JP5516122B2 - ラインヘッドおよびインクジェット記録装置 - Google Patents
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すなわち、ノズル基板,圧力室基板はシリコン(Si)から構成される。特許文献1のようにノズル基板に嵌合部(切欠き部)を設けることは、シリコン材料の裁断にコストがかかるし、特にノズル基板はウエハ状のシリコンからダイシングにより得られるため、ダイシング後のチップ状のシリコンをさらに裁断するのはシリコン材料を無駄にすることになる。特許文献2のような陽極接合にあたっては、電極を接続するため、ガラス基板をノズル基板や圧力室基板から露出させる必要がある。その方法として、ノズル基板や圧力室基板に切り欠きを形成する方法やガラス基板自体のサイズを大きくする方法がある。前者の方法は、上記のとおり各基板を構成するシリコンの裁断にコストがかかり材料の無駄を招くため、後者の方法が採用される。
したがって、本発明の主な目的は、記録ヘッドがノズル基板,ガラス基板,圧力室基板を陽極接合して製造されるラインヘッドであって、ノズル基板同士の位置ずれを防止することができるラインヘッドおよびこれを備えるインクジェット記録装置を提供することにある。
複数の記録ヘッドが千鳥状に配列されたラインヘッドにおいて、
前記記録ヘッドは、
複数のノズルが列状に形成されたノズル基板と、
前記ノズルに連通する圧力室を有する圧力室基板と、
前記ノズル基板と前記圧力室基板との間に介在するガラス基板とを有し、
前記ノズル基板、前記ガラス基板および前記圧力室基板がこの順に積層され、
前記ノズル基板および前記ガラス基板が矩形状を呈しており、
当該ラインヘッドの長手方向と交差する幅方向において前記ガラス基板が前記ノズル基板より幅広でかつその4隅の角部が切り欠かれており、
隣り合う前記記録ヘッドは、前記ノズル基板同士が前記ガラス基板の角部の切欠き部に対応する領域で、前記幅方向と交差する面において当接し、前記ガラス基板同士が前記長手方向と交差する面において当接していることを特徴とするラインヘッドが提供される。
記録媒体を搬送する搬送ローラと、
前記記録媒体を支持するプラテンと、
複数の記録ヘッドが千鳥状に配列されたラインヘッドとを備え、
前記記録ヘッドは、
複数のノズルが列状に形成されたノズル基板と、
前記ノズルに連通する圧力室を有する圧力室基板と、
前記ノズル基板と前記圧力室基板との間に介在するガラス基板とを有し、
前記ノズル基板、前記ガラス基板および前記圧力室基板がこの順に積層され、
前記ノズル基板および前記ガラス基板が矩形状を呈しており、
前記ラインヘッドの長手方向と交差する幅方向において前記ガラス基板が前記ノズル基板より幅広でかつその4隅の角部が切り欠かれており、
隣り合う前記記録ヘッドは、前記ノズル基板同士が前記ガラス基板の角部の切欠き部に対応する領域で、前記幅方向と交差する面において当接し、前記ガラス基板同士が前記長手方向と交差する面において当接していることを特徴とするインクジェット記録装置が提供される。
下記では、記録媒体4の搬送方向を「Y方向」といい、当該搬送方向に直交する方向を「X方向」という。Y方向,X方向は水平面上の方向である。
図3に示すとおり、記録ヘッド20は、外観上、直方体状の筐体22を有しており、筐体22にノズル基板30が設けられている。筐体22の前後の側部にはフランジ24が一体に形成されている。図2中の拡大部分(断面)に示すとおり、フランジ24には凹部24aが形成され、ネジ26によりフランジ24がラインヘッド10の一部である支持体28に固定されている。ネジ26の頭部は凹部24aに埋没している。
なお、他のラインヘッド12,14,16もラインヘッド10と同様の構成を有している。
下記では、これら部材の積層方向を「Z方向」という。Z方向はX方向,Y方向と直交している。
圧力室基板34aはシリコン製の基板であり、ガラス基板32の上面に積層され、ガラス基板32と陽極接合されている。
圧力室基板34aには、ノズル30aから吐出されるインクに吐出圧力を付与する圧力室34cが形成されている。圧力室34cは圧力室基板34aをZ方向へ貫通するように形成されている。圧力室34cは、貫通孔32aおよびノズル30aの上方に設けられ、貫通孔32aおよびノズル30aと連通している。
振動板34bは、圧力室34cの開口を覆うように圧力室基板34aの上面に積層され、接合されている。すなわち、振動板34bは、圧力室34cの上壁部を構成している。振動板34bの表面には酸化膜が形成されている。
圧力室基板34a,振動板34bには貫通孔で構成される流路34dが形成されている。圧力室34cと流路34dとは、ガラス基板32に形成された連通路32bを介して連通している。
圧電素子50は、圧力室34cとほぼ同一の平面視形状に形成され、振動板34bを挟んで圧力室34cと対向する位置に設けられている。圧電素子50は、振動板34bを変形させるためのPZT(lead zirconium titanate)からなるアクチュエータである。圧電素子42の上面および下面には2つの電極52,54が設けられており、このうち下面側の電極54が振動板34bに接続されている。
第1接着層36には貫通孔で構成される流路36bが形成されている。流路36bは流路32bと連通している。
インターポーザ38aの下面には2層の酸化ケイ素の絶縁層38b,38cが被覆され、上面にも同じく酸化ケイ素の絶縁層38dが被覆されている。絶縁層38b,38cのうち下方に位置する絶縁層38cが、第1接着層36の上面に積層され、接合されている。
インターポーザ38aにはスルーホール38eがZ方向に形成されており、スルーホール38eには貫通電極38fが挿通されている。貫通電極38fの下端には、水平方向に延在するアルミ基板38gの一端が接続されている。アルミ基板38gの他端には、圧電素子50上面の電極52に設けられたスタッドバンプ56が、空間36a内に露出した半田58を介して接続されている。アルミ基板38gは、インターポーザ38a下面の2層の絶縁層38b,38cによって挟まれて保護されている。貫通電極38fの上端には銅基板38hが接続されている。銅基板38hは水平方向に延在している。
インターポーザ38aおよび絶縁層38b,38c,38dには貫通孔で構成された流路38iが形成されている。流路38iは、インターポーザ38aをZ方向へ貫通するように形成されている。流路38iは流路36bと連通している。
第2接着層40は、インクタンク42を接着する感光性樹脂層であるとともに、銅基板38hを保護する保護層となっている。
第2接着層40には、貫通孔で構成された流路40aがZ方向へ形成されている。流路40aは配線層38の流路38iと連通している。
ノズル基板30とガラス基板32との平面形状を比較した場合、ノズル基板30の長さL1はガラス基板32の長さL2と同一となっている。ノズル基板30の幅W1はガラス基板32の幅W2より狭く、凸部32g,32hの幅W3より広くなっている。ガラス基板32中では、切欠き部32c,32dの深さD1が切欠き部32e,32fの深さD2より深くなっている。
以上のノズル基板30とガラス基板32とを積層した場合には、図5(c)に示すとおり、ガラス基板32の凸部32i,32jの一部がノズル基板30から露出している。
4 記録媒体
6 プラテン
8 搬送ローラ
10,12,14,16 ラインヘッド
20 記録ヘッド
22 筐体
24 フランジ
26 ネジ
28 支持体
30 ノズル基板
30a ノズル
32 ガラス基板
32a 貫通孔
32b 連通路
32c〜32f 切欠き部
32g〜32j 凸部
34 圧力室層
34a 圧力室基板
34b 振動板
34c 圧力室
34d 流路
36 第1接着層
36a 空間
36b 流路
38 配線層
38a インターポーザ
38b,38c,38d 絶縁層
38e スルーホール
38f 貫通電極
38g アルミ基板
38h 銅基板
38i 流路
40 第2接着層
40a 流路
42 インクタンク
50 圧電素子
52,54 電極
56 スタッドバンプ
58 半田
60 組合せ
60a,60b 領域
62 組合せ
62a,62b 領域
100 記録ヘッド
102 ノズル基板
104 ガラス基板
Claims (4)
- 複数の記録ヘッドが千鳥状に配列されたラインヘッドにおいて、
前記記録ヘッドは、
複数のノズルが列状に形成されたノズル基板と、
前記ノズルに連通する圧力室を有する圧力室基板と、
前記ノズル基板と前記圧力室基板との間に介在するガラス基板とを有し、
前記ノズル基板、前記ガラス基板および前記圧力室基板がこの順に積層され、
前記ノズル基板および前記ガラス基板が矩形状を呈しており、
当該ラインヘッドの長手方向と交差する幅方向において前記ガラス基板が前記ノズル基板より幅広でかつその4隅の角部が切り欠かれており、
隣り合う前記記録ヘッドは、前記ノズル基板同士が前記ガラス基板の角部の切欠き部に対応する領域で、前記幅方向と交差する面において当接し、前記ガラス基板同士が前記長手方向と交差する面において当接していることを特徴とするラインヘッド。 - 請求項1に記載のラインヘッドにおいて、
前記ガラス基板の4隅の角部の切欠き部のうち、前記ノズルの形成方向に沿う前側の切欠き部と後側の切欠き部とで深さが異なることを特徴とするラインヘッド。 - 記録媒体を搬送する搬送ローラと、
前記記録媒体を支持するプラテンと、
複数の記録ヘッドが千鳥状に配列されたラインヘッドとを備え、
前記記録ヘッドは、
複数のノズルが列状に形成されたノズル基板と、
前記ノズルに連通する圧力室を有する圧力室基板と、
前記ノズル基板と前記圧力室基板との間に介在するガラス基板とを有し、
前記ノズル基板、前記ガラス基板および前記圧力室基板がこの順に積層され、
前記ノズル基板および前記ガラス基板が矩形状を呈しており、
前記ラインヘッドの長手方向と交差する幅方向において前記ガラス基板が前記ノズル基板より幅広でかつその4隅の角部が切り欠かれており、
隣り合う前記記録ヘッドは、前記ノズル基板同士が前記ガラス基板の角部の切欠き部に対応する領域で、前記幅方向と交差する面において当接し、前記ガラス基板同士が前記長手方向と交差する面において当接していることを特徴とするインクジェット記録装置。 - 請求項3に記載のインクジェット記録装置において、
前記ガラス基板の4隅の角部の切欠き部のうち、前記ノズルの形成方向に沿う前側の切欠き部と後側の切欠き部とで深さが異なることを特徴とするインクジェット記録装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2010141251A JP5516122B2 (ja) | 2010-06-22 | 2010-06-22 | ラインヘッドおよびインクジェット記録装置 |
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JP2010141251A Active JP5516122B2 (ja) | 2010-06-22 | 2010-06-22 | ラインヘッドおよびインクジェット記録装置 |
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