JP6418852B2 - ポリアリーレンスルフィドの製造方法及びポリアリーレンスルフィド - Google Patents
ポリアリーレンスルフィドの製造方法及びポリアリーレンスルフィド Download PDFInfo
- Publication number
- JP6418852B2 JP6418852B2 JP2014181358A JP2014181358A JP6418852B2 JP 6418852 B2 JP6418852 B2 JP 6418852B2 JP 2014181358 A JP2014181358 A JP 2014181358A JP 2014181358 A JP2014181358 A JP 2014181358A JP 6418852 B2 JP6418852 B2 JP 6418852B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sulfide
- alkali metal
- polymerization
- pas
- dihaloaromatic
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08G—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
- C08G75/00—Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing sulfur with or without nitrogen, oxygen, or carbon in the main chain of the macromolecule
- C08G75/14—Polysulfides
- C08G75/16—Polysulfides by polycondensation of organic compounds with inorganic polysulfides
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08G—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
- C08G75/00—Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing sulfur with or without nitrogen, oxygen, or carbon in the main chain of the macromolecule
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08G—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
- C08G75/00—Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing sulfur with or without nitrogen, oxygen, or carbon in the main chain of the macromolecule
- C08G75/02—Polythioethers
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Polymers & Plastics (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Inorganic Chemistry (AREA)
- Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)
Description
(式1) nCl−φ−Cl+nNa2S → ―(−φ−S−)n−+2nNaCl
に従って、PPS〔―(−φ−S−)n−〕が生成し、同時に、得られるPPSの2n倍モル量という多量のNaClが副生物として生成する。このため、重合装置(重合缶)当りの生産量を高めにくい。さらに、副生物であるNaClは、NMPに溶解しないため通常重合反応系で固体として存在するので、撹拌されることにより重合装置、例えば重合缶の壁面に付着して汚染したり、該壁面を摩耗したりなどの原因ともなっている。また、NaClは洗浄により除去することが必要であるので、後処理工程の負担も大きなものがある。
(式中:Arは置換基を有してもよい芳香族基を表し、Xはハロゲン原子を表す。n=1〜10)
で表されるジハロ芳香族スルフィド化合物と、アルカリ金属を含有する硫黄源とを、有機アミド溶媒中で重合させることを特徴とするポリアリーレンスルフィドの製造方法が提供される。
(2)前記式中、Arはフェニレン基であり、Xは塩素である前記(1)のPASの製造方法。
(3)前記式中、n=1〜5である前記(1)または(2)のPASの製造方法。
(4)アルカリ金属を含有する硫黄源が、アルカリ金属硫化物またはアルカリ金属水硫化物の一方または両方を含む前記(1)〜(3)のいずれかのPASの製造方法。
(5)下記工程1:
工程1:有機アミド溶媒、ジハロ芳香族スルフィド化合物、アルカリ金属を含有する硫黄源、及び水を含有する仕込み混合物を調製する仕込み工程を備える前記(1)〜(4)のいずれかのPASの製造方法。
(6)下記工程2及び工程3:
工程2:仕込み混合物を加熱して重合反応を開始させ、ジハロ芳香族スルフィド化合物の転化率が30%以上のプレポリマーを生成させる前段重合工程;及び、
工程3:有機アミド溶媒1kg当り3.5〜20モルの水が存在する状態で、加熱して重合反応を継続する後段重合工程;
を備える前記(5)のPASの製造方法。
(7)仕込み工程において、アルカリ金属を含有する硫黄源1モル当り0.9〜1.5モルのジハロ芳香族スルフィド化合物を含有する仕込み混合物を調製する前記(5)または(6)のPASの製造方法。
(8)仕込み工程において、有機アミド溶媒1kg当り0.1〜7モルを含有する仕込み混合物を調製する前記(5)〜(7)のいずれかのPASの製造方法。
(9)仕込み工程において、アルカリ金属を含有する硫黄源1モル当り0.75〜1.2モルのアルカリ金属水酸化物を含有する仕込み混合物を調製する前記(5)〜(8)のいずれかのPASの製造方法。
(10)前段重合工程において、仕込み工程で調製した仕込み混合物を温度150〜270℃に加熱して重合反応させる前記(6)〜(9)のいずれかのPASの製造方法。
(11)前段重合工程において、ジハロ芳香族スルフィド化合物の転化率が50〜100%のプレポリマーを生成させる前記(6)〜(10)のいずれかのPASの製造方法。
(12)後段重合工程において、温度245〜290℃に加熱して重合反応を継続する前記(6)〜(11)のいずれかのPASの製造方法。
(13)相分離剤の存在下で行う前記(1)〜(12)のいずれかのPASの製造方法。
(14)相分離剤が、有機カルボン酸金属塩、有機スルホン酸金属塩、アルカリ金属ハライド、アルカリ土類金属ハライド、芳香族カルボン酸のアルカリ土類金属塩、リン酸アルカリ金属塩、アルコール類、パラフィン系炭化水素類、及び水からなる群より選ばれる少なくとも1種である前記(13)のPASの製造方法。
(15)後段重合工程において、反応系内がポリマー濃厚相とポリマー希薄相とに相分離した状態で重合反応を継続する前記(6)〜(14)のいずれかのPASの製造方法。
(16)仕込み工程の前に、有機アミド溶媒及びアルカリ金属を含有する硫黄源を含有する混合物を加熱して、該混合物を含有する系内から水を含む留出物の少なくとも一部を系外に排出する脱水工程を配置する前記(5)〜(15)のいずれかのPASの製造方法。
(17)式: X−(−Ar−S−)n−Ar−X
(式中:Arは置換基を有してもよい芳香族基を表し、Xはハロゲン原子を表す。n=1〜10)
で表されるジハロ芳香族スルフィド化合物と、アルカリ金属を含有する硫黄源とを、有機アミド溶媒中で重合させることを特徴とするPASの製造方法によって得られる
平均粒径10〜5000μm、温度310℃及びせん断速度1216sec−1で測定した溶融粘度0.1〜3000Pa・s、かつ、窒素含有量500ppm以下であるPAS。
(式中:Arは置換基を有してもよい芳香族基を表し、Xはハロゲン原子を表す。n=1〜10)
で表されるジハロ芳香族スルフィド化合物と、アルカリ金属を含有する硫黄源とを、有機アミド溶媒中で重合させることを特徴とするPASの製造方法であることにより、
ジハロ芳香族化合物とアルカリ金属を含有する硫黄源とを、有機アミド溶媒中で重合させるPPS等のPASの製造方法において、より高収率で、副生成物であるNaClの生成量を従来の半分以下に低減するとともに、脱水工程を省略可能とすることにより、短時間で生産性が高く、実用上の有用性に優れるPASを製造する方法が提供されるという効果が奏される。
式: X−(−Ar−S−)n−Ar−X
(式中:Arは置換基を有してもよい芳香族基を表し、Xはハロゲン原子を表す。n=1〜10)
で表されるジハロ芳香族スルフィド化合物と、アルカリ金属を含有する硫黄源とを、有機アミド溶媒中で重合させることを特徴とするPASの製造方法によって得られる
平均粒径10〜5000μm、温度310℃及びせん断速度1216sec−1で測定した溶融粘度0.1〜3000Pa・s、かつ、窒素含有量500ppm以下であるPASであることにより、不純物が少なく高品質で取扱い性に優れるPASを提供することができるという効果が奏される。
本発明のPASの製造方法は、
式: X−(−Ar−S−)n−Ar−X
(式中:Arは置換基を有してもよい芳香族基を表し、Xはハロゲン原子を表す。n=1〜10)
で表されるジハロ芳香族スルフィド化合物と、アルカリ金属を含有する硫黄源とを、有機アミド溶媒中で重合させることを特徴とする。
本発明のPASの製造方法は、ジハロ芳香族化合物として、
式: X−(−Ar−S−)n−Ar−X
(式中:Arは置換基を有してもよい芳香族基を表し、Xはハロゲン原子を表す。n=1〜10)
で表されるジハロ芳香族スルフィド化合物を使用する。
本発明で使用される前記式で表されるジハロ芳香族スルフィド化合物において、Ar、すなわち置換基を有してもよい芳香族基における芳香族基としては、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基等が挙げられるが、好ましくはフェニレン基である。複数のArは同じでも異なってもよい。Arにおける置換基としては、メチル基、エチル基等のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;カルボキシル基、水酸基、ニトロ基、アミノ基、スルホン酸基等の官能基等が挙げられ、芳香族基が有する置換基は1または複数でよく、該置換基が複数である場合、置換基が結合位置は特に限定されない。なお、Ar、すなわち置換基を有してもよい芳香族基は、いうまでもなく置換基を有しない芳香族基でもよい。
前記式で表されるジハロ芳香族スルフィド化合物において、−Ar−S−における、Ar、すなわち置換基を有してもよい芳香族基に対するS原子の結合の位置は、特に限定されないが、反応性等の観点から、p−位の位置関係となるものであることが好ましい。
前記式で表されるジハロ芳香族スルフィド化合物において、n=1〜10である。n<1であると、PASを製造するためのジハロ芳香族化合物として、実質的にジハロ芳香族スルフィド化合物を含まないこととなる結果、より高収率で、副生成物であるNaClの生成量を従来の半分以下に低減するとともに、脱水工程を省略可能とすることにより、短時間で生産性が高く、実用上の有用性に優れるPASを製造することができない。n>10であると、ジハロ芳香族スルフィド化合物の調製が工業上及び/または商業上難しく、取扱い性が困難となる。前記式で表されるジハロ芳香族スルフィド化合物としては、先に説明した観点等から、n=1〜5が好ましく、n=1または2がより好ましく、更に好ましくはn=1である。したがって、特に好ましいジハロ芳香族スルフィド化合物は、X−Ar−S−Ar−Xで表されるジハロスルフィドである(2つのArは同じでも異なってもよい。)。
先に説明したように、前記式で表されるジハロ芳香族スルフィド化合物において、複数のArは同じでも異なってもよいものであるが、更にnが2以上である場合には、複数の−Ar−S−は、同じでも異なってもよい。すなわち、本発明で使用されるジハロ芳香族スルフィド化合物としては、芳香族基、置換基及びS原子の結合位置が同一であるジハロ芳香族スルフィド化合物でもよいし、芳香族基、置換基及び/またはS原子の結合位置において構造が異なる−Ar−S−の組み合わせとすることもできる。
本発明で使用されるジハロ芳香族スルフィド化合物において、ハロゲン原子は、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素から選ばれる元素を指し、反応性及び取扱い性等の観点から、塩素が好ましい。1種のジハロ芳香族スルフィド化合物が有する2つのハロゲン原子は、同じでも異なってもよく、さらに2種以上のジハロ芳香族スルフィド化合物が有する各2つのハロゲン原子は、同じでも異なってもよい。反応性及び取扱い性等の観点から、すべてのハロゲン原子が塩素(Cl)であることが好ましいが、これに限定されるものではない。また、Ar、すなわち置換基を有してもよい芳香族基に対する、2つのハロゲン原子(X)の結合の位置は、特に限定されないが、反応性等の観点から、Arが結合するS原子に対してp−位の位置関係となるものであることが好ましく、更に2つのハロゲン原子(X)がいずれも、Arが結合するS原子に対してp−位の位置関係となるものであることがより好ましい。
以上説明したところから、本発明で使用されるジハロ芳香族スルフィド化合物としては、n=1であるビス(4−ハロフェニル)スルフィド、ビス(4’−ハロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)スルフィド、ビス(6−ハロナフタレン−2−イル)スルフィドや、これらの芳香族基の一部または全部が置換基を有するもの等が挙げられる。また、n=2である、1、4−ビス((4−ハロフェニル)チオ)ベンゼン、4,4’−ビス((4’−ハロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)チオ)−1,1’−ビフェニル、2,6−ビス((6−ハロナフタレン−2−イル)チオ)ナフタレンや、これらの芳香族基の一部または全部が置換基を有するもの等が挙げられる。同様に、n=3である、ビス(4−((4−ハロフェニル)チオ)フェニル)スルフィド、ビス(4’−((4’−ハロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)チオ)−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)スルフィド、ビス(6−((6−ハロナフタレン−2−イル)チオ)ナフタレン−2−イル)スルフィドや、n=4である1,4−ビス((4−((4−ハロフェニル)チオ)フェニル)チオ)ベンゼン、4,4’−ビス((4’−((4’−ハロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)チオ)−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)チオ)−1,1’−ビフェニル、2,6−ビス((6−((6−ハロナフタレン−2−イル)チオ)ナフタレン−2−イル)チオ)ナフタレンや、n=5であるビス(4−((4−((4−ハロフェニル)チオ)フェニル)チオ)フェニル)スルフィド、ビス(4’−((4’−((4’−ハロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)チオ)−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)チオ)−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)スルフィド、ビス(6−((6−((6−ハロナフタレン−2−イル)チオ)ナフタレン−2−イル)チオ)ナフタレン−2−イル)スルフィド、更にこれらの芳香族基の一部または全部が置換基を有するもの等が挙げられる。反応性及び取扱い性等の観点から、好ましくはn=1または2であるビス(4−ハロフェニル)スルフィドまたは1、4−ビス((4−ハロフェニル)チオ)ベンゼン等が挙げられ、より好ましくはビス(4−クロロフェニル)スルフィドまたは1、4−ビス((4−クロロフェニル)チオ)ベンゼン等が挙げられ、特に好ましくはビス(4−クロロフェニル)スルフィド(「4,4’−ジクロロジフェニルスルフィド」と表記することもある。)である。これらのジハロ芳香族スルフィド化合物は、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明で使用されるジハロ芳香族スルフィド化合物は、例えば、PDCB等のジハロ芳香族化合物を、水硫化ナトリウムと反応させる以下の(式2);
(式2) 2Cl−φ−Cl+NaSH → Cl−φ−S−φ−Cl+NaCl+HCl
によって調製することができるが、市販のジハロ芳香族スルフィド化合物を購入して入手することができる。
なお、本発明のPASの製造方法においては、硫黄源と反応するジハロゲン芳香族化合物として、前記式で表される特定のジハロ芳香族スルフィド化合物のみを使用することが好ましいが、本発明の目的を阻害しない限り、該ジハロ芳香族スルフィド化合物以外のジハロ芳香族化合物、例えばPDCB等を、該ジハロ芳香族スルフィド化合物100質量部に対して、通常10質量部以下、好ましくは5質量部以下、より好ましくは3質量部以下の量で併用してもよい。
本発明のPASの製造方法は、硫黄源としてアルカリ金属を含有する硫黄源を使用する。アルカリ金属を含有する硫黄源としては、アルカリ金属硫化物またはアルカリ金属水硫化物の一方または両方を含む硫黄源を使用することができる。
所望によっては、得られるPASに特定構造の末端を形成したり、また重合反応や分子量を調節したりする等のために、モノハロ化合物(必ずしも芳香族化合物でなくてもよい)を併用することができる。得られるPASに分岐または架橋構造を導入するために、3個以上のハロゲン原子が結合したポリハロ化合物(必ずしも芳香族化合物でなくてもよい)、活性水素含有ハロゲン化芳香族化合物、ハロゲン化芳香族ニトロ化合物等を併用することも可能である。分岐・架橋剤としてのポリハロ化合物として、好ましくはトリハロベンゼンが挙げられる。
本発明のPASの製造方法においては、重合反応の溶媒として、非プロトン性極性有機溶媒である有機アミド溶媒を用いる。有機アミド溶媒は、高温でアルカリに対して安定なものが好ましい。有機アミド溶媒の具体例としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド化合物;N−メチル−ε−カプロラクタム等のN−アルキルカプロラクタム化合物;N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン等のN−アルキルピロリドン化合物またはN−シクロアルキルピロリドン化合物;1,3−ジアルキル−2−イミダゾリジノン等のN,N−ジアルキルイミダゾリジノン化合物;テトラメチル尿素等のテトラアルキル尿素化合物;ヘキサメチルリン酸トリアミド等のヘキサアルキルリン酸トリアミド化合物等が挙げられる。これらの有機アミド溶媒は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のPASの製造方法においては、重合反応を促進させ、高重合度のPASをより短時間で得るために、必要に応じて各種重合助剤を用いることができる。重合助剤の具体例としては、一般にPASの重合助剤として公知の水、有機カルボン酸金属塩、有機スルホン酸金属塩、ハロゲン化リチウムなどのアルカリ金属ハライド、アルカリ土類金属ハライド、芳香族カルボン酸のアルカリ土類金属塩、リン酸アルカリ金属塩、アルコール類、パラフィン系炭化水素類、及びこれらの2種以上の混合物などが挙げられる。有機カルボン酸金属塩としては、アルカリ金属カルボン酸塩が好ましい。アルカリ金属カルボン酸塩としては、例えば、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、プロピオン酸ナトリウム、吉草酸リチウム、安息香酸リチウム、安息香酸ナトリウム、フェニル酢酸ナトリウム、p−トルイル酸カリウム、及びこれらの2種以上の混合物を挙げることができる。アルカリ金属カルボン酸塩としては、安価で入手しやすいことから、酢酸ナトリウムが特に好ましい。
本発明のPASの製造方法において、重合反応を促進させ、高重合度のPASを短時間で得るために、または相分離を生起し粒状PASを得るために、各種相分離剤を用いることができる。相分離剤とは、それ自体でまたは少量の水の共存下に、有機アミド溶媒に溶解し、PASの有機アミド溶媒に対する溶解性を低下させる作用を有する化合物である。相分離剤自体は、PASの溶媒ではない化合物である。
本発明のPASの製造方法は、
式: X−(−Ar−S−)n−Ar−X
(式中:Arは置換基を有してもよい芳香族基を表し、Xはハロゲン原子を表す。n=1〜10)
で表されるジハロ芳香族スルフィド化合物と、アルカリ金属を含有する硫黄源とを、有機アミド溶媒中で重合させることを特徴とする。すなわち、本発明においては、有機アミド溶媒中で、前記のジハロ芳香族スルフィド化合物と、アルカリ金属を含有する硫黄源とを重合反応させる重合工程が必須である。
(式3) n/2・Cl−φ−S−φ−Cl+n/2・Na2S
→ ―(−φ−S−)n−+nNaCl
に従って、PPS〔―(−φ−S−)n−〕が生成し、得られるPPSに対してn倍モル量のNaClが副生物として生成する。先に説明したとおり、ジハロ芳香族化合物としてPDCBを使用する場合は、得られるPPSの2n倍モル量のNaClが副生物として生成するので、副生成物であるNaCl量が半減している。したがって、本発明のPASの製造方法によれば、重合缶当りのPASの生産量を高めることが可能となる。
PASの製造方法に含まれる重合工程は、以下の仕込み工程を経て実施することができる。仕込み工程(工程1)は、有機アミド溶媒、前記のジハロ芳香族スルフィド化合物、及び、アルカリ金属を含有する硫黄源、及び水を含有する仕込み混合物を調製する工程であり、前記の混合物の成分に、更に必要に応じてアルカリ金属水酸化物とを添加して、これらの所定組成の混合物、すなわち仕込み混合物を調製する。
本発明のPASの製造方法においては、仕込み工程(工程1)に続いて重合工程を行う。重合工程は、1段階で行うことも可能であるが、前段重合工程と後段重合工程との2段階工程で行うことが好ましく、具体的には、仕込み混合物を好ましくは温度150〜270℃、より好ましくは温度180〜265℃に加熱して重合反応を開始させ、ジハロ芳香族スルフィド化合物の転化率が30%以上、好ましくは50〜100%、より好ましくは80〜100%のプレポリマーを生成させる前段重合工程(工程2)、及び、温度245〜290℃、より好ましくは温度255〜285℃に加熱して、通常は有機アミド溶媒1kg当り3.5〜20モルの水が存在する状態で、重合反応を継続する後段重合工程(工程3)を備えることが好ましい。また、重合工程における反応時間は、一般に10分間〜20時間、好ましくは30分間〜10時間である。
式: X−(−Ar−S−)n−Ar−X
(式中:Arは置換基を有してもよい芳香族基を表し、Xはハロゲン原子を表す。n=1〜10)
で表されるジハロ芳香族スルフィド化合物と、アルカリ金属を含有する硫黄源とを、有機アミド溶媒中で重合させることにより、前記のジハロ芳香族スルフィド化合物と、アルカリ金属を含有する硫黄源との重合反応が速く進行するので、従来より短時間で高分子量のPASを得ることができる。さらに、従来PASの製造方法において問題となっていた、有機アミド溶媒であるNMPが開環して、該開環物がジハロ芳香族化合物と反応することにより、原料であるジハロ芳香族化合物が副反応に消費されることや、該開環物や該副反応生成物がPASの分子末端と反応することにより重合反応の進行を阻害されることが、著しく抑制される。したがって、PASの原料であるジハロ芳香族スルフィド化合物の副反応への消費や重合反応の進行の阻害による収率の低下が、従来より著しく抑制される。
転化率=〔〔前記のジハロ芳香族スルフィド化合物仕込み量(モル)−前記のジハロ芳香族スルフィド化合物残存量(モル)〕/〔前記のジハロ芳香族スルフィド化合物仕込み量(モル)−前記のジハロ芳香族スルフィド化合物過剰量(モル)〕〕×100
によって転化率を算出する。それ以外の場合には、下記式
転化率=〔〔前記のジハロ芳香族スルフィド化合物仕込み量(モル)−前記のジハロ芳香族スルフィド化合物残存量(モル)〕/〔前記のジハロ芳香族スルフィド化合物仕込み量(モル)〕〕×100
によって転化率を算出する。
本発明のPASの製造方法においては、従来、仕込み工程に先立って、アルカリ金属を含有する硫黄源及び極性有機溶媒とを、例えば150〜210℃程度の温度まで昇温しながら常圧下に、水の不要量を系外に追い出すために実施されていた脱水工程を行うことなく、前記のジハロ芳香族スルフィド化合物とアルカリ金属を含有する硫黄源との重合反応が速い速度で進行する。したがって、本発明のPASの製造方法においては、脱水工程は必須の工程ではない。その結果、PASの製造方法において、脱水工程に費やされていた時間が節約されるので、設備及びエネルギーの大幅な節約が期待される。
本発明の製造方法において、重合反応後の後処理工程は、常法によって行うことができる。例えば、重合反応の終了後、生成したPASを含有するスラリーを高温状態のまま、または冷却した後、所望により水等で希釈してから、篩分等によりPASを濾別する分離工程、次いで、分離したPASについて、重合溶媒と同じ有機アミド溶媒やケトン類(例えば、アセトン)、アルコール類(例えば、メタノール)等の有機溶媒や高温水による洗浄と濾過を繰り返す洗浄工程、その後乾燥することにより、PASを回収する回収工程などを行うことができる。生成したPASを、酸や塩化アンモニウムのような塩で処理することもできる。
本発明のPASの製造方法によれば、副生成物の生成が抑制され、不純物が少ない高品質のPASを得ることができる。すなわち、本発明によれば、
式: X−(−Ar−S−)n−Ar−X
(式中:Arは置換基を有してもよい芳香族基を表し、Xはハロゲン原子を表す。n=1〜10)
で表されるジハロ芳香族スルフィド化合物と、アルカリ金属を含有する硫黄源とを、有機アミド溶媒中で重合させることを特徴とするPASの製造方法によって得られる
平均粒径10〜5000μm、温度310℃及びせん断速度1216sec−1で測定した溶融粘度0.1〜3000Pa・s、かつ、窒素含有量500ppm以下であるPASを得ることができる。
PASポリマー(以下、単に「ポリマー」ということがある。)の収率は、仕込み工程に供給した硫黄源(所望により脱水工程を配置する場合は、脱水工程後の反応缶中に存在する硫黄源)のすべてがポリマーに転換したと仮定したときのポリマー質量(理論量)を基準値として、この基準値に対する実際に回収したポリマー質量の割合を算出し、ポリマーの収率とした(単位:質量%)。
乾燥ポリマー約20gを用いて、東洋精機株式会社製キャピログラフ1−Cにより溶融粘度を測定した。この際、キャピラリーは、1mmφ×10mmLのフラットダイを使用し、設定温度は、310℃とした。ポリマー試料を装置に導入し、5分間保持した後、せん断速度1216sec−1での溶融粘度を測定した(単位:Pa・s)。
硫黄源水溶液中の硫化ナトリウム(Na2S)及び水硫化ナトリウム(NaSH)は、ヨージメトリー法により硫黄分の全量を求め、中和滴定法によりNaSHの量を求めた。硫黄分の全量からNaSHの量を差し引いた残りをNa2Sの量とした。
ポリマー中の窒素含有量は、ポリマー試料約1mgを精秤し、微量窒素硫黄分析計(アステック株式会社製、機種「ANTEK7000」)を用いて元素分析を行って求めた(単位:ppm)。
反応缶に、市販のDCDPS131g(0.51モル)、濃度62.2質量%の水硫化ナトリウム45.9g(0.51モル)、濃度73.3質量%の水酸化ナトリウム28.9g(0.53モル)、NMP508gを投入し(この時点でのNMP1kgに対する水の存在量は4モルである。)、反応缶に備え付けた撹拌機で撹拌しながら、温度180℃で2時間反応させ、その後60分間で230℃に昇温したところ、DCDPSの転化率が99%のプレポリマーが生成された(前段重合工程)。続いて、水27.5gを圧入し、265℃に昇温して2.5時間反応させて(後段重合工程)、PASを製造した。この際、生成した塩化ナトリウムは59.5gであった。
i)市販のDCDPSに代えて、市販のPDCB149.9g(1.02モル)を使用し、濃度62.2質量%の水硫化ナトリウム91.8g(1.01モル)、濃度73.3質量%の水酸化ナトリウム57.8g(1.06モル)を投入したこと、ii)脱水工程として、温度140〜195℃まで約2時間、大気圧下で加熱を行ったこと(NMP1kgに対する水の存在量は4モル)、iii)前段重合工程を温度220℃で1時間、220℃から230℃への昇温で0.5時間、230℃で1.5時間反応させるものとしたこと(PDCBの転化率90%のプレポリマーが生成した。)、及び、iv)後段重合工程を温度265℃で3時間反応させるものとしたことを除いて、実施例1と同様にして、PASを製造した(この際、生成した塩化ナトリウムは117.9gであった。)。次いで、粒状PASの篩分、洗浄、水洗を行った。得られたPASの粒状ポリマーの収率は89%で収量は97.0g、平均粒径は1299μm、溶融粘度は140Pa・s、窒素含有量は658ppmであった。
(式中:Arは置換基を有してもよい芳香族基を表し、Xはハロゲン原子を表す。n=1〜10)
で表されるジハロ芳香族スルフィド化合物と、アルカリ金属を含有する硫黄源とを、有機アミド溶媒中で重合させることを特徴とする本発明のPASの製造方法によれば、前記のジハロ芳香族スルフィド化合物と、アルカリ金属を含有する硫黄源との反応速度が速く、また、従来問題となっていたNMPの開環物とジハロ芳香族化合物(PDCB)との反応生成物(CPMABA)の生成がないことなどから、高純度のPASを高い収率で得られることが分かった。また、PASとともに生成するNaClの生成量が半減するので、PAS生産量の増加が期待されるとともに、脱塩を含む後処理工程の負担が軽減され、生産効率の向上が期待される。
(式中:Arは置換基を有してもよい芳香族基を表し、Xはハロゲン原子を表す。n=1〜10)
で表されるジハロ芳香族スルフィド化合物と、アルカリ金属を含有する硫黄源とを、有機アミド溶媒中で重合させることを特徴とするPASの製造方法であることにより、ジハロ芳香族化合物とアルカリ金属を含有する硫黄源とを、有機アミド溶媒中で重合させるPASの製造方法において、より高収率で、副生成物であるNaClの生成量を従来の半分以下に低減するとともに、脱水工程を省略可能とすることにより、短時間で生産性が高く、実用上の有用性に優れるPASを製造する方法を提供することができるので、産業上の利用可能性が高い。
(式中:Arは置換基を有してもよい芳香族基を表し、Xはハロゲン原子を表す。n=1〜10)
で表されるジハロ芳香族スルフィド化合物と、アルカリ金属を含有する硫黄源とを、有機アミド溶媒中で重合させることを特徴とするPASの製造方法によって得られる
平均粒径10〜5000μm、温度310℃及びせん断速度1216sec−1で測定した溶融粘度0.1〜3000Pa・s、かつ、窒素含有量500ppm以下であるPASであることにより、不純物が少なく高品質で取扱い性に優れるPASを提供することができるので、産業上の利用可能性が高い。
Claims (16)
- 下記工程1:
工程1:有機アミド溶媒、ジハロ芳香族スルフィド化合物、アルカリ金属を含有する硫黄源、及び水を含有する仕込み混合物を調製する仕込み工程を備え、
前記ジハロ芳香族スルフィド化合物が、式:
X−(−Ar−S−)n−Ar−X
(式中:Arはフェニレンを表し、Xはハロゲン原子を表す。n=1〜10)
で表される化合物であり、
前記ジハロ芳香族スルフィド化合物と、アルカリ金属を含有する硫黄源とを、有機アミド溶媒中で重合させることを特徴とするポリフェニレンスルフィドの製造方法であり、
ただし、少なくとも1つのアリーレンスルフィドセグメントと、少なくとも1つのアリーレンスルフィドスルホンセグメントとからなり、
前記アリーレンスルフィドセグメントが下記式:
X 00 −Ar 0 (R) n0 −S−Ar 1 (R 1 ) n0 ―X 01
(式中、X 00 及びX 01 は、それぞれフッ素、塩素、臭素、及びヨウ素から選択されるハロゲンであり、Ar 0 及びAr 1 は、それぞれアリーレン基であり、R及びR 1 は、それぞれ、水素及び炭化水素基から選択され、前記炭化水素基が、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、及びアリール基からなる群より選択され、前記n0が0〜4である。)
で表されるジハロ芳香族スルフィドに由来し、
前記アリーレンスルフィドスルホンセグメントが、ジハロ芳香族スルホンに由来する、ランダムコポリマーが、前記ポリフェニレンスルフィドから除かれる、製造方法。 - 前記式中、Xは塩素である請求項1記載のポリフェニレンスルフィドの製造方法。
- 前記式中、n=1〜5である請求項1または2記載のポリフェニレンスルフィドの製造方法。
- アルカリ金属を含有する硫黄源が、アルカリ金属硫化物またはアルカリ金属水硫化物の一方または両方を含む請求項1乃至3のいずれか1項に記載のポリフェニレンスルフィドの製造方法。
- 下記工程2及び工程3:
工程2:仕込み混合物を加熱して重合反応を開始させ、ジハロ芳香族スルフィド化合物の転化率が30%以上のプレポリマーを生成させる前段重合工程;及び、
工程3:有機アミド溶媒1kg当り3.5〜20モルの水が存在する状態で、加熱して重合反応を継続する後段重合工程;
を備える請求項1乃至4のいずれか1項に記載のポリフェニレンスルフィドの製造方法。 - 仕込み工程において、アルカリ金属を含有する硫黄源1モル当り0.9〜1.5モルのジハロ芳香族スルフィド化合物を含有する仕込み混合物を調製する請求項1乃至5のいずれか1項に記載のポリフェニレンスルフィドの製造方法。
- 仕込み工程において、有機アミド溶媒1kg当り0.1〜7モルの水を含有する仕込み混合物を調製する請求項1乃至6のいずれか1項に記載のポリフェニレンスルフィドの製造方法。
- 仕込み工程において、アルカリ金属を含有する硫黄源1モル当り0.75〜1.2モルのアルカリ金属水酸化物を含有する仕込み混合物を調製する請求項1乃至7のいずれか1項に記載のポリフェニレンスルフィドの製造方法。
- 前段重合工程において、仕込み工程で調製した仕込み混合物を温度150〜270℃に加熱して重合反応させる請求項5乃至8のいずれか1項に記載のポリフェニレンスルフィドの製造方法。
- 下記工程2及び工程3:
工程2:仕込み混合物を加熱して重合反応を開始させ、ジハロ芳香族スルフィド化合物の転化率が30%以上のプレポリマーを生成させる前段重合工程;及び、
工程3:有機アミド溶媒1kg当り3.5〜20モルの水が存在する状態で、加熱して重合反応を継続する後段重合工程;
を備え、
前段重合工程において、ジハロ芳香族スルフィド化合物の転化率が50〜100%のプレポリマーを生成させる請求項5乃至9のいずれか1項に記載のポリフェニレンスルフィドの製造方法。 - 下記工程2及び工程3:
工程2:仕込み混合物を加熱して重合反応を開始させ、ジハロ芳香族スルフィド化合物の転化率が30%以上のプレポリマーを生成させる前段重合工程;及び、
工程3:有機アミド溶媒1kg当り3.5〜20モルの水が存在する状態で、加熱して重合反応を継続する後段重合工程;
を備え、
後段重合工程において、温度245〜290℃に加熱して重合反応を継続する請求項5乃至10のいずれか1項に記載のポリフェニレンスルフィドの製造方法。 - 相分離剤の存在下で行う請求項1乃至11のいずれか1項に記載のポリフェニレンスルフィドの製造方法。
- 相分離剤が、有機カルボン酸金属塩、有機スルホン酸金属塩、アルカリ金属ハライド、アルカリ土類金属ハライド、リン酸アルカリ金属塩、アルコール類、パラフィン系炭化水素類、及び水からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項12記載のポリフェニレンスルフィドの製造方法。
- 下記工程2及び工程3:
工程2:仕込み混合物を加熱して重合反応を開始させ、ジハロ芳香族スルフィド化合物の転化率が30%以上のプレポリマーを生成させる前段重合工程;及び、
工程3:有機アミド溶媒1kg当り3.5〜20モルの水が存在する状態で、加熱して重合反応を継続する後段重合工程;
を備え、
後段重合工程において、反応系内がポリマー濃厚相とポリマー希薄相とに相分離した状態で重合反応を継続する請求項5乃至13のいずれか1項に記載のポリフェニレンスルフィドの製造方法。 - 仕込み工程の前に、有機アミド溶媒及びアルカリ金属を含有する硫黄源を含有する混合物を加熱して、該混合物を含有する系内から水を含む留出物の少なくとも一部を系外に排出する脱水工程を配置する請求項1乃至14のいずれか1項に記載のポリフェニレンスルフィドの製造方法。
- 得られる前記ポリフェニレンスルフィドの平均粒径が10〜5000μmであり、温度310℃及びせん断速度1216sec −1 で測定した溶融粘度が0.1〜3000Pa・sであり、窒素含有量が500ppm以下である、請求項1乃至15のいずれか1項に記載のポリフェニレンスルフィドの製造方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014181358A JP6418852B2 (ja) | 2014-09-05 | 2014-09-05 | ポリアリーレンスルフィドの製造方法及びポリアリーレンスルフィド |
US14/845,420 US9422402B2 (en) | 2014-09-05 | 2015-09-04 | Method of producing polyarylene sulfide and polyarylene sulfide |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014181358A JP6418852B2 (ja) | 2014-09-05 | 2014-09-05 | ポリアリーレンスルフィドの製造方法及びポリアリーレンスルフィド |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016056232A JP2016056232A (ja) | 2016-04-21 |
JP6418852B2 true JP6418852B2 (ja) | 2018-11-07 |
Family
ID=55436913
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014181358A Expired - Fee Related JP6418852B2 (ja) | 2014-09-05 | 2014-09-05 | ポリアリーレンスルフィドの製造方法及びポリアリーレンスルフィド |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US9422402B2 (ja) |
JP (1) | JP6418852B2 (ja) |
Families Citing this family (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101940547B1 (ko) | 2016-12-23 | 2019-01-22 | 주식회사 엘지화학 | 폴리페닐렌 설파이드의 제조방법 및 이로부터 제조된 고 점도 폴리페닐렌 설파이드 |
KR102251791B1 (ko) * | 2018-10-26 | 2021-05-13 | 주식회사 엘지화학 | 폴리아릴렌 설파이드의 제조 방법 |
US11407861B2 (en) | 2019-06-28 | 2022-08-09 | Ticona Llc | Method for forming a polyarylene sulfide |
EP4045567A1 (en) * | 2019-10-15 | 2022-08-24 | Solvay Specialty Polymers USA, LLC. | Poly(arylene sulfide) polymers and corresponding polymer compositions and articles |
EP4045568A1 (en) * | 2019-10-15 | 2022-08-24 | Solvay Specialty Polymers USA, LLC. | Poly(arylene sulfide) polymers and corresponding polymer compositions and articles |
US11319441B2 (en) | 2019-12-20 | 2022-05-03 | Ticona Llc | Method for forming a polyarylene sulfide |
WO2021192413A1 (ja) | 2020-03-24 | 2021-09-30 | 株式会社クレハ | ポリアリーレンスルフィドの製造方法 |
JP7463838B2 (ja) | 2020-05-19 | 2024-04-09 | Dic株式会社 | ポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法および洗浄方法 |
CN112574414B (zh) * | 2020-12-09 | 2022-02-01 | 浙江大学 | 一种聚芳硫醚树脂的合成方法 |
Family Cites Families (16)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US3322834A (en) | 1963-11-27 | 1967-05-30 | Phillips Petroleum Co | Process for production of diaryl and di(alkaryl) sulfides |
US3524835A (en) | 1963-11-27 | 1970-08-18 | Phillips Petroleum Co | Heat treatment of poly(arylene sulfide) resins |
US3354129A (en) | 1963-11-27 | 1967-11-21 | Phillips Petroleum Co | Production of polymers from aromatic compounds |
JPS453368B1 (ja) | 1964-11-27 | 1970-02-04 | ||
JPS4627255B1 (ja) | 1967-04-25 | 1971-08-07 | ||
JPS617332A (ja) | 1984-06-20 | 1986-01-14 | Kureha Chem Ind Co Ltd | 高分子量ポリアリ−レンスルフイドの製造法 |
US4645826A (en) | 1984-06-20 | 1987-02-24 | Kureha Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha | Process for production of high to ultra-high molecular weight linear polyarylenesulfides |
JPH07121985B2 (ja) | 1986-08-04 | 1995-12-25 | 呉羽化学工業株式会社 | ポリアリ−レンスルフイドの製造法 |
US4767841A (en) | 1987-02-24 | 1988-08-30 | Phillips Petroleum Company | Arylene sulfide polymer preparation from dehydrated admixture comprising sulfur source, cyclic amide solvent and water |
JPS6433138A (en) | 1987-07-29 | 1989-02-03 | Seitetsu Kagaku Co Ltd | Production of polyphenylene sulfide |
US5268449A (en) * | 1992-11-16 | 1993-12-07 | Phillips Petroleum Company | Random copolymers of poly(arylene sulfide)s and process therefor |
JP4700277B2 (ja) * | 2003-01-21 | 2011-06-15 | 株式会社クレハ | ポリアリーレンスルフィド及びその製造方法 |
JP5276247B2 (ja) * | 2004-02-18 | 2013-08-28 | 東レ株式会社 | ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の製造方法 |
JP2005298669A (ja) * | 2004-04-12 | 2005-10-27 | Polyplastics Co | ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物及びその成形品 |
CN102105512B (zh) * | 2008-07-22 | 2013-01-23 | 株式会社吴羽 | 末端卤基含量降低了的聚芳撑硫醚的制造方法 |
JP6136292B2 (ja) * | 2013-01-25 | 2017-05-31 | Dic株式会社 | ポリアリーレンスルフィドの製造方法 |
-
2014
- 2014-09-05 JP JP2014181358A patent/JP6418852B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
2015
- 2015-09-04 US US14/845,420 patent/US9422402B2/en not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US9422402B2 (en) | 2016-08-23 |
US20160068636A1 (en) | 2016-03-10 |
JP2016056232A (ja) | 2016-04-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6418852B2 (ja) | ポリアリーレンスルフィドの製造方法及びポリアリーレンスルフィド | |
JP5623277B2 (ja) | 粒状ポリアリーレンスルフィドの製造方法 | |
JP5731196B2 (ja) | 末端ハロゲン基含量が低減されたポリアリーレンスルフィドの製造方法 | |
JP3568054B2 (ja) | ポリフェニレンスルフィドの製造方法 | |
JP6077175B2 (ja) | ポリアリーレンスルフィドの製造方法 | |
JP5221877B2 (ja) | ポリアリーレンスルフィドの製造方法 | |
JP6517337B2 (ja) | 粒状ポリアリーレンスルフィドを製造する方法、及び粒状ポリアリーレンスルフィド | |
US10647818B2 (en) | Polyarylene sulfide production method and polyarylene sulfide | |
JPWO2011145428A1 (ja) | ポリアリーレンスルフィドの製造方法、及びポリアリーレンスルフィド | |
JP6419311B2 (ja) | 微粉ポリアリーレンスルフィドを製造する方法及び微粉ポリアリーレンスルフィド | |
JP6295379B2 (ja) | ポリアリーレンスルフィドを製造する方法及びポリアリーレンスルフィド | |
WO2004060973A1 (ja) | ポリアリーレンスルフィドの製造方法及び洗浄方法、並びに洗浄に使用した有機溶媒の精製方法 | |
KR20170093935A (ko) | 폴리아릴렌 설파이드의 제조 방법, 및 폴리아릴렌 설파이드 | |
JP7394987B2 (ja) | ポリアリーレンスルフィドの製造方法 | |
JP6889271B2 (ja) | ポリアリーレンスルフィドの製造方法 | |
JP7357695B2 (ja) | ポリアリーレンスルフィドの製造方法 | |
WO2020121785A1 (ja) | ポリアリーレンスルフィドの製造方法 | |
JP2020196845A (ja) | ポリアリーレンスルフィドの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20170418 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20180126 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20180206 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20180406 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20180925 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20181009 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6418852 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |