定側の圧力調整機構Lが接続されているため、2つの共通流路(共通供給流路211及び共通回収流路212)間に差圧が生じているからである。
以上のように液体吐出ユニット300では、液体が共通供給流路211及び共通回収流路212のそれぞれを通過しつつ、その液体の一部が各記録素子基板10を通過するような流れが発生する。このため、各記録素子基板10で発生する熱を、共通供給流路211及び共通回収流路212を流れる液体で記録素子基板10の外部へ排出することができる。また、本構成により、液体吐出ヘッド3による記録が行われている際に、記録を行っていない吐出口や圧力室においても液体の流れを生じさせることができるため、それらの部位におけるインクの増粘を抑制できる。また増粘した液体や液体中の異物を共通回収流路212へと排出することができる。このため、本適用例の液体吐出ヘッド3は、高速で高画質な記録が可能となる。
(第2の循環経路の説明)
図3は、本適用例の記録装置に適用される循環経路のうち、上述した第1の循環経路とは異なる第2の循環経路を示す模式図である。第2の循環経路における第1の循環経路との主な相違点は、負圧制御ユニット230を構成する2つの圧力調整機構が共に、負圧制御ユニット230よりも上流側の圧力を制御することである。つまり、この2つの圧力調整機構が共に、この圧力を所望の設定圧を中心とする一定範囲内の変動で制御する機構(所謂「背圧レギュレーター」と同じ作用の機構)となっていることである。また他の相違点は、第2循環ポンプ1004が負圧制御ユニット230の下流側を減圧する負圧源として作用することである。さらに他の相違点は、第1循環ポンプ(高圧側)1001及び第1循環ポンプ(低圧側)1002が液体吐出ヘッド上流側に配置され、負圧制御ユニット230が液体吐出ヘッド下流側に配置されていることである。
第2の循環経路において負圧制御ユニット230は、記録デューティ(Duty)の差によって循環経路内の流量が変動した場合でも、自身の上流側の圧力変動を、予め設定された所望の圧力を中心とする一定範囲内に維持するように動作する。負圧制御ユニット230の上流側とは、負圧制御ユニット230よりも液体吐出ユニット300側のことである。図3に示すように、第2循環ポンプ1004によって、液体供給ユニット220を介して負圧制御ユニット230の下流側が加圧されることが好ましい。この場合、液体吐出ヘッド3に対するバッファタンク1003の水頭圧の影響を抑制できるので、記録装置1000におけるバッファタンク1003のレイアウトの自由度を広げることができる。第2循環ポンプ1004の代わりに、例えば、負圧制御ユニット230に対して所定の水頭差を有するように配置された水頭タンクを適用することが可能である。
図3に示したように負圧制御ユニット230は、第1の循環経路と同様に、互いに異なる制御圧が設定された2つの圧力調整機構を備えている。2つの負圧調整機構の内、高圧設定側(H)の機構と低圧設定側(L)の機構は、液体供給ユニット220内を経由して、液体吐出ユニット300内の共通供給流路211と共通回収流路212とにそれぞれ接続されている。2つの負圧調整機構により共通供給流路211の圧力が共通回収流路212の圧力より相対的に高い。このため、共通供給流路211を流れる液体の一部が、共通供給流路211から個別流路213及び各記録素子基板10の内部流路を介して共通回収流路212へと流れる流れが発生する(図3の矢印)。このように、第2の循環経路では、液体吐出ユニット300に第1の循環経路と同様な液体の流れを作ることができ、さらに第1の循環経路とは異なる2つの利点がある。
第1の利点は、第2の循環経路では負圧制御ユニット230が液体吐出ヘッド3の下流側に配置されているため、負圧制御ユニット230から発生するゴミや異物が液体吐出ヘッド3へ流入する懸念が少ないことである。第2の利点は、第2の循環経路では、バッファタンク1003から液体吐出ヘッド3へ供給する必要のある流量の最大値が、第1の循環経路の場合よりも少なくて済むことである。その理由は次の通りである。
液体を吐出していない記録待機時において、液体吐出ユニット300内の各記録素子基板10間の温度差を所望の範囲内にするために必要な、共通供給流路211及び共通回収流路212内の流量の合計値の最小値を最小循環流量Aとする。また、液体吐出ユニット300の全ての吐出口からインクを吐出する全吐時における吐出流量をFとする。
第1の循環経路の場合(図2の場合)では、第1循環ポンプ(高圧側)1001及び第1循環ポンプ(低圧側)1002の設定流量が最小循環流量Aと等しくなるので、全吐時に必要な液体吐出ヘッド3への液体供給量はA+Fとなる。このため、第1の循環経路における必要供給流量の最大値はA+Fとなる。
一方、第2の循環経路の場合(図3の場合)、記録待機時に必要な液体吐出ヘッド3への液体供給量は最小循環流量Aと等しくなり、全吐時に必要な液体吐出ヘッド3への供給量は、吐出流量Fと等しくなる。このため、第1循環ポンプ(高圧側)1001及び第1循環ポンプ(低圧側)1002の設定流量の合計値はA及びFの大きい方となる。したがって、第2の循環経路における必要供給流量の最大値は、A及びFの大きい方となる。
したがって、同一構成の液体吐出ユニット300を使用する場合、第2の循環経路における必要供給流量の最大値(A又はF)は、第1の循環経路における必要供給流量の最大値(A+F)よりも必ず小さくなる。このため、第2の循環経路の場合、適用可能な循環ポンプの自由度が高まる。したがって、例えば、構成の簡便な低コストの循環ポンプを使用したり、本体側経路に設置される冷却器(不図示)の負荷を低減したりすることができ、記録装置本体のコストを低減できるという利点がある。この利点は、A又はFの値が比較的大きくなるライン型ヘッドで特に顕著となり、ライン型ヘッドの中でも長手方向の長さが長いほど顕著となる。
しかしながら、その一方で、第1の循環経路の方が第2の循環経路よりも有利になる点もある。例えば、第2の循環経路では、記録待機時に液体吐出ユニット300内を流れる流量が最大であるため、記録デューティの低い画像であるほど、各吐出口に高い負圧が印加された状態となる。このため、特に共通供給流路211及び共通回収流路212の流路幅(液体の流れ方向と直交する方向の長さ)を小さくしてヘッド幅(液体吐出ヘッドの短手方向の長さ)を小さくした場合、ムラの見えやすい低デューティ画像で吐出口に高い負圧が印加される。このため、サテライト滴の影響が大きくなる恐れがある。一方、第1の循環経路の場合、高い負圧が吐出口に印加されるのは高デューティ画像の形成時であるため、仮にサテライト滴が発生しても視認されにくい。このため、画像への影響は小さいという利点がある。
液体吐出ヘッド及び記録装置本体の仕様(吐出流量F、最小循環流量A、及びヘッド内流路抵抗など)に応じて第1の循環経路及び第2の循環経路のうちの好ましい方を選択することができる。
(液体吐出ヘッド構成の説明)
適用例1に係る液体吐出ヘッド3の構成について説明する。図4(a)及び図4(b)は本適用例に係る液体吐出ヘッド3の斜視図である。液体吐出ヘッド3は、1つの記録素子基板10でCMYKの4色のインクを吐出可能な記録素子基板10を直線状に15個配列(インラインに配置)したライン型の液体吐出ヘッドである。図4(a)に示すように、液体吐出ヘッド3は、各記録素子基板10と、フレキシブル配線基板40及び電気配線基板90を介して電気的に接続された信号入力端子91及び電力供給端子92とを備える。信号入力端子91及び電力供給端子92は、記録装置1000の制御部(不図示)と電気的に接続され、それぞれ、論理信号及び吐出に必要な電力を記録素子基板10に供給する。電気配線基板90内の電気回路によって配線を集約することで、信号入力端子91及び電力供給端子92の数を記録素子基板10の数に比べて少なくできる。これにより、液体吐出ヘッド3の組み付け時又は液体吐出ヘッド3の交換時に着脱が必要な電気接続部数を少なくできる。図4(b)に示すように、液体吐出ヘッド3の両端部に設けられた液体接続部111は、記録装置1000の液体供給系と接続される。これによりCMYK4色のインクが記録装置1000の供給系から液体吐出ヘッド3に供給され、また液体吐出ヘッド3内を通ったインクが記録装置1000の供給系へ回収される。このように各色のインクは、記録装置1000の経路と液体吐出ヘッド3の経路を介して循環可能である。
図5は、液体吐出ヘッド3を構成する各部品またはユニットの分解斜視図である。図5では、液体吐出ユニット300、液体供給ユニット220、及び電気配線基板90が筺体80に取り付けられている。液体供給ユニット220には、液体接続部111(図3)が設けられるとともに、液体供給ユニット220の内部には、供給される液体中の異物を取り除くため、液体接続部111の各開口と連通する各色別のフィルタ221(図2、図3)が設けられている。2つの液体供給ユニット220は、それぞれに2色分ずつのフィルタ221が設けられている。フィルタ221を通過した液体はそれぞれの色に対応して液体供給ユニット220上に配置された負圧制御ユニット230へ供給される。負圧制御ユニット230は、各色別の圧力調整弁からなるユニットであり、内部に設けられる弁やバネ部材等によって、液体の流量の変動に伴って生じる記録装置1000の供給系内(液体吐出ヘッド3の上流側の供給系)の圧損変化を大幅に減衰させる。これにより、圧力制御ユニットよりも下流側(液体吐出ユニット300側)の負圧変化をある一定範囲内で安定化させることが可能になる。各色の負圧制御ユニット230には、図2で記述したように、各色2つの圧力調整弁が内蔵されており、それぞれ異なる制御圧力に設定される。また、2つの圧力調整弁のうち高圧側が液体供給ユニット220を介して液体吐出ユニット300内の共通供給流路211と連通し、低圧側が液体供給ユニット220を介して液体吐出ユニット300内の共通回収流路212と連通している。
筺体80は、液体吐出ユニット支持部81及び電気配線基板支持部82から構成され、液体吐出ユニット300及び電気配線基板90を支持するとともに、液体吐出ヘッド3の剛性を確保している。電気配線基板支持部82は、電気配線基板90を支持するための部材であって、液体吐出ユニット支持部81にネジ止めにより固定されている。液体吐出ユニット支持部81は液体吐出ユニット300の反りや変形を矯正して、複数の記録素子基板10の相対位置精度を確保する機能を有し、それにより記録される画像におけるスジやムラを抑制する。そのため液体吐出ユニット支持部81は、十分な剛性を有することが好ましく、材料としては、SUS(ステンレス)やアルミ等の金属材料、もしくはアルミナ等のセラミックが好適である。液体吐出ユニット支持部81には、ジョイントゴム100が挿入される開口83及び84が設けられている。液体供給ユニット220から供給される液体は、ジョイントゴム100を介して液体吐出ユニット300を構成する第3流路部材70へと導かれる。
液体吐出ユニット300は、複数の吐出モジュール200及び流路部材210からなり、液体吐出ユニット300の被記録媒体側の面にはカバー部材130が取り付けられる。ここで、カバー部材130は、図5に示したように長尺の開口131が設けられた額縁状の表面を持つ部材であり、開口131からは吐出モジュール200に含まれる記録素子基板10及び封止材部110(図9)が露出している。開口131の周囲の枠部は、記録待機時に液体吐出ヘッド3をキャップするキャップ部材の当接面としての機能を有する。このため、開口131の周囲に沿って接着剤、封止材、充填材等を塗布し、液体吐出ユニット300の吐出口面上の凹凸や隙間を埋めることで、キャップ時に閉空間が形成されるようにすることが好ましい。
次に液体吐出ユニット300に含まれる流路部材210の構成について説明する。図5に示したように、流路部材210は、第1流路部材50、第2流路部材60、第3流路部材70を積層したものである。流路部材210は、液体供給ユニット220から供給された液体を各吐出モジュール200に分配し、また吐出モジュール200から環流する液体を液体供給ユニット220に戻す。流路部材210は液体吐出ユニット支持部81にネジ止めで固定されており、これにより流路部材210の反りや変形が抑制されている。
図6(a)〜(f)は、第1〜第3流路部材の各流路部材の表面と裏面を示した図である。図6(a)は、第1流路部材50の、吐出モジュール200が搭載される側の面を示し、図6(f)は、第3流路部材70の、液体吐出ユニット支持部81と当接する側の面を示す。第1流路部材50及び第2流路部材60は、図6(b)及び図6(c)のそれぞれで示された当接面が互いに対向するように接合し、第2流路部材及び第3流路部材は、図6(d)と図6(e)のそれぞれで示された当接面が互いに対向するように接合する。第2流路部材60及び第3流路部材70を互いに接合すると、第2流路部材60及び第3流路部材70のそれぞれに形成される共通流路溝62及び71により、流路部材の長手方向に延在する8本の共通流路が形成される。これにより色毎に共通供給流路211と共通回収流路212のセットが流路部材210内に形成される(図7)。第3流路部材70の連通口72はジョイントゴム100の各穴と連通しており、液体供給ユニット220と流体的に流通している。第2流路部材60の共通流路溝62の底面には連通口61が複数形成されており、第1流路部材50の個別流路溝52の一端部と連通している。第1流路部材50の個別流路溝52の他端部には連通口51が形成されており、連通口51を介して、複数の吐出モジュール200と流体的に連通している。この個別流路溝52により流路部材の中央側へ流路を集約することが可能となる。
第1〜第3流路部材50〜70は、液体に対する耐腐食性を有し、かつ線膨張率の低い材料で形成されることが好ましい。第1〜第3流路部材50〜70の材料としては、例えば、アルミナ、LCP(液晶ポリマー)、PPS(ポリフェニルサルファイド)またはPSF(ポリサルフォン)を母材として、無機フィラーを添加した複合材料(樹脂材料)が好適である。無機フィラーとしては、シリカ微粒子やファイバー等が挙げられる。流路部材210の形成方法としては、3つの流路部材を積層させて互いに接着しても良いし、材料として樹脂複合樹脂材料を選択した場合には、溶着による接合方法を用いても良い。
次に図7を用いて流路部材210内の各流路の接続関係について説明する。図7は、第1〜第3流路部材を接合して形成される流路部材210内の流路の一部を第1の流路部材50の吐出モジュール200が搭載される面側から拡大してみた透視図である。流路部材210には、色毎に液体吐出ヘッド3の長手方向に延びる共通供給流路211(211a、211b、211c、211d)、及び共通回収流路212(212a、212b、212c、212d)が設けられている。各色の共通供給流路211には、個別流路溝52によって形成される複数の個別供給流路(213a、213b、213c、213d)が連通口61を介して接続されている。また、各色の共通回収流路212には、個別流路溝52によって形成される複数の個別回収流路(214a、214b、214c、214d)が連通口61を介して接続されている。このような流路構成により各共通供給流路211から個別供給流路213を介して、流路部材の中央部に位置する記録素子基板10に液体を集約することができる。また記録素子基板10から個別回収流路214を介して、各共通回収流路212に液体を回収することができる。
図8は、図7のE−E線における断面を示した図である。この図に示すように、それぞれの個別回収流路214a及び214cは、連通口51を介して、吐出モジュール200と連通している。図8では個別回収流路214a及び214cのみ図示されているが、別の断面においては、図7に示すように個別供給流路213と吐出モジュール200とが連通している。各吐出モジュール200に含まれる支持部材30及び記録素子基板10には、第1流路部材50からの液体を記録素子基板10に設けられる記録素子15(図10)に供給するための流路が形成されている。また、各吐出モジュール200に含まれる支持部材30及び記録素子基板10には、記録素子15に供給した液体の一部または全部を第1流路部材50に回収(環流)するための流路が形成されている。ここで、各色の共通供給流路211は対応する色の負圧制御ユニット230(高圧側)と液体供給ユニット220を介して接続されており、共通回収流路212は負圧制御ユニット230(低圧側)と液体供給ユニット220を介して接続されている。この負圧制御ユニット230により、共通供給流路211と共通回収流路212間に差圧(圧力差)を生じさせるようになっている。このため、図7及び図8に示したように各流路を接続した本適用例の液体吐出ヘッド3内では、各色で共通供給流路211〜個別供給流路213a〜記録素子基板10〜個別回収流路213b〜共通回収流路212へと順に流れる流れが発生する。
(吐出モジュールの説明)
図9(a)は、1つの吐出モジュール200の斜視図であり、図9(b)はその分解図である。吐出モジュール200の製造方法としては、先ず、記録素子基板10及びフレキシブル配線基板40を、液体連通口31が予め設けられた支持部材30上に接着する。そして、記録素子基板10上の端子16と、フレキシブル配線基板40上の端子41とをワイヤーボンディングによって電気的に接続し、その後、ワイヤーボンディング部(電気接続部)を封止材部110で覆って封止する。フレキシブル配線基板40の記録素子基板10と反対側の端子42は、電気配線基板90の接続端子93(図5参照)と電気接続される。支持部材30は、記録素子基板10を支持する支持体であるとともに、記録素子基板10と流路部材210とを互いに流体的に連通させる流路部材であるため、平面度が高く、また十分に高い信頼性をもって記録素子基板と接合できるものが好ましい。支持部材30の材質としては、例えば、アルミナや樹脂材料が好ましい。
(記録素子基板の構造の説明)
本適用例における記録素子基板10の構成について説明する。図10(a)は記録素子基板10の吐出口13が形成される側の面の平面図であり、図10(b)は図10(a)のAで示した部分の拡大図であり、図10(c)は図10(a)の裏面の平面図である。
図10(a)に示すように、記録素子基板10の吐出口形成部材12には、各インク色に対応する4列の吐出口列が形成されている。以下、複数の吐出口13が配列される吐出口列が延びる方向を「吐出口列方向」と呼称する。
図10(b)に示すように、各吐出口13に対応した位置には液体を熱エネルギにより発泡させるための発熱素子である記録素子15が配置されている。本発明において記録素子は発熱素子に限られず、圧電素子等、液体を吐出するために利用されるエネルギを発生する各種素子が適用可能である。隔壁22により、記録素子15を内部に備える圧力室23が区画されている。記録素子15は記録素子基板10に設けられる電気配線(不図示)によって、図10(a)の端子16と電気的に接続されている。記録素子15は、記録装置1000の制御回路から、電気配線基板90(図5)及びフレキシブル配線基板40(図9)を介して入力されるパルス信号に基づいて発熱して液体を沸騰させ、その沸騰による発泡の力で液体を吐出口13から吐出する。図10(b)に示すように、各吐出口列に沿って、一方の側には液体供給路18が、他方の側には液体回収路19が延在している。液体供給路18及び液体回収路19は記録素子基板10に設けられた吐出口列方向に伸びた流路であり、それぞれ供給口17a、回収口17bを介して吐出口13と連通している。供給口17aは、圧力室23に液体を供給するために使用され、回収口17bは、圧力室23から液体を回収するために使用される。圧力室23の中の液体は、供給口17a及び回収口17bを介して外部との間で循環される。
図10(c)及び後述する図11に示すように、記録素子基板10の、吐出口13が形成される面の裏面にはシート状の蓋部材20が積層されており、蓋部材20には、後述する液体供給路18及び液体回収路19に連通する開口21が複数設けられている。本適用例においては、液体供給路18の1本に対して3個、液体回収路19の1本に対して2個の開口21が蓋部材20に設けられている。図10(b)に示すように蓋部材20のそれぞれの開口21は、図6(a)に示した複数の連通口51と連通している。図11に示すように蓋部材20は、記録素子基板10の基板11に形成される液体供給路18及び液体回収路19の壁の一部を形成する蓋としての機能を有する。蓋部材20は、液体に対して十分な耐食性を有していることが好ましく、また、混色防止の観点から、開口21の開口形状及び開口位置には高い精度が求められる。このため蓋部材20の材料としては、感光性樹脂材料やシリコン板を用い、フォトリソプロセスによって開口21を設けることが好ましい。このように蓋部材20は開口21により流路のピッチを変換するものであり、圧力損失を考慮すると厚みは薄いことが望ましく、フィルム状の部材で構成されることが望ましい。
次に、記録素子基板10内での液体の流れについて説明する。図11は、図10(a)におけるB−B線における記録素子基板10及び蓋部材20の断面を示す斜視図である。記録素子基板10はSiにより形成される基板11と感光性の樹脂により形成される吐出口形成部材12とが積層されており、基板11の裏面には蓋部材20が接合されている。基板11の一方の面側には記録素子15が形成されており(図10)、その裏面側には、吐出口列に沿って延在する液体供給路18及び液体回収路19を構成する溝が形成されている。基板11と蓋部材20によって形成される液体供給路18及び液体回収路19はそれぞれ、流路部材210内の共通供給流路211と共通回収流路212と接続されており、液体供給路18と液体回収路19との間には差圧が生じている。液体吐出ヘッド3の複数の吐出口13から液体を吐出して記録を行っている際に、吐出を行っていない吐出口13では、この差圧によって、液体供給路18内の液体は、供給口17a、圧力室23、回収口17bを経由して液体回収路19へ流れる。この液体の流れ(図10の矢印Cで示した流れ)によって、吐出を行っていない吐出口13や圧力室23において、吐出口13からの蒸発によって生じる増粘インクや、泡や異物等を液体回収路19へ回収することができる。また吐出口13や圧力室23のインクの増粘を抑制することができる。液体回収路19に回収された液体は、蓋部材20の開口21及び支持部材30の液体連通口31(図9b参照)を通じて、流路部材210内の連通口51、個別回収流路214、共通回収流路212の順に回収される。そして最終的には液体は記録装置1000の供給経路へと回収される。
つまり、記録装置1000本体から液体吐出ヘッド3へ供給される液体は、下記の順に流動し、供給及び回収される。液体は、先ず、液体供給ユニット220の液体接続部111から液体吐出ヘッド3の内部に流入する。そして、液体は、ジョイントゴム100、第3流路部材に設けられた連通口72及び共通流路溝71、第2流路部材に設けられた共通流路溝62及び連通口61、第1流路部材に設けられた個別流路溝52及び連通口51の順に供給される。その後、液体は、支持部材30に設けられた液体連通口31、蓋部材に設けられた開口21、基板11に設けられた液体供給路18及び供給口17aを順に介して圧力室23に供給される。圧力室23に供給された液体のうち、吐出口13から吐出されなかった液体は、基板11に設けられた回収口17b及び液体回収路19、蓋部材に設けられた開口21、支持部材30に設けられた液体連通口31を順に流れる。さらに液体は、第1流路部材に設けられた連通口51及び個別流路溝52、第2流路部材に設けられた連通口61及び共通流路溝62、第3流路部材70に設けられた共通流路溝71及び連通口72、ジョイントゴム100を順に流れる。そして、液体供給ユニットに設けられた液体接続部111から液体吐出ヘッド3の外部へ液体が流動する。図2に示す第1の循環経路においては、液体接続部111から流入した液体は負圧制御ユニット230を経由した後にジョイントゴム100に供給される。図3に示す第2の循環経路においては、圧力室23から回収された液体は、ジョイントゴム100を通過した後、負圧制御ユニット230を介して液体接続部111から液体吐出ヘッドの外部へ流動する。
また図2及び図3に示したように、液体吐出ユニット300の共通供給流路211の一端から流入した液体の全てが個別供給流路213aを経由して圧力室23に供給されるわけではない。個別供給流路213aに流入することなく、共通供給流路211の他端から液体供給ユニット220に流動する液体もある。このように、記録素子基板10を経由することなく流動する経路を備えることで、本適用例のような微細で流抵抗の大きい流路を備える記録素子基板10であっても、液体の循環流の逆流を抑制することができる。このように本適用例の液体吐出ヘッド3では、圧力室23や吐出口13近傍の液体の増粘を抑制できるため、吐出のヨレや不吐を抑制でき、結果として高画質な画像を記録することができる。
(記録素子基板間の位置関係の説明)
図12は、互いに隣接する吐出モジュールにおける、記録素子基板10間の隣接部を部分的に拡大して示す平面図である。図10に示すように、本適用例では略平行四辺形状の記録素子基板10を用いている。図12に示すように各記録素子基板10における吐出口13が配列される各吐出口列14a〜14dは、被記録媒体の搬送方向に対して一定角度傾くように配置されている。これにより、記録素子基板10同士の隣接部における吐出列は、少なくとも1つの吐出口が被記録媒体の搬送方向にオーバーラップする。
図12では、線D上の2つの吐出口が互いにオーバーラップしている。このような配置によって、仮に記録素子基板10の位置が所定位置から多少ずれた場合でも、オーバーラップする吐出口の駆動制御によって、記録画像の黒スジや白抜けを目立たなくするようにすることができる。複数の記録素子基板10を千鳥配置ではなく、直線状(インライン)に配置してもよい。この場合でも、図12のような構成により液体吐出ヘッド3の被記録媒体の搬送方向の長さの増大を抑えつつ、記録素子基板10同士のつなぎ部における黒スジや白抜けを抑制することができる。なお、本適用例では、記録素子基板10の主平面は平行四辺形状であるが、これに限らず、例えば長方形状、台形状またはその他の形状の記録素子基板10を用いた場合でも、本発明の構成を好ましく適用することができる。
(適用例2)
本発明の適用例2による記録装置1000及び液体吐出ヘッド3の構成を説明する。なお以降の説明においては、主として適用例1と異なる部分のみを説明し、適用例2と同様の部分については説明を省略することがある。
(インクジェット記録装置の説明)
図20は、本発明の適用例2によるインクジェット記録装置を示す図である。適用例2の記録装置1000は、CMYKのインクのそれぞれに対応した単色用の液体吐出ヘッド3を4つ並列配置させることで被記録媒体2へフルカラー記録を行う点が適用例1とは異なる。適用例1では、1色あたりに使用できる吐出口列数は1列であったのに対し、本適用例においては、1色あたりに使用できる吐出口列数は20列となっている(図19(a))。このため、記録データを複数の吐出口列に適宜振り分けて記録を行うことで、非常に高速な記録が可能となる。更に、不吐になる吐出口があったとしても、その吐出口に対して被記録媒体の搬送方向に対応する位置にある、他列の吐出口から補間的に吐出を行うことで信頼性が向上するため、商業印刷等に好適である。適用例1と同様に、各液体吐出ヘッド3に対して、記録装置1000の供給系、バッファタンク1003及びメインタンク1006(図2)が流体的に接続される。また、各液体吐出ヘッド3には、液体吐出ヘッド3へ電力及び吐出制御信号を伝送する電気制御部が電気的に接続される。
(循環経路の説明)
記録装置1000及び液体吐出ヘッド3間の液体循環経路としては、適用例1と同様に、図2及び図3に示した第1及び第2の循環経路のどちらも用いることができる。
(液体吐出ヘッド構造の説明)
本発明の適用例2に係る液体吐出ヘッド3の構造について説明する。図13(a)及び(b)は本適用例に係る液体吐出ヘッド3の斜視図である。液体吐出ヘッド3は液体吐出ヘッド3の長手方向に直線状に配列される16個の記録素子基板10を備え、1色の液体でも記録が可能なインクジェット式のライン型記録ヘッドである。液体吐出ヘッド3は、適用例1同様、液体接続部111、信号入力端子91及び電力供給端子92を備える。しかしながら、本適用例の液体吐出ヘッド3は、適用例1に比べて吐出口列が多いため、液体吐出ヘッド3の両側に信号入力端子91及び電力供給端子92が配置されている。これは記録素子基板10に設けられる配線部で生じる電圧低下や信号伝送遅れを低減させるためである。
図14は、液体吐出ヘッド3の斜視分解図であり、液体吐出ヘッド3を構成する各部品またはユニットがその機能毎に分割されて表示されている。各ユニット及び部材の役割や液体吐出ヘッド内の液体流通の順序は基本的に適用例1と同様であるが、液体吐出ヘッドの剛性を担保する機能が異なる。適用例1では、主として液体吐出ユニット支持部81によって液体吐出ヘッド剛性が担保されていたが、適用例2の液体吐出ヘッドでは、液体吐出ユニット300に含まれる第2流路部材60によって液体吐出ヘッドの剛性が担保されている。本適用例における液体吐出ユニット支持部81は第2流路部材60の両端部に接続されており、この液体吐出ユニット300は記録装置1000のキャリッジと機械的に結合されて、液体吐出ヘッド3の位置決めを行う。負圧制御ユニット230を備える液体供給ユニット220と、電気配線基板90とは、液体吐出ユニット支持部81に結合される。2つの液体供給ユニット220内にはそれぞれフィルタ(不図示)が内蔵されている。2つの負圧制御ユニット230は、それぞれ異なる負圧、即ち相対的に高低差のある負圧で圧力を制御するように設定されている。また、この図のように液体吐出ヘッド3の両端部にそれぞれ、高圧側と低圧側の負圧制御ユニット230を設置した場合、液体吐出ヘッド3の長手方向に延在する共通供給流路211と共通回収流路212における液体の流れが互いに対向する。この場合、共通供給流路211と共通回収流路212の間で熱交換が促進されて、2つの共通流路内における温度差が低減される。このため、共通流路に沿って複数設けられる各記録素子基板10における温度差が生じにくく、温度差による記録ムラが生じにくくなるという利点がある。
次に液体吐出ユニット300の流路部材210の詳細について説明する。図14に示すように流路部材210は、第1流路部材50及び第2流路部材60を積層したものであり、液体供給ユニット220から供給された液体を各吐出モジュール200に分配する。また流路部材210は、吐出モジュール200から環流する液体を液体供給ユニット220へと戻すための流路部材として機能する。流路部材210の第2流路部材60は、内部に共通供給流路211及び共通回収流路212が形成された流路部材であるとともに、液体吐出ヘッド3の剛性を主に担うという機能を有する。このため、第2流路部材60の材料としては、液体に対する十分な耐食性と高い機械強度を有するものが好ましい。具体的には第2流路部材60の材料としては、SUSやTi、アルミナ等が好ましい。
図15(a)は、第1流路部材50の、吐出モジュール200が搭載される側の面を示し、図15(b)は、その裏面である、第2流路部材60と当接される側の面を示す。適用例1とは異なり、適用例2における第1流路部材50は、各吐出モジュール200に対応した複数の部材を隣接して配列したものである。このような複数の部材から構成される場合、それらの部材を配列させることで、液体吐出ヘッドの長さに対応することができる。このため、例えば、B2サイズ及びそれ以上の長さに対応した比較的ロングスケールの液体吐出ヘッド3に。特に好適である。図15(a)に示すように、第1流路部材50の連通口51は吐出モジュール200と流体的に連通し、図15(b)に示すように、第1流路部材50の個別連通口53は第2流路部材60の連通口61と流体的に連通する。図15(c)は第2流路部材60の、第1流路部材50と当接される側の面を示し、図15(d)は第2流路部材60の厚み方向中央部の断面を示し、図15(e)は第2流路部材60の、液体供給ユニット220と当接する側の面を示す。第2流路部材60の流路や連通口の機能は、適用例1の1色分の流路や連通路と同様である。第2流路部材60の共通流路溝71は、一方が図16に示す共通供給流路211であり、他方が共通回収流路212であり、それぞれ、液体吐出ヘッド3長手方向に沿って、一端側から他端側に液体が供給される。本適用例においては、適用例1と異なり、共通供給流路211と共通回収流路212の液体の長手方向は互いに反対方向である。
図16は、記録素子基板10と流路部材210との液体の接続関係を示した透視図である。図16に示したように、流路部材210内には、液体吐出ヘッド3の長手方向に延びる一組の共通供給流路211及び共通回収流路212が設けられている。第2流路部材60の連通口61は、各々の第1流路部材50の個別連通口53と位置を合わせて接続されており、第2流路部材60の連通口72から共通供給流路211を介して第1流路部材50の連通口51へと連通する液体供給経路が形成されている。同様に、第2流路部材60の連通口72から共通回収流路212を介して第1流路部材50の連通口51へと連通する液体供給経路も形成されている。
図17は、図16のF−F線における断面を示した図である。この図に示したように、共通供給流路は、連通口61、個別連通口53、連通口51を介して、吐出モジュール200に接続されている。図17では不図示であるが、別の断面においては、個別回収流路が同様の経路で吐出モジュール200へ接続されていることは、図16を参照すれば明らかである。適用例1と同様に、各吐出モジュール200及び記録素子基板10には、各吐出口13に連通する流路が形成されており、供給した液体の一部または全部が、吐出動作を休止している吐出口13(圧力室23)を通過して、環流できるようになっている。また適用例1と同様に、共通供給流路211は液体供給ユニット220を介して負圧制御ユニット230(高圧側)と接続され、共通回収流路212は液体供給ユニット220を介して負圧制御ユニット230(低圧側)と接続されている。このため、共通供給流路211と共通回収流路212との間の差圧によって、共通供給流路211から記録素子基板10の吐出口13(圧力室23)を通過して共通回収流路212へと流れる流れが発生する。
(吐出モジュールの説明)
図18(a)に、1つの吐出モジュール200の斜視図を、図18(b)にその分解図を示す。適用例1との差異は、記録素子基板10の複数の吐出口列方向に沿った両辺部(記録素子基板10の各長辺部)のそれぞれに複数の端子16が配置される点である。また、その端子16に電気接続されるフレキシブル配線基板40が、1つの記録素子基板10に対して2枚配置される点である。これは記録素子基板10に設けられる吐出口列数が20列あり、適用例1の8列よりも大幅に増加しているためである。即ち、端子16から、吐出口列に対応して設けられる記録素子15までの最大距離を短くして、記録素子基板10内の配線部で生じる電圧低下や信号伝送遅れを低減することを目的としたものである。また支持部材30の液体連通口31は、記録素子基板10に設けられ、全ての吐出口列を跨るように開口している。その他の点は、適用例1と同様である。
(記録素子基板の構造の説明)
図19(a)は、記録素子基板10の吐出口13が設けられた側の面の模式図であり、図19(c)は、図19(a)にて示された面の裏面を示す模式図である。図19(b)は、図19(c)において、記録素子基板10の裏面側に設けられている蓋部材20を除去した場合における記録素子基板10の面を示す模式図である。図19(b)に示すように、記録素子基板10の裏面には、吐出口列方向に沿って、液体供給路18と液体回収路19とが交互に設けられている。吐出口列数は、適用例1よりも大幅に増加しているものの、適用例1との本質的な差異は、前述のように端子16が記録素子基板の吐出口列方向に沿った両辺部に配置されていることである。吐出口列毎に一組の液体供給路18と液体回収路19が設けられていること、蓋部材20に、支持部材30の液体連通口31と連通する開口21が設けられていることのような基本的な構成は、適用例1と同様である。
以下に、本発明の特徴部について各実施形態を用いて説明する。
(第1の実施形態)
図21は、本発明の第1の実施形態に係る液体吐出ヘッドを示す図である。具体的には、図21(a)はインク等の液体を吐出する液体吐出ヘッドの斜視図であり、図21(b)は液体吐出ヘッドの分解斜視図である。
図21に示す本実施形態の液体吐出ヘッド3は、複数の記録素子基板10と、複数の支持部材30と、流路部材210とを有する。記録素子基板10及び支持部材30は、互いに同数ある。記録素子基板10のそれぞれは、支持部材30のそれぞれに1つずつ支持され、複数の支持部材30は1つの流路部材210の上に並設される。
図22は、液体吐出ヘッド3の上面図であり、記録素子基板10の形状や配列の異なる4つの例が示されている。図22(a)の例では、平行四辺形状を有する記録素子基板10が一列に並んで配置されている。なお、本実施形態における平行四辺形とは、隣接する辺のなす角が直角ではない外形形状のものを指す。以下、液体吐出ヘッド3における記録素子基板10が配列される方向を長尺方向401とし、記録素子基板10の表面に平行な面内において長尺方向401と垂直な方向を走査方向402とする。
図22(b)の例では、一方の組の対辺が平行であり、他方の組の対辺がそれぞれ階段状の形状を有する記録素子基板10が一列に並んで配置されている。図22(c)の例では、図22(a)の例と同様に平行四辺形状を有する記録素子基板10が一列に並んで配置されているが、互いに隣接する記録素子基板同士が走査方向402にずれている。図22(d)の例では、長方形状の記録素子基板10が一列に並んで配置されている。
図22(a)〜(c)の例では、互いに隣接する記録素子基板10が長尺方向及び走査方向の両方において、少なくとも部分的にはオーバーラップしている。図22(d)の例では、互いに隣接する記録素子基板10が長尺方向においてのみオーバーラップしている。
図23は、液体吐出ヘッド3の吐出口列のズレを示す図である。図23(a)は、図22(a)の例における互いに隣接する記録素子基板10間の隣接部の拡大図であり、対応する吐出口列における吐出口列のズレ幅403を示す。図23(a)に示すように、吐出口列のズレは、記録素子基板10の隣接部で発生し、互いに隣接する記録素子基板10間の距離である素子間距離404が小さいほど、吐出口列のズレ幅403は小さくなる。このため、素子間距離404は小さいほどよい。これは、図22(a)の例に限らず、互いに隣接する記録素子基板10が長尺方向及び走査方向の両方において、図22(b)及び図22(c)の例のような、少なくとも部分的にオーバーラップしている液体吐出ヘッド3全般についても同様である。
図23(b)は、図22(d)の例における互いに隣接する記録素子基板10間の隣接部の拡大図である。図23(b)の例では、吐出口列のズレは生じないが、素子間距離404が小さいほどよいことは、図22(a)に示した対象液体吐出ヘッドと同様である。これは、素子間距離404が小さいほど、隣接部における吐出口列間の間隔405が小さくなるためである。以下、図22(a)に示したような互いに隣接する記録素子基板10が長尺方向及び走査方向の両方において少なくとも一部がオーバーラップしている液体吐出ヘッド3を例に説明するが、同様な効果は図23(b)の例に対しても適応される。
以下、本実施形態の特徴についてより詳細に説明する。
図24は、互いに隣接する記録素子基板10間の隣接部の側面を示す図である。図24に示すように互いに隣接する記録素子基板10の間の隙間部410では、記録素子基板10と支持部材30との接合面411が記録素子基板10の端部412から記録素子基板10の内側に入り込んでいる。つまり、記録素子基板10の端部412は、支持部材30の端部413よりも外側に突き出して配置され、互いに隣接する支持部材30間の距離(間隔)よりも、互いに隣接する記録素子基板10間の距離(間隔)の方が小さい。
記録素子基板10は、ウエハプロセス(半導体プロセス)により作成された回路等を有し、例えば、シリコンで形成される。記録素子基板10の外形の加工には、例えば、各種エッチングやダイシングが用いられる。支持部材30は、機械加工や成型加工で作成されており、例えば、樹脂やSUS等の金属で形成される。この場合、記録素子基板10の加工精度は支持部材30の加工精度よりも高い。
記録素子基板10の端部が支持部材30の端部よりも外側に突き出していない場合、互いに隣接する記録素子基板10間の距離である素子間距離404は、支持部材30の加工精度と記録素子基板10の搭載位置合わせ精度によって規定される。なぜならば、素子間距離404を、支持部材30の加工精度や搭載位置合わせ精度で可能な距離よりも小さくしようとすると、支持部材30同士が干渉することがあるからである。
これに対して、本実施形態のように記録素子基板10の端部412が支持部材30の端部413よりも外側に突き出している場合、隣接する記録素子基板10間の素子間距離404は、支持部材30の加工精度に依らない。素子間距離404は、記録素子基板10の加工精度と、記録素子基板10の搭載位置合わせ精度で規定される。この場合、支持部材30の加工精度や記録素子基板10の搭載位置合わせ精度が低くても、記録素子基板10の端部が支持部材30の端部から、その公差よりも突き出していれば、支持部材30同士が干渉することはない。したがって、以下のように液体吐出ヘッド3を構成すれば、互いに隣接する記録素子基板10間の距離を小さくすることができる。
図25は、本実施形態の液体吐出ヘッドの効果を説明するための図であり、液体吐出ヘッドにおける互いに隣接する記録素子基板10間の隣接部の側面図である。具体的には、図25(a)は第1の比較例を示し、図25(b)は、本実施形態の第1の例を示し、図25(c)は第2の比較例を示し、図25(d)は、本実施形態の第2の例を示す。図25(a)及び図25(b)は、記録素子基板10を搭載した支持部材30を流路部材210に配置する例であり、図25(a)及び図25(b)は、流路部材210に配置した支持部材30に記録素子基板10を搭載する例である。
支持部材30の加工精度が±0.1mm、記録素子基板10の加工精度が±0.01mm、支持部材30の搭載位置合わせ精度が±0.1mm、記録素子基板10の搭載位置合わせ精度が±0.01mmであるとする。
図25(a)及び図25(c)に示すように比較例では、記録素子基板10の端部が支持部材30の端部よりも外側に突き出していない。この場合、互いに隣接する支持部材30間の距離である部材間距離406は、支持部材30の加工精度を支持部材30の搭載位置合わせ精度に加算して2倍した0.4mmよりも大きい値に設定する必要がある。このため、素子間距離404は少なくとも0.4mmとなる。
図25(b)に示す本実施形態の第1の例では、素子間距離404は、記録素子基板10の加工精度を記録素子基板10の搭載位置合わせ精度に加算して2倍した0.04mmでよい。このため、本実施形態の第1の例では、図25(a)に示す比較例と比較して、素子間距離404を0.36mm小さくすることができる。
図25(d)に示す本実施形態の第2の例では、素子間距離404は、記録素子基板10の加工精度に支持部材30の搭載位置合わせ精度を加算して2倍した0.22mmでよい。このため、本実施形態の第1の例では、図25(c)に示す比較例と比較して、素子間距離404を0.18mm小さくすることができる。
図25(d)の例では、記録素子基板10の搭載位置合わせ精度がある程度低くても、支持部材30の搭載位置合わせ精度を高くすることで、素子間距離404をさらに小さくすることができる。例えば、記録素子基板10の搭載位置合わせ精度を±0.1mm、支持部材30の搭載位置合わせ精度を±0.01mmとすることで、素子間距離404を0.04mmとすることができる。また、この場合には、高い精度が要求される部材搭載工程は1回だけでよい。
以上のように記録素子基板10の端部412が支持部材30の端部413よりも外側に突き出すことにより、素子間距離404を小さくすることができ、互いに隣接する記録素子基板10の隣接部における吐出口列のズレ幅403を低減することができる。したがって、支持部材30の加工精度や支持部材30の搭載位置合わせ精度に依らず、互いに隣接する記録素子基板10の隣接部における被記録媒体2の走査方向の記録素子基板10間のズレ幅を低減し、吐出口列のズレ幅403を低減することができる。その結果、隣接部に対応する画像のムラ等の不具合を低減し、高画質な画像を形成することが可能となる。
また、本実施形態では、互いに隣接する記録素子基板10の間の隙間部410から、記録素子基板10における吐出口13が設けられた第1の面に、記録素子基板10と支持部材30とを互いに接合させる接着剤が這い上がることを抑制することができる。記録素子基板10と支持部材30との接合に接着剤を用いた場合、本実施形態のように記録素子基板10の端部が支持部材30の端部よりも外側に突き出していると、次の利点がある。つまり、接合面から接着剤がはみ出した場合でも、はみ出した接着剤が突き出している記録素子基板10の端部の裏面に滞るため、隙間部410からの接着剤の這い上がりを抑制することができる。
複数の支持部材30は1つの流路部材210上に配置されていることが望ましい。この場合、長尺方向401に対して精度良く支持部材30を配置することが可能となり、高画質な画像を形成することが可能となる。
流路部材210における記録素子基板10が並設された箇所の長さは、記録装置1000にセット可能な被記録媒体2の最大幅以上になっていることの望ましい。この場合、記録素子基板10間の隣接部に対応する箇所の画像を高画質にしつつ、その高画質な画像を被記録媒体2の幅方向全体に記録することが可能になる。
なお、本実施形態では、記録素子基板10を個別に交換可能な構成としたが、この構成に限らない。例えば、記録素子基板10を個別に交換可能でなくても、支持部材30を個別に加工することに利点がある液体吐出ヘッド3に対しても、本実施形態と同様な効果を得ることができる。
本実施形態では、図22(a)〜図22(d)に示すように支持部材30に対して、互いに隣接する側の記録素子基板10の端面が支持部材30の端部よりも外側に突き出す構成であれば良い。図22に示すように、互いに隣接しない側においては記録素子基板10よりも支持部材30を外側に突き出す構成とすることで記録素子基板を安定して支持することが可能となる。また、図9に示すように、記録素子基板10と接合するフレキシブル配線基板40も安定的に支持することが可能となる。このように記録素子基板10が互いに隣接する側では、支持部材30に対して記録素子基板10を外側に突き出す構成とすることが好ましい。また、記録素子基板10が互いに隣接しない側(フレキシブル配線基板40と接合する側)では、記録素子基板10に対して支持部材30を外側に突き出す構成とすることが好ましい。
ここで、互いに隣接する記録素子基板10の夫々を第1及び第2記録素子基板とし、第1及び第2記録素子基板を夫々支持する支持部材30を第1及び第2支持部材とする。この場合、流路部材210には、第1及び第2支持部材が並設されることになる。さらに第1記録素子基板の第2記録素子基板側の端部は、第1支持部材の第2支持部材側の端部よりも第2記録素子基板側に突出していることが好ましいことになる。また、第2記録素子基板の第1記録素子基板側の端部は、第2支持部材の第1支持部材側の端部よりも第1記録素子基板側に突出していることが好ましい。
しかしながら本発明においては図22の形態に限られず、記録素子基板10の全周において記録素子基板10の端部を支持部材30に対して突き出す構成においても本発明を適用可能である。
(第2の実施形態)
図26及び図27は、本発明の第2の実施形態に係る液体吐出ヘッドを示す図である。図26は、液体吐出ヘッドの概略図である。具体的には、図26(a)は、液体吐出ヘッドの斜視図であり、図26(b)は、液体吐出ヘッドの分解斜視図である。また、図27は、互いに隣接する記録素子基板の概略図である。具体的には、図27(a)は、液体吐出ヘッドの上面図であり、図27(b)は、図27(a)のC−C線に沿った断面図である。
本実施形態の液体吐出ヘッドは、図26及び図27に示すように、第1の実施形態の液体吐出ヘッドと比較して、記録素子基板10と支持部材30との間に蓋部材20が設けられている点で異なる。また、本実施形態の液体吐出ヘッドでは、吐出口13に液体を供給するための裏面供給路420が記録素子基板10の裏面に設けられており、蓋部材20は裏面供給路420の蓋として機能する。さらに裏面供給路420に液体を供給するための供給口17aが蓋部材20に設けられている。供給口17aは、例えば、支持部材30内に設けられた供給路と連通している。蓋部材20は、樹脂フィルムで形成されており、支持部材30よりも薄い。蓋部材20の厚みは1mm以下が好ましく、0.1mm以下がより好ましい。
また、本実施形態の液体吐出ヘッド3では、記録素子基板10の端部における支持部材30の端部よりも外側に突き出した箇所にも吐出口13が配置されている。裏面供給路420が蓋部材20で覆われるので、この外側に突き出した箇所の吐出口13にも液体を供給することができる。
なお、第1の実施形態と同様に、互いに隣接する記録素子基板10の夫々を第1及び第2記録素子基板とし、第1及び第2記録素子基板を夫々支持する支持部材30を第1及び第2支持部材とする。この場合、蓋部材20は、第1記録素子基板における第1支持部材の側の面に形成された、液体を記録素子に供給する流路である裏面供給路420と、第1記録素子基板と第1支持部材との間に設けられ、裏面供給路420を覆う。
なお、裏面供給路420の蓋である蓋部材20は、記録素子基板10と同等の加工精度で加工が可能となるように、支持部材30よりも厚みの小さい部材となっている。例えば、蓋部材20は、シリコン基板を加工することで形成することができ、この場合、蓋部材20の厚みは1mm以下にすることができる。シリコン基板の加工には、リソグラフィによる加工、ウエハ加工用のブレードダイシングによる加工またはレーザー加工を用いることが可能であり、これらの場合、記録素子基板10の加工精度と同等な加工精度が得られる。また、蓋部材20は、樹脂フィルムを加工することで形成することができ、この場合、蓋部材20の厚みは0.1mm以下にすることができる。樹脂フィルムの加工には、シリコン基板の加工と同様に、リソグラフィによる加工、ウエハ加工用のブレードダイシングによる加工またはレーザー加工を用いることが可能であり、これらの場合、記録素子基板10の加工精度と同等な加工精度が得られる。さらに、記録素子基板10と蓋部材20とは、液体の接着剤を用いずに互いに接合されることが望ましい。この場合、記録素子基板10や蓋部材20内の供給路に接着剤が入り込むことを抑制することができる。
本実施形態では、記録素子基板10における支持部材30の端部413よりも外側に突き出した箇所にも吐出口13が配置されている。このため、本実施形態では、第1の実施形態と比較して、互いに隣接する記録素子基板10間の互いに隣接する吐出口13の距離をさらに短くすることができる。したがって、互いに隣接する記録素子基板10間の隣接部における吐出口列のズレ幅をさらに低減することが可能になる。
例えば、第1の実施形態と同様に、互いに隣接する記録素子基板10間の素子間距離404が0.02mmの場合と、0.2mmの場合について考える。これらの場合、記録素子基板10の端から0.05mmの位置に吐出口13が配置される。記録素子基板10の斜辺の角度が45度の場合には、吐出口列のズレ幅は、約0.17mmまたは約0.42mmとなる。このため、第1の実施形態と比較して、大幅に低減することが可能になる。
以上のように本実施形態では、支持部材30の加工精度や支持部材30の搭載位置合わせ精度に依らない。したがって、互いに隣接する記録素子基板10の隣接部における被記録媒体2の走査方向の記録素子基板10間のズレ幅を低減し、吐出口列のズレ幅403を低減することができる。その結果、つなぎ目の画像におけるムラ等の不具合を低減し、高品位な画像形成が可能となる。
また、第1の実施形態と同様に、記録素子基板10間の隙間部410から、記録素子基板10における吐出口13が設けられた第1の面に、記録素子基板10と支持部材30とを互いに接合させる接着剤が這い上がることを抑制することができる。
なお、第1の実施形態において、本実施形態と同様に記録素子基板10における支持部材30の端部よりも外側に突き出した箇所に吐出口13を設けることは可能である。この場合、外側に突き出した箇所の吐出口13に液体を供給するための供給路を、吐出口13が形成された面に形成する必要がある。しかしながら、この場合、供給路の高さは最大でも数十μmであるのに対して、第4の実施形態のような裏面供給路420の高さは数百μmにすることができる。したがって、第4の実施形態の方が記録素子基板10における支持部材30の端部よりも外側に突き出した箇所に設けられた吐出口13に液体を十分に供給しやすく、記録される画像における隣接部に対応する箇所をより高画質にすることができる。
また、裏面供給路420が形成されている裏面とは、記録素子基板10における吐出口13が形成された面の実質的な裏面である。つまり、記録素子基板10が複数の基板を重ねた構造の場合、裏面とは、吐出口13が形成された基板の、吐出口13が形成された面の裏面ではなく、記録素子基板10全体の吐出口13が形成された面の裏面である。
また、互いに隣接する記録素子基板10間の距離と、互いに隣接する蓋部材20間の距離とは、図27の例では等しいが、記録素子基板10間の距離が蓋部材20間の距離よりも短くてもよい。
(第2の実施形態における液体吐出ヘッドの製造工程)
図28は、第2の実施形態の液体吐出ヘッドの製造工程を説明するためのフローチャートである。
先ず、液体を発泡させるための記録素子15のような必要な回路などが形成された記録素子基板10に対して吐出口13を形成する吐出口形成工程が行われる(ステップS501)。このとき、記録素子基板10は、ウエハの状態である。続いて、記録素子基板10の裏面に裏面供給路420を形成する裏面供給路形成工程が行われる(ステップS502)。さらに、記録素子基板10の裏面に蓋部材20を形成する蓋部材形成工程が行われる(ステップS503)。その後、記録素子基板10の外形を加工して、記録素子基板10をウエハの状態からチップの状態にする切断工程が行われる(ステップS504)。その後、蓋部材20と支持部材30が対向するように記録素子基板10を支持部材30に接合する接合工程が行われ(ステップS505)、記録素子基板10を接合した支持部材30を流路部材210に並設する配置工程が行われる(ステップS506)。
以上のように、接合工程(ステップS505)の前に、蓋部材形成工程(ステップS503)によって記録素子基板10の裏面に蓋部材20が形成されることで、第2の実施形態の液体吐出ヘッドを作成することができる。したがって、支持部材30の加工精度や支持部材30の搭載位置合わせ精度に依らず、互いに隣接する記録素子基板10の走査方向におけるズレ幅を低減して、吐出口列のズレ幅を低減することができる。よって、記録される画像の、記録素子基板10の隣接部に対応する箇所で生じるムラ等の不具合を低減し、高画質な画像を形成することが可能となる。
蓋部材20がシリコン基板で形成される場合、ウエハ状態の記録素子基板10にウエハ状態のシリコン基板で形成された蓋部材20を接合することができる。このため、チップ状態の記録素子基板10のそれぞれに対して蓋部材20を接合するよりも工程数を削減することが可能となる。
また、蓋部材20は樹脂フィルムで形成される場合、ウエハ状態の記録素子基板10にフィルム状態の樹脂をラミネートすることで蓋部材20を接合することができる。このため、シリコン基板で形成される場合と同様に、チップ毎に蓋部材20を接合するよりも工程の削減が可能となる。
なお、本実施形態で説明した製造工程は単なる一例であって、これに制限されるものではない。例えば、吐出口形成工程(ステップS501)、裏面供給路形成工程(ステップS502)、蓋部材形成工程(ステップS503)及び切断工程(ステップS504)の順序は、本実施形態に限定されるものではない。接合工程(ステップS505)の前に蓋部材形成工程(ステップS503)があればよい。
以上説明した液体吐出ヘッド3及び記録装置1000は、プリンタ、複写機、通信システムを有するファクシミリ、プリンタ部を有するワードプロセッサなどの装置、さらには各種処理装置と複合的に組み合わせた産業記録装置に適用可能である。例えば、液体吐出ヘッド3及び記録装置1000は、バイオチップ作製や電子回路印刷などの用途としても用いることができる。
3 液体吐出ヘッド
10 記録素子基板
11 基板
12 吐出口形成部材
13 吐出口
18 液体供給路
19 液体回収路
20 蓋部材
30 支持部材
211 共通供給流路
212 共通回収流路
412 記録素子基板の端部
413 支持部材の端部

Claims (11)

  1. 液体を吐出するために利用されるエネルギを発生する記録素子を備える第1及び第2記録素子基板と、
    前記第1及び第2記録素子基板を夫々支持する第1及び第2支持部材と、
    前記第1及び第2支持部材が並設される流路部材と、
    を備える液体吐出ヘッドであって
    前記第1記録素子基板は、液体を吐出する吐出口を備える吐出口形成部材と、前記記録素子を備える基板と、を含み、
    前記基板は、前記記録素子に液体を供給するための液体供給路を備え、
    前記第1記録素子基板の前記第1支持部材側の面には、前記液体供給路に連通する開口を備える蓋部材が設けられており、
    前記第1記録素子基板の前記第2記録素子基板側の端部は、前記第1支持部材の前記第2支持部材側の端部よりも前記第2記録素子基板側に突出しており、
    前記第1記録素子基板の前記突出している部分には、前記吐出口が形成されており、
    前記蓋部材は、前記第1記録素子基板の前記突出している部分における前記第1支持部材側の面で、前記液体供給路の壁を形成していることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 前記第2記録素子基板の前記第1記録素子基板側の端部は、前記第2支持部材の前記第1支持部材側の端部よりも前記第1記録素子基板側に突出している請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  3. 前記蓋部材は、前記支持部材よりも薄い請求項1または2に記載の液体吐出ヘッド。
  4. 前記蓋部材は、樹脂フィルムで形成されている請求項1ないしのいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  5. 前記蓋部材の厚みは、1mm以下である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  6. 前記第1記録素子基板は、前記記録素子からの液体を回収する液体回収路を備える請求項1ないしのいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  7. 前記第1及び第2記録素子基板の外形形状は平行四辺形である請求項1ないしのいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  8. 当該液体吐出ヘッドは、ページワイド型の液体吐出ヘッドであり、
    前記流路部材には前記第1及び第2記録素子基板に液体を供給するための共通供給流路と、前記第1及び第2記録素子基板から液体を回収する共通回収流路とが設けられている求項1ないしのいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  9. 前記第1記録素子基板の、前記第1記録素子基板と前記第2記録素子基板側が配列する配列方向に沿って延在する側の端部は、前記第1支持部材の端部に対して突出していない請求項1ないしのいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  10. 前記第1記録素子基板は前記記録素子を内部に備える圧力室を備え、前記圧力室内の液体は当該圧力室の外部との間で循環される請求項1ないしのいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  11. 請求項1ないし10のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドを有することを特徴とする液体吐出装置。
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