JP6414686B2 - プレキャストコンクリート床板における接合構造 - Google Patents
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Description
このように鉄骨梁によってPC床板を支持する場合には、鉄骨梁の上フランジのフランジ上面にスタッド等の突起部材を設け、隣り合うPC床板同士の接合部分を後施工の現場打ちコンクリートとする接合構造とすることで、PC床板と鉄骨梁との地震力の伝達が可能な架構とすることが一般的となっている。
すなわち、鉄骨梁とPC床板との接合部において、コンクリートを打設するといった手間と時間のかかる作業が必要となり、PC床板を使用することによる施工の簡易化の利点が損なわれてしまう。
また、留め部材は、縦横に隣接する4つのプレキャストコンクリート床板に共通する交点の位置に配置させることが可能となり、これら4つのプレキャストコンクリート床板で共有することができる。そのため、留め部材の数量の増加が抑えられ、施工が容易になる利点がある。
さらに、床下の設備を変更したり、メンテナンス等をしたりする場合でも、一部又は全てのプレキャストコンクリート床板を取り外して作業を行うことができる。したがって、従来のように大掛かりな取り外し作業を行う必要が無く、効率的となる利点がある。
ここで、本実施の形態では、室部Rは平面視で長方形をなし、その幅方向(短辺方向)を横方向Xとし、長手方向を縦方向Yとして、以下説明する。
なお、支持柱2の寸法や配置間隔L1、L2は、PC床板1の形状、重量、このPC床板1上に走行、或いは設置される機器・設備の重量、及びピット部11の高さ等の条件に応じて適宜設定される。
そして、支持柱2の上面2aには、複数本(4本)のアンカーボルト21(図5参照)が埋設されている。図5および図7に示すように、支持柱2の上面2aには、無収縮モルタル24を介してベースプレート23が設けられている。鉄骨梁3は、下フランジ32がベースプレート23上に載置され、アンカーボルト21を使用してボルト締結により着脱可能に接合されている。
そして、留め部材33に切欠部14を嵌合させた状態において、切欠部14と留め部材33との間の隙間には例えば無収縮モルタル等のグラウト材7(固化材)が充填されている。
また、PC床板1には、図示しない設備の取り出し口や空調用の開口を配置することも可能である。
なお、スペーサ4における鉄骨梁3の長さ方向の間隔は、PC床板1の荷重条件などに応じて適宜設定することができる。
先ず、図1に示すように、ピット部11の底盤12上に複数の支持柱2、2、…をコンクリートを打設することにより構築する。このときの支持柱2は、底盤12において、横方向X及び縦方向Yのそれぞれの方向に沿って一定の間隔をあけて配置される。また、図5に示すように、支持柱2の上面2aには、アンカーボルト21を埋め込み、そのボルト先端側を上面2aから突設させておく。本実施の形態では、支持柱2毎に4本のアンカーボルト21が埋め込まれている。
そして、スペーサ4はPC床板1の自重により所定量だけ圧縮変形した状態でPC床板1を下方より支持する。これにより、PC床板1の下面で敷きモルタル5を押し潰して密着した状態となり、PC床板1と鉄骨梁3とが敷きモルタル5を介して一体的に接合されることになる。
グラウト材7と敷きモルタル5が固化することにより、PC床板1の施工が完了となる。
本実施の形態では、図4に示すように、PC床板1の切欠部14を鉄骨梁3の留め部材33に嵌合させ、かつ切欠部14との間の隙間に充填されたグラウト材7が硬化することによって、PC床板1と、鉄骨梁3とが位置決めされるとともに、水平移動が規制された状態で接合される。このとき、PC床板1は、図3に示すように、その隅角部で留め部材33を介して鉄骨梁3に一体的に接合した状態となる。このように、従来のようなコンクリートの打設を不要とした簡単な施工により、PC床板1に作用する地震力などの水平力を鉄骨梁3に伝達可能な仕口構造を構築することができる。
また、留め部材33は、縦横に隣接する4つのPC床板1に共通する交点の位置に配置させることが可能となり、これら4つのPC床板1で共有することができる。そのため、留め部材33の数量の増加が抑えられ、施工が容易になる利点がある。
さらに、床下の設備を変更したり、メンテナンス等をしたりする場合でも、一部又は全てのPC床板1を取り外して作業を行うことができる。したがって、従来のように大掛かりな取り外し作業を行う必要が無く、効率的となる利点がある。
また、本実施の形態では、1つの留め部材33で縦横に配列される4つのPC床板1の隅角部の切欠部14を同時に嵌合させる構成としているが、これに限らず、上記4つのPC床板1を各別に留め部材33に嵌合させる構成であってもよい。
上述した変形例のように筒状に形成された留め部材33A、33B、33Cの場合には、筒部33c内に充填されるグラウト材7を介してPC床板1と、鉄骨梁3のフランジ上面31aとがより強固に接合されるので、双方の密着性を高めることができる。
この場合には、PC床板1の四隅を支持柱2で支持する構造となり、鉄骨梁3を設けずに、PC床板1の角部のみで床板に作用する地震力を支持柱2に直接伝達することができる。
1a 支持端
2 支持柱
2a 上面
3 鉄骨梁
4 スペーサ
5 敷きモルタル
7 グラウト材(固化材)
10 建物
14 切欠部
11 ピット部
31 上フランジ
31a フランジ上面(接合上面)
33、33A、33B、33C 留め部材
X 横方向
Y 縦方向
Claims (4)
- 鉄骨梁又は支持柱の上面に位置する接合上面に載置させることにより接合されるプレキャストコンクリート床板における接合構造であって、
前記接合上面には、前記プレキャストコンクリート床板の水平移動を規制する面材のみから形成される留め部材が面方向を上下方向に向けた状態で突設して設けられ、
前記プレキャストコンクリート床板の下面側における隅角部には、前記留め部材に対して緩やかに嵌合される切欠部が設けられ、
前記切欠部は、前記プレキャストコンクリート床板が前記留め部材に嵌合した状態において、前記留め部材に対して水平方向及び上方に間隔をあけた状態で配置され、前記留め部材との間の隙間に固化材が充填されていることを特徴とするプレキャストコンクリート床板における接合構造。 - 前記接合上面には、敷きモルタルが敷設されていることを特徴とする請求項1に記載のプレキャストコンクリート床板における接合構造。
- 前記留め部材は、周方向にわたって延在する筒状に形成され、
該留め部材の筒部内には前記固化材が充填されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のプレキャストコンクリート床板における接合構造。 - 前記接合上面は、前記支持柱の上面であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のプレキャストコンクリート床板における接合構造。
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